JPH07183468A - 絶縁シリコン基板並びにそれを用いたインダクタおよび分布定数型フィルタ - Google Patents

絶縁シリコン基板並びにそれを用いたインダクタおよび分布定数型フィルタ

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JPH07183468A
JPH07183468A JP34648693A JP34648693A JPH07183468A JP H07183468 A JPH07183468 A JP H07183468A JP 34648693 A JP34648693 A JP 34648693A JP 34648693 A JP34648693 A JP 34648693A JP H07183468 A JPH07183468 A JP H07183468A
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silicon substrate
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inductor
layer
band
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JP34648693A
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Toshiaki Ono
敏明 小野
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Tokin Corp
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Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 入手が容易で安価であり、導体の微細加工を
行うためのフォトリソグラフィの技術が適用出来るシリ
コン基板を用いて、MHz帯ないしGHz帯で用いるイ
ンダクタ及び分布定数型フィルタを形成する。 【構成】 シリコン基板にN型シリコン基板ではP型
不純物を、P型シリコン基板ではN型不純物を、シリコ
ン基板の片面又は両面から、イオン注入又は選択拡散等
により、棒状、格子状、角形状、丸形状等N型層とP型
層とを交互に形成して、シリコン基板内にPN接合の空
乏層を形成して、過電流に対する高い電気絶縁抵抗を有
するシリコン基板にし、シリコン基板上に例えば帯状
導体3、4の間に強誘電体層5を形成し積層して分布定
数型フィルタとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はMHz帯の高周波で用い
る面実装構造に形成したインダクタやフィルタの基板に
用いる絶縁シリコン基板、並びにそれを用いたインダク
タ及び分布定数型フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来高域が10MHz以上の帯域で使用
するインダクタは、アルミナ、或はフォルステライト等
のセラミックス板に銅線を巻回して形成されていた。し
かし使用周波数域が100MHz以上GHz帯域のイン
ダクタの値はnHの値のものが必要となり、又小形にし
面実装構造にする必要がある。一方インダクタンスの値
もばらつきのないものが要求されており、従来のセラミ
ックス板に銅線を巻回したインダクタでは以上の要求に
対応出来ないと云う問題がある。
【0003】インダクタンスの値が小さく、ばらつきの
小さい面実装型のインダクタとするには、非磁性基板上
に例えば渦巻状の導体を形成して作られたものが好まし
いが、セラミックス基板は硬く、又表面に孔のないもの
は高価である。
【0004】表面にほとんど機械的な表面欠陥のないI
Cや、トランジスタの製造に使用されているシリコン基
板は容易に安価に入手出来るが、従来のシリコン基板を
用いる時、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)をドープしたN型シリコン基板、又はボロン
(B)、アルミニウム(Al)をドープしたP型シリコ
ン基板は、その固有抵抗が60Ω−cm3ないし130
Ω−cm3の値であり、図14に示すように、N型又は
P型の従来のシリコン基板11上に絶縁層2を形成し、
その上に例えば渦巻状の帯状導体3を設けてインダクタ
を形成すると、渦巻状の帯状導体3に流れるMHz帯の
高周波電流で発生した磁束によりシリコン基板11に電
圧が誘起し、この電圧によって実線で示すような渦電流
6が流れる。
【0005】渦巻状の帯状導体3をトランスにおける一
次コイルと考えれば、シリコン基板11は固有抵抗の値
が低いのでMHz帯の高周波域では短絡された二次コイ
ルのように作用し、図15に示す如く、シリコン基板上
に電気絶縁層を介挿して渦巻状の帯状導体3を形成した
時のインダクタンスの値は2MHz附近から低下し10
MHzでは1MHzの時の値のほぼ半分の値となり、期
待するインダクタンスの値が得られないことが判明し
た。従って、従来のままのN型又はP型のシリコン基板
上に2つの渦巻状の帯状導体と2つの渦巻状の帯状導体
の間に強誘電体材の薄膜を形成して分布定数型フィルタ
を形成しようとしても、遮断周波数が100MHz以上
の特性を有する分布定数型フィルタを形成することは到
底困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、微細加工を
必要とするMHz帯ないしGHz帯で使用するインダク
タ、又はフィルタを構成するのに、表面にきず或は穴等
の機械的な欠陥が極めて少なく入手が容易で、必要な微
細な導体を形成するためのフォトリソグラフィの技術を
容易に使える、ICやトランジスタに使用されているシ
リコン基板を用いるものである。本発明の目的は材料固
有抵抗が60Ω−cm3ないし130Ω−cm3程の固有
抵抗のP型シリコン基板、又はN型シリコン基板を、M
Hz帯ないしGHz帯で用いるインダクタやフィルタ用
に用いることが出来る高い電気絶縁特性を有する絶縁シ
リコン基板にし、この絶縁シリコン基板を用いてMHz
帯ないしGHz帯用のインダクタ及び分布定数型フィル
タを構成するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の目的を達
成するために、インダクタを形成するシリコン基板とし
て、N型またはP型シリコン基板の片面または両面よ
り、N型基板ではP型不純物を、またはP型基板ではN
型不純物をイオン注入又は選択拡張等により、不純物層
を、線条、格子状、角型、丸型等様々な所定の形状と所
定の間隔に注入し、基板と不純物層との境界に形成され
たPN接合の空乏層により、シリコン基板を電気的な絶
縁層を有する幾つもの小区画に区切り、この小区画同士
をPN接合の空乏層により互いに高い電気絶縁層で絶縁
して、シリコン基板に流れる電流方向に対し105MΩ
以上の高い絶縁抵抗を有する電気絶縁層を形成し、短絡
電流が流れる領域を極めて小さな領域に分割して、短絡
電流防止機能を持たせた絶縁シリコン基板にし、該絶縁
シリコン基板を用いてMHz帯又はGHz帯で使用する
インダクタおよび分布定数型フィルタを提供する。
【0008】1.本発明は、N型シリコン基板の片面又
は両面よりP型不純物をイオン注入又は選択拡散等によ
り所定の形状に注入するか、又はP型シリコン基板の片
面又は両面よりN型不純物をイオン注入又は選択拡散等
により所定の形状に注入し形成したPN接合の空乏層に
より、シリコン基板内に高周波誘導電圧に対し小さな区
画に区切った高電気絶縁層を形成してなることを特徴と
する絶縁シリコン基板である。
【0009】2.本発明は、1項記載の絶縁シリコン基
板上に、絶縁体を介挿して帯状導体を形成してなること
を特徴とするインダクタである。
【0010】3.本発明は、1項記載の絶縁シリコン基
板上に、間に強誘電体薄膜層を介挿した2つの同一形状
の帯状導体を対向させ形成してなることを特徴とする分
布定数型フィルタである。
【0011】
【作用】本発明は、MHzないしGHz帯で使用する高
周波用のインダクタ及び分布定数型フィルタを構成する
のに、入手が容易で安価であり、小形なチップ型のイン
ダクタ又はフィルタを構成する上で不可欠な微細加工の
フォトリソグラフィの技術が容易に適用出来る表面欠陥
の極めて少い基板として、N型またはP型シリコン基板
を用いるものである。シリコン基板の片面又は両面より
シリコン基板の厚さを通して、又はシリコン基板の表面
から適当な深さに、N型シリコン基板にはP型不純物
を、またP型シリコン基板にはN型不純物を、イオン注
入又は選択拡散等により不純物層を形成する。形成する
不純物層はシリコン基板面に、多数の線条、格子状、角
形状、丸形状などN型不純物層とP型不純物層とを交互
に夫々様々な形状に注入し、N型不純物層とP型不純物
層との境界に生じるPN接合の空乏層によりシリコン基
板を電気絶縁層の幾つもの小区画に区切る。この小区画
に区切ったPN接合の空乏層により、シリコン基板内に
連続した多数の細かい高絶縁抵抗層を形成して、PN接
合により電気的に互いに絶縁した絶縁シリコン基板(以
下シリコン基板と称す)にし、該絶縁シリコン基板の面
上に、インダクタ又はフィルタを形成する渦巻状の帯状
導体に高周波電流が流れた時に、シリコン基板内の短絡
電流が流れる領域を極めて小さな領域に分割することに
より、短絡電流防止機能を持たせた絶縁シリコン基板と
する。又本発明の絶縁シリコン基板を用いてインダクタ
ならびに、分布定数型フィルタを形成する。
【0012】PN接合の空乏層が形成された境界におい
ては、N型層とP型層の間でN型層が高い電圧となった
時のN型層からP型層への漏洩電流はピコアンペア(P
A)程であり、等価的にきわめて高い絶縁層を形成す
る。従ってシリコン基板上にP型、N型と不純物層を交
互に形成することにより、シリコン基板内に誘起する電
圧に対し、層状に高い絶縁層を直列に接続して形成した
ことと同じ動作を示すこととなる。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。 (実施例1)チップ型のインダクタ及び分布定数型フィ
ルタを構成する基板として図7に示す絶縁シリコン基板
であるシリコン基板を構成した。図7に示すシリコン
基板は、厚さが300μm程のN型シリコン基板7の
片面よりP型不純物8を選択拡散により、図7に示すよ
うに、基板裏面に到達するよう注入した線条のPN接合
を設けたシリコン基板である。シリコン基板内に形成
したPN接合の空乏層によりN型不純物の領域とP型不
純物の領域との境界において、N型不純物領域側がP型
不純物領域に対し高電圧となると、ダイオードの逆方向
に電圧が加わった時と同様に電流は漏減電流のみでピコ
アンペア(PA)程であるので等価的に105MΩの抵
抗を有する電気絶縁層を形成したことと同じ状態とな
る。
【0014】従ってN型シリコン基板の中にP型不純物
を注入して線条のPN接合を形成した部分は、幾つもの
ストライプ状の電気絶縁層で区切られたものとなる。本
実施例では板厚300μm程、P型不純物8の巾は30
0μm程、N型の巾は300μm程で形成してある。従
ってこの図7に示す構成のシリコン基板を用いて、図
1に示す渦巻状の帯状導体3をシリコン基板の表面に
二酸化珪素(SiO2)をスパッタして形成した電気絶
縁層2を介挿して形成し、帯状導体3に高周波電流が流
れた時、シリコン基板内ではPN接合の空乏層によ
り、短絡電流が流れる領域を極めて狭い領域に分割する
ことになり、短絡電流が流れることを防止した機能を持
たせたシリコン基板とすることが出来る。図7はN型
シリコン基板にP型不純物を注入したシリコン基板の例
であるが、シリコン基板は、P型シリコン基板にN型
不純物をイオン注入又は選択拡散してPN接合を形成し
てもよい。
【0015】(実施例2)図7に示す表面を研磨したシ
リコン基板の上面に、電気絶縁材の例えば二酸化珪素
(SiO2)をスパッタして電気絶縁層2を形成し、さ
らに、アルミニウムの蒸着により渦巻状の帯状導体を形
成し、2.5mm角の図1に示すチップ型のインダクタ
とした。なお、渦巻状の帯状導体3は、導体巾が約50
μmで間隔が約50μm、10回巻にした。図1に示す
チップ型のインダクタは、等価的には図2に示すインダ
クタであり、図3に、図1に示すインダクタの励振周波
数に対するインダクタンスの値を示す。150MHz附
近に浮遊容量による共振点を示すが150MHz附近迄
高いインダクタンスを示すのに対し、N型、又はP型の
みのシリコン基板11を用いた図14の従来のシリコン
基板を用い構成したチップ型のインダクタでは、図15
に示すように、周波数に対するインダクタンスの値は、
10MHzで1MHzのほぼ半分の値であるのに対し
て、本発明のインダクタは100MHz以上においても
高いインダクタンスの値を示している。
【0016】(実施例3)チップ型の分布定数型フィル
タを構成する基板として、図7に示すシリコン基板
用いて図4に示す分布定数型フィルタを構成した。シリ
コン基板は、図7に示すようにN型シリコン基板7の
両面よりP型不純物8をイオン注入あるいは選択拡散等
により、線条にシリコン基板の裏面迄P型不純物が到達
するようにし、PN接合の空乏層がN型シリコン基板の
中に交互に形成されたシリコン基板である。
【0017】シリコン基板はPN接合の空乏層により
導体部分が幾つものストライプ状に区切られ、実施例1
で説明したようにPN接合の空乏層の領域においては電
圧に対し高い電気絶縁層を形成するので、シリコン基板
は短絡電流が流れる領域を極めて狭い領域に分割した
短絡電流防止機能を持たせたシリコン基板となる。
【0018】図4に示す分布定数型フィルタは、表面を
研磨したシリコン基板上に二酸化珪素(SiO2)を
スパッタした電気絶縁層2を厚さ3μm程に形成し、こ
の上面に、導体巾約100μm、間隔約50μmで6回
巻の渦巻型の帯状導体3を形成し、更に強誘電体層とし
て二酸化珪素(SiO2)をほぼ3.5μmの厚さにス
パッタして形成し、更にその上面に前記の帯状導体3と
同じ位置で帯状導体が面対称に対向する位置に巾が約1
00μm、間隔が約50μm6回巻の渦巻状の帯状導体
4を形成する。帯状導体3側を接地側、帯状導体4側を
信号線とした等価回路が図5に示す2.5mm角のチッ
プ型の分布定数型フィルタを形成した。実際のフィルタ
特性を図6に示す。遮断周波数が700MHz附近にあ
り減衰能が50dbのチップ型の分布定数型フィルタが
得られた。
【0019】インダクタ及び分布定数型フィルタを構成
するシリコン基板として図8に示すシリコン基板を用
いて図1に示すインダクタ及び図4に示す分布定数型フ
ィルタを構成した。シリコン基板は、N型シリコン基
板7の両面よりP型不純物8をイオン注入又は選択拡散
等により表面と裏面からの注入が断面形状において互い
に向きあい、又面方向には棒状に形成したもので、とな
りあうPN接合がその空乏層同士が互いに空乏層を形成
する距離L以内で接するように形成されたシリコン基板
である。シリコン基板はPN接合の空乏層により幾つ
もの小領域に区切られ、図7に示すシリコン基板と同
様にPN接合の空乏層に高い電気絶縁層を形成してMH
z帯の高周波領域における短絡電流が流れる領域を極め
て小さな領域に分割する。又シリコン基板はP型シリ
コン基板にN型不純物をイオン注入、又は選択拡散して
PN接合を構成してもよい。
【0020】図8に示す本実施例のシリコン基板では、
N型シリコン基板に注入された対向するP型不純物との
間のPN接合の空乏層の間隔Lの値は20μm以下であ
る。図8に示すシリコン基板では、N型シリコン基板7
に注入するP型不純物の拡散巾は、N型シリコン基板7
の厚さをほぼ300μmとするときシリコン基板の表面
と裏面よりP型不純物を注入するので、ほぼ150μm
でよく、従ってN型層とP型層は交互にほぼ150μm
間隔で形成し得、N型層に片面からP型不純物を注入し
てPN接合を形成する図7に示すシリコン基板に比べ
て、同一寸法のシリコン基板に対し、2倍の数のPN接
合を形成でき、GHzで用いるインダクタや分布定数型
フィルタ用のシリコン基板に用いて有用である。
【0021】不純物層をシリコン基板の表面より注入し
て裏面迄完全に注入拡散させて不純物層を形成する時、
不純物層の巾はほぼ板厚によって決まるので、シリコン
基板の厚さを薄くすることにより、例えばN型シリコン
基板に注入するP型不純物の拡散層の巾を狭く出来、シ
リコン基板に形成する電気絶縁層をそれだけ多く形成出
来る。図8に示すシリコン基板を用い、実施例1と同
様に図1に示すインダクタを形成し、図3に示す特性と
ほぼ同等のインダクタを得た。又、実施例2と同様に図
4に示す分布定数型フィルタを形成し、図6に示す特性
とほぼ同等の特性の分布定数型フィルタ特性を得た。
【0022】(実施例4)インダクタ及び分布定数型フ
ィルタを形成するシリコン基板として、図9に示すN
型シリコン基板7にP型不純物8(ハッチングで示す)
を市松模様に注入または選択拡散して形成した。
【0023】又、図10はN型シリコン基板7にP型不
純物8(ハッチングを示す)を丸型に基板裏面迄注入し
たシリコン基板であり、丸型のP型不純物8の間隔は、
PN接合の空乏層は10μm程の厚さであるので、丸型
の不純物は互いに完全に接触する形にする必要はない。
【0024】図11はN型シリコン基板7にP型不純物
8(ハッチングで示す)を裏面迄通さずに、表面より或
る深さに注入した例である。シリコン基板は機械的な
強度を保持するためには200μm以上の厚さを必要と
し、一方GHz帯のインダクタでは、渦巻状の帯状導体
に高周波電流が流れた時にシリコン基板に生ずる誘導電
圧は、表皮効果のためシリコン基板の表面層に集中し、
シリコン基板の厚さの200μmの深さに達するまでP
型不純物を注入する必要はなく、図11に示す構造に片
面にPN接合を形成すればよい。又このような構造とす
ることにより、P型不純物の拡散巾を狭く出来、従って
PN接合の面密度を高めることが出来、高周波でのイン
ダクタ又は分布定数型フィルタを形成するのに用いて好
適なシリコン基板となる。
【0025】図12はシリコン基板の他の例で、N型
シリコン基板7にP型不純物8を渦巻状に注入または選
択拡散したシリコン基板である。図7ないし図12に示
すシリコン基板はN型シリコン基板にP型不純物をイ
オン注入または選択拡散してN型シリコン基板中にPN
接合を形成した例で示したが、図13はP型シリコン基
板にN型不純物を渦巻状にイオン注入または選択拡散し
てP型シリコン基板中にPN接合を形成した例であり、
図13によるシリコン基板は図7ないし図12に示す
シリコン基板と同様にPN接合部には空乏層を形成し
て、N型側からP型側にN型側が正電位となる電圧が加
えられた時は、PN接合間には105MΩ以上の電気絶
縁層が形成されるので、N型シリコン基板にP型不純物
を注入したシリコン基板と同等な電気絶縁特性を有す
るシリコン基板となる。
【0026】図13に示すシリコン基板と同様に図7な
いし図11に示すシリコン基板に於いて、N型シリコ
ン基板をP型シリコン基板にし、N型不純物を図7ない
し図11に示すようにイオン注入又は選択拡散してPN
接合を形成したシリコン基板にし、実施例2に示すイ
ンダクタ、或は実施例3に示す分布定数型フィルタを形
成し、図3に示すインダクタンス特性、及び図6に示す
フィルタ特性を示すインダクタ並びにフィルタを構成で
きる。実施例2ないし実施例4においては、渦巻状に形
成した帯状導体3、4を形成した例で示したが、この帯
状導体の形状としてはつづら折れや直線状でもよく、又
フィルタを形成する時は2つの帯状導体を面対称に形成
した例で示したが、所望するフィルタの遮断周波数特性
により対向する帯状導体の形状を互いに変えて形成して
もよい。
【0027】
【発明の効果】本発明は上述の通り構成されているので
次に記載する効果を奏する。N型シリコン基板又はP型
シリコン基板の片面又は両面よりN型シリコン基板には
P型不純物を、P型シリコン基板にはN型不純物をイオ
ン注入又は選択拡散等により、線条、格子状、角状、丸
型等様々な形状に注入してPN接合の空乏層を形成する
ことにより、シリコン基板を幾つもの高い電気絶縁層を
形成した小区画に区切ったシリコン基板とすることが出
来る。前記シリコン基板上に渦巻状、又はジグザグ状等
の帯状導体を形成して、MHz帯以上の高周波で使用す
るインダクタ、又は分布定数型フィルタを形成すると
き、シリコン基板内に高周波電流の発生を防止して、M
Hz帯ないしGHz帯で優れた特性を有する、面実装が
可能な、かつ安価なチップ型のインダクタ、並びにチッ
プ型の分布定数型フィルタを提供することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインダクタの内部構造を示す斜視
図。
【図2】図1に示すインダクタの等価回路図。
【図3】図1に示す本発明によるインダクタの一実施例
のインダクタンスの周波数特性を示す特性図。
【図4】本発明の分布定数型フィルタの内部構造を示す
斜視図。
【図5】図4に示す分布定数型フィルタの特価回路図。
【図6】図4に示す分布定数型フィルタの一実施例の特
性曲線図。
【図7】本発明のシリコン基板の構造を示す図で、図7
(a)は平面図、図7(b)は正面図。
【図8】本発明によるシリコン基板の構造を示す図で、
図8(a)は平面図、図8(b)は正面図。
【図9】本発明によるシリコン基板の構造を示す図で、
図9(a)は平面図、図9(b)は正面図。
【図10】本発明によるシリコン基板の構造を示す図
で、図10(a)は平面図、図10(b)は正面図。
【図11】本発明によるシリコン基板の構造を示す図
で、図11(a)は平面図、図11(b)は正面図。
【図12】本発明によるシリコン基板の斜視図。
【図13】本発明によるシリコン基板の斜視図。
【図14】従来のシリコン基板を用いたインダクタの構
造を示す斜視図。
【図15】図14に示すインダクタの周波数特性曲線
図。
【符号の説明】 シリコン基板 2 電気絶縁層 3、4 帯状導体 5 強誘電体層 6 渦電流 7 N型シリコン基板 8 P型不純物 9 P型シリコン基板 10 N型不純物11 従来のシリコン基板 L 空乏層の巾

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N型シリコン基板の片面又は両面よりP
    型不純物をイオン注入又は選択拡散等により所定の形状
    に注入するか、又はP型シリコン基板の片面又は両面よ
    りN型不純物をイオン注入又は選択拡散等により所定の
    形状に注入し形成したPN接合の空乏層により、シリコ
    ン基板内に高周波誘導電圧に対し小さな区画に区切った
    高電気絶縁層を形成してなることを特徴とする絶縁シリ
    コン基板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の絶縁シリコン基板上に、
    絶縁体を介挿して帯状導体を形成してなることを特徴と
    するインダクタ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の絶縁シリコン基板上に、
    間に強誘電体薄膜層を介挿した2つの同一形状の帯状導
    体を対向させ形成してなることを特徴とする分布定数型
    フィルタ。
JP34648693A 1993-12-22 1993-12-22 絶縁シリコン基板並びにそれを用いたインダクタおよび分布定数型フィルタ Pending JPH07183468A (ja)

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