JPH07224532A

JPH07224532A - コンクリート型枠

Info

Publication number: JPH07224532A
Application number: JP1740194A
Authority: JP
Inventors: Akira Yokota; 明横田
Original assignee: Komatsu Ltd
Current assignee: Komatsu Ltd
Priority date: 1994-02-14
Filing date: 1994-02-14
Publication date: 1995-08-22

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】施工効率、安全性、価格の点で満足でき、取
り扱い性がよいようにする。【構成】一側面をコンクリート打設面とした平面四角
形の天板の背面に多数の同一高さの補強用リブを設ける
と共に、各辺端部に上記補強用リブより背を高くした周
囲リブ３を設け、さらにこの周囲リブより内側に、この
周囲リブと略同一高さのサポート保持用リブ４ａ，４ｂ
を設けた樹脂製の型枠本体と、適宜の断面形状で、かつ
上記型枠本体の補強リブと接する辺にスリットを形成し
た型枠サポート部材とから構成され、型枠本体のサポー
ト保持用リブに型枠サポート部材のスリットを嵌合した
構成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート打設施工
現場で用いるコンクリート型枠に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のコンクリート型枠の型枠本体の多
くは、南洋材を利用した合板製が一般的であり、図１に
示すように、合板を用いたせき板ａの背面に棧木ｂを釘
ｃで打ち付けた構成となっている。そして実際のコンク
リート型枠施工時には、この型枠本体を組み合わせたあ
とに釘で接続して、棧木の背面を横ばたｄやパイプなど
でサポートし、コンクリート打設時の圧力に耐え得るよ
うにしている。

【０００３】一般にこの型枠本体は複数個平面状に接続
して用いられるが、このとき、接続されたコンクリート
打設面は同一面になっているので、上記横ばたｄやパイ
プでサポートする棧木ｂの高さも同一でなければならな
い。そしてこの棧木ｂのコンクリート打設面からの高さ
Ｈは、関東では６２ｃｍ、関西では７０ｃｍが慣用的に
用いられている。

【０００４】また最近では、南洋材保護のために、従来
の合板製の使用を制限しよとする動きが出ており、せき
板部分のみを樹脂や古紙、パーティクルボードに代替し
ようとする試みや、棧木付きの型枠本体を樹脂や鋼板に
て構成したものもある。ところが、せき板部分だけの代
替化では棧木を従来と同様に取り付けなければならない
ので面倒であり、また鋼板製の型枠本体では重量が極め
て大きくなると共に、価格が非常に高くなるという問題
があった。そこで、最も期待されるものとして、棧木部
分も一体で成形された樹脂製の型枠本体である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記棧木部
分も一体成形された樹脂製の型枠本体は、これの成形の
ための金型が高価であるという問題がある。

【０００６】また型枠本体は、コンクリート打設時に４
トン／ｍ²程度の荷重を受けるために、棧木に相当する
部分に必要な強度をもたせなければならない。この強度
をもたせる方法としては、（１）肉厚を厚くする。（２）強度の大きな材料を使用する。（３）リブ構造などで剛性を持たせた構造とする。等の対策が考えられる。しかしながら、上記（１）では
成形時における冷却に長時間を要するため、成形サイク
ルが長くなり、また使用樹脂重量も重くなるので、製品
価格が高くなり、、また（２）の強度の大きい材料、例
えばガラス繊維等を用いたＦＲＰ製等では価格が高い上
に、再生時には繊維切断等により、強度低下してしまう
等の問題がある。さらに（３）のリブ構造では、パイプ
でのサポートの接触面圧が大きくなり、リブに変形が発
生し、転用回数が少なくなってしまうという問題があ
る。また樹脂製の場合、コンクリート打設時に、締め固
めのために型枠本体の周囲を木槌でたたく際にも変形し
やすいという問題がある。

【０００７】本発明は上記のことにかんがみなされたも
ので、樹脂製であっても上記従来の問題を解決でき、施
工効率、安全性、価格の点で満足でき、取り扱い性がよ
いコンクリート型枠を提供することを目的とするもので
ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るコンクリート型枠は、一側面をコンク
リート打設面とした平面四角形の天板の背面に多数の補
強用リブを設けると共に、各辺端部に上記補強用リブよ
り高くした周囲リブを設け、さらにこの周囲リブより内
側に、サポート保持用リブを設けた樹脂製の型枠本体
と、適宜の断面形状で、かつ上記型枠本体の補強リブと
接する辺にスリットを形成した型枠サポート部材とから
構成され、型枠本体のサポート保持用リブに型枠サポー
ト部材のスリットを嵌合した構成となっている。

【０００９】また上記型枠本体を型枠本体を複数枚組み
合わせてより広い面積のコンクリート型枠を形成するに
際し、隣接している型枠本体の相互の周囲リブ、及び／
または隣接している型枠本体の相互のサポート保持用リ
ブに型枠サポート部材のスリットを嵌合する構成となっ
ている。

【００１０】

【作用】型枠を１枚用いる場合には、型枠本体のサ
ポート保持用リブに型枠サポートを嵌合して用いる。型
枠本体を複数枚用いる場合には隣接する型枠本体相互の
周囲リブに型枠サポートを嵌合し、この型枠サポートに
て隣接する型枠本体相互を連結する。

【００１１】

【実施例】本発明の実施例を図２以下に基づいて説
明する。図中１は樹脂にて方形の板状に一体成形された
型枠本体であり、この型枠本体１はコンクリート打設面
を構成する天板２と、この天板２の背面に突設した多く
のリブとからなっている。

【００１２】すなわち、天板１の四辺の各辺端には周囲
リブ３が辺端面と同一面状に設けてある。この各周囲リ
ブ３は、各辺の両端部と、中間部の少なくとも１個所が
欠落した形状になっている。

【００１３】またこの各周囲リブ３と平行に離間する内
側に、１列（あるいは複数列）の周囲側のサポート保持
用リブ４ａがこの各周囲リブ３と同様に、天板２の縦方
向及び横方向の各長さの両端部と、中間部の少なくとも
１個所が欠落した形状に突設されている。また天板２の
縦・横両方向の中間部で、上記周囲リブ３と周囲側のサ
ポート保持用リブ４ａの中間欠落部に対応する位置に中
間側のサポート保持用リブ４ｂが、縦・横方向に、かつ
天板２の縦方向及び横方向の各長さの両端部と、中間部
の少なくとも１個所が欠落した形状に突設されている。

【００１４】上記周囲リブ３とサポート保持用リブ４
ａ，４ｂのコンクリート打設面からの高さＨ₁は同一に
なっており、また周囲リブ３とサポート保持用リブ４
ａ，４ｂのそれぞれの板厚ｔ₁，ｔ₂はｔ₂＝２ｔ₁と
なっている。天板２の背面には上記周囲リブ３とサポー
ト保持用リブ４ａ，４ｂと共に、この両リブ３，４ａ，
４ｂより低くしたコンクリート打設面からの高さＨ₂の
補強用リブ５が格子状に多数設けてある。

【００１５】図４は型枠サポート６の一例を示すもの
で、この型枠サポート６は断面形状が四角状で、かつ、
その一辺に、両開口辺を内側に折り曲げてなるスリット
７が長手方向全長にわたって設けてある。このスリット
７の開口幅は上記周囲リブ３の場合で２枚、サポート保
持用リブ４ａ，４ｂの場合で１枚、それぞれ密に嵌合す
る寸法となっている。

【００１６】図５は型枠サポートの他例を示すもので、
この型枠サポート６ａの断面形状は変形工型となってい
て、その一辺にスリット７ａが長手方向全長にわたって
設けてある。

【００１７】これらの型枠サポート６，６ａのスリット
７，７ａを設けた面を底面とする高さは後述するよう
に、関東仕様と関西仕様のそれぞれに対応する異なる高
さｈ₁，ｈ₂の２種類ある。またこの型枠サポート６，
６ａは樹脂製あるいはアルミ合金等の金属製であり、押
し出しや引抜き成形等の連続成形により製造し、使用に
際して適当長さに切断して用いる。さらに、この型枠サ
ポート６，６ａの断面形状は図４、図５に示すもの以外
に、スリット７を設けた辺以外の部分の形状が円形、あ
るいは多角形に形成したものも用いられる。

【００１８】上記構成における作用を図６に以下に基づ
いて説明する。なおこの各図において型枠本体の補強用
リブは図示を省略する。図６は型枠本体１を１枚で用い
る場合を示す。この場合、サポート保持用リブ４ａ，４
ｂに型枠サポート６，６ａを、これのスリット７，７ａ
を各リブ４ａ，４ｂに図９に示すように嵌合し、これの
底面を補強用リブ５の頂面に当接して沿わせる。図６は
このときの一例を示すもので、型枠サポート６，６ａの
長さは必要に応じて決められる。これにより、型枠本体
１は補強用リブ５と共に、サポート保持用リブ４ａ，４
ｂにて補強される。

【００１９】図７は２枚の型枠本体１，１を接合して用
いる場合を示す。互いに隣接する型枠本体１，１の周囲
リブ３，３を突き合わせ、この両周囲リブ３に図１０に
て示すように型枠サポート６，６ａのスリット７を係合
し、これの底面を補強用リブ５の頂面に当接させる。こ
の両型枠本体１，１の接合部以外では図６で示す１枚の
型枠本体１と同様に各サポート保持用リブ４ａ，４ｂに
型枠サポート６，６ａを嵌合しておく。

【００２０】図８は多数枚の型枠本体１を接合して用い
る場合を示し、この場合も上記図１０に示す場合と同様
に互いに隣接する型枠本体１，１相互の周囲リブ３，３
に型枠サポート６，６ａを嵌合して連結する。このと
き、短く切った型枠サポート６′，６ａ′を中間側のサ
ポート保持用リブ４ｂに複数個嵌合しておくことによ
り、この型枠サポート６′，６′ａを木槌による「たた
き当て用」とすることができる。

【００２１】上記使用状態において、図１０に示すよう
に、コンクリート打設面から型枠サポート６，６ａの頂
面までのいわゆる型枠組立て高さＨは横ばたが共通に当
てられるように、図１に示す従来の高さＨと同じになる
ように各型枠サポート６，６ａの高さがとられる。この
とき、上記型枠組立て高さＨは関東と関西とでは異なる
ので、型枠本体１の補強用リブ５の頂面までの高さを一
定にしておき、型枠サポート６，６′ａを上記したよう
に、高さがｈ₁，ｈ₂と異なる２種類用意し、関東使用
の場合と関西使用の場合に使いわけ、それぞれの型枠組
立て高さが所定の高さＨとなるようにする。これによ
り、簡単に関東仕様と関西仕様に適用でき、互換性をも
たせることができる。

【００２２】

【発明の効果】本発明によれば、型枠本体１は薄いリブ
を多用して樹脂にて構成されているので、型枠本体１自
体を非常に軽量に成形でき、これにより作業時の取り扱
いを容易にすることができて、施工効率、及び安全性を
向上できる。また軽量であることにより、材料費自体の
低減を図ることができ、また肉厚が薄くできることによ
り、成形時の冷却時間が短くなって成形サイクルが短縮
されて原価低減を図ることができる。

【００２３】また上記したように個々の型枠本体１は軽
量であると共に、複数の型枠１の接合が型枠サポート
６，６ａにて順次簡単に行なうことができるので、釘を
用いて接合する従来のものに比較して施工性を著しく向
上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例を示す要部の断面図である。

【図２】（ａ）は本発明に係る型枠の全体を示す斜視図
である。（ｂ）はその要部の断面図である。

【図３】本発明に係る型枠の平面図である。

【図４】型枠サポートの一例を示す破断斜視図である。

【図５】型枠サポートの他例を示す破断斜視図である。

【図６】型枠を１枚で用いる場合の使用例を示す説明図
である。

【図７】型枠を２枚で用いる場合の使用例を示す説明図
である。

【図８】型枠を多数枚で用いる場合の使用例を示す説明
図である。

【図９】型枠サポートによる補強状態を示す断面斜視図
である。

【図１０】型枠サポートによる型枠の接合状態を示す断
面図である。

【符号の説明】

１…型枠本体、２…天板、３…周囲リブ、４ａ，４ｂ…
サポート保持用リブ、５…補強用リブ、６，６ａ…型枠
サポート、７，７ａ…スリット。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一側面をコンクリート打設面とした平面
四角形の天板の背面に多数の同一高さの補強用リブを設
けると共に、各辺端部に上記補強用リブより背を高くし
た周囲リブを設け、さらにこの周囲リブより内側に、サ
ポート保持用リブを設けた樹脂製の型枠本体と、適宜の
断面形状で、かつ上記型枠本体の補強リブと接する辺に
スリットを形成した型枠サポート部材とから構成され、
型枠本体のサポート保持用リブに型枠サポート部材のス
リットを嵌合してなることを特徴とするコンクリート型
枠。
【請求項２】請求項１に記載した型枠本体を複数枚組
み合わせてより広い面積のコンクリート型枠を形成する
に際し、隣接している型枠本体の相互の周囲リブ、及び
／または隣接している型枠本体の相互のサポート保持用
リブに型枠サポート部材のスリットを嵌合してなること
を特徴とするコンクリート型枠。