JPH0718350A - Co基焼結合金の製法 - Google Patents

Co基焼結合金の製法

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JPH0718350A
JPH0718350A JP16768493A JP16768493A JPH0718350A JP H0718350 A JPH0718350 A JP H0718350A JP 16768493 A JP16768493 A JP 16768493A JP 16768493 A JP16768493 A JP 16768493A JP H0718350 A JPH0718350 A JP H0718350A
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Japan
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powder
test
alloy
less
wear
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JP16768493A
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English (en)
Inventor
Akira Onishi
杲 大西
Isamu Otsuka
勇 大塚
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Cr:21〜29%、Mo:15〜24%、
B:0.5〜2%、Si:0.1%以上で0.5%未満、
C:1%以下、Fe:2%以下、Ni:2%以下、残部
実質的にCoからなり、耐食性及び耐摩耗性にすぐれる
焼結合金の靱性を改善するもので、合金組織中にデンド
ライトが含まれないようにする。 【構成】 ガスアトマイズ法により造粉した粉末のう
ち、粒径約50μm以下の粉末だけを選別し、これを原料
粉末として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Co基合金の焼結体の
製法の改良に関する。
【0002】
【背景技術及び問題点】出願人は、以前に、プラスチッ
クの混練機や成形機の部材用として好適な耐食性、耐摩
耗性等にすぐれたCo基合金を提案した(特願平4−3
22470)。この合金は、重量%にて、Cr:21〜
29%、Mo:15〜24%、B:0.5〜2%、S
i:0.1%以上で0.5%未満、C:1%以下、Fe:
2%以下、Ni:2%以下、残部実質的にCoからな
る。
【0003】上記構成を有する合金は、Co、Cr、M
o、Siの4元系合金相にモリブデン硼化物及びクロム
炭化物が比較的微細に分散した複合組織を有している。
マトリックス中に固溶するCr、Mo等によって高耐食
性がもたらされ、またマトリックスに分散する硼化物の
自己潤滑性によって耐食性、耐衝撃摩耗性が高められ、
更にクロム炭化物の分散効果として高硬度及び高温強度
が付与されているものと考えられる。
【0004】この合金からプラスチック成形機等の構成
部材を作製する方法の1つとして、ガスアトマイズ法に
より作った粉末を原料粉末として使用し、HIP(熱間
等方圧加圧)その他の手段により焼結する方法がある。
【0005】ところで、ガスアトマイズ法によって粉末
を製造する場合、個々の粉末粒子が急冷凝固するため、
粉末粒子径の大きさによってその組織は異なる。例え
ば、粒径が約150μmの粉末では、組織中にデンドライト
が含まれる。このデンドライト組織部には、初晶中にM
oB系の高融点化合物が析出しており、この化合物は焼
結後も残存して、焼結品の強度向上に寄与する。しか
し、弾性域を超えると、アトマイズ時に形成されたデン
ドライト組織の界面に応力が集中し、塑性域での変形能
が小さくなって靱性が低下することがわかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、重量%に
て、Cr:21〜29%、Mo:15〜24%、B:
0.5〜2%、Si:0.1%以上で0.5%未満、C:
1%以下、Fe:2%以下、Ni:2%以下、残部実質
的にCoからなり、耐食性及び耐摩耗性にすぐれる焼結
合金に関し、靱性を特に改善するために、合金組織中に
デンドライトを実質的に含まない焼結合金の製法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】焼結用原料粉末として、
ガスアトマイズ法により作製した前記成分組成の粉末の
うち、粒径約50μm以下の粉末を使用する。粒径が少な
くとも約50μm以下のときは、凝固時の冷却速度が速い
ため、粉末の組織中にデンドライトが形成されることは
ないからである。
【0008】
【作用】デンドライト組織を含まない粉末を焼結原料と
して使用するから、その後の焼結工程に付しても、得ら
れた焼結体の組織中にデンドライトは含まれない。粒径
約50μm以下の粉末は、微細な結晶組織を有し、組織中
に約2〜3μmの微細な硼化物、炭化物等が均一に分散
している。これらが応力集中を緩和する役割を果たすと
考えられ、所定の耐摩耗性を確保しつつ、すぐれた靱性
を具備することができる。なお、上記Co基合金は、そ
の成分組成に固有の性質からすぐれた耐食性を具備する
ことは勿論である。
【0009】
【発明の効果】本発明の製法によったCo基焼結合金
は、その成分組成固有の性質からすぐれた耐食性を具備
するほか、所定の耐摩耗性を確保しつつ、靱性に非常に
すぐれている。従って、金属部材どうしの接触衝撃に対
する抵抗性が高く、摩耗と衝撃の両作用を繰り返して受
ける条件下での使用において、摩耗量を少なく抑え、ク
ラックや欠け等の発生を可及的に防止することができ
る。本発明の製法によった焼結合金は、プラスチックの
混練機、成形機等の構成部材に好適である。
【0010】
【実施例】供試材の製作 高周波溶解炉(Ar雰囲気)で溶製した合金溶湯を遠心噴
霧造粉機により粉末化した。供試合金の化学成分組成を
表1に示す。得られた粉末を分級処理し、粒径50μm以
下の粉末のグループAと、粒径44〜250μmの粉末のグル
ープBに分別した。次に、鋼製の缶(内寸法:φ60×60m
m)と蓋をキャニング材とし、粉末を入れて、真空中で施
蓋すると共に溶接で密封した後、熱間等方圧加圧焼結
(処理温度:1100℃±10℃,加圧力:1100kgf/cm2,時
間:2Hr)に付した。焼結完了後、キャニング材を機械
加工により除去し、円盤形状の焼結合金ブロックを採取
した。
【0011】材質特性 各供試材について、下記の材質特性の試験を行なった。
その結果を表2に示す。表1の供試材において、供試N
o.1〜No.3は、特願平4−322470にて提案した
Co基合金の実施例、供試No.4は、従来からこの種用
途の材料として広く使用されているCo基合金(例え
ば、Cr:25〜32%、W:4〜25%、C:1〜3.5%、
残部Coと不純物からなる合金)の比較例である。表2
の「供試No.」において、「A」は粒径50μm以下の粉末
から得た焼結合金ブロック、「B」は粒径44〜250μmの
粉末から得た焼結合金ブロックを示している。即ち、供
試No.1Aは、化学成分が表1の供試No.1に対応し、原
料粉末の粒径が50μm以下であることを示し、供試No.1
Bは、化学成分組成が表1の供試No.1に対応し、原料
粉末の粒径は44〜250μmの範囲内であることを示してい
る。従って、供試No.1A〜No.3Aは本発明の実施例、
供試No.1B〜No.3Bは原料粉末の粒径が異なる比較
例、供試No.4Bは合金成分及び原料粉末の粒径が異な
る比較例である。
【0012】a.硬さ 焼結合金ブロックの盤面の5箇所をロックウエルCスケ
ールで測定した。表中、「硬さ」欄の数値は、5箇所の
平均値を示している。
【0013】b.耐摩耗性 理研−大越式迅速摩耗試験機により、比摩耗量(mm2/kg
f)を測定した。この摩耗試験の原理は、回転円板を平面
試験片に押し付け、試験片表面に生じた摩耗痕の深さ・
幅等から摩耗抵抗性を評価するものである。試験条件は
次の通りである。 相手材:SUJ−2(HRC 60) 摩耗距離:400mm 最終荷重:6.2kgf 摩耗速度:1.05m/sec.
【0014】c.腐食抵抗性 非酸化酸として24%塩酸水溶液、酸化性酸として20%硫
酸水溶液(いずれも液温は50℃)を試験液とし、柱状試験
片(10×10×10,mm)を試験液中に懸吊浸漬し、24時間経
過後の腐食減量(mg)を測定した。
【0015】d.耐衝撃摩耗特性 耐衝撃摩耗特性試験は、プラスチックの混練・成形の実
機操業におけるシリンダとスクリュー等の金属部材どう
しの接触(衝撃摩耗)に伴うクラックや欠損の発生現象を
再現するもので、その試験結果は、実機操業における衝
撃摩耗抵抗性について信頼性のある評価を可能とするも
のである。試験機を図1に示す。旋盤(1)と、試験片取
付台(2)とを有し、試験片取付台(2)にロードセル(3)を
介して試験片Aが設置され、旋盤(1)には相手材として
金属のリングBが偏心装着される。旋盤(1)に装着した
リング(相手材)Bを回転駆動して一定のトルク及び荷重
のもとに、試験片Aの表面に衝撃摩耗を繰り返し作用さ
せる。リングBによる試験片Aに対する押付け荷重は、
ロードセル(3)で検出され一定の値に調節される。試験
片表面に対し、衝撃摩耗を所定時間、反復作用させた
後、試験片表面の摩耗痕部におけるクラックの発生の有
無をカラーチェックにより判定した。試験条件は、次の
通りである。 相手材リング:SKD11(HRC 60)(プラスチック成形機のス
クリュー相当材) 荷重:150kgf、200kgf、260kgfの3水準 回転速度:0.46m/sec. 試験時間:200秒、3サイクル 試験片表面にリングによる衝撃摩耗を200秒間作用させ
た後、一旦停止し、試験片を常温まで降下させる操作を
1サイクルとし、3回繰り返す。試験片表面に対する衝
撃摩耗の各サイクル終了毎に、摩耗痕部にカラーチェッ
クを実施した。表2中、「耐衝撃摩耗特性」欄の「I」
「II」「III」は、夫々、1、2及び3サイクル終
了後におけるカラーチェック判定結果である。「○」は
クラックなし、「×」はクラック発生を意味している
(クラック発生後の試験は省略)。
【0016】e.破壊靱性 JIS R 1607及びASTM E 399-78に準拠し、破壊靱性試験
を行なった。これは、予亀裂導入試験片の3点曲げ破壊
試験であって、試験片の破壊荷重を測定するものであ
る。試験片は、縦20mm×全長100mm×厚さ10mmの細長い
形状であり、予亀裂として、下面の中央部に0.2mm×10m
mの溝を縦方向に形成したものを使用した。なお、スパ
ン(支持点間の距離)は80mmとした。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】表2から明らかなように、本発明の実施例
である供試No.1A〜No.3Aは、比較例の供試No.1B
〜No.3Bよりも、夫々、硬度が若干低くなっており、
それに対応して比摩耗量が多く、耐摩耗特性は低下して
いることがわかる。しかし、従来からこの種用途の材料
として使用されている供試No.4Bの比摩耗量は519.9×
10-9mm2/kgfであるから、供試材No.1A〜No.3Aで
も、従来のこの種Co基合金よりは、耐摩耗特性の点で
はるかにすぐれているといえる。従って、少なくとも、
所定の耐摩耗性を確保することができる。
【0020】腐食減量については、供試No.1A〜No.3
Aと供試No.1B〜No.3Bとの間にあまり差異はなく、
原料粉末の粒度制御を行なっても、耐食性にはあまり影
響を及ぼさないことがわかる。なお、従来例の供試No.
4Bに比べて、腐食減量は少なく、すぐれた耐食性を備
えている。
【0021】耐衝撃摩耗特性については、供試No.1A
〜No.3A及び供試No.1B〜No.3Bとも、荷重260kgf
の苛酷な条件でもクラックの発生はなく、すぐれた耐衝
撃摩耗特性を備えている。この結果から、原料粉末の粒
度制御を行なっても、衝撃摩耗に対してはあまり影響を
及ぼさないことがわかる。なお、供試No.4Bは、荷重2
00kgf及び260kgfにて、いずれも1サイクルでクラック
が発生した。
【0022】破壊靱性値に関しては、供試No.1A〜No.
3Aは、供試No.1B〜No.3Bよりも遥かにすぐれてい
る。原料粉末の粒度制御を行ない、粒径50μm以下の粉
末を使用することにより、靱性の著しい向上を達成でき
ることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】衝撃摩耗試験機の模式的説明図である。
【符号の説明】
(1) 旋盤 (2) 試験片取付台 (3) 荷重検出器 A 試験片 B 相手材(リング)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr:21〜29%(重量%、以下同
    じ)、Mo:15〜24%、B:0.5〜2%、Si:
    0.1%以上で0.5%未満、C:1%以下、Fe:2%
    以下、Ni:2%以下、残部実質的にCoからなる成分
    組成の粉末を、ガスアトマイズ法により造粉し、該粉末
    から焼結体を作製する方法において、原料粉末は粒径50
    μm以下のものを用いることにより、デンドライト組織
    を実質的に含まない焼結体を得られるようにすることを
    特徴とするCo基焼結合金の製法。
JP16768493A 1993-07-07 1993-07-07 Co基焼結合金の製法 Pending JPH0718350A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0920947A (ja) * 1995-06-30 1997-01-21 Kubota Corp 耐摩耗性にすぐれる複合焼結合金
JPH0920946A (ja) * 1995-06-30 1997-01-21 Kubota Corp 耐摩耗性にすぐれる複合焼結材料
EP1704263A2 (en) * 2003-12-29 2006-09-27 Deloro Stellite Holdings Corporation Ductile cobalt-based laves phase alloys

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Effective date: 19990413