JPH0721314B2 - 車両用油圧式変速機 - Google Patents

車両用油圧式変速機

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JPH0721314B2
JPH0721314B2 JP61293070A JP29307086A JPH0721314B2 JP H0721314 B2 JPH0721314 B2 JP H0721314B2 JP 61293070 A JP61293070 A JP 61293070A JP 29307086 A JP29307086 A JP 29307086A JP H0721314 B2 JPH0721314 B2 JP H0721314B2
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hydraulic
oil
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oil chamber
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尚史 飯野
▲えい▼一郎 河原
善博 金丸
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、斜板式油圧ポンプを囲繞する斜板式油圧モー
タのモータシリンダに分配盤が設けられ、該分配盤には
油室を画成して基本的に円筒状の支軸が固設され、分配
盤に摺接して前記油室内を高圧油室と低圧油室と画成す
る分配環を先端に有する固定軸が支軸内に挿入され、分
配盤は、油圧ポンプおよび油圧モータ、ならびに高圧油
室および低圧油室間での作動油の授受を行なうべく構成
され、油圧ポンプおよび油圧モータ間が油圧閉回路をな
して連結され、車両減速時における前記低圧油室の油圧
が通常走行時におけるそれよりも高圧となる形式の車両
用油圧式変速機に関する。
(2) 従来の技術 従来、かかる油圧式変速機において、低圧油室のシール
は、油圧モータのモータシリンダとともに回転する支軸
と、固定軸との間に、接触式シール部材たとえばシール
リングを介装することによって行なわれている(特開昭
55−152622号公報)。
(3) 発明が解決しようとする問題点 ところで、かかる油圧式変速機では、車両減速時に油圧
モータがポンプ作用を生じ、その吐出によって油圧ポン
プがモータとして回転しようとすることにより、エンジ
ンブレーキが得られるのであるが、高速走行時にそのよ
うな減速作用を生じると、前記シール部材に高回転摩擦
および高圧が働き、シール部材の耐久性能上好ましくな
い。
そこで、支軸および固定軸間に、少なくともいずれか一
方との間に所定の間隙を有するような非接触式シール部
材を介装することが考えられる。
ところが、油温が上昇すると作動油の粘度が低下するの
で前記間隙から洩れる油量が増加し、場合によってはこ
の漏洩油量を補う補給ポンプの吐出能力を超える漏洩が
生じる。これによりポンプ作用を生じている油圧モータ
が吸入不足となり,騒音が発生するという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、油
温上昇による騒音の低減を図るとともに耐久性をも確保
して支軸および固定軸間のシールを行なうようにした車
両用油圧式変速機を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 本発明によれば、固定軸および支軸間には、低圧油室か
ら油タンク側への作動油の漏洩を許容する環状の微小間
隙が形成され、その微小間隙および高圧油室間を接続す
る油路に、該微小間隙から高圧油室に向けての油の流通
のみを許容する逆止弁が設けられる。
(2) 作用 上記構成によれば、油温が比較的低温のときには微小間
隙により支軸および固定軸間のシール性を充分に確保す
ることができ、耐久性の問題を回避することができる。
また油圧モータがポンプ作用をしているときに油温が上
昇して作動油の粘度が低下したときには、補給ポンプの
吐出能力を超える油量の油が微小間隙から流出しようと
しても、その漏洩油を高圧油室に導くことができるの
で、油圧モータの吸入不足による騒音を低減することが
可能となる。
(3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する
と、先ず第1図において、車両用油圧式無段変速機CVT
は、図示しないエンジンにより駆動される入力軸2に連
結される定吐出量型油圧ポンプPと、該油圧ポンプPと
同一軸線上に配設される可変容量型油圧モータMとが、
油圧閉回路Cを構成すべく相互に接続されて成り、油圧
モータMは出力軸11、前,後進歯車装置G、副軸18およ
び差動装置Dを介して車輪Wに連結される。かかる無段
変速機CVTは、2つのケース半体1a,1bを結合して成るミ
ッションケース1内に収容される。
油圧ポンプPは、入力軸2にスプライン3により結合さ
れたポンプシリンダ4と、該ポンプシリンダ4に入力軸
2を囲むように設けられた環状配列の多数のシリンダ孔
5,5…にそれぞれ摺合される多数のプランジャ6,6…とを
備える。入力軸2には、エンジンからの動力がフライホ
イール7を介して伝達される。
一方、油圧モータMは、前記油圧ポンプPのポンプシリ
ンダ4を同心に囲繞してそれと相対的に回転し得るよう
に配設されたモータシリンダ8と、該モータシリンダ8
にその回転中心を囲むように設けられた多数のシリンダ
孔9,9…にそれぞれ摺合した多数のモータプランジャ10,
10…とを備える。
モータシリンダ8の軸方向一端には出力軸11が同軸に突
設され、他端には支軸12が同軸に突設される。出力軸11
はニードルベアリング13を介して一方のケース半体1aの
端壁に、また支軸12はボールベアリング14を介して他方
のケース半体1bの端壁にそれぞれ支承される。
入力軸2は、一方のケース半体1aの端壁を油密に貫通
し、出力軸11内に同心に配置される。しかも出力軸11の
内面と入力軸2の外面との間には複数のニードルベアリ
ング15が介装されており、これにより入力軸2およびポ
ンプシリンダ4と、出力軸11およびモータシリンダ8と
は相対回転可能である。
出力軸11と、該出力軸11に平行にしてミッションケース
1の両端壁にローラベアリング16およびボールベアリン
グ17を介して回転自在に支承された副軸18との間に、
前,後進歯車装置Gが設けられる。
この前,後進歯車装置Gは、出力軸11に固定された一対
の駆動歯車19,20と、一方の駆動歯車19に噛合して副軸1
8に回転自在に支承される被動歯車21と、他方の駆動歯
車20に対応して副軸18に回転自在に支承される被動歯車
22と、駆動歯車20および被動歯車22に噛合する中間歯車
23と、両被動歯車21,22の対向部位にそれぞれ一体に設
けられた駆動クラッチ歯車21a,22a間で副軸18に固定さ
れた被動クラッチ歯輪24と、被動クラッチ歯輪24および
両駆動クラッチ歯輪21a,22aを択一的に連結するための
クラッチ部材25とを有し、クラッチ部材25にはそれを選
択作動せしめるべくシフトフォーク26が係合される。
副軸18には、差動装置Dの入力歯車27に噛合した歯車28
が一体に設けられており、クラッチ部材25の作動に応じ
て差動装置Dが車両の前進方向および後進方向に切換え
て駆動される。
モータシリンダ8と、油圧ポンプPのポンプシリンダ4
との間には、油密室31が画成され、この油密室31内でモ
ータシリンダ8の内側にはポンプシリンダ4の端面に対
向する斜板32が支承される。この斜板32には、円環状一
体のシュー33が摺接される。
各プランジャ6,6…と、前記シュー33とは連接杆44を介
して首振自在に連結されており、シュー33の円周段部に
はローラベアリング42を介してモータシリンダ8に支承
された押え環34が当接されており、さらに押え環34に
は、軸方向の移動を許容するとともに相対回転を阻止す
べくスプライン36を介して入力軸2に結合されたばね保
持体35が当接する。またばね保持体35およびポンプシリ
ンダ4間には入力軸2を囲繞するコイルばね37が介装さ
れており、このコイルばね37のばね力によりばね保持体
35は押え環34を介してシュー33を斜板32に向けて弾発的
に押圧する。しかもばね保持体35と押え環34とは球面で
接触しており、ばね保持体35は押え環34に万遍なく接触
してコイルばね37の弾発力を押え環34に伝える。
油密室31は、前記シュー33、押え環34およびばね保持体
35により、斜板32側の第1室31aと、ポンプシリンダ4
側の第2室31bとに区画される。
第1室31aには、斜板32とシュー33との摺動面の内周側
が臨んでおり、その摺動面から洩れた潤滑油が第1室31
aに流れ出る。ところで、斜板32およびシュー33間の潤
滑を果すために、シュー33の前面には環状の油圧ポケッ
ト38が設けられており、この油圧ポケット38は、シュー
33、連接杆44およびプランジャ6に穿設された油孔39,4
0,41を介して、各プランジャー6およびポンプシリンダ
4間に画成されているポンプ室45に連通される。したが
って、ポンプ室45の圧油は、油孔41,40,39を通して油圧
ポケット38に供給される。これにより、シュー33および
斜板32の摺動面が潤滑される。しかもそれと同時に油圧
ポケット38の油圧は、プランジャ6の突出推力を受ける
ようにシュー33に圧力を及ぼすのでシュー33と斜板32と
の接触圧力を低減する。
一方、斜板32とシュー33との摺動面の外周側に臨むよう
にして、モータシリンダ8、斜板32、シュー33およびロ
ーラベアリング42により、前記摺動面を囲繞する円環状
の潤滑室43が画成されており、この潤滑室43は第2室31
bの一部を構成する。
潤滑室43には、油圧ポケット38内の圧油がシュー33およ
び斜板32間の摺動面を通して絶えず漏洩しており、その
漏洩油は潤滑室43を満たした後、ローラベアリング42を
通して第2室31b側に流れる。したがって潤滑室43には
常に新しい潤滑油が保持され、その油によってシュー33
および斜板32の摺動面をシュー33の外側からも確実に潤
滑することができる。
また、第2室31bには前記潤滑室43からの油の他に、プ
ランジャ6およびシリンダ孔5の摺動面、ならびにポン
プシリンダ4および分配盤46の摺動面からの漏洩油が流
入する。
ばね保持体35には、第1室31aおよび第2室31b間を連通
する連通路47が穿設される。またモータシリンダ8の出
力軸11と入力軸2との間には、第1室31aに通じる第1
排出路48が形成され、この第1排出路48は、第2排出路
49、圧力制御弁50および第3排出路51を介して、ミッシ
ョンケース1内の底部に設けられた油タンク(図示せ
ず)に接続される。
圧力制御弁50は、油密室31の油圧が設定値よりも大とな
ったときに開弁し、油密室31の油圧を所定値に調圧す
る。
ポンプシリンダ4およびシュー33の対向端部には、相互
に噛合する傘歯車61,62が固設される。これらの傘歯車6
1,62は歯数を等しくした同期歯車に形成されており、入
力軸2とともにポンプシリンダ4が回転すると、シュー
33が傘歯車61,62を介して同期的に回転駆動される。こ
れにより、斜板32の傾斜面の上り側を走るプランジャ6
は斜板32から連接杆44を介して吐出行程を与えられ、ま
た、同傾斜面の下り側を走るプランジャ6は吸入行程を
与えられる。
油圧モータMにおいて、モータシリンダ8に対向する円
環状のモータ斜板63が、同じく円環状の斜板ホルダ64に
嵌着される。この斜板ホルダ64は、その両外側に突出す
る一対のトラニオン軸65を一体に備えており、それらの
トラニオン軸65がミッションケース1に枢支される。し
たがってモータ斜板63は斜板ホルダ64とともにトラニオ
ン軸65の軸線まわりに傾動することができる。
各モータプランジャ10の先端は、モータ斜板63に摺接す
る複数のモータシュー66に首振り自在に連結される。し
かも各モータシュー66のモータ斜板63への摺接状態を保
持するために、各モータシュー66の背面を押える押え板
67が、斜板ホルダ64にボルト68で固着されたリング69に
より回転自在に支持される。各モータシュー66と各モー
タプランジャ10との連結部は、周方向複数位置で押え板
67を貫通するものであり、したがって押え板67はモータ
シュー66とともに回転する。
各モータシュー66は、モータ斜板63に摺接する前面に油
圧ポケット70をそれぞれ備える。一方、各シリンダ孔9
の閉塞端と各モータプランジャ10との間に画成された油
圧室71は、モータプランジャ10およびモータシュー66に
穿設された一連の油孔72,73を介して油圧ポケット70に
連通される。したがって、油圧室71の圧油は、油孔72,7
3を通して油圧ポケット70に供給され、モータプランジ
ャ10の突出推力を受けるようにモータシュー66に圧力を
及ぼす。これによりモータシュー66およびモータ斜板63
間の接触圧力が低減されるとともに、モータシュー66お
よびモータ斜板63の摺動面が潤滑される。
斜板ホルダ64の内周面には、押え板67の内周面に小間隙
を存して対向する円筒状の隔壁体74が嵌着され、この隔
壁体74、斜板ホルダ64および押え板67により、モータシ
ュー66およびモータ斜板63の摺動面を包囲する潤滑室75
が画成される。
而して、各油圧ポケット70内の圧油は、モータシュー66
およびモータ斜板63の摺動面を通して絶えず漏洩してお
り、洩れた油は潤滑油として潤滑室75を満たした後、押
え板67のまわりの各部の隙間から漏出する。したがっ
て、潤滑室75には常に新しい潤滑油が保持され、その油
によってモータシュー66およびモータ斜板63の摺動面を
モータシュー66の外側からも確実に潤滑することができ
る。
この場合、潤滑室75の圧力が油圧ポケット70の圧力に近
づくと、油圧ポケット70のモータシュー66に対する流体
支承機能が損なわれるので、潤滑室75が大気圧に近い圧
力状態を保ちつつ油を保持するように、油圧ポケット70
からの漏洩油量に応じて押え板67まわりの各部の隙間が
適当に選定される。
ミッションケース1には、斜板ホルダ64すなわちモータ
斜板63を傾動駆動するために、サーボモータ81が設けら
れる。このサーボモータ81は、ミッションケース1に固
定されるサーボシリンダ82と、サーボシリンダ82内を左
側油室83および右側油室84に区画すべくサーボシリンダ
82に摺合されるサーボピストン85と、サーボピストン85
に一体に設けられて左側油室83側のサーボシリンダ82の
端壁を油密にかつ移動自在に貫通するピストンロッド86
と、サーボピストン85およびピストンロッド86に穿設し
た弁孔87に先端部が摺合されるとともにサーボシリンダ
82の右側油室84側の端壁を油密にかつ移動自在に貫通す
るパイロット弁88とから構成される。
ピストンロッド86は、ピン89を介して斜板ホルダ64に連
結される。また左側油室83には、サーボシリンダ82に設
けた油路90が常時連通しており、この油路90から供給さ
れる油圧がサーボピストン85に作用する。サーボピスト
ン85およびピストンロッド86にはパイロット弁88の右動
に応じて右側油室84を弁孔87に連通させる通路91と、パ
イロット弁88の左動に応じて右側油室84を左側油室83に
連通させる通路92とが穿設される。さらに弁孔87は、還
流路93を介して、ミッションケース1内の底部の油タン
クに連通される。
サーボピストン85は、パイロット弁88の左動および右動
に追従するように、油路90から供給される油圧によって
増幅作動し、それにより斜板ホルダ64すなわちモータ斜
板63が図示の最大傾斜位置と、各モータプランジャ10に
対して直角となる直角位置との間で傾動される。この
際、モータ斜板63はモータシリンダ8の回動に伴って各
モータプランジャ10に往復動を与えて膨張、収縮を繰返
させるが、モータプランジャ10のストロークは、モータ
斜板63の傾きに応じて無段階に調節される。
油圧ポンプPおよび油圧モータM間には、分配盤46およ
び分配環97を介して油圧閉回路Cが形成される。而して
入力軸2でポンプシリンダ4を回転したときに、吐出行
程のプランジャ6を収容したシリンダ孔5のポンプ室45
から吐出される高圧の作動油が膨張行程のモータプラン
ジャ10を収容したシリンダ孔9の油圧室71に給送され
る。一方、収縮行程のモータプランジャ10を収容したシ
リンダ孔9の油圧室71から排出された作動油は、吸入行
程にあるプランジャ6を収容したシリンダ孔5のポンプ
室45に還流する。この間、吐出行程のプランジャ10が斜
板63を介してモータシリンダ8に与える反動トルクと、
膨張行程のモータプランジャ10がモータ斜板63から受け
る反動トルクとの和によってモータシリンダ8すなわち
出力軸11が回転駆動される。
この場合、ポンプシリンダ4に対するモータシリンダ8
の変速比は次式によって与えられる。
この式から明らかなように、モータプランジャ10のスト
ロークによって定まる油圧モータMの容量を零から或る
値に変えれば、変速比を1から或る必要な値まで変える
ことができる。
モータシリンダ8は、その軸方向に分割された第1〜第
4部分8a〜8dから構成される。第1部分8aには、前記出
力軸11が一体に設けられ、斜板32は第1部分8aに設けら
れる。また第2,第3および第4部分8b〜8dにシリンダ孔
9が設けられる。第3部分8cは分配盤46を構成するもの
であり、第4部分8dには支軸12が一体に設けられる。
第1および第2部分8a,8bは複数のボルト98により結合
され、第2,第3および第4部分8b〜8dはそれらの各接合
部にノックピン99,100を嵌入して相互に位置決めした状
態で複数のボルト101により一体的に結合される。
入力軸2の内端部はニードルベアリング105を介して分
配盤46の中心に支持されており、ポンプシリンダ4はば
ね37により分配盤46に弾発的に摺接される。
第2図を併せて参照して、ケース半体1bにおける端壁の
外面側には、ボルト106により、支持板107が固着されて
おり、この支持板107には、モータシリンダ8の支軸12
内に突入する円筒状の固定軸108が固定的に連結され
る。この固定軸108の内端には、分配盤46に摺接する分
配環97が偏心的に支持されており、分配環97により、モ
ータシリンダ8の第4部分8dに設けられている油室109
が高圧油室としての内側室110と低圧油室としての外側
室111とに区画される。一方、分配盤46には吐出および
吸入ポート112,113が穿設されており、その吐出ポート1
12により吐出行程にあるプランジャ6のポンプ室45と内
側室110とが連通され、吸入ポート113により吸入行程に
あるプランジャ6のポンプ室45と外側室111とが連通さ
れる。また分配盤46には多数の連絡ポート114,114…が
穿設されており、これらの連絡ポート114,114…により
モータシリンダ8の各油圧室71が内側室110または外側
室111に連通される。
したがって、ポンプシリンダ4の回転時には、プランジ
ャ6の吐出行程により生成された高圧の作動油を吐出ポ
ート112から内側室110に流入させ、さらに内側室110と
連通状態にある連絡ポート114を経て膨張行程のモータ
プランジャ10の油圧室71に流入させてモータプランジャ
10に推力を与える。一方、収縮行程のモータプランジャ
10により排出される作動油は、外側室111に連通する連
絡ポート114および吸入ポート113を介して、吸入行程に
あるプランジャ6のポンプ室45に還流し、このような作
動油の循環により前述のような油圧ポンプPから油圧モ
ータMへの伝動が行なわれる。
固定軸108の側壁には、内側室110および外側室111間を
連通し得るたとえば2個の短絡ポート115が穿設され、
それらの短絡ポート115を開閉する円筒状のクラッチ弁1
16が固定軸108内に回転自在に嵌合される。このクラッ
チ弁116は、その先端寄り側壁に前記短絡ポート115に対
応した弁孔117を備え、また基端部には図示しないクラ
ッチ制御装置に連なる操作軸118が連結される操作連結
部119が設けられる。
クラッチ弁116を回動操作させて弁孔117を短絡ポート11
5に合致させた全開時にはクラッチ・オフ状態、弁孔117
を短絡ポート115からずらせて全閉したときにはクラッ
チ・オン状態、弁孔117および短絡ポート115をわずかに
ずらせて半開状態にしたときには半クラッチ状態が得ら
れる。すなわち、クラッチ・オフ状態では吐出ポート11
2から内側室110に吐出される作動油が短絡ポート115を
通して外側室11および吸入ポート113に直ちに短絡して
油圧モータMが不作動となり、またクラッチ・オン状態
では上記のような作動油の短絡が阻止され、油圧ポンプ
Pから油圧モータMへの作動油の循環作用が生起し、通
常の伝動が行なわれる。
クラッチ弁116には、パイロット弁120により操作される
油圧サーボモータ121が内蔵され、そのサーボピストン1
22の先端部には、クラッチ弁116の内径よりも小径の弁
杆123が設けられる。この弁杆123は内側室110に突入し
ており、その先端には吐出ポート112に対する閉塞弁124
が首振り自在に付設される。而して、サーボピストン12
2の左動により閉塞弁124を分配盤46に密着させれば吐出
ポート112を閉じることができる。この閉塞は、モータ
斜板73を直立状態にして変速比を1とするときに行なう
もので、これによりプランジャ6を油圧的にロックして
ポンプシリンダ4から各プランジャ6および斜板32を介
してモータシリンダ8を機械的に駆動することができ、
その結果、モータプランジャ10のモータ斜板63に対する
推力が消失し、その推力による各部ベアリングの負荷が
取除かれる。
固定軸108および支持板107には内側室110に連通する油
路139と、外側室111に連通する油路140とが穿設され
る。また支持板107には、サーボモータ81に連なる油路9
0に連通した油路141が穿設されるとともに、該油路141
と前記両油路139,140との連通状態を択一的に切換える
切換弁142が配設される。この切換弁142は、両油路139,
140の油圧が高い方の油路141に連通せしめるべく作動す
る。したがって、油圧モータMのモータ斜板63を傾動す
るためのサーボモータ81には、内側室110および外側室1
11の油圧が高い方から油圧が供給されることになる。
両サーボモータ81,121のパイロット弁88,120には、リン
ク127,128の一端が連結されており、リンク127の他端は
図示しない操作手段により回動される回動軸129に連
動、連結される。また回動軸129には、カム130が設けら
れており、リンク128の他端にはカム130に摺接するカム
ホロア131が設けられる。これにより、モータ斜板63を
直立状態にすべくサーボモータ81を作動せしめたとき
に、サーボモータ121が閉塞弁124で吐出ポート112を閉
塞するように作動する。
ケース半体1aにおける端壁の外側には、補給ポンプFが
装備される。この補給ポンプFは、入力軸2により駆動
されるものであり、ミッションケース1内底部の油タン
クから油を汲み上げるとともに、入力軸2内に設けた補
給油路137および逆止弁138を介して油圧閉回路Cに作動
油を補給する。
固定軸108の外周には、支軸12の内面との間に環状の微
小間隙170を形成する基本的に円筒状のシール部材171が
挿入され、シール部材171は、固定軸108および支軸12間
の多少の位置ずれに拘らずシール部材171を浮動させて
微小間隙170を環状に保つべく、固定軸108の半径方向の
がたを有するスプライン172により固定軸108の外面に結
合される。またシール部材171の軸方向移動を規制する
ためにシール部材171の一端に対向する規制鍔173が固定
軸108の外面全周にわたって突設されており、シール部
材171の他端は支持板107により受けられる。
規制鍔173およびスプライン172間における規制鍔173寄
りで固定軸108の外面には嵌合溝174が全周にわたって設
けられており、この嵌合溝174にはシール部材171の内面
に摺接するOリング175とバックアップリング176とが嵌
着される。またスプライン172寄りで固定軸108の外面に
は嵌合溝177が全周にわたって設けられており、この嵌
合溝177にはシール部材171の内面に摺接するOリング17
8とバックアップリング179とが嵌着される。
前記両嵌合溝174,177間でシール部材171および固定軸10
8間には環状室180が形成されており、この環状室180を
間隙170に連通せしめるための複数の連通孔181がシール
部材171に穿設される。
クラッチ弁116には、内側室110側の大径孔182と外方側
の小径孔183とが大径孔182側に向けて大径となるテーパ
シール面184を介して同軸に連なって軸線と平行に穿設
されており、大径孔182の内側室110側端部は導孔185を
有する閉塞部材186で閉塞される。この閉塞部材186およ
びテーパシール面184間には弁室187が画成され、該弁室
187にはテーパシール面184に着座し得る球状の弁体188
が収納され、而して前記弁室187、テーパシール面184及
び弁体188は互いに協働して本発明の逆止弁Vを構成し
ている。また小径孔183の外端部はキャップ189で閉塞さ
れており、この小径孔183は、クラッチ弁116に穿設され
た油孔190を介して環状室180に連通する。
したがって固定軸108および支軸12間の微小間隙170は、
連通孔181、環状室180、油孔190、小径孔183、弁室187
および導孔185を介して内側室110に連通するものであ
り、弁室187内での弁体188の働きにより微小間隙170か
ら内側室110への作動油の流通のみが許容される。
次にこの実施例の作用について説明すると、車両の減速
時には、油圧モータMがポンプ作用をし、外側室111に
高圧油が吐出されるが、油温が比較的低温のときには支
軸12および固定軸108間の微小間隙170によりシール性が
充分に確保され、接触式シール部材を設けた場合の耐久
性の問題が解決される。
ところで油温が上昇すると作動油の粘度が低下するの
で、外側室111の高圧油は微小間隙170から外部に漏出し
ようとする。しかるに、弁室187内では、内側室110の油
圧が低圧となっているのに応じて弁体188がテーパシー
ル面184から離反しており、間隙170に流入した高圧油は
連通孔181、環状室180、油孔190、小径孔183、弁室187
および導孔185を介して内側室110に導かれる。したがっ
て、間隙170に流入する油量が補給ポンプFの吐出油量
を超えるものであっても、その油の大部分たとえば50%
が内側室110に導入され、油圧モータMの吸入不足を生
じることはなく、騒音の発生を抑えることができる。
また車両の加速時には、油圧ポンプPにより高圧油が内
側室110に吐出される。このとき、弁体188は導孔185に
より弁室187に導入された高圧油によりテーパシール面1
84に着座しており、内側室110および間隙170間は遮断さ
れている。したがって加速時には高圧油が間隙170を経
て外部に漏出したり、外側室111に短絡供給されたりす
ることはない。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、固定軸および支軸間に
は、低圧油室から油タンク側への作動油の漏洩を許容す
る環状の微小間隙が形成され、その微小間隙および高圧
油室間を接続する油路に、該微小間隙から高圧油室に向
けての油の流通のみを許容する逆止弁が設けられるの
で、油圧モータのポンプ作用により低圧油室内の作動油
が高圧となる車両減速時において、油温が比較的低温で
る場合には、上記微小間隙により必要なシール性を確保
することができて、耐久性の問題を回避することができ
る。また油温の上昇による作動油の粘度低下に伴って低
圧油室から微小間隙への作動油流入量が増大しても、そ
の作動油の大部分を逆止弁を通して高圧油室に戻すこと
ができ、低圧油室から微小間隙を経て油タンク側へ漏洩
しようとする作動油の量が極力抑えられるから、その作
動油の過度の漏洩に起因した油圧モータの吸入不足を回
避することができ、その吸入不足による騒音の発生を効
果的に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すものであり、第1図は全
体縦断側面図、第2図は第1図の要部拡大図である。 12……支軸、46……分配盤、97……分配環、108……固
定軸、109……油室、110……高圧油室としての内側室、
111……低圧油室としての外側室、170……微小間隙、 C……油圧閉回路、M……油圧モータ、P……油圧ポン
プ、V……逆止弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】斜板式油圧ポンプ(P)を囲繞する斜板式
    油圧モータ(M)のモータシリンダ(8)に分配盤(4
    6)が設けられ、該分配盤(46)には油室(109)を画成
    して基本的に円筒状の支軸(12)が固設され、分配盤
    (46)に摺接して前記油室(109)内を高圧油室(110)
    と低圧油室(111)とに区画する分配環(97)を先端に
    有する固定軸(108)が支軸(12)内に挿入され、分配
    盤(46)は、油圧ポンプ(P)および油圧モータ
    (M)、ならびに高圧油室(110)および低圧油室(11
    1)間での作動油の授受を行なうべく構成され、油圧ポ
    ンプ(P)および油圧モータ(M)間が油圧閉回路
    (C)をなして連結され、車両減速時における前記低圧
    油室(111)の油圧が通常走行時におけるそれよりも高
    圧となる、車両用油圧式変速機において、 前記固定軸(108)および支軸(12)間には、前記低圧
    油室(111)から油タンク側への作動油の漏洩を許容す
    る環状の微小間隙(170)が形成され、その微小間隙(1
    70)および前記高圧油室(110)間を接続する油路に、
    該微小間隙(170)から高圧油室(110)に向けての油の
    流通のみを許容する逆止弁(V)が設けられたことを特
    徴とする、車両用油圧式変速機。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4910785A (ja) * 1972-04-07 1974-01-30
JPS5944535A (ja) * 1982-09-06 1984-03-13 Toshiba Corp 換気扇

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