JPH07213945A - フィルター - Google Patents

フィルター

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JPH07213945A
JPH07213945A JP1513194A JP1513194A JPH07213945A JP H07213945 A JPH07213945 A JP H07213945A JP 1513194 A JP1513194 A JP 1513194A JP 1513194 A JP1513194 A JP 1513194A JP H07213945 A JPH07213945 A JP H07213945A
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JP
Japan
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filter
polyolefin
sheet
woven fabric
honeycomb
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Pending
Application number
JP1513194A
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English (en)
Inventor
Masayuki Mito
正之 水戸
Hirofumi Shirai
博典 白井
Satoshi Matsuura
智 松浦
Haruo Yuasa
治夫 湯浅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Filtering Materials (AREA)
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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 従来のハニカム構造のフィルターに比べ、
捕集がフィルター全体で行えるようにして捕集効率や圧
力損失を損なうことなく、寿命を延ばす。 【構 成】 ハニカム構造のフィルター5の裏面にステ
ンレス製の金網6を貼付する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばエアコン、空気
清浄機、自動車等に用いられるハニカム状のフィルター
に関し、特に集塵性が優れ、かつ圧力損失が低く、捕集
性能の持続性に優れたハニカム状のフィルターに関す
る。
【0002】
【従来技術】エアコン、空気清浄機、自動車等に用いら
れるフィルターとして、エレクトレット化不織布を、例
えばプリーツ状に成形してこれに気流を通過させ、気流
中のゴミ、塵等の微粒子を静電気により吸着して除去す
るものが知られ、エレクトレット化不織布を製造する方
法としては、ポリオレフィン、例えばポリプロピレンを
使用してメルトブロー法により不織布を成形し、得られ
た不織布に直流高電圧を印加してエレクトレット化する
方法が特開昭60−168511号、特開平2−197
110号等に開示されている。
【0003】しかしながら、上述する構造のエレクトレ
ット化不織布を用いるフィルターは、圧力損失を低くす
るのに限界があり、また、微粒子が詰まり易いことから
微粒子の捕集寿命が短いという問題があった。こうした
問題を解決するために、上述のエレクトレット化不織布
をハニカム状に成形したフィルターが提案されている
(特公昭59−51323号等)。
【0004】ハニカム状のフィルターは一般に図1に示
されるように、多数の山部1と谷部2を連続して有する
シート3に平坦なシート4を重ねて多段に積層した形態
を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らが検討した結果、このようなハニカム状のフィルタ
ーにおいても、必ずしも(1)低い圧力損失、(2)高
捕集性能、(3)長期寿命の3点のいずれも満足するこ
とはできないことが判明した。 エアコン用フィルター
を例にとっていえば、このフィルターの場合、圧力損失
が1mmAq以下、捕集性能が12%以上、タバコ粒子
に対する捕集性能の寿命が80本以上であることが要求
されるが、こうした要求を満たすフィルターは知られて
いない。
【0006】本発明は、かゝる点に鑑みてなされたもの
で、圧力損失が低くて高い捕集性能を有し、しかも寿命
の長いハニカム状のフィルターを提供することを目的と
する。
【0007】
【課題の解決手段及び作用】本発明者らは、ハニカム状
のフィルターについて種々実験を重ねた結果、フィルタ
ー裏側にスクリーンメッシュを添付すると、寿命が大巾
に向上することを見出し、その原因を解明するため、ス
クリーンメッシュを添付したものと、添付しない在来の
ものについて、一定時間使用後のフィルターを評価した
ところ、スクリーンメッシュを添付しないものでは、塵
埃が表層部に偏って付着し、捕集が主として表層部で行
われていたのに対し、スクリーンメッシュを添付して背
圧を上げると、塵埃がフィルター全体に裏側に至るまで
付着し、捕集がフィルター全体で行われていることを見
出した。
【0008】本発明は、かゝる知見に基づいてなされた
もので、多数の山部と、谷部を連続して有するシートに
平坦なシートを重ねて多段に積層したハニカム状のフィ
ルター本体裏面にスクリーンメッシュを添付したことを
特徴とする。本発明において、フィルター本体を構成す
るシートには通常、不織布が用いられるが、織布等を用
いることもでき、こうしたシートは捕集性能を高めるた
めエレクトレット化するのが望ましい。
【0009】エレクトレット化された不織布シートは、
熱可塑性樹脂を主材とするもので、主材として用いられ
る熱可塑性樹脂は、特に制限されず、各種の熱可塑性樹
脂を用いることができる。例えばポリオレフィン、ポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリ弗素化合物、塩化ビ
ニル系などが挙げられ、なかでもエレクトレット化が容
易で、その電荷及び捕集性能の持続性が優れている点
で、極性基を有するポリオレフィン系重合体又は該ポリ
オレフィン系重合体を含むポリオレフィン組成物が好ま
しい。この極性基を有するポリオレフィン系重合体又は
ポリオレフィン組成物として、(A)極性基を有する単
量体と、α−オレフィンとの共重合体、(B)酸化又は
ハロゲン化により、ポリオレフィンの側鎖又は主鎖に極
性基を導入してなる変性ポリオレフィン、(C)ポリオ
レフィン又は前記(B)の重合体に、極性基を有する単
量体をグラフト共重合してなる変性ポリオレフィン、
(D)未変性ポリオレフィンと、前記(A)、(B)及
び(C)から選ばれる少なくとも1種との混合物等の重
合体単独、又はその混合物などを主要成分として含む組
成物が挙げられる。こゝで、ポリオレフィン組成物が、
変性ポリオレフィンと未変性ポリオレフィンとを含む場
合、変性ポリオレフィンと未変性ポリオレフィンとは、
相互に同一のポリオレフィンからなるものであってもよ
いし、異なるポリオレフィンからなるものであってもよ
い。
【0010】このポリオレフィン系重合体又は該ポリオ
レフィン系重合体を含むポリオレフィン組成物が有する
極性基としては、例えば、塩素原子、フッソ原子、臭素
原子、ヨウ素原子、ヨウ素等のハロゲン原子;カルボニ
ル基、ニトロ基等の原子団;或いは、下記式: −COOCH3 、−COOC2 5 、−OCOCH3
−OC2 5 、−OCH2 6 5 、−COOH、−O
H、−NH2 、−CONH2 、−COONH4
【0011】
【化1】
【0012】で表される基などが挙げられる。これらの
極性基の1種又は2種以上が、前記ポリオレフィン系重
合体又はポリオレフィン組成物に含まれていてもよい。
以下、このポリオレフィン系重合体又は該ポリオレフィ
ン系重合体を含むポリオレフィン組成物を総称して「ポ
リオレフィン系組成物という」。また、前記(A)極性
基を有する単量体と、α−オレフィンとの共重合体の具
体例として、式(c)で表される基を有するペンタブロ
モフェニルメタクリレート、又は式(d)で表される基
を有する2,4,6−トリブロモフェニルメタクリレー
ト、或いは式(e)で表される基を有するトリフロロエ
チルメタクリレート等と、エチレン、プロピレン等のα
−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。
【0013】また、(B)酸化又はハロゲン化によりポ
リオレフィンの側鎖又は主鎖に極性基を導入してなる変
性ポリオレフィンの具体例として、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等を、オゾン、一酸化炭素等と反応させて酸
化する、或いはコロナ放電処理により表面を酸化する等
の処理により、分子内にカルポニル基やニトロ基を形成
してなるもの、又はポリオレフィンを塩素化して分子内
に塩素原子を導入してなるもの等が挙げられる。
【0014】更に、(C)極性基を有する単量体をグラ
フト共重合させてなる変性ポリオレフィンの具体例とし
て、不飽和カルボン酸又はその誘導体から選ばれる少な
くとも1種の変性単量体で変性された変性ポリオレフィ
ンが挙げられる。前記変性ポリオレフィン、又は未変性
ポリオレフィンの主成分であるポリオレフィンは、α−
オレフィンの単独重合体、2種以上のα−オレフィンか
らなる共重合体、又はこれらから選ばれる2種以上の混
合物であるα−オレフィンとしては例えば、エチレン、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、イソペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−
ヘキサデン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙
げられる。
【0015】このポリオレフィンの具体例として、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−
4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重
合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・4−
メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン・1−ブテ
ン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・1−デセン共
重合体等が挙げられる。これらの中でも、強度が高く、
適度な溶融粘度に調整するのが容易であり、メルトブロ
ー法による成形が容易である点で、ポリプロピレン、ポ
リ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンが好
ましく、特にポリプロピレンが安価で成形し易く、エレ
クトレット化が容易であるため、特に好ましい。
【0016】また、このポリオレフィンは、適度な流動
特性を示すため、メルトブロー法による不織布の製造が
容易であり、強度に優れた不織布が得られる点で、
〔η〕が通常、0.5〜3dl/g、好ましくは0.7
〜1.5dl/g、特に好ましくは0.8〜1.3dl
/gの範囲のものが好ましい。本発明において、〔η〕
は135℃デカリン中で測定される値である。
【0017】(C)変性ポリオレフィンは、前記ポリオ
レフィンに、不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ば
れる少なくとも1種の変性単量体をグラフト共重合して
変性してなるものである。この変性ポリオレフィンは、
未変性ポリオレフィンと同一ないしは相溶性に優れたポ
リオレフィンを用いることが好ましい。例えば、ポリオ
レフィン系組成物の成分として、変性ポリオレフィンと
未変性ポリオレフィンを含む組成物を使用する場合、未
変性ポリオレフィンとしてポリプロピレンを用いるとき
には、グラフト変性ポリオレフィンの原料ポリオレフィ
ンとして、ポリプロピレンを用いることが好ましい。
【0018】(C)変性ポリオレフィンをグラフト変性
するための変性単量体として用いられる不飽和カルボン
酸又はその誘導体として、例えば、不飽和カルボン酸、
その無水物、エステル、アミド、イミド、クロリドなど
挙げることができる。前記不飽和カルボン酸またはその
誘導体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、
ビニル酢酸、エチルアクリル酢酸、2,4−ペンタジエ
ン酸、カルボキシスチレン、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、メサコン
酸、グルタコン酸、ナジック酸、メチルナジック酸、テ
トラヒドロフタル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル、マレイン酸モノメ
チル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノエチル、マ
レイン酸ジエチル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメ
チル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、シトラ
コン酸モノメチル、シトラコン酸ジメチル、シトラコン
酸モノエチル、シトラコン酸ジエチル、ナジック酸モノ
メチル、ナジック酸ジメチル、ナジック酸モノエチル、
ナジック酸ジエチル、アクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸グリシジル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無
水シトラコン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、3,6
−エンドメチレン無水フタル酸、無水メチルテトラヒド
ロフタル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレ
イン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸−
N−モノエチルアミド、マレイン酸−N,N−ジエチル
アミド、マレイン酸−N−モノブチルアミド、マレイン
酸−N,N−ジエチルアミド、フマル酸モノアミド、フ
マル酸ジアミド、フマル酸−N−モノエチルアミド、フ
マル酸−N,N−ジエチルアミド、フマル酸−N−モノ
ブチルアミド、フマル酸−N,N−ジブチルアミド、マ
レイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイ
ミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウ
ム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム等が挙
げられ、これらは1種或いは2種以上組合せて併用する
こともできる。これらの中では、無水マレイン酸が好ま
しい。
【0019】上記変性単量体をポリオレフィンにグラフ
ト共重合させて(C)変性ポリオレフィンを調整する方
法としては、公知の種々の方法を採用することができ
る。例えば、ポリオレフィンと変性単量体とを、溶媒の
存在下又は不存在下に、ラジカル重合開始剤を添加し
て、または添加せずに高温に加熱して反応させる方法に
よって行うことができる。また、この反応に際して、ス
チレン等の他のビニルモノマーを共存させてもよい。
【0020】(C)変性ポリオレフィンにおける変性単
量体の含有量、すなわち(C)変性ポリオレフィンのグ
ラフト率は、通常、3モル%以下であり、特に1.5モ
ル%以下の範囲になるように調整することが好ましい。
特にポリオレフィン系組成物として変性ポリオレフィン
単独を使用して不織布(A)及び/又は不織布(B)を
形成する場合は、グラフト率が1モル%以下であるのが
好ましい。
【0021】また、(C)変性ポリオレフィンの固有粘
度(135℃、デカリン)は、未変性ポリオレフィンと
の均一な混合が容易となり、適度な流動特性を有し、メ
ルトブローン法不織布の製造が容易となる点で、通常、
0.1〜0.3dl/g、好ましくは0.3〜2.0d
l/g、特に好ましくは0.5〜1.5dl/gであ
る。
【0022】本発明において、未変性ポリオレフィンと
変性ポリオレフィンとを含むポリオレフィン系組成物に
おける変性ポリオレフィン/未変性ポリオレフィンの含
有割合は、通常重量比で0.1/99.9〜20/80
程度であり、好ましくは1/99〜5/95程度であ
る。また、ポリオレフィン系組成物には、前記変性ポリ
オレフィン及び未変性ポリオレフィン以外に、本発明の
目的を損なわない範囲で、各種の添加剤を配合してもよ
い。この添加剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸
収剤、顔料、染料、核剤、充填剤、スリップ剤、アンチ
ブロッキング剤、滑剤、難燃剤、可塑剤等が挙げられ
る。
【0023】更に、ポリオレフィン系組成物の調整は、
各種の常用の方法に従って行うことができる。例えば、
前記変性ポリオレフィン及び/又は未変性ポリオレフィ
ン、並びに必要に応じて各種の添加剤を混合した後、溶
融混練する方法に従って行うことができる。用いられる
混合機としては、例えばリボンブレンダー、V型ブレン
ダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等が挙げられ
る。又、溶融混練は、例えば一軸又は二軸押出機、バン
バリーミキサー、ニーダー、二本ロール等を用いて行う
ことができる。
【0024】本発明で用いられる不織布シートは上述す
るように、前記ポリオレフィン系組成物を代表例とする
熱可塑性樹脂を用いたフィルム解織糸からなる不織布又
はメルトブローン法不織布等からなるものである。これ
らの製造方法は特に制限されないが、フィルム解繊糸か
らなる不織布の場合、例えば前記ポリオレフィン系組成
桃を代表例とする熱可塑性樹脂を押出機で溶融し、環状
ダイから押出してフィルムを成形する。このフィルムを
スリッターで一定幅に切断し、若しくは切断せずにフィ
ルムをその伸び率以上に延伸することにより解繊して解
繊糸を製造する。次に、この解繊糸を、例えばカーディ
ング等の装置でシートの幅方向に均一に分散させ、次い
で好ましくはエンボスロール等で圧着することにより製
造することができる。
【0025】この不織布は、単繊維の平均繊維系が20
〜60μmであって、かつ目付量10〜30g/m2
嵩密度0.05〜0.2g/cm3 、及び平均表面電荷
密度0.1×10-9クーロン/cm2 以上であるエレクト
レット化不織布である。こゝで本発明において、単繊維
の平均繊維径は、繊維試料表面の電子顕微鏡写真(50
0倍)を撮影し、得られた写真上で30本の繊維を任意
に選び、その各繊維の繊維径をノギス等を用いて測定
し、各繊維径の測定値の平均値を計算して求められる値
である。
【0026】また、不織布のエレクトレット化処理は、
フィルム成形時に行ってもよいし、不織布を成形後に該
不織布をエレクトレット化する方法によって行ってもよ
い。こゝで、フィルム成形時に行う場合は、エレクトレ
ット化の効率に優れるため、捕集性能が、成形後の不織
布をエレクトレット化する場合と較べて良好となり好ま
しい。
【0027】エレクトレット化は、不織布又はフィルム
に直流電圧を印加して行うことができる。印加される直
流電圧値は、使用する電極の形状、電極管距離等、また
エレクトレット化不織布に要求される帯電電荷量、処理
速度等に従って適宜選択される。例えば電極管距離が8
mmの場合、少なくとも−5kV、好ましくは−6〜−
20kVの直流電圧を不織布に印加して行うことができ
る。
【0028】直流電圧の印加は、いずれの方法に従って
行ってもよく、特に制限されない。例えば不織布又はフ
ィルムを直流電圧を印加した一対の電極間に通して行う
方法;不織布の表面にコロナ放電やパルス状高電圧を加
える方法;不織布の表裏両面を他の誘導体で保持し、両
面に直流高電圧を加える方法などいずれの方法によって
行ってもよい。
【0029】一方メルトブローン法不織布は、先ず熱可
塑製樹脂、好ましくは前記したポリオレフィン系組成物
を押出機等に供給して加熱溶融、混練し、多数の細孔を
有するメルトブロー用ダイから微細な樹脂流として押出
す。押し出された樹脂流を高速の加熱気体流と接触製さ
て冷却、固化させて、微細な繊維径の不連続繊維に形成
し、この繊維を多孔性支持体上に集積させることにより
製造することができる。
【0030】ポリオレフィン系組成物の溶融、混練にお
ける加熱温度は、ポリオレフィン系組成物の主成分であ
るポリオレフィンの融点によって適宜調整される。ポリ
オレフィンが減成して低分子量化せず、良好な機械的強
度を有する不織布が得られ、また溶融されたポリオレフ
ィン系組成物の溶融粘度が適度で溶融成形が容易となる
点で、通常200〜350℃程度、特に220〜300
℃の範囲で行うことが望ましい。
【0031】ポリオレフィン系組成物の溶融混練及び押
出しの吐出量は、通常10〜130kg/hr程度であ
る。また、用いられるメルトブロー用ダイは、溶融され
たポリオレフィン系組成物を吐出する細孔を先端リップ
部に多数有するものであり、通常幅1000〜2000
mmのものである。この細孔は、先端リップ部に通常8
00〜3000個形設されており、その孔径は、通常
0.5mm程度である。
【0032】また、メルトブロー用ダイにおいて、溶融
ポリオレフィン系組成物は、高速度の加熱気体と接触
し、分割されると共に、溶融状態でドラフトされて繊維
長方向へ引き延ばされると共に、更に繊維系の微細化が
進行する。そのため、メルトブロー用ダイは、高速の加
熱気体流を導入し、ダイの内部又はダイの外部で、溶融
されたポリオレフィン系組成物と加熱気体流とを接触さ
せて微細な不連続単繊維に成形する装置を有する。この
装置は、メルトブロー用ダイの内部に加熱気体流の吹出
口を配設してなるものでもよいし、メルトブロー用ダイ
の先端リップ外側に溶融されたポリオレフィン組成物に
加熱気体流を吹き付けるように加熱気体流の吹出口を配
設してなるものでもよい。
【0033】加熱気体は、特に制限されず、コストの点
で加熱空気が一般に使用されるが、ポリオレフィン系組
成物の劣化を防止するために加熱された不活性気体を使
用してもよい。加熱気体流の温度は、通常200〜36
0℃、特に好ましくは230〜310℃で、溶融された
ポリオレフィン組成物の温度より少なくとも10℃程度
は高いことが好ましい。また、加熱気体流の流速は、通
常100〜600m/sec、特に200〜400m/
sec程度であることが望ましい。
【0034】メルトブロー用ダイから吐出される微細な
不連続単繊維を多孔性支持体上に集積させてウエッヴ状
のメルトブローン法不織布を得ることができる。この多
孔性支持体として、例えばステンレス、ポリエステル等
からなる網目構造体等を用いることができる。この不織
布は、単繊維の平均繊維は適度な通気性を有し、微細な
粉塵に対する集塵性が良好である点で、通常0.5〜1
0μm程度であり、特に好ましくは1〜6μmの範囲で
あり、繊維長は、通常50〜400mm程度である。ま
た、嵩密度は0.05〜0.40g/cm3 程度であ
り、目付量は、適度な通気性を有し、強度の高い不織布
が得られ、また、局部的な目付量のばらつきが少ない点
で、通常5〜100g/m2 程度であり、特に10〜8
0g/m2 の範囲が好ましい。
【0035】更に、不織布の厚さは、目付量と嵩密度に
従って決定されるが、通常0.1〜0.7mm程度であ
る。この不織布のエレクトレット化は、前記フィルム解
繊糸からなる不織布のエレクトレット化と同様の方法で
行うことができる。更にまた、前記メルトブローン不織
布の平均表面電荷密度は、エレクトレットとして十分な
集塵性能を発揮することができる点で、通常0.1×1
-9クーロン/cm2 以上であり、好ましくは0.3〜
5×10-9クーロン/cm2 である。
【0036】また、前記エレクトレット化メルトブロー
ン不織布の構成材である単繊維を形成する熱可塑性樹脂
の極限粘度〔η〕(135℃、デカリン)は、0.3〜
1.5dl/gであり、好ましくは0.5〜1.0dl
/gである。本発明のフィルターは、ハニカムの厚さが
5〜20mm、ハニカムの単位セルの形状は図1に示す
ようなものであり、通常セルの高さが1〜5mm、セル
の底辺が2〜10mmのものである。
【0037】スクリーンメッシュには、例えばプラスチ
ック製ネット、ステンレス製等の金網等が用いられる。
スクリーンメッシュの添付は、フィルター本体より容易
に離脱しないように貼付するのが望ましい。
【0038】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの
実施例に何ら制約されるものではない。密度0.91g
/cm3 、かつMFRが800g/10分(ASTM
D 1238)であるポリプロピレン(A)97重量部
と、無水マイレン酸変性ポリプロピレン(B)(無水マ
レイン酸のグラフト量:2.7重量%、固有粘度:0.
3dl/g)3重量部とを、タンブラーブレンダーで混
合してポリオレフィン組成物(組成物I)を調整した。
この組成物I中の無水マレイン酸の含有量は、3.9×
10-2モル%であった。
【0039】次に、この組成物Iをスクリュー径65m
mφの単軸押出機に投入し、310℃で溶融させ、押出
機の先端に接続されたメルトブロー用ダイから20kg
/hrの吐出量で押出すと共に、引き取り速度13m/
minで引き取り、メルトブローン法不織布を成形し
た。使用したメルトブロー用ダイは、ダイ幅:1.3m
でダイ全幅にわたって2列の成形孔(孔径:0.5mm
φ、孔間隔0.8mm)が開口されているものである。
また、この成形において、メルトブロー用ダイには、3
20℃の加熱空気を500m3 /hrの流量で注入し
た。
【0040】得られたメルトブローン法不織布の厚さは
0.37mm、目付量は40g/m 2 、嵩密度は0.1
08g/cm3 であった。また、メルトブローン法不織
布を構成する繊維を顕微鏡で観察して平均繊維径を測定
したところ、4μmであった。更にこの繊維を形成する
樹脂の〔η〕は0.56dl/gであった。次に、この
メルトブローン法不織布を、針状電極を長さ方向に5m
m間隔で2列に配列して構成してなる電荷印加装置に、
−18kVの直流電圧を印加しながら、20m/min
の速度で連続的に通過させて、エレクトレット化メルト
ブローン法不織布を製造した。
【0041】得られたエレクトレット化メルトブローン
法不織布の平均表面電荷密度を測定したところ、1.4
×10-9クーロン/cm2 であった。なお、この平均表
面電荷密度の測定は、理化学研究所製の表面電荷密度測
定装置を用い、面積1cm2の電極プローブを不織布表
面に接触させて行った。次に前記エレクトレット化され
たメルトブローン法不織布を嵩高にし、更に不織布表面
を毛羽立たせて、ハニカム状にした時の捕集性能をよく
するため、ニードルパンチ処理を行い、これをピッチが
4.2mm、高さが2.7mmの波状にプリーツ加工したシ
ートと、プリーツ加工しない平坦なシートとを重ねて図
1に示すように多段に積層したハニカム状の比較例のフ
ィルター試料と、図2に示すように、このフィルター5
の裏側に繊維径0.82mmφ、メッシュの大きさ6メッ
シュのステンレス製金網6を貼付した実施例のフィルタ
ー試料についてそれぞれ、捕集効率と圧力損失を図3に
概略を示す装置を用いて次のようにして測定した。
【0042】すなわち、チャンバー7の底部に実施例或
いは比較例のフィルター試料8を装着したのち、エアロ
ゾル発生機(日本科学工業社製)9からNaCl粒子
(粒径:0.3μm)をエアフィルター10を通して清
浄な空気を導入したチャンバー7内に供給した。チャン
バー内のNaCl濃度が一定(2〜6×106 個/cm2)
になったのち、吸引装置11により矢印A方向に吸引
し、フィルター通過速度が一定速度(1m/sec )にな
ったときのフィルター試料8の上流12及び下流13側
におけるNaCl粒子濃度Cin及びCout をそれぞれパ
ーティクルカウンター(リオン社製、KC−01B)1
4a、14bによって測定し、次式により捕集効率を求
めた。
【0043】 捕集効率=(1−Cout /Cin)×100% なお、図中15は流速計、16は流量調節バルブを示
す。また、フィルター試料8の圧力損失を差圧計(山武
ハネウェル社製、KD146)を用いて捕集効率の測定
と同時に行った。以上の結果を表1に示す次に実施例と
比較例のフィルターについて、煙草の煙に対する評価を
以下のようにして行った。
【0044】図4は、このために用いた装置を示すもの
で、内容積1m3 のアクリル樹脂製の箱18の内部に市
販のエアコン(松下電器産業社製の商品名エオリア)1
9及び攪拌ファン20を設置し、箱内の煙濃度を粉塵計
(柴田科学社製、P−5)21により測定できるように
してある。この装置において、先ず最初にエアコン19
にフィルターをセットしない状態で箱18内に煙草1本
を燃焼させたときに発生する煙を注入したのち、エアコ
ン19を作動させ、煙濃度の測定を行った。図5の太線
は、自然減衰曲線で、フィルターをセットしないときの
濃度の減衰を示す。この結果より初期濃度の1/2とな
る半減期を求めたところ、24.7分であった。
【0045】次に実施例のフィルター試料をエアコン1
9にセットし、煙草1本を燃焼したときに発生する煙を
箱18内に注入したのち、エアコンを作動させ、初期濃
度の半減期を求めたところ12.5分であった。本発明
者らは、フィルターの寿命をフィルターをセットしない
ときの半減時間と、フィルターをセットして煙草1本分
の煙を注入したときの半減時間の1/2と定め、煙草を
所定本数燃焼させ、発生した煙をフィルターに捕集させ
て箱内の粉塵量の半減時間が寿命に達するまでの煙草の
積算燃焼本数を寿命までの煙草本数とした。これより実
施例のフィルターの寿命は(24.7+12.5)分/
2=18.6分となり、半減期18.6分に到達するま
での煙草の積算燃焼本数は90本となった。
【0046】図5は、実施例のフィルターを用いたとき
の減衰曲線を示す。次にエアコン17に比較例のフィル
ター資料をセットし、同様にして煙草の煙の減衰率を求
めた。図6は、その減衰曲線を示す。このときの煙草1
本分の煙の半減期は、12.1分であり、寿命は(2
4.7+12.1)分/2=18.4分となった。ま
た、半減期18.4分に到達するまでの煙草の積算燃焼
本数は48本であった。
【0047】表1に以上の結果を示す。
【0048】
【表1】 以上のように、実施例のフィルターは比較例のフィルタ
ーに比べ、寿命に到達するまでの煙草の積算燃焼本数が
大巾に増加し、寿命が延びることが判明した。
【0049】
【発明の効果】本発明のフィルターによれば、裏にスク
リーンメッシュを添付することにより、捕集が表層部だ
けでなく、フィルター本体全体で行われるようになり、
その結果、従来のこの種ハニカム構造のフィルターに比
べ、捕集効率や圧力損失を損なうことなく、寿命を大巾
に延ばすことができる。
【0050】また、フィルター本体を構成するシートに
エレクトレット繊維を用いれば、捕集が効率よく行える
ようになり、スクリーンメッシュをフィルター本体に貼
付すれば、使用時に一体化し、機能を確実に発揮できる
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ハニカム構造のフィルターの平面図。
【図2】 本発明に係るフィルターの断面図。
【図3】 捕集効率効率を測定するための装置の概略
図。
【図4】 煙濃度を測定する装置の概略図。
【図5】 実施例のフィルターを用いたときの煙草の煙
減衰曲線を示す図。
【図6】 比較例のフィルターを用いたときの煙草の煙
減衰曲線を示す図。
【符号の説明】
3、4・・・シート 5・・
・フィルター 6・・・ステンレス製金網 7・・
・チャンバー 8・・・フィルター資料 14a、14b・・・パーティクルカウンター 18・
・・箱 19・・・エアコン 20・
・・攪拌ファン 21・・・粉塵計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯浅 治夫 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の山部と、谷部を連続して有するシ
    ートに平坦なシートを重ねて多段に積層したハニカム構
    造のフィルター本体裏面にスクリーンメッシュを添付し
    たことを特徴とするフィルター。
  2. 【請求項2】 シートにはエレクトレット化シートが用
    いられる請求項1記載のフィルター。
  3. 【請求項3】 前記シートは繊維径が60μm以下の熱
    可塑性繊維からなる不織布である請求項2記載のフィル
    ター。
  4. 【請求項4】 前記シートにはフィルム解繊糸からなる
    エレクトレット化不織布が用いられる請求項1記載のフ
    ィルター。
  5. 【請求項5】 前記シートにはメルトブローン法不織布
    よりなるエレクトレット化不織布が用いられる請求項1
    記載のフィルター。
  6. 【請求項6】 スクリーンメッシュは、プラスチック製
    ネットである請求項1記載のフィルター。
  7. 【請求項7】 スクリーンメッシュは金網である請求項
    1記載のフィルター。
  8. 【請求項8】 スクリーンメッシュは、フィルター本体
    裏面に貼着される請求項1記載のフィルター。
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