JPH07191352A - 光導波路型デバイス - Google Patents

光導波路型デバイス

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JPH07191352A
JPH07191352A JP33288493A JP33288493A JPH07191352A JP H07191352 A JPH07191352 A JP H07191352A JP 33288493 A JP33288493 A JP 33288493A JP 33288493 A JP33288493 A JP 33288493A JP H07191352 A JPH07191352 A JP H07191352A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な電極構造で、光導波路と電極との位置
合わせに従来ほどの精密さを必要とせず、低電圧で効果
的な制御が可能な、光スイッチや光変調器などの光導波
路型デバイスを提供すること。また、DCドリフトを抑
制すること。 【構成】 電気光学結晶からなる基板aに複数の光導波
路が形成されてなる光導波路型デバイスであって、例え
ば2つの光導波路1,2は基板の結合領域内において導
波エネルギーを互いにやりとりする1対の光導波路グル
ープを形成し、かつ、光導波路の電気光学軸sは該1対
の光導波路グループ間で互いに逆方向となるように形成
され、平行で一様な電界Eが結合領域内の光導波路1,
2に同様に作用するよう正負の電極4,5が結合領域を
電極間に包含して配設される構成としてなる光導波路型
デバイス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光のスイッチング・分
配・干渉・変調・分岐・進路変更などの機能を有する光
導波路型デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】光導波路型デバイスは、光信号や導波エ
ネルギーを扱う素子であり、素子内の光導波路に入力さ
れた光線に対して制御電界を作用させ、複数の導波路間
でスイッチングや変調などの操作を行うものである。こ
の導波路間での導波エネルギーの授受や干渉の原理及び
操作を以下に概略的に述べる。
【0003】近接する2つの光導波路間では、両光導波
路を形成する物質の各々の伝搬定数が互いに同じ値や異
なる値となる様に変化するとき、光導波路に沿った結合
長と呼ばれる特定の距離において、一方の光導波路と他
方の光導波路との間で、導波エネルギーの移動や干渉が
生じる。この伝搬定数の値は、主に光導波路を形成する
物質の屈折率によって決定されるものである。一方、ポ
ッケルス効果やカー効果等の電気光学効果、または非線
形光学効果を示す結晶が知られている。このような結晶
は、該結晶の結晶軸のうち、特定の結晶軸に対して電界
を作用させると、その電界の方向と強さに応じて屈折率
が変化する性質を有する。即ち、外部から電界を作用さ
せることによって伝搬定数の値をコントロールできるの
である。従って、上記のような結晶を用いて基板を形成
し、該基板上に2つの光導波路を近接して形成すれば、
外部から電界を作用させて光導波路の伝搬定数を互いに
同じ値や異なる値になるよう操作することによって、光
導波路間のエネルギーの移動量や干渉の程度が制御でき
る。
【0004】本明細書においては、上記のような電気光
学効果を示す性質を有する結晶を「電気光学結晶」とい
い、該電気光学結晶の結晶軸のうち電界を作用させるべ
き特定の結晶軸を「電気光学軸」といい、該電気光学軸
が所定の方向となる様に形成された電気光学結晶からな
る基板を「結晶基板」という。また、光導波路間で導波
エネルギーの移動や干渉が行われるのに必要な空間であ
って、制御電界を作用させる対象となる領域を「導波エ
ネルギー結合領域(以下、単に「結合領域」)という。
結合領域内には、制御対象となる光導波路が幅方向・深
さ方向共に含まれる。また、長手方向としては、光導波
路間で導波エネルギーの移動や干渉が行われるために必
要な特定の距離、例えば、方向性結合における結合長な
どが含まれる。さらに、光導波路間における導波エネル
ギーの一部又は全部の移動、干渉、分岐、方向変換など
を、「導波エネルギーの互いのやりとり」という。
【0005】上記のような電気光学効果を利用した従来
の光導波路型デバイスの構造とその問題点を以下に説明
する。ここでは、結晶基板をLi Nb O3 結晶からなる
ものとし、その表層に2つの光導波路を近接して平行に
形成した方向性結合型光スイッチを例として説明する。
Li Nb O3 結晶は、光導波路型デバイスに有用な電気
光学結晶の1つとして知られている強誘電体であり、そ
の光学軸である「Z軸」が、上述の電気光学結晶におけ
る「電気光学軸」に相当する。本例の結晶基板は、Li
Nb O3 結晶のZ軸に垂直な面(Z面)が基板の表裏面
となるように形成された基板(以下、「Z板Li Nb O
3 」という。)である。
【0006】図6は、従来の光導波路型デバイスの結合
領域における光導波路に垂直な断面を模式的に示す図で
ある。同図において、aはZ板Li Nb O3 であり、そ
の表層に不純物拡散法などによって平行な光導波路1,
2が形成され、電極4,5による制御用の電界E1をこ
れらに対して各々逆方向に作用させることによって、両
光導波路1,2の伝搬定数を互いに異なる値に操作する
構成となっている。ただし、図中、sがZ軸を表現し、
矢印の示す方向がZ軸の正方向である。また、電極によ
る導波光の吸収を軽減するために、SiO2 膜などのバ
ッファ層3が保護膜として設けられる。上記構成におい
て、制御用の電界E1を光導波路1,2に対して各々逆
方向に作用させるためには、正負の平板電極4,5を基
板の同一面上に同一方向に向かって形成し、正の電極4
から負の電極5に向かう湾曲した電界E1を発生させて
いる。即ち、この構成によって電界E1は、光導波路1
のZ軸に対しては+Z方向、光導波路2のZ軸に対して
は−Z方向というように、各々の光導波路のZ軸に対し
ては近似的に逆方向に作用することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのような従
来の構成では、先ず、各々の光導波路のZ軸方向に対す
る電界E1の作用方向は、あくまで近似的に逆方向であ
って、完全な逆方向に比べて電界作用のロスが大きい。
また、両光導波路に電界を最も効果的に作用させるため
には、各光導波路に電界E1の密な部分が集中するよう
に、光導波路の各中心付近の最適位置の上に電極4,5
の各エッジ部分を一致させるなど精密な位置合わせが必
要となる。微細な光導波路に対するこのような高精度な
位置合わせは極めて困難であり、生産性向上の障害とな
っている。さらに、正負の両電極4,5が結晶基板aの
同一面上に並んで形成される構成であるために、両電極
4,5の間に存在するバッファ層3内及び結晶基板a内
での電荷移動により動作電圧が変動する現象(DCドリ
フト)が生じ、実用上大きな問題となっている。
【0008】本発明の目的は上記問題を解消し、簡単な
電極構造で、光導波路と電極との位置合わせに従来のよ
うな精密さを必要とせず、低電圧で効果的な導波エネル
ギーの制御が可能な、光スイッチや光変調器などの光導
波路型デバイスを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、導波エネル
ギーをやりとりする関係にある光導波路の各々の電気光
学軸を、互いに逆方向の関係となるよう形成することに
よって、対向する平行な平板電極間に形成されるような
直線的で一様な平行電界を、全ての光導波路に同様に作
用させるだけで、導波エネルギーのやりとりを効果的に
制御できることを見出し本発明を完成した。即ち、本発
明の光導波路型デバイスは、結晶基板に複数の光導波路
が形成されてなる光導波路型デバイスであって、該複数
の光導波路は結晶基板の結合領域内において導波エネル
ギーを互いにやりとりする1対の光導波路グループを形
成し、かつ、一方の光導波路グループに属する光導波路
の上記特定の結晶軸と他方の光導波路グループに属する
光導波路の上記特定の結晶軸とは互いに逆方向となるよ
うに形成され、平行で一様な電界が結合領域内の全ての
光導波路に同様に作用するよう正負の電極が結合領域を
該電極間に含んで配設される構成としてなるものであ
る。
【0010】
【作用】2つの光導波路の電気光学軸の方向を、互いに
逆方向となるように形成することによって、簡単な構造
の対向電極間に生じる直線的で一様な電界を、これらの
光導波路に同様に作用させるだけで、電気光学軸の方向
が等しい2つの光導波路に各々逆方向の電界が作用す
る。
【0011】本発明が対象とする結晶基板上の光導波路
の数は複数である。光導波路が機械的に分離されない一
体的な状態であっても、電気光学効果等によって光導波
路内に光線が偏在し複数の光導波路が集合しているかの
ような場合は、これを複数の光導波路という。例えば、
Y字分岐における分岐前の部分や、X字交差における交
差部分などは、光導波路が一体となっていても2つの光
導波路である。また、光導波路の入口と出口が各々1つ
であっても、制御の対象となる領域において複数に分岐
するものであるならば、これも複数の光導波路である。
【0012】導波エネルギーのやりとりは光導波路間で
行われるが、本発明が制御の対象とする導波エネルギー
のやりとりは、光導波路がどれほど多数形成されても、
1対の光導波路グループのいずれかに属するものとし、
この1対の光導波路グループ間で導波エネルギーが互い
にやりとりされるものとして考える。例えば、光導波路
が5本の場合は、1対4,2対3などの比をもって1対
の光導波路グループに別れ、該グループ間で導波エネル
ギーをやりとりするように制御する。また、結晶基板が
十分に広い場合や特殊な効果を得る目的で、結合領域内
に1対の光導波路グループを複数組形成させてもよい。
以下、便宜上、2つの光導波路について説明する。
【0013】反転すべき光導波路の電気光学軸の方向
は、光導波路が2つの場合は互いに逆方向であるが、光
導波路が3つ以上の場合は、上記のように光導波路が属
する同じ光導波路グループ内では全て同一方向であり、
2つのグループ間で逆方向となるように形成される。換
言すれば、複数の光導波路が1対の光導波路グループの
どちらに属するかは、電気光学軸の方向によって知るこ
とができる。
【0014】正負の電極は、平行で一様な電界を作用さ
せ得るものであればどの様なものであってもよいが、特
に平板状の電極が好ましく、これらを平行に対向して配
設することによって、平行で一様な電界が電極間に容易
に形成される。正負の電極の面積は、導波路内を伝搬す
る光の電磁界と制御電界とのオーバラップが最も大きく
なるように該電極面積を設定することが好ましい。正負
の電極の配設位置は、電極間に結合領域を有し、結合領
域内の全ての光導波路に対して、平行で一様な電界が同
様に作用しうる位置に配設する。正負の電極の配設方向
は、 (1) 結晶基板の基板面拡張方向。 (2) 結晶基板の基板面に垂直な方向。 (3) 結晶基板の基板面に対して任意の角度をなす方向
(特殊な結晶軸や特殊な効果を目的とする場合)。 等が例示され、この方向に正負の電極が対向して配設さ
れる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづき、より具体
的に説明する。本実施例では、本発明による光導波路型
デバイスの一例として、Z板Li NbO3 結晶基板の表
層に2つの光導波路を形成し、導波エネルギーの種々の
やりとりを制御する構成を示す。図1は、本発明による
光導波路型デバイスの結合領域における光導波路に垂直
な断面を模式的に示す図である。同図に示すように、Z
板Li Nb O3 からなる結晶基板aの表層に光導波路
1,2が形成され、その上にバッファ層3が一種の保護
層として形成され、両光導波路を形成する結晶のZ軸方
向は互いに逆方向となるように形成され、平行で一様な
電界Eが結合領域全体に対して基板面に垂直方向に作用
するように、対向する平行で平板な正負の電極4,5が
結晶基板aの表裏に配設される構成となっている。ま
た、同図の例では、矢印sが電気光学軸であるZ軸を意
味し、該矢印の示す方向がZ軸の正方向である。このよ
うな構成によって、対向する平板電極4,5間に形成さ
れる直線的で一様な平行電界Eを作用させるだけで、両
光導波路1,2のZ軸に対しては、各々逆方向に作用す
ることになる。
【0016】上記結晶基板に用いられる材料としては、
外部からの電圧,電界の作用によって屈折率が変化する
材料であればどのようなものであってもよく、Li Nb
3の他に、Li Ta O3 ,KTi OPO4 等の無機光
学材料や、ポールドポリマ等の有機光学材料などが例示
される。特に、Li Nb O3 やLi Ta O3 などの強誘
電体は、著しい電気光学効果を示すものであって、本発
明の光導波路型デバイスに有用な基板材料である。結晶
基板の形成方法は、気相・液相のエピタキシャル成長法
など、材料に最も適した公知の結晶成長法を用いればよ
い。
【0017】結晶基板に光導波路を形成する方法は公知
の方法でよい。例えば、結晶基板に対してTi等を拡散
する方法(不純物拡散法)やイオン交換法等による結晶
基板中の所定部分の屈折率を任意に変更して光導波路と
する方法や、光導波路とする部分だけに異なる成分組成
の結晶を成長させる方法などが挙げられる。
【0018】結晶基板に形成される光導波路の態様とし
ては、上記例のように複数の光導波路が基板の同一面に
並ぶような態様の他、光導波路が層状に重なって形成さ
れ、異なる層間で導波エネルギーをやりとりする態様、
さらに、これら複合された態様などが挙げられる。これ
らの態様の中で特に、2つの光導波路が同一面上に並ぶ
ような場合の種々の導波路パターンを図3(a)〜
(d)に示す。同図において、一点鎖線で囲まれた領域
fが結合領域であり、電気光学軸が互いに逆方向である
ことをハッチングで区別することによって示している。
図3(a)は方向性結合器の例であり、光導波路1,2
の間で導波エネルギーのスイッチングや分配等の機能を
有する。図3(b)は干渉器の例であり、光導波路1,
2の間で波動の干渉を生じさせ、フィルター等の機能を
有する。これら図3(a)(b)では、両光導波路が平
行の場合を示しているが、意図的にある角度を設ける場
合もある。図3(c)は分岐の例、図3(d)は交差の
例であり、どちらも導波エネルギーの方向変換や分配等
の機能を有する。
【0019】電気光学軸は、電気光学結晶ごとに固有の
性質を有するものであり、上述のように、電気光学軸に
作用する電界の方向と強さに応じて、結晶の屈折率は種
々の変化を示す。上記電気光学材料が有する種々の電気
光学軸の中でも、Li Nb O3 やLi Ta O3 などの強
誘電体におけるZ軸は最も有用な電気光学軸の例であ
る。この場合のZ軸は屈折率楕円体の主軸に相当し、外
部から作用させる電界に対して最大の電気光学効果を与
え、また、結晶の分極方向と一致するものである。この
ような電気光学軸を有する結晶としては、他にKTiO
PO4 などが例示される。
【0020】電気光学軸を反転する範囲は、結合領域に
おいて少なくとも一方の光導波路を含む範囲であればよ
いが、制御電界を全体に作用させたときに、周囲の結晶
からの導波エネルギーのやりとりを阻害するような悪影
響を抑制するため、該光導波路周囲の結晶も光導波路と
同じ方向となるよう反転することが好ましい。例えば、
図1のように、電気光学軸sが結晶基板に垂直である場
合、光導波路2側の電気光学軸を反転するのであれば、
幅方向には光導波路2を適度に包含し、深さ方向には基
板の表から裏まで全て反転するのが最も好ましい。
【0021】結晶基板面に対する電気光学軸の方向と光
導波路の方向とは、結晶の種類によって種々の組み合わ
せが可能である。図4は、結晶基板の電気光学軸方向
と、光導波路の態様との組み合わせを示す図である。図
中、矢印で示す方向が電気光学軸の正の方向である。図
4(a)は、図1と同じ構成であって、電気光学軸が結
晶基板面に垂直の場合である。図4(b)は、電気光学
軸が結晶基板の平面拡張方向と同じ場合であって、か
つ、光導波路の伝送方向に対して垂直方向の場合であ
る。図4(c)は、電気光学軸が結晶基板の平面拡張方
向と同じ場合であって、かつ、光導波路の伝送方向と同
じ場合である。これらは、光導波路が結晶基板の同一面
に形成される場合の例であるが、光導波路が層状に形成
される場合であっても、電気光学軸方向と光導波路との
関係は同様である。
【0022】電気光学軸の方向を互いに逆方向にする方
法としては、以下の様に種々の方法が例示されるが、上
記Li Nb O3 やLi Ta O3 等のような強誘電体を用
いた結晶基板においては、2つの光導波路のうちの一方
の光導波路の結晶構造を分極反転構造とする方法が有用
である。強誘電体結晶における分極反転構造とは、強誘
電体結晶が有する自発分極の方向を外部から電界,熱,
圧力などの力を作用させ、反転させた構造である。例え
ば、Z板Li Nb O3 結晶のZ軸に関する分極反転構造
は、+Z面側に電極を設け基板の−Z面から適当な条件
下で電子ビーム照射を行うことによって得られる。また
この場合、基板表層だけでなく基板の裏面までを貫く深
い反転構造の形成が可能である。他の分極反転方法とし
ては、Li Nb O3 結晶基板にTi イオンを拡散させて
加熱処理する方法、基板の表・裏面に電極を配置し、高
圧電源などにより電界を与える方法、Si O2 膜を装荷
し熱処理する方法等が例示される。また、上記強誘電体
だけでなく、本発明に有用な全ての結晶基板の電気光学
軸を互いに反転する方法として、先ず結晶基板を機械的
に分割し、電気光学軸の方向が基板に垂直であるならば
他方の表裏を反転し、また、電気光学軸の方向が基板面
の拡張方向であるならば他方の軸方向を180度回転し
て再度接合する方法などが例示される。以上の例におい
て、光導波路の形成は、電気光学軸の反転に対して先ま
たは後のどちらに行なってもよい。
【0023】電極の配設位置は、平行で一様な電界が結
合領域内の全ての光導波路に同様に作用するように、結
晶基板の基板面拡張方向、基板面に垂直な方向、又はこ
れらの中間的な方向等に対向して配設される。図5は、
光導波路の形成方向と電極の配設方向との組み合わせ例
を示す模式図である。図5(a)は、同一基板面に形成
される2つの光導波路に対して、電極が基板面に垂直な
方向、即ち、基板の表裏に配置される例である。図5
(b)は、電極が結晶基板の基板面拡張方向、即ち、基
板の任意の両端縁に配置される例である。
【0024】正負の電極の面積は、前記したように、導
波路内を伝搬する光の電磁界と制御電界とのオーバラッ
プが最も大きくなるように該電極面積を設定することが
好ましい。しかし実使用上においては、無限大に広がる
光の電磁界全体のうち、光導波路の中心軸付近の特定の
領域内に光の電磁界の有効な部分が集中していると考
え、この部分の結晶基板に対してのみ電界を集中的に作
用させることが効果的な場合がある。図2は、このよう
な光導波路の中心軸付近の特定の部分に対して電界を集
中させる電極の構造例を模式的に示す図である。同図は
図1と同様、光導波路型デバイスの結合領域における光
導波路に垂直な断面を示したものであり、電極構造以外
は全て同様である。同図に示すように、光導波路1上に
は電極4a、光導波路2上には電極4b(本例ではこれ
らは正極)が設けられ、これらの電極4a,4bに各々
対応するように異極の電極5a,5bが基板裏面に配設
される構成となっている。上記電極の構成によって、少
ない電力で最も効果的に導波エネルギーを制御しうるデ
バイス構造の1つとなり得る。
【0025】上記、図5に示す光導波路の形成方向と電
極の配設方向との組み合わせに対して、さらに光導波路
が層状に形成される場合を加えて、これら各々に対し
て、図4(a)〜(c)に示す電気光学軸方向の組み合
わせが存在する。さらには、特殊な効果を目的として、
これらの組み合わせの複合、中間的な角度,構造が存在
する。これら組み合わせの決定には、電気光学結晶及び
電気光学軸の性質、素子に求められる形状,機能などが
参照される。
【0026】〔性能比較実験〕本発明による光導波路型
デバイスと従来の光導波路型デバイスとを比較するた
め、Z板Li Nb O3 結晶基板上に方向性結合器を形成
し、動作を確認した。本発明による光導波路型デバイス
のサンプルとして図1に示すような構成のものを用い、
また、従来のサンプルとして図6に示す構成のものを用
いた。上記2つの方向性結合器を動作させ、同様のスイ
ッチング効果を得るために要した印加電圧を比較したと
ころ、本発明のデバイスが従来のデバイスの約75%の
印加電圧で同様の動作を示すことが確認できた。また、
これらサンプルを製作するにあたっては、従来のサンプ
ルが電極位置調整に長時間を要したのに対して、本発明
のサンプルでは電極の位置調整が従来ほどの精密さを必
要としない構造であるために、短時間で製作を完了し
た。
【0027】
【発明の効果】本発明の光導波路型デバイスは、以下の
効果を奏する。簡単な構造の対向電極間に生じるような
直線的で一様な平行電界を2つの光導波路に同様に作用
させるだけで、これら光導波路間に伝搬定数差を生じさ
せ得るので、光導波路と電極との位置合わせ工程におい
て従来ほどの精密さを必要とせず、生産性が向上する。
また、従来の湾曲した制御電界が電気光学軸に対して角
度をもって作用していたのに比べて、本発明の構造では
制御電界の方向と電気光学軸の方向とが一致するため
に、制御電界が電気光学軸に対して最も効率よく作用
し、より低い電圧での動作が可能となる。さらに、電極
構造が誘電体を間に挟む対向構造となったことで、従来
問題となっていた電極間に生じるDCドリフト現象を抑
制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光導波路型デバイスの結合領域に
おける光導波路に垂直な断面を模式的に示す図である。
【図2】光導波路の中心軸付近の特定の部分に対して電
界を集中させる電極の構造例を模式的に示す図である。
【図3】本発明による光導波路型デバイスにおいて、2
つの光導波路が同一面上に形成される場合の種々の構成
例を模式的に示す図である。
【図4】本発明による光導波路型デバイスにおいて、結
晶基板の電気光学軸方向と、電極の配設方向との組み合
わせ例を示す模式図である。
【図5】本発明による光導波路型デバイスにおいて、結
晶基板に対する光導波路の形成方向と、電極の配設方向
の組み合わせ例を示す模式図である。
【図6】従来の光導波路型デバイスにおいて、導波エネ
ルギーの結合部における光導波路に垂直な断面を模式的
に示す図である。
【符号の説明】
a 結晶基板 s 電気光学軸 E 電界 1 光導波路 2 光導波路 4 正の電極 5 負の電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定の結晶軸に対する電界の強さに従っ
    て屈折率が変化する電気光学結晶からなる基板に複数の
    光導波路が形成されてなる光導波路型デバイスであっ
    て、該複数の光導波路は基板の導波エネルギー結合領域
    内において導波エネルギーを互いにやりとりする1対の
    光導波路グループを形成し、かつ、一方の光導波路グル
    ープに属する光導波路の上記特定の結晶軸と他方の光導
    波路グループに属する光導波路の上記特定の結晶軸とは
    互いに逆方向となるように形成され、平行で一様な電界
    が導波エネルギー結合領域内の全ての光導波路に同様に
    作用するよう正負の電極が導波エネルギー結合領域を電
    極間に有して配設される構成としてなる光導波路型デバ
    イス。
  2. 【請求項2】 基板が特定の結晶軸を基板面に垂直な方
    向に有するように形成されるものであって、正負の電極
    が結晶基板の表面側および裏面側に各々配設されるもの
    である請求項1記載の光導波路型デバイス。
  3. 【請求項3】 導波エネルギーを互いにやりとりするこ
    とが、導波エネルギーの一部又は全部の移動、干渉、分
    岐、又は進路変更である請求項1記載の光導波路型デバ
    イス。
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