JPH07232640A - 鉄道車両用窓構造 - Google Patents

鉄道車両用窓構造

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JPH07232640A
JPH07232640A JP6326648A JP32664894A JPH07232640A JP H07232640 A JPH07232640 A JP H07232640A JP 6326648 A JP6326648 A JP 6326648A JP 32664894 A JP32664894 A JP 32664894A JP H07232640 A JPH07232640 A JP H07232640A
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glass
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JP6326648A
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Inventor
Kazunori Yanagisawa
和典 柳沢
Morishige Hattori
守成 服部
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】必要な強度を備え、かつ、従来の窓部材に比べ
て軽量化を図ること、また、飛来物質による傷による損
傷を防止することにある。 【構成】車外側に生硝子11を配置し、その内側に合せ
剤12を介してポリカーボネート13を配置して積層
し、外周に窓縁材14を設置した窓部材を車体1の窓開
口部3に設置する。また、各窓開口部3の間のピラー部
2にポリカーボネートからなるピラー外装部材を設置し
て、連窓構造を構成している。さらに、複層硝子,空気
層,合わせ硝子および該合わせ硝子の車外側に擦過傷防
止のための機能接着層を形成した窓部材を設置した構造
となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両用窓構造に係
り、特に200km/h以上の速度で走行する鉄道車両
に好適な鉄道車両用窓構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、200km/h以上の速度で走行
する鉄道車両においては、トンネル内走行時の車外の圧
力変動に耐え得る強度或いは断熱性,遮音性を備えた窓
部材が必要とされており、これらの要求を満足するもの
として複数の硝子板を空気層を設けて配置した合わせ硝
子が用いられている。すなわち、透明な硝子板を空気層
を形成するように所定の間隔を隔てて平行に配置し、こ
れらの外周をシール剤等を介して枠材で保持する構造と
なっている。前記枠材を車体の窓開口に固定することに
よって、前記合わせ硝子を車体に取付ける構造となって
いた。なお、前記窓構造の例として関連するものには、
例えば特公平4−70183号公報が挙げられる。
【0003】また、図24に示す様に、例えば細かな砂
塵や降り注ぐ氷結雨や自然の樹木の一部等の飛来物質x
により、傷や亀裂、更には硬質故に破損に至る様々な不
都合を車外から受けている。高速車両の窓ガラスはトン
ネル突入時の車外圧力変動に耐えうる強度を持つのみな
らず、断熱性、走行騒音の遮音性を備える為に、その構
造が容易に分離出来ぬ組部品で構成されている。なお、
これら窓構造に関連するものとして例えば、特公昭61
−47248号公報が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の窓構造
においては、窓部材として硝子板を用いていることか
ら、必要な耐圧強度を確保するため、それぞれの硝子板
の板厚を比較的厚いものとする必要があり、全体として
の重量が増大する傾向にある。すなわち、前記車外圧力
の変動は、車両走行速度の二乗に比例して増大するた
め、走行速度の向上に伴って窓部材の重量も二次曲線的
に増大することになる。一方、鉄道車両は、その速度向
上に伴って軌道に与える衝撃が増大するため、車両重量
を極力抑える努力を行なっているが、前記窓部材につい
ては逆行する状況にあった。
【0005】また、近年鉄道車両の外観デザインは、ス
ピード感の表現等を目的として車体の窓部だけでなく、
窓部に一致させてピラー部にも硝子板を設置し、車体長
手方向に窓が連続したように見せる連窓構造が多く採用
されている。ところが、前述のように高速化に伴う車両
の軽量化を図る場合、ピラー部に設置する硝子板の重量
が車両全体の軽量化を図る上で障害となっている。
【0006】さらに、飛来物質によって窓部材表面に生
じた擦過傷が高速走行時の圧力変動によって成長し大き
な亀裂となり破損に至る等の不具合も予想される。この
ような破損が生じても運行に支障のない程度の強度を確
保すると共に断熱性、走行騒音の遮音性を確保するため
に、各種素材を重ねあわせた複雑な組立て構造となって
いる。したがって、破損した窓部材の着脱等の取替えに
はそれなりの技術や複雑な工程を処理しなければなら
ず、必要処理時間の不都合も含めて多大な経費が必要で
あった。さらに、このような複層構成は、軽量化が困難
であった。
【0007】本発明の目的とするところは、必要な強度
を備え、かつ、従来の窓部材に比べて軽量な鉄道車両用
窓構造を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的とするところは、連窓構
造を採用した鉄道車両において、窓部分の重量増大を抑
えた鉄道車両を提供することにある。
【0009】本発明の更に他の目的は、窓部材表面に生
じる擦過傷やこれに伴う亀裂破損等の不具合を防止する
ことにある。
【0010】また、本発明の目的は、窓部材として視野
不都合に至った場合の補修に伴う多大な経費を軽減する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、車体の窓開
口部に設置される透明な窓部材よりなる鉄道車両用窓構
造において、透明樹脂材と該透明樹脂材よりも厚さの薄
い硝子とを重ね合わせて接合した窓部材を、前記硝子層
を車体外表面側に配置して設置することにより、達成さ
れる。
【0012】また、上記目的は、透明樹脂材よりなり、
一方の表面に硝子層を備え、かつ、他方の表面に樹脂材
を露出させて配置される窓部材を、気密性車体の窓開口
部に設置することにより、達成される。
【0013】また、前記他の目的は、車体の窓開口部に
隣接したピラー部に、前記窓開口部に設置される窓部材
の外表面の光反射率と同等の反射率を有する透明樹脂材
よりなるピラー外装部材を設置することにより、達成さ
れる。
【0014】前記さらに他の目的は、複数の硝子の間に
空気層を形成した硝子層と、該硝子層の車外側に硝子よ
りも衝撃減衰機能の高い機能樹脂層と、該機能樹脂層の
該表面を覆う硬質表面層とから構成した窓部材を、気密
性車体の窓開口部に設置したことにより、達成される。
【0015】また、前記硬質表面層に代えて表面の摩擦
抵抗の低い表面層を設けた窓部材を設置することによ
り、達成される。
【0016】さらに、前記硝子層に接合される機能樹脂
層および表面層のうち少なくとも表面層を半接着状態で
設置することにより、補修時の経費の軽減を達成するこ
とができる。
【0017】
【作用】透明樹脂材と硝子を積層して窓部材とし、か
つ、該硝子の厚さを透明樹脂材よりも薄く構成すること
により、硝子よりも透明樹脂材の比重が軽いことから、
従来の窓部材よりも軽量化することができる。また、強
度面においては、ほぼ従来の硝子板と同等の厚さで同等
以上の強度を有する樹脂材料を用いることにより、十分
な強度を確保することができる。
【0018】さらに、窓部材を透明樹脂材と硝子との積
層材によって構成し、一方の表面に硝子層を備えた構成
とすることにより、該硝子層が従来の硝子板よりなる窓
と同等な感覚を乗客に与え樹脂材料の質感を感じさせる
ことなく、窓部材の軽量化を図ることができる。
【0019】ピラー部に設置されるピラー外装部材は、
表面が窓部に設置される窓部材と同等の光反射率を有し
ていることから、車両のほぼ全長にわたって同様な質感
を表現できることから、違和感のない連窓を構成するこ
とができるとともに、ピラー外装部材は硝子よりも軽い
透明樹脂材によって構成されており、車両の軽量化が図
れる。
【0020】硝子層の車外側に設置される衝撃減衰機能
の高い機能樹脂層によって、飛来物質の衝撃力を減衰さ
せることができ、所定の硬さを有する或いは低摩擦抵抗
を備えた表面層を備えることによって、飛来物質による
擦過傷の発生を抑制することができる。
【0021】また、少なくとも前記表面層を半接着の状
態で設置することから、窓部材の該表面が汚損されるこ
とによる視界不良の補修を、前記表面層の取替えで対応
することができるため、経費の軽減が図れる。
【0022】
【実施例】以下、本発明による実施例を図によって説明
する。図1および図2は本発明による窓構造の一実施例
を備えた鉄道車両を示しており、図2は一部を断面とし
た車体外観を示した斜視図であり、図1は図2に示した
車体の窓部分のA−A部断面図である。同図において、
車体1はその側面部にピラー部2によって仕切られた複
数の窓開口部3を備えており、該窓開口部3は通常座席
4の設置間隔に対応した間隔で設置されている。前記ピ
ラー部2および窓開口部3には、それぞれ後述する窓部
材10が設置され、全体として連窓を構成している。窓
開口部3に設置される窓部材10は、車体外部表面側か
ら厚さ3mmの生硝子11,厚さ0.5〜1mmの耐衝
撃機能を有した合せ剤12および内部表面側に厚さ10
mmの透明樹脂材であるポリカーボネート(以下、単に
PCという。)13を積層して構成されている。前記生
硝子11は、成形および張り合わせ作業時の作業性を考
慮してその厚さを決定しており、可能な限り薄く構成す
る方が、窓部材10としての重量を低減するために有効
である。前記合せ剤12としては、耐衝撃機能を発揮す
るためにゲル状をなしたシリコンを用いており、該シリ
コンは透明であって前記生硝子11およびPC13の表
面に対して密着性の良いものを用いる。
【0023】前記PC13は、前記生硝子11と積層し
た状態で車外圧力変動によって車体1に作用する圧力に
耐え得る厚さに構成されている。例えば車外圧力変動が
最大750mmAqの時、前記生硝子11を3mmとし
た場合、PC13は10mm程度の厚さとなり、該生硝
子11よりも厚くなる。PC13の比重は、生硝子11
よりも軽く、可能な限り生硝子11を薄くしてPC13
の割合を高めることにより、窓部材10全体としての重
量を軽減することができる。
【0024】前記生硝子11,合せ剤12およびPC1
3の外周には、窓縁材14が設置されており、前記窓部
材10と該窓縁材14とは強力な接着剤によって接合さ
れている。この窓縁材14の外周部分には、突出したフ
ランジ部14aが形成されており、ピラー部2に形成さ
れた受座2aに対して、ボルト等の締結部材によって固
定される構造となっている。
【0025】前記ピラー部2に設置されるピラー外装部
材20は、外表面の光反射率が前記生硝子11とほぼ同
等の反射率を有した透明樹脂材すなわち、表面に高硬度
プラスチックを積層したPC23によって構成されてい
る。該PC23は、ピラー部2の表面に接着剤によって
設置され、該接着剤は塗布厚さを通常の場合よりも厚く
して、ピラー部2自体の外表面に生じる歪によってPC
23の表面が歪むのを防止する構成となっている。前記
PC23の表面に設置される高硬度プラスチックは、光
の反射率を前記生硝子11と同等にする以外に、該PC
23の外表面へのきずの発生を防止するとともにPC2
3の吸湿を防止する上でも有効である。
【0026】このような構成において、窓開口部3には
前記生硝子11,合せ剤12およびPC13を積層した
窓部材10が窓縁材14によって設置されており、この
窓部材10によって車外圧力変動に伴う圧力を受ける。
該窓部材10は、前記圧力に対して十分な強度を有する
ようにPC13の厚さを決定しており、特に問題となる
ことはない。また、強度を確保するために設置されてい
るPC13は、従来用いられている硝子とほぼ同等の厚
さで同等の強度を有するため、該PC13自体の比重が
硝子に比べて軽く、窓部材としてPC13の厚さの割合
を高めるほど軽量化が図れるものである。
【0027】また、窓部においては、車体外表面に生硝
子11を設置していることから、その表面に細かな砂等
の飛散物或いは車体洗浄用のブラシ等が接しても、外表
面の損傷は従来と同程度に抑えることができる。さら
に、生硝子11は軟らかいゲル状シリコンよりなる合せ
剤12を介してPC13の外表面に保持されていること
から、外部より衝撃的な圧力が作用しても、前記合せ剤
12が衝撃を吸収することができ、該生硝子11の損傷
を防止することができる。
【0028】さらに、ピラー部2については、窓開口部
3に設置される窓部材10と外表面を面一に形成してピ
ラー外装部材20をなすPC23が設置され、さらに、
該PC23の外表面の光反射率を窓部材10と同等にし
ていることから、車体窓部外観を違和感なく連続した窓
すなわち連窓に見せることができる。また、前記PC2
3を用いることによって、硝子をピラー部に設置する場
合に比べて軽量化を図ることができる。さらに、前記P
C23は比較的厚くした接着剤によってピラー部2に接
合配置されており、該ピラー部2の歪を前記接着剤層が
吸収することから、該PC23の表面にピラー部2自体
に起因する歪が現われることなく、窓開口部3に設置さ
れる窓部材10と同等の平滑面を形成することができ
る。このことは、窓開口部3およびピラー部2に設置さ
れる窓部材10およびピラー外装部材20の外観をほぼ
同一に見せる上でも有効である。
【0029】前記実施例においては、窓部材10として
生硝子11を用いた例について説明したが、前記生硝子
11に代えて強化硝子或いは熱処理硝子を用いても良
い。前記強化ガラス或いは熱処理硝子を用いる場合に
は、その表面に高硬度樹脂或いは紫外線硬化型樹脂を積
層して外表面に発生したきずに基づく損傷を防止する対
策を施して設置する。このような構成によれば、前記窓
部材10よりも強化硝子或いは熱処理硝子を用いたこと
による強度向上が図れるため、前記実施例よりも透明樹
脂層の厚さを薄くすることができることから、さらに軽
量化を図ることができる。
【0030】また、前記実施例において、窓部材10の
PC13の車内側表面に、該PC13の吸湿を防止する
ため、吸湿性の低い樹脂材料を積層処理することも有効
であり、かつ、前記高硬度樹脂材を積層して清掃等に伴
う表面の損傷を防止を図ることも有効である。
【0031】次に、本発明の第2の実施例を図3によっ
て説明する。図3は、前記図1と同様な位置の窓部材お
よびピラー外装部材の第2の実施例を示した断面図であ
る。同図において、本実施例は窓部材30が生硝子31
の間に合せ剤32を介して透明樹脂材すなわちPC33
が設置されている点で前記実施例と異なる構造となって
いる。前記各生硝子31は、成形上或いは製作上可能な
限り薄く構成し、これに前記実施例と同様のゲル状シリ
コンからなる合せ剤32を介してPC33を中間層とし
て配置することにより構成されている。
【0032】このような構成によれば、生硝子31の使
用割合が前記実施例に比べて増大するが、比較的硬い生
硝子31と柔軟性を有したPC33を、該生硝子31を
面外変形時に引っ張り或いは圧縮の荷重が作用する両側
表面に配置して積層することによって、高い曲げ剛性を
有するとともに耐圧性を向上させることができる。ま
た、硝子板を空気層を形成して積層した従来の窓部材に
比べて生硝子の使用量が減少し、比重の軽いPC33が
用いられることから、窓部材30の軽量化を図ることが
できる。
【0033】前記PC33は吸湿性を有しているが、前
記構成によれば該PC33の表面を生硝子31で覆う構
造となっていることから、PC33が吸湿することによ
る不具合を長期にわたって防止することができる。
【0034】なお、ピラー外装部材34としては、硝子
を用いている。この場合、ゲル状シリコンからなる合せ
剤を用いてピラー部に構体自体の歪の影響を与えないよ
うにして薄肉化を図ったものを配置し、車内および車外
での質感を同一にした構造となっている。前記ピラー外
装部材34としては可能な限り薄い硝子を用いている
が、その強度はピラー部による面支持構造にするととも
に合せ剤が構体のピラーの歪を吸収することにより、特
に問題となることはない。
【0035】次に、本発明の第3の実施例を図4によっ
て説明する。図4は前記図1と同様な位置の窓部材およ
びピラー外装部材の第3の実施例を示した断面図であ
る。同図において、本実施例の窓部材40は車外側から
生硝子41,合せ剤42,透明樹脂材であるPC43お
よびPC45が設けられている。前記PC43とPC4
5との間には、断熱および遮音性を向上させるため、空
気層46が形成されている。前記合せ剤42としては、
前記実施例と同様にゲル状シリコンを用いる。また、生
硝子41およびPC43,45と窓縁材44との接合
は、耐水,気密,耐振動性に優れ、十分な保持力を発揮
できる接着剤によって行なわれる。
【0036】このような構成によれば、前記PC43,
45が備えている硝子よりも優れた断熱性を前記空気層
を形成することによって更に向上し、該空気層46の寸
法および窓部材40全体の寸法を薄くすることができ
る。さらに、硝子によって製作するものと同等の強度を
確保した場合、前記PC43,45を用いることから、
全体を薄く、かつ、軽量に構成することができる。前記
合せ剤は生硝子41とPC43の熱膨張の相違による変
形を防止する役目も果たしている。すなわち、両者の板
厚に直角な方向のずれを該合せ剤が許容して面外への変
形を防止することができる。前記変形に伴う窓縁材44
への影響を防止するために、生硝子41およびPC4
3,45と窓縁材44との間にも、前記合せ剤に相当す
る緩衝部材を設置する。
【0037】次に、本発明の第4の実施例を図5および
図6によって説明する。図5は前記図1と同様な位置の
窓構造の第4の実施例を示した断面図である。図6は図
5に示した窓部材および窓縁材の断面図である。同図に
おいて、本実施例の窓部材50は前記第1の実施例と同
様に車外側に配置される生硝子51,合せ剤52および
PC53を積層した構造となっている。但し、前記窓部
材50の外周に配置された窓縁材54は、該窓部材50
を単に支持するだけでなく、前記合せ剤52に対応した
位置に空気を吹き込むための穴55が形成されている。
前記穴55は通常はシール部材を有したビスなどにより
完全に塞ぐことが適用に構成されている。
【0038】前記窓部材50を所定期間使用すると、車
外表面には砂などの飛散による微小な傷あるいは各種塵
埃の付着によって見栄えが低下する。前記構成によれ
ば、窓部材50を窓縁材54と共に車体から外すととも
に前記穴55のビスを外し、該穴55が図6に示すよう
にノズル56から空気を生硝子51と合せ剤52との間
に吹き込む。比較的低い圧力によって空気を吹き込むこ
とにより、前記生硝子51を簡単に外すことができる。
このように生硝子51を簡単に取外すことができるた
め、鉄道車両のメンテナンスの省力化が図れる。また、
車体を改造する際にも、前記生硝子51をスモーク硝子
に変更するなどの作業が簡単に行なえる。ところで、前
記生硝子51の支持剛性については、合せ剤52として
ゲル状シリコン等の硝子表面への密着性の非常に良いも
のを用いれば、両者の接合状態は強固なものであり、通
常の使用には十分耐え得るものである。なお、前記生硝
子51と窓縁材54との間には通常接着剤が充填される
が、前記取外し作業に先立って該接着剤を除去あるいは
接着剤部分で両者を分離しておく必要が或ることはいう
までもない。すなわち、接着剤に対応した溶剤によって
該接着剤を溶かすか、或いは、薄い鋭利な刃物で切り分
ける作業を行なう。
【0039】このような構成によれば、窓部材50全体
を交換することなく外表面の生硝子51のみを簡単に交
換することができ、経費の削減の作業性の向上が図れ
る。また、車両を改造する際にも、窓部材50を生硝子
51を代えるだけで簡単にそのイメージを変えることが
できる。
【0040】次に、本発明の第5の実施例を図7および
図8によって説明する。図7は本発明による窓構造の第
5の実施例を備えた車両の斜視図である。図8は図7の
B−B部断面図である。同図において、本実施例の窓部
材60は車体の窓部分の曲率が大きい場合、或いは、窓
部において曲率が変化している場合に有効である。すな
わち、該窓部材60は、車外側に生硝子61,62を配
置し、車内側にPC64、両者の間に合せ剤63が設置
されている。また、前記生硝子61,62は、窓部を上
下に分割するように配置避けている。すなわち、車体外
表面の曲率が変化する位置に両者の接合部が位置するよ
うに配置されている。前記生硝子61,62の接合部分
には強固な接着剤を用いる。
【0041】このような構成において、前記窓部材60
に作用する車外圧力変動による圧力荷重は、前記PC6
4によって負担する。また、前記圧力荷重に伴って生じ
る窓部材60の変形は、PC64の変形と生硝子61,
62の接合部の変形によって許容される。
【0042】このような構成によれば、車体の窓部を含
めた外周部の曲率を大きくし、かつ、変化させた場合
に、車外圧力の変動によって窓部材60に作用する応力
を緩和することができる。すなわち、前記PC64はそ
れ自体が所定の強度を保ってわん曲することができる。
また、生硝子61,62は曲率の変化する部分で接合さ
れていることから、該接合部分で変形することによっ
て、応力の集中を防止することができる。したがって、
前記生硝子61,62の厚さを変形に伴う応力集中を考
慮することなく薄くできることから、軽量化を図ること
ができる。また、窓部を含めて車体外周の曲率に、制約
を設けることがなく、車体形状を比較的自由に構成する
ことができる。
【0043】なお、前記合せ剤としては、メラミン系或
いはブチラール系等の軟質剤を用いても同様な効果を達
成することができる。
【0044】次に、本発明の第6の実施例を図9および
図10によって説明する。図9は本発明による窓構造の
第6の実施例を備えた車両の窓部分の垂直断面図であ
る。図10は図9のブラインド部を拡大した斜視図であ
る。同図において、本実施例の窓部材70はPCによっ
て構成される部分にブラインド部を構成している。すな
わち、窓部材70は車外側から生硝子71,合せ剤72
およびPC73を順に積層して構成されている。前記P
C73は、車体の窓開口部に設置した際に、その上部に
相当する位置にブラインド部73aを形成している。該
ブラインド部73aは、PC素材を車体長手方向に伸び
た棒状に形成し、これをアクリル系接着剤によって接合
することにより構成される。すなわち、前記棒状PC素
材の接合面が、光境界層となって図10に示すように、
該境界層に対して角度を持って入ってきた光を反射す
る。このことにより、図9に示すように太陽からの光を
前記ブラインド部73aが反射して、乗客に不快感を与
えない。また、前記ブラインド部73aで反射された光
は、客室の天井部分に導かれるため、車内を明るくする
こともできる。さらに、前記ブラインド部73aは、ほ
ぼ水平な位置から見た場合、前記境界層が実質的に見え
なくなるため、室内からの眺望を阻害することがない。
【0045】このような構成において、窓部材70の前
記ブラインド部73aによって、乗客に当たる直射日光
を部分的に反射して、客室天井面に導くことができる。
したがって、客室内の明るさを保ちながら、乗客の不快
感を低減することができる。また、前記ブラインド部7
3aは、着座した乗客の視線より上方に形成しており、
長時間乗車している乗客に圧迫感を与えることもない。
さらに、前記ブラインド部73aは、境界層に平行な光
を透過するため、水平方向から見た場合には、その存在
を感じさせることがなく、乗客が立っている状態でも眺
望を阻害することがない。
【0046】前記実施例においては、ブラインド部をP
C素材の接合によって形成しているが、この接合部分に
金属製或いは樹脂製の薄いフィルムを挿入することによ
り、光の反射率を任意に設定できるものである。また、
前記境界層の角度を変えて反射光の方向を任意に設定す
ることもできる。
【0047】次に、本発明の第7の実施例を図11ない
し図13によって説明する。図11は本発明による窓構
造の第7の実施例を示す図1と同様な断面斜視図ある。
図12は図11の窓部材における光の反射状況を示した
拡大断面図、図13は図11におけるビラー部の光反射
状況を詳細に示した拡大断面図である。同図において、
本実施例の窓部材80は、車外側に配置した生硝子8
1,合せ剤82およびPC83を積層して構成されてお
り、前記生硝子81の車内側表面に反射層81aを形成
した構造となっている。前記反射層81aは、アルミニ
ウム蒸着等によって構成されており、光を全反射するも
のではなく、例えば50%程度の反射率を有するものを
用いる。前記生硝子81,合せ剤82およびPC83
は、窓縁材84によって車体に取付けられている。ピラ
ー部に設置されるピラー外装部材85は、車外側表面に
PC86が設置され、その裏面側すなわち車体側に中間
層86aを介して反射層86bが形成され、さらに、減
衰層86cが形成されている。前記減衰面86cが基材
面に接している。前記中間層86aは、着色透明樹脂材
料によって構成され、内部にアルミニウム粉等のフィラ
が散在されている。前記反射層86bは、アルミニウム
蒸着によって構成され、前記反射層81aとほぼ同様な
ものである。減衰層86cは、無色透明樹脂によって構
成されている。前記PC86は、その厚さが例えば3m
m程度あり、前記中間層86aは5ないし150μ程度
であり、反射層86bは数μ、減衰層86cは50μ程
度となっている。またね基材表面には、着色が施されて
いる。
【0048】このような構成において、窓部材80では
碍子部からの光が、生硝子81の表面で矢印イのように
反射され、次に反射層81aで矢印ロのように反射さ
れ、矢印ハで示す光が車内に入ることになる。このよう
に窓部材80をハーフミラーとして構成している。つぎ
に、ピラー外装部材85においては、矢印ニで示すよう
にPC83の表面で反射される。ここを通過した光は、
中間層86aの境界部分で矢印ホで示すように反射さ
れ、かつ、該中間層86aの内部でフィラによって直接
反射される矢印ヘと、フィラ間で減衰する矢印トおよび
通過する矢印チとに分かれる。前記矢印チの光は、さら
に反射層86bで反射される矢印リと透過する矢印ヌと
に分かれる。前記矢印ヌの光は、減衰層86cにて反射
層86bと基材との間で反射を繰り返しながら減衰され
る。このようにピラー外装部材85は、外部からの光を
段階的に反射すると共に部分的に減衰させることによっ
て、前記窓部材80とほぼ同様な反射を行なわせる構造
となっている。したがって、窓部材80をハーフミラー
に構成した際に、ピラー部においても同様な外観上の質
感が得られる。特に、前記中間層86a,反射層86b
および減衰層86cの構造によって、入射光を段階的に
反射および減衰させることによって、奥行き寸法を設け
ることなく、ハーフミラーと同様な奥行き感を達成でき
る。前記ピラー外装部材85の前記機能を発揮する構造
は、非常に薄い複数の樹脂材によって構成されているこ
とから、強度および剛性確保の観点から十分な設置スペ
ースが得られない高速車両のピラー部に最適である。
【0049】次に、本発明の第8の実施例を図14によ
って説明する。図14は本発明による窓構造の第8の実
施例を示す断面図ある。同図において、本実施例の窓部
材90は車外側に生硝子91を配置し、内側にPC9
3、両者の間に合せ剤93を設置した構造となってい
る。前記PC93の外周端は、生硝子91の外周端より
も突出しており、この外周部分に締結穴93aが設けら
れている。すなわち、窓部材90に前記各実施例のよう
な窓縁材が設置されておらず、直接車体にボルト95に
よって固定する構造となっている。なお、生硝子91の
外周端部と車体との間にはシール材を設置している。
【0050】このような構成によれば、前記窓部材90
を直接車体に取付けることができるため、接着剤の信頼
性,経年変化を考慮する必要がなく、強固な取付けが可
能となる。また、部品点数も少なく安価で製作も容易で
ある。
【0051】次に、本発明の第9の実施例を図15によ
って説明する。図15は本発明による窓構造の第9の実
施例を示す斜視図ある。同図において、本実施例の窓部
材100は車外側から生硝子101,空気層102,P
C103の順に配置した構造となっている。前記空気層
102には、ゲル状シリコン等によって構成された間座
104が設置されている。該間座104は着色されてお
りその形状が車体番号を示す数字或いは該車両特有のト
レードマーク等に形成されている。なお、表示が必要で
ない場合には、透明なものを使用しても良い。
【0052】このような構成によれば、前記間座104
が弾性を有していることから、風圧による生硝子101
およびPC103の間の撓みを吸収することができる。
また、間座104を表示部材として利用することもでき
る。本実施例においては、PC103を用いることによ
る軽量化等の前記各実施例と同様な効果も達成し得るこ
とは言うまでもない。なお、間座104を表示部材とし
て利用する場合には、窓部上方として着座している乗客
の視界を阻害しない位置に配置する。
【0053】本発明のさらに別の実施例を以下に図面を
用いて説明する。すなわち、以下にに説明する実施例
は、前記第1実施例の記載末尾で説明した硝子表面への
高硬度樹脂或いは紫外線硬化型樹脂を設置した詳細構造
に関するものである。図16は本発明に係る第10実施
例の窓構造の部分断面斜視図である。図において、窓部
材120は図の如く硝子板の間に空気層を構成したもの
である。外側の合わせ硝子122は強化硝子と生硝子を
例えばブチラール系で接着固定したものである。合わせ
硝子122の外表面に機能樹脂層と表面層124を具備
した機能接着層123を張り込んで構成する。該窓部材
120はその外周端末部分に緩衝材のラバー125を設
置し、これを介して硝子枠126に挾持固定される。硝
子枠126は車体1の窓枠128に系合され要所をボル
ト等で安定固定される。内装129は乗客が容易に触れ
る為に硝子枠126を被い隠す様に装着組み立てられ
る。このように本実施例は、合わせ硝子122の外表面
に機能樹脂層と表面層124を具備した機能接着層12
3を張り込んだ構成である。機能樹脂層としては、例え
ばポリカーボネートを用い、表面層124としては、例
えば紫外線硬化型樹脂を用いる。
【0054】前記実施例における窓硝子表層部位の機能
を図17により説明する。図において、合わせ硝子12
2の表面に機能接着層123が接着(半接着)される。機
能接着層123の表層には表面層124が剥離せぬ状態
で貼り合わされている。すなわち、合わせ硝子122に
対して機能接着層123を接着する際にゲル状シリコン
(Siゲル)等の接着剤を用いて真空定着状態をなした
半接着とすれば、前記機能接着層123の外表面すなわ
ち表面層124の表面に汚損物質(油脂,ブレーキ摩耗
粉等)の付着により取替えが必要な場合に、前記機能接
着層123を合わせ硝子122から容易に剥がして取り
替えることができる。なお、前記ゲル状シリコンに代え
て粘着性を有した接着剤を用い、分子間結合をなさない
半接着状態でこれら機能接着層123を合わせ硝子12
2に接着することによっても、汚損部分のみの交換が容
易に行なえる。前記機能接着層123を構成する表面層
124を機能樹脂層に対して前記半接着状態で設置する
ことも考えられる。この場合、飛来物質の衝突の際にお
ける両者の局部的な変形による剥離を考慮してそれぞれ
の厚さ等を考慮する必要がある。
【0055】このような構成において、砂塵等の飛来物
質xが飛来し激突すると、図17の如く表面層124も
機能接着層123も衝撃の強さに比例して撓んで衝撃を
吸収する。合わせ硝子の表面が露出した従来の場合は、
飛来物質xの衝撃に対して減衰させことなく直接的に受
けることとなり、表層面に傷が生じる。飛来物質xの衝
撃が合わせ硝子の衝撃許容値以上の負荷の場合は亀裂割
れが生じたり破損してしまうものである。
【0056】前記本実施例においては、機能接着層12
3は例えばゲル状の衝撃吸収機能を持つもので、この機
能は衝撃吸収材であるSiゲル等によって達成される。
該Siゲルは、飛来物質xによるの不都合な振動を吸収
する機能を持つものである。当然本発明に係る場合は、
Siゲルに類似する機能を持つ軟質の透明な弾性体であ
る。前記表面層124は、鉄道車両における飛来物質x
は、車両走行状態においては窓部材表面に対して斜めの
激突となり、擦過傷を防ぐ程度の機能を有すれば良いも
のである。すなわち、表面層124は、それ自体を硬質
無機系素材か摩擦抵抗の低い軟質有機系素材によって膜
状に構成されており、擦過傷を発生を防止するものであ
る。すなわち、前者は擦過傷の原因と成る細かな砂塵や
降り注ぐ氷結雨や自然の樹木の一部等による擦過現象に
対して傷を受けぬ硬さを付与するものである。後者は擦
過傷の現象即ち不都合な物質が表層面に接触した際に滑
らせて表面に引き掛からせぬ機能を持つもので、擦過傷
を負うことが低減され疑似的硬度の向上と言えるもので
ある。
【0057】図18は、本発明の第11実施例を示した
ものである。図において、合わせ硝子132に接着(半
接着)される機能接着層133が、衝撃吸収に重点をお
き軟質であって表面層134よりも厚く構成されてい
る。このような構成によれば、本窓部材表面に飛来物質
xが衝突しても、該飛来物質xの動的エネルギーを前記
機能接着層133の撓みによって減衰させることができ
るため、該飛来物質xの反発を抑制することができ、軌
道外への飛来物質xの飛び出しを防止することができ
る。なお、合わせ硝子132の損傷防止に関しては、前
記実施例と同様な効果を達成することができる。
【0058】図19は、本発明に係る第12実施例で、
合わせ硝子部位の部分断面図である。図において、機能
接着層143に表面層124の替わりにPC等の樹脂シ
ート140を接着固定する。樹脂シート140の外表面
は硬質膜又は摩擦抵抗の低い軟質膜を処理した表面処理
141を施したものである。このような構成によれば、
前記機能樹脂層の有する機能と前記樹脂シート140の
機能を合わせて発揮することができるとともに、シート
状としてPC等の樹脂材料を設置することから、機能樹
脂層の衝撃減衰機能を十分発揮させることができる。
【0059】図20は、本発明に係る第13実施例で合
わせ硝子部位の部分断面図である。図において、PC等
の樹脂はそのものが衝撃吸収機能を有しており、この機
能を十分発揮させるために図19で説明した樹脂シート
140の厚みを厚くした樹脂シート150である。この
ような構成によれば、接着層155は前記実施例の機能
樹脂層の衝撃吸収程の機能は必要とせず、薄くして合わ
せ硝子152に樹脂シート150を接着固定させたもの
である。この接着層155は、薄くても弾力性を持ち、
かつ、衝撃吸収機能を持つものが良い。樹脂シート15
0が有している機能すなわち衝撃吸収機能および剛性を
有効に利用しようとしたものである。すなわち、前記機
能樹脂層例えばSiゲルは、衝撃吸収機能は非常に高い
が、反面、剛性は期待できないものである。これに対し
て、硝子よりも軟らかくて衝撃減衰機能を有しており、
硝子と同程度の剛性を有する樹脂材料を利用することに
よって、多機能材料利用による構造の簡略化が図れるも
のである。また、この種の樹脂材料は、Siゲルに比べ
て塵埃混入等の作業時の取扱条件を厳密に管理する必要
がなく、作業性の向上が図れる。
【0060】図21は、本発明に係る第14実施例で合
わせ硝子部位の部分断面図である。図において、本実施
例は図20で説明した樹脂シート150の厚みを更に厚
くた樹脂シート160を設置した構成となっており、合
わせ硝子の一方の部材として前記樹脂シート160を用
いて一体形成したものである。すなわち、硝子163に
機能接着層165を介して、合わせ強度を満たす厚みの
樹脂シート160を貼り合わせる。樹脂シート160の
外表面は表面処理161を施したものである。このよう
な構成によれば、比重の大きな硝子に代えて樹脂材料す
なわち樹脂シート160を用いることにより、窓部材の
軽量化を図ることができる。
【0061】ところで、前記図18から図21に示す第
11ないし第14実施例においては、車内側に位置する
複層硝子および空気層を図示していないが、前記図16
に示した第10実施例と基本構造は同一である。
【0062】図22は、本発明に係る第15実施例で車
体の窓枠部位の部分断面図である。図において、硝子質
又は樹脂シートの合わせ硝子172の表面に機能接着層
173が半接着されその表面に表面層174が具備され
ている。この窓部材170の端末はラバー175を介し
て硝子枠176で挾持され、該硝子枠176は車体1に
ボルト等で固着されている。
【0063】窓部材170は硝子質部材を基本構造に採
用していることから、機械的応力による撓みや伸縮が金
属材料に比べて少なく、特に厚さ方向に対して直角な方
向については車体を構成する金属材料とのその差が大き
くなるため、該窓部材はラバー175で挾持されるもの
である。更に、前記窓部材と車体1とに対して外的な圧
力変動を受けた場合、車体1との許容弾性範囲の撓みも
構造的に同一にはできず、窓枠178と複層硝子171
又は合わせ硝子172との間に撓み代に相当する隙間を
設け、該隙間に例えばチオコール系のコーキング剤18
5を充填して固着させるものである。
【0064】このような構成によれば、表面層174お
よび機能接着層173に至る擦過傷や亀裂等を生じ、映
像視覚的な不都合となり窓硝子取替えの場合は、車体外
部よりコーキング剤185を従来通りの方法で裂きつつ
剥がし取り、機能接着層173と合わせ硝子172の接
着(半接着)部から機能接着層173と表面層174を剥
離して離脱させる。すなわち、擦過傷や亀裂程度の窓硝
子損傷は、複層硝子171そのものを内装あるいは座席
(図示せず)を外して、車内側から取外しもせず、取替え
ができるものである。
【0065】また、合わせ硝子172の合せ剤184が
例えばSi系ラバーの真空密着されたもの場合は、通常
は合わせの端面より空気が合わせ面に侵入しない限り、
剥離は起きないものである。このことは半接着の場合の
機能接着層173にも同様の対応となるものである。チ
オコール系のコーキング剤185は金属にも硝子にもS
i材にも密着するものであり、空気の遮断効果を有して
いることから、合せ剤174も機能接着層173も剥離
せず、安定して使用可能となるものである。
【0066】仮に、チオコール系以外のSi系に密着し
ないコーキング剤の場合は、表面層174のフィルム状
の機能を利用して、図の如くに硝子端面および合わせ硝
子172の段差部位面にまで被うことにより、空気遮断
ができて剥離を防ぐ目的を達成することができるもので
ある。機能接着層173と表面層および合わせ硝子17
2の外側の硝子板又は樹脂シートの取替えも、前述の如
くコーキング剤185を従来通りの方法で裂きつつ剥が
し取れば、窓硝子全体を車体から離脱せずとも容易に取
替えができるものである。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、必
要な強度を備え、かつ、従来の窓部材に比べて軽量な鉄
道車両用窓構造を提供することができる。
【0068】また、本発明によれば、連窓構造を採用し
た鉄道車両において、窓部分の重量増大を抑えた鉄道車
両を提供することができる。
【0069】また、本発明によれば、トンネル突入時の
車外圧力変動に耐え得る強度を持つのみならず、擦過傷
に伴って生じる不具合を防止することができる。さら
に、本発明によれば、損傷或いは回復のために多大な労
力或いは時間を要するような汚損を受けた場合に、窓部
材全体ではなく損傷或いは汚損部位のみを交換すること
ができる。したがって、補修に伴う経費および労力を削
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2に示した車体の窓部分のA−A部断面図で
ある。
【図2】本発明による窓構造の第1実施例を備えた車両
の車体外観を示した斜視図である。
【図3】本発明による窓構造の第2実施例の窓部材およ
びピラー外装部材の断面図である。
【図4】本発明による窓構造の第3実施例の窓部材およ
びピラー外装部材の断面図である。
【図5】本発明による窓構造の第4実施例を窓構造を示
した断面図である。
【図6】図5に示した窓部材および窓縁材の断面図であ
る。
【図7】本発明による窓構造の第5実施例を備えた車両
の斜視図である。
【図8】図7のB−B部断面図である。
【図9】本発明による窓構造の第6実施例を備えた車両
の窓部分の垂直断面図である。
【図10】図9のブラインド部を拡大した斜視図であ
る。
【図11】本発明による窓構造の第7実施例を示す断面
斜視図ある。
【図12】図11の窓部材における光の反射状況を示し
た拡大断面図である。
【図13】図11におけるピラー部の光反射状況を詳細
に示した拡大断面図である。
【図14】本発明による窓構造の第8実施例を示す断面
図である。
【図15】本発明による窓構造の第9実施例を示す斜視
図である。
【図16】本発明による窓構造の第10実施例を示す斜
視図である。
【図17】図16の合わせ硝子の部分を拡大した断面図
である。
【図18】本発明による窓構造の第11実施例の合わせ
硝子部の断面図である。
【図19】本発明による窓構造の第12実施例の合わせ
硝子部の断面図である。
【図20】本発明による窓構造の第13実施例の合わせ
硝子部の断面図である。
【図21】本発明による窓構造の第14実施例の合わせ
硝子部の断面図である。
【図22】本発明による窓構造の第15実施例を示す斜
視図である。
【図23】鉄道車両の走行時における窓部分の状況を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1…車体、2…ピラー部、3…窓開口部、10…窓部
材、11…生硝子、12…合せ剤、13…PC、14…
窓縁材。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体の窓開口部に設置される透明な窓部材
    よりなる鉄道車両用窓構造において、透明樹脂材と該透
    明樹脂材よりも厚さの薄い硝子とを重ね合わせて接合し
    た窓部材を、前記硝子層を車体外表面側に配置して設置
    したことを特徴とする鉄道車両用窓構造。
  2. 【請求項2】透明樹脂材よりなり、一方の表面に硝子層
    を備え、かつ、他方の表面に樹脂材を露出させて配置さ
    れる窓部材を、気密性車体の窓開口部に設置したことを
    特徴とする鉄道車両。
  3. 【請求項3】車体の窓開口部に隣接したピラー部に、前
    記窓開口部に設置される窓部材の外表面の光反射率と同
    等の反射率を有する透明樹脂材よりなるピラー外装部材
    を設置したことを特徴とする鉄道車両。
  4. 【請求項4】複数の硝子の間に空気層を形成した硝子層
    と、該硝子層の車外側に硝子よりも衝撃減衰機能の高い
    機能樹脂層と、該機能樹脂層の該表面を覆う硬質表面層
    とから構成した窓部材を、気密性車体の窓開口部に設置
    したことを特徴とする鉄道車両。
  5. 【請求項5】複数の硝子の間に空気層を形成した硝子層
    と、該硝子層の車外側に硝子よりも衝撃減衰機能の高い
    機能樹脂層と、該機能樹脂層の該表面を覆うとともにそ
    の表面の摩擦抵抗の低い表面層とから構成した窓部材
    を、気密性車体の窓開口部に設置したことを特徴とする
    鉄道車両。
  6. 【請求項6】請求項4または請求項5に記載の鉄道車両
    において、前記硝子層に接合される機能樹脂層および表
    面層のうち少なくとも表面層を半接着状態で設置したこ
    とを特徴とする鉄道車両。
JP6326648A 1993-12-28 1994-12-28 鉄道車両用窓構造 Pending JPH07232640A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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