JPH07217963A - 空調システム異常処置最適化装置 - Google Patents

空調システム異常処置最適化装置

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JPH07217963A
JPH07217963A JP6009737A JP973794A JPH07217963A JP H07217963 A JPH07217963 A JP H07217963A JP 6009737 A JP6009737 A JP 6009737A JP 973794 A JP973794 A JP 973794A JP H07217963 A JPH07217963 A JP H07217963A
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裕 二 南
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空調システムの実情に即した異常処置を施す
ことができる空調システム異常処置最適化装置を提供す
る。 【構成】 性能低下診断手段1により診断された空調シ
ステムの機器の異常事象を頂上事象とするリスクツリー
が、リスクモデルデータベース21からモデル適用手段
23に入力される。同時に状態監視手段22からの情報
がモデル適用手段23に入力され、モデル適用手段23
においてリスクツリーの異常事象のリスク値が状態監視
手段22からの情報に基づいて修正される。モデル適用
手段23により修正されたリスクツリーと、処置代替案
データベースからの代替案に基づいて、空調システムの
リスク軽減程度が決定分析手段25により評価される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空調システムの異常処置
最適化装置に関わり、とりわけ空調システムの状態に適
応しながら、異常処置の最適化を行なうことができる異
常処置最適化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】空調システムの異常処置は、通常、シス
テム設計段階で、リスクツリー解析により、監視系のし
きい値判定によるトリップシーケンスが計画されてい
る。そして空調システムの機能の中に、トリップシーケ
ンスが組み込まれり、トリップシーケンスが、異常発生
後の手動緊急停止として標準化されている。ここでリス
クツリーとは、空調システムの特定機器の異常事象を頂
上事象とし、この異常事象を原因として当該機器の機能
停止または機能維持により波及する他の機器の異常事象
を次事象として表わしたものであり、各異常事象のリス
クの大きさおよび次事象の発生確率が示されている。
【0003】しかし、従来の異常処置の最適化装置は、
最悪のリスク防止を想定したものが多く、「異常が検知
されたシステムの状態」に合った最適な処置であるとは
限らない。
【0004】また、トリップダウンにいたる以前に、異
常兆候が診断された場合、トリップを回避するための処
置は、システム設計時には想定が困難であり、システム
の運転員や保守員の判断にまかされることが多い。そし
てこの判断が遅れ、かつ判断の適性さが欠けると、処置
によるコスト大、異常の拡大、波及に進む可能性があ
る。
【0005】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、空調システムの状態に適合した異常処置の
最適化装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、空調システム
における特定機器の異常事象を頂上事象とし、この異常
事象を原因として当該機器の機能停止または機能維持に
より波及する他の機器の異常事象を次事象とするととも
に、各異常事象のリスク値を示すリスクツリーが格納さ
れたリスクモデルデータベースと、空調システムにおけ
る各機器の性能低下の事象を診断する性能低下診断手段
と、現在の空調システムの状態を監視する状態監視手段
と、性能低下診断手段により診断された機器の異常事象
を頂上事象とするリスクツリーをリスクモデルデータベ
ースから入力するとともに、状態監視手段からの情報に
基づいてリスクツリーの異常事象のリスク値を修正する
モデル適用手段と、を備え、修正後のリスクツリーを用
いて空調システムの異常処置を行なう空調システム異常
処置最適化装置である。
【0007】
【作用】本発明によれば、性能低下診断手段により診断
された機器の異常事象を頂上事象とするリスクツリーが
リスクモデルデータベースからモデル適用手段に入力さ
れ、同時に状態監視手段からの情報がモデル適用手段に
入力される。モデル適用手段において、リスクツリーの
異常事象のリスク値が、状態監視手段からの情報に基づ
いて修正される。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1乃至図2は本発明による空調システム
異常処置最適化装置の一実施例を示す図である。
【0009】このうち、図1は空調システム異常処置最
適化装置の機能ブロック図である。図1において、空調
システム異常処置最適化装置2は、空調システムにおけ
る特定機器の異常事象を頂上事象とし、この異常事象を
原因として当該機器の機能停止または機能維持により波
及する他の機器の異常事象を次事象とするとともに、各
異常事象のリスク値を示すリスクツリーb(図4参照)
が格納されたリスクモデルデータベース21と、現在の
空調システムの状態を監視する状態監視手段22とを備
えている。
【0010】また空調システムの性能低下を診断する性
能低下診断手段1が設けられ、この性能低下診断手段1
から診断結果aがモデル適応手段23に入力される。モ
デル適応手段23へはさらに、リスクモデルデータベー
ス21から、診断結果aで性能低下と診断された特定状
態の異常事象を頂上事象とするリスクツリーbが入力さ
れ、状態監視手段22から現在の空調システムの状態情
報cが入力され、リスクツリーbのリスク値が空調シス
テムの現在の状態に適応する値に修正される。
【0011】また異常の処置代替案fをデータとして格
納した処置代替案データベース24が設けられ、この処
置代替案データベース24から処置代替案fが決定分析
手段25に入力される。決定分析手段25へはさらにモ
デル適用手段23で修正されたリスクツリーeが入力さ
れ、リスクツリーeを構成する異常事象の処置代替案f
に基づいて、処置代替案fのリスク軽減の程度(効用)
が評価され、評価結果hが出力される。
【0012】次にこのような構成からなる本実施例の作
用について説明する。図2に示すように、まず性能低下
診断手段1が空調システムにおける各機器の性能低下を
診断する。性能低下は性能低下の要因となる事象(物理
特性など)の設計値・定格値と現在値とのしきい値比
較、トレンド比較などにより判定される。次に性能低下
診断手段1で診断された性能低下の診断結果a(例え
ば、熱源機器の冷房能力の低下事象など)がモデル適応
手段23に出力される。(ステップS1) 次にモデル適応手段23に、リスクモデルデータベース
21から、診断結果aで性能低下と診断された異常事象
を頂上事象とするリスクツリーb(図4参照)が入力さ
れる(ステップS2)。次に状態監視手段22からモデ
ル適用手段23に、システムの現在の状態に関する状態
情報cが入力される(ステップS3)。モデル適用手段
23ではリスクツリーbが空調システムの現在の状態情
報cに適応しているか判断し、必要に応じてリスクツリ
ーbのリスク値を修正して、修正後のリスクツリーeを
得る(ステップ4)。
【0013】モデル適用手段23においてリスクツリー
bを現在の状態に適応させる方法の一例として、異常確
率のマトリックスを利用する方法を説明する。この異常
確率のマトリックスを図3に示す。
【0014】図3は空調システムの状態〜に適応す
る異常事象の発生確率(P)、機能維持の確率(p)、
機能停止の確率(1−p)をマトリックスの要素として
示している。図3に示すマトリックスを利用することに
より、簡単に空調システムの状態に適応する各確率値を
求めることができる。さらに、別な方法として、システ
ムの異常状態を表す異常モデルを構築し、シミュレーシ
ョンによって、異常事象の発生確率、機能維持・機能停
止の確率を算出する方法も考えられる。
【0015】図4にモデル適応手段23で修正されたリ
スクツリーの概念図を示す。図4において、空調システ
ムの性能低下が診断されると、空調システムの次状態と
して、規定時間以内に機能維持するか、機能停止する
か、また機能維持、機能停止に続いて異常が波及するか
に着目する。ここで、“規定時間以下”を考える理由
は、想定した時間以内に最も起こり得る異常の波及事象
を予測し、即座に行なう必要のある処置の決定を可能に
するためである。図4に示すように、リスクツリーは事
象樹木枝を2種類有しており、この事象樹木枝は機能状
態分岐枝と状態波及枝から成り、この2つが結合されて
その結合枝の両端に異常事象が接続される。リスクツリ
ーは枝の結合と異常事象の接続を繰り返して、一つの事
象樹木構造を構成する。
【0016】次に空調システムに対して異常処置を施
す。図5に異常処置の概念図を示す。図5においては性
能低下診断により性能低下が診断され(t1時間)、ト
リップダウン(t2時間)する前に処置を施し、性能低
下から異常進行して生じるリスクを軽減させる。
【0017】リスクツリーは、図4に示すように性能低
下が認められた段階で、性能低下に起因して起こる異常
の波及を予測し、異常の波及に伴うリスクを評価するこ
とを可能にする樹木構造を持つ。そこで決定分析手段2
5では、修正されたリスクツリーe上で、処置の決定分
析が行われる。すなわち、リスクツリーeを構成する異
常事象の処置代替案fを処置代替案データベース24か
ら取り出し、それぞれの処置代替案fの評価を行う。こ
の場合、処置代替案fに対して、「異常事象のリスクだ
けでなく、その異常の波及により発生するリスクまで考
慮し、処置代替案fの実施した場合、その程度、リスク
が回避できるか」を評価する。
【0018】評価方法としては、多目的問題の解法に適
用される効用理論、すなわち目的に対する代替案の有効
度を効用関数により定量的に把握する理論などを適用す
る(ステップS5)。
【0019】上述のように、システムの状態変化が規定
時間以内となる異常事象の発生確率をモデル適用手段で
変化させるので、処置代替案fの実施によるリスク回避
の程度は異常事象の規定時間以内の発生確率、異常の波
及(リスクツリー構造)に依存する。このため、状態変
化のたびに、必要ならば異常事象の規定時間内の発生確
率、異常のリスクを再計算し、リスクツリーを修正する
必要がある。このため、状態監視手段22で空調システ
ムの状態監視を行う(ステップS6、ステップS7)。
【0020】システムに状態変化がない場合、空調シス
テムが正常状態に復帰していれば終了し、そうでなけれ
ば状態監視を続ける。(ステップS8)。
【0021】図6に、状態監視による処置代替案fの評
価の一例を示す。図6において、修正後のリスクツリー
eの分岐枝は機能状態分岐枝と状態波及分岐枝の2つに
分けず一本に簡略化されている。図6により、異常事象
のリスク値の計算方法及び処置代替案の評価方法を以
下、述べる。異常事象のリスク値計算方法 図6に示すように、性能低下診断手段1で性能低下が診
断された場合、その性能低下による異常波及が起こって
いない時(ケース1)は、リスクツリーの各異常事象の
発生確率は条件付き確率となる。
【0022】また、性能低下診断手段1で性能低下が診
断され、かつその性能低下による異常波及が起こってい
る時(性能低下が認められた時点で、異常波及がある
と仮定する:ケース2)は、異常波及に続くリスクツ
リーの各異常事象、異常事象の発生確率は異常事象
の発生確率値=1の下での確率になる。
【0023】すなわち、 リスク値=リスクの大きさR×発生確率P ・・・(1) と定義した場合、 ケース1では、異常事象のリスク値 =R0 +P1 ×R1 +{(P1 ×P2 ×R2 )+(P1 ×P3 ×R3 )} ・・・(2) (2)式において R0 :性能低下固有のリスク値 P1 ×R1 :異常事象固有のリスク値 P1 ×P2 ×R2 +P1 ×P3 ×R3 :異常の波及事象
のリスク値 である。
【0024】 ケース2では、P1 =1より 異常事象のリスク値 =R0 +1×R1 +{(1×P2 ×R2 )+(1×P3 ×R3 )} ・・・(3) (3)式において R0 :性能低下固有のリスク値 1×R1 :異常事象固有のリスク値 1×P2 ×R2 +1×P3 ×R3 :異常の波及事象のリ
スク値 (2)、(3)式において発生確率P1 、P2 、P3
およびリスクの大きさR0 、R1 、R2 、R3 は予め固
定値として設定し、モデル適応手段23において発生確
率およびリスクの大きさが修正される。処置代替案の評価方法 処置代替案の評価に効用理論を適用する。
【0025】効用をここでは「処置代替案の実施によ
り、軽減できるリスクの割合または量」とし、図6の処
置〜処置の場合と、処置なしの場合の効用値を以下
の通り定義する。
【0026】(1)処置なしの場合 処置なしの対象となる異常事象に続く後段のリスクツリ
ーを構成するすべての異常事象のリスクNの関数とす
る。すなわち、処置なしの効用U0 は、 U0 =U0 (N) ・・・(4) 例えば、同図の性能低下事象に対する「処置なし」のリ
スクは次式で与えられる。
【0027】 「処置なし」のリスク:N =R0 +[P1 ×R1 +{(P1 ×P2 ×R2 )+(P1 ×P3 ×R3 )}] +[P4 ×R4 +(P4 ×P5 ×R5 )] ・・・(5) (2)処置〜の場合 処置代替案の効用U1 を、リスク指標x,y(ここでx
は例えば、経済コストであり、yは装置損傷の程度を表
す変数である)と「処置なし」のリスクNから成る効用
関数として定義する。すなわち、 U1 =U1 (x,y,N) ・・・(6) (4)、(6)式は効用理論により定式化され効用値が
求まる。
【0028】(6)式においてNを考慮するのは、処置
代替案の効用値に、その処置代替案の実施に伴う「異常
の波及のリスク」の軽減の程度を考慮する必要があるか
らである。
【0029】上記の定義に基づいて、図6に示す効用値
が算出されたと仮定する。性能低下が認められた時点
で、まだ異常事象、が発生していない場合に、例え
ば性能低下事象に対する処置と、異常事象に対する処
置を比較すると、処置の効用値が一番大きいので、性
能低下に対する処置を実施しないで待機し、異常事象
が発生した場合に、処置を実施する方が、最適である
と言える。
【0030】次に、本発明の具体例について説明する。
【0031】図7において、異常処置の対象として、上
記タービン31で駆動するターボ冷凍機32と、蒸気タ
ービン31の排熱a1 を駆動熱源とする吸収冷凍機33
と、冷水を貯蔵する冷水蓄熱槽34とからなる空調シス
テムが用いられる。図7に示すように、冷水蓄熱槽34
の冷水(環)a2 が吸収冷凍機33で冷凍され、その冷
凍された冷水a3 が再びターボ冷凍機32で冷凍され
る。そして、冷凍された冷水(往)a4 が冷水蓄熱槽3
4に貯蔵され、熱需要家に冷水蓄熱槽34の冷水a5
供給される。蒸気タービン31の排熱a1 の一部は、熱
需要家へ熱供給される。
【0032】図7において、次のような異常のシナリオ
が想定される。
【0033】すなわち異常シナリオとして、ターボ冷凍
機32への空気の漏れ込みにより、ターボ冷凍機32の
凝縮器圧力が上昇する異常状態が想定される。
【0034】異常のシナリオは通常、性能低下診断によ
り解明されるが、本具体例は性能低下診断後の処置を取
り扱う。
【0035】図8に、異常シナリオから波及する異常を
想定したリスクツリーを示す。図8において、「異常事
象の分岐の確率」は規定時間以内の発生確率である。ま
た図8に示す発生確率値は説明のために主観的に想定し
た値であり、規定時間=10時間とした。この発生確率
は、空調(熱源)システムの状態に適応するように、逐
次、修正され、状態に適した発生確率を使用する。ここ
で言う状態とは、例えば、定格運転、トリップ後の再起
動、長期間停止後の起動、熱源機の部分負荷運転、台数
制御、代替熱源機の有無、並列運転などが考えられる
が、さらに運転モード、機器使用経年や運転経年で詳細
に状態を分けて確率を定義しても良い。すなわち、図8
に示すリスクツリーは、10時間以内に起こり得る異常
の波及の構造を明確に示すものである。このリスクツリ
ーは、10時間以内にとるべき処置を考える際、有効な
異常の予測とリスクの発生情報を提供してくれる。
【0036】また、図8において異常事象のリスクの大
きさは、説明のために主観的に想定した値である。この
リスクの大きさは、異常事象の固有のリスクを表す。例
えば、「ターボ冷凍機の凝縮器圧力上昇」事象41のリ
スクの大きさ=10は異常の波及を考慮せずに、事象4
1がターボ冷凍機の機能停止および熱源システムの「C
OP低下、安定な熱供給、機器の破損、メンテナンスコ
スト、熱生産の経済コスト」に与える影響を定量化した
値である。
【0037】リスクツリーが複雑になる場合、「異常事
象の分岐の確率」にリミットを設定し、低い発生確率の
事象はリスクツリーから削除して(スクリーニング)リ
スクツリー構造を簡単にする。図8において、発生確率
=0の事象は削除される。例えば「冷水蓄熱槽への冷水
供給停止」事象44と「冷水蓄熱槽の機能停止」事象は
独立な事象であり、冷水蓄熱槽への冷水供給停止が冷水
蓄熱槽34の機能停止を引き起こすことはないので、冷
水蓄熱槽の機能停止の確率=0となる。このため冷水蓄
熱槽の機能停止事象は削除されている。
【0038】また図10乃至図12により、リスクツリ
ー構造の簡略化の他の例を示す。上述したリスクツリー
の異常事象は無限時間に起りうるものすべてを対象とし
ている。しかしながら、図10に示すように、例えば8
時間以内に起こるもので、かつリスクの大きさが7.5
以上の異常事象のみを残すことにより(スクリーニン
グ)、実際の空調システムの運転を行ううえで支障なく
リスクツリーを簡略化することができる。
【0039】ここでリスクの大きさとは、例えば異常事
象を次の5段階に分けた場合、各々の段階に示される大
きさをいう。 異常事象の段階 リスクの大きさ 軽 微 0〜2 小さい 2〜4 注 意 4〜8 重 大 8〜10 致命的 10以上 例えば図11に示す熱源プラントのリスクツリーに対し
て8時間以内に起こりかつリスクの大きさが7.5以上
の異常事象のみを残すスクリーニングを行うことによ
り、図12に示すようにリスクツリーを簡略化すること
ができる。
【0040】次にリスクツリー及び処置代替案に基づい
て行う異常処置の最適化の様子を図9示す。
【0041】(4)および(6)式で定義した方法によ
り、リスクツリーの異常事象の処置代替案の効用値を求
める。図9において効用値は、説明のために主観的に想
定した値である。
【0042】図9は、図8に示すリスクツリーから異常
事象41,42,43のみを取り上げている。異常事象
41,42,43に共通する「抽気装置の点検」,「気
密テストの実施(メーカコール)」,「真空テスト」の
処置の効用値を見ると、異常が波及するほど効用値が減
少することがわかる。このため、これらの処置を実施す
る場合、一刻も早く、それらの処置を実施することが得
策であると言える。
【0043】また、効用値が最大となる処置は、異常事
象42の処置「蒸気タービンの出力を上げる」となるの
で、これら3つの異常事象41〜43だけに着目する
と、異常事象42が認められるまで、運転を持続し、初
めて異常事象42が認められた時点で、処置「蒸気ター
ビンの出力を上げる」を実施することが、最適な処置で
あるといえる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、モデル適用手段におい
てリスクツリーの異常事象のリスク値が状態監視手段か
らの情報に基づいて修正され、修正後のリスクツリーに
基づいて空調システムの異常処理が行われるので、空調
システムの事情に即した異常処置を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空調システム異常処置最適化装置
の一実施例を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の作用を示すフロー図。
【図3】リスクツリーを修正するために用いる異常確率
のマトリックス。
【図4】リスクツリーの概念図。
【図5】異常処置の概念図。
【図6】処置代替案評価の一例を示す図。
【図7】本発明の具体例に示す熱源システム構成図。
【図8】図7に示す熱源システムにおけるリスクツリー
図。
【図9】図8に示す熱源システムの異常処置の最適プロ
セス図。
【図10】リスクツリーのスクリーニングに用いる時間
以内に生起するリスクを示す図。
【図11】スクリーニング前のリスクツリーを示す図。
【図12】スクリーニング後のリスクツリーを示す図。
【符号の説明】
1 性能低下診断手段 2 異常処置の最適化手段 21 リスクモデルデータベース 22 状態監視手段 23 モデル適応手段 24 処置代替案データベース 25 決定分析手段 31 蒸気タービン 32 ターボ冷凍機 33 吸収冷凍機 34 冷水蓄熱槽

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空調システムにおける特定機器の異常事象
    を頂上事象とし、この異常事象を原因として当該機器の
    機能停止または機能維持により波及する他の機器の異常
    事象を次事象とするとともに、各異常事象のリスク値を
    示すリスクツリーが格納されたリスクモデルデータベー
    スと、 空調システムにおける各機器の性能低下の事象を診断す
    る性能低下診断手段と、 現在の空調システムの状態を監視する状態監視手段と、 性能低下診断手段により診断された機器の異常事象を頂
    上事象とするリスクツリーをリスクモデルデータベース
    から入力するとともに、状態監視手段からの情報に基づ
    いてリスクツリーの異常事象のリスク値を修正するモデ
    ル適用手段と、 を備え、修正後のリスクツリーを用いて空調システムの
    異常処置を行なう空調システム異常処置最適化装置。
  2. 【請求項2】異常処置の複数の代替案を格納した処置代
    替案データベースと、 モデル適用手段により修正されたリスクツリーおよび処
    置代替案データベースからの代替案に基づいて、空調シ
    ステムのリスク軽減の程度を評価する決定分析手段と、 を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の空調シス
    テム異常処置最適化装置。
  3. 【請求項3】リスクツリー中の異常事象のうち、発生す
    る確率が所定値以下の異常事象を削除するスクリーニン
    グ手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の空
    調システム異常処置最適化装置。
  4. 【請求項4】リスクツリー中の異常事象のうち、所定時
    間内に生じるものでかつ所定のリスクの大きさを有する
    異常事象のみを残すスクリーニング手段を更に備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の空調システム異常処置最
    適化装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010014323A (ja) * 2008-07-03 2010-01-21 Hitachi Ltd 冷熱供給システムの劣化診断装置、劣化診断方法、及び劣化診断システム
JP2019012316A (ja) * 2017-06-29 2019-01-24 株式会社日立プラントサービス 設備システムのリスク分析方法、及び装置

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