JPH07215758A - ジルコニア質焼結体 - Google Patents
ジルコニア質焼結体Info
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- JPH07215758A JPH07215758A JP6008297A JP829794A JPH07215758A JP H07215758 A JPH07215758 A JP H07215758A JP 6008297 A JP6008297 A JP 6008297A JP 829794 A JP829794 A JP 829794A JP H07215758 A JPH07215758 A JP H07215758A
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- Japan
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- rare earth
- sintered body
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高い硬度を有するジルコニア質焼結体を提供
する。 【構成】 ZrO2 と、Yb2 O3 ,Y2 O3 ,Ho2
O3 ,Er2 O3 ,Dy2 O3 のうち1種又は2種以上
の希土類金属酸化物(R2 O3 )と、ホウ素化合物とA
l2 O3 とを含むジルコニア質焼結体。ZrO2 とR2
O3 とホウ素化合物とSiO2 とを含む成分に対するA
l2 O3 のモル比が10/90〜50/50。R2 O3
/ZrO2 モル比=1/99〜6/94。B/(R2 O
3 +ZrO2 )=0.05〜2モル%,SiO2 /(R
2 O3 +ZrO2 )=0.05〜1.5モル%。ZrO
2 の結晶粒子が主として正方晶の相又は正方晶と立方晶
の混合相よりなる。 【効果】 Al2 O3 を固溶或いは分散させた希土類金
属酸化物安定化ジルコニア質焼結体を比較的低温で焼結
させることができ、ジルコニアの優れた機械的特性を低
下させることなく、Al2 O3 による高い硬度特性を持
ったジルコニア質焼結体を得ることができる。
する。 【構成】 ZrO2 と、Yb2 O3 ,Y2 O3 ,Ho2
O3 ,Er2 O3 ,Dy2 O3 のうち1種又は2種以上
の希土類金属酸化物(R2 O3 )と、ホウ素化合物とA
l2 O3 とを含むジルコニア質焼結体。ZrO2 とR2
O3 とホウ素化合物とSiO2 とを含む成分に対するA
l2 O3 のモル比が10/90〜50/50。R2 O3
/ZrO2 モル比=1/99〜6/94。B/(R2 O
3 +ZrO2 )=0.05〜2モル%,SiO2 /(R
2 O3 +ZrO2 )=0.05〜1.5モル%。ZrO
2 の結晶粒子が主として正方晶の相又は正方晶と立方晶
の混合相よりなる。 【効果】 Al2 O3 を固溶或いは分散させた希土類金
属酸化物安定化ジルコニア質焼結体を比較的低温で焼結
させることができ、ジルコニアの優れた機械的特性を低
下させることなく、Al2 O3 による高い硬度特性を持
ったジルコニア質焼結体を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジルコニア質焼結体に係
り、特に、機械的特性に優れた、酸化アルミニウム及び
ホウ素化合物を含有する希土類金属酸化物安定化ジルコ
ニア質焼結体に関する。
り、特に、機械的特性に優れた、酸化アルミニウム及び
ホウ素化合物を含有する希土類金属酸化物安定化ジルコ
ニア質焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】ジルコニア(ZrO2 )をY2 O3 等の
希土類金属酸化物により安定化させたジルコニア質焼結
体は、酸化物系のセラミックスの中でも特に優れた機械
的特性を有する材料であることが知られており、各種工
業的分野において広く利用されている。
希土類金属酸化物により安定化させたジルコニア質焼結
体は、酸化物系のセラミックスの中でも特に優れた機械
的特性を有する材料であることが知られており、各種工
業的分野において広く利用されている。
【0003】また、このような希土類金属酸化物安定化
ジルコニア質焼結体中に、所定量のAl2 O3 を固溶或
いは分散させたジルコニア質焼結体は、機械的特性に優
れたセラミックスとなることが報告されている(特公昭
61−59265号公報や特開昭60−235762号
公報)。
ジルコニア質焼結体中に、所定量のAl2 O3 を固溶或
いは分散させたジルコニア質焼結体は、機械的特性に優
れたセラミックスとなることが報告されている(特公昭
61−59265号公報や特開昭60−235762号
公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特許公報
等を含め、従来知られている希土類金属酸化物安定化ジ
ルコニア質焼結体にAl2 O3 を固溶或いは分散させた
材料は、Al2 O3 の含有量に従いジルコニアの焼結性
が低下する傾向があった。即ち、従来の材料では、Al
2 O3 を加えることにより、ジルコニアを高い温度域で
焼成しなければならなかった。このことは、製造面にお
いてコスト高になることのみではなく、ジルコニアの結
晶粒子の異常成長を招くことや焼結体の結晶相中に立方
晶が増えることにより、ジルコニアの持っている高強
度,高靭性などの特性を低下させてしまう原因となる。
しかして、このことがAl2 O3 を固溶或いは分散させ
たジルコニア質焼結体の大きな問題点となっていた。
等を含め、従来知られている希土類金属酸化物安定化ジ
ルコニア質焼結体にAl2 O3 を固溶或いは分散させた
材料は、Al2 O3 の含有量に従いジルコニアの焼結性
が低下する傾向があった。即ち、従来の材料では、Al
2 O3 を加えることにより、ジルコニアを高い温度域で
焼成しなければならなかった。このことは、製造面にお
いてコスト高になることのみではなく、ジルコニアの結
晶粒子の異常成長を招くことや焼結体の結晶相中に立方
晶が増えることにより、ジルコニアの持っている高強
度,高靭性などの特性を低下させてしまう原因となる。
しかして、このことがAl2 O3 を固溶或いは分散させ
たジルコニア質焼結体の大きな問題点となっていた。
【0005】本発明は、上記従来のAl2 O3 を固溶或
いは分散させたジルコニア質焼結体の問題点を解決し、
特に高い硬度を有するジルコニア質焼結体を提供するこ
とを目的とする。
いは分散させたジルコニア質焼結体の問題点を解決し、
特に高い硬度を有するジルコニア質焼結体を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のジルコニア質焼
結体は、ZrO2 と、Yb2 O3 ,Y2 O3 ,Ho2O3
,Er2 O3 及びDy2 O3 よりなる群から選ばれる
1種又は2種以上の希土類金属酸化物(R2 O3 )と、
ホウ素化合物とSiO2 とAl2 O3 とを含むジルコニ
ア質焼結体であって、ZrO2 と希土類金属酸化物(R
2 O3 )とホウ素化合物とSiO2 とを含む成分(M)
に対するAl2 O3 のモル比(Al2 O3 /M)が10
/90〜50/50であり、前記希土類金属酸化物(R
2 O3 )とZrO2 とのモル比(R2 O3 /ZrO2 )
が、1/99〜6/94で、更に、該希土類金属酸化物
とZrO2 との合計に対して、0.5モル%以下の割合
で、かつ、ZrO2 の結晶粒子が主として正方晶の相又
は正方晶と立方晶の混合相よりなり、ZrO2 と希土類
金属酸化物(R2 O3 )との合計に対するホウ素(B)
の含有量が0.05〜2モル%、SiO2 の含有量が
0.05〜1.5モル%であることを特徴とする。
結体は、ZrO2 と、Yb2 O3 ,Y2 O3 ,Ho2O3
,Er2 O3 及びDy2 O3 よりなる群から選ばれる
1種又は2種以上の希土類金属酸化物(R2 O3 )と、
ホウ素化合物とSiO2 とAl2 O3 とを含むジルコニ
ア質焼結体であって、ZrO2 と希土類金属酸化物(R
2 O3 )とホウ素化合物とSiO2 とを含む成分(M)
に対するAl2 O3 のモル比(Al2 O3 /M)が10
/90〜50/50であり、前記希土類金属酸化物(R
2 O3 )とZrO2 とのモル比(R2 O3 /ZrO2 )
が、1/99〜6/94で、更に、該希土類金属酸化物
とZrO2 との合計に対して、0.5モル%以下の割合
で、かつ、ZrO2 の結晶粒子が主として正方晶の相又
は正方晶と立方晶の混合相よりなり、ZrO2 と希土類
金属酸化物(R2 O3 )との合計に対するホウ素(B)
の含有量が0.05〜2モル%、SiO2 の含有量が
0.05〜1.5モル%であることを特徴とする。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明のジルコニア質焼結体において、安
定化剤となる希土類金属酸化物(R2 O3 )としては、
Yb2 O3 ,Y2 O3 ,Ho2 O3 ,Er2 O3 及びD
y2O3 よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用
いる。また、ZrO2 とR2O3 との合計に対して、
0.5モル%以下であれば、上記希土類金属酸化物以外
の希土類金属酸化物を含んでいても良い。
定化剤となる希土類金属酸化物(R2 O3 )としては、
Yb2 O3 ,Y2 O3 ,Ho2 O3 ,Er2 O3 及びD
y2O3 よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用
いる。また、ZrO2 とR2O3 との合計に対して、
0.5モル%以下であれば、上記希土類金属酸化物以外
の希土類金属酸化物を含んでいても良い。
【0009】本発明において、Yb2 O3 ,Y2 O3 ,
Ho2 O3 ,Er2 O3 及びDy2O3 よりなる群から
選ばれる1種又は2種以上の希土類金属酸化物(R2 O
3 )の割合は、R2 O3 /ZrO2 のモル比で1/99
〜6/94、好ましくは2/98〜4/96の範囲内と
する。R2 O3 /ZrO2 のモル比が、1/99未満で
は、ZrO2 の結晶粒子の相が安定した正方晶になら
ず、主として正方晶よりなる相を持たすことができな
い。なお、ここで言う、主として正方晶よりなる相と
は、結晶相のうち95%以上を正方晶が占めているとい
う意味を持ち、5%未満の単斜晶が含有されていること
を示唆するものである。また、R2 O3 /ZrO2 が6
/94を超えるものでは、十分な機械的強度を持ったジ
ルコニア質焼結体を得ることができない。
Ho2 O3 ,Er2 O3 及びDy2O3 よりなる群から
選ばれる1種又は2種以上の希土類金属酸化物(R2 O
3 )の割合は、R2 O3 /ZrO2 のモル比で1/99
〜6/94、好ましくは2/98〜4/96の範囲内と
する。R2 O3 /ZrO2 のモル比が、1/99未満で
は、ZrO2 の結晶粒子の相が安定した正方晶になら
ず、主として正方晶よりなる相を持たすことができな
い。なお、ここで言う、主として正方晶よりなる相と
は、結晶相のうち95%以上を正方晶が占めているとい
う意味を持ち、5%未満の単斜晶が含有されていること
を示唆するものである。また、R2 O3 /ZrO2 が6
/94を超えるものでは、十分な機械的強度を持ったジ
ルコニア質焼結体を得ることができない。
【0010】本発明のジルコニア質焼結体は、更にその
原料組成中にAl2 O3 、ホウ素からなる化合物、及び
SiO2 を含有している。
原料組成中にAl2 O3 、ホウ素からなる化合物、及び
SiO2 を含有している。
【0011】Al2 O3 は、ジルコニア質焼結体の機械
的特性、特に、高い硬度特性を持たすことのできる材料
であり、ZrO2 −R2 O3 成分に均一分散させること
が好ましい。Al2 O3 の含有量は、ZrO2 、Yb2
O3 ,Y2 O3 ,Ho2 O3,Er2 O3 及びDy2 O3
よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の希土類金
属酸化物(R2 O3 )とホウ素化合物及びSiO2 を含
む成分(M)に対する含有モル比(Al2 O3 /M)が
10/90〜50/50、好ましくは15/84〜35
/65の範囲内とする。このモル比が、10/90未満
である場合には、Al2 O3 を加えることによるジルコ
ニア質焼結体の機械的特性の向上は見られない。また、
モル比が50/50を超えるものでは、ジルコニア質焼
結体の機械的強度を大きく低下させてしまうため好まし
くない。
的特性、特に、高い硬度特性を持たすことのできる材料
であり、ZrO2 −R2 O3 成分に均一分散させること
が好ましい。Al2 O3 の含有量は、ZrO2 、Yb2
O3 ,Y2 O3 ,Ho2 O3,Er2 O3 及びDy2 O3
よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の希土類金
属酸化物(R2 O3 )とホウ素化合物及びSiO2 を含
む成分(M)に対する含有モル比(Al2 O3 /M)が
10/90〜50/50、好ましくは15/84〜35
/65の範囲内とする。このモル比が、10/90未満
である場合には、Al2 O3 を加えることによるジルコ
ニア質焼結体の機械的特性の向上は見られない。また、
モル比が50/50を超えるものでは、ジルコニア質焼
結体の機械的強度を大きく低下させてしまうため好まし
くない。
【0012】ホウ素化合物は、ジルコニア質焼結体の焼
結性を向上させることができる材料であり、Al2 O3
の含有に伴って見られる焼結性の低下を抑える働きがあ
る。しかしながら、ZrO2 と希土類金属酸化物(R2
O3 )との合計に対するホウ素(B)の含有量が0.0
5モル%未満では、その添加効果が得られず、2モル%
を超えるものではかえって特性を低下させる傾向がある
ため、ホウ素(B)の含有量は、ZrO2 とR2 O3 と
の合計に対して0.05〜2モル%、好ましくは0.1
〜1モル%とする。
結性を向上させることができる材料であり、Al2 O3
の含有に伴って見られる焼結性の低下を抑える働きがあ
る。しかしながら、ZrO2 と希土類金属酸化物(R2
O3 )との合計に対するホウ素(B)の含有量が0.0
5モル%未満では、その添加効果が得られず、2モル%
を超えるものではかえって特性を低下させる傾向がある
ため、ホウ素(B)の含有量は、ZrO2 とR2 O3 と
の合計に対して0.05〜2モル%、好ましくは0.1
〜1モル%とする。
【0013】また、SiO2 は安定した焼結体を得るた
めに有効な添加物であり、ZrO2とR2 O3 との合計
に対して0.05〜1.5モル%、好ましくは0.1〜
1モル%含まれるようにする。このSiO2 量が、0.
05モル%未満又は1.5モル%を超えるものでは、本
発明で意図する特性を有するジルコニア質焼結体を得る
ことができないため好ましくない。
めに有効な添加物であり、ZrO2とR2 O3 との合計
に対して0.05〜1.5モル%、好ましくは0.1〜
1モル%含まれるようにする。このSiO2 量が、0.
05モル%未満又は1.5モル%を超えるものでは、本
発明で意図する特性を有するジルコニア質焼結体を得る
ことができないため好ましくない。
【0014】本発明において、Al2 O3 ,SiO2 ,
ホウ素化合物といった添加物のうち、Al2 O3 ,Si
O2 は、酸化物のほかに窒化物,炭化物又は、水酸化物
などの形で添加しても同様の効果が得られる。また、ホ
ウ素に関しては、ホウ素からなる酸化物のほかに窒化
物,炭化物又は、主成分であるZr或いは、添加成分の
Alなどからなる化合物によって添加してもよい。
ホウ素化合物といった添加物のうち、Al2 O3 ,Si
O2 は、酸化物のほかに窒化物,炭化物又は、水酸化物
などの形で添加しても同様の効果が得られる。また、ホ
ウ素に関しては、ホウ素からなる酸化物のほかに窒化
物,炭化物又は、主成分であるZr或いは、添加成分の
Alなどからなる化合物によって添加してもよい。
【0015】本発明のジルコニア質焼結体を製造するに
は、例えば、出発原料として、各酸化物の混合によるも
の、或は、各成分の混合溶液の共沈物、又は、反応物等
を用い、これらの原料粉を所定の形状に成型した後、大
気雰囲気中にて、1300〜1600℃で焼結させる。
この焼成温度を1300℃未満とすると、焼結が不十分
となり、1600℃を超えた温度にて焼結させたもの
は、強度、耐久特性等が低下する傾向がある。特に好ま
しい焼成温度は1400〜1550℃である。
は、例えば、出発原料として、各酸化物の混合によるも
の、或は、各成分の混合溶液の共沈物、又は、反応物等
を用い、これらの原料粉を所定の形状に成型した後、大
気雰囲気中にて、1300〜1600℃で焼結させる。
この焼成温度を1300℃未満とすると、焼結が不十分
となり、1600℃を超えた温度にて焼結させたもの
は、強度、耐久特性等が低下する傾向がある。特に好ま
しい焼成温度は1400〜1550℃である。
【0016】
【作用】本発明の特定組成を用いることにより、Al2
O3 を固溶或いは分散させた希土類金属酸化物安定化ジ
ルコニア質焼結体を比較的低温で焼結させることがで
き、ジルコニアの優れた機械的特性を低下させることな
く、Al2 O3 による高い硬度特性を持ったジルコニア
質焼結体を得ることができる。
O3 を固溶或いは分散させた希土類金属酸化物安定化ジ
ルコニア質焼結体を比較的低温で焼結させることがで
き、ジルコニアの優れた機械的特性を低下させることな
く、Al2 O3 による高い硬度特性を持ったジルコニア
質焼結体を得ることができる。
【0017】また、Yb2 O3 ,Y2 O3 ,Ho2 O
3 ,Er2 O3 及びDy2 O3 よりなる群から選ばれる
1種又は2種以上の希土類金属酸化物(R2 O3 )とZ
rO2とのモル比(R2 O3 /ZrO2 )を1/99〜
6/94とすることにより、ZrO2 の結晶粒子が主と
して正方晶の相又は正方晶と立方晶との混合相よりなる
安定した結晶相とすることができ、機械的強度が十分に
高いジルコニア質焼結体が得られる。更に、ホウ素化合
物及びSiO2 を含有させることによる効果を確実に発
揮させて、高特性ジルコニア質焼結体を得ることができ
る。
3 ,Er2 O3 及びDy2 O3 よりなる群から選ばれる
1種又は2種以上の希土類金属酸化物(R2 O3 )とZ
rO2とのモル比(R2 O3 /ZrO2 )を1/99〜
6/94とすることにより、ZrO2 の結晶粒子が主と
して正方晶の相又は正方晶と立方晶との混合相よりなる
安定した結晶相とすることができ、機械的強度が十分に
高いジルコニア質焼結体が得られる。更に、ホウ素化合
物及びSiO2 を含有させることによる効果を確実に発
揮させて、高特性ジルコニア質焼結体を得ることができ
る。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。
【0019】実施例1 表1に示す組成となるように酸化ジルコニウム(ZrO
2 ),希土類金属酸化物(R2 O3 ),酸化アルミニウ
ム(Al2 O3 ),二酸化ケイ素(SiO2 ),酸化ホ
ウ素(B2 O3 )を秤量して、溶媒としてイオン交換水
を用い、ゴムライニングのボールミルにてZrO2 質玉
石を使用して混練した後、乾燥を行った。
2 ),希土類金属酸化物(R2 O3 ),酸化アルミニウ
ム(Al2 O3 ),二酸化ケイ素(SiO2 ),酸化ホ
ウ素(B2 O3 )を秤量して、溶媒としてイオン交換水
を用い、ゴムライニングのボールミルにてZrO2 質玉
石を使用して混練した後、乾燥を行った。
【0020】次に、1000℃にて仮焼を行い、得られ
た仮焼粉を上記混練時と同様のボールミルにて解砕し、
アクリル系共重合樹脂を3重量%加えてスプレー造粒し
た。得られた造粒粉を1000Kgf/cm2 の圧力で
CIP成型して表2に示す温度にて本焼成を行った。
た仮焼粉を上記混練時と同様のボールミルにて解砕し、
アクリル系共重合樹脂を3重量%加えてスプレー造粒し
た。得られた造粒粉を1000Kgf/cm2 の圧力で
CIP成型して表2に示す温度にて本焼成を行った。
【0021】得られたジルコニア質焼結体の主たる結晶
相、ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法(JIS
R1601)に従って測定した3点曲げ強度,ビッカ
ース硬さ(JIS R1610),IF法により求めた
破壊靭性値(JIS R1607)を表2に示す。
相、ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法(JIS
R1601)に従って測定した3点曲げ強度,ビッカ
ース硬さ(JIS R1610),IF法により求めた
破壊靭性値(JIS R1607)を表2に示す。
【0022】なお、表2において、Mは単斜晶、Tは正
方晶、Cは立方晶を示しており、焼結体の結晶相内の単
斜晶含有量は、焼結体表面を#600のダイアモンド砥
石で研削した後、1〜5μmのダイアモンド粒により鏡
面に仕上げ、その表面のX線回折による強度比より以下
の式を用いて求めた。
方晶、Cは立方晶を示しており、焼結体の結晶相内の単
斜晶含有量は、焼結体表面を#600のダイアモンド砥
石で研削した後、1〜5μmのダイアモンド粒により鏡
面に仕上げ、その表面のX線回折による強度比より以下
の式を用いて求めた。
【0023】
【数1】
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】上記の結果より次のことが明らかである。
【0027】即ち、本発明のジルコニア質焼結体は、A
l2 O3 を固溶或いは分散させた希土類金属酸化物安定
化ジルコニア質焼結体であり、該焼結体中にホウ素から
なる化合物及びSiO2 を含んでおり、ホウ素(B)及
びSiO2 の量がそれぞれ、本発明に示す数値限定範囲
内にあり且つ、安定化剤となる希土類元素(R2 O3)
とZrO2 との含有モル比及びZrO2 ,R2 O3 ,S
iO2 及びホウ素の含有量(M)とAl2 O3 の含有量
とのモル比がそれぞれ、本発明に示す数値限定範囲内に
あることによって、機械的特性、特に、高い硬度特性を
兼ね備えたジルコニア質焼結体を比較的低い温度で焼成
しても得ることができる。
l2 O3 を固溶或いは分散させた希土類金属酸化物安定
化ジルコニア質焼結体であり、該焼結体中にホウ素から
なる化合物及びSiO2 を含んでおり、ホウ素(B)及
びSiO2 の量がそれぞれ、本発明に示す数値限定範囲
内にあり且つ、安定化剤となる希土類元素(R2 O3)
とZrO2 との含有モル比及びZrO2 ,R2 O3 ,S
iO2 及びホウ素の含有量(M)とAl2 O3 の含有量
とのモル比がそれぞれ、本発明に示す数値限定範囲内に
あることによって、機械的特性、特に、高い硬度特性を
兼ね備えたジルコニア質焼結体を比較的低い温度で焼成
しても得ることができる。
【0028】これらの条件を外れるものでは、本発明の
ような高特性ジルコニア質焼結体を得ることはできな
い。
ような高特性ジルコニア質焼結体を得ることはできな
い。
【0029】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のジルコニア
質焼結体によれば、Al2 O3 を固溶或いは分散させた
希土類金属酸化物安定化ジルコニア質焼結体において、
その焼成温度を低温側に移動させることができるため、
製造上のコストをおさえることが可能となる。また、低
温で焼結させていることにより、ジルコニアが持つ優れ
た機械的特性を低下させることなく、Al2 O3 の高い
硬度特性を兼ね備えたジルコニア質焼結体とすることが
できる。よって、高い硬度特性を有する、従来にない優
れたジルコニア質焼結体を低価格にて提供することがで
きる。
質焼結体によれば、Al2 O3 を固溶或いは分散させた
希土類金属酸化物安定化ジルコニア質焼結体において、
その焼成温度を低温側に移動させることができるため、
製造上のコストをおさえることが可能となる。また、低
温で焼結させていることにより、ジルコニアが持つ優れ
た機械的特性を低下させることなく、Al2 O3 の高い
硬度特性を兼ね備えたジルコニア質焼結体とすることが
できる。よって、高い硬度特性を有する、従来にない優
れたジルコニア質焼結体を低価格にて提供することがで
きる。
【0030】本発明のジルコニア質焼結体は、特に、高
い硬度特性を必要とされる切削工具用材料等として非常
に有効な材料であり、工業的有用性は極めて大である。
い硬度特性を必要とされる切削工具用材料等として非常
に有効な材料であり、工業的有用性は極めて大である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ZrO2 と、Yb2 O3 ,Y2 O3 ,H
o2 O3 ,Er2 O3 及びDy2 O3 よりなる群から選
ばれる1種又は2種以上の希土類金属酸化物(R2 O
3 )と、ホウ素化合物とSiO2 とAl2 O3 とを含む
ジルコニア質焼結体であって、ZrO2 と希土類金属酸
化物(R2 O3 )とホウ素化合物とSiO2 とを含む成
分(M)に対するAl2 O3 のモル比(Al2 O3 /
M)が10/90〜50/50であり、前記希土類金属
酸化物(R2 O3 )とZrO2 とのモル比(R2 O3 /
ZrO2 )が、1/99〜6/94で、かつ、ZrO2
の結晶粒子が主として正方晶の相又は正方晶と立方晶の
混合相よりなり、ZrO2 と希土類金属酸化物(R2 O
3 )との合計に対するホウ素(B)の含有量が0.05
〜2モル%、SiO2 の含有量が0.05〜1.5モル
%であることを特徴とするジルコニア質焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6008297A JPH07215758A (ja) | 1994-01-28 | 1994-01-28 | ジルコニア質焼結体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6008297A JPH07215758A (ja) | 1994-01-28 | 1994-01-28 | ジルコニア質焼結体 |
Publications (1)
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JPH07215758A true JPH07215758A (ja) | 1995-08-15 |
Family
ID=11689230
Family Applications (1)
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JP6008297A Pending JPH07215758A (ja) | 1994-01-28 | 1994-01-28 | ジルコニア質焼結体 |
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JP (1) | JPH07215758A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN100347130C (zh) * | 2006-03-03 | 2007-11-07 | 中国科学院上海硅酸盐研究所 | 氧化镱和氧化钇共稳定的氧化锆陶瓷材料及制备方法 |
WO2009141632A2 (en) * | 2008-05-23 | 2009-11-26 | Southside Thermal Sciences (Sts) Limited | Multi-functional material compositions, structures incorporating the same and methods for detecting ageing in luminescent material compositions |
WO2012023601A1 (ja) | 2010-08-20 | 2012-02-23 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | ジルコニア焼結体、並びにその焼結用組成物及び仮焼体 |
JP2014205586A (ja) * | 2013-04-11 | 2014-10-30 | 株式会社ニッカトー | ジルコニア質焼結体、ジルコニア質焼結体からなる粉砕・分散用メディア |
US8877664B2 (en) | 2009-08-21 | 2014-11-04 | Noritake Co., Limited | Zirconia sintered body, and mixture, pre-sintered compact and pre-sintered calcined body for sintering zirconia sintered body |
-
1994
- 1994-01-28 JP JP6008297A patent/JPH07215758A/ja active Pending
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US8877664B2 (en) | 2009-08-21 | 2014-11-04 | Noritake Co., Limited | Zirconia sintered body, and mixture, pre-sintered compact and pre-sintered calcined body for sintering zirconia sintered body |
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JP2014205586A (ja) * | 2013-04-11 | 2014-10-30 | 株式会社ニッカトー | ジルコニア質焼結体、ジルコニア質焼結体からなる粉砕・分散用メディア |
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