JPH07224168A - (メタ)アクリル官能性オルガノポリシロキサン及びその製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル官能性オルガノポリシロキサン及びその製造方法

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JPH07224168A
JPH07224168A JP3652394A JP3652394A JPH07224168A JP H07224168 A JPH07224168 A JP H07224168A JP 3652394 A JP3652394 A JP 3652394A JP 3652394 A JP3652394 A JP 3652394A JP H07224168 A JPH07224168 A JP H07224168A
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meth
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chemical
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JP3652394A
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English (en)
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Shinji Miyadai
進二 宮台
Ichirou Ono
猪智郎 小野
Toshio Yamazaki
敏夫 山崎
Seiji Ichinohe
省二 一戸
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(1)で示される(メタ)アクリ
ル官能性オルガノポリシロキサン。 【化1】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はメチル基又
は−OSi(CH33基、R3,R4,R5はそれぞれ置
換又は非置換の一価炭化水素基、mは1〜14の整数、
nは3〜200の整数である。) 【効果】 本発明の(メタ)アクリル官能性オルガノポ
リシロキサンは、片末端に(メタ)アクリル基を有する
ため、ビニル系モノマーと共重合可能であり、これを原
料として撥水性、離型性、滑り性、耐候性、気体透過性
に優れるグラフト共重合体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下記一般式(1)で示
される、末端に1個の(メタ)アクリル基を有し、かつ
この(メタ)アクリル基がアルキレン基を介して珪素原
子に結合し、この珪素原子にトリメチルシロキシ基が結
合した新規な(メタ)アクリル官能性オルガノポリシロ
キサン及びその製造方法に関し、特にビニル系モノマー
と共重合可能で、ビニル系モノマーとグラフト共重合さ
せることにより、撥水性、離型性、滑り性、耐候性、気
体透過性に優れたグラフト共重合体を製造することがで
きる(メタ)アクリル官能性オルガノポリシロキサン及
びその製造方法に関する。
【0002】
【化6】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はメチル基又
は−OSi(CH33基、R3,R4,R5はそれぞれ置
換又は非置換の一価炭化水素基、mは1〜14の整数、
nは3〜200の整数である。)
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、ヘキサメチルシクロトリシロキサンを開環重合する
ことによって、片末端に(メタ)アクリル基を有するオ
ルガノポリシロキサンを合成することが知られている。
例えば、特開昭59−78236号公報においては、リ
チウムトリメチルシラノレートを重合開始剤として用い
てヘキサメチルシクロトリシロキサンを開環重合し、3
−(2−メタクリロキシエトキシ)プロピルジメチルク
ロロシランで反応を停止することにより、片末端に(メ
タ)アクリル基を有するオルガノポリシロキサンを合成
する方法が提案されている。
【0004】また、特開平2−92933号公報におい
て、リチウム(3−メタクリロキシ)プロピルジメチル
シラノレートを重合開始剤として用い、ヘキサメチルシ
クロトリシロキサンを開環重合し、トリメチルクロロシ
ランで反応を停止することにより、片末端に(メタ)ア
クリル基を有するオルガノポリシロキサンを合成する方
法が提案されている。
【0005】更に、トリメチルシラノール又は3−メタ
クリロキシプロピルジメチルシラノールを開始剤として
用い、五配位珪素触媒の存在下、ヘキサメチルシクロト
リシロキサンを開環重合し、次いでそれぞれ3−メタク
リロキシプロピルジメチルクロロシラン又はトリメチル
クロロシランで反応を停止することにより、片末端に
(メタ)アクリル基を有するオルガノポリシロキサンを
合成する方法も知られている。
【0006】しかしながら、一般的にトリメチルシリル
基及び3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルシリ
ル基に結合した水酸基は不安定であるため、比較的容易
に脱水縮合してダイマーを生成してしまう。即ち、トリ
メチルシラノールを重合開始剤として重合を行う場合、
縮合によってヘキサメチルジシロキサンと水とが生成さ
れ、この水と末端封止剤である(メタ)アクリル基を有
するクロロシランとの反応によりジ(メタ)アクリルジ
シロキサンが生成してしまうという問題がある。
【0007】また、シラノール化合物をリチウム化して
得られるリチウムシラノレート化合物からもダイマーが
生成しやすい。特に、(メタ)アクリル基を有するシラ
ノール化合物又はリチウムシラノレート化合物を開始剤
として重合を行う場合、ジ(メタ)アクリルジシロキサ
ンが直ちに生成し、これがそのまま系内に残存するた
め、得られた(メタ)アクリル官能性オルガノポリシロ
キサンをメタノールで洗浄するなどの処理を行ってもジ
(メタ)アクリルジシロキサンを除去することが困難で
あった。
【0008】このため、上記の合成方法で得られた(メ
タ)アクリル官能性オルガノポリシロキサンとビニル系
モノマーとを共重合させて共重合体を得ようとする場
合、上記残存したジ(メタ)アクリルジシロキサンが架
橋剤となって、共重合体がゲル化してしまうという問題
があった。
【0009】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
ジ(メタ)アクリル体の含有量の少ない(メタ)アクリ
ル官能性オルガノポリシロキサン及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般式
(2)で示される(メタ)アクリル官能性有機珪素化合
物を重合開始剤として用い、これをヘキサメチルシクロ
トリシロキサンと反応させて下記一般式(3)で示され
る中間体を得、必要により式(3)のAがリチウム原子
である場合はこれを水素原子に変換した後、下記一般式
(4)〜(6)で示される有機珪素化合物から選ばれる
末端封止剤を反応させることにより、下記一般式(1)
で示される新規な(メタ)アクリル官能性オルガノポリ
シロキサンが得られることを知見した。
【0011】
【化7】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はメチル基又
は−OSi(CH33基、R3,R4,R5はそれぞれ置
換又は非置換の一価炭化水素基、mは1〜14の整数、
nは3〜200の整数であり、Aは水素原子又はリチウ
ム原子、R6,R7,R8は水素原子又はアルキル基であ
る。)
【0012】そして、この式(1)の(メタ)アクリル
官能性オルガノポリシロキサンは、重合開始剤として安
定なシラノール基又はリチウムシラノレート基を有し、
かつ(メタ)アクリル基も有する珪素化合物を用いて合
成するため、ジ(メタ)アクリル体の含有量が少なく、
このため、この(メタ)アクリル官能性オルガノポリシ
ロキサンをビニル系モノマーと共重合させたときでもゲ
ル化せず、撥水性、離型性、滑り性、耐候性、気体透過
性などに優れたグラフト共重合体を得ることができるこ
とを見い出した。また、従来の(メタ)アクリル官能性
オルガノポリシロキサンは高価な3−メタクリロキシプ
ロピルジメチルクロロシランを原料として用いている
が、本発明の(メタ)アクリル官能性オルガノポリシロ
キサンを得るための式(2)の有機珪素化合物は、シラ
ンカップリング剤の原料ともなり得る安価な3−メタク
リロキシプロピルメチルジクロロシラン、3−メタクリ
ロキシプロピルトリクロロシランを原料として容易に合
成でき、コスト的にも有利なものであることを知見し、
本発明をなすに至ったものである。
【0013】なお、従来知られている(メタ)アクリル
基とシラノール基を1分子中に有する有機珪素化合物と
しては、水酸基が結合した珪素原子にメチル基等のアル
キル基が結合したものしかなく、このようなシラノール
基は一般に不安定であり、容易に脱水縮合してジ(メ
タ)アクリルジシロキサンを生じてしまう。それ故、こ
のような有機珪素化合物を開始剤として用いて得られた
(メタ)アクリル官能性ポリシロキサン中にジ(メタ)
アクリルジシロキサンが残存してしまうが、上記一般式
(2)で示されるシラノール化合物は、水酸基が結合し
た珪素原子にトリメチルシロキシ基が1個又は2個結合
しているため、ジ(メタ)アクリル体が生成しにくい。
その理由は、嵩高いトリメチルシロキシ基がシラノール
基の周囲に存在することによる反応基質のシラノール基
への立体障害にあると推定される。
【0014】従って、本発明は、上記一般式(1)で示
される(メタ)アクリル官能性オルガノポリシロキサ
ン、及び、上記一般式(2)の有機珪素化合物をシクロ
トリシロキサンと反応させて、上記一般式(3)の中間
体を得、この式(3)の中間体のAがリチウム原子の場
合は必要によりこれを水素原子に変換した後、上記一般
式(4)〜(6)の有機珪素化合物から選ばれる末端封
止剤と反応させることからなる式(1)の(メタ)アク
リル官能性オルガノポリシロキサンの製造方法を提供す
る。
【0015】以下、本発明を更に詳しく説明すると、本
発明の(メタ)アクリル官能性オルガノポリシロキサン
は下記式(1)で示されるものである。
【0016】
【化8】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はメチル基又
は−OSi(CH33基、R3,R4,R5はそれぞれ置
換又は非置換の一価炭化水素基、mは1〜14の整数、
nは3〜200の整数である。)
【0017】ここで、上記置換又は非置換の一価炭化水
素基としては、炭素数1〜10、特に1〜8のものが好
ましく、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラ
ルキル基やこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロ
ゲン原子で置換したものが挙げられ、下記のものが例示
される。
【0018】
【化9】
【0019】上記式(1)で示される(メタ)アクリル
官能性オルガノポリシロキサンとしては、具体的には下
記に示すものが挙げられる。
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】上記式(1)の(メタ)アクリル官能性オ
ルガノポリシロキサンは、下記反応式に示すように、下
記一般式(2)で示される有機珪素化合物を重合開始剤
として用い、これをヘキサメチルシクロトリシロキサン
と重合させ、次いで得られた一般式(3)の中間体に対
し、一般式(4)〜(6)の末端封止剤を反応させるこ
とによって得ることができる。
【0024】
【化13】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はメチル基又
は−OSi(CH33基、R3,R4,R5はそれぞれ置
換又は非置換の一価炭化水素基、mは1〜14の整数、
nは3〜200の整数であり、Aは水素原子のリチウム
原子、R6,R7,R8は水素原子又はアルキル基であ
る。この場合、アルキル基としては炭素数1〜6のもの
が好ましい。)
【0025】ここで式(2)の有機珪素化合物(重合開
始剤)は、(メタ)アクリル基がアルキレン基を介した
結合した珪素原子に1又は2個のトリメチルシロキシ基
〔OSi(CH33〕が結合したことを特徴とするもの
で、具体的には下記のものが挙げられる。
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】
【0028】この場合、Aが水素原子であるシラノール
基含有有機珪素化合物は、先に本出願人によって特願平
5−226438号においてその製造方法が提案されて
おり、該当する(メタ)アクリメキシメチルジクロロシ
ラン又は(メタ)アクリロキシアルキルトリクロロシラ
ンに1又は2当量のトリメチルシラノールを反応させて
トリメチルシロキシ基を導入した後、残ったクロル基を
水と反応させてシラノールとし、蒸留により精製するこ
とによって製造することができる。
【0029】また、Aがリチウム原子であるリチウムシ
ラノレート基含有有機珪素化合物は、上記シラノール基
含有有機珪素化合物にn−ブチルリチウム等の有機リチ
ウム試薬を常法に従って反応させることにより、容易に
合成することができる。
【0030】上記式(2)の有機珪素化合物(重合開始
剤)とヘキサメチルシクロトリシロキサンとを反応させ
る場合、そのモル比は1:1〜1:70、特に1:1〜
1:50であることが好ましい。
【0031】また、この反応に際し、下記一般式(7)
で示される五配位珪素触媒を用いることができ、特に重
合開始剤として上記リチウムシラノレート基含有有機珪
素化合物を用いる場合はかかる触媒を必ずしも必要とし
ないが、Aが水素原子であるシラノール基含有有機珪素
化合物を用いる場合は該五配位珪素触媒を使用すること
が推奨される。
【0032】
【化16】 (式中、R9は置換又は非置換の一価炭化水素基、Mは
Li,Na,K,NH4又はC65CH2N(CH33
ある。)
【0033】上記式(7)で示される五配位珪素触媒
は、特公昭45−1070号公報に記載されているもの
であり、具体的には下記に示すものが挙げられる。
【0034】
【化17】
【0035】これらの中では、合成の容易さ、経時安定
性、重合して得られたポリシロキサンが単分散度に優れ
るという点から、アルカリ金属を対イオンとする五配位
珪素触媒が好適に用いられる。
【0036】この五配位珪素触媒の使用量は、ヘキサメ
チルシクロトリシロキサンに対し100〜1000pp
m、特に200〜500ppmが好ましい。
【0037】上記反応は、溶媒中で行うことが好まし
い。このような反応溶媒としては、活性水素を含まない
極性溶媒や非極性溶媒が挙げられ、具体的にはアセトニ
トリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、ヘキサン、トル
エン、キシレン等が例示されるが、この中でシラノール
基含有有機珪素化合物を用いる場合はアセトニトリルが
特に好適に用いられ、リチウムシラノレート基含有有機
珪素化合物を用いる場合はテトラヒドロフランが好適に
用いられる。これらの反応溶媒はモレキュラーシーブス
等の乾燥剤を用いて脱水したものであることが好まし
い。
【0038】なお、反応条件は適宜選定されるが、シラ
ノール基含有有機珪素化合物を重合開始剤として用いる
場合は、反応温度50〜100℃、特に60〜80℃、
反応時間1〜20時間とすることができ、リチウムシラ
ノレート基含有有機珪素化合物を重合開始剤として用い
る場合は、反応温度−30〜20℃、特に−15〜5
℃、反応時間1〜10時間とすることができる。
【0039】このようにして、片末端に(メタ)アクリ
ル基と1個又は2個のトリメチルシロキシ基、もう一方
の片末端にシラノール基又はリチウムシラノレート基を
有し、上記式(3)で示されるオルガノポリシロキサン
中間体を得ることができる。
【0040】次に、この式(3)の中間体に上記式
(4)のオルガノクロロシラン、式(5),(6)のア
ミノシラン又はシラザンを末端封止剤として反応させ、
式(3)のAを−SiR345に置換する。この場
合、Aがリチウム原子であるときは、必要によりリチウ
ム原子を水素原子に変換して上記末端封止剤と反応させ
ることができるが、特に末端封止剤として式(5),
(6)のアミノシラン又はシラザンを用いる場合はリチ
ウム原子を水素原子に変換してから反応を行うことが好
ましい。このリチウム原子の水素原子への変換は、水で
処理することによって行うことができる。
【0041】ここで、上記式(4)のオルガノクロロシ
ランとしては、下記のものを挙げることができる。
【0042】
【化18】
【0043】上記式(4)のオルガノクロロシランの使
用量は、上記式(3)のオルガノポリシロキサン中間体
1モルに対して1.0〜1.3モル部とすることが好ま
しい。
【0044】上記オルガノクロロシランを用いて反応を
行う場合は、オルガノクロロシランをオルガノポリシロ
キサン中間体(3)が生成した反応溶液に滴下して停止
反応を行う方法を採用することができる。この場合、停
止反応はピリジン、トリエチルアミン等の塩酸捕捉剤の
存在下で行なうことが好ましい。なおこの場合、反応条
件は、式(1)において、Aが水素原子であるときは反
応温度20〜100℃、特に50〜80℃、反応時間1
〜10時間であることが好ましく、Aがリチウム原子で
あるときは反応温度−10〜30℃、特に0〜20℃、
反応時間1〜10時間であることが好ましい。
【0045】反応終了後は、水洗又は瀘別等の処理によ
り、アミン塩酸塩又は塩化リチウムを除去し、溶媒をス
トリッピングにより除去して、目的とする(メタ)アク
リル官能性オルガノポリシロキサンを得ることができ
る。
【0046】一方、式(5),(6)のアミノシランと
しては、具体的に下記の化合物が挙げられる。
【0047】
【化19】
【0048】上記式(5)又は(6)の有機珪素化合物
の使用量は、上記式(3)のオルガノポリシロキサン中
間体1モルに対して1.0〜1.3モルとすることが好
ましい。
【0049】この有機珪素化合物をオルガノポリシロキ
サン中間体(3)が生成した反応溶媒に滴下して停止反
応を行なう場合、停止反応は50〜80℃、特に60〜
70℃で行うことが好ましい。また、反応時間は通常1
〜10時間である。
【0050】反応終了後は、水洗し、オイル層を分離
し、反応溶媒をストリッピングにより除去することによ
り、目的とする(メタ)アクリル官能性オルガノポリシ
ロキサンを得ることができる。
【0051】このようにして得られる(メタ)アクリル
官能性オルガノポリシロキサンは、副生するジ(メタ)
アクリル体の生成量が少ないものである。また、この
(メタ)アクリル官能性オルガノポリシロキサンは、片
末端に(メタ)アクリル基を有するため、ビニル系モノ
マーと共重合可能であると共に、ビニル系モノマーと共
重合させたときゲル化しないもので、撥水性、離型性、
滑り性、耐候性、気体透過性に優れたグラフト共重合体
を得ることができ、従ってコンクリート用撥水剤、貼紙
防止塗料、海中防汚塗料、耐候性塗料、感熱転写記録用
フィルムのスティッキング防止剤、着水、着雪防止塗
料、化粧料等の用途に使用されるグラフト共重合体の合
成中間体として有用である。
【0052】
【発明の効果】本発明の(メタ)アクリル官能性オルガ
ノポリシロキサンは、片末端に(メタ)アクリル基を有
するため、ビニル系モノマーと共重合可能であり、これ
を原料として撥水性、離型性、滑り性、耐候性、気体透
過性に優れるグラフト共重合体を得ることができる。ま
た、本発明の製造方法によれば、かかる(メタ)アクリ
ル官能性オルガノポリシロキサンを確実に合成すること
ができる。
【0053】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0054】[実施例1]撹拌機、温度計、還流冷却
器、滴下ロートを備えたガラス製反応器中に下記式(2
a)で示されるシラノール化合物70.0g、ヘキサメ
チルシクロトリシロキサン355.2g、脱水処理した
アセトニトリル106.6gを仕込み、油浴中にて内温
を70℃に加熱することにより、内容物を均一な溶液と
した。
【0055】
【化20】
【0056】この溶液に下記式(7a)で示される五配
位珪素触媒0.1gを加え、80℃にて11時間撹拌を
行い、重合反応を行った。重合終了後、ピリジン19.
0g及びトルエン47.8gを添加混合させ、反応溶液
を氷冷して10℃にてトリメチルクロロシラン23.9
gを滴下したところ、滴下中にピリジン塩酸塩が析出し
た。
【0057】
【化21】
【0058】滴下終了後、冷却を停止し、反応溶液を昇
温し、70℃にて2時間撹拌を行い、末端封鎖反応を行
った。反応溶液を30℃まで冷却し、1規定塩酸水で洗
浄することによって過剰のピリジンを除去した後、ブロ
モチモールブルー指示薬で反応溶液の中性が確認される
まで水で洗浄した。
【0059】続いて、100℃/10mmHgの条件で
ストリッピングを行うことにより、トルエン及び微量の
低揮発分を除去し、無色透明のオイルを得た。収量は3
05.4g、収率は85.7%であった。
【0060】このオイルの25℃における粘度、比重、
屈折率、重量平均分子量(ゲル透過クロマトグラフによ
る測定)を測定した。また、下記の方法によりゲル化試
験を行った結果、15時間後もゲル化しなかった。これ
らの測定結果を表1に示す。
【0061】ゲル化試験の方法 冷却管を取り付けたガラス製反応器中に、得られた(メ
タ)アクリルオルガノポリシロキサンのオイル10g、
メチルメタクリレート10g、トルエン30g、AIB
N(アゾビスイソブチロニトリル)0.2gを仕込み、
窒素にてバブリングを10分間行い、AIBNを溶解し
た。その後60℃の油浴中に反応器を保ち、撹拌を行わ
ずに15時間重合反応を行った。
【0062】更に、赤外線吸収スペクトル、核磁気共鳴
スペクトル分析、元素分析を行った結果、得られたオイ
ルは、下記式(1a)に示す構造を有することがわかっ
た。図1にこの(メタ)アクリル官能性オルガノポリシ
ロキサンの赤外線吸収スペクトルを示し、図2にこの
(メタ)アクリル官能性オルガノポリシロキサンの核磁
気共鳴スペクトルを示す。
【0063】
【化22】 また、内部標準からのプロトン比から算出したメタクリ
ル当量は2224(理論値2198)であった。
【0064】
【表1】
【0065】
【化23】
【0066】[実施例2]重合開始剤として下記式(2
b)で示す有機珪素化合物55.2gを用い、重合条件
を70℃、4時間とした以外は実施例1と同様の操作を
行い、無色透明のオイルを得、実施例1と同様にして物
性を測定した。測定結果を表1に併記する。
【0067】
【化24】
【0068】また、実施例1と同様にして下記分析を行
なった結果、得られたオイルは下記式(1b)で示す構
造を有することが判明した。
【0069】
【化25】
【0070】
【表2】
【0071】
【化26】
【0072】[実施例3]下記式(2c)で示す重合開
始剤67.2g、ヘキサメチルシクロトリシロキサン4
4.4g、アセトニトリル13.3g、実施例1と同様
の五配位珪素触媒0.01gを用いた以外は実施例1と
同様の重合反応を行った。なお、重合反応は70℃、2
時間であった。
【0073】
【化27】
【0074】重合終了後、トルエン35.4gを添加混
合し、油浴中で反応溶液を60℃まで昇温し、ヘキサメ
チルジシラザン17.7gを滴下した。60℃にて2時
間撹拌を行い、末端封止反応を行った。得られた水溶液
を中性無水芒硝にて乾燥処理し、濾過した。続いてトル
エン及び微量の低揮発分を除去するため、100℃/1
0mmHgの条件でストリッピングを行い、無色透明の
オイルを得、実施例1と同様にして物性を測定した。測
定結果を表1に併記する。
【0075】また、実施例1と同様にして下記分析を行
なった結果、得られたオイルは下記式(1c)で示す構
造を有することが判明した。
【0076】
【化28】
【0077】
【表3】
【0078】
【化29】
【0079】[実施例4]撹拌機、温度計、還流冷却
器、滴下ロートを備えたガラス製反応器中にヘキサメチ
ルシクロトリシロキサン740.0g、脱水したテトラ
ヒドロフラン1480gを仕込み、室温下で撹拌して内
容物を均一な溶液とした。その後、ハンディクーラーに
て内温を0℃に冷却した。この溶液に下記式(2d)で
示されるリチウムシラノレート重合開始剤46.8g添
加し、反応液を0℃に保ち、微量の乾燥窒素を反応器中
に流入させながら、5時間重合反応を行った。
【0080】
【化30】
【0081】重合終了後、トリブチルクロロシラン2
5.8gを滴下した。次いで、冷却を停止し、2時間撹
拌を行って末端封止反応を行った。瀘過により塩化リチ
ウムを瀘別した後、テトラヒドロフラン及び微量の低揮
発分を除去するため、100℃/10mmHgの条件下
でストリッピングを行い、無色透明のオイルを得、実施
例1と同様にして物性を測定した。測定結果を表1に併
記する。
【0082】また、実施例1と同様にして下記分析を行
なった結果、得られたオイルは下記式(1d)で示す構
造を有することが判明した。
【0083】
【化31】
【0084】
【表4】
【0085】
【化32】
【0086】[実施例5]重合開始剤として下記式(2
e)で示すリチウムシラノレート化合物51.0g、ヘ
キサメチルシクロトリシロキサン1480.0g、テト
ラヒドロフラン2960gを用いた以外は実施例4と同
様の重合反応を行った。
【0087】
【化33】
【0088】重合終了後、冷却を止め、反応溶液を水洗
分離し、末端リチウムシラノレート基をシラノール基に
交換した。その後、ジエチルアミノトリメチルシラン1
59.5gを用いて実施例3と同様の末端封止反応を行
った。得られた溶液を中性無水芒硝にて乾燥処理し、瀘
過した。続いてテトラヒドロフラン及び微量の低揮発分
を除去するため、100℃/10mmHgの条件でスト
リッピングを行い、無色透明のオイルを得、実施例1と
同様にして物性を測定した。結果を表1に併記する。
【0089】また、実施例1と同様にして下記分析を行
なった結果、得られたオイルは下記式(1e)で示す構
造を有することが判明した。
【0090】
【化34】
【0091】
【表5】
【0092】
【化35】
【0093】[比較例1]重合開始剤として下記式
(i)で示す有機珪素化合物を40.0g用いた以外は
実施例1と同様の操作を行い、無色透明のオイルを得、
実施例1と同様にして物性を測定した。測定結果を表1
に併記する。
【0094】
【化36】
【0095】また、実施例1と同様にして下記分析を行
なった結果、得られたオイルは下記式(ii)で示す構
造を有することが判明した。
【0096】
【化37】
【0097】
【表6】
【0098】
【化38】
【0099】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた(メタ)アクリル官能性オ
ルガノポリシロキサンの赤外線吸収スペクトルである。
【図2】実施例1で得られた(メタ)アクリル官能性オ
ルガノポリシロキサンの核磁気共鳴スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 敏夫 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 一戸 省二 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される(メタ)ア
    クリル官能性オルガノポリシロキサン。 【化1】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はメチル基又
    は−OSi(CH33基、R3,R4,R5はそれぞれ置
    換又は非置換の一価炭化水素基、mは1〜14の整数、
    nは3〜200の整数である。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はメチル基又
    は−OSi(CH33基、mは1〜14の整数であり、
    Aは水素原子又はリチウム原子である。)で示される
    (メタ)アクリル官能性有機珪素化合物をヘキサメチル
    シクロトリシロキサンと反応させて、下記一般式(3) 【化3】 (式中、R1,R2,A,mは上記と同様の意味を示し、
    nは3〜200の整数である。)で示される中間体を
    得、この式(3)の中間体を直接又はこの中間体のAが
    リチウム原子の場合は必要によりこれを水素原子に変換
    した後、下記一般式(4)〜(6) 【化4】 (式中、R3〜R5はそれぞれ置換又は非置換の一価炭化
    水素基、R6〜R8はそれぞれ水素原子又はアルキル基を
    示す。)で示される有機珪素化合物から選ばれる末端封
    止剤と反応させることを特徴とする請求項1記載の(メ
    タ)アクリル官能性オルガノポリシロキサンの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 式(2)の有機珪素化合物としてAが水
    素原子であるものを用いると共に、これとヘキサメチル
    シクロトリシロキサンとの反応を下記一般式(7) 【化5】 (式中、R9は置換又は非置換の一価炭化水素基、Mは
    Li,Na,K,NH4又はC65CH2N(CH33
    ある。)で示される五配位珪素触媒の存在下に行うよう
    にした請求項2記載の製造方法。
JP3652394A 1994-02-09 1994-02-09 (メタ)アクリル官能性オルガノポリシロキサン及びその製造方法 Pending JPH07224168A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2301986A1 (en) 2009-09-25 2011-03-30 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. One-terminal reactive organopolysiloxane having a polyalkyleneoxide group at the omega-terminal and a method for the preparation thereof
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JP2021178897A (ja) * 2020-05-12 2021-11-18 信越化学工業株式会社 オルガノポリシロキサン生ゴムの製造方法、及び、その生ゴムを用いたシリコーンゴム組成物

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US10696794B2 (en) 2015-12-22 2020-06-30 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Addition-curable silicone resin composition and a semiconductor device
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