JPH07211257A - カラー陰極線管 - Google Patents

カラー陰極線管

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JPH07211257A
JPH07211257A JP494094A JP494094A JPH07211257A JP H07211257 A JPH07211257 A JP H07211257A JP 494094 A JP494094 A JP 494094A JP 494094 A JP494094 A JP 494094A JP H07211257 A JPH07211257 A JP H07211257A
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convergence cup
ray tube
convergence
color cathode
cup
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JP494094A
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Toshio Shimaougi
利雄 島扇
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 蛍光体スクリーン22側に位置する電極にコン
バーゼンス・カップ28が取付けられた一列配置の3電子
ビームを放出する電子銃24を有し、この電子銃から放出
される3電子ビームを偏向装置27の発生する水平、垂直
偏向磁界により偏向して蛍光体スクリーンを走査するカ
ラー陰極線管において、コンバーゼンス・カップを、そ
の中心軸および3電子ビームの配列軸と直交する軸上で
側壁に段差部を形成し、この段差部の側壁にコンバーゼ
ンス・カップの開口側に開口したスリット状切欠きを形
成した。 【効果】 偏向装置のコマ収差によるグリーン右ずれを
補正し、色ずれを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー陰極線管に係
り、特にインライン型カラー陰極線管の画面左右の色ず
れを軽減するカラー陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー陰極線管は、青、緑、赤に
発光する3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーンに対向
してシャドウマスクが配置され、電子銃から放出される
3電子ビームを偏向装置の発生する水平、垂直偏向磁界
により偏向し、シャドウマスクによりこの3電子ビーム
を選別して、上記蛍光体スクリーンを走査することによ
りカラー画像を表示する構造に形成されている。このよ
うなカラー陰極線管において、特に電子銃を同一水平面
上を通るセンタービームおよび一対のサイドビームから
なる一列配置の3電子ビームを放出する電子銃とし、そ
の一列配置の3電子ビームにより、ストライプ状の3色
蛍光体層からなる蛍光体スクリーンを走査するように構
成したインライン型カラー陰極線管がある。
【0003】このインライン型カラー陰極線管は、図4
に示すように、特に偏向装置の発生する水平偏向磁界1
H をピンクッション形、垂直偏向磁界1V をバレル形と
することにより、カラー陰極線管の組立てに格別の部材
を用いることなく、3電子ビーム2B ,2G ,2R を蛍
光体スクリーン上の一点に集中(静的集中)することが
でき、またカラー受像機に組込む際も、外部回路による
格別の補正を要することなく集中(動的集中)すること
ができ、いわゆるセルフコンバーゼンス・インライン型
カラー陰極線管として、3電子ビーム2B ,2G ,2R
の複雑な集中調整を不要にすることができるという利点
がある。
【0004】しかし実際には、上記のように偏向装置の
発生する水平、垂直偏向磁界1H ,1V を非斉一磁界と
すると、この偏向磁界1H ,1V のコマ収差およびその
他の収差により、図5に示すように、センタービームの
走査画面3G と一対のサイドビームの走査画面3B ,3
R が一致しないという集中誤差が生ずる。
【0005】そのため、従来セルフコンバーゼンス・イ
ンライン型カラー陰極線管については、電子銃のビーム
放出端部に取付けられたコンバーゼンス・カップの底部
内側に、図6に示すように、一対のサイドビーム通過孔
4B ,4R を取囲むように、高透磁率材料からなる磁界
制御素子5を配置して、3電子ビーム2B ,2G ,2R
に対する偏向装置の後部漏洩磁界を制御することによ
り、3電子ビーム2B ,2G ,2R の集中を補正してい
る。
【0006】しかし図6に示したような磁界制御素子5
により3電子ビーム2B ,2G ,2R の集中を補正する
と、センタービーム2G に対する補正量と一対のサイド
ビーム2B ,2R に対する補正量との相違により、図7
に示すように、センタービームの走査画面3G に対し
て、一対のサイドビームの走査画面3B ,3R が左側に
ずれるという現象が生ずる。この現象は、一般にグリー
ン右ずれといわれており、特に最近の水平偏向周波数の
高い偏向システムの場合に大きく現れる。
【0007】このグリーン右ずれは、つぎの原因により
生ずる。すなわち、水平偏向後部漏洩磁界の通過により
コンバーゼンス・カップの側壁に渦電流が発生し、この
渦電流により生ずる磁束がコンバーゼンス・カップの側
壁を通過する水平偏向後部漏洩磁界の磁束を減少させ
る。この渦電流による水平偏向後部漏洩磁界の磁束の減
少は、従来の水平偏向周波数fh =15.75 kHz 程
度の低い周波数では無視できたが、水平偏向周波数fh
が高くなるにしたがって無視できなくなり、図5に示し
たように、センタービームの走査画面3G に対して、一
対のサイドビームの走査画面3B ,3R が左右に広がる
ようになる。
【0008】一方、偏向装置の水平偏向コイルに流れる
電流の波形は、図8に示すように、鋸歯状波7であり、
この鋸歯状波7のa点からb点までの時間t1 が水平走
査期間、b点からc点までの時間t2 が水平帰線期間で
あり、a点、c点が水平走査の左端、b点が右端に相当
し、通常t2 がt1 の1/5程度に設定されている。こ
の場合、水平走査から水平帰線に移るときの磁束の変化
量と水平帰線から水平走査に移るときの磁束の変化量は
同じであるが、水平走査から水平帰線に移るときは、映
像信号がカットされるため、画面にはなんら影響を及ぼ
さない。そのため、水平走査の始まる画面左端に大きな
影響が現れる。すなわち、水平偏向周波数を高くした場
合、高周波成分磁界による渦電流損失に基づく磁束の変
化が画面右側よりも左側の方が大きくなる。そのため、
図7に示したように、センタービームの走査画面3G に
対して、一対のサイドビームの走査画面3B ,3R が左
側にずれ、水平方向に非対称のコマ収差が現れる。この
センタービームの走査画面3G に対する一対のサイドビ
ームの走査画面3B ,3R の対非対称性は、水平偏向周
波数が高くなるにつれて増大し、また水平走査期間(有
効走査期間)を大きくするために、水平帰線期間を小さ
く設定した場合に増大する。
【0009】このようなコマ収差を補正する手段とし
て、特開昭61−29046号公報および特開昭61−
29047号公報には、図9(a)および(b)に示す
ように、コンバーゼンス・カップ9の側壁に複数個のス
リット状開孔10a あるいはそれよりも大きな開孔10
b を形成することにより、側壁を通過する水平偏向後部
漏洩磁界による渦電流の発生を抑制し、コンバーゼンス
・カップ9の側壁を通過する水平偏向後部漏洩磁界の磁
束の減少をなくするようにしたものが示されている。し
かしこのような開孔10a ,10b を形成しても、コン
バーゼンス・カップ9は、その開口端部(蛍光体スクリ
ーン側端部)が接続されているため、渦電流を十分に抑
制することができない。
【0010】これに対し、特開昭60−86739号公
報には、図10に示すように、コンバーゼンス・カップ
9の側壁にその蛍光体スクリーン側の開口に通ずる切欠
き11を設けたものが示されている。このようにコンバ
ーゼンス・カップ9の蛍光体スクリーン側の開口に通ず
る切欠き11を設ければ、側壁を通過する水平偏向後部
漏洩磁界により発生する渦電流による水平偏向後部漏洩
磁界の磁束の減少を防止できる。
【0011】しかしこのように蛍光体スクリーン側の開
口に通ずる切欠き11を設けると、図11に示すよう
に、通常ファンネル内面からネック12の隣接部内面に
かけて塗布される内面導電膜13のネック12側端部が
コンバーゼンス・カップ9の側壁中間部と対向する位置
にあり、切欠き11が完全に内面導電膜13により覆わ
れず、内面導電膜13のネック12側端部と切欠き11
の底部との間に寸法sで示した隙間ができる。そのた
め、ファンネルに設けられた陽極端子から内面導電膜1
3およびこの内面導電膜13に圧接するバルブスペーサ
14を介してコンバーゼンス・カップ9に印加されてい
る陽極電圧Eb と、上記内面導電膜13のネック12側
端部に隣接するネック12内面からの浸透電圧Eb ′
(Eb >Eb ′)との差により、図12に示すように、
センタービーム2G および一対のサイドビーム2B ,2
R に対する電界が不均一となり、センタービーム2G を
横長にする力Fが作用し、カラー陰極線管のフォーカス
特性を劣化させる。
【0012】このフォーカス特性の劣化を防止するため
には、図13に示すように、ネック12の内面に塗布さ
れる内面導電膜13を延長して、コンバーゼンス・カッ
プ9の側壁を完全に覆うようにすればよいが、このよう
に内面導電膜13を延長すると、カラー陰極線管の製造
工程において、ネック12内に電子銃を挿入するとき、
バルブスペーサ14との摩擦などにより内面導電膜13
が剥がれ、またその後おこなわれるカラー陰極線管の耐
電圧処理時に、内面導電膜13と電子銃の電極との間に
スパーク放電が発生し、耐電圧特性を劣化させる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、セルフ
コンバーゼンス・インライン型カラー陰極線管は、偏向
装置の磁界分布により電子銃から放出される一列配置の
3電子ビームを集中するが、実際には、偏向装置の後部
漏洩磁界の通過により、電子銃のビーム放出端部に取付
けられたコンバーゼンス・カップの側壁に渦電流が発生
し、この渦電流により生ずる磁束がコンバーゼンス・カ
ップの側壁を通過する偏向装置の後部漏洩磁界の磁束を
減少するため、センタービームの走査画面に対して、一
対のサイドビームの走査画面が左右に広がる集中誤差が
生ずる。この偏向磁界のコマ収差による3電子ビームの
集中誤差を補正するために、従来は、コンバーゼンス・
カップの底部に高磁率材料からなる磁界制御素子を配置
して、3電子ビームに対する偏向装置の後部漏洩磁界を
制御している。しかしこの磁界制御素子により3電子ビ
ームの集中を補正すると、特に水平偏向周波数を高くし
た場合、センタービームに対する補正量と一対のサイド
ビームに対する補正量とが異なるため、センタービーム
の走査画面に対して、一対のサイドビームの走査画面左
側にずれるいわゆるグリーン右ずれが生ずる。
【0014】このようなコマ収差による集中誤差を補正
する手段として、従来よりコンバーゼンス・カップの側
壁にスリット状開孔などを形成して、コンバーゼンス・
カップの側壁を通過する水平偏向後部漏洩磁界による渦
電流の発生を抑制し、コンバーゼンス・カップの側壁を
通過する水平偏向後部漏洩磁界の磁束の減少をなくすよ
うにしたものが知られている。しかしこのように開孔を
形成しても、このコンバーゼンス・カップは、蛍光体ス
クリーン側の開口端部が接続されているため、渦電流を
十分に抑制して、集中誤差をなくすことはできない。
【0015】またコマ収差による集中誤差を補正する他
の手段として、コンバーゼンス・カップの側壁にその蛍
光体スクリーン側の開口に通ずる切欠きを設けることが
知られている。しかしこのように蛍光体スクリーン側の
開口に通ずる切欠きを設けると、ファンネル内面からネ
ックの隣接部内面にかけて塗布される内面導電膜のネッ
ク側端部がコンバーゼンス・カップの側壁中間部と対向
する位置にあり、切欠きが完全に内面導電膜により覆わ
れないため、内面導電膜のネック側端部に隣接するネッ
ク内面からの浸透電圧Eb ′により、センタービームお
よび一対のサイドビームに対する電界が不均一となり、
センタービームを横長にする力Fが作用し、カラー陰極
線管のフォーカス特性を劣化させる。このフォーカス特
性の劣化を防止するためには、ネックの内面に塗布され
る内面導電膜を延長して、コンバーゼンス・カップの側
壁を完全に覆うようにすればよいが、このように内面導
電膜を延長すると、カラー陰極線管の製造工程において
ネック内に電子銃を挿入するとき、バルブスペーサとの
摩擦などにより内面導電膜が剥がれ、またその後おこな
われるカラー陰極線管の耐電圧処理時に、内面導電膜と
電子銃の電極との間にスパーク放電が発生し、耐電圧特
性が劣化するなどの問題が生ずる。
【0016】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、セルフコンバーゼンス・インライン型カラ
ー陰極線管において、水平偏向周波数が高くなっても、
センタービームの走査画面に対する一対のサイドビーム
の走査画面がずれないカラー陰極線管を構成することを
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】カソードから蛍光体スク
リーン方向に複数個の電極が配置され蛍光体スクリーン
側に位置する電極にコンバーゼンス・カップが取付けら
れた一列配置の3電子ビームを放出する電子銃を有し、
この電子銃から放出される3電子ビームを偏向装置の発
生する水平、垂直偏向磁界により偏向して蛍光体スクリ
ーンを走査するカラー陰極線管において、コンバーゼン
ス・カップを、このコンバーゼンス・カップの中心軸お
よび3電子ビームの配列軸と直交する軸上で側壁に段差
部を形成し、この段差部にコンバーゼンス・カップの開
口側に開口したスリット状切欠きを形成した構造にし
た。
【0018】
【作用】上記のように、コンバーゼンス・カップを、そ
の中心軸および3電子ビームの配列軸と直交する軸上で
側壁に段差部を形成し、この段差部にコンバーゼンス・
カップの開口側に開口したスリット状切欠きを形成した
構造とすると、そのスリット切欠きにより、コンバーゼ
ンス・カップの側壁を通過する水平偏向後部漏洩磁界に
より発生する渦電流による水平偏向後部漏洩磁界の磁束
の減少を防止でき、水平偏向周波数が高くなっても、コ
マ収差によるセンタービームの走査画面に対する一対の
サイドビームの走査画面のずれをなくすことができる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0020】図1にその一実施例であるカラー陰極線管
を示す。このカラー陰極線管は、パネル20およびこの
パネル20に一体に接合された漏斗状のファンネル21
からなる外囲器を有し、そのパネル20の内面に、青、
緑、赤に発光するストライプ状の3色蛍光体層からなる
蛍光体スクリーン22が形成され、この蛍光体スクリー
ン22に対向して、その内側にシャドウマスク23が配
置されている。一方、ファンネル21のネック12内
に、同一水平面上を通るセンタービーム2G および一対
のサイドビーム2B ,2R からなる一列配置の3電子ビ
ーム2B ,2G ,2R を放出する電子銃24が配設され
ている。またファンネル21の径大部25には、陽極端
子26が設けられ、この径大部25の内面からネック1
2の隣接部内面にかけて、内面導電膜13が塗布形成さ
れている。そして、上記電子銃24から放出される3電
子ビーム2B ,2G ,2R をファンネル21の外側に装
着されて偏向装置27の発生する水平、垂直偏向磁界に
より偏向し、この3電子ビーム2B ,2G ,2R をシャ
ドウマスク23により選別して、蛍光体スクリーン22
を水平、垂直走査することにより、蛍光体スクリーン2
2上にカラー画像を表示する構造に形成されている。
【0021】上記電子銃24は、同一水平面に一列配置
された3個のカソード、これらカソードを各別に加熱す
る3個のヒータ、上記カソードから蛍光体スクリーン2
2方向に順次所定間隔で配置された複数個の電極を有
し、その蛍光体スクリーン22側に位置する電極に、非
磁性材料からなるコンバーゼンス・カップ28が取付け
られた構造に形成されている。その複数個の電極および
コンバーゼンス・カップ28の底部には、一列配置のカ
ソードに対応して、3個の電子ビーム通過孔が形成され
ている。
【0022】なお、上記ファンネル21の内面に塗布形
成された内面導電膜13のネック12側端部は、このコ
ンバーゼンス・カップ28の側壁中間部に対応する位置
にあり、コンバーゼンス・カップ28には、陽極端子2
6から内面導電膜13、およびコンバーゼンス・カップ
28に取付けられて内面導電膜13に圧接するバルブス
ペーサ(図示せず)を介して、陽極電圧が印加される。
【0023】特にこの例のカラー陰極線管においては、
コンバーゼンス・カップ28の側壁は、図2に示すよう
に、このコンバーゼンス・カップ28の中心軸Z(管軸
と一致する)およびその底部に設けられた3個の電子ビ
ーム通過孔29B ,29G ,29R を通過する3電子ビ
ーム2B ,2G ,2R の配列軸X(水平軸)と直交する
垂直軸Yを挟んで回転対称位置の側壁をカップ内に押込
んで、垂直軸上に段差部30が設けられ、この段差部3
0にコンバーゼンス・カップ28の蛍光体スクリーン側
の開口31に通ずるスリット状切欠き32が形成された
構造に形成されている。この切欠き32は側壁中間部に
達している。
【0024】このように電子銃24の蛍光体スクリーン
側22に取付けられた非磁性材料からなるコンバーゼン
ス・カップ28の側壁に、コンバーゼンス・カップ28
の中心軸Zおよび3電子ビーム2B ,2G ,2R の配列
軸Xと直交する垂直軸Y上に段差部30を設け、この段
差部30にコンバーゼンス・カップ28の蛍光体スクリ
ーン22側の開口31に通ずるスリット状切欠き32を
形成すると、偏向装置27の水平偏向後部漏洩磁界の通
過によりコンバーゼンス・カップ28に発生する渦電流
は、スリット状切欠き32により、センタービーム通過
孔29G 近傍を通過する水平偏向後部漏洩磁界について
は、渦電流は発生せず、一対のサイドビーム通過孔29
B ,29R 近傍を通過する水平偏向後部漏洩磁界によっ
てのみ渦電流が発生するようになる。
【0025】この一対のサイドビーム通過孔29B ,2
9R 近傍を通過する水平偏向後部漏洩磁界により発生す
る渦電流は、コンバーゼンス・カップ28の側壁を通過
する水平偏向後部漏洩磁界を妨げる方向に作用する。そ
のため、センタービーム通過孔29G を通過する水平偏
向後部漏洩磁界に対して、一対のサイドビーム通過孔2
9B ,29R を通過する水平偏向後部漏洩磁界の位相を
遅らせる。その結果、センタービーム通過孔29G を通
過する水平偏向後部漏洩磁界の位相が、一対のサイドビ
ーム通過孔29B ,29R を通過する水平偏向後部漏洩
磁界の位相よりも進み、センタービーム通過孔29G を
通過するセンタービーム2G の位相遅れを打消す。
【0026】このコンバーゼンス・カップ28は非磁性
材料からなるため、周波数の高い水平偏向磁界により強
い位相変化が生じるが、周波数の低い垂直偏向磁界で
は、なんら影響を受けない。したがってこの例のコンバ
ーゼンス・カップ28のスリット状切欠き32は、水平
偏向磁界のみを対象として、その幅、深さを調整するこ
とにより、あらゆる量のグリーン右ずれを補正すること
ができる。
【0027】またこの例のコンバーゼンス・カップ28
では、コンバーゼンス・カップ28の中心軸Zおよび3
電子ビーム2B ,2G ,2R の配列軸Xと直交する垂直
軸Y上に段差部30を設け、この段差部30にスリット
状切欠き32を形成したので、前記特公昭60−867
39号公報のコンバーゼンス・カップの場合問題となっ
たセンタービームを横長にする力を発生するネック内面
からの電圧の浸透を防ぎ、フォーカス特性の劣化を防止
する。
【0028】しかもこの例のコンバーゼンス・カップ2
8では、段差部30をコンバーゼンス・カップ28の開
口側から底部まで設けることにより、特公昭61−29
046号公報、特公昭61−29047号公報あるいは
特公昭60−86739号公報に示されているスリット
状開孔や切欠きを形成したコンバーゼンス・カップにく
らべて、機械的強度を高め、精度の高いコンバーゼンス
・カップとすることができる。
【0029】なお上記実施例では、コンバーゼンス・カ
ップの垂直軸を挟んで回転対称位置の側壁をカップ内に
押込んで垂直軸上に段差部を形成したが、図3に示すよ
うに、コンバーゼンス・カップ28の垂直軸を挟んで、
その両側の側壁をカップ内に押込んで垂直軸上に段差部
30を形成し、この段差部30にスリット状切欠き32
を形成しても、上記実施例と同様の効果をもつコンバー
ゼンス・カップとすることができる。
【0030】なおまた、上記実施例では、偏向装置の後
部漏洩磁界と磁気的に結合する磁界制御素子をもたない
カラー陰極線管について説明したが、この発明は、たと
えばコンバーゼンス・カップに磁界制御素子を配置した
カラー陰極線管にも適用可能である。
【0031】
【発明の効果】蛍光体スクリーン側に位置する電極にコ
ンバーゼンス・カップが取付けられた一列配置の3電子
ビームを放出する電子銃を有するカラー陰極線管におい
て、そのコンバーゼンス・カップを、側壁にコンバーゼ
ンス・カップの中心軸および3電子ビームの配列軸と直
交する軸上に段差部を形成し、この段差部にコンバーゼ
ンス・カップの開口側に開口したスリット状切欠きを形
成した構造にすると、そのコンバーゼンス・カップの開
口側に開口したスリット状切欠きにより、コンバーゼン
ス・カップの側壁を通過する水平偏向後部漏洩磁界によ
り発生する渦電流による水平偏向後部漏洩磁界の磁束の
減少を防止でき、水平偏向周波数が高くなっても、コマ
収差によるセンタービームの走査画面に対する一対のサ
イドビームの走査画面が左にずれるグリーン右ずれをな
くし、色ずれによるカラー陰極線管の画面品位の劣化を
防止することができ、特に水平偏向周波数が高周波化さ
れたカラーディスプレイ管に適用して、その画面特性を
向上でき、かつその製造を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるカラー陰極線管の構
成を示す図である。
【図2】図2(a)はそのコンバーゼンス・カップの平
面図、図2(b)は正面図、図2(c)は側面図であ
る。
【図3】図3(a)は異なる実施例のコンバーゼンス・
カップの平面図、図3(b)は正面図、図3(c)は側
面図である。
【図4】セルフコンバーゼンス・インライン型カラー陰
極線管に装着される偏向装置の発生する水平、垂直磁界
分布を説明するための図である。
【図5】セルフコンバーゼンス・インライン型カラー陰
極線管のセンタービームの走査画面と一対のサイドビー
ムの走査画面との関係を説明するための図である。
【図6】セルフコンバーゼンス・インライン型カラー陰
極線管のコンバーゼンス・カップに配置される磁界制御
素子を示す図である。
【図7】磁界制御素子の配置されたセルフコンバーゼン
ス・インライン型カラー陰極線管のセンタービームの走
査画面と一対のサイドビームの走査画面との関係を説明
するための図である。
【図8】偏向装置の水平偏向コイルに流れる電流の波形
を示す図である。
【図9】図9(a)および(b)はそれぞれ偏向装置の
コマ収差を補正するため、スリット状開孔および比較的
大きな開孔が形成されたコンバーゼンス・カップの正面
図である。
【図10】同じく偏向装置のコマ収差を補正するため、
切欠きの形成されたコンバーゼンス・カップの正面図で
ある。
【図11】切欠きの形成されたコンバーゼンス・カップ
と内部導電膜との関係を説明するための図である。
【図12】上記切欠きの形成されたコンバーゼンス・カ
ップに対するネック内面からの電圧の浸透を説明するた
めの図である。
【図13】上記切欠きの形成されたコンバーゼンス・カ
ップに対するネック内面からの浸透電圧を防止するため
の構造を示す図である。
【符号の説明】 2B ,2G ,2R …3電子ビーム 13…内面導電膜 22…蛍光体スクリーン 24…電子銃 27…偏向装置 28…コンバーゼンス・カップ 29B ,29G ,29R …電子ビーム通過孔 30…段差部 32…スリット状切欠き

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソードから蛍光体スクリーン方向に複
    数個の電極が配置され上記蛍光体スクリーン側に位置す
    る電極にコンバーゼンス・カップが取付けられた一列配
    置の3電子ビームを放出する電子銃を有し、この電子銃
    から放出される3電子ビームを偏向装置の発生する水
    平、垂直偏向磁界により偏向して上記蛍光体スクリーン
    を走査するカラー陰極線管において、 上記コンバーゼンス・カップは、このコンバーゼンス・
    カップの中心軸および上記3電子ビームの配列軸と直交
    する軸上で側壁に段差部が形成され、この段差部にコン
    バーゼンス・カップの開口側に開口したスリット状切欠
    きが形成されていることを特徴とするカラー陰極線管。
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