JPH07191453A - 感光性平版印刷版およびその支持体の製造方法 - Google Patents

感光性平版印刷版およびその支持体の製造方法

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JPH07191453A
JPH07191453A JP34712793A JP34712793A JPH07191453A JP H07191453 A JPH07191453 A JP H07191453A JP 34712793 A JP34712793 A JP 34712793A JP 34712793 A JP34712793 A JP 34712793A JP H07191453 A JPH07191453 A JP H07191453A
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JP
Japan
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plate
photosensitive resin
support
resin layer
treatment
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JP34712793A
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English (en)
Inventor
Yuzo Inukai
祐蔵 犬飼
Masashi Kawakado
政司 川角
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム支持体の感光性樹脂層を設ける
面の一部に意匠を具現化し、該意匠が感光性樹脂層に悪
影響を及ぼすことなく、高意匠性が保たれると共に付加
価値を向上させ得る感光性平版印刷版およびその支持体
の製造方法を提供する。 【構成】 Al板を脱脂及びエッチングによる清浄化処
理を行ったのち、硝酸濃度10g/1,Alイオン濃度
7g/1となるように電解質水溶液2を調製し、電解処
理槽5には、電極6と対向して上記Al板7の表面を配
し、Al板7の表面に意匠の形状が打ち抜かれた絶縁性
材料板からなるマスキング板8を密着させ覆った。ま
た、電極6としてはカーボン板を使用した。さらに、マ
スキング板8に向けてノズル9から電解質水溶液2を供
給した。電極6とアルミニウム板7は電源11に接続さ
れている。このようにして上記Al板7に意匠の電気化
学的粗面化を行った。意匠の粗面化を行った面には、後
に感光性樹脂層を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性平版印刷版およ
びその支持体の製造方法に関し、更に詳しくは、感光性
平版印刷版において、感光性樹脂層の塗設のための粗面
化処理が施される面(表面)の一部を電気化学的に粗面
化することにより、該表面に任意な形状の粗面(例えば
意匠)を具現化する感光性平版印刷版およびその支持体
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感光性平版印刷版は、主に、支持体とし
てのアルミニウム板またはその合金板(これを単にアル
ミニウム板と略称する)と感光性樹脂層からなり、支持
体と感光樹脂層との密着性を良好にし、かつ非画像部に
保水性を与えるため、従来、感光性樹脂層を密着させる
支持体の面の全面を粗面化する、いわゆる、砂目立て処
理がなされている。
【0003】この砂目立て処理法の具体的手段として
は、サンドブラスト、ボールグレイン、ナイロンブラシ
と研磨材/水スラリーによるブラシグレイン、研磨材/
水スラリーを支持体表面に高圧で吹き付けるホーニング
グレインなどによる機械的砂目立て方法、及びアルカリ
または酸あるいはそれらの混合物からなるエッチング剤
で表面を粗面化する化学的砂目立て方法がある。また特
開昭52−58602、特開昭52−152302、特
開昭54−85802、特開昭55−158298、特
開昭58−120531、特開昭60−147394、
特開昭56−28898、特開昭60−190392、
特開平1−5589、特開平1−280590、特開平
1−118489、特開平1−141094、特開平1
−148592、特開平1−178496、特開平1−
188395、特開平1−154797、特開平2−2
35794、特開平3−260100、特開平3−25
3600各号公報等に記載されている電気化学的砂目立
て方法、あるいは、特開昭48−28123号公報、英
国特許第896563号明細書に記載されている正弦波
形の交流電源を用いた電気化学的砂目立て方法、特開昭
52−58602号公報に記載されている特殊な波形を
用いた電気化学的砂目立て方法、さらに、例えば特開昭
54−123204、特開昭54−63902各号公報
に記載されている機械的砂目立て方法と電気化学的砂目
立て方法とを組み合わせた方法、特開昭56−5526
1号公報に記載されている機械的砂目立て方法と鉱酸の
アルミニウム塩の飽和水溶液による化学的砂目立て方法
とを組合わせた方法等も知られている。
【0004】以上のような種々の粗面化処理方法のう
ち、粗面化形状の制御が容易であり、しかも、微細な粗
面が得られ、設備的にシンプルな構造とする方法として
は、電気化学的な粗面化処理があげられる。
【0005】粗面化されたアルミニウム表面は、そのま
までは柔らかく、摩耗し易いので、陽極酸化処理して酸
化皮膜を形成させ、その上に感光性樹脂層が設けられ
る。このようにして処理されたアルミニウム板の表面
は、硬く、そして耐摩耗性に優れ、良好な親水性、保水
性および感光性樹脂層との密着性を示す。
【0006】また、アルミニウム製の建材、ネームプレ
ート等の表面処理方法が、広く一般に知られている。こ
の処理方法の具体的な手段としては、特公昭60−15
717号公報に記載されているスマット除去液中で電解
処理し、アルミニウムの表面に模様を生成させる処理方
法、特公昭60−11118号公報に記載されているア
ルミニウムの粗面化(機械的、化学的あるいは電気化学
的な)加工の後、電解浴中で交流電解を施し、発生する
気泡の作用によって縦縞模様を持つ皮膜を形成させる処
理方法、特公昭61−54120号公報に記載されいる
金属(例えば、アウミニウム)製表札等のプレート表面
に樹脂溶液を文字等の模様形に塗布し乾燥することによ
り保護用皮膜とし、ついで電解浴中で電解研磨した後、
保護用皮膜を除去し文字等の模様を形成する処理方法、
特公平2−3718号公報に記載されているアルミニウ
ムの加工(脱脂、機械および化学的な研磨、ヘアライン
およびサンドブラスト等)処理後、アルマイト処理を施
しさらに乾燥した後、非導電性に優れた印刷インクで印
刷処理を行い、次いでこれを焼付処理手段により乾燥硬
化させ、これらの下地処理面を電着塗装することにより
文字、模様等を形成する処理方法、特開昭59−501
98号公報に記載されている予め粉末状の磁性物質を混
合・分散した模様生成物質(油性染料等)を水浴液面上
に供給した後、電磁石により発生する磁力を模様生成物
質中の磁性物質に作用させることにより、液上の模様生
成物質に一定の模様を現出させ、これを前処理(脱脂洗
浄、エッチング、スマット除去等)後、陽極酸化(着色
を含む事もある)処理が施されたアルミニウム材に付着
させ模様を生成する処理方法等がある。
【0007】さらに、アルミニウム以外の金属の表面処
理方法も、広く一般に知られている。この処理方法の具
体的な手段としては、例えば銅の場合、特公昭60−4
1154号公報に記載されている銅板を前処理(電解皮
膜形成、電気化学的皮膜形成、化学処理、浸漬処理)し
た後、銅板に付着性のあるマーキング材料で文字等をマ
ーキングし、それ以外のところは銅板に対して付着性は
あるがマーキング材料に対しては、付着性のないレジス
ト皮膜を形成して、その後マーキング材料のみを除去し
てその跡にメッキを施した後、レジスト皮膜を除去して
文字等を形成する処理方法があり、ステンレスの場合に
は、特開昭50−56334号公報に記載されているス
クリーン印刷で耐酸インキをステンレス製品の非模様部
分に印刷したあと、エッチングにより模様部分を腐食せ
しめて凹部を形成した後、この凹部の底部を電解研磨
し、凹部以外のところに耐酸性液を塗布した状態にし、
このステンレス製品を陽極に、金、銀、銅等を陰極とし
てメッキ処理を施し、凹部の底部に金、銀、銅等の金属
メッキ層を形成する処理方法、特公昭53−39869
号公報および特公昭56−10999号公報に記載され
ているステンレス・クラッド・アルミニウム板に有色模
様を形成する処理方法、特開平2−307629号公報
に記載されているステンレス鋼板の裏面に機械的な模様
付け(卦書き、模様を持った治具の押し付け、鋭利なナ
イフによる模様の描写、エンボス加工等)を行った後、
発色加工(硫酸−クロム酸溶液中での着色、酸化皮膜の
硬化)を行う処理方法、等がある。
【0008】一方、感光性平版印刷版の感光性樹脂層を
設けない裏面全体も、表面処理が施される場合がある。
この処理方法の具体的な手段としては、特開平3−90
388号公報に記載されているアルカリ金属ケイ酸塩水
溶液で処理する方法、特開昭62−1586号公報に記
載されている粗面化材を分散させた塗料を塗布したり、
ボールグレイン、ホーニンググレイン、ブラッシグレイ
ン等で機械的に処理したり、あるいは粉末を直接的にパ
ウダリングしたりする方法、特開平3−249652号
公報に記載されている樹脂粒子を略ゝ均一に散布し、熱
融着する方法、あるいは特公昭55−237号公報に記
載されている裏面よりエンボスロールを押し当てて全体
にエンボス模様を作る方法、等が知られている。さら
に、感光性平版印刷版においては、その支持体の裏面の
一部に意匠を具現化する方法として、インクジェット方
式、印刷方式等が考案されている。
【0009】しかしながら、これらの方法は、印刷によ
り付着したインクの部分が盛り上がるため、巻き取った
り、積み重ねたりした場合には感光性樹脂層と接着する
と言う欠点のみでなく、現像時には、インクが溶け出す
と言う欠点を有する。さらに、硬化(UVあるいは熱)
型インクを使用して現像時の溶出を防止しようとする
と、その設備費は膨大になると言う欠点を有する。ま
た、意匠を具現化したロールあるいはプレートを感光性
平版印刷版の支持体の裏面と圧着する方法があるが、こ
の方式は、ロールあるいはプレートの意匠部が摩耗する
と言う欠点のみでなく、支持体の圧着された部分が盛り
上がるため感光性樹脂層を設けた時、支持体の平面性を
損ない、塗膜の均一性が得られないと言う欠点を有す
る。
【0010】これらの問題点を解決する方法として、特
願平5−100118号明細書には、感光性平版印刷版
用支持体の感光性樹脂層を設けない面(裏面)を所望の
任意な形状が打ち抜かれた絶縁性材料板で覆い、電解質
水溶液中で該支持体の裏面に絶縁性材料板の打ち抜き面
を通して交流を印加することにより、該支持体の裏面に
所望の任意な形状の粗面化を行う感光性平版印刷版およ
びその支持体の製造方法が、また、特願平5−1938
97号明細書には、円筒状ドラムの表面に所望の任意な
形状が打ち抜かれた絶縁性材料板を設けると共に、該ド
ラムの内部に電極を設け、電解質水溶液を介して該ドラ
ムにラップした該支持体に交流電流を印加する連続的な
処理方法及び装置が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしがら、これらの
方法は、アルミニウム支持体の感光性樹脂層を設けない
面(裏面)の一部に意匠を具現化した感光性平版印刷版
およびその支持体の製造方法に関するものであり、アル
ミニウム支持体の感光性樹脂層を設ける面の1部に意匠
を具現化しるものではない。
【0012】本発明の目的は、アルミニウム支持体の感
光性樹脂層を設ける面の一部に意匠を具現化し、該意匠
が感光性樹脂層に悪影響を及ぼすことなく、しかも現像
処理が終了してもその高意匠性が保たれると共に、付加
価値を向上させる感光性平版印刷版およびその支持体の
製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の上記目
的は、 アルミニウム支持体上に感光性樹脂層を設けた感光
性平版印刷版において、前記感光性樹脂を設ける面に所
望の任意な形状の粗面を有することを特徴とする感光性
平版印刷版。 アルミニウム板を支持体とする感光性平版印刷版用
支持体の製造方法において、該支持体の感光性樹脂層を
設ける面の一部を所望の任意な形状が打ち抜かれた絶縁
性材料板で覆い、電解水溶液中で該支持体に絶縁性材料
板の打ち抜き面を通して電流を印加することにより、該
支持体の感光性樹脂を設ける面に所望の任意な形状の粗
面化を行うことを特徴とする感光性平版印刷版用支持体
の製造方法。 前記支持体の前記感光性樹脂層が設けられる面の上
記粗面化を行った後、該面の全体が、電気化学的に粗面
化されることを特徴とする前記記載の感光性平版印刷
版用支持体の製造方法。により達成される。
【0014】以下、本発明について、詳しく説明する。
本発明に使用されるアルミニウム板としては、JISA
1050材、JISA1100材、JISA3003
材、JISA3103材、JISA5005材等種々の
アルミニウム板を用いることが出来るが、感光性樹脂層
と密着する面(表面)の一部に意匠を具現化するとして
も、該表面が印刷版としての性能に影響を与えるので、
表裏の均一なアルミニウムの場合、その材質選択に関し
ては、一般に感光性樹脂層と密着する面が優先し、表面
の処理(機械的,化学的,電気化学的)方法に応じて最
適なものを選択する必要がある。しかしながら、表面と
裏面が異なる成分からなるアルミニウム板の場合は、こ
の限りではなく、それぞれの面(表面,裏面)の処理方
法に応じた最適なものを選択することが出来る。しかし
ながら、表面と裏面が異なる成分から成るアルミニウム
板の場合は、この限りではなく、それぞれの面(表面、
裏面)の処理方法に応じた最適なものを選択することが
出来る。
【0015】上記アルミニウム板は、感光性樹脂層と密
着する面(表面)は、本発明の意匠を具現化するための
電気化学的粗面化および印刷版としての性能を確保する
ための電気化学的粗面化処理が実施されるのに先だっ
て、必要に応じて表裏面の圧延油を除去するため、また
は、清浄なアルミニウム面を表出させるための前処理や
その表面の表面積を増大させるための機械的砂目立て処
理が行われてもよい。表裏面の圧延油の除去するための
前処理のためには、トリクレン等の有機溶剤、界面活性
剤、あるいはケイ酸ソーダ類等が、また清浄なアルミニ
ウム面を表出させるためには、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等のアルカリエッチング剤が広く用いられて
いる。その表面の表面積を増大させるための機械的砂目
立てのためには、ボールグレイン法、ナイロンブラシ法
等が広く用いられる。
【0016】本発明の電気化学的粗面化に続く印刷版と
しての性能を確保するための電気化学的粗面化では、感
光性樹脂層と密着する面(表面)は必要に応じて実施さ
れるが、意匠を具現化するための本発明の表面処理は、
交流電源波形が用いられ、これには正弦波の三相交流の
他、矩形波、台形波などの交番波形も含まれる。感光性
樹脂層と密着し、印刷版としての性能を確保するための
面(表面)の電気化学的粗面化処理を行う場合には、本
発明の処理が行われる前あるいは行われた後のどちらで
も可能であるが、本発明の処理が行われた後に実施する
のが好ましい。また、前処理および/あるいは機械的砂
目立て処理から始まり印刷版としての性能を確保するた
めの電気化学的粗面化処理と本発明の電気化学的粗面化
処理とをそれぞれ別個に行うことも可能であるが、連続
して行うことが好ましい。
【0017】本発明は、感光性樹脂層を設ける面に意匠
を具現化するための電気化学的粗面化に関するものであ
るから、これ以降は、感光性樹脂層を設ける面を中心に
して説明する。本発明において、支持体の感光性樹脂を
設ける面の一部に所望の任意な形状が打ち抜かれた絶縁
性材料板で覆い、電解質水溶液中で該支持体に絶縁性材
料板の打ち抜き面を通して電流を印加するが、この場合
の絶縁性材料とは、絶縁性あるいは絶縁構造の材料板の
ことを言う。電解質水溶液としては、塩酸,硝酸,ふっ
酸,硼酸,もしくは酒石酸を必須成分として含む酸性水
溶液、あるいはこれらの酸の2種類以上の混合物からな
る酸性水溶液が適当で、塩酸あるいは硝酸を主成分とす
る溶液が好ましい。これらの電解質水溶液としては、従
来より知られているものが使用できる。そしてその濃度
は、約0.5重量%〜5.0重量%の範囲から選ばれる
のが適当である。これらの電解質水溶液には必要に応じ
て、硝酸塩、モノアミン類、ジアミン類、アルデヒド
類、リン酸、クロム酸、ホウ酸、アンモニウム塩、アル
ミニウム塩、炭酸塩、等の腐食抑制剤(または安定剤)
を加えることが出来る。本発明においては、米国特許第
4,087,341号明細書に記載されているように、
硝酸系電解質水溶液中でアルミニウム板に陽極時電気量
(QA)を陰極時電気量(QC)よりも大となるように
交流電流を流す方法や、特公昭61−48596号公報
に開示されているような、アルミニウム板に対する主対
極に接続された回路に補助対極に対する回路を並列に連
結すると共に、主対極におけるアノード電流の流れを制
御するためのダイオードまたはダイオード的作用をなす
機構を補助対極に対する回路に設けた電気化学的粗面化
処理装置を用いる方法などを適用してもよい。アルミニ
ウム板に印加される電圧は、好ましくは約1V〜約50
V、より好ましくは、2V〜30Vで、電流密度は好ま
しくは約3A/dm2 〜約300A/dm2 、より好ま
しくは3A/dm2 〜250A/dm2 であり、電気量
は好ましくは約5C/dm2 〜約500C/dm2 、よ
り好ましくは5C/dm2 〜300C/dm2 の範囲か
ら選ばれる。また、電解質水溶液の温度は好ましくは約
10℃〜70℃、より好ましくは20℃〜60℃であ
る。このようにして電気化学的に粗面化された表面は、
引き続き軽度のエッチング処理が行われる。そして、そ
の表面の粗さ(Ra)は、好ましくは約0.2μm〜
0.7μmより好ましくは0.25μm〜0.5μmが
望ましい。
【0018】しかしながら、普通、感光性樹脂層と密着
する面(表面)は、電気化学的粗面化処理のあとに、エ
ッチング処理が行われる。上記意匠を具現化する表面処
理に引き続き上記のようにエッチング処理が行われる時
は、それぞれ別個に行うことも可能であるが、同時に行
われるのが好ましい。エッチング処理は、酸またはアル
カリの水溶液によりアルミニウム板表面を溶解させるも
のである。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、
硝酸、塩酸、などが含まれ、アルカリとしては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、第三燐酸ナトリウム、第
三燐酸カリウム、アルミン酸ナトリウム、珪酸ナトリウ
ム、炭酸ナトリウムなどが含まれる。これらの内でも特
に後者の水溶液を使用する方がエッチング速度が速いの
で好ましい。意匠を具現化するための電気化学的処理に
続くエッチング処理、デスマット処理は、印刷版の性能
によっては省略され、次の感光性樹脂層を設けるための
電気化学的処理へと連続して行われることがある。この
デスマット処理は、生成したスマットを除去し、感光性
樹脂層を設けるために引き続いて行われる電気化学的処
理における砂目立ての均一性を確保するためのものであ
る。次に、感光性樹脂層と密着し印刷版としての性能を
確保するための電気化学的処理が全面に施され、続いて
エッチング処理、生成したスマットを除去するデスマッ
ト処理が行われるが、これら処理方法の詳細については
前述しているので、省略する。
【0019】以上のように処理されたアルミニウム板表
面は、前述のようにそのままでは柔らかく、摩耗しやす
いので、その強度を向上させるために陽極酸化皮膜を形
成させることが望ましい。陽極酸化処理は、従来より周
知の方法に従って行うことができる。例えば、硫酸、燐
酸、しゅう酸、クロム酸、アミドスルホン酸またはこれ
らの二種以上の混合物、あるいはこれらにアルミニウム
イオンを含有する水溶液あるいは非水溶液などを電解質
水溶液とし、主として直流を用いて陽極酸化処理する
が、交流またはこれらの電流の組合わせを使用すること
もできる。電解質濃度は1重量%〜80重量%、温度は
5℃〜70℃の範囲、陽極酸化皮膜量は0.1g/m2
〜4.0g/m2 の範囲が好ましい。
【0020】このようにして得られた感光性平版印刷版
用支持体の表面に必要な表面処理(例えば親水化処理)
を施し、さらに従来より知られている感光性樹脂層を設
けて、その裏面に意匠を具現化した感光性平版印刷版を
得ることが出来る。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて、より詳細に
説明する。なお、実施例中の「%」は、特に指定のない
限り、「重量%」を示すものとする。 (実施例−1)厚さ0.24mmのアルミニウム板(2
40mm×120mm,JISA1050材)を10%
水酸化ナトリウム水溶液中に、50℃で20秒間浸漬し
て、脱脂及びエッチングによる清浄化処理を行ったの
ち、水洗し、次いで、25%硫酸水溶液で30秒間中和
処理し、水洗した。次に、硝酸濃度10g/1,アルミ
ニウムイオン濃度7g/1となるように電解質水溶液2
を調製し、図1に示すような電解処理装置1のストック
タンク3に投入し、温度55℃でポンプ4を介して電解
処理槽5に送液した。電解処理槽5には、電極6と対向
して上記アルミニウム板7を浸し電解質水溶液中で15
mmの間隔を置いて相対するように配置した。この時、
アルミニウム板7の裏面に図2に示すような任意の形状
が打ち抜かれた絶縁性材料板からなる厚さ1mmのマス
キング板8(260mm×140mm)を密着させ覆っ
た。また、電極6としては、厚さ50mm(240mm
×120mm)のカーボン板を使用した。さらに、マス
キング板8に向けて吹出しノズル9から流速50m/分
で電解質水溶液2を供給した。電極6とアルミニウム板
7は、ケーブル10で電源11に接続されている。この
ような状態で、電源11から周波数60Hz,電流密度
20A/dm2 の正弦波形交流を3秒間供給し、上記ア
ルミニウム板7の電気化学的粗面化を行い、上記アルミ
ニウム板7を取り外し、温度60℃の濃度25%硫酸水
溶液中で40秒浸漬してデスマットを行い、水洗した。
次に、マスキング板8を取り外し、上記の電気化学的処
理が施されたアルミニウム板7を上記処理面が電解され
るようにセットし、電源11から上記処理面に周波数6
0Hz,電流密度25A/dm2 の台形波形交流を6.
2秒間供給し、上記アルミニウム板7の全面に電気化学
的粗面化を施した。その後、粗面化された上記アルミニ
ウム板7を水洗し、温度60℃の濃度25%硫酸水溶液
中で40秒間浸漬処理(デスマット処理)した後、濃度
15%硫酸水溶液にて、酸化被膜量が2g/m2 になる
よう陽極酸化処理した。 最後に水洗、乾燥して、感光
性樹脂層を設ける表面の一部に電気化学的粗面化により
任意の意匠を具現化した感光性平版印刷版用支持体を得
た。このようにして感光性平版印刷版用支持体の感光性
樹脂層を設けた表面に具現化された意匠は、その存在が
認識出来るものとなった。そしてその部分の粗面化程度
は、Ra=0.30μm〜0.35μmであり、意匠の
ない部分とほぼ同等であった。
【0022】(実施例−2)実施例1における正弦波形
交流の供給時間を5秒とした以外は、実施例1と同様の
処理を行った。その結果、具現化された意匠の部分は実
施例−1と比較して少し目立つようになり、その部分の
粗面化程度はRa=0.35μm〜0.40μmであっ
た。
【0023】(実施例−3)実施例−1における電解質
水溶液2を塩酸濃度11.5g/1,アルミニウムイオ
ン濃度4.5g/1とした以外は、実施例−1と同様の
処理を行った。その結果、具現化された意匠の部分は実
施例−1と同様であった。
【0024】(比較例−1)実施例−1における正弦波
形交流の供給時間を1秒とした以外は、実施例−1と同
様の処理を行った。その結果、具現化された意匠の部分
は、実施例−1と比較すると、意匠の認識がかなり困難
となったが、その部分の粗面化程度は、Ra=0.30
μm〜0.35μmであり、意匠のない部分とほぼ同等
であった。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法により得られる支持体を用
いた感光性平版印刷版は、その支持体の感光性樹脂層が
設けられる面の一部に具現化された所望の任意な形状の
粗面が、感光性樹脂層に悪影響を及ぼすことなく、しか
も現像処理が終了してもその高意匠性が保たれると共に
付加価値を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光性平版印刷版用支持体の製造方法
の電気化学的粗面化処理方法の一実施例の電解処理装置
の概略側面図
【図2】本発明の感光性平版印刷版用支持体の製造方法
の電気化学的粗面化処理方法に用いられるマスキング板
の一実施例の斜視図
【符号の説明】
1 電解処理装置 2 電解質水溶液 3 ストックタンク 4 ポンプ 5 電解処理槽 6 電極 7 アルミニウム板 8 マスキング板 9 ノズル 10 ケーブル 11 電源 12 電解液排出口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム支持体上に感光性樹脂層を
    設けた感光性平版印刷版において、前記感光性樹脂を設
    ける面に所望の任意な形状の粗面を有することを特徴と
    する感光性平版印刷版。
  2. 【請求項2】 アルミニウム板を支持体とする感光性平
    版印刷版用支持体の製造方法において、該支持体の感光
    性樹脂層を設ける面の一部を所望の任意な形状が打ち抜
    かれた絶縁性材料板で覆い、電解水溶液中で該支持体に
    絶縁性材料板の打ち抜き面を通して電流を印加すること
    により、該支持体の感光性樹脂を設ける面に所望の任意
    な形状の粗面化を行うことを特徴とする感光性平版印刷
    版用支持体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記支持体の前記感光性樹脂層を設けら
    れる面の上記粗面化を行った後、該面の全体が、電気化
    学的に粗面化されることを特徴とする請求項2記載の感
    光性平版印刷版用支持体の製造方法。
JP34712793A 1993-12-27 1993-12-27 感光性平版印刷版およびその支持体の製造方法 Pending JPH07191453A (ja)

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