JPH07234256A - 自動平衡装置 - Google Patents

自動平衡装置

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JPH07234256A
JPH07234256A JP4979894A JP4979894A JPH07234256A JP H07234256 A JPH07234256 A JP H07234256A JP 4979894 A JP4979894 A JP 4979894A JP 4979894 A JP4979894 A JP 4979894A JP H07234256 A JPH07234256 A JP H07234256A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高精度且つ高速なインピーダンス測定を可能と
する自動平衡装置を提供する。 【構成】第2の端子に信号源(2)から電源が供給され
ている試料(1)の第1の端子に基準素子(3)が直列
に接続され、第1の端子からの信号を増幅する増幅手段
(5)に補償信号を生成する補償手段(6)が接続さ
れ、上記補償信号と増幅手段の出力信号の加算信号が基
準素子(3)を介して増幅手段(5)にフィードバック
入力される構成を有し、補償手段(6)は、上記補償信
号と増幅手段(5)の出力信号に基づき増幅手段(5)
の出力信号をゼロにするのに必要な新たな補償信号を生
成することにより、試料(1)と基準素子(3)の接続
点の電位を所定の基準電位に平衡させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インピーダンスメータ
で用いられる自動平衡装置に関し、特に誤差が少なく高
精度且つ高速なインピーダンス測定を可能とする自動平
衡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被測定試料のインピーダンスを測定する
インピーダンスメータでは、試料に信号源を接続し、試
料に印加される電圧Vと、試料に流れる電流Iに基づい
て試料のインピーダンスZをZ=V/Iとして求めてい
る。この電流Iは、図5に示すように、信号源12が供
給された試料11と接地間に、既知の抵抗値Rrをもつ
基準素子(抵抗)13を直列に接続し、試料11と基準
素子13の接続点の電圧Viを測定して、I=Vi/R
rとして求めることができる。このとき、試料11と基
準抵抗13の接続点Pに、接地との間に浮遊容量Cpや
絶縁抵抗Rp等から成るアドミタンスYpをもつ浮遊ア
ドミタンス14があると、試料11に流れた電流の一部
が浮遊アドミタンスYpに分流して電流検出誤差が発生
し、高精度なインピーダンスの測定が困難になる。
【0003】かかる問題を解決するには、図6に示すよ
うな、試料11と基準抵抗13の接続点の電位を略接地
電位と等しくするような信号源15を付加した構成をも
つ、云わゆるハーフブリッジ型の自動平衡装置が実用化
されている。
【0004】上記ハーフブリッジ型の自動平衡装置は、
信号源15を安価な演算増幅器を用いて構成している
が、高い周波数領域では演算増幅器の利得が周波数に反
比例して低下し、浮遊容量を主成分とする浮遊アドミタ
ンスは周波数に比例して増大するため、接地への分流電
流に起因する電流の検出誤差は周波数の2乗に比例して
大きくなるという問題がある。
【0005】そこで、本願発明者は、かかる問題点を軽
減した、図7に示すような、自動平衡装置を提案してい
る(特開平4−204267号)。
【0006】この自動平衡装置は、試料21と、この試
料21に流れる電流を電圧に変換する基準素子23とを
直列に接続し、試料21の基準素子23と接続されない
端子側を信号源22で駆動し、試料21と基準素子23
との接続点Pの信号を基準電位に平衡させる自動平衡装
置であり、試料21と基準素子23との接続点の信号を
増幅する演算増幅器24と、演算増幅器24の出力信号
を記憶して、その後、補償信号として発生する補償信号
発生装置25と、補償信号発生装置25から発生される
補償信号と、演算増幅器24からの出力信号とを加算し
て、基準素子23の試料21と接続されていない端子側
から試料21と基準素子23との接続点に帰還する加算
器27とを設けて構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
特開平4−204267号において提案した自動平衡装
置では、演算増幅器の出力と同じ信号を発生する補償信
号発生装置を用いて、試料21と基準素子(基準抵抗)
23との接続点の電位を基準電位に保って平衡度を改善
している。
【0008】しかしながら、近年、使用される周波数領
域は益々高周波数領域に拡大しており、また更に、高精
度且つ高速な測定を可能とするインピーダンス測定装置
が望まれている等の事情から、上記のような自動平衡装
置では十分な精度で且つ高速なインピーダンス測定が困
難である。
【0009】例えば、周波数が高くなると、増幅器の利
得が低下し、1回の補償操作で得られる平衡度の改善率
が低下してしまう。また、補償器の入出力間の利得や位
相にずれがあると、1回の補償操作で得られる平衡度の
改善率が低下する。更に、補償操作1回当りの平衡度の
改善率が低下すると、補償操作を多数回繰り返さないと
十分な平衡状態に達せず、高速なインピーダンス測定が
できない。
【0010】上述のような自動平衡装置では、補償信号
発生装置25として演算増幅器(増幅回路)24の出力
波形を略そのままの形で記憶し出力する回路を用いた場
合、このような補償信号発生装置は完全にハードウェア
で構成でき、補償操作は十分高速に繰り返し実行できる
ので、補償操作を多数回繰り返しても、十分な平衡度に
達するのにそれほど時間はかからない。しかし、このよ
うなハードウェア構成は複雑で大型になるため、集積回
路化できない少量生産機種では高価になる欠点があっ
た。
【0011】これに対して、演算増幅器(増幅回路)か
らの出力信号をベクトル電圧計で測定し、位相と振幅を
任意に設定できる発振器を制御して補償信号を発生する
ような補償信号発生装置を用いれば、利得や位相の調整
を含めて、ソフトウェアで処理できる部分が多いため、
ハードウェア構成は簡単となり、安価に作成できる。ま
た、装置の製造時に、補償回路の入力から出力までの伝
達関数を”1”に調整して、1回の補償操作で得られる
平衡度の改善率を向上することも比較的容易である。
【0012】しかしながら、この手法では、増幅手段の
利得が極端に低下する高い周波数になると、1回の補償
操作で得られる平衡度の改善率が低下し、補償操作を多
数回繰り返さないと十分な平衡度に達しない。こうなる
と、前記ベクトル電圧の測定などに時間を要するこの手
法では、十分な平衡度に達するまでに時間がかかる欠点
があった。
【0013】そこで、本発明は、いかなる条件であって
も、補償操作の少ない繰り返しで、十分な平衡度に到達
する自動平衡装置を提供することを目的とする。すなわ
ち、本発明の目的は、高精度且つ高速なインピーダンス
測定を可能とする自動平衡装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに本発明の自動平衡装置は、試料の第1の端子に直列
に接続される所定のインピーダンスをもつ基準素子と、
前記基準素子と接続されない前記試料の第2の端子に電
源を供給する信号源を有し、前記試料と前記基準素子の
接続点の電位を所定の基準電位に平衡させる自動平衡装
置において、前記試料の第1の端子からの信号を増幅す
る増幅手段と、該増幅手段の出力側に接続され、補償信
号を生成して出力する補償手段と、該補償手段からの補
償信号と前記増幅手段からの出力信号を加算し、得られ
た加算信号を、前記基準素子の前記試料と接続されてい
ない端子に供給する加算手段とを備え、前記補償手段
は、前記補償手段の出力信号と前記増幅手段の出力信号
に基づいて、前記増幅手段の出力信号をゼロにするのに
必要な新たな補償信号を生成して出力するように構成さ
れる。
【0015】
【作用】本発明では、第2の端子に信号源から電源が供
給されている試料の第1の端子に、基準素子が直列に接
続され、上記第1の端子からの信号を増幅する増幅手段
に補償信号を生成する補償手段が接続され、上記補償信
号と増幅手段の出力信号の加算信号が上記基準素子を介
して上記増幅手段にフィードバック入力される構成を有
し、上記補償手段は、上記補償信号と上記増幅手段の出
力信号に基づき上記増幅手段の出力信号をゼロにするの
に必要な新たな補償信号を生成することにより、上記試
料と基準素子の接続点の電位を所定の基準電位に平衡さ
せている。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1は本発明による自動平衡装置の一
実施例を示す構成ブロック図である。本実施例において
は、試料1の一端側が信号源2に接続され、他端側が基
準素子(抵抗)3に接続され、また試料1と基準素子3
の接続点が演算増幅器5の反転入力端子に接続され、非
反転入力端子が基準電位(接地電位)に接続されてい
る。演算増幅器5の出力は加算器4と補償回路6に供給
され、加算器4には、演算増幅器5の出力信号と補償回
路6の出力信号とが供給され、加算信号が基準素子3を
経て演算増幅器5の反転入力端子に帰還入力されてい
る。ここで、信号源2は、出力Eを発生する信号発生回
路と、出力インピーダンスZsとして表現され、基準素
子3のインピーダンスをZr、演算増幅器5の利得をA
とする。
【0017】補償回路6は、演算増幅器5からの出力信
号に基づいて、該演算増幅器5の出力信号をゼロにする
のに必要な補償信号を生成して加算器4に出力する。補
償回路6での補償信号の生成は次のように行なわれる。
【0018】先ず、補償回路6から任意の初期設定され
た信号V1を出力する。このときの補償回路6への入力
信号、すなわち演算増幅器5の出力信号X1を測定す
る。尚、図1では、Vn及びXnと一般化して示してい
る。
【0019】次に、補償回路6の出力を、信号V1とは
異なる信号V2に設定し、このときの補償回路6への入
力(演算増幅器5の出力)X2を測定する。
【0020】補償回路6の出力から入力に至る伝達関数
Gを、入力変化に対する出力変化の割合として、次の
(1)式を求める。 G=(X2−X1)/(V2−V1) (1)
【0021】続いて、伝達関数G、演算増幅器5の現在
の出力信号X2、補償回路の現在の出力信号V2から、
演算増幅器5の出力信号をゼロにするような出力信号V
3を(2)式により求める。 V3=V2−(X2/G) (2)
【0022】ここで、X2よりX1の方が小さい場合に
は、次のような(3)式を用いることもできる。 V3=V1−(X1/G) (3)
【0023】以上のように補償信号を生成して、帰還す
ることにより、簡単に平衡状態が達成される.一方、実
際の装置では、補償回路6の入力信号を測定するときの
分解能や、補償回路の出力設定分解能が十分でなかった
り、回路の一部に非線形特性を有する部分があると、上
記一回の操作、処理では十分な平衡度に達しない場合が
ある。このような場合には、増幅回路(演算増幅器)の
出力信号が十分ゼロに近くなるまで、演算増幅器の出力
を測定し、(2)式または(3)式に基づいて補償信号
を生成する操作、処理を繰り返せば良い。
【0024】上述操作、処理により十分な平衡度に達す
るので、以後は適当な時間間隔で、上記増幅回路の出力
測定及び(2)式、または(3)式に基づく補償信号の
生成処理を繰り返すことにより、必要な平衡度を維持で
きる。
【0025】また、試料の交換等により平衡度が著しく
悪化したときは、もしそれによって伝達関数Gも大きく
変化している可能性があるならば、新たに、前述の補償
回路6からの初期設定信号V1の設定、補償回路6への
入力の測定、補償回路6からのV2(≠V1)の生成出
力、(1)式に基づく伝達関数Gの算出及び、(2)式
または(3)式に基づく補償信号の生成処理を行なう。
【0026】本実施例による処理を、図2の各部信号の
ベクトル図を参照して説明する。補償回路6から出力さ
れる初期設定補償ベクトル信号V1に対して、測定で得
られる入力ベクトル信号X1、補償ベクトル信号V2に
対して得られる入力ベクトル信号X2が図示のような関
係にあると、伝達関数Gは、(1)式に基づいて、ベク
トル信号X1及びX2の差ベクトルと、ベクトル信号V
1及びV2の差ベクトルの比で求まる。補償回路6への
入力、つまり演算増幅器5の出力ベクトル信号X3がゼ
ロになるような補償ベクトル信号V3は、(2)式に基
づいて、ベクトル信号V2からX2/Gを減算して得ら
れるベクトル信号V3として得られることになる。
【0027】以上の実施例において、信号V1は前回の
補償信号そのもの、あるいはゼロとするのが簡単である
が、回路や試料の特性が変化しない範囲ならば任意の値
でよい。もし信号源2の電圧Eをゼロにできれば、V1
=0のときX1=0になるので、信号V1に対する測定
は行わなくて済むが、装置の製造時ではなく、インピー
ダンス測定時に伝達関数を求める場合は、試料にかかる
信号が大きく変化して、そのインピーダンスを変化させ
る恐れがあるので望ましくない。
【0028】ここで、信号V2は、信号V1と等しくな
ければ原理的には任意の値でよいが、|V2−V1|お
よび|X2−X1|があまりにも小さいと、その測定精
度が十分でなくなるので、これらの精度、したがって伝
達関数の精度が十分確保できるだけ信号V1の値から離
れた値に信号V2を設定する。|X2−X1|の下限値
XL、|V2−V1|の下限値VL、Gの概略値G0は
設計時に決まるので、次の式を満たすように信号V1と
V2の値を決める。 |V2−V1|≧VL (4) |V2−V1|≧XL/|G0| (5) ただし、|V2−V1|を大きくし過ぎると、演算増幅
器が飽和したり、伝達関数Gの非線形性が強くなって、
十分な平衡度が得られないことがある。また、増幅回路
の利得が十分でないとき|V2−V1|を大きくする
と、試料にかかる電圧が大きな割合で変動することがあ
り、ヒステリシスのある試料の測定では測定値の再現性
を悪化させる。したがって、特にインピーダンスの測定
中に伝達関数Gを求めるときは、|V2−V1|を必要
最小限の大きさにすることが望ましい。補償回路の出力
を信号V1の値の周辺のいくつかの値に設定して増幅回
路の出力を測定し、V1から各方向へ向かっての伝達関
数を求めれば、伝達関数の非線形性を確認することもで
きる。
【0029】ところで、図1の構成におけるP点からQ
点までの伝達関数Gqpは次式(6)で与えられる。変
化分のみ考えればよいので、信号源の出力電圧Eは考慮
する必要はない。実際にEは任意の値でよい。 Gqp=−A・Zx/{(1+A)Zx+Zr} (6) ここで、 Zx:試料のインピーダンスZdut+信号源の出力イン
ピーダンスZs Zr:基準素子のインピーダンス A :増幅器としての演算増幅器の利得 |Zx|≧|Zr|、且つ|A|>>1であれば、Gq
pは約−1で一定となる。このように、条件が良いとき
は、製造時に一度、前述操作により伝達関数Gを求めて
おけばよく、インピーダンス測定時には、(2)式や
(3)式に基づく補償信号の生成操作のみを行えばよ
い。周波数が高くなって|A|>>1の条件が満足され
なくなると、Zxの値やAの変動によって伝達関数が大
きく変化するため、インピーダンス測定ごとに伝達関数
Gを求めて平衡操作を行なった方が有利である
【0030】図3には、上述実施例における補償回路6
の具体的な構成ブロック図が示されている。演算増幅器
5からの出力信号は、帯域通過フィルタ611で所望の
帯域の信号が抽出され、利得調整器612でレベルが調
整された後、A/Dコンバータ613で、クロック発生
器621からのクロックに基づいてデジタルデータに変
換される。A/Dコンバータ613からのデジタルデー
タは、アドレス発生器620から発生されるアドレス信
号によって書き込み及び読み出しが制御され、メモリと
しての、例えば、書き込みと読み出しを独立に実行でき
るデュアルポートメモリ614に書き込まれる。デュア
ルポートメモリ614には、例えば、波形情報が複数周
期分書き込まれる。
【0032】デュアルポートメモリ614から読み出さ
れたデジタルデータは、デジタル信号処理回路(DS
P)615に送出され、前述操作処理(演算増幅器5の
出力信号の検出、伝達関数Gの導出等)により必要な振
幅と位相をもつ正弦波のデジタル補償信号V3に対応す
る信号を生成してデュアルポートメモリ616に格納す
る。すなわち、デジタル信号処理回路615は、補償回
路6の出力信号と、演算増幅器5の出力信号とから、演
算増幅器5の出力をゼロにするのに必要な補償回路6の
出力信号の新たな値を算出して、出力信号として出力す
る。デジタル信号処理回路615における処理は、フー
リエ積分等の公知の方法での処理であり、演算増幅器5
の出力信号をベクトルとして求めることができる。
【0033】デュアルポートメモリ616から読み出さ
れたデータは、D/Aコンバータ617でアナログ信号
に変換され、帯域通過フィルタ618で所定帯域成分の
みが抽出されて利得調整器619でレベル調整され、前
述補償信号V3として加算器4に供給される。補償信号
V3は、加算器4で演算増幅器5からの出力信号と加算
され、基準素子3の一端を駆動する。
【0034】ここで、デジタル信号処理回路615の処
理が十分高速であれば、デュアルポートメモリ614は
省略できる。
【0035】前記手順により求められる伝達関数は、こ
の実施例ではDSPの出力から入力までの伝達関数に相
当し、途中の経路に存在する帯域通過フィルタや利得調
整器など全ての構成要素の特性を含む。この伝達関数
は、前記補償回路6の出力から入力までの伝達関数とは
異なるが、演算増幅器5の出力信号がゼロのとき、DS
Pの入力信号がゼロになるのであるから、この実施例に
おいても、前記手順で平衡度の改善率を向上できるのは
明らかである。また、帯域通過フィルタや利得調整器の
特性が予め分かっていなくても、また変化しても、全体
の伝達関数に含めて測定されるので、平衡度の改善率が
悪化することはない。
【0036】図3に示す構成において、帯域通過フィル
タ611,618は、測定信号周波数付近の信号のみを
通し、不要雑音を低減するために用いられているが、必
ずしも必要ではない。
【0037】利得調整器612は、A/Dコンバータ6
13の分解能を補う目的で用いられており、A/Dコン
バータ613の入力信号がその変換範囲を越えず、且
つ、なるべく変換範囲いっぱいに変化するように、増幅
回路の出力信号に応じてその利得を調整するが、必ずし
も必要ではない。
【0038】利得調整器619は、D/Aコンバータ6
17の分解能や出力信号の範囲の不足を補う目的で用い
られており、D/Aコンバータ617をなるべく変換範
囲いっぱいのデータで駆動するように、補償回路6の出
力に応じてその利得を調整するが、必ずしも必要ではな
い。
【0039】クロック発生器621は、A/D変換速度
およびD/A変換速度を決めるクロック信号を発生す
る。そのクロック信号は、A/Dコンバータ613,D
/Aコンバータ617及びアドレス発生器620に供給
される。アドレス発生器620は、メモリとしてのデュ
アルポートメモリ614,616のアドレスを発生す
る。測定周波数が1MHzの場合、クロック周波数を、
例えば16MHzにする。
【0040】アドレス発生器620は、このクロックに
同期して順次16種類のアドレスを発生し、デュアルポ
ートメモリ614,616に与える。これら2つのメモ
リで同じアドレスを用いれば、補償回路6の入力検出と
出力設定における信号の位相関係を常に一定に保つこと
ができる。複数周期分のアドレスを発生させて、デュア
ルポートメモリ614に取り込むサンプル数を多くすれ
ば、平均化により等価雑音レベルを下げ、演算増幅器5
の出力信号の検出感度を上げることもできる。
【0041】純粋2進アドレスを用いると、アドレスの
最上位ビットの変化周波数が測定信号の周波数に一致し
て測定に妨害を与えることがあるので、アドレスを疑似
ランダム信号にしてもよい。また、クロック周波数を測
定周波数の整数倍である16MHzからずらして、例え
ば15.5MHzや15.2MHzにして、それぞれ2
周期、5周期分の信号を記憶手段に格納するなどして
も、測定信号に対する妨害を低減できる。このようにす
ると、サンプリング位相の種類が増加するので、フーリ
エ積分などで信号の基本波成分を求めるときに、増幅手
段の出力信号の高調波成分をより高い次数まで消去でき
るとともに、雑音やA/D変換回路の量子化誤差の影響
を平均化作用によって低減できる効果もある。クロック
周波数を測定周波数の15.5倍にして、アドレスを疑
似ランダム信号にしたときの、アドレスとデータの例を
図4に示す。
【0042】前掲特開平4−204267号には、A/
D変換回路やD/A変換回路の分解能の不足を補う方
法、演算増幅器の出力雑音を軽減する方法、A/D変換
回路の変換速度の不足を補う方法、安定化インピーダン
スを用いて演算増幅器の利得を上げる方法等が図1〜図
11を参照して記載されているが、これらの補助的な手
法と、本発明を組み合わせて使用できるのは明白であ
る。
【0043】以上の実施例においては、増幅手段の利得
が低くなる高い周波数においても補償操作の少ない繰り
返しで十分な平衡度を得ることができるので、インピー
ダンスを短時間で測定することができる。また、補償回
路の入力や出力にフィルタ等が設けられていて、それら
の伝達関数が変化しても、補償操作当たりの平衡度の改
善率が悪化しない。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の自動平衡
装置によれば、最小限の補償操作で十分な平衡度が得ら
れ、インピーダンス測定を高精度且つ高速に行なうこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動平衡装置の一実施例を示す構
成ブロック図である。
【図2】本実施例による処理を示す各部信号のベクトル
図である。
【図3】本実施例における補償回路6の具体的な構成ブ
ロック図である。
【図4】本実施例におけるデュアルポートメモリ614
に対して、クロック周波数を測定周波数の15.5倍に
して、アドレスを疑似ランダム信号にしたときのアドレ
スとデータ例を示す図である。
【図5】従来の自動平衡装置の一例を示す構成ブロック
図である。
【図6】従来の自動平衡装置の他の例を示す構成ブロッ
ク図である。
【図7】従来の自動平衡装置の更に他の例を示す構成ブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 試料 2 信号源 3 基準素子 4 加算器 5 演算増幅器 6 補償回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料の第1の端子に直列に接続される所定
    のインピーダンスをもつ基準素子と、前記基準素子と接
    続されない前記試料の第2の端子に電源を供給する信号
    源を有し、前記試料と前記基準素子の接続点の電位を所
    定の基準電位に平衡させる自動平衡装置において、 前記試料の第1の端子からの信号を増幅する増幅手段
    と、 該増幅手段の出力側に接続され、補償信号を生成して出
    力する補償手段と、 該補償手段からの補償信号と前記増幅手段からの出力信
    号を加算し、得られた加算信号を、前記基準素子の前記
    試料と接続されていない端子に供給する加算手段と、を
    備え、前記補償手段は、前記補償手段の出力信号と前記
    増幅手段の出力信号に基づいて、前記増幅手段の出力信
    号をゼロにするのに必要な新たな補償信号を生成して出
    力することを特徴とする自動平衡装置。
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JP2007232604A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Agilent Technol Inc 電流電圧変換器およびインピーダンス測定装置
JP2020094824A (ja) * 2018-12-10 2020-06-18 矢崎総業株式会社 インピーダンス測定治具及びインピーダンス測定方法

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