JPH0720532B2 - 酸素の電気化学的分離法および電気化学的酸素濃縮セル - Google Patents

酸素の電気化学的分離法および電気化学的酸素濃縮セル

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JPH0720532B2
JPH0720532B2 JP63219610A JP21961088A JPH0720532B2 JP H0720532 B2 JPH0720532 B2 JP H0720532B2 JP 63219610 A JP63219610 A JP 63219610A JP 21961088 A JP21961088 A JP 21961088A JP H0720532 B2 JPH0720532 B2 JP H0720532B2
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electrochemical
oxide
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レオナード・ジー・マリアノースキ
ロバート・ジェイ・レミック
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インスティチュート・オブ・ガス・テクノロジー
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    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B1/00Electrolytic production of inorganic compounds or non-metals
    • C25B1/01Products
    • C25B1/02Hydrogen or oxygen

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は2つの電極間に電位を加えると酸素が分離され
る、電極間のマトリックスに保持されている酸素含有溶
融無機塩電解質を用いて空気等の酸素含有ガス混合物か
ら酸素を電気化学的に分離する方法および酸素の電気化
学的濃縮セルに関する。
従来法の説明 比較的純粋な酸素には多くの工業的用途及び医療用途が
ある。酸素を製造する1つの方法は水の電気分解であ
る。電気分解は大量の電気エネルギーを消費すると共
に、更に水素が同時に製造され、安全性及び純度の面で
問題があるという不利な点がある。
1つの広く用いられた酸素の分離法は空気の極低温−液
化及び蒸留を伴うものである。極低温蒸留法は一般にエ
ネルギを大量消費する方法で、約35〜40%以下の総合効
率で作動する。極低温蒸留は一般的に言って非常に大規
模なプラントで運転しなければ経済的に実行できず、ま
た大規模生産は集約生産設備から末端ユーザーに運ぶ輸
送コストも要する。
化学的酸素分離法も開発されており、例えばエア・プロ
ダクツ・アンド・ケミカル社(Air Products and Ch
emicals,Inc.)はモルトックス(Moltox)化学的空気分
離法を市場に出している。この化学的空気分離技術では
極低温法に比較して低エネルギー消費、従って高効率が
達成されると言われている。次の米国特許明細書には基
本的モルトックス化学的空気分離法及びその改良法が記
載されている。すなわち、米国特許第4,132,766号明細
書は、空気を昇温、昇圧下で溶融したアルカリ亜硝酸塩
及び同硝酸塩の溶液の酸素アクセプターと接触させて酸
素を亜硝酸塩と反応させ、それによって溶融塩溶液中で
追加の硝酸塩を形成する、再生式化学的方法による空気
からの酸素の分離を教示している。酸化された溶融塩を
酸素が減少した空気から分離し、そしてその圧力を下
げ、同時にその温度を上げると酸素の放出が起こる。再
生された酸素アクセプターは次に再循環することができ
るし、またこの空気分離法は連続法で運転することがで
きる。吸着段階と脱着段階には別個の反応器が必要であ
る、と言うのはそれらの段階は異なる温度と圧力で行わ
れ、反応器間で溶融塩酸素アクセプターをポンプ給送す
ることが必要だからである。この方法では、特に約530
゜〜930゜という必要温度における腐食が重大な問題で
ある。米国特許第4,340,578号明細書は上記米国特許第
4,132,766号の化学的空気分離法の改良を教示する。こ
の方法において、酸素の吸着は多段向流段階で行われ
る。圧縮エネルギー必要量を減少させるために等温圧縮
と断熱圧縮とが組み合され、そしてその排気が圧縮エネ
ルギーの回収を高めるために燃料、部分的膨張、熱交換
及び膨張の完結の順序で処理される。米国特許第4,287,
170号明細書は前記化学的空気分離法のもう1つの改良
を教示する。この改良法は溶融カルカリ硝酸塩溶液、Sr
O又はPr−Ce酸化物等の酸素アクセプターを使用して空
気を分離することによる酸素と窒素の製造を伴うもの
で、その際残留酸素はMnO等の掃去剤との反応で除去さ
れ、酸素を含まない窒素−アルゴン混合物を生成させ
る。酸素アクセプターと酸素掃去剤は再生、再循環され
る。米国特許第4,526,775号明細書は前記化学的酸素分
離法のもう1つの改良を教示する。この改良法では多段
吸着−脱着サイクルを利用することによって動力必要量
と資本コストを下げ、かつ高圧酸素の回収を高めるよう
にしている。米国特許第4,529,577号明細書は前記化学
的空気分離法の更に他の改良法を教示する。この方法に
おいて、溶融塩アニオン組成物は過酸化物と酸化物と過
酸化ナトリウムに対して約1モル%以下で存在する超酸
化物(superoxides)の混合物を含み、溶融塩溶液の腐
蝕性を低下させている。米国特許第4,565,685号明細書
は前記化学的空気分離法の更に他の改良を教示する。こ
の方法においては、温度変動(temperature swing)吸
収−脱着サイクルが、脱着段階で圧力を上げて高圧酸素
の発生を更に効率的なものにする圧力変動と併用されて
いる。
空気から酸素を分離するその外の化学的方法に米国特許
第1,120,436号明細書に教示される方法がある。この米
国特許第1,120,436号明細書は、空気が無水亜硝酸(N2O
3)等の窒素の低級酸化物と反応して、加熱すると酸素
と低級酸化物に分解する硝酸等の窒素の高級酸化物を形
成する化学的分離法を教示するものである。硫酸が酸素
の分離を助長する媒介物として用いられる。米国特許第
4,089,938号明細書は、酸素を低圧吸着ゾーンにおいて
水酸化ナトリウム又は同カリウムの水溶液中二酸化マン
ガン懸濁液と接触させ、得られる酸素の富化された液体
流を次に高圧発生ゾーンにポンプ給送し、水蒸気を接触
させて吸着酸素を放出させる酸素分離法を教示する。ま
た、欧州特許第98,157号明細書は吸着と脱着過程で必要
な酸素圧を維持するために温度及び/又は圧力変動法を
利用する酸素の分離のための溶剤吸収系を教示する。
電気化学的手段による空気等のガス混合物からの酸素の
分離も提案されている。すなわち、東ドイツ特許第119,
772号明細書は固体の酸化ジルコニウム電解質を含み、1
200゜で運転される高温電解槽を用いる酸素富化空気の
回収を教示する。固体電解質はアノードとカソードの両
側上のLnCoO3(Ln=稀土類)の多孔質層により与えられ
る。米国特許第4,061,534号明細書は、電気化学的に酸
化されると酸素を発生し、かつ化学的酸化反応器に再循
環される還元態を再生する過酸化物を形成する空気の化
学的酸化を開示する。米国特許第4,300,987号明細書
は、生成過酸化物が触媒的に分解される。水性アルカリ
性電解質中での空気から酸素の製造を教示する。米国特
許第3,410,783号明細書は水性電解質を有する電気化学
的セル(electrochemical cell)を使用する空気から
の酸素の分離を教示し、この場合その電解質は酸素の分
離のためにセルのガス導入物に関連した差圧下に保持さ
れたセパレーターに輸送される。米国特許第3,888,749
号明細書は2つのセルを有し、両者間で水性電解質を循
環させることによって外部電流を適用せずに空気から酸
素を電解分離する方法を教示する。ここで、第一のセル
は高酸素分圧を有し、一方第二のセルは低酸素分圧を有
してセル間に起電力(emf)を発生させ、低酸素分圧セ
ル中で電解質から酸素を遊離させるようになっている。
米国特許第4,475,994号明細書は、酸素をカソードにお
いて超酸化物イオンO2 -に還元し、電解質によってアノ
ードに輸送し、そこで酸素に再酸化し、採集するガス混
合物から酸素を分離する電気化学的方法を教示する。こ
の米国特許第4,475,994号明細書に開示される発明の実
施において、高pHの水性電解質、非水性電解質及び固体
ポリマーの電解質が使用できる。ニトリル;ルイス酸;
有機カチオン;クラウン及びクリプタンド等の大分子の
もの及び/又はリカンドを加えると水性電解質中の超酸
化物を安定化することができる。
発明の概要 本発明の1つの目的は酸素含有溶融無機塩電解質の電気
化学的セルで空気等の酸素含有ガス混合物から酸素を分
離する電気化学的方法を提供することである。
本発明のもう1つの目的は溶融したアルカリ金属−硝酸
塩、−炭酸塩、−硫酸塩又は−燐酸塩電解質の電気化学
的セルで空気等の酸素含有ガス混合物から酸素を分離す
る電気化学的方法を提供することである。
本発明の他の目的は高プロセス効率を達成する酸素含有
溶融アルカリ無機塩の電解質を用いて酸素含有ガス混合
物から酸素を分離する電気化学的方法を提供することで
ある。
本発明の更に他の目的は溶融塩の移動を要せず、かつ従
来の化学的吸着−脱着酸素分離法よりも低温で作動す
る。酸素含有溶融無機塩の電気化学的セルを使用して空
気から酸素を分離する方法を提供することである。
本発明によれば、酸素含有溶融無機塩電解質は2つの電
極間の多孔質マトリックスの中に保持される。これら塩
の好ましい酸素含有部分はナイトレート、カーボネー
ト、サルフェート及びホスフェートの部分である。カリ
ウム、ナトリウム、リチウム及びそれらの混合物のアル
カリ金属塩を使用するのが好ましい。これらの塩は一般
に融点が低く、一般に約400℃以下である。適当な電解
質用マトリックスとしてはMgO,Al2O3,LiAlO2及びそれら
の混合物が挙げられる。マトリックスの構造は電解質を
保持する気孔率(porous)40%以上であるのが好まし
い。運転条件下では、活性な電解質は溶融され、細かい
多孔質マトリックス構造の中に毛管現象によって保持さ
れている。本発明で使用される電解質は溶融炭酸塩燃料
電池に関して米国特許第4,079,171号明細書に記載され
る電解質と類似のペースト状電解質である。電極は多孔
質のもので、その1側面で電解質と、他方の側面でガス
室と接触、保持される。適当な触媒電極材料は周期律表
第I B族、第II B族、第III A族、第V B族、第VI B族、
第VII B族及び第VIII族より成る群から選ばれる族に属
する元素から選ばれる触媒から成る。触媒の適当な形と
して金属態、酸化物態又はサーメット態が挙げられる。
好ましい触媒は亜鉛、銀、ニッケル、アルミニウム、
鉄、銅、クロム及びそれらの混合物より成る群から選ば
れる。特に好ましい触媒は銅酸化物である。カソード及
びアノードは同一材料のものでもよいし、あるいは異な
る材料のものでもよい。電極は気−液−固相電気化学的
反応系について高気孔度(porosity)及び大きな触媒表
面積を与えることが望ましい。本発明の方法の電気化学
的反応系は2つの電極を横切って加えられる電位によっ
て駆動される。
本発明の方法は酸素含有ガス混合物、例えば空気を電気
化学的反応の遂行に適当な酸化物、例えばNO2,CO2,SO2
及びP2O5との混合物としてカソード室に供給することに
よって実施される。カソードにおける還元性環境におい
てO2と酸化物とは式I に従って反応して酸素含有イオンを生成させる。酸素含
有イオンは酸素含有溶融無機塩電解質を横断してアノー
ドに輸送され、そこで式II に従って酸化された酸素を生成する。ただし、上記式に
おいて; z=1,2又は3; n=1/2又は1; m=1,2又は3; X=上記電気化学的反応を遂行するために酸化物及び酸
素含有イオンを生成させることができる非金属酸化物形
成性元素、例えばN,C,S及びP; である。流出ガス類はアノードから抜き出され、酸素は
セパレーター、例えばコンデンサーで酸化物から分離さ
れて高純度の酸素ガスを与える。酸素の最終分離段階で
回収される酸化物はカソードに再循環させるのが好まし
い。別の流出ガス類がカソードから抜き出され、濃縮さ
れるが、その際非金属酸化物形成性元素及び未使用酸素
を排出してそれらがこのプロセスのサイクルに蓄積され
ないようにする。本発明の方法は約500゜〜約900℃の温
度、好ましくは約500゜〜約700℃の温度で実施すること
ができる。本発明の方法は、多くの場合、吸着剤の熱再
生を伴う従来の化学的吸着法で必要とされる温度より低
い温度で実施することができ、従って使用エネルギーが
少ない。同様に、本発明の方法は約1〜約100気圧、好
ましくは約1〜約5気圧の圧力で実施することができ、
その際運転と酸素の放出のための差圧に依存する従来法
の圧縮エネルギーは必要とされない。
好ましい態様において、本発明の方法は酸素含有ガス混
合物、例えば空気をカソード室にNO2との混合物の形で
供給することによって行われる。カソードにおける還元
性環境においては、式III NO2+1/2O2+e-→NO3 - に従ってO2とNO2とが反応する。NO3 -イオンは溶融アル
カリ金属硝酸塩電解質を横断してアノードに運ばれ、そ
こでNO3 -は式IV NO3 -→NO2+1/2O2+e- に従って酸化される。アノードから流出ガスが抜き出さ
れ、セパレーター、例えばコンデンサーで酸素がNO2
ら分離されて高純度の酸素ガスを与える。酸素の最終分
離段階で回収されるNO2はカソードに再循環させるのが
好ましい。カソードから別の流出ガスが抜き出される
が、その際N2及び未使用のO2が排出されてそのプロセス
のサイクルにそれらが蓄積されないようになっている。
この好ましい態様の方法は約500゜〜約700℃の温度、好
ましくは約500゜〜約600℃の温度で実施することができ
る。
本発明の以上の及びその他の特徴、局面及び利点は好ま
しい態様についての次の詳細な説明及び本発明による空
気から酸素を分離する電気化学的セルを模式的に示す添
付図面に関して考察すれば更に十分に理解されるだろ
う。
好ましい態様の説明 本発明の方法を図示の模式図としての電気化学的セル10
を参照して以下において説明するけれども、本発明の実
施の際に用いられる電気化学的セル10の部品は電気化学
的セルの設計技術に周知となっている種々の構造、形状
で得られることを理解すべきである。
図示される通り、電気化学的セル10はガス透過性のカソ
ード11とガス透過性のアノード12を含み、それらカソー
ドとアノードは酸素含有溶融無機塩電解質13と接触して
いる。ハウジング14がカソード室15を取り囲み、一方ハ
ウジング14aが反応体と生成物のガスを閉じ込めておく
ためのアノード室16を取り囲んでいる。電子を運ぶため
に外部電気回路30がカソード11とアノード12とに電気的
に接触しており、またその外部回路30は電力供給手段31
を有し、電気化学的反応を駆動するために電極を横断し
て電位を与えるようになっている。
本発明における使用に適したガス透過性のカソード及び
アノードは触媒作用を有する電極であって、周期律表第
I B族,第II B族,第III A族,第V B族,第VI B族,第V
II B族及び第VIII族より成る群から選ばれる族に属する
元素から選ばれる触媒から成る。触媒に適した形に金属
態、酸化物態又はサーメット(cermet)態がある。好ま
しい触媒は亜鉛、銀、ニッケル、アルミニウム、鉄、
銅、クロム及びそれらの混合物より成る群から選ばれる
ものである。特に好ましい触媒は銅酸化物である。本発
明における使用に適した多孔質の触媒電極は常用の焼結
技術で製造することができる。
適当な電解質は酸素含有イオン導通性の酸素含有溶融無
機塩電解質から成る。これら塩の好ましい酸素含有非金
属部分はナイトレート、カーボネート、サルフェート及
びホスフェートであり、そしてカリウム、ナトリウム、
リチウム及びそれらの混合物のアルカリ金属塩を用いる
のが好ましい。1つの好ましい電解質は米国特許第4,07
9,171号明細書に開示されているような、多孔質マトリ
ックス中に保持されている溶融アルカリ硝酸塩から成る
ものである。電解質は米国特許第4,079,171号明細書に
開示されている方法と同様にして製造することができ、
そして溶融アルカリ硝酸塩で満たすことができる。好ま
しいアルカリ金属硝酸塩は硝酸カリウム、硝酸ナトリウ
ム、硝酸リチウム及びそれらの混合物である。
空気等の酸素含有ガスは適当な酸化物、例えば対応する
NO2,CO2,SO2及びP2O5と混合され、カソード室15にカソ
ード室入口手段17を通って導入される。空気−酸化物混
合物、例えば空気−NO2混合物は1〜約30モル%の酸化
物濃度、好ましくは約15〜約20モル%の酸化物濃度を有
するのが適当である。これらのモル%濃度はO2濃度が空
気中のそれと略同じである場合に適当なものであるが、
しかしもっと高い又は低い酸素濃度についてはそれに応
じて調整しなければならない。カソード環境で有意の妨
害反応又は競争反応に関与する成分を含有しないもので
あればいかなる酸素含有ガスでも用いることができる。
反応体ガス−液状電解質−固体触媒カソードの3層界面
で式Iの反応が起こり、酸素含有イオン、例えばNO3 -
溶融炭酸塩燃料電池における炭酸イオンの溶融アルカリ
金属炭酸塩電解質を通しての輸送と同様にしてアルカリ
金属硝酸塩等の酸素含有無機塩の電解質13を通してアノ
ード12に輸送される。排気ガスはカソード室15から抜出
手段19を通して抜き出されるが、そのガスは非金属酸化
物形成性元素及び未使用酸素を分離、排出してそれらが
そのプロセスに蓄積されるのを防ぐためにセパレータ
ー、例えばコンデンサー20を通過させることができる。
主として酸化物、例えばNO2を含有する排気ガスは再循
環手段21で入口手段17に再循環させることができる。
酸素含有非金属イオン、例えばNO3 -イオンは酸素含有溶
融無機塩電解質13を通ってアノード12に矢印で示される
方向に進む。アノード12の触媒表面において、式IIの反
応が起こり、ガス状O2及び酸化物がアノード室16から生
成ガスの出口手段18を通って酸化物、例えばNO2の濃縮
用コンデンサー等のセパレーター手段22にカソード室入
口手段17への再循環のために取り出される。アノード反
応で放出された電子は外部電気回路30を経てカソード11
に送られる。外部電気回路30中の電力供給手段31は起電
力を供給して目的の電気化学的反応を駆動する。添付図
面は単純化された模式図として与えられるもので、当業
者であれば目的の方法の結果を得るためにこの技術分野
に知られる所望のバルブ、ポンプ、ブローワー及びコン
トロール系が使用されることが分かるだろう。
本発明による電気化学的セルは約500゜〜約900℃、好ま
しくは約500゜〜約700℃の温度−この温度は酸素含有無
機塩の融点に依存する−で、かつ約1〜約100気圧、好
ましくは約1〜約5気圧で作動する。
本発明による濃縮用セルの作動に要するエネルギー
(W)はセルの起電力(emf)を克服するのに要する仕
事(WREV)及び抵抗(オーム)と過電圧との損失
(WIRR)を含む。すなわち、 W=WREV+WIRR 式III である。ここで、1モルの酸素の移動について 及び ただし、式中のz,n,m及びXは式I及びIIについて与え
た意味と同じ意味を有する。
ΔV=300mV及びT=923゜Kとと仮定すると、1モルの
O2を移動させるのに要するエネルギーは W=z/nF(emf+ΔV) 式VII となる。従って、 W(CO▲= 3▼)=1.36F,W゜S/モルO2 W(NO▲- 3▼)0.72F,W゜S/モルO2 W(SO▲= 4▼)=0.72F,W゜S/モルO2 与えられこれらの条件下で1モルのO2を移動させるのに
要するエネルギーを示す表を作ることができる。これを
次に与える。
第1表から、より低いz及びより高いnを有する溶融塩
が好ましく、そしてより低い温度はWREV要件を下げ、一
方より高い温度はWIRRを低下させることが分かる。
次の実施例は本発明を具体的に例証するために示すもの
で、本発明の方法を限定するものと考えるべきではな
い。
実施例 図示の電気化学的セルを大気圧で運転し、分圧で示して
次の主組成を有するカソード導入ガスを供給した: O2:0.15気圧 NO2:0.29気圧 N2:0.56気圧。
このガスを触媒カソード表面と接触、通過させた。そこ
では式Iで示されるカソード反応が起きた。カソード室
の排気ガスの主組成は次の通りであった: O2:0.07気圧 NO2:0.13気圧 N2:0.80気圧。
これはカソード表面においてO2=0.011気圧、NO2=0.21
気圧の平均活性ガス組成を与えた。電解質は温度540℃
に維持し、この温度でアルカリ金属硝酸塩は溶融され
た。この電気化学的反応に要する電位は30mVで、電極間
の横断IR降下は50mVで、電極の分極は200mVであった。
すなわち、電極密度160mA/cm2について全電位は280mVで
あった。160mA/cm2において0.280ボルトのセル電圧で電
気化学的セルを運転すると、電力の必要量は230KWH/ト
ン(メートル単位)O2であった。これは従来の化学的O2
分離法と比較して優れていることを示すものである。前
記反応式IIに記載されるアノード反応に基因して、アノ
ード室及び生成ガス出口手段中のガス濃度は一定で、O2
=0.33気圧、NO2=0.67気圧であった。O2に比較してNO2
の融点が高いことに基因して、これら2成分は容易に分
離することができ、非常に純度の高いO2がこのプロセス
から抜き出された。
以上、明細書において本発明についてある種の好ましい
態様に関連させて記載し、かつ例証のために多くの細部
について記述したが、当業者には追加の実施態様も許容
されること、及びここに記載した細部のあるものは本発
明の基本原理から逸脱しない範囲においてかなり変更可
能であることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
図は本発明による、空気から酸素を分離する電気化学的
セルの模式図である。 10……電気化学的セル、11……カソード 12……アノード、13……電解質 15……カソード室、16……アノード室 17……入口手段、18……出口手段 19……排出手段、20……コンデンサー 21……再循環手段、22……セパレーター手段 30……外部電気回路、31……電力供給手段

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】O2及び非金属酸化物から成るガス混合物を
    次のカソード反応 の促進に対して触媒的に活性な多孔質カソードに供給
    し; 生成した酸素含有非金属イオンを酸素含有溶融無機塩電
    解質を通して次のアノード反応 の促進に対して触媒的に活性な多孔質アノードに送り; 生成した該非金属酸化物から生成O2を分離し、分離され
    たO2をこのプロセスから取り出し; 放出されたe-を外部電気回路を通して該カソードに送
    り;そして 該カソードに該電気化学的反応を駆動するのに十分な電
    位を供給する ことを特徴とする酸素含有ガス混合物からの酸素の電気
    化学的分離法:但し、上記反応式において、zは1、2
    又は3であり、nは1/2又は1であり、mは1、2又は
    3であり、そしてXは該電気化学的反応を遂行するため
    に酸化物及び酸素含有イオンを生成させることができる
    非金属酸化物形成性元素である。
  2. 【請求項2】該非金属酸化物をNO2、CO2、SO2及びP2O5
    より成る群から選択する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】該酸素含有無機塩電解質が該非金属酸化物
    に相当するナイトレート、カーボネート、サルフェート
    及びホスフェートより成る群から選ばれる酸素含有部分
    を有している、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】該電解質をMgO、Al2O3、LiAlO2及びそれら
    の混合物より成る群から選ばれる多孔質マトリックスの
    中に保持する、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】該酸素含有ガス混合物が空気から成る、請
    求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】該アノード及びカソードが周期律表第I B
    群、第II B族、第III A族、第V B族、第VI B族、第VII
    B族及び第VIII族より成る群から選ばれる族に属する金
    属、酸化物又はサーメットの形をした元素から選ばれる
    触媒から成る、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】該触媒を亜鉛、銀、ニッケル、アルミニウ
    ム、鉄、銅、クロム及びそれらの混合物より成る群から
    選ぶ、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】該アノード及びカソードの一方が酸化銅か
    ら成る請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】該方法を約500゜〜約900℃の温度で実施す
    る、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】該方法を約500゜〜約700℃の温度で実施
    する、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】該方法を約1〜約100気圧の圧力で実施
    する請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】該方法を約1〜約5気圧の圧力で実施す
    る請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】該ガス混合物が該非金属酸化物を約1〜
    約30モル%濃度で含んでいる、請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】該ガス混合物が非金属酸化物を約15〜約
    20モル%濃度で含んでいる、請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】該カソードから排気ガスを抜き出し、該
    排気ガスから酸化物形成性元素を分離、排出し、そして
    主として酸化物を該ガス混合物に再循環させる追加工程
    を含む、請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】該非金属酸化物をNO2、CO2、SO2及びP2O
    5より成る群から選び、該酸素含有無機塩電解質は該非
    金属酸化物に対応するナイトレート、カーボネート、サ
    ルフェート及びホスフェートより成る群から選ばれる酸
    素含有部分を有するものであり、該アノード及びカソー
    ドの一方は銅酸化物から成り、該方法を約1〜約100気
    圧の圧力で実施し、そして該ガス混合物は該非金属酸化
    物を約15〜約20モル%濃度で含むものである、請求項1
    に記載の方法。
  17. 【請求項17】該ガス混合物がNO2及びO2から成るもの
    であり、該酸素含有溶融無機塩電解質が溶融硝酸アルカ
    リ金属塩電解質であって、該溶融電解質を通して生成NO
    3 -イオンを多孔質アノードに送る、請求項1に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】各々が一方の側面で電解質と、他方の側
    面でガス室と接触している離間配置された多孔質の電極
    から成り、そして該電解質は酸素含有溶融無機塩から成
    ってかつ2つの離間した該多孔質電極間の多孔質マトリ
    ックスの中に保持されていることを特徴とする電気化学
    的酸素濃縮セル。
  19. 【請求項19】該酸素含有無機塩電解質がナイトレー
    ト、カーボネート、サルフェート及びホスフェートより
    成る群から選ばれる酸素含有部分を有するものである、
    請求項18に記載の電気化学的酸素濃縮セル。
  20. 【請求項20】該電解質がカリウム、ナトリウム、リチ
    ウム及びそれらの混合物より成る群から選ばれるアルカ
    リ金属部分を有するものである、請求項19に記載の電気
    化学的酸素濃縮セル。
  21. 【請求項21】該電解質がMgO、Al2O3、LiAlO2及びそれ
    らの混合物より成る群から選ばれる多孔質マトリックス
    に保持されている、請求項18に記載の電気化学的酸素濃
    縮セル。
  22. 【請求項22】該電解質が周期律表第I B族、第II B
    族、第III A族、第V B族、第VI B族、第VII B族及び第V
    III族より成る群から選ばれる族に属する金属、酸化物
    又はサーメットの形をした元素から選ばれる触媒から成
    る、請求項18に記載の電気化学的酸素濃縮セル。
  23. 【請求項23】該触媒が亜鉛、銀、ニッケル、アルミニ
    ウム、鉄、銅、クロム及びそれらの混合物より成る群か
    ら選ばれたものである、請求項18に記載の電気化学的酸
    素濃縮セル。
  24. 【請求項24】電極の一方が銅酸化物から成る、請求項
    18に記載の電気化学的酸素濃縮セル。
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