JPH072263Y2 - 車両用ドアの導風板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両用ドアの窓に対して取付けられる導風板に
関するものである。

（従来の技術） 車室内を換気する際に、従来、ドアウインドを開くが、
走行時であるとこのドアウインドに代えて、あるいはド
アウインドと共に三角窓をも開放させることが有効であ
り多用されていた。

しかし、この三角窓は側方視界を確保するという観点よ
りの改良や、エアコンの普及と共にほとんど見掛けられ
なくなっている。

（考案が解決しようとする問題点） このため、現在多用されている車両の多くはドアウイン
ドが一枚のドアガラスにより開閉される構造を採ってい
る。このような構造では、車両側方視界の確保が容易化
され易いのであるが、走行時の換気性が劣ることとな
る。このため、一枚ドアガラス式の車両がエアコン未装
着として用いられると換気性に問題を生じることがあ
る。特に、一部の国ではエアコン未装着車が多く、問題
と成っている。

そこで、ドアサッシュの内側面とドアパネルの上端との
２点に、この２点を通る直線に関して回動可能な導風板
本体を取付けて、この導風板本体を回動させることによ
り車室内を換気する後付けの容易な車両用ドアの導風板
が知られている。

しかし、この車両用ドアの導風板には、導風板本体を回
動させているとき、誤ってウインドガラスを上昇作動さ
せた場合、導風板本体の下端縁とウインドガラスの上端
縁との当接部分が破損するという問題がある。

本考案の目的は、ウインドガラスの上端縁と導風板本体
の下端縁とが当接しても、両当接部分の破損を低減でき
る車両用ドアの導風板を提供することにある。

本考案の目的は後付けの容易な車両用ドアの導風板を提
供することにある。

（問題点を解決するための手段） この考案による車両用ドアの導風板は、ドアサッシュの
内側面とドアパネルの上端との２点に対して導風板本体
を取付ける上下の枢支部材を備え、この導風板本体の下
端縁と導風板本体の回動中心線とが交わる部位から、下
端縁を昇り傾斜に形成したことを特徴としている。

（作用） 導風板本体の下端縁が上向きに押圧された場合、導風板
本体が回動方向に移動される。

（実施例） 第１図に示した車両用ドアの導風板は運転席側のドアの
車室側の内壁面に対設されている。

第２図に示すように、このドアはドアパネル１とその上
側に一体結合されているドアサッシュ２とで形成され、
ウインドガラス３は窓開口４全体を開閉可能に形成され
ている。ドアパネル１はそのドアインナパネル５上にド
アトリム６を周知の係止手段により一体的に取り付けて
いる。

窓開口４の前側部分にはウインドガラス３が閉作動時に
占める空域より内側に所定間隔ａを介して導風板本体７
が対設されている。

導風板本体７は所定厚の透明ガラスから成り、略三角形
状を呈する。この導風板本体７はその上端側を上枢支部
材８を用いてドアサッシュ２に、その下端側を下枢支部
材９を用いてドアインナパネル５にそれぞれ連結されて
いる。

導風板本体７は両枢支部材8,9の取り付けによって決定
される上下に長い共通の回転中心線ｌ回りに回動でき
る。この導風板本体７の下端縁ｂは略円弧状に形成され
ている。即ち、回転中心線ｌとの対向部701を中心とし
て昇り傾斜にこの下端縁ｂは形成されており、前後回動
端702,703は対向部701より高位置にある。

第４図に示すように、下枢支部材９は導風板本体７の下
端にかしめピン10により固着された回動金具11と、この
金具11の下向き軸12に回動自在に嵌合する筒部13が形成
されると共に下端がドアインナパネル５に螺子14を介し
て締め付け固定される固定金具15とで形成されている。
なお、筒部13と下向き軸12とは、第５図に示すように、
周知のリング状の摩擦部材16を介して摺接しており、こ
れにより、導風板本体７のばたつきを防いでいる。さら
に、第６図に示すように、筒部13には切り込み17が形成
されており、ここには回動金具の下端の突部18が嵌合し
ている。ここで突部18は回動角αの範囲で回動できる。
この突部18は導風板本体７と一体的に連結されているの
で、第３図に示すように導風板本体７は回動角αだけ回
動できる。なお、導風板本体７はウインドガラス３に平
行な位置を基準位置Ｐとしており、それにより回動角β
だけ前回動端701を外側に回動させ、外気の取り込みを
行える。

上枢支部材８は上述した下枢支部材９と概略同様な構造
をなし、回動角設定用の切り込み17、突部18は排除され
ている。

なお、上枢支部材８の回動金具19もかしめピン20により
導風板本体７に固着され、固定金具21は螺子22によりド
アサッシュ２の内壁面に固着されている。

このような車両用ドアの導風板は基準位置Ｐに通常時は
保持される。

そして、車内換気の際には、まず、ウインドガラス３を
降下させて窓開口４を全開させる。この状態より更に外
気を取り入れたい場合、運転者は導風板本体７を第３図
に実線で示すように全開位置P1に回動させる。なお所望
時には２点鎖線で示すように逆開度位置P2に導風板本体
７を保持することもできる。更に、導風板本体が全開位
置P1や逆開度位置P2に有るとき、誤ってウインドガラス
３を上昇作動させた場合、このウインドガラス３の上端
縁は傾斜した底縁ｂに当接する。この時、底縁ｂには上
向きの押圧力に基づく斜め方向の分力が加わり、この導
風板本体７は回動方向に変位され、ウインドガラス３と
略平行な位置へ移動される。

上述の処において、導風板本体７は略三角形状であった
が、これに代えて、第７図（ａ）（ｂ）に示すように、
楕円状、あるいは、魚型状に形成してもよい。この場
合、導風板本体７を有色の透明性樹脂、たとえば、アク
リル樹脂や、有色ガラスで形成すれば車内の装飾品とし
ても兼用することができる。

（考案の効果） 以上のように、この考案は、導風板本体が基準位置にな
いときに、ウインドガラスを上昇作動させた場合、ウイ
ンドガラスの上端縁と導風板本体の下端縁とが当接して
も、導風板本体が回動方向に変位されるので、両当接部
分の破損を低減できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例としての車両用ドアの導風板
を備えたドアの内側正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線
断面図、第３図は同上導風板の要部平断面図、第４図は
第１図中の下枢支部材の正面図、第５図は第４図のＢ−
Ｂ線断面図、第６図は第４図のＣ−Ｃ線断面図、第７図
（ａ），（ｂ）は本考案の各々異なるその他の実施例に
用いる導風板の正面図である。 １……ドアパネル、２……ドアサッシュ、５……ドアイ
ンナパネル、７……導風板本体、8,9……枢支手段、14,
22……螺子、701……回転中心線対向部,b……底縁,l…
…回転中心線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透光性板材からなる導風板本体の上端部が
   ドアサッシュに、下端部がドアパネルの上端に、それぞ
   れ回動可能に支持された車両用ドアの導風板において、 上記導風板本体の下端縁とこの導風板本体の回動中心線
   とが交わる部位から、上記下端縁を昇り傾斜に形成した
   ことを特徴とする車両用ドアの導風板。