JPH0721547A - 磁気記録媒体製造用塗料および磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体製造用塗料および磁気記録媒体

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JPH0721547A
JPH0721547A JP5187299A JP18729993A JPH0721547A JP H0721547 A JPH0721547 A JP H0721547A JP 5187299 A JP5187299 A JP 5187299A JP 18729993 A JP18729993 A JP 18729993A JP H0721547 A JPH0721547 A JP H0721547A
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Japan
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electron beam
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magnetic recording
coating material
resin
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JP5187299A
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Masahide Kono
雅秀 河野
Yasuhiko Igarashi
庸彦 五十嵐
Osamu Inoue
修 井上
Hideki Sasaki
英樹 佐々木
Yasushi Takasugi
康史 高杉
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Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 カーボン等の顔料を電子線硬化性樹脂に分散
して調製した磁気記録媒体製造用塗料において、電子線
硬化性樹脂に常温で固体状の、好ましくは塩化ビニル系
樹脂を用い、この固体状の樹脂を塗料調製に供するまで
10℃以下の温度で保存し、塗料調製中における調製物
の温度を100℃未満とする。そして、これを用いて磁
気記録媒体を作製する。 【効果】 電子線官能基の安定性に優れ、かつ顔料の分
散性に優れた塗料となる。また、磁気記録媒体としての
特性に優れたものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体製造用塗料
および磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体において、磁性層やバック
コート層、あるいはアンダーコート層を塗布により設層
する場合、各層設層用の塗料が用いられている。そし
て、このような塗料には、カーボンブラック等の顔料を
含有させることが多い。また、このような塗料におい
て、カーボンブラック等の顔料を分散させるバインダー
の1つに電子線硬化性樹脂がある。電子線硬化性樹脂
は、塗布後、インラインで硬化を行うことができ、量産
する上で有利である。
【0003】従来、このような塗料を調製する場合、電
子線官能基の安定性の問題から溶液型の樹脂が使用され
ている。
【0004】しかし、溶液型の樹脂を使用して、カーボ
ンブラック等を分散させようとすると、所望の分散特性
を得るのが困難である。
【0005】例えば、通常の混練機による分散法では混
練時に粘度が低下し、カーボンブラック等が分散しにく
くなる。
【0006】また、ガラスビーズ、金属メディア、セラ
ミックメディア等を用いたミルによる分散法が提案され
ているが、この方法では溶剤の選択などの条件の設定が
むずかしく、分散の進行につれて粘度が増加しやすくな
り、分散が不能となることさえある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、電子線硬化性樹脂をバインダーとして用い、カーボ
ン等の顔料を分散させる場合、電子線官能基の安定性に
優れ、かつ顔料の分散性に優れた磁気記録媒体製造用塗
料を提供することにある。
【0008】また、第二の目的は、上記の磁気記録媒体
製造用塗料を用い、良好な性状の塗膜を得、この結果、
特性に優れた磁気記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。 (1)顔料と電子線硬化性樹脂とを含有し、顔料を電子
線硬化性樹脂に分散して調製した磁気記録媒体製造用塗
料において、前記電子線硬化性樹脂のうちの少なくとも
1種は、常温で固体状のものであり、前記固体状の電子
線硬化性樹脂は、塗料調製に使用するまで10℃以下の
温度で保存したものであって、塗料調製中における調製
物の温度が100℃未満である磁気記録媒体製造用塗
料。 (2)前記顔料はカーボンである上記(1)の磁気記録
媒体製造用塗料。 (3)前記固体状の電子線硬化性樹脂は塩化ビニル系樹
脂であり、不飽和二重結合としてアクリル基またはメタ
クリル基を有する上記(1)または(2)の磁気記録媒
体製造用塗料。 (4)上記(1)ないし(3)のいずれかの磁気記録媒
体製造用塗料を用い、非磁性支持体の磁性層形成側面の
反対側面にバックコート層を形成した磁気記録媒体。 (5)上記(1)ないし(3)のいずれかの磁気記録媒
体製造用塗料を用い、非磁性支持体の少なくとも一方の
面上にアンダーコート層を形成し、アンダーコート層上
に磁性層を形成した磁気記録媒体。 (6)上記(1)ないし(3)のいずれかの磁気記録媒
体製造用塗料に、さらに強磁性微粉末を含有させ、これ
を用いて非磁性支持体の少なくとも一方の面上に磁性層
を形成した磁気記録媒体。
【0010】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0011】本発明の磁気記録媒体製造用塗料は、電子
線硬化性樹脂をバインダーとして用い、カーボン等の顔
料を分散させたものである。このとき用いる電子線硬化
性樹脂のうち、少なくとも1種は常温(25℃程度)で
固体状である。なお、この固体状の樹脂は、軟化点が5
0〜150℃のものである。
【0012】また、この固体状の樹脂は、塗料調製に使
用するまで、10℃以下、好ましくは−20〜5℃の温
度で保存する。さらに、この固体状の樹脂および顔料を
含む組成物を混練、溶解するなどして塗料を調製する
際、この調製工程における調製物の温度を100℃未
満、好ましくは70〜95℃に管理する。すなわち、塗
料調製工程における熱履歴を100℃未満とする。
【0013】上記のように固体状の電子線硬化性樹脂の
保存中および塗料調製中の温度を上記範囲とすることに
よって、調製した塗料において、電子線硬化性樹脂の電
子線官能基が保護されるとともに、塗料は顔料の分散性
に優れたものとなる。従って、これを用いて磁気記録媒
体のバックコート層、アンダーコート層、磁性層の塗膜
を形成した場合、塗膜の性状が良好となる。この結果、
磁気記録媒体としての特性に優れたものとなる。すなわ
ち、バックコート層としたときは、粉落ちが少なく、表
面性が良好となるなどの利点が得られる。また、アンダ
ーコート層としたときは、表面性が良好で、ひいては磁
性層の表面性も良好となるなどの利点が得られる。磁性
層としたときは、表面性が良好となり、電磁変換特性に
優れるなどの利点が得られる。
【0014】従来、電子線硬化性樹脂をバインダーとし
て用いるとき、電子線官能基の安定性から、溶液型の樹
脂が用いられていたが、このものを用いると顔料が良好
に分散しないという問題があった。本発明はこれを解決
するものである。
【0015】上記において、固体状の電子線硬化性樹脂
の保存中の温度を上記範囲とするのは、10℃をこえた
温度で保存すると、電子線官能基の保護が不十分となり
やすく、分散性も十分でなく、塗膜としたときの表面性
に劣るものとなるからである。また、塗料調製中の調製
物の温度を上記範囲とするのは、100℃以上の温度と
なると、電子線官能基の保護が十分でなく、分散性も悪
く、塗料化溶解時に樹脂のゲル化物が混入するなどして
塗膜としたときの表面性が悪化するからである。
【0016】本発明に用いる固体状の電子線硬化性樹脂
は、電子線硬化性の塩化ビニル系樹脂であることが好ま
しい。
【0017】電子線硬化性樹脂の樹脂骨格としての塩化
ビニル系樹脂は、塩化ビニル含有量60〜100重量
%、特に60〜95重量%のものが好ましい。このよう
な塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル
−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−ビニルアル
コール共重合体、塩化ビニル−ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
ビニルアルコール−グリシジル(メタ)アクリレート共
重合体などがあるが、特に塩化ビニルとエポキシ基を含
有する単量体との共重合体が好ましい。そして、その平
均重合度は100〜600程度であることが好ましい。
【0018】また、この塩化ビニル系樹脂は、不飽和二
重結合を有するが、不飽和二重結合としては、アクリル
基CH2 =CH−COO−またはメタクリル基CH2
CHCH3 COO−を含有することが好ましい。この
(メタ)アクリル基は、分子中に平均で1〜20個、好
ましくは2〜10個存在することが好ましい。
【0019】このような電子線硬化性の塩化ビニル系樹
脂は、イオウ含有極性基を有することが好ましい。これ
によりカーボンブラック等の分散性が向上し、より一層
良好なバックコート層とすることができる。イオウ
(S)含有極性基としては、特に硫酸基および/または
スルホ基が好ましい。硫酸基および/またはスルホ基と
しては、−SO4 Y、−SO3 Yにおいて、YがH、ア
ルカリ金属のいずれであってもよいが、Y=Kで、−S
4 K、−SO3 Kであることが特に好ましい。これら
硫酸基、スルホ基はいずれか一方であっても、両者を含
有するものであってもよく、両者を含むときにはその比
は任意である。また、これらのS含有極性基は、S原子
として分子中に0.01〜10重量%、特に0.1〜5
重量%含まれていることが好ましい。
【0020】このような電子線硬化性塩化ビニル系樹脂
を得るには、以下のようにすることが好ましい。すなわ
ち、まず好ましくはS含有極性基を有し、さらに水酸基
を含有する原料塩化ビニル系樹脂を用意する。この原料
塩化ビニル系樹脂の水酸基の数は1分子中に3〜60
個、好ましくは2〜30個であり、また極性基として
は、必要に応じS含有極性基の他に、=OPO2 Y基、
=PO3 Y基、−COOY基、−N(R)2 基、−N+
(R)3 ・Z[ここで、Rはアルキル基または水素原子
であり、Zはハロゲンである。]などを含有させること
もできる。
【0021】このような原料塩化ビニル系樹脂として
は、特に特開昭60−238371号公報、同60−1
01161号公報、同60−235814号公報、同6
0−238306号公報、同60−238309号公報
に開示されたものが好適である。このものは、塩化ビニ
ル、エポキシ基を有する単量体、さらに必要に応じてこ
れらと共重合可能な他の単量体を、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウムなどのSを含む強酸根を有するラジ
カル発生剤の存在下に重合して得られる。このラジカル
発生剤の使用量は、単量体に対して通常は0.3〜9.
0重量%、好ましくは1.0〜5.0重量%である。よ
り詳細には、Sを含む強酸根を有するラジカル発生剤
は、水溶性のものが多いので、乳化重合あるいは、メタ
ノール等のアルコールを重合媒体とする懸濁重合や、ケ
トン類を溶媒とする溶液重合が好適である。
【0022】この際、Sを含む強酸根を有するラジカル
発生剤に加えて通常塩化ビニルの重合に用いられるラジ
カル発生剤を使用することも可能である。これらのラジ
カル発生剤としては、例えばラウロイルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチ
ルヘキサノイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキ
シジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシ
ジカーボネート、t−ブチル−パーオキシピパレート、
t−ブチルパーオキシネオデカノエート等の有機過酸化
物:2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′
−アゾビス−2,4−ジメチルパレロニトリル、4,
4′−アゾビス−4−シアノパレリン酸等のアゾ化合物
などが挙げられる。また、強酸根を有するラジカル発生
剤に、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、亜
硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどの還元剤を組
み合わせることも可能である。
【0023】懸濁安定剤としては、例えば、ポリビニル
アルコール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、メチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニル
ピロリドン、ポリアクリルアミド、マレイン酸−スチレ
ン共重合体、マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合
体、マレイン酸−酢酸ビニル共重合体のような合成高分
子物質、およびデンプン、ゼラチンなどの天然高分子物
質などが挙げられる。また、乳化剤としては、アルキル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウ
ムなどのアニオン性乳化剤やポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分
エステルなどの非イオン性乳化剤などが挙げられる。ま
た必要に応じてトリクロルエチレン、チオグリコールな
どの分子量調整剤を用いることもできる。
【0024】さらに、エポキシ基を有する単量体の例と
しては、アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシ
ジルエーテルなどの不飽和アルコールのグリシジルエー
テル類、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリ
レート、グリシジル−p−ビニルベンゾエート、メチル
グリシジルイタコネート、グリシジルエチルマレート、
グリシジルビニルスルホネート、グリシジル(メタ)ア
リルスルホネートなどの不飽和酸のグリシジルエステル
類、ブタジエンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセン
モノオキサイド、2−メチル−5,6−エポキシヘキセ
ンなどのエポキシドオレフィン類などが挙げられる。こ
の単量体は、一般には共重合体中のエポキシ基の量が
0.5重量%以上となる範囲で使用される。
【0025】塩化ビニルとエポキシ基を有する単量体の
ほかに必要に応じて使用することのできる単量体の例と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボ
ン酸ビニルエステル:メチルビニルエーテル、イソブチ
ルビニルエーテル、セチルビニルエーテルなどのビニル
エーテル:塩化ビニリデン、弗化ビニリデンなどのビニ
リデン:マレイン酸ジエチル、マレイン酸ブチルベンジ
ル、マレイン酸ジ−2−ヒドロキシエチル、イタコン酸
ジメチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)ア
クリル酸−2−ヒドロキシプロピルなどの不飽和カルボ
ン酸エステル:エチレン、プロピレンなどのオレフィ
ン:(メタ)アクリロニトリルなどの不飽和ニトリルな
どが挙げられる。
【0026】このようにして得られる原料樹脂は、平均
重合度が100〜600、好ましくは200〜500、
塩化ビニルの含有量が60重量%以上のものである。な
お、このような原料樹脂としては、例えば日本ゼオン株
式会社からMR−110として市販されている。
【0027】このような原料塩化ビニル系樹脂は、その
後電子線硬化型に変性される。
【0028】熱硬化型の塩化ビニル系樹脂を電子線硬化
型に変性するときの好ましい方法としては、水酸基やカ
ルボン酸基有する樹脂に対し、(メタ)アクリル基とカ
ルボン酸無水物あるいはカルボン酸を有する化合物を反
応させてエステル変性する方法が挙げられる。また、ト
リレンジイソシアネート(TDI)と2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート(2−HEMA)との反応物
(アダクト)とを反応させるウレタン変性によってもよ
い。
【0029】さらに、電子線硬化型の変性を行うには、
エチレン性不飽和二重結合を1個以上およびイソシアネ
ート基1個を1分子中に有するモノマーを用いてもよ
い。このようなモノマーとしては、2−イソシアネート
エチル(メタ)アクリレートなどがある。
【0030】水酸基および好ましくはS含有極性基を有
する原料塩化ビニル系樹脂重合体(A)とモノマー
(B)との反応によってエチレン性不飽和二重結合を導
入するが、水酸基およびその他の極性基を有する塩化ビ
ニル系共重合体(A)とモノマー(B)のモル比によっ
て電子線硬化性を自由に設計できる。
【0031】水酸基およびその他の極性基を有する塩化
ビニル系共重合体(A)とモノマー(B)の反応は、必
要に応じて反応に関与しない公知の有機溶剤に水酸基お
よびその他の極性基を有する塩化ビニル系共重合体を溶
解させ、公知の反応触媒を用い、公知のラジカル重合禁
止剤、例えばハイドロキノンを用い、反応温度60℃以
下で行われる。
【0032】固体状の電子線硬化性の塩化ビニル樹脂
は、日本ゼオン株式会社からMR−301として市販さ
れている。このものは、本発明において、好ましく用い
られる。
【0033】また、液状の変性体としては東洋紡績株式
会社から、TB−0246として市販されている。この
ような液状の電子線硬化性樹脂は固体状にしてから用い
ることができる。固体状にするには、電子線硬化性樹脂
の溶解度の低い溶媒(例えば、アセトン、メチルアルコ
ール、水)等に液状の樹脂を分散し、樹脂固体物を析出
させる方法が挙げられる。このときの液状の樹脂は、樹
脂自体が液状であっても、安定性等の理由からメチルエ
チルケトン(MEK)等の樹脂の溶解度が高い溶媒に溶
解した溶液であってもよい。この方法では、固体物を分
離したのち乾燥して用いればよい。
【0034】さらには、電子線硬化型への変性を行いつ
つ、固体化する方法によってもよい。具体的には、粉末
などの固体状の原料塩化ビニル樹脂に、(メタ)アクリ
ル基を有する変性用の化合物を液体状態で添加し、攪拌
反応させたのち、乾燥するものである。(メタ)アクリ
ル基を有する変性用の化合物は、化合物自体が液状であ
っても、溶媒に溶解した溶液であってもよい。
【0035】また、固体状の原料塩化ビニル樹脂を水等
の樹脂の溶解度の低い溶媒に分散させ、これに液体状態
の変性用の化合物を添加し、攪拌反応させてもよく、こ
れより固体物を分離して乾燥させて目的物を得ることが
できる。
【0036】本発明の塗料のバインダー樹脂としては、
上記の固体状の電子線硬化性樹脂のみを用いてもよい
が、他の電子線硬化性樹脂を併用することが好ましい。
併用する電子線硬化性樹脂は、液状のものが好ましく、
このようなものには液状の塩化ビニル樹脂、ポリエーテ
ルポリウレタン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン樹脂
等が挙げられる。液状の電子線硬化性樹脂を用いること
によって、塗膜としたときに弾性が付与される。また製
造しやすくなる。
【0037】上記の固体状の電子線硬化性樹脂のバイン
ダー樹脂全体に占める割合は30wt% 以上、好ましくは
40〜80wt% とするのがよい。また併用が好ましい電
子線硬化性のポリウレタン樹脂等はバインダー樹脂全体
の20〜70wt% 、好ましくは30〜60wt% とするの
がよい。また、これらの他に架橋を促進するために多官
能(3官能以上)の(メタ)アクリル系モノマーを含有
させてもよい。このようなモノマーの添加量は樹脂全体
の30wt% 以下とすることが好ましく、さらには5〜2
0wt% とすることが好ましい。従って、固体状の樹脂と
液状の樹脂との比率は、重量比で、固体状の樹脂/液状
の樹脂が30/70〜70/30であることが好まし
い。
【0038】本発明の塗料に用いる顔料は主に無機顔料
であり、特に好ましくはカーボンブラック等のカーボン
が用いられる。カーボンは、導電性に優れ、ストラクチ
ャーが発達した構造性のカーボンであっても、ストラク
チャーが未発達な非構造性のカーボンであってもよく、
目的に応じて使用することができる。
【0039】本発明の塗料中におけるカーボンの含有量
は、バインダー100重量部に対して、バックコート層
設層用の場合50〜100重量部、アンダーコート層設
層用の場合30〜100重量部、磁性層設層用の場合5
0〜100重量部とするのがよい。
【0040】また、カーボンのほかの無機顔料として
は、SiO2 、TiO2 、α−Al23 (好ましくは
α化率60%以上)、Cr23 、SiC、CaO、C
aCO3 、酸化亜鉛、ゲーサイト、α−Fe23 、タ
ルク、カオリン、CaSO4 、窒化硼素、フッ化黒鉛、
二硫化モリブデン、ZnS等が挙げられる。
【0041】これらのものの含有量は、カーボンの場合
と同量であってよく、カーボンと併用してもよい。併用
するときは合計量を上記範囲とすればよい。
【0042】本発明の塗料に用いる溶剤に特に制限はな
く、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ア
セトン、シクロヘキサノン等のケトン系、トルエン等の
芳香族系等の各種溶剤を目的に応じて選択すればよい。
塗料中の溶剤の含有量に特に制限はない。
【0043】また、塗料中には、必要に応じ、脂肪酸、
脂肪酸エステル、シリコーンオイル等の界面活性剤、潤
滑剤、その他の各種添加物を添加してもよい。
【0044】ただし、磁性層設層用塗料とするときは、
さらに、強磁性微粉末を含有させる。
【0045】用いる強磁性微粉末には、通常の磁気記録
媒体に用いられるものは何れも使用できる。例えば、γ
−Fe23 等の酸化鉄粒子、Co含有γ−Fe2
3 、Fe34 、Co含有Fe34 、Co含有ベルト
ライド化合物、CrO2 、バリウムフェライト、ストロ
ンチウムフェライト等の酸化物微粉末や、Fe、Co、
Niあるいはこれらの合金微粉末等公知の強磁性金属微
粉末が使用できる。また、用いる強磁性微粉末は、通
常、針状形態、紡錘状形態あるいは粒状形態のものであ
り、磁気記録媒体として用いる用途によって選択され
る。
【0046】この磁性塗料における溶剤は、上記と同じ
ものを用いることができ、溶剤の含有量に特に制限はな
いが、強磁性微粉末100重量部に対し、100〜10
00重量部程度とすることが好ましい。
【0047】本発明の塗料を調製するには、カーボン等
の顔料および固体状の電子線硬化性樹脂、さらに磁性層
設層用の塗料であるときには強磁性微粉末、その他溶剤
等の必要な成分を適宜添加して混合し、分散させればよ
い。
【0048】分散は、通常、混練機(ニーダー)を用い
て混練することにより行えばよく、加圧下に混練するも
のであっても、連続的に混練するものであってもよい。
また、2本ロール等のミキシングロールを用いてもよ
い。さらには、これらを併用してもよい。
【0049】混練等による分散の際、機器の初期温度の
設定条件にもよるが、混合調製物の温度は上昇し、初期
温度20〜40℃で、通常80〜150℃の最高温度と
なる。しかし、本発明では混練機や2本ロール等を冷却
水などを用いて冷却することにより、混合調製物の温度
を100℃未満とする。
【0050】また、上記の分散調製物は、さらに溶剤を
添加するなどして溶解し、さらに分散させる。このとき
の溶解は、通常、攪拌機(デスパー)等を用いて行う。
このような分散の際にも、機器の初期温度の設定条件に
もよるが、調製物の温度は上昇し、初期温度20〜30
℃で、通常50〜100℃の最高温度となる。しかし、
本発明では溶解容器の周辺のジャケットに冷水、温水等
を通すことにより、調製物の温度を100℃未満とす
る。
【0051】このようにして得られる塗料の粘度は通常
5cp〜50cp程度であり、使用上好ましいものとなる。
【0052】なお、上記において、混練機にかえ、混合
機(ミキサー、ブレンダー)を用いてもよい。
【0053】さらに、ガラス、セラミックス(例えばジ
ルコニア)、鉄、タングステン炭化物等の粒子を用いた
ミルを用い、粉砕を伴う分散法を適用してもよい。
【0054】いずれの分散方法においても、本発明で
は、分散時の調製物の温度を100℃未満に保持する。
【0055】塗料調製工程において、調製物の温度が上
昇するのは、上記の混合分散時および溶解分散時である
が、この時の温度を100℃未満とするところに本発明
の特徴がある。
【0056】なお、混練工程の全工程時間は、通常、5
〜180分であるが、この全工程時間の30〜90%程
度の時間が、上記の最高温度に保持されていると考えら
れる。
【0057】また、溶解工程の全工程時間は、通常、3
0分〜10時間であり、ほぼ一定温度に保持される。
【0058】本発明の磁気記録媒体は、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド、
ポリアミド等の各種樹脂製の非磁性基体の少なくとも一
方の面上に、必要に応じアンダーコート層を介して、磁
性層を有するものである。また、非磁性基体の他方の面
上に、必要に応じバックコート層を有する。
【0059】そして、上記のバックコート層、アンダー
コート層および磁性層のうちの少なくとも1層は、本発
明の塗料を用いて形成したものである。このときの塗設
方法は公知のいずれの方法であってもよい。
【0060】また、本発明の塗料を用いて形成した上記
層中の電子線硬化性樹脂の硬化には電子線を使用し、そ
の照射量は10〜100kGray がよく、30〜70kGra
y がより望ましく、またその照射エネルギー(加速電
圧)は100kV以上とするのがよい。また、電子線の照
射は、塗布・乾燥後であって巻取る以前に行うのが望ま
しい。さらには巻取り後所定巾に切断する時、あるいは
所定形状にプレスする時、あるいはプレス後に行っても
よい。
【0061】本発明の塗料を用いて形成したバックコー
ト層の厚さは、一般に0.1〜3μm 程度とする。バッ
クコート層塗設に際しては、公知の方法で塗料を塗設
後、乾燥・表面平滑処理を行い、硬化を行えばよい。通
常は、バックコート層設層後に磁性層を形成する。
【0062】また、本発明の塗料を用いて形成したアン
ダーコート層の厚さは、一般に0.05〜5μm 程度と
する。アンダーコート層塗設に際しては、公知の方法で
塗料を塗設後、乾燥・表面平滑処理を行い、硬化を行え
ばよい。
【0063】本発明の塗料であって強磁性微粉末を含有
する磁性塗料を用いて形成した磁性層の厚さは、一般に
0.1〜5μm 程度とする。磁性層塗設に際しては、公
知の方法で磁性塗料を塗設後、磁場中配向ないし機械的
配向を行い、その後乾燥・表面平滑処理を行い、硬化を
行えばよい。
【0064】なお、磁性層は、上記のように、アンダー
コート層を乾燥して硬化したのち、アンダーコート層上
に塗設してもよいが、乾燥する前に塗設し、同時に硬化
を行ってもよい。さらには、磁性層とアンダーコート層
を同時に塗布する同時重層塗布としてもよい。
【0065】その他、磁性層を連続薄膜型とするなど、
本発明の範囲内で、種々の変更が可能である。ただし、
インラインで硬化でき、その際、顔料の分散性が高く、
カレンダ加工性が良好で、電磁変換特性に優れ、高密度
デジタル記録を行うときにもエラーレートが小さい磁気
記録媒体とするためには、本発明の磁性塗料を用いて磁
性層を形成することが好ましい。
【0066】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。
【0067】実施例1 下記組成のバックコート層用塗料を調製した。
【0068】バックコート層用塗料の組成 カーボンブラック(BET220m2/g、粒径22nm) 100重量部 電子線硬化性塩化ビニル系樹脂 (粉末状:日本ゼオン株式会社製のMR−301) 80重量部 電子線硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂 (溶液タイプ:固型分40wt% :数平均分子量20000) 20重量部 メチルエチルケトン(MEK) 16重量部 シクロヘキサノン 4重量部
【0069】なお、上記の粉末状の電子線硬化性塩化ビ
ニル系樹脂の軟化点は65℃程度であった。
【0070】上記組成物を加圧ニーダーおよび2本ロー
ルを用いて分散した。このとき、まず加圧ニーダーによ
り30分分散し、さらにその後2本ロールにより50パ
ス分散した。
【0071】この分散物に、さらに下記のものを添加し
て、さらに2時間デスパーにて溶解、分散させた。
【0072】 MEK/シクロヘキサノン/トルエン(1/1/1)混合溶媒 1000重量部 ポリウレタン樹脂(前記) 200重量部
【0073】このようにして、表1に示す塗料を作製し
た。粉末状の電子線硬化性塩化ビニル樹脂の使用するま
での保存温度、混練や溶解による分散を伴う塗料調製工
程における調製物の最高温度に応じて塗料No. 1〜No.
4とする。
【0074】なお、分散の際の調製物の温度は、ニーダ
ー、2本ロールを冷却水により冷却するなどして制御し
た。
【0075】また、デスパーは、ジャケットに冷水、温
水等を流入させて溶解物の液温を制御した。
【0076】また、温度は、温度計にて実測して求め
た。
【0077】上記塗料No. 1〜No. 4について、溶解性
および分散性を以下のようにして調べた。結果を表1に
示す。
【0078】溶解性および分散性 調製直後の塗料、すなわち分散物を溶解したのちの溶液
をつぶゲージにて測定して判定した。溶解状態および分
散状態の判定は、T.C.PATTON著「塗料の流動
と顔料分散」に記載の方法に準じて行った。表中には、
○(良好)、△(やや不良)、×(不良)で示してい
る。
【0079】さらに、塗料No. 1〜No. 4を各々用い、
厚さ14μm のポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルムに厚さ1μm の塗膜を形成した。形成された塗
膜に、エレクトロカーテンタイプ電子線加速装置を用い
て加速電圧150KeV 、電極電流10mA、吸収線量50
kGray 、N2 ガス中で電子線を照射して硬化し厚さ0.
5μm の塗膜を得た。これらの塗膜を用いた塗料に応じ
て、塗膜No. 1〜No.4とする。
【0080】塗膜No. 1〜No. 4について、光沢度、表
面粗度、ゲル分率を以下のようにして調べた。結果を表
1に示す。
【0081】光沢度 グロス60度で測定して求めた。
【0082】表面粗度 JIS B 0601によるRaを求めた。
【0083】ゲル分率 基体をアルミニウムはくに変えて厚さ3μm の塗膜を設
け、上記と同様に硬化後塗膜を20℃のメチルエチルケ
トンに浸漬して沸点の温度条件下に温抽出し、その抽出
残の重量を測定し、下記式に従い求めた。 (抽出残の重量/抽出前の重量)×100(%)
【0084】抽出残が多いほど、硬化の進行度がよいと
判断する。
【0085】さらに、上記塗料No. 1〜No. 4におい
て、粉末状の電子線硬化性塩化ビニル系樹脂のかわり
に、以下の溶液タイプの電子線硬化性塩化ビニル系樹脂
(TB−0246のMEK30%溶液)を267重量部
用い、さらに溶剤として前記混合溶媒を833重量部用
い、かつ二本ロールの工程を省くほかは同様にして塗料
No. 5を調製した。ただし、塗料の調製工程における調
製物の温度は、50℃程度であった。また、電子線硬化
性塩化ビニル系樹脂は溶液タイプであり、安定性に優れ
るものであるので、保存中の温度は、特に気にするほど
のことはないが、0℃で保存した。
【0086】塗料No. 5について、塗料No. 1〜No. 4
と同様にして特性を調べた。結果を併せて表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】表1から、本発明の効果は明らかである。
【0089】実施例2 下記組成のアンダーコート層用塗料を調製した。
【0090】アンダーコート層用塗料の組成 カーボンブラック(BET220m2/g、粒径22nm) 100重量部 電子線硬化性塩化ビニル系樹脂(粉末状:日本ゼオン株式会社製のMR−30 1) 80重量部 電子線硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂(溶液タイプ:固形分40wt% : 数平均分子量20000) 20重量部 メチルエチルケトン(MEK) 16重量部 シクロヘキサノン 4重量部
【0091】また、上記分散物を溶解するための溶剤
は、実施例1と同じ混合溶媒であり、上記分散物に対し
833重量部とした。さらに前記のポリウレタン樹脂を
280重量部添加した。
【0092】実施例1のバックコート層用塗料No. 1〜
No. 4の場合と同様にして、アンダーコート層用塗料を
調製した。実施例1の塗料No. 1〜No. 4における粉末
状の電子線硬化性塩化ビニル系樹脂の保存条件、塗料調
製の際の分散条件に応じ、塗料No. 21〜No. 24とす
る。また、実施例1の塗料No. 5に対応する塗料No.2
5も調製した。
【0093】これらの塗料No. 21〜No. 25につい
て、実施例1と同様に塗料特性、塗膜特性を調べた。結
果を表2に示す。
【0094】
【表2】
【0095】表2から、本発明の効果は明らかである。
【0096】実施例3 下記組成の磁性層用塗料(磁性塗料)を調製した。
【0097】磁性塗料の組成 メタル磁性粉(比表面積50m2/g、Hc:1500Oe、σs:120emu/g ) 100重量部 研磨剤(α−アルミナ:α化率65%、粒径0.2μm ) 10重量部 電子線硬化性塩化ビニル系樹脂(粉末状:日本ゼオン株式会社製のMR−30 1) 10重量部 電子線硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂 (溶液タイプ:固形分40wt% :数平均分子量20000) 9重量部 MEK 145重量部 シクロヘキサノン 220重量部 カーボンブラック塗料 26.7重量部 (カーボンブラックとして2重量部)
【0098】なお、上記で用いたカーボンブラック塗料
は、実施例1のバック層用塗料No.1〜No. 4の各々と
同じであり、実施例1のバックコート層用塗料No. 1〜
No.4の場合と同様にして、磁性塗料用カーボンブラッ
ク塗料No. 1〜No. 4を各々調製し、これらを用いて上
記組成の磁性塗料を調製した。磁性塗料用カーボンブラ
ック塗料No. 1〜No. 4に応じ、磁性塗料No. 31〜N
o. 34とする。また、実施例1の塗料No. 5に対応す
る磁性塗料No. 35も調製した。
【0099】これらの磁性塗料No. 31〜No. 35につ
いて、実施例1と同様に塗料特性、塗膜の光沢度、表面
粗度を調べた。結果を表3に示す。また、塗膜表面を顕
微鏡により400倍の倍率で観察し、1視野中の異物の
個数を数えて評価した。表中には○(0〜1個)、△
(2〜4個)、×(5個以上)で示している。
【0100】
【表3】
【0101】表3より、本発明の効果は明らかである。
【0102】実施例4 実施例1のバックコート層用塗料No. 1を厚さ10μm
のPETフィルムに塗布し、これによって形成された塗
膜に、エレクトロカーテンタイプ電子線加速装置を用い
て加速電圧150KeV 、電極電流10mA、吸収線量50
kGray 、N2 ガス中で電子線を照射して硬化し厚さ0.
5μm のバックコート層を作製した。
【0103】次に、このバックコート層を設けた支持体
の反対側に、実施例2のアンダーコート層用塗料No. 2
1を用いて厚さ0.5μm のアンダーコート層とし、ア
ンダーコート層上に、実施例3の磁性塗料No. 31を厚
さ2μm の磁性層となるように同時重層塗布して各塗膜
を設け、磁場配向した後、乾燥、カレンダ処理を行い、
その後、上記と同条件で電子線をこの磁性層に照射して
硬化し、厚さ3μm の磁性層を形成し、DAT用磁気テ
ープを得た。
【0104】上記テープを60m の長さでR−DAT用
のハーフに組み込み、ブロッキング、粉落ち、ブロック
エラーレートBERについて評価した。粉落ちは耐走行
後のガイドピン汚れを目視判定して評価した。
【0105】また、ブロッキングの測定に際しては、長
さ1mの供試テープの一端を直径36mmのガラス管に固
定し、他端に110g の重りを吊り下げ、ガラス管をゆ
っくり回転させて、磁性面が内側になるように整然と巻
き上げてから、張力を維持できるよう固定し、重りを取
りはずし、これを温度45±3℃、相対湿度80±5%
にて4時間保存した。その後、試験環境条件に24時間
放置し、テープ終端に10g の重りを取り付けて、ゆっ
くり巻き戻し、層間での剥れ具合または粘着具合を観察
して評価した。
【0106】また、ブロックエラーレートBER(ラン
ダム)については、まず、供試テープの任意の部分にフ
ルスケールレベルにより3dB低い1kHz 正弦波をL,R
両チャンネルに録音した。再生時、1秒毎にC1エラー
発生ブロック数を計数し、1秒間当りのデコードブロッ
ク数に対する比を算出した。なお、測定はメインエリア
のみを対象として連続6分間以上行い、その平均値を測
定値として評価した。
【0107】上記テープは、粉落ち、ブロッキングがな
く、BERは1.5×10-4程度で、高密度デジタル記
録においてエラーレートが減少したものであり、テープ
としての特性に優れたものであった。また、実施例1と
同様に表面粗度Raを求めたところ、バックコート層側
で6.5nm、磁性層側で4.0nmであり、表面性に優れ
たものであった。
【0108】また、上記テープについて、電磁変換特性
を調べた。
【0109】電磁変換特性は、RF入出力可能に改造し
たソニー社製R−DATデッキDTC−1000ESに
て、下記条件で測定した。
【0110】モード: ノーマルトラックモード テープ速度: 8.15mm/s 測定トラック:正アジマストラック
【0111】電磁変換特性は下記リファレンステープを
基準として用いた。 リファレンステープ:Sony RSD−1079
【0112】測定はテープをバルク消磁してから行い、
入力信号は方形波として、出力信号の基本周波数を、ス
ペクトラムアナライザを用いて測定した。
【0113】この結果、130kHz で+1.5dB、4.
7MHz +2.1dBであり、電磁変換特性に優れるもので
あった。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、電子線硬化性樹脂をバ
インダーとして用い、カーボン等の顔料を分散させた塗
料において、電子線官能基の安定性に優れ、かつ顔料の
分散性に優れたものとなる。
【0115】この塗料を用いて得られた磁気記録媒体
は、特性に優れたものとなる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】本発明の塗料のバインダー樹脂としては、
上記の固体状の電子線硬化性樹脂のみを用いてもよい
が、他の電子線硬化性樹脂を併用することが好ましい。
併用する電子線硬化性樹脂は、液状のものが好ましく、
このようなものには液状の塩化ビニル樹脂、ポリエーテ
ルポリウレタン樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂等
が挙げられる。液状の電子線硬化性樹脂を用いることに
よって、塗膜としたときに弾性が付与される。また製造
しやすくなる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】バックコート層用塗料の組成 カーボンブラック(BET220m/g、粒径22nm) 100重量部 電子線硬化性塩化ビニル系樹脂 (粉末状:日本ゼオン株式会社製のMR−301、S含有) 80重量部 電子線硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂 (溶液タイプ:固型分40wt%:数平均分子量20000、P含有) 20重量部 メチルエチルケトン(MEK) 16重量部 シクロヘキサノン 4重量部
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正内容】
【0079】さらに、塗料No.1〜No.4を各々用
い、厚さ14μmのポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムに厚さ1μmの塗膜を形成した。形成され
た塗膜に、エレクトロカーテンタイプ電子線加速装置を
用いて加速電圧150KV、電極電流10mA、吸収線
量50kGray、Nガス中で電子線を照射して硬化
し厚さ0.5μmの塗膜を得た。これらの塗膜を用いた
塗料に応じて、塗膜No.1〜No.4とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正内容】
【0090】アンダーコート層用塗料の組成 カーボンブラック(BET220m/g、粒径22nm) 100重量部 電子線硬化性塩化ビニル系樹脂(粉末状:日本ゼオン株式会社製のMR−30 1、S含有) 80重量部 電子線硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂(溶液タイプ:固形分40wt% :数平均分子量20000、P含有) 20重量部 メチルエチルケトン(MEK) 16重量部 シクロヘキサノン 4重量部
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正内容】
【0097】磁性塗料の組成 メタル磁性粉(比表面積50m/g、Hc:15000e、σs:120e mu/g) 100重量部 研磨剤(α−アルミナ:α化率65%、粒径0.2μm) 10重量部 電子線硬化性塩化ビニル系樹脂(粉末状:日本ゼオン株式会社製のMR−30 1、S含有) 10重量部 電子線硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂 (溶液タイプ:固形分40wt%:数平均分子量20000、P含有) 9重量部 MEK 145重量部 シクロヘキサノン 220重量部 カーボンブラック塗料 26.7重量部 (カーボンブラックとして2重量部)
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正内容】
【0102】実施例4 実施例1のバックコート層用塗料No.1を厚さ10μ
mのPETフィルムに塗布し、これによって形成された
塗膜に、エレクトロカーテンタイプ電子線加速装置を用
いて加速電圧150KV、電極電流10mA、吸収線量
50kGray、Nガス中で電子線を照射して硬化し
厚さ0.5μmのバックコート層を作製した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 英樹 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 高杉 康史 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料と電子線硬化性樹脂とを含有し、顔
    料を電子線硬化性樹脂に分散して調製した磁気記録媒体
    製造用塗料において、 前記電子線硬化性樹脂のうちの少なくとも1種は、常温
    で固体状のものであり、 前記固体状の電子線硬化性樹脂は、塗料調製に使用する
    まで10℃以下の温度で保存したものであって、 塗料調製中における調製物の温度が100℃未満である
    磁気記録媒体製造用塗料。
  2. 【請求項2】 前記顔料はカーボンである請求項1の磁
    気記録媒体製造用塗料。
  3. 【請求項3】 前記固体状の電子線硬化性樹脂は塩化ビ
    ニル系樹脂であり、不飽和二重結合としてアクリル基ま
    たはメタクリル基を有する請求項1または2の磁気記録
    媒体製造用塗料。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかの磁気記録
    媒体製造用塗料を用い、非磁性支持体の磁性層形成側面
    の反対側面にバックコート層を形成した磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかの磁気記録
    媒体製造用塗料を用い、非磁性支持体の少なくとも一方
    の面上にアンダーコート層を形成し、アンダーコート層
    上に磁性層を形成した磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれかの磁気記録
    媒体製造用塗料に、さらに強磁性微粉末を含有させ、こ
    れを用いて非磁性支持体の少なくとも一方の面上に磁性
    層を形成した磁気記録媒体。
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