JPH07197344A - 高強力縫糸 - Google Patents

高強力縫糸

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JPH07197344A
JPH07197344A JP35315093A JP35315093A JPH07197344A JP H07197344 A JPH07197344 A JP H07197344A JP 35315093 A JP35315093 A JP 35315093A JP 35315093 A JP35315093 A JP 35315093A JP H07197344 A JPH07197344 A JP H07197344A
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JP
Japan
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strength
yarn
thread
sewing
synthetic fiber
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JP35315093A
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English (en)
Inventor
Haruhiko Kawamoto
晴彦 川本
Yasuo Kishida
恭雄 岸田
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高張力下での縫製でも糸切れしにくい高いレ
ベルの縫目強力が得られる高強力縫糸を提供する。 【構成】 強度20g/d以上の高強力繊維糸を複数の
合成繊維糸の撚りで被覆するとともに,熱接着性フィラ
メント糸で高強力繊維糸と合成繊維糸を接着した縫糸及
び合成繊維糸が流体攪乱処理により表面に多数のループ
が形成されてなる交絡糸である高強力縫糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,高強力繊維糸が合成繊
維糸とに覆われている縫糸であって,高張力下での縫製
を可能にする縫糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】縫糸は,従来,木綿,絹等の天然繊維を
用いたものが大部分であったが,近年は,ナイロン,ポ
リエステル等で代表される合成繊維のものが主流を占め
るに至っている。
【0003】これらの合成繊維を縫糸に用いるに当た
り,通常,フィラメント糸は撚を施され,特に縫糸全体
をノントルクにするため,下撚後,上撚合撚して撚バラ
ンスさせるとともに,さらに,ヒートセット等でトルク
発現を抑えているものがあり,また,撚糸後,樹脂等で
被覆コーティング処理されているものもある。
【0004】しかし,これらのフィラメント縫糸は強力
面に乏しく,例えば,ミシン等で縫製する際,高速,高
張力下で扱われると,強力面に乏しいことから,糸切断
につながる欠点があり,また,高い縫目強力を必要とす
る縫製に対応するには,縫糸を太くしなければならず,
そのため縫製作業に手間がかかり,縫糸使用量も増すた
め,経済的にも不利であった。
【0005】他方,合成繊維からなるスパンミシン糸
は,縫糸表面に多数の毛羽およびループが存在している
ため,被縫製品によくフィットし,引き抜けの問題は少
ない利点があるものの,強力面はフィラメント縫糸より
も乏しく,また,糸長方向の強度斑等の欠点もある。
【0006】強力面の問題を解決する縫糸用の繊維とし
て高強力繊維糸があり,一般には,アラミド繊維,高配
向ポリエチレン繊維,高配向ポリビニルアルコール繊維
等がある。これらの高強力繊維糸を用いれば,前記の強
力面の問題点を解消できるものの,これらの高強力繊維
糸は,単一な繊維軸方向の剛直な分子構造を有している
ため,伸度がほとんどなく,従って,通常の縫糸のよう
な撚糸や樹脂コーティング等の方法で縫糸に加工する
と,毛羽立ちが起こり,十分な強力が保てず,しかも低
い伸度が災いして繊維間の相互の接着が十分得られな
い。一方,樹脂コーティング等によって繊維間の相互の
接着を得るには,多量の樹脂の含浸を必要とし,その結
果,風合が硬くなり,使用しづらい欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたもので,高張力下での縫製を可能
にする縫糸を提供することを目的とするものであり,ま
た,縫糸の風合も柔らかく,かつ被縫製品によくフィッ
トし,引き抜けの少ない縫糸を提供することを目的とす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわ
ち,本発明は,強度が20g/デニール以上の高強力繊
維糸が複数の合成繊維糸の撚りにより覆われていること
を特徴とする高強力縫糸,及び強度が20g/デニール
以上の高強力繊維糸が複数の合成繊維糸の撚りにより覆
われていると共に該高強力繊維糸と合成繊維糸が熱接着
性フィラメント糸により相互に接着されてなることを特
徴とする高強力縫糸,さらにこれらの縫糸の合成繊維糸
が表面に多数のループが有する交絡糸であること高強力
縫糸を要旨とするものである。
【0009】以下,本発明を詳細に説明する。本発明で
用いる高強力繊維糸とは,強度が20g/デニール以上
の繊維であり,繊維の分子鎖を高度に配向させ,分子鎖
の絡み合いを減少させ,分子鎖末端数を少なくして繊維
化された高配向ポリエチレン繊維,アラミド繊維,高配
向ポリビニルアルコール繊維等である。高強力繊維糸の
強度が20g/デニール未満であると合成繊維糸の強力
値の代替糸として役立たず,高張力下での縫製において
強力が耐えられず,そのために糸切断につながる問題が
ある。
【0010】本発明において高強力繊維糸を撚りで被覆
する合成繊維糸は,ポリアミド,ポリエステル,ポリア
クリロニトリル,ポリプロピレン,ポリエチレン等の熱
可塑性重合体よりなるマルチフィラメント糸である。
【0011】本発明は,高強力繊維糸を合成繊維糸の撚
りで被覆し,高強力繊維糸の強力特性を発揮させると共
に合成繊維糸の撚りで高強力繊維糸を保護するものであ
り,用途により必要な強力が得られる太さの高強力繊維
糸を用いればよく,合成繊維糸の太さ,使用本数,撚数
等は,高強力繊維糸を撚りで被覆できる条件のものを選
定すればよい。また,本発明の縫糸をリング撚糸で得る
場合には,高強力繊維糸が撚糸の真中にくるよう工夫す
るとよい。
【0012】また,高強力繊維糸と合成繊維糸を接着す
る場合に用いる熱接着性フィラメントとは,溶融紡糸に
よりフィラメントが製造できるホットメルト樹脂からな
るものであり,例えば,ポリアミド,ポリビニルブチラ
ール,アクリル樹脂,ポリエステル,ポリエチレン−酢
酸ビニル共重合物,エチレン−アクリル酸エステル共重
合物,ポリウレタン樹脂等が挙げられ,これらは単体で
使用され,あるいはこれらにブチルゴム,ポリイソブチ
レン等のゴム成分または天然樹脂のロジン等を加えて混
合物として使用される。
【0013】上記の熱接着性フィラメント糸の選択は,
合成繊維糸および高強力繊維糸の種類により決めればよ
い。例えば,合成繊維糸がナイロン6やナイロン66よ
りなるポリアミド繊維で,高強力繊維糸がアラミド繊維
の芳香族ポリアミド繊維の場合,ポリアミド共重合樹脂
やポリウレタン樹脂が繊維の親和性が高いことから好ま
しく,また,合成繊維糸がポリエチレン繊維で高強力繊
維糸もポリエチレン繊維の場合,ポリエチレン−酢酸ビ
ニル共重合あるいはエチレン−アクリル酸エステル共重
合樹脂が好ましい。いずれにしても,溶融温度,接着
性,風合,コスト面を考慮して,最適な熱接着性フィラ
メント糸を選択すればよい。
【0014】熱接着性フィラメント糸を用いる場合の使
用比率は,縫糸全体に対して1〜30wt%が好ましく,
より好ましくは3〜20wt%が接着性,風合の点で優れ
ている。使用比率が1wt%未満の場合,合成繊維糸と高
強力繊維糸の接着に寄与するには乏しい量であり,高張
力での縫製で上記合成繊維糸と高強力繊維糸が同時に強
力を発揮できないため,耐えられない欠点がある。一
方,30wt%を越えると,合成繊維糸と高強力繊維糸と
は十分な接着力が得られるものの,風合が硬くなり,使
用しづらい点およびコスト面でも不利であり,好ましく
ない。
【0015】熱接着性フィラメント糸は,80〜140
℃の湿熱溶融温度を有するものが好ましい。湿熱溶融温
度が80℃未満の場合,縫糸を染色する際,精練工程で
すでに接着が起こり,逆に染色時にこれらの樹脂の溶出
が生じ,接着の効果が低下するおそれがある。湿熱溶融
温度が140℃を越えるものである場合,縫糸を構成す
る合成繊維糸等の接着処理時の熱による損傷が大きくな
り,さらに,染色工程中に同時に接着処理するのが難し
くなる。
【0016】本発明において,被縫製品とのフィット性
を向上させるために表面に多数のループを形成させる合
成繊維糸を用いる場合には,空気を流体とした空気加工
機を用い,合成繊維糸をオーバーフィードの状態下で流
体攪乱処理して用いる。流体攪乱処理により形成するル
ープの大きさや数は,厳密にコントロールするのは難し
いが,一般には,合成繊維糸のオーバーフィード率,流
体圧力,加工速度等で決定すればよく,通常そのループ
の大きさは,小さい方が縫糸としての可能性および被縫
製品へのフィット性の点で好ましい。
【0017】次に,本発明の縫糸を得る方法の例につい
て説明する。図1は,本発明の高強力縫糸を製造する際
に用いる撚糸機の機構を示す概略説明図であり,リング
撚糸機を用いて高強力繊維糸を合成繊維糸の撚りで被覆
して本発明の縫糸を得る。図1は,3本の合成繊維糸1
の撚りで高強力繊維糸2を被覆する場合を示していて,
3本の合成繊維糸1を各々ニップローラー3を経て,撚
り込みガイド4の各々のスリット穴4a(図2参照)に
導き,トラベラを介して捲き取りボビン5に撚り合わ
せ,捲き取る。この時供給する合成繊維糸1は,用途の
要求する特性により予め下撚が施されていてもよく,下
撚を施しておく場合には下撚はここでかける撚方向とは
反対にしておく。高強力繊維糸2は,回転式ベアリング
ガイド等の張力付与装置を経て,ニップローラー3を通
さず,直接撚り込みガイド4のスリット穴4b(図2参
照)に通し,その後,前記合成繊維糸1とともに捲き取
りボビン5に捲き取る。高強力繊維糸2の撚り込みガイ
ド4へ送り込む張力を,合成繊維糸1の張力の1/5以
上とするのが好ましい。送り込む張力が1/5未満の場
合,合成繊維糸1同士が撚り合わされる際に,高強力繊
維糸2が蛇行しながら入り,合成繊維糸1,1,1間の
真ん中に配置しにくくなり,そのため縫製時の強力維持
が合成繊維糸相互に均一な力として働かず,糸の切断に
つながることになる。
【0018】また,高強力繊維糸2を合成繊維糸1,
1,1間の真ん中に配置するには,上記の送り込む張力
と図2に示す撚り込みガイド4のスリット穴4a,4b
の配置が大切である。図2の高強力繊維糸2を通すスリ
ット穴4bは,合成繊維糸1を通す各々のスリット穴4
aの中心に位置し,その各々のスリット穴4aは等分割
されているものである。スリット穴4aおよび4bの大
きさは,通過する合成繊維糸1および高強力繊維糸2の
糸の太さにより調整すればよい。このように,高強力繊
維糸2を撚り込みガイド4へ送り込む張力の調整と,こ
の撚り込みガイド4を用いることにより,高強力繊維糸
2を合成繊維糸1,1,1の真ん中に配置することがで
きる。
【0019】図3は,上記の方法で得られる本発明の高
強力縫糸の外観図であり,図4は,本発明の高強力縫糸
の断面図である。図3及び図4より,本発明の高強力縫
糸6が高強力繊維糸2を合成繊維糸1で被覆したもので
あり,高強力繊維糸2が高強力縫糸6の中心に位置して
いることをが分かる。
【0020】図5は,本発明の高強力縫糸において,高
強力繊維糸と合成繊維糸とを接着させるために,熱接着
性フィラメント糸を用いる場合の撚糸の機構を示す概略
説明図であり,図1と同様の設備を用いて熱接着性フィ
ラメント糸7を撚り込みガイド4のスリット穴4bに直
接高強力繊維糸2と共に供給して撚糸する。なお,熱接
着性フィラメント糸を予め高強力繊維糸に通常のカバリ
ング機あるいは合撚機により巻きつけ,あるいは撚り合
わせしておき,これを図1の機構で高強力繊維糸2とし
て供給してもよい。
【0021】熱接着性フィラメント糸7の熱溶融による
高強力繊維糸と合成繊維糸との接着は,染色を必要とす
る場合,通常の高圧チーズ染色機あるいは懸垂型カセ染
機で染色を同時に行うことが可能である。一方,染色を
必要としない場合においても,上記方法でも可能であ
り,また,乾熱融着あるいはスチームセット等で処理す
ることもできる。本発明における高強力縫糸は,撚り合
わされた合成繊維糸1の中心に挿入された高強力繊維糸
2により強力維持を発揮でき,また,合成繊維糸1と高
強力繊維糸2とを熱接着性フィラメント糸7の溶融によ
り接着することにより,より一層強力を維持することが
できる。
【0022】図6は,熱接着性フィラメント糸を用いた
場合の本発明の高強力縫糸の断面図である。本発明にお
いて,被縫製品とのフィット性を向上させるために表面
に多数のループを形成させた合成繊維糸を用いる場合に
は,図1における合成繊維糸1として空気加工機により
流体攪乱処理した合成繊維糸を用いればよく,図7に得
られる本発明の高強力縫糸6の外観を示す。この高強力
縫糸6は,表面に多数のループ8を有したものとなる。
【0023】合成繊維糸3として流体攪乱処理により表
面に多数のループ2を形成した糸条を用いた高強力縫糸
の場合は,撚り合わされた縫糸の表面のループ2形成
(図7参照)により被縫製品の可縫製およびフィット性
に優れ,また,撚り合わされた縫糸の中心に挿入された
高強力繊維糸4の滑りあるいは移動を防止でき,なおか
つ同じように挿入されている熱接着性フィラメント糸5
の溶融接着時に高強力繊維糸4と合成繊維糸3のこのル
ープがブリッジ効果として働き,強固な接着力を得るこ
とができる。
【0024】
【作 用】本発明の高強力縫糸は,高強力繊維糸を合成
繊維糸の撚りで被覆し真ん中に配置しているので,高強
力繊維糸が加工時あるいは縫製時に毛羽立つ問題を防止
でき,高強力繊維糸の強力特性を充分に発揮することが
できる利点がある。また,高強力繊維糸の中で耐光性に
乏しい,例えば,アラミド繊維等は,周囲の合成繊維糸
の覆いにより繊維を保護する利点もある。さらに高強力
繊維糸と合成繊維糸とを熱接着性フィラメント糸により
溶融接着することにより,より一層安定して高強力繊維
糸の強力特性を発揮することができる。
【0025】合成繊維糸としてして表面に多数のループ
を形成させた合成繊維糸を用いた場合には,縫糸の表面
にループを有しているので被縫製品の可縫製およびフィ
ット性に優れ,また,中心に挿入された高強力繊維糸の
滑りあるいは移動を防止でき,なおかつ同じように挿入
されている熱接着性フィラメント糸の溶融接着時にこの
ループがブリッジ効果として働き,高強力繊維糸と合成
繊維糸とが強固に接着することになる。
【0026】
【実施例】以下,本発明を実施例により説明するが,実
施例における試料の性能の測定,評価は,次の方法にて
行った。 (1)熱接着性フィラメント糸の混率(wt%) 縫糸総重量に対する熱接着性フィラメント糸の重量より
算出した。 (2)縫糸強力(kg) 作成した縫糸の縫糸強力を,自記記録式引っ張り試験機
を用いて,試料長25cm,引っ張り速度10cm/min の
条件にて測定した。
【0027】(3)糸切れ張力(g) 1本針本縫上下送りミシンを用いて,幅48.8mm,厚さ
1.15mm,織密度が経172本/吋,緯18.5本/吋の
シートベルトを2本重ね,ミシン回転数3500針/
分,縫目12目合/10cmにて縫製したときの最高糸切
れ張力を株式会社金井工機製チェックマスター張力計に
て測定し,評価した。
【0028】(4)縫目強力(kg) 1本針本縫上下送りミシンを用い,上記第3項のシート
ベルトを幅5cmで2本重ね合わせ,ミシン回転数200
0針/分,縫目6目合/5cmにて縫製し,この縫い合わ
せたシートベルトの縫目強力を,自記記録式引っ張り試
験機を用いて,引っ張り速度10cm/min の条件にて測
定した。
【0029】実施例1 通常のリング撚糸機を用い,強度8.6g/dのナイロ
ン6マルチフィラメント420d/70fをS方向に4
50T/M施撚し,下撚糸条を得た。次に,この下撚糸
条3本を,図1に示すごとく,各々ニップローラー3を
通し,撚り込みガイド4の各々のスリット穴(図2の4
a)に導いた。一方,高強力繊維糸として強度22.4
g/d,切断伸度2.5%のアラミド繊維750d/5
00f(エンカ社製,商品名:トワロン)を,リング撚
糸機に回転式ベアリングガイドを取りつけたガイドよ
り,ニップローラー3を介さず直接撚り込みガイド4の
スリット穴(図2の4b)に導き,上記ナイロン6下撚
糸条3本と一緒にZ方向に350T/Mの上撚を行い,
縫糸用糸条を得た。このときのナイロン6下撚糸条に対
する高強力繊維糸のアラミド繊維の撚り込みガイド7へ
送り込む張力は,1/3とした。
【0030】次いで,この縫糸用糸条を通常のソフトワ
インダーにて染色用チーズに巻密度0.23g/cm3
捲き取り,高温,高圧チーズ染色機SAK−HK1型
(澤村化学機械工業株式会社製)に投入し,下記処方に
て精練し,染色処理を行った。
【0031】〔精練処方〕 サンモールFL 1g/リットル (精練剤,日華化学工業株式会社製) 精練温度 ; 60℃ 精練時間 ; 30分 〔染色処方〕 Suminol Fast Navy Blue R 1.0%o.w.f. (酸性染料,住友化学工業株式会社製) 酢 酸(pH調整剤) 1.5cc/リットル 染色温度 ; 100℃ 染色時間 ; 60分 浴 比 ; 1:5
【0032】次いで,湯洗,水洗後,脱水,乾燥し,通
常のコーンワインダーにて捲き直しを行いつつ,丸菱油
化工業株式会社製メリーAF−715オイルを0.5%
付与して,本発明の高強力縫糸を得た。得られた縫糸の
性能を測定し,その結果を表1に示した。
【0033】実施例2 強度8.6g/dのナイロン6マルチフィラメント42
0d/70fをS方向に450T/M施撚し,下撚糸条
を得た。次に,この下撚糸条3本を,図1に示すごと
く,各々ニップローラー3を通し,撚り込みガイド4の
各々のスリット穴(図2の4a)に導いた。一方,高強
力繊維糸として強度22.4g/d,切断伸度2.5%
のアラミド繊維750d/500f(エンカ社製,商品
名:トワロン)を,リング撚糸機に回転式ベアリングガ
イドを取りつけたガイドより,ニップローラー3を介さ
ず直接撚り込みガイド4のスリット穴(図2の4b)に
導き,また,他方より湿熱溶融温度95℃のポリアミド
共重合樹脂よりなる熱接着性フィラメント糸100d/
12f(ユニチカ株式会社製,商品名:フロールM)を
2本,これもまたニップローラー3を介さず直接撚り込
みイド4のスリット穴(図2の4b)に高強力繊維糸と
引き揃えて導き,上記ナイロン6下撚糸条3本と一緒に
Z方向に350T/Mの上撚を行い,縫糸用糸条を得
た。このときのナイロン6下撚糸条に対する高強力繊維
糸のアラミド繊維と熱接着性フィラメント糸の引き揃え
の撚り込みガイド4へ送り込む張力は,1/3とした。
【0034】次いで,この縫糸用糸条を通常のソフトワ
インダーにて染色用チーズに巻密度0.23g/cm3
捲き取り,高温,高圧チーズ染色機SAK−HK1型
(澤村化学機械工業株式会社製)に投入し,下記処方に
て精練し,染色,融着処理を同時に行った。
【0035】〔精練処方〕 サンモールFL 1g/リットル (精練剤,日華化学工業株式会社製) 精練温度 ; 60℃ 精練時間 ; 30分 〔染色処方〕 Suminol Fast Navy Blue R 1.0%o.w.f. (酸性染料,住友化学工業株式会社製) 酢 酸(pH調整剤) 1.5cc/リットル 染色温度 ; 100℃ 染色時間 ; 60分 浴 比 ; 1:5
【0036】次いで,湯洗,水洗後,脱水,乾燥し,通
常のコーンワインダーにて捲き直しを行いつつ,丸菱油
化工業株式会社製メリーAF−715オイルを0.5%
付与して,本発明の高強力縫糸を得た。得られた縫糸の
性能を測定し,その結果を表1に示した。
【0037】実施例3 実施例1で用いたナイロン6マルチフィラメント420
d/70fを,ヘマジェット311タイプ(ヘバーライ
ン社製,空気加工用ノズル)を搭載した株式会社愛機製
作所製の空気加工機(AT−501EX型)を用いて,
オーバーフィード率7%,空気圧5kg/cm2 ,糸速15
0m/min ,捲き取りオーバーフィード率−3%(すな
わち,ストレッチ率3%)にて流体攪乱処理によるルー
プ加工を行った。得られたループ加工糸の強度は5.9
g/dであった。また,ループの数は,平均10cm当た
り42個で,その大きさは,ループを円と見なして,そ
の直径は平均で0.5mmで,大きなものは1.2mmの直
径であった。
【0038】次に,実施例1と同じように,通常のリン
グ撚糸機で,この加工糸の下撚糸条3本を得た。一方,
前もって日本紡織機械製造株式会社製カバーリング機を
用い,強度22.1g/d,切断伸度2.5%の高強力
繊維糸のアラミド繊維375d/250fの周りに,1
00d/12fの熱接着性フィラメント糸を,糸長比と
してアラミド繊維1に対して上記熱接着性フィラメント
糸を1.3の比率で巻きつけたカバーリング糸を得,実
施例1と同じように,上述ナイロン6マルチフィラメン
トの加工糸の下撚糸条3本は,各々ニップローラー3を
通し,撚り込みガイド4のそれぞれのスリット穴4aに
導き,他方,熱接着性フィラメント糸を巻きつけた高強
力繊維糸を,ニップローラー3を介さず直接撚り込みガ
イド4のスリット穴4bに導き,上記下撚糸条3本と一
緒にZ方向に350T/Mの上撚を行い,縫糸用糸条を
得た。このときのナイロン6下撚糸条に対する上記カバ
ーリング糸の撚り込みガイド4に送り込む張力は,1/
4とした。
【0039】次いで,この縫糸用糸条を実施例2と同じ
条件にてソフトワインダーに捲き取り,精練,染色,融
着処理を行い,湯洗,水洗,脱水,乾燥の工程を経てコ
ーンワインダーにて捲き直し,本発明の高強力縫糸を得
た。このときのソフトワインダーでの巻密度は0.26
g/cm3 で,コーンワインダーでのオイル付与は0.7
%であった。得られた縫糸の性能を測定し,その結果を
表1に示した。
【0040】比較例1 通常のリング撚糸機を用い,強度20.5g/d,切断
伸度4.0%のアラミド繊維250d/170fにS方
向に300T/M施撚し,下撚糸条を得た。次に,この
下撚糸条3本を,図1に示すごとく,各々ニップローラ
ー3を通し,撚り込みガイド4の各々のスリット穴(図
2の4a)に導き,Z方向に200T/Mの上撚を行
い,縫糸用糸条を得た。
【0041】比較例2 実施例1において,高強力繊維糸として強度22.4g
/d,切断伸度2.5%のアラミド繊維750d/50
0f(エンカ社製,商品名:トワロン)に替えて,強度
17.3g/d,切断伸度2.3%のアラミド繊維75
0d/500fを用いる以外は実施例1と同様にして縫
糸を得た。得られた実施例1〜3及び比較例1〜2の縫
糸の特性評価結果を併せて表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1より明らかなように,実施例1〜3の
本発明による高強力縫糸は,高強力繊維糸を合成繊維糸
で被覆することにより,縫糸強力,糸切れ張力,縫目強
力等すべての項目で優れた性能であった。また,熱接着
性フィラメント糸により高強力繊維糸と合成繊維糸を接
着した実施例2〜3の本発明による高強力縫糸は,高強
力繊維糸と合成繊維糸の間のずれがなく,より安定した
特性を示している。合成繊維糸を流体攪乱処理をおこな
った実施例3は,表面に多数のループを有し,風合いが
ソフトで被縫製物とのフィット性もよいものであった。
これに対して,高強力繊維糸のみでなり合成繊維糸で被
覆していない比較例1の縫糸は,縫糸強力は出ている
が,加工中や縫製中にに毛羽立って糸切れ張力や縫目強
力の劣るものであった。また,高強力繊維糸の強度の低
い比較例2は,縫糸強力,糸切れ張力,縫目強力等縫糸
としての特性の劣るものであった。
【0044】
【発明の効果】以上のように,本発明の高強力縫糸は,
高強力繊維糸が合成繊維糸の撚りで被覆されたものであ
り,高速・高張力下での縫製においても良好な縫製性を
得ることができるものである。また,高強力繊維糸と合
成繊維糸を接着した本発明の高強力縫糸は,より安定し
た縫製性を得ることができるものである。さらに,表面
に多数のループを有する本発明の高強力縫糸は,良好な
縫製性を得ることができると共に,被縫製物とのフィッ
ト性に優れていて,より美しい縫い目を形成させること
ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高強力縫糸を製造する際に用いる撚糸
機の機構を示す概略説明図である。
【図2】図1及び図5で示す撚糸機で用いる撚り込みガ
イド4の拡大平面図である。
【図3】本発明の高強力縫糸の一例の外観を示す概略図
である。
【図4】本発明の高強力縫糸の一例の断面を示す概略図
である。
【図5】本発明の高強力縫糸を製造する際に用いる撚糸
機の機構を示す概略説明図である。
【図6】本発明の高強力縫糸の一例の断面を示す概略図
である。
【図7】本発明の合成繊維糸に流体攪乱処理を施した高
強力縫糸の外観を示す概略図である。
【符号の説明】
1 合成繊維糸 2 高強力繊維糸 3 ニップローラー 4 撚り込みガイド 4a,4b スリット穴 5 捲取ボビン 6 高強力縫糸 7 熱接着性フィラメント糸 8 ループ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強度が20g/デニール以上の高強力繊
    維糸が複数の合成繊維糸の撚りにより覆われていること
    を特徴とする高強力縫糸。
  2. 【請求項2】 強度が20g/デニール以上の高強力繊
    維糸が複数の合成繊維糸の撚りにより覆われていると共
    に該高強力繊維糸と合成繊維糸が熱接着性フィラメント
    糸により相互に接着されてなることを特徴とする高強力
    縫糸。
  3. 【請求項3】 合成繊維糸が表面に多数のループが有す
    る交絡糸であることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の高強力縫糸。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2350844A (en) * 1999-06-10 2000-12-13 Scott & Fyfe Ltd A non woven sheet material
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JPWO2017130545A1 (ja) * 2016-01-25 2019-01-17 聡 備酒 強靱糸、耐切創性を備えた編織物及び手袋

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