JPH07216197A - エポキシ樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物の製造方法

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JPH07216197A
JPH07216197A JP6008462A JP846294A JPH07216197A JP H07216197 A JPH07216197 A JP H07216197A JP 6008462 A JP6008462 A JP 6008462A JP 846294 A JP846294 A JP 846294A JP H07216197 A JPH07216197 A JP H07216197A
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JP
Japan
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inorganic powder
powder filler
filler
epoxy resin
coupling agent
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JP6008462A
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English (en)
Inventor
Yasuhisa Kishigami
泰久 岸上
Shinji Hashimoto
眞治 橋本
Kazuhiko Watanabe
和彦 渡辺
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形時の流動性、及び成形性が良好で、かつ
硬化物の曲げ強度等の性能を低下させずに熱膨張率の低
減を実現することが可能な、高充填化されたエポキシ樹
脂組成物の製造方法を提供する。 【構成】 無機粉末充填材の含有割合が真比重換算で7
5〜93体積%であるエポキシ樹脂組成物の製造方法で
あって、無機粉末充填材として、無機粉末充填材の圧縮
成形前の平均粒径が、圧縮成形後も保持される圧力で、
無機粉末充填材のみを圧縮成形して得られる成形体中の
無機粉末充填材の体積分率が78体積%以上である無機
粉末充填材を用い、さらに、無機粉末充填材、カップリ
ング剤及び有機溶剤を、無機粉末充填材の含有率が50
重量%以下となるように混合した分散液を、加熱された
流路管内で加熱し、次いで減圧雰囲気中に噴霧する方法
で無機粉末充填材がカップリング剤処理されていること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体を保護するための
封止材用エポキシ樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子を保護するために用いられる
封止材用エポキシ樹脂組成物は無機粉末充填材、エポキ
シ樹脂及び硬化剤を主成分としている。無機粉末充填材
は封止材の硬化物の熱膨張率低減、吸湿率低減、強度向
上等の目的で使用されているが、近年集積回路の機能集
中が進み、その集積度アップが必須となってきたことに
よる素子の大型化の影響で上記特性のさらなる向上が望
まれている。そのためにはエポキシ樹脂組成物中の無機
粉末充填材の含有率を上げること、すなわち高充填化が
ますます必要となるが、無機粉末充填材を高充填すると
エポキシ樹脂組成物の成型時の溶融粘度が上昇し、流動
性が低下するという問題が生じてきた。
【0003】従って無機粉末充填材の含有率を上げて
も、溶融粘度が上昇しない技術が必要となってきた。こ
の対応策としては無機粉末充填材の特性を向上させる方
法と、粘度の低いエポキシ樹脂及び硬化材を使用する方
法が考えられる。
【0004】無機粉末充填材の特性向上については、こ
れまで球状充填材を使用する方法、充填材の粒度分布の
傾きに着目し、その傾きの小さな充填材を使用する方法
(特公平5-54865 参照)や充填材の圧密性に着目し圧密
体積分率(圧縮体積分率)の大きな充填材を使用する方
法(特開平5-170967参照)等が試みられてきた。しかし
ながら、封止材の硬化物の熱膨張率を0.8x 10-5
℃以下まで低下させる程の高充填可能な無機粉末充填材
を得るには粒径が0.1μm 以下の超微粒子をかなりの
量使用することが必要となってくる。超微粒子は一般に
非常に凝集性が強く、使用時にはかなりの凝集体となっ
て存在している。これら凝集体の影響により、無機粉末
充填材の充填性の向上は抑制されてしまい、また封止材
をトランスファー成形する際の峡部充填性、および成形
性が損なわれるという課題も生じている。また、凝集体
となって存在していると封止材の硬化物の曲げ強度を低
下させるという課題も生じてくる。よって凝集体の多い
0.1μm 以下の超微粒子の分散性を良好にすることが
必要になってきた。
【0005】一方、粘度の低いエポキシ樹脂及び硬化剤
については、単に低粘度だけではなく、併せて耐湿信頼
性等の性能が優れている封止成形品(半導体装置)が得
られる樹脂系であることが要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の事情に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、封止材用エポキシ樹脂
樹脂組成物中の無機粉末充填材の含有率を高くして硬化
物の物性を改善しようとすると、成型時の溶融粘度が上
昇し、良好な成形性を保つことが困難になるという問題
点を解決することである。すなわち本発明は、成形時の
流動性、及び成形性が良好で、かつ硬化物の曲げ強度等
の性能を低下させずに熱膨張率の低減を実現することが
可能な、高充填化されたエポキシ樹脂組成物の製造方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエポキシ樹
脂組成物の製造方法は、無機粉末充填材の含有割合が真
比重換算で75〜93体積%であるエポキシ樹脂組成物
の製造方法であって、前記無機粉末充填材として、無機
粉末充填材の圧縮成形前の平均粒径が、圧縮成形後も保
持される圧力で、無機粉末充填材のみを圧縮成形して得
られる成形体中の無機粉末充填材の体積分率が78体積
%以上である無機粉末充填材を用い、さらに、前記無機
粉末充填材、カップリング剤及び有機溶剤を、前記無機
粉末充填材の含有率が50重量%以下となるように混合
した分散液を、加熱された流路管内で加熱し、次いで減
圧雰囲気中に噴霧する方法で前記無機粉末充填材がカッ
プリング剤処理されていることを特徴としている。
【0008】以下、本発明を詳しく説明する。本発明に
おけるエポキシ樹脂組成物は主成分として、無機粉末充
填材、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を含有し、そ
の他に必要に応じて難燃剤、離型剤、顔料等が添加され
ている組成物である。
【0009】本発明で用いる無機粉末充填材の材質とし
ては結晶シリカ、非晶質シリカ、アルミナ、窒化珪素、
窒化アルミニウム、窒化ホウ素等が例示できるが、硬化
物の熱膨張率を低下させるためには、非晶質シリカを使
用することが望ましい。そして、本発明は高充填化され
たエポキシ樹脂封止材における従来の問題点を解決する
ことが課題であり、この高充填化されたエポキシ樹脂封
止材とは、具体的にはエポキシ樹脂組成物中の無機粉末
充填材の含有率が75〜93体積%のものである。
【0010】本発明で用いるエポキシ樹脂は、特に限定
するものではないが、低粘度であって、併せて耐湿信頼
性等の性能が優れている封止成形品が得られるものとし
て、樹脂の基本骨格としてビフェニル骨格、ナフタレン
骨格、pー tブチルベンゼン骨格を有する2官能型及び
3官能型エポキシ樹脂を使用することが好ましい。また
硬化剤としてはフェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、
酸無水物系硬化剤等があり、特に限定するものではな
い。なお、これらの硬化材の中では吸湿率が低い硬化物
が得られることからフェノールノボラックやナフトール
・フェノール重合体等のフェノール系硬化剤を使用する
事が好ましい。また、本発明で用いる硬化促進剤として
は、例えばトリフェニルフォスフィン及びその誘導体、
イミダゾール及びその誘導体等が挙げられる。
【0011】次に、本発明中に取り上げている、「無機
粉末充填材のみを圧縮成形して得られる成形体中の無機
粉末充填材の体積分率」について説明する。無機粉末充
填材として使用するn種(nは2以上の整数)の無機粉
末のそれぞれの真比重をdi、各無機粉末それぞれの配
合重量をwi(iは1〜nの整数)とした場合の無機粉
末充填材全体の真比重dは下記式(A)で算出される値
となる。
【0012】 d=Σwi/Σ(wi/di)─────(A) そして、無機粉末充填材のみを圧縮して得られる成形体
中の無機粉末充填材の体積分率をPとしたときに、Pは
重量がWグラムである無機粉末充填材を圧縮して得られ
る成形体の見かけ体積V立方センチメートルから、次式
(B)で算出される。
【0013】 P=100(W/d)/V ─────(B) そして、本発明では、体積分率Pを測定するために行う
無機粉末充填材の圧縮成形の成形圧力は、圧縮成形前の
平均粒子径が圧縮成形後も保持される圧力である事が重
要である。この成形圧力が高すぎると、無機フィラーの
粒子が破壊され、圧縮成形後の平均粒子径は圧縮成形前
の平均粒子径とは異なるものになり、測定される体積分
率Pはエポキシ樹脂組成物中の無機粉末充填材の性質を
示さなくなる不都合が生じる。なぜなら、どのような無
機粉末充填材でも、圧縮成形時の成形圧力を極端に高く
すると、粒子が破壊されて、得られる成形体中には空隙
が含まれない状態に近づき、測定される体積分率Pは1
00%に漸近するようになるからである。従って、本発
明では、圧縮成形して得られる成形体中の無機粉末充填
材が、エポキシ樹脂組成物中に含有させる無機粉末充填
材と同じ状態で存在するように、圧縮成形の際の成形圧
力は圧縮成形前の無機粉末充填材の平均粒径が圧縮成形
後も保持される圧力で行うように限定している。
【0014】なお、圧縮成形前の無機粉末充填材の平均
粒子径が、圧縮成形後も保持される圧力の範囲内の最高
圧力(以降Fmaxと略す)で成形した成形体により得
られる体積分率Pは、Fmax未満の圧力で成形した成
形体により得られる体積分率Pよりも必ず大きい値とな
る。ななわち、Fmax未満で成形した成形体の無機粉
末充填材の体積分率Pが78体積%以上となる場合に
は、その無機粉末充填材をFmaxで成形したときの体
積分率Pは必ず78体積%以上になる。
【0015】本発明ではエポキシ樹脂組成物中の無機粉
末充填材の含有率が75〜93体積%のものであって
も、成形時の流動性、及び成形性が良好なものが得られ
るように、上記の体積分率Pが78体積%以上の無機粉
末充填材を用いるよう制限している。さらに、本発明で
使用する無機粉末充填材は、特に限定するものではない
が、無機粉末充填材中の粒子径が100μmを越えるも
のの含有率は真比重換算で10体積%未満であることが
好ましい。100μm を越える粒子径のものが多数存在
すると、エポキシ樹脂組成物を用いて成形する際に金型
のゲート部に詰まりを生じ、充填不良を発生させる可能
性が生じてくるからである。
【0016】次に本発明における無機粉末充填材のカッ
プリング剤処理について説明する。使用するカップリン
グ剤の種類については特に限定はないが、無機粉末充填
材に対するぬれ性が良好であり、かつエポキシ樹脂、硬
化剤等との相溶性が良好な、シラン系カップリング剤、
チタネート系カップリング剤であることが望ましい。例
を挙げるとシラン系カップリング剤ではγーグリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルト
リエトキシシラン等、チタネート系カップリング剤では
イソプロピルトリイソステアロイルチタネート等が挙げ
られる。
【0017】本発明では、無機粉末充填材、カップリン
グ剤及び有機溶剤を、無機粉末充填材の含有率が50重
量%以下となるように混合して分散液とし、この分散液
を加熱された流路管内で加熱し、次いで減圧雰囲気中に
噴霧する方法で前記無機粉末充填材がカップリング剤処
理される。この場合の有機溶剤の種類についても特に制
限はないが、噴霧処理後の処理済み粉末中の残留溶剤量
を微量に抑制するためと無機粉末充填材の溶剤中での分
散性をできるだけ保持するため、沸点及び比重が低く、
無機粉末充填材との親和性の高い有機溶剤が望ましい。
例を挙げると、メタノール、エタノール、トルエンなど
である。そして、分散液中の無機粉末充填材の含有率に
ついては、分散液中での無機粉末充填材の分散性を保持
するため50重量%以下であることが望ましい。カップ
リング剤の濃度については、特に限定するものではない
が、無機粉末充填材表面に均一に被覆され得るためには
無機粉末充填材量に対し0.3重量%以上であることが
好ましい。
【0018】上記分散液は、図1に示す原理図のよう
に、分散液タンク1から定量ポンプ2で定量的に、二重
管型熱交換器を使用して加熱されていて充分な長さを持
つ流路管3に送られる。この流路管3内で分散液を加熱
して、有機溶剤の蒸発を起こさせる。流路管3の出口4
は減圧に保たれた粉体捕集室5に開口しており、流路管
3内で気化した有機溶剤とカップリング剤で被覆された
無機粉末充填材の混合物が粉体捕集室5に噴出される。
その後粉体捕集室5に備わるフィルタ6により、気化し
た有機溶剤と、カップリング剤処理済無機粉末充填材と
を分離し、気化した有機溶剤は溶剤排出口7から、カッ
プリング剤処理済無機粉末充填材は粉体弁8から系外に
取り出される。なお、ホソカワミクロン(株)製のクラ
ックス・システム(商品名)はこの方法に相当する。
【0019】上記流路管の加熱温度としては100〜3
00℃であることが好ましい。なぜなら、減圧状態で有
機溶剤の蒸発を容易に起こさせるには100℃以上であ
ることが好ましく、またカップリング剤が熱分解しない
ようにするには300℃以下であることが好ましいから
である。このような処理を行うことにより、無機粉末充
填材中の0.1μm 以下の易凝集性の粒子は、凝集を起
こしにくくなり、また仮に凝集していても、エポキシ樹
脂組成物(封止材)の作製過程での分散、混合、混練の
過程で簡単に解砕する事ができる。このことは無機粉末
充填材を加熱噴霧処理した後の0.1μm 以下の粒子の
含有割合が処理前と比べ増加することから裏付けられ
る。
【0020】従来のエポキシ樹脂組成物において、無機
粉末充填材を真比重換算で75体積%以上の範囲に高充
填すると、成型時の溶融粘度が上昇してしまい、流動性
が低下する。また、仮にトランスファー成形が可能であ
ったとしても、成形性が大きく低下し、得られたパッケ
ージ成形体は狭部充填性が劣悪であり、ボイド等の多く
含まれたものとなる。また室温で測定した曲げ強度も大
きく低下してしまう。これらは、用いたエポキシ樹脂、
硬化剤等の物性によるだけでなく無機粉末充填材に凝集
粒子が多く含まれることに大きく影響されていると考え
られる。上述したごとく、本発明のようにカップリング
剤処理の際に無機粉末充填材を加熱噴霧処理して、凝集
のない分散性の良好な状態にしたカップリング剤処理済
無機粉末充填材を用いて作製したエポキシ樹脂組成物で
は未処理のものと比べて流動性、成形性及び硬化物の曲
げ強度とも向上しており、分散性を向上させる加熱噴霧
処理は、充填材の高充填領域での性能向上に大きく寄与
するものである。
【0021】一般に成形不良等の原因で残留したボイド
が、半導体素子表面に生じた場合、その内部に水が凝集
して、アルミ配線腐食を引き起こし、半導体装置の耐湿
信頼性を低下させている。したがって上記の処理済無機
粉末充填材を用いて作製した流動性、成形性の良好なエ
ポキシ樹脂組成物を用いることにより成形不良が防止さ
れるので、リードフレームに搭載された半導体素子をト
ランスファー成形により封止して得られる半導体装置の
耐湿信頼性は大きく向上することが可能になる。
【0022】
【作用】無機粉末充填材のみを圧縮成形して得られる成
形体中の無機粉末充填材の体積分率が78体積%以上で
ある無機粉末充填材を使用することは、78体積%未満
の無機粉末充填材を使用することに比べ、エポキシ樹脂
組成物の成型時の溶融粘度を低下させるよう作用する。
【0023】無機粉末充填材、カップリング剤及び有機
溶剤を、無機粉末充填材の含有率が50重量%以下とな
るように混合して分散液とし、この分散液を加熱された
流路管内で加熱し、次いで減圧雰囲気中に噴霧する方法
で無機粉末充填材を処理することは、無機粉末充填材の
再凝集を生じにくくし、分散性を向上させる。従って、
このようにしてカップリング剤処理した無機粉末充填材
を使用することは、無機粉末充填材が上記の圧縮体積分
率が78体積%以上である無機粉末充填材の場合にはエ
ポキシ樹脂組成物の成型時の溶融粘度をさらに低下させ
るように作用する。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
説明する。
【0025】実施例及び比較例で使用した原材料を説明
する。エポキシ樹脂としては二官能ビフェニル型エポキ
シ樹脂〔油化シェルエポキシ(株)製、エポキシ当量1
90、150℃での溶融粘度0.2ポイズ、品番YX−
4000H〕又は2官能p-t-ブチルベンゼン型エポキシ
樹脂〔東都化成(株)製、エポキシ当量172、150
℃での溶融粘度0.04ポイズ、品番ZX−1257〕
を、硬化剤としてはナフトール・フェノール重合体樹脂
〔日本化薬(株)製、水酸基当量140、150℃での
溶融粘度8ポイズ、品番OCN−7000〕を、硬化促
進剤としては、トリフェニルフォスフィン〔北興化学工
業(株)製、以降TPPと略す〕を、ワックスは天然カ
ルナウバワックスを、カッブリング剤はエポキシシラン
系カップリング剤〔日本ユニカー(株)製、品番A−1
87〕又はアミノシラン系カップリング剤〔日本ユニカ
ー(株)製、品番A1100〕を、難燃剤としては三酸
化二アンチモン〔三菱マテリアル(株)製、品番Sb2
O3 −LS〕を、顔料はカーボンブラック〔三菱マテリ
アル(株)製、品番750−B〕を使用した。
【0026】無機粉末充填材としては、平均粒径が26
μmの球状非晶質シリカ〔電気化学工業(株)製、比表
面積2.6m2 /g、品番FB74〕、平均粒径が0.
5μm の球状非晶質シリカ〔(株)龍森製、比表面積1
2m2 /g、品番SOC2〕又は上記平均粒径26μm
の球状非晶質シリカ(FB74)を空気分級して得られ
た下記の品番のフィラー、 AS1──平均粒径36μm、比表面積1.6m2
g、真比重2.2 AS2──平均粒径9μm、比表面積2.9m2 /g、
真比重2.2を用いた。
【0027】そして、全実施例及び比較例1、2につい
ては、表1及び表2に示す重量部で配合した混合無機粉
末充填材500gを、0.5重量%濃度のエポキシシラ
ン系カップリング剤のトルエン溶液またはアミノシラン
系カップリング剤のトルエン溶液3.5kgの中に秤取
し、混合して分散液を得た。この分散液を、ホソカワミ
クロン(株)製のクラックスシステムCVX−8B型
(商品名)を使用して、加熱された流路管内で加熱し、
次いで減圧雰囲気中に噴霧する工程を通し、混合無機粉
末充填材をカップリング剤処理した。なお、加熱された
流路管の温度は表1及び表2に示す通りである。この方
法によるカップリング剤処理で、処理済みの混合無機粉
末充填材中に取り込まれたカップリング剤量を加熱減量
法により測定したところ、各混合無機粉末充填材共に処
理済みの混合無機粉末充填材の重量の略1.0重量%の
カップリング剤が取り込まれていることが確認された。
そこで、カップリング剤処理の方法を変えている比較例
3では、表2に示す重量部で配合した混合無機粉末充填
材500gに対しエポキシシラン系カップリング剤5.
0gをスプレーし、ミキサーで混合する方法でカップリ
ング剤処理を行なった。
【0028】また、処理前の混合無機粉末充填材に関し
て、無機粉末充填材のみを圧縮して得られる成形体中の
無機粉末充填材の体積分率Pを次のようにして求めた。
処理前の各混合無機粉末充填材を圧縮圧力300kg/
cm2 で単軸加圧して、円筒状の成形体を得た。圧縮成
形して得られる成型体中の無機粉末充填材の体積分率P
は、成形体の直径と厚みから算出される成形体の体積V
と重量W及び無機粉末充填材の真比重dから、すでに述
べた下式(B)で算出した。
【0029】 P=100(W/d)/V ─────(B) なお、得られた成形体を解砕して圧縮成形後の平均粒径
を測定した結果、成形に供した混合無機粉末充填材の平
均粒径と同じであったので、この圧力では圧縮成形によ
る粒子の破壊は生じていないと言える。混合無機粉末充
填材の上記の体積分率Pの測定結果を表1及び表2に示
す。
【0030】また、カップリング剤処理した無機粉末充
填材の分散性の評価については、未処理品及び処理済み
品各4gをヘキサメタリン酸ソーダ入り水溶液50g中
に秤量し、1分間超音波分散した後の粒度分布測定結果
において粒径が0.1μm 以下の粒子割合を求め下式で
分散性算出値を算出した。この分散性算出値が大きいほ
ど良好な分散性を示す。なお、粒度分布測定は日機装
(株)製のマイクロトラックFRA(商品名)により行
い、得られた測定結果を表1及び表2に示す。 処理粉末の分散性算出値=(処理粉末中の0.1μm以
下の粒子割合)/(未処理粉末の0.1μm以下の粒子
割合)
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】上記の処理済みの混合無機粉末充填材及び
他の各原料を表3及び表4に示す重量割合で配合し、得
られた配合物を90℃のミキシングロールで6分間混練
し、冷却後粉砕し、エポキシ樹脂組成物(封止材)を得
た。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】得られたエポキシ樹脂組成物に関する性能
評価は次のようにして行った。また得られた評価結果を
表5及び表6に示す。
【0037】〔ゲルタイム〕:(株)オリエンテック製
キュラストメーターV型を用い、175℃で測定した。
【0038】〔溶融粘度〕:(株)島津製作所製フロー
テスターCFT500A型を用い、温度175℃、荷重
10kgf、ノズルサイズ1mmφ×10mmで、最低
溶融粘度を求めて溶融粘度とした。
【0039】〔スパイラルフロー〕:EMMI標準に準
拠し、スパイラルフロー専用金型を用い、175℃のト
ランスファー成形時の試料の流れ長さを測定した。
【0040】〔熱膨張率〕:専用金型を用い、175℃
のトランスファー成形により5mmφ×20mmの円柱
状の成形品を得、次いで、175℃6時間のアフターキ
ュアーを行い、その後、研磨により底面及び頂面の平行
出しを行い、熱膨張率測定用テストピースを作製した。
このテストピースについて、理学電機(株)製TAS2
00型TMA装置により、50℃〜100℃の間の熱膨
張率を測定した。
【0041】〔曲げ強度〕:JISテストピース作製用
の専用金型で175℃、90秒のトランスファー成形に
よりテストピースの形状に成形した後、175℃、6時
間のアフターキュアーをしてテストピースを得、このテ
ストピースを用い、(株)今田製作所製、引っ張り圧縮
試験機で、JIS-K6911 に準拠して室温での曲げ強度を測
定した。
【0042】〔成形性〕:成形性の評価は、成形して得
られた評価用パッケージ(半導体装置)内に生じている
ボイドの多少により評価した。評価用パッケージの作製
は次の方法で行なった。外形寸法8.9×17.4×
2.7mm厚の26SOPパッケージ用の金型を用い
て、テスト用半導体チップを搭載したリードフレームを
各エポキシ樹脂組成物によりトランスファー成形して封
止した成形品を作製した。成形条件は、温度175℃、
注入時間12秒、加圧時間90秒、注入圧力70kg/
cm2 とした。この成形品を175℃6時間アフターキ
ュアーし、性能評価用の26SOP(評価用パッケー
ジ)を得た。パッケージ内ボイドは、評価用パッケージ
の表裏両面から、超音波探査装置M−700II((株)
キャノン製)で観察し、得たチャート中で直径1mm以
上のボイド像の数を数えて評価した。
【0043】〔耐湿信頼性〕:耐湿信頼性の評価は、成
形して得られた評価用パッケージ(半導体装置)を用い
て行なった。評価用パッケージの作製は下記の方法で行
なった。外形寸法8.9×17.4×2.7mm厚の2
6SOPパッケージ用の金型を用いて、テスト用半導体
チップ(3μm のアルミ配線を施したTEG)を搭載し
たリードフレームを各エポキシ樹脂組成物によりトラン
スファー成形して封止した成形品を作製した。成形条件
は、温度175℃、注入時間12秒、加圧時間90秒、
注入圧力70kg/cm2 とした。この成形品を175
℃6時間アフターキュアーし、性能評価用の26SOP
(評価用パッケージ)を得た。得られた評価用パッケー
ジを130℃、85%、30Vの条件下で放置したとき
のアルミ配線の不良発生迄の時間を測定して、耐湿信頼
性の評価結果とした。
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】表5及び表6の結果から、本発明の実施例
は比較例に比べ、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が低
く、かつ硬化物の曲げ強度を低下させずに熱膨張率の低
減ができていることが確認された。なお、比較例2で
は、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が高く、成形性が悪
かったため、評価用パッケージの成形ができなかった。
【0047】
【発明の効果】本発明に係るエポキシ樹脂組成物の製造
方法は、無機粉末充填材のみを圧縮成形して得られる成
形体中の無機粉末充填材の体積分率が78体積%以上で
ある無機粉末充填材を使用し、かつ、無機粉末充填材、
カップリング剤及び有機溶剤を、無機粉末充填材の含有
率が50重量%以下となるように混合して分散液とし、
この分散液を加熱された流路管内で加熱し、次いで減圧
雰囲気中に噴霧する方法で無機粉末充填材を処理してい
るので、本発明の製造方法によれば、無機粉末充填材の
含有率が75〜93体積%と高いエポキシ樹脂組成物に
おける、成型時の溶融粘度が高く、良好な成形性を保つ
ことが困難であるという従来の問題点が解決される。す
なわち、本発明の製造方法によれば、成形時の流動性、
及び成形性が良好で、かつ、硬化物の曲げ強度等の性能
を低下させずに熱膨張率の低減を実現できる、高充填化
されたエポキシ樹脂組成物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエポキシ樹脂組成物の製造方法に
おける、無機粉末充填材をカップリング剤処理する工程
の要部を示す原理図である。
【符号の説明】
1 分散液タンク 2 定量ポンプ 3 流路管 4 流路管の出口 5 粉体捕集室 6 フィルタ 7 溶剤排出口 8 粉体弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/29 23/31

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機粉末充填材の含有割合が真比重換算
    で75〜93体積%であるエポキシ樹脂組成物の製造方
    法であって、前記無機粉末充填材として、無機粉末充填
    材の圧縮成形前の平均粒径が、圧縮成形後も保持される
    圧力で、無機粉末充填材のみを圧縮成形して得られる成
    形体中の無機粉末充填材の体積分率が78体積%以上で
    ある無機粉末充填材を用い、さらに、前記無機粉末充填
    材、カップリング剤及び有機溶剤を、前記無機粉末充填
    材の含有率が50重量%以下となるように混合した分散
    液を、加熱された流路管内で加熱し、次いで減圧雰囲気
    中に噴霧する方法で前記無機粉末充填材がカップリング
    剤処理されていることを特徴とするエポキシ樹脂組成物
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 加熱された流路管の温度が100〜30
    0℃であることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹
    脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 カップリング剤がシラン系カップリング
    剤であり、カップリング剤の配合量が無機粉末充填材量
    に対し0.3重量%以上であることを特徴とする請求項
    1または請求項2記載のエポキシ樹脂組成物の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002201358A (ja) * 2000-12-27 2002-07-19 Hitachi Chem Co Ltd 電子部品の封止材料、電子部品の封止方法、半導体パッケージ、および半導体パッケージの作製方法
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