JPH07189045A - ドッファ用メタリックワイヤ - Google Patents

ドッファ用メタリックワイヤ

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JPH07189045A
JPH07189045A JP5331926A JP33192693A JPH07189045A JP H07189045 A JPH07189045 A JP H07189045A JP 5331926 A JP5331926 A JP 5331926A JP 33192693 A JP33192693 A JP 33192693A JP H07189045 A JPH07189045 A JP H07189045A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 働角度Xが75°〜85°、歯深さBが0.5
〜2.0mm のシリンダ用メタリックワイヤと組合せて用
いられるドッファ用メタリックワイヤであって、働角度
Xが45°〜70°、歯深さB1.5〜3.0mmで、歯部の
働角面は上部より上向きのゆるやかな曲面で直線部に移
行させ、背角面は上部より上向きのゆるやかな曲面で、
働角面より傾斜角の小さい直線部に移行させて形成して
なる。 【効果】 特に不織布製造工程の高速高生産紡出におい
てもウエッブ品質のよい紡出ができる。また、ローラド
ッフィングにおいても背角面を円弧で形成しているので
剥取りローラとの作用時間が長くウエブは捲上らない。
さらに、ドッファ用メタリックワイヤは歯強度が大で損
傷なく良好な紡出が長らく維持できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不織布製造工程のローラ
カードに用いられるメタリックワイヤに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、不織布製造工程において、主とし
て開繊作用を行なうためローラカードが使用され、高
速、高生産化がめざされれている。従来、この高速、高
生産ローラカードでは生産量増加のため、図9に示すよ
うなシリンダ用メタリックワイヤと、図10に示すような
ドッファ用メタリックワイヤが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、生産量が50
kg/hr (カード巾2000mm)以上の高生産領域になれ
ば、シリンダ表面上の単位面積当りの繊維密度が増加
し、繊維が充分開繊されず、ウエブ中のネップが増大す
るという問題がある。
【0004】また、ドッファよりローラドッフィングす
る際に、高速紡出ではドッフィングが充分でなく、ウエ
ブの巻き上りを生じたりした。さらに、シリンダよりド
ッファへの移行を高め、高生産化を目的として、ドッフ
ァの働角を小さくする方法もあるが、この場合ワイヤの
歯強度が弱く、そのためドッファワイヤの損傷が早く、
寿命が短かくなるという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するもので、働角度Xが75°〜85°、歯深さBが0.
5〜2.0mmのシリンダ用メタリックワイヤと組合せて用
いられるドッファ用メタリックワイヤであって、働角度
Xが45°〜70°、歯深さB1.5〜3.0mmで、歯部の
働角面は上部より上向きのゆるやかな曲面で直線部に移
行させ、背角面は上部より上向きのゆるやかな曲面で、
働角面より傾斜角の小さい直線部に移行させて形成した
ドッファ用メタリックワイヤであり、また、上記働角面
の曲面の位置、および背角面の曲面の位置が歯先端より
歯深さBの0〜60%にあり、さらに、働角面の曲面の
円弧の半径R1 が0.1R 〜4.2R 、背角面の曲面の円弧
の半径R2 が0.1R 〜8.4R に形成したものである。
【0006】なお、シリンダ用メタリックワイヤの働角
度が75°未満ではシリンダに繊維の捲きつきを生じ、
85°を超えると開繊性が低下する。また、歯深さBが
0.5mm未満であると開繊作用が低下し、生産量が低下
し、2.0mmを超えるとシリンダワイヤへの繊維の捲きつ
きを生じる。ドッファ用メタリックワイヤの働角度Xは
45°〜70°が適当であり、45°未満であると歯強
度が低下し、70°を超えるとシリンダよりドッファへ
の移行率が低下しスライバ品質が低下する。また、歯深
さBは1.5〜3.0mmが適当であり、1.5mm未満であると
移行率が低下しスライバ品質が低下し、3.0mmを超える
とドッフィングする場合の綿ばなれが悪化する。
【0007】また、働角面、および背角面の曲面の位置
が60%を超えると移行率が大となり、クラウデイの発
生となり、かえって綿ばなれが悪くなる。また、働角面
の円弧の半径R1 は0.1R 〜4.2R が適当であり、0.1
R 未満に打抜く加工は困難であり、4.2R を超えると移
行が大とならない。さらに、背角面の円弧の半径R2
0.1R 〜8.4R が適当であり、0.1R 未満に打抜くこと
は困難であり、8.4R を超えると綿ばなれが悪くなる。
【0008】
【作用】本発明のメタリックワイヤは上記構成よりなる
ため、ローラカードでの開繊作用が向上し、特に不織布
製造工程の50kg/h以上の高速高生産紡出においてもウ
エブ品質のよい紡出ができる。また、ローラドッフィン
グにおいても、背角面を円弧で形成しているので、剥取
りローラとの作用時間が長く、ウエブは捲上らず、さら
にドッファ用メタリックワイヤは歯強度が大で損傷な
く、良好な紡出が長らく維持できるものである。
【0009】
【実施例】以下、本発明の1実施例を図面に基づいて説
明する。図1、図2は本発明のドッファ用メタリックワ
イヤを示し、歯高さA4.0mm、歯深さB2.1mm、厚さC
0.95mm、歯先厚さE0.15mm、歯元厚さF0.5mm、歯
先長さG0.10mm、働角度X60°、働角面円弧半径R
1 2.2mm、背角度Y38°、背角面円弧半径R2 4.4m
m、山数M12山/25.4mm、針頭数P321/25.4m
m2 に形成して構成する。なお、ドッファ用メタリック
ワイヤの働角面、および背角面の最上部に短かい直線部
を形成することも可能である。また、本発明のドッファ
用メタリックワイヤと組合せて用いるシリンダ用メタリ
ックワイヤは、図3に示すように、A=3.0、B=0.
8、C=0.8、E=0.08、F=0.35、G=0.05、
X=80°、Y=37°、M=14、P=445に形成
されている。
【0010】上記ドッファ用メタリックワイヤ、および
シリンダ用メタリックワイヤを図4に示す巾2000mm
のローラカードに捲付け、下記の紡出条件で従来のメタ
リックワイヤとの比較テストを行なった。
【0011】(紡出条件) 原 料 :ナイロン0.8d×51mm/ポリエステ
ル 0.8d×38mm(60/40) シリンダ回転数:350r.p.m. ドッファ回転数: 30r.p.m. 紡 出 量 : 15g/m2 生 産 量 :100kg/h
【0012】上記紡出試験の結果を図5、図6に示す。
本発明のメタリックワイヤを使用すると先端部に円弧を
設けて歯元部の傾斜角Xの直線部に連設しているため先
端部の傾斜角Xを小さくでき、シリンダよりドッファへ
の移行率が向上し、スライバネップ数の少ない良好なス
ライバを得ることができる。
【0013】また、図8による歯先曲げ比較試験器によ
る比較結果を図7に示すが、本発明品が倍近くの強度を
有することがわかる。
【0014】
【発明の効果】本発明は上記構成よりなるため、特に不
織布製造工程の高速高生産紡出においてもウエッブ品質
のよい紡出ができる。また、ローラドッフィングにおい
ても、背角面を円弧で形成しているので剥取りローラと
の作用時間が長くウエブは捲上らない。さらに、ドッフ
ァ用メタリックワイヤは歯強度が大で損傷なく、良好な
紡出が長らく維持できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは本発明のドッファ用メタリックワイヤの側
面図、Bは正面図である。
【図2】同ドッファ用メタリックワイヤの部分拡大図で
ある。
【図3】本発明のドッファ用メタリックワイヤと組合せ
るシリンダ用メタリックワイヤのAは側面図、Bは正面
図である。
【図4】本発明のワイヤを捲付けたローラカードの構成
図である。
【図5】本発明と従来の比較を示すネップ数の曲線図で
ある。
【図6】本発明と従来の比較を示す移行率の曲線図であ
る。
【図7】本発明と従来の比較を示す曲げ強さの曲線図で
ある。
【図8】曲げ強さ測定方法を示す概略構成図である。
【図9】従来のシリンダ用メタリックワイヤのAは側面
図、Bは正面図である。
【図10】従来のドッファ用メタリックワイヤのAは側面
図、Bは正面図である。
【符号の説明】
A 歯高さ B 歯深さ C 厚さ X 働角度 Y 背角度

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 働角度Xが75°〜85°、歯深さBが
    0.5〜2.0mmのシリンダ用メタリックワイヤと組合せて
    用いられるドッファ用メタリックワイヤであって、働角
    度Xが45°〜70°、歯深さB1.5〜3.0mmで、歯部
    の働角面は上部より上向きのゆるやかな曲面で直線部に
    移行させ、背角面は上部より上向きのゆるやかな曲面
    で、働角面より傾斜角の小さい直線部に移行させて形成
    したことを特徴とするドッファ用メタリックワイヤ。
  2. 【請求項2】 上記働角面の曲面の位置、および背角面
    の曲面の位置が歯先端より歯深さBの0〜60%にある
    ことを特徴とする請求項1記載のドッファ用メタリック
    ワイヤ。
  3. 【請求項3】 働角面の曲面の円弧の半径R1 が0.1R
    〜4.2R 、背角面の曲面の円弧の半径R2 が0.1R 〜8.
    R であることを特徴とする請求項1記載のドッファ用
    メタリックワイヤ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001162440A (ja) * 1999-11-10 2001-06-19 Graf & Co Ag 鋸歯ワイヤー
DE102005040249A1 (de) * 2005-08-24 2007-03-01 Maschinenfabrik Rieter Ag Sägezahndraht
JP2011080192A (ja) * 2003-08-25 2011-04-21 Truetzschler Gmbh & Co Kg カードの構造
JP2014530301A (ja) * 2011-09-15 2014-11-17 ナムローゼ・フェンノートシャップ・ベーカート・ソシエテ・アノニムN V Bekaert Societe Anonyme 改良された歯形状を有するカードワイヤー
CN106702543A (zh) * 2015-11-12 2017-05-24 格拉夫及西有限公司 金属针布

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