JPH07205426A - インクジェットプリントヘッド及びサーマルインクジェットプリントヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットプリントヘッド及びサーマルインクジェットプリントヘッドの製造方法

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Publication number
JPH07205426A
JPH07205426A JP32446394A JP32446394A JPH07205426A JP H07205426 A JPH07205426 A JP H07205426A JP 32446394 A JP32446394 A JP 32446394A JP 32446394 A JP32446394 A JP 32446394A JP H07205426 A JPH07205426 A JP H07205426A
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JP
Japan
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nozzle
channel
heating element
groove
ink
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Withdrawn
Application number
JP32446394A
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English (en)
Inventor
Michael P O'horo
ピー.オ’ホロ マイケル
Dale R Ims
アール.イムス デイル
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Xerox Corp
Original Assignee
Xerox Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェットプリントヘッドの小滴の速度
及び方向性を改良する。 【構成】 プリントヘッド10は、上部基体31、下部基体
28を含む。上部基体31は異方性エッチングされたインク
チャネル20を含み、下部基体28は、加熱素子34及びアド
レッシング回路33を含む。各チャネル20が1つの加熱素
子34を有するようにウェーハを整合させ且つ接着する。
ウェーハの整合の前に、各加熱素子34を露呈するよう
に、端子32、37を電気的接続のために露出するように、
そしてインクが流れるようにチャネル20と貯蔵部24とを
相互に連通させるために長尺状凹所38を設けるように、
厚膜層18を付着及びパターン形成する。ダイシングによ
りチャネルの頂部40より低い所でチャネルの一端を切断
し、チャネルより小さい断面面積を有する台形形状ノズ
ルを得る。ノズルの面積を減少することで小滴の量は約
5%減少するが小滴の速度が25%〜30%増大し、小
滴の方向性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット印刷に
関し、さらに詳細には、製造プロセスに対するわずかな
変化により、液滴の速度及び方向性を改良するように形
状化され且つ狭められたノズルを有するサーマルインク
ジェットプリントヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】既存の
サーマルインクジェット印刷では、プリント(印刷)ヘ
ッドは1つ以上のインク充填チャネルを含み、該インク
充填チャネルは、一端で比較的小さなインク貯蔵チャン
バと連通するとともに、他端でノズルと称する開口部を
有する。通常は抵抗器である熱エネルギー発生器が、ノ
ズルから所定の距離を置いたノズル付近のチャネルに配
置される。抵抗器は、個々に電流パルスでアドレスさ
れ、インクを瞬時にして気化させるとともに、インクの
小滴(液滴)を射出する気泡を形成する。気泡が大きく
なると、インクがノズルから溢れ出ようとするととも
に、メニスカスのようなインクの表面張力により抑制さ
れる。気泡が崩壊し始めると、ノズルと気泡の間のチャ
ネル内にあるインクは、崩壊している気泡の方に移動
し、それによって、ノズルにおけるインクの量が減少す
るとともに、溢れ出ようとするインクが小滴に分かれる
ことになる。気泡が成長している間のノズルからのイン
クの加速は、実質的に直線方向へ、用紙等の記録媒体へ
向かう小滴の運動量と速度を与える。望ましい小滴の軌
道は、ノズルから記録媒体までの一直線であり、これは
小滴がノズル周囲から均一に切れるか又は離れる場合に
達成される。小滴の速度が高まれば高まる程、より均一
に小滴のノズル周囲回りから離脱するということも、よ
く知られている。
【0003】本発明の目的は、小滴容量の減少とプリン
トヘッドの製造費用との両方を最小化するようにして、
プリントヘッドノズルの面積を狭めることにより、イン
クジェットプリントヘッドから発射されるインクの小滴
の滴下速度を増大し、小滴の方向性又は記録媒体上への
スポット配置を改良することである。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明では、イ
ンクジェットプリントヘッドは、上部基体及び下部基体
を含み、少なくとも上部基体はシリコンである。一般
に、このような複数のプリントヘッドを、一対の接合さ
れたシリコンウェーハをダイシング(方形切断)するこ
とにより得る。該一対の接着されたシリコンウェーハ
は、その一方のウェーハの表面に、エッチングされた複
数セットのインクチャネル及びチャネルの各セット毎に
同時にエッチングされたリザーバ(貯蔵部)を含み、他
方のウェーハの、前記一方のウェーハと直面する面上
に、加熱素子及び対応する駆動回路の複数のアレイを含
む。ウェーハを一旦整合させる(組み合わせる)と、各
チャネルは1つの加熱素子を有する。ウェーハの整合に
先立って、各加熱素子を露呈するように、そして各駆動
回路の各端子を電気的接続のために露出するように、そ
してインクが流れるようにチャネルの各セットと各貯蔵
部とを相互に連通させるために1つ以上の凹所を設ける
ように、ポリアミド等の厚膜層を付着及びパターン形成
する。チャネル及び貯蔵部を異方性エッチングすること
で、{111}結晶面に従う壁を生成する。従って、チ
ャネルの対向する(両側の)閉鎖端は、三角形の形状
と、チャネルウェーハ表面と約54.7°の傾斜を有す
る。小滴を発射するノズルを形成するためにチャネルの
端を開口するダイシング操作により、チャネルの頂部よ
り低い高さの所でチャネルの一端を切断するように、チ
ャネルの長さを調整し、それによって、三角形の断面領
域を有するチャネルの流出面積より小さい流出面積を有
する台形形状のノズルが得られる。このようにノズルに
おけるチャネルの面積を狭くすることにより、小滴容量
はわずか約5%減少するが、小滴の速度は25%〜30
%増大する。小滴の速度が増大することで、小滴の方向
性が向上するとともに、4面のノズルは、一層容易に小
滴が均一に離れることの可能なノズル周囲を呈すること
により、さらに方向性を助長する。
【0005】本発明の一態様は、インクジェットプリン
タで使用するインクジェットプリントヘッドであって;
少なくとも1つのエッジと1つの表面を有するシリコン
の上部基体を有し、前記上部基体が基体表面に対して一
つの角度で{111}結晶面を有し、前記基体表面は中
に側壁及び対向する端壁を有する異方性エッチングされ
た平行なV形状の複数の溝を有し、異方性エッチングさ
れて貫通された凹所は凹所壁及び開口した底部を有し、
前記溝の壁及び前記凹所の壁が、上部基体の{111}
結晶面に従い、各V形状溝の対向する溝端壁の一方が、
閉鎖しているとともに凹所に隣接し、前記溝端壁の他方
が、台形形状の開口部を生成するように、前記上部基体
のエッジを通って部分的に開口され、その結果、溝の部
分的に開口された端壁が、V形状の溝の断面面積より小
さな断面面積を有し;一面に、加熱素子とデジタルデー
タ信号を表す電流パルスのソースへの電気的接続を行う
対応するアドレッシング回路とのアレイを有する下部基
体を有し;加熱素子とアドレッシング回路とを有する下
部基体上に付着される厚膜の電気絶縁層を有し、前記絶
縁層は、加熱素子及び電極端子上で、そして所定のサイ
ズを有するように所定の位置で除去されるようにパター
ン形成され;前記上部及び下部基体の表面は、前記厚膜
の層を挟み、中に各溝が台形形状の開口部から所定の距
離を置いた所に加熱素子を有するように整合され、組み
合わされ、そして接合され、その結果、上部基体にそれ
を貫通してエッチングされた凹所が供給用インク貯蔵部
として作用し、台形形状の開口部が小滴を発射するノズ
ルとして作用し、厚膜層と接するV形状溝がそれにより
閉鎖されて、所定位置に厚膜除去を介して、貯蔵部をノ
ズルに連結させる毛管現象で充満したインクチャネルを
形成し、それによって、V溝チャネルの断面面積に対し
て断面面積を減少された台形形状ノズルが、小滴の速度
を増大し、その結果小滴の方向性が向上される;ことを
含む。
【0006】本発明の別の態様は、インクの小滴を発射
するノズルと、供給用のインクを保持する貯蔵部と、貯
蔵部をノズルと連通させるために所定の断面領域を有す
るインクチャネルとを有すると共に、該ノズルが前記チ
ャネルの断面面積より小さな断面面積を有するサーマル
インクジェットプリントヘッドを製造する方法であっ
て;(a)電気絶縁性の平らな基体表面上に、加熱素子
と、デジタルデータを表す電気信号のソースと電気的接
続を行う端子を有するアドレッシング回路との、複数セ
ットの等しく離間された線形アレイを形成するステップ
を有し、前記加熱素子が個々に、前記アドレッシング回
路による電気信号でアドレス可能であり;(b)絶縁性
の平らな表面、その上の加熱素子、回路、及び回路端子
の上に、高分子材料の厚膜層を配するステップを有し;
(c)各々が加熱素子1つを露呈する複数のピットを形
成し、加熱素子の各セットに対して少なくとも1つの対
応する凹所を形成して、インク流路を提供するように、
厚膜層をパターン形成するステップを有し;(d)(1
00)シリコンウェーハの表面において、2つの対向す
る端を有する、複数セットの等しく離間された平行なV
形状の溝と、V形状の溝の各セットに対する、開口した
底部を有するように貫通してエッチングされた凹所と、
を異方性エッチングするステップを有し、貫通してエッ
チングされた凹所が、V形状の溝の一端に隣接し、溝の
各々が、所定の長さを有する長尺状の頂部と、V形状の
溝の閉鎖端に連結する対向する端とを有し;(e)各V
形状の溝が、その中に1つの加熱素子を含むように、エ
ッチングされたウェーハを平らな基体と整合し且つ接着
するステップを有し;(f)複数のダイシングカットに
より、接着されたウェーハ及び平らな基体を個々のプリ
ントヘッドに分割するステップを有し、前記複数のダイ
シングカットの1つは、台形形状のノズルが加熱素子を
有する平らな基体の表面に垂直で、加熱素子から所定の
距離離間し、そしてダイシングされて部分的に開口する
ことになる閉鎖端に連結する頂部端から所定の距離離間
されるノズル面に形成されるように貫通エッチングされ
た凹所に隣接する一端と向かい合うV形状溝の閉鎖端を
通って、ウェーハ及び平らな基体をダイシングすること
を含み、それによって、V形状チャネル溝の断面面積よ
り小さい断面面積を有する台形形状のノズルが提供され
る;ことを含む。
【0007】
【実施例】台形形状のノズル27のアレイを示す、プリ
ントヘッド10の前面又はノズルフェイス29の拡大概
略等角図を、図1で示す。後述する図2でも、電気絶縁
性の下部基体又は加熱素子板28は、その表面30上に
パターン形成されたアドレッシング電極33と加熱素子
34とを有し、一方、上部基体又はチャネル板31は、
対向する(両)端を有する複数の平行な溝20を有し、
溝20の対向する端の一端は、小滴を発射するノズルと
して作用する台形形状の開口部を形成するように、ノズ
ルフェイスにおいて部分的に取り除かれている。溝20
の他端は、傾斜壁21で終結する。毛管現象で充満した
インクチャネル20に対するインク供給貯蔵部として使
用される内部凹所24は、インク充填ホール又は入口と
して使用するために、開口した底部25を有する。溝を
有するチャネル板の表面は、加熱素子(ヒーター)板2
8と整合(位置合わせ)されてヒーター板に接着され、
その結果、複数の加熱素子34の各1つが、溝と下部基
体即ちヒーター板とにより形成される各チャネル内に配
置されることとなる。インクは、凹所24と下部基体2
8とにより形成される貯蔵部に、入口25を通って入
る。チャネル20は、毛管作用により、例えばポリイミ
ド樹脂等の厚膜電気絶縁性層18において形成される長
尺状凹所38を通してインクを流すことによって、該貯
蔵部からのインクで充填される。各ノズルにおけるイン
クはメニスカスを形成し、その表面張力が、インク供給
のわずかに負の圧力(負圧)と共に、インクがノズルか
ら漏出することを防止する。下部基体即ちヒーター板2
8上のアドレッシング電極33は、端子32で終結す
る。上部基体即ちチャネル板31は、電極端子32が、
プリントヘッド10が永久的に取り付けられる姉妹板1
9上の電極に連結したワイヤ36に対して露呈されると
ともに連絡することが可能であるように下部基体よりも
小さい。層18は、後述するように、厚膜不動態化(パ
ッシベーション)層であり、上部基体と下部基体とに挟
まれている。この層18を、加熱素子34を露呈するよ
うにエッチングし、よって加熱素子34がピット26に
配され、そして、貯蔵部24とインクチャネル20との
間にインクが流れることを可能にするために、長尺状の
凹所38を形成するようにエッチングする。さらに、電
極端子32を露呈するように、厚膜絶縁性層をエッチン
グする。
【0008】図1の1つのチャネルを通る2−2のライ
ンに沿って図1の断面図を得、それを図2とし、インク
が、矢印23で示すように、貯蔵部24から、そして溝
20の端21周辺をどのように流れるかということを示
すが、それはホーキンズ(Hawkins )の米国特許第4,
774,530号で開示されており、それを参照して本
文の記載の一部とする。複数セットの気泡生成加熱素子
34とそれらのアドレッシング電極33を、一面を研磨
された(100)シリコンウェーハ(図示せず)の研磨
面上にパターン形成する。複数セットのプリントヘッド
電極33、加熱素子として作用する抵抗材料、及び共同
帰線35をパターン形成する前に、約2μmの厚みを有
する、二酸化珪素等の下地層39でウェーハの研磨面を
コーティングする。抵抗材料は、化学蒸着(CVD)に
より蒸着され得るドープされた多結晶シリコン、又は硼
化ジルコニウム(ZrB)等のあらゆるその他の周知の
抵抗材料であり得る。共同帰線及びアドレッシング電極
は、下地上で加熱素子のエッジ上に蒸着(付着)される
アルミニウムリードであるのが一般的である。プリント
ヘッドを製作するためにチャネル板31を取り付けた後
に、共同帰線の端又は端子37及びアドレッシング電極
端子32を姉妹板19の電極(図示せず)に電気接続す
るワイヤボンド36に対する空隙ができるように、共同
帰線端子37とアドレッシング電極端子32を所定の位
置に配置する。共同帰線35及びアドレッシング電極3
3を0.5〜3μm、好ましくは約1.5μmの厚さに
蒸着させる。
【0009】好適実施例では、ポリシリコンの加熱素子
を使用し、シリコンナイトライド(窒化珪素)層(図示
せず)を、0.05〜1μmの厚さでポリシリコン加熱
素子上に配し、加熱素子を導電性のインクから保護する
とともに絶縁する。アドレッシング電極33と共同帰線
35の取付けのため、ポリシリコン加熱素子のエッジで
はシリコンナイトライドを除去し、次にアドレッシング
電極と共同帰線をパターン形成して蒸着(付着)させ
る。電極の不動態化の前に、プリントヘッドの動作中
に、崩壊するインク蒸散気泡により発生したキャビテー
ション力に対して加熱素子シリコンナイトライド層をさ
らに保護するために、随意ではあるがタンタル(Ta)
層17を、加熱素子のシリコンナイトライド層上に約1
μmの厚さに蒸着させる。タンタル層は加熱素子上に直
接的に接触するシリコンナイトライド層以外の部分は全
てエッチングされて除去される。電極の不動態化に関し
て言えば、2μmの厚みのりんがドープされたCVD二
酸化珪素フィルム16を、複数セットの加熱素子及びア
ドレッシング電極を含む全体のウェーハ表面上に蒸着さ
せる。不動態化フィルム16により、露出した電極をイ
ンクから保護するイオンバリアが提供される。例えば、
ポリイミド、窒化イオン、及び上述したりんがドープさ
れた二酸化珪素、又はあらゆるそれらの組合せ等の、そ
の他のイオンバリアを用いてもよい。有効なイオンバリ
ア層は、その厚みが1000Å〜10μm、好ましくは
1μm、である場合に達成される。加熱素子34上と、
姉妹板の電極と後程ワイヤボンディングするために共同
帰線端子32及びアドレッシング端子37の上の不動態
化フィルム又は層16をエッチングして除去する。
【0010】次に、例えば、リストン(Riston、商
標)、バクレル(Vacrel、商標)、プロビマー52(Pr
obimer 52 、商標)、ポリイミド等の厚膜フォトパター
ンナブル(photopatternable、光パターン形成可能な)
電気絶縁性層18を、10〜100μm、好ましくは2
5〜50μm、の厚さを有するように、不動態化層16
上に形成する。(ピット26を形成する)各加熱素子3
4上の部分、貯蔵部24からインクチャネル20までの
インク通路を設けるための長尺状凹所38にあたる部
分、及び電極端子32、37の上の部分の絶縁性層18
をエッチングして除去することが可能であるように、絶
縁性層18を写真平版(フォトリソグラフィック方式)
処理する。長尺状凹所38にあたる厚膜層18の部分を
除去することにより、長尺状凹所38を形成する。
【0011】米国再発行特許第32,572号(その関
連部分を本文の記載の一部とする)で開示されたよう
に、プリントヘッドの複数の上部基体31を生成するた
めに、2面を研磨された(100)シリコンウェーハ
(図示せず)からチャネル板を形成する。ウェーハを化
学的にクリーニングした後、熱分解CDVシリコンナイ
トライド層(図示せず)を両面に蒸着させる。従来の写
真平版法を用いて、ウェーハの片面を、シリコンナイト
ライド層に複数の空所(via :ビア)を形成するように
パターン形成し、その空所を用いて、比較的大きい(ウ
ェーハを貫通してエッチングする程大きい)矩形の凹所
24と、複数セットの浅い長尺状の平行なチャネル溝2
0と、を異方性エッチングする。凹所24及びチャネル
溝20を通ってエッチングされたものは結果的に、プリ
ントヘッド10のインク貯蔵所及びチャネルになる。露
出されたウェーハ表面を空所を通ってエッチングするた
めに、水酸化カリウム(KOH)の異方性エッチングを
用いることが可能である。この場合、各貯蔵部の壁及び
チャネル溝の壁は、図2で角度Θで示すように、ウェー
ハの表面と54.7°の角度を形成する(100)ウェ
ーハの{111}面である。
【0012】貯蔵部及びチャネル溝を含むウェーハの表
面22は、元のウェーハ表面の部分であり、その後表面
22上に接着剤を供して、複数セットの加熱素子を含む
基体にそれを接着する。端面29を生成する最終的なダ
イシングカットにより、ノズル27を生成する長尺状の
溝20の一端を部分的に開口する。チャネル溝20の他
端は、端21により閉鎖したままである。しかしなが
ら、チャネル板31をヒーター板28に整合させて接着
すると、図2で示すように厚膜絶縁層18における長尺
状凹所38の上に直接的にチャネル20の端21が位置
するので、矢印23で示すように、貯蔵部24からチャ
ネル20の中にインクが流出することが可能である。
【0013】チャネル溝20は、三角形の断面領域を有
するとともに、三角形の閉鎖端を有するので、チャネル
溝の壁の全てが、(100)シリコンウェーハの{11
1}結晶面に従う。産業上良く知られているように、小
滴の量、小滴の速度、及び小滴の発射頻度は、チャネル
の多様な幾何学的なパラメータ、加熱素子のノズルから
の位置、加熱素子からの熱の熱伝達効率、加熱素子に印
加される電流パルスの大きさ及び振幅に基づいて決定さ
れる。
【0014】本発明では、エッチングされたチャネル溝
20の閉鎖端21と41の間の頂部40の長さLを、少
なくとも図2で示す所定距離Xだけ短くした。好適実施
例では、チャネル(及びノズル)の基部の幅Bが約60
〜70μmである場合には、距離Xは10〜30μmで
あり、Lは約0.0508cm(約20ミル)である
(図3参照)。接着されたウェーハを溝の閉鎖端41を
通って切断してノズルを形成するように、ダイシングカ
ットにより、ノズルフェイス29を形成するとともに、
チャネル溝の端を開口する。溝の閉鎖端41を通って切
断することで、図3でより詳細に示す台形形状のノズル
27が形成される。図3は、図1の破線で囲まれた領域
3の拡大図である。チャネル20の断面面積は、ノズル
27より約25%〜30%大きいということが、図2及
び図3より明らかである。チャネルと同じ面積を有する
ノズルから発射される小滴は、約100pl(ピコリット
ル、1兆分の1リットル)の量である。ノズル面積をチ
ャネル面積に対してわずかに減らすことにより、小滴の
量が約95plに減少するが、それはわずか約5%の減少
である。このように量をわずかに減少することで、小滴
の速度が、7〜9.5m/秒増大し、それは約25%〜
30%の速度の増大である。小滴の速度の増大は、小滴
の記録媒体への方向性を助長し、それによって、より良
いスポット配置とより良い印刷の質が提供される。用紙
に向かって一直線にインクが滴下するには、小滴がノズ
ル先部から均一に離れることが必要である。三角形のノ
ズルの代わりに台形形状のノズルを用いれば、台形形状
のノズルにより方向性がさらに助長されるので、小滴が
ノズル先部から均一に離れて、ノズルが円形形状により
近づくように改良されたということがわかる。
【0015】図3では、チャネル端壁41を通ってダイ
シングすることにより形成された台形形状のノズル27
を、チャネル20の頂部40に対して急斜するように破
線で示す。チャネルウェーハ(即ちチャネル板31)の
表面22上に置かれた接着剤44は、チャネル板31と
ヒーター板28を合わせた時に、チャネル板31と厚膜
層18との間で押しつぶされ、その結果、フィレット
(肉付け)45が形成される。ピット26は、その中に
配された加熱素子を含む。接着剤48を用いて、ヒータ
ー板28に厚膜層18を接着し、接着剤50を用いて、
ヒーター板に姉妹板19を接着する。
【0016】
【発明の効果】本発明は、プリントヘッド内のインク溜
めにノズルを連結するインクチャネルの断面面積よりわ
ずかに小さなノズルを有するサーマルインクジェットプ
リントヘッドと、それを製造する方法に関する。ノズル
をわずかに小さくしたことにより、小滴の量は約5%減
少するが、小滴の速度が25〜30%増大し、その結
果、小滴の方向性が向上し、印刷の質が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】姉妹板上に取り付けられ、台形形状の小滴発射
ノズルを示すプリントヘッドの拡大概略等角図である。
【図2】図1を2−2ラインに沿って見た拡大断面図で
あり、ノズルがチャネルより狭いことが示されている。
【図3】図1の破線で囲まれた部分3のノズルフェイス
の領域の拡大等角図である。
【符号の説明】
10 プリントヘッド 18 厚膜電気絶縁層 20 インクチャネル 21 傾斜壁 24 貯蔵部 25 開口底部 26 ピット 27 ノズル 28 下部基体 31 上部基体 32 電極ターミナル 33 アドレッシング電極 34 加熱素子 35 共同帰線 36 ワイヤ 38 長尺状凹所 40 頂部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 3/04 103 N (72)発明者 デイル アール.イムス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14580 ウェブスター リトル ポンド ウェイ 926

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットプリンタで使用するイン
    クジェットプリントヘッドであって、 少なくとも1つのエッジと1つの表面を有するシリコン
    の上部基体を有し、前記上部基体が基体表面に対して一
    つの角度で{111}結晶面を有し、前記基体表面は中
    に側壁及び対向する端壁を有する異方性エッチングされ
    た平行なV形状の複数の溝を有し、異方性エッチングさ
    れて貫通された凹所は凹所壁及び開口した底部を有し、
    前記溝の壁及び前記凹所の壁が、上部基体の{111}
    結晶面に従い、各V形状溝の対向する溝端壁の一方が、
    閉鎖しているとともに凹所に隣接し、前記溝端壁の他方
    が、台形形状の開口部を生成するように、前記上部基体
    のエッジを通って部分的に開口され、その結果、溝の部
    分的に開口された端壁が、V形状の溝の断面面積より小
    さな断面面積を有し、 一面に、加熱素子とデジタルデータ信号を表す電流パル
    スのソースへの電気的接続を行う対応するアドレッシン
    グ回路とのアレイを有する下部基体を有し、 加熱素子とアドレッシング回路とを有する下部基体上に
    付着される厚膜の電気絶縁層を有し、前記絶縁層は、加
    熱素子及び電極端子上で、そして所定のサイズを有する
    ように所定の位置で除去されるようにパターン形成さ
    れ、 前記上部及び下部基体の表面は、前記厚膜の層を挟み、
    中に各溝が台形形状の開口部から所定の距離を置いた所
    に加熱素子を有するように整合され、組み合わされ、そ
    して接合され、その結果、上部基体にそれを貫通してエ
    ッチングされた凹所が供給用インク貯蔵部として作用
    し、台形形状の開口部が小滴を発射するノズルとして作
    用し、厚膜層と接するV形状溝がそれにより閉鎖され
    て、所定位置に厚膜除去を介して、貯蔵部をノズルに連
    結させる毛管現象で充満したインクチャネルを形成し、
    それによって、V溝チャネルの断面面積に対して断面面
    積を減少された台形形状ノズルが、小滴の速度を増大
    し、その結果小滴の方向性が向上される、 ことを含むインクジェットプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 インクの小滴を発射するノズルと、供給
    用のインクを保持する貯蔵部と、貯蔵部をノズルと連通
    させるために所定の断面領域を有するインクチャネルと
    を有すると共に、該ノズルが前記チャネルの断面面積よ
    り小さな断面面積を有するサーマルインクジェットプリ
    ントヘッドを製造する方法であって、 (a)電気絶縁性の平らな基体表面上に、加熱素子と、
    デジタルデータを表す電気信号のソースと電気的接続を
    行う端子を有するアドレッシング回路との、複数セット
    の等しく離間された線形アレイを形成するステップを有
    し、前記加熱素子が個々に、前記アドレッシング回路に
    よる電気信号でアドレス可能であり、 (b)絶縁性の平らな表面、その上の加熱素子、回路、
    及び回路端子の上に、高分子材料の厚膜層を配するステ
    ップを有し、 (c)各々が加熱素子1つを露呈する複数のピットを形
    成し、加熱素子の各セットに対して少なくとも1つの対
    応する凹所を形成して、インク流路を提供するように、
    厚膜層をパターン形成するステップを有し、 (d)(100)シリコンウェーハの表面において、2
    つの対向する端を有する、複数セットの等しく離間され
    た平行なV形状の溝と、V形状の溝の各セットに対す
    る、開口した底部を有するように貫通してエッチングさ
    れた凹所と、を異方性エッチングするステップを有し、
    貫通してエッチングされた凹所が、V形状の溝の一端に
    隣接し、溝の各々が、所定の長さを有する長尺状の頂部
    と、V形状の溝の閉鎖端に連結する対向する端とを有
    し、 (e)各V形状の溝が、その中に1つの加熱素子を含む
    ように、エッチングされたウェーハを平らな基体と整合
    し且つ接着するステップを有し、 (f)複数のダイシングカットにより、接着されたウェ
    ーハ及び平らな基体を個々のプリントヘッドに分割する
    ステップを有し、前記複数のダイシングカットの1つ
    は、台形形状のノズルが加熱素子を有する平らな基体の
    表面に垂直で、加熱素子から所定の距離離間し、そして
    ダイシングされて部分的に開口することになる閉鎖端に
    連結する頂部端から所定の距離離間されるノズル面に形
    成されるように貫通エッチングされた凹所に隣接する一
    端と向かい合うV形状溝の閉鎖端を通って、ウェーハ及
    び平らな基体をダイシングすることを含み、それによっ
    て、V形状チャネル溝の断面面積より小さい断面面積を
    有する台形形状のノズルが提供される、 ことを含むサーマルインクジェットプリントヘッドの製
    造方法。
JP32446394A 1994-01-03 1994-12-27 インクジェットプリントヘッド及びサーマルインクジェットプリントヘッドの製造方法 Withdrawn JPH07205426A (ja)

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