JPH0718325Y2 - コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は開蓋手段付きのコンパクト容器に係る。

「従来の技術」 容器本体と該容器本体面を開閉する蓋体とを共に硬材質
合成樹脂材で成形して、それ等を各後部で枢着すると共
に、容器本体前部に横設した係合突条下面に、蓋体前部
から垂下するフック下端を係合させて蓋体閉塞状態を保
持させ、それ等係合突条とフックとの係合を外すための
係合手段、例えば下部前面を後方へ押込み回動させるこ
とで上面後部が上記フック下端面或いは蓋体周壁の前部
下端面を押上げして上記係合を外すように、容器本体前
面に回動子を枢着したコンパクト容器が知られている。

「考案が解決しようとする課題」 上記従来のコンパクト容器は、傷がつき難く、合成樹脂
製品成形時のヒケも少なく、艶があって印刷等も綺麗に
仕上がる等の理由によって容器本体および蓋体を硬質合
成樹脂で成形しており、蓋体閉塞手段としての、容器本
体前部に設ける係合突条は容器本体と、又蓋体前部から
垂下して上記係合突条下面に下端を係合させるフックも
蓋体と、それぞれ一体成形され、よってそれ等係合突条
およびフックは硬質合成樹脂材で成形されている。

しかしそのようにすると、上記係合が固くなって開蓋が
困難となることがあり、又上記係合の際に係合突条又は
フック下端部が破損することがあり、更にその係合の際
にフック下端が係合突条下方部分を強打することで蓋体
閉塞音が高くなる等の欠点があった。

本案は容器本体前部の係合突条と蓋体開蓋手段とを共に
中硬質合成樹脂材で一体成形して従来の欠点を除去する
と共に、その開蓋が容易であるよう設けたものである。

「課題を解決するための手段」 硬材質合成樹脂製の容器本体１と該容器本体上面を閉塞
する硬材質合成樹脂製の蓋体20とを、各後部で枢着する
と共に、容器本体前部に横設した係合突条13下面に蓋体
前部から垂下するフック22下端を下端を係合させて蓋体
閉塞状態を保持させ、それ等係合突条とフックとの係合
を外すための係合解除手段を容器前部に付設したコンパ
クト容器において、容器本体前壁3bの左右方向中間部に
前面および上面開口で、かつ後面左右両部に縦溝８、８
を有する第２凹部５を穿設し、上記縦溝８、８内へ左右
両端部を嵌着させた基板11の左右方向中間部から起立す
る延長板部12の上端部前面に上記係合突条13を横設する
と共に、上記左右両端部を除く基板左右両上部からアー
ム14、14を前方突出し、かつこれ等アーム前端に薄肉ヒ
ンジ部16、16を介して、左右両端上部後面を連結して押
込み板15を垂下し、又該押込み板上部から上記アーム1
4、14間へ押上げ板17を後方突出する、中硬質合成樹脂
で一体成形した開蓋用部材10を、上記第２凹部５内へ嵌
着させ、上記押上げ板17後部をフック22下面へ係合させ
て、それ等押込み板15と押上げ板17とで、上記係合突条
13とフック22との係合解除手段を形成した。

「作用」 第２図の状態から開蓋用部材10の押込み板15下部を後方
へ押込むと、第３図のようにその押込み板上端の左右両
方向中間部から後方へ突出する押上げ板17が蓋体20前部
から垂下するフック22下端面を突上げることで、該フッ
ク下端突部と容器本体前部に横設した係合突条13との係
合が外れて開蓋し、又上記押込みを離すと、押込み板上
端の左右両側と、開蓋用部材基板上端の左右両側から前
方へ突出するアーム14、14前端とを連結する肉薄ヒンジ
ブロック16、16が弾性復元することで第２図の状態に復
帰し、蓋体閉塞によって上記フック下端の突部23が係合
突条13下面へ係合する。

「実施例」 １は硬質合成樹脂製の容器本体で底壁２周縁から周壁３
を起立する。その周壁の後壁3a左右方向中間部には後面
および上面開口の蓋体枢着用凹部４を有し、又前壁3bの
左右方向中間部には前面および上面開口の第２凹部５を
有する。図示例において、該第２凹部は該凹部の後壁面
下端の左右方向中間部に容器本体内と連通する透孔６を
有し、該透孔上端縁に突条７を横設している。又該第２
凹部の後面左右両部には縦溝８、８を縦設している。容
器本体内へは化粧品収納用ドラム９を嵌合させることが
出来る。

上記第２凹部内には中硬質合成樹脂製の開蓋用部材10を
嵌着させる。該部材は、上記縦溝８、８内へ左右両端部
を嵌着させた基板11を有し、該基板上端の左右方向中間
部から上方へ突出する延長板部12の前面に係合突条13を
横設し、又上記基板上部の左右両部からアーム14、14を
前方へ突出し、かつ該アーム先端に押込み板15上端の左
右両部を薄肉ヒンジ部16、16を介して連結し、更にその
押込み板上端の左右方向中間部からは押上げ板17を後方
へ突出して形成している。上記基板11の後面下部には、
第２図、第３図が示すように、既述突条７を嵌合させる
ための第３凹部18を形成し、かつ該第３凹部直下の基板
後面部分を既述透孔６内へ浅く嵌合している。

20は容器本体上面を開閉する硬質合成樹脂製の蓋体で、
その後面の左右方向中間部から軸板21を垂設して該軸板
を容器本体後壁の凹部４内へ嵌合させ、該凹部左右の後
壁部分と軸板21とを、蓋体の回動が可能に枢着してい
る。又蓋体前部からはフック22を垂設して該フック下端
後部の突条23を既述開蓋用部材10の係合突条13下面に係
合させている。該係合状態においてそのフック下端面に
は開蓋用部材の押上げ板17の後部上面が接し、該状態か
らの押込み板15下部を後方へ押込むことで、フック22が
突上げられて係合突条13との係合が離脱可能に形成させ
てある。

「考案の効果」 本案は既述構成とするもので、容器本体前壁の左右方向
中間部に前面および上面開口の第２凹部５を設けて、該
第２凹部内へ嵌着させた開蓋用部材10を中硬質合成樹脂
材で形成したものとし、かつ該部材には、蓋体前部から
垂下するフックと係合させて蓋体閉塞状態を保持させる
ための係合突条13と、該係合突条と上記フック22との係
合を外すための係合解除手段、図示例では上記フックの
下端面を突上げるための押上げ板17と該押上げ板前端か
ら垂下する押込み板15とを共に設けたから、上記係合突
条13も中硬質合成樹脂製となることで、その弾性により
既述従来例の欠点を除去できると共にその係合突条13と
上記係合解除手段とは一体成形物の一部として形成でき
るから、部品数が増えて構造が複雑となることもない。
又係合突条13とフック22との係合の解除は、上記第２凹
部５の後面左右両部へ穿設した縦溝８、８へ基板11の左
右両端部を嵌着する基板11の左右両上部からアーム14、
14を前方突出し、かつこれ等アーム前端に薄肉ヒンジ部
16、16を介して、左右両端上部後面を連結して押込み板
15を垂下し、該押込み板上部からアーム14、14間へ後方
突出した押上げ板17後部をフック22下面へ係合させて、
押込み板下部の後方押込みにより、薄肉ヒンジ部16、16
を中心に押上げ板を上方へ回動させ、その押上げ板でフ
ック22を押上げ、係合突条13との係合を外すよう設けた
から、梃の原理でその係合を外すこととなり、その取外
しを容易に行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案容器の分解斜視図、第２図は蓋体閉塞状態
で示すその要部拡大断面図、第３図は容器本体と蓋体と
の蓋体閉塞状態保持のための係合を外した状態での要部
拡大断面図である。 １……容器本体、13……係合突条、22……フック

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】硬材質合成樹脂製の容器本体１と該容器本
   体上面を閉塞する硬材質合成樹脂製の蓋体20とを、各後
   部で枢着すると共に、容器本体前部に横設した係合突条
   13下面の蓋体前部から垂下するフック22下端を係合させ
   て蓋体閉塞状態を保持させ、それ等係合突条とフックと
   の係合を外すための係合解除手段を容器前部に付設した
   コンパクト容器において、容器本体前壁3bの左右方向中
   間部に前面および上面開口で、かつ後面左右両部に縦溝
   ８、８を有する第２凹部５を穿設し、上記縦溝８、８内
   へ左右両端部を嵌着させた基板11の左右方向中間部から
   起立する延長板部12の上端部前面に上記係合突条13を横
   設すると共に、上記左右両端部を除く基板左右両上部か
   らアーム14、14を前方突出し、かつこれ等アーム前端に
   薄肉ヒンジ部16、16を介して、左右両端上部後面を連結
   して押込み板15を垂下し、又該押込み板上部から上記ア
   ーム14、14間へ押上げ板17を後方突出する、中硬質合成
   樹脂で一体成形した開蓋用部材10を、上記第２凹部５内
   へ嵌着させ、上記押上げ板17後部をフック22下面へ係合
   させて、それ等押込み板15と押上げ板17とで、上記係合
   突条13とフック22との係合解除手段を形成したことを特
   徴とするコンパクト容器。