JPH0722922Y2 - 受話器保持筐体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、電話機における受話器筐体部分の内部構造に
関するものであり、特に受話器の組立作業の効率化と音
響特性を高めた受話器保持筐体に関する。

［従来の技術］ 従来、この種の受話器保持筐体は、第３図，第４図に示
すようになっていた。

すなわち、受話器筐体１には、その表面にボス1aと受話
器の前気室2aを形成するリブ２が同筒状に設けてあり、
かつリブ２には受話器音孔2bが形成されていた。

また、３は受話器本体４を保持するための保持部材であ
る。この保持部材３は、円筒形の弾性体3aと、この弾性
体3aの上部にスカート状の立ち上がり部3bを設けるとと
もに、その立ち上がり部3bの先端に印刷配線板６の嵌合
孔6aに嵌合可能な溝を形成した嵌合部3cが設けてある。

一方、この保持部材３の下部には、前記円筒形のリブ２
の上面部に接触し、保持部材３の開口部を形成するフラ
ンジ部3dが設けてある。

さらに、この保持部材３の中央部には受話器本体４の配
線５挿通させるための貫通孔3eが設けてある。

したがって、このような構成からなる受話器保持筐体に
よれば、まず、受話器本体４の端子部4aに配線５を接続
する。そして、この接続された配線５を保持部材３の貫
通孔3eに挿通し、受話器本体４を保持部材３の内部に挿
入し固定する。

次に、保持部材３の嵌合部3cを印刷配線板６の嵌合孔6a
に嵌合する。この状態のまま保持部材３のフランジ部3c
がリブ２の円筒の先端部にくるように位置させ、所定の
ボス1aをねじ７によって固定する。

この状態において、保持部材３の立ち上がり部3bがたわ
んで受話器本体４を押圧し、さらにフランジ部3dがリブ
２の先端部に接触し押圧することによってフランジ部3d
がたわみ、そして密着固定する構造になっていた。

［解決すべき課題］ 上述した従来の受話器保持筐体は、以下に挙げる三つの
欠点があった。

第一に、従来の受話器保持筐体は、保持部材３に設けた
フランジ部3dをリブ２の先端に押圧することによって受
話器を構成していた。そのため、保持部材３を押圧固定
するバランス上、あるいは、受話器の組立て時のずれを
考慮しフランジ部3dとリブ２との接触点を受話器本体４
の外形よりある程度内側に設定する必要があった。この
ため、受話器本体４の保持部材３内部への挿入が面倒と
なり組立て作業性が悪かった。

また、第二に、従来の保持部材３を成形する際に、金型
にゴムを注入して型を作った後コアを、成形した保持部
材の開口部から無理に取り出すために、保持部材３のフ
ランジ部3dに破損等が生じ歩溜りが悪かった。

第三に、受話器の音響特性を満足するための空間とし
て、受話器本体４と受話器音孔2bとの間に前気室2aを形
成していたが、この前気室2aをほとんど必要のない場合
もある。しかしながら、従来の構造においてはリブ２と
フランジ部3dとの接触による空間形成が必要以上に大と
なり、このため、前気室をほとんど必要としない場合に
は、正規の音響特性が得られないといった欠点があっ
た。

本考案は上述した問題点にかんがみてなされたもので、
組立て作業の容易化、保持部材の成形作業の確実化、及
び前気室の容積の違いに制約されることなく十分な音響
特性を得ることのできる受話器保持筐体の提供を目的と
する。

［課題の解決手段］ 上記目的を達成するために本考案の受話器保持筐体は、
受話器筐体と、受話器筐体内部に設けたリブと、受話器
本体と、受話器本体を保持する保持部材と、印刷配線板
とからなる電話機において、上記保持部材の開口部周縁
には相対的に幅狭のフランジ部を設けるとともに、この
フランジ部の下方に上記受話器筐体を押圧するための突
起を形成し、また、上記リブを上記保持部材のフランジ
部突起の内径よりも小さい径であって、しかも、相対的
に低く形成し、組み立て時には、上記フランジ部の突起
が上記受話器筐体に接触して上記フランジと上記受話器
筐体が密着するとともに、上記リブの先端部が上記受話
器本体に直接接触する構成としてある。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例について、図面を参照して説明
する。

第１図は本考案の一実施例に係る受話器保持筐体の分解
斜視図、第２図は第１図の実装状態を示す断面図であ
る。なお、先に示した第３図、第４図と同一部分には、
同一符号を付し、その部分の詳細な説明は省略する。

図面において、受話器本体４を保持する保持部材３は、
下方に開口部を形成するフランジ部3dが設けてある。こ
のフランジ部3dは従来のフランジ部よりも幅狭になって
おり、さらにこのフランジ部3dに受話器筐体１を押圧す
るための突起3fが下方に設けてある。

これに対応して、本実施例のリブ２も従来のリブにくら
べてその円筒部の高さが低くなっている。

このような構成からなる受話器保持筐体を組み立てる
と、保持部材３の立ち上がり部3bがたわんで受話器筐体
４を押圧し、受話器筐体１に設けたリブ２の先端部が、
受話器本体４に直接接する。このとき、さらにリブ２の
外側において、フランジ部3dの下方に設けた突起3fが受
話器筐体１に接触することによって押圧し、フランジ部
3dと受話器筐体１が密着し、前気室2aの気密を保つ。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案は、保持部材の下方に設けた
フランジ部の長さを必要最小限に設定できるので、受話
器本体挿入等の組立て作業を容易に行なうことができ、
また金型を用いた成形時における破損をなくし、歩溜り
を改善することができるといった効果がある。

さらに、受話器筐体に設けたリブを最小限の高さにする
ことによって、前気室の不要な受話器に対しても対処で
き、かつ十分な音響特性を得ることができるといった効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る受話器保持筐体の分解
斜視図、第２図は第１図の実装状態を示す断面図、第３
図は従来の受話器保持筐体の分解斜視図、第４図は第３
図の実装状態を示す断面図である。 1;受話器筐体、2;リブ 3;保持部材、3a;弾性体 3b;立ち上がり部、3c;嵌合部 3d;フランジ部、3e;貫通孔 3f;突起、4;受話器本体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】受話器筐体と、受話器筐体内部に設けたリ
   ブと、受話器本体と、受話器本体を保持する保持部材
   と、印刷配線板とからなる電話機において、 上記保持部材の開口部周縁には相対的に幅狭のフランジ
   部を設けるとともに、このフランジ部の下方に上記受話
   器筐体を押圧するための突起を形成し、 また、上記リブを上記保持部材のフランジ部突起の内径
   よりも小さい径であって、しかも、相対的に低く形成
   し、 組み立て時には、上記フランジ部の突起が上記受話器筐
   体に接触して上記フランジと上記受話器筐体が密着する
   とともに、上記リブの先端部が上記受話器本体に直接接
   触する構成とした ことを特徴とする受話器保持筐体。