JPH07179699A - 塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents

塩化ビニル系樹脂フィルム

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JPH07179699A
JPH07179699A JP32845293A JP32845293A JPH07179699A JP H07179699 A JPH07179699 A JP H07179699A JP 32845293 A JP32845293 A JP 32845293A JP 32845293 A JP32845293 A JP 32845293A JP H07179699 A JPH07179699 A JP H07179699A
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JP
Japan
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vinyl chloride
chloride resin
weight
resin film
plasticizer
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JP32845293A
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Nobutaka Ikeda
信隆 池田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工性が良好で、耐寒性、耐油性、耐石鹸水
抽出性が優れ、揮発性が低くべたつきの少ない塩化ビニ
ル系樹脂フィルムの提供。 【構成】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し可塑剤
を15〜200重量部含有する塩化ビニル系樹脂フィル
ムにおいて、可塑剤として、2−プロピルヘプタノール
と4−メチル−2−プロピルヘキサノールとの混合物で
あって該混合物中の2−プロピルヘプタノールと4−メ
チル−2−プロピルヘキサノールとの重量比率が88/
12〜70/30であるものとフタル酸とのジエステル
を使用することを特徴とする塩化ビニル系樹脂フィル
ム、及び塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、上記の
可塑剤が15〜120重量部、有機リン酸エステルが1
〜10重量部、エポキシ化合物が0.5〜10重量部、
及び安定剤が0.1〜10重量部含有されてなる塩化ビ
ニル系樹脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、揮発性が低くかつ耐石
鹸水性、耐油性が優れたべたつきの少ない塩化ビニル系
樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂フィルムは産業資材、
日用品、農業用被覆材等の多くの分野で使用されてい
る。これらのフィルムに使用されている可塑剤の代表的
なものがフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(以下「DO
P」と記す)であり、このDOPは、可塑化効率、熱安
定性、耐寒性等の諸物性が好適な範囲にあり、広く用い
られている。
【0003】しかし、シャワーカーテン、自動車内装用
フィルム、床材、家具等の分野では、より低い揮発性、
及び優れた耐油性、耐石鹸水性が要求されるようになっ
ており、また、農業用の塩化ビニル系樹脂フィルムの分
野では耐久性向上のため、低い揮発性や、作業能率改良
のためのフィルム同志のべたつき防止が求められてい
る。
【0004】このため、可塑剤としてDOPに代えてフ
タル酸ジイソノニル(以下「DiNP」と記す)やフタ
ル酸ジイソデシル(以下「DiDP」と記す)等が用い
られたり、また、特徴のある可塑剤として2−プロピル
ヘプタノールとフタル酸とのジエステル(以下「DPH
P」と記す)を用いたフィルムが、特開平5−1947
61号公報や特開平5−194810号公報において提
案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、DiNPやD
iDPを用いたフィルムは、耐寒性や耐油性が劣り、ま
たこの改良品として提案されているDPHPは塩化ビニ
ル系樹脂への吸収性が低いため配合物のゲル化速度が遅
く、加工時の生産性の低下の恐れがあり、また得られた
フィルムの耐油性や耐石鹸水抽出性も不十分である。そ
こで、DPHPより成形加工性が優れ、またこれを用い
て得られたフィルムと同等以上の耐油性と耐石鹸水抽出
性を持つような、べたつきの少ない塩化ビニル系樹脂フ
ィルムが望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な従来技術の状況に鑑み、耐油性、耐石鹸水抽出性に優
れかつ成形加工性が良好な塩化ビニル系樹脂フィルムを
見出すべく鋭意検討を重ねたところ、2−プロピルヘプ
タノールと4−メチル−2−プロピルヘキサノールとを
特定の組成比で混合した混合アルコールとフタル酸との
ジエステルを配合して得られる塩化ビニル系樹脂フィル
ムが良好な結果を与えることを見出し、本発明を完成し
た。
【0007】即ち、本発明の要旨は、塩化ビニル系樹脂
100重量部に対し可塑剤15〜200重量部を含有す
る塩化ビニル系樹脂フィルムにおいて、可塑剤として、
2−プロピルヘプタノールと4−メチル−2−プロピル
ヘキサノールとの混合物(以下「C10アルコール」と
いう)であって該混合物中の2−プロピルヘプタノール
と4−メチル−2−プロピルヘキサノールとの重量比率
が88/12〜70/30であるものとフタル酸とのジ
エステル(以下「DC10P」と記す)を使用すること
を特徴とする塩化ビニル系樹脂フィルム、に存する。
【0008】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明にいう「フィルム」は、いわゆるフィルム及びシート
を包含する。本発明の塩化ビニル系樹脂フィルムに用い
る塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重合体
のほか、塩化ビニルを主成分とする他の共重合可能なコ
モノマーとの共重合体等、塩化ビニルを主な構成単位と
する樹脂が挙げられる。共重合可能なコモノマーとして
は、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、酢酸ビ
ニル、マレイン酸またはそのエステル、アクリル酸また
はそのエステル、メタクリル酸またはそのエステル等が
挙げられる。
【0009】これを得るための重合方法としては、塩化
ビニルの重合に一般に採用される重合方法、即ち、懸濁
重合法、乳化重合法、塊状重合法等の方法を用いること
ができる。本発明の塩化ビニル系樹脂フィルムに用いる
可塑剤の原料として使用する上記C10アルコールは、
その中の2−プロピルヘプタノール/4−メチル−2−
プロピルヘキサノール重量比(以下「C10アルコール
組成比」と記す)が、88/12〜70/30、好まし
くは85/15〜75/25の範囲にあるものを用い
る。
【0010】本発明に用いる可塑剤(DC10P)は、
上記特定の組成のC10アルコールと無水フタル酸また
はフタル酸とを、エステル化触媒の存在下で常法により
エステル化反応させて得ることができる。C10アルコ
ール組成比が70/30よりも2−プロピルヘプタノー
ルが少ないものになると、揮発性及び耐寒性が悪化し、
また、C10アルコール組成比が88/12よりも2−
プロピルヘプタノールが多いものになると、成形加工性
が低下する他、耐油性や耐石鹸水抽出性も悪化する傾向
がある。
【0011】C10アルコール組成比が85/15〜7
5/25の範囲にあるときが、特に、揮発性が低く、耐
寒性、加工性の優れた、良好な性質の塩化ビニル系樹脂
フィルムを得ることができる。本発明の塩化ビニル系樹
脂フィルムは、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して
可塑剤を15〜200重量部、好ましくは15〜120
重量部配合されて成形されたものであり、該可塑剤とし
てDC10Pを使用するものである。可塑剤の配合量が
15重量部未満では、耐寒性改良等の効果が発現され
ず、また200重量部を超えるとフィルム表面にブリー
ド現象(可塑剤が成形品の表面へ滲み出す現象)が起こ
り易く、べたつきとか汚れの付着が発生することが多
い。
【0012】本発明の塩化ビニル系樹脂フィルムには、
上記可塑剤として、必要に応じ、本発明の目的を損なわ
ない範囲でDC10P以外の可塑剤を併用してもよい。
但し、可塑剤を併用する場合は、DC10Pが総可塑剤
量の50重量%以上であるようにするのが望ましい。ま
た塩化ビニル系樹脂に通常添加される添加剤、例えば安
定剤、酸化防止剤、難燃剤、滑剤、充填剤、紫外線吸収
剤、着色剤、界面活性剤、帯電防止剤等を添加してもよ
い。
【0013】併用できる可塑剤としては、例えばフタル
酸ジブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイ
ソオクチル、DOP、DiNP、DiDP、フタル酸ブ
チルベンジル、及び炭素数11〜13の高級アルコール
のフタル酸ジエステル等のフタル酸系可塑剤、トリメリ
ット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリ
イソノニル、トリメリット酸トリ−n−オクチル等のト
リメリット酸系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキ
シル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジ−2−
エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−
2−エチルヘキシル等の脂肪酸エステル系可塑剤、ある
いはポリエステル系可塑剤等が挙げられる。
【0014】また、用いる安定剤の例としては、塩化ビ
ニル系樹脂用の安定剤であれば特に制限はなく、例え
ば、三塩基性硫酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、オルトケイ
酸鉛−シリカゲル共沈物、二塩基性ステアリン酸鉛、カ
ドミウム−バリウム系安定剤、バリウム−亜鉛系安定
剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、錫系安定剤、及びマグ
ネシウム、アルミニウム、ケイ素等の無機塩を主成分と
した安定剤等が挙げられる。
【0015】滑剤としては、高級脂肪酸またはその金属
塩類、各種パラフィン、高級アルコール類、天然ワック
ス類、ポリエチレンワックス、脂肪酸エステル、または
脂肪酸アミド等が使用できる。充填剤としては、例え
ば、炭酸カルシウム、クレイ、タルク、シリカ系微粉
末、水酸化アルミニウム等が使用できる。また、難燃剤
としては、例えば、三酸化アンチモン、ホウ酸バリウ
ム、ホウ酸亜鉛、酸化亜鉛、及び塩素化ポリエチレンそ
の他のハロゲン系難燃剤等を挙げることができる。
【0016】本発明の塩化ビニル系樹脂フィルムは、塩
化ビニル系樹脂と上記のDC10P、及び必要に応じて
上述のその他の配合剤を、塩化ビニル系樹脂の加工に通
常使用される、リボンブレンダーやスーパーミキサー等
の混合設備、バンバリーミキサーや二本ロール等の混練
設備により混合・混練し、Tダイ法、インフレーション
法等の押出成形法、カレンダー成形法、流延法等の一般
的なフィルム成形法に供することにより製造することが
できる。
【0017】また、塩化ビニル系樹脂100重量部に対
し、可塑剤(その50重量%以上をDC10Pとする)
を15〜120重量部配合し、更に有機リン酸エステル
を1〜10重量部、エポキシ化合物を0.5〜10重量
部、及び安定剤を0.1〜10重量部含有する塩化ビニ
ル系樹脂フィルムは、成形加工が速やかにできてべたつ
きが少なく、かつ可塑剤の揮発が少なく耐候性に優れ、
また耐寒性も良好であるので、特に農業用塩化ビニル系
樹脂フィルム用途に適している。
【0018】ここで使用する可塑剤の量としては、塩化
ビニル系樹脂100重量部に対し、15〜120重量部
が好適であり、15重量部未満では耐寒性改良等の効果
が発現されず、また120重量部を超えるとべたつき防
止効果が不十分となりやすい。使用する有機リン酸エス
テルとしてはリン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチ
ルヘキシル、リン酸−2−エチルヘキシルジフェニル、
リン酸トリクレジル等が例示でき、この有機リン酸エス
テルの配合量は塩化ビニル系樹脂100重量部にたいし
て1〜10重量部が好ましく、1重量部未満では耐候性
改良の効果が不十分であり、一方、10重量部を超えた
量を使用しても、効果は添加量に見合って増加すること
がないばかりか、この有機リン酸エステルがフィルム表
面に滲み出したりして好ましくない。
【0019】エポキシ化合物としては、エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化トール油脂肪酸−
2−エチルヘキシル等のエポキシ系可塑剤または液状の
エポキシ樹脂等が挙げられ、その配合量は塩化ビニル系
樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部がよ
い。0.5重量部未満では耐候性、熱安定性向上の効果
は不十分であり、逆に10重量部を超えると、フィルム
表面がべたつきやすくなる。
【0020】安定剤としては前述の種々の安定剤を使用
でき、その使用量は塩化ビニル系樹脂100重量部に対
して、0.1〜10重量部が好適である。添加量が0.
1重量部未満では熱安定性が不十分であり、他方10重
量部を超えて使用しても安定化効果はあまり増加せず、
経済的に好ましくない。
【0021】この塩化ビニル系樹脂フィルムにも、本発
明の目的を損なわない範囲で、前記のようにDC10P
以外の可塑剤を併用してもよく、また、上述の必須成分
の他に通常塩化ビニル系樹脂フィルムに使用される添加
剤、例えば、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、充填剤、着色剤、離型剤等を使用してもよい。ま
た、このフィルムを農業用塩化ビニル系樹脂フィルムと
して使用する場合は、同様に通常農業用塩化ビニル系樹
脂フィルムに配合される成分、例えば防曇剤、防霧剤、
保温剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、
染料、顔料等を添加することができる。
【0022】併用できる可塑剤としては、前述のような
塩化ビニル系樹脂用可塑剤が例示できる。但し、前述の
ようにDC10Pが可塑剤総量の50重量%以上である
のが好ましい。また、滑剤、充填剤等も前に例示された
ものがそのまま適用できる。
【0023】この塩化ビニル系樹脂フィルムも前述の製
造設備を用いて製造できる。本発明の塩化ビニル系樹脂
フィルムは、上述の通り農業用フィルムに適している
他、低い揮発減量と良好な耐寒性を活かして、織布また
は不織布とこのフィルムを貼り合わせて得られる屋外用
途の帆布等にも好適である。
【0024】
【実施例】次に本発明の実施の態様を実施例を用いて更
に詳しく説明するが、本発明は、その要旨を超えない限
り、以下の実施例により限定されるものではない。な
お、実施例、比較例中「部」、「%」とあるのは、それ
ぞれ「重量部」、「重量%」を示す。
【0025】<エステルの調製>実施例1 無水フタル酸148g(1モル)、C10アルコールとし
て、2−プロピルヘプタノール347.6g(2.20
0モル)及び4−メチル−2−プロピルヘキサノール4
7.4g(0.300モル)(C10アルコール組成比:
88/12)、及びエステル化触媒としてテトライソプ
ロピルチタネート0.30g(0.2%/無水フタル酸) を
温度計、窒素導入管,攪拌機,Dean-Stark型分水器(以
下、単に「分水器」と言う)、及び還流冷却器を付した
内容積2リットルのフラスコに仕込み、窒素気流下で攪
拌しながら加熱し、反応液温度を210℃まで昇温し反
応を開始した。引き続き、生成水を分水器により連続的
に系外へ除去し、反応液の酸価が1mgKOH/g以下になる
まで反応を継続した。反応終了後、未反応のC10アル
コールを系を減圧にして回収した後、常法により中和、
水洗、減圧脱水し、C10アルコールのフタル酸ジエス
テル433gを得た。
【0026】得られたエステルは、外観は無色透明の油
状で良好であり、色相25APHA、酸価0.01mgKOH/
g、エステル価は251mgKOH/gであり、ケン化分解物
のガスクロマトグラフ分析(以下「GLC」という)で
の保持時間はそれぞれ2−プロピルヘプタノール及び4
−メチル−2−プロピルヘキサノールと一致した。
【0027】実施例2 C10アルコールとして、2−プロピルヘプタノール3
35.8g(2.125モル)及び4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノール59.3g(0.375モル)(C10
アルコール組成比:85/15)を用いたこと以外は実
施例1と同様に反応・後処理を行い、C10アルコール
のフタル酸ジエステル435gを得た。得られたエステ
ルは、外観は無色透明の油状で良好であり、色相25AP
HA、酸価0.01mgKOH/g、エステル価は251mgKOH/
gで、ケン化分解物のGLCでの保持時間はそれぞれ2
−プロピルヘプタノール及び4−メチル−2−プロピル
ヘキサノールと一致した。
【0028】実施例3 C10アルコールとして、2−プロピルヘプタノール2
96.3g(1.875モル)及び4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノール98.8g(0.625モル)(C10
アルコール組成比:75/25)を用いたこと以外は実
施例1と同様に反応・後処理を行い、C10アルコール
のフタル酸ジエステル431gを得た。得られたエステ
ルは、外観は無色透明の油状で良好であり、色相30AP
HA、酸価0.01mgKOH/g、エステル価は251mgKOH/
gで、ケン化分解物のGLCでの保持時間はそれぞれ2
−プロピルヘプタノール及び4−メチル−2−プロピル
ヘキサノールと一致した。
【0029】実施例4 C10アルコールとして、2−プロピルヘプタノール2
76.5g(1.750モル)及び4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノール118.5g(0.750モル)(C1
0アルコール組成比:70/30)を用いたこと以外は
実施例1と同様に反応・後処理を行い、C10アルコー
ルのフタル酸ジエステル434gを得た。得られたエス
テルは、外観は無色透明の油状で良好であり、色相30
APHA、酸価0.01mgKOH/g、エステル価は251mgKO
H/gで、ケン化分解物のGLCでの保持時間はそれぞれ
2−プロピルヘプタノール及び4−メチル−2−プロピ
ルヘキサノールと一致した。
【0030】比較例1 C10アルコールとして、2−プロピルヘプタノール3
95.0g(2.500モル)(C10アルコール組成
比:100/0)を用いたこと以外は実施例1と同様に
反応・後処理を行い、2−プロピルヘプタノールのフタ
ル酸ジエステル430gを得た。得られたエステルは、
外観は無色透明の油状で良好であり、色相25APHA、酸
価0.01mgKOH/g、エステル価は250mgKOH/gで、
ケン化分解物のGLCでの保持時間は2−プロピルヘプ
タノールと一致した。
【0031】比較例2 C10アルコールとして、2−プロピルヘプタノール3
75.3g(2.375モル)及び4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノール19.8g(0.125モル)(C10
アルコール組成比:95/5)を用いたこと以外は実施
例1と同様に反応・後処理を行い、C10アルコールの
フタル酸ジエステル429gを得た。得られたエステル
は、外観は帯微黄色透明の油状で良好であり、色相35
APHA、酸価0.01mgKOH/g、エステル価は251mgKO
H/gで、ケン化分解物のGLCでの保持時間はそれぞれ
2−プロピルヘプタノール及び4−メチル−2−プロピ
ルヘキサノールと一致した。
【0032】比較例3 C10アルコールとして、2−プロピルヘプタノール1
97.5g(1.250モル)及び4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノール197.5g(1.250モル)(C1
0アルコール組成比:50/50)を用いたこと以外は
実施例1と同様に反応・後処理を行い、C10アルコー
ルのフタル酸ジエステル431gを得た。得られたエス
テルは、外観は無色透明の油状で良好であり、色相30
APHA、酸価0.01mgKOH/g、エステル価は250mgKO
H/gで、ケン化分解物のGLCでの保持時間はそれぞれ
2−プロピルヘプタノール及び4−メチル−2−プロピ
ルヘキサノールと一致した。
【0033】比較例4 C10アルコールとして、4−メチル−2−プロピルヘ
キサノール395.0g(2.500モル)(C10アル
コール組成比:0/100)を用いたこと以外は実施例
1と同様に反応・後処理を行い、4−メチル−2−プロ
ピルヘキサノールのフタル酸ジエステル436gを得
た。得られたエステルは、外観は無色透明の油状で良好
であり、色相30APHA、酸価0.01mgKOH/g、エステ
ル価は251mgKOH/gで、ケン化分解物のGLCでの保
持時間は4−メチル−2−プロピルヘキサノールと一致
した。
【0034】<可塑剤組成物の評価方法>
【表1】 (1)外観 肉眼にて透明性及び不純物混
入の有無を調べる。 (2)色相 JIS K6751に準拠し
た。 (3)酸価 JIS K6751に準拠し
た。 (4)エステル価 JIS K6751に準拠し
た。
【0035】<物性の評価方法> (1)加工性の評価 実施例及び比較例のフタル酸ジエステルを下記の配合に
て混合し、ブラベンダー・プラストグラフ(Brabender
社製、プラスチコーダーPLV151型、機械的トルク
検出方式)を用いて、セル温度160℃、回転数80rp
m にて混練し、最高のトルク値に到達するまでの時間
(これを「ゲル化時間」として表した)を測定した。ゲ
ル化時間が短いものほど加工性が良いものと判定した。
評価結果を表−1に示す。
【0036】
【表2】 塩化ビニル樹脂 100部 (三菱化成ビニル(株)製、商品名ビニカ(商標登録)37L、 平均重合度1050) フタル酸ジエステル 50 Cd−Ba系安定剤 1
【0037】(2)シート物性(透明配合試験) 実施例及び比較例のフタル酸ジエステルを可塑剤として
使用して、下記の配合で塩化ビニル系樹脂組成物を調製
した。
【0038】
【表3】 塩化ビニル樹脂 100部 (三菱化成ビニル(株)製、商品名ビニカ(商標登録)37H、 平均重合度1300) フタル酸ジエステル 67 バリウム−亜鉛系液状安定剤 3
【0039】上記の配合物を、ビーカー中で予備混合し
た後、常法により170℃に温度調節した二本ミルロー
ル上で十分に混合し(5分間)、その後、所定の厚さと
なるようプレス加工(温度:175℃、予熱:1.96
MPa(20kg/cm2) で2分間、プレス:19.6MPa(200kg/
cm2)で5分間)した。得られたシートについて、下記の
方法で物性を測定し、性能を評価した。結果を表−1に
併せて示す。
【0040】
【表4】 引張試験 JIS K6723に準拠し
た。 硬度 JIS K6301に準拠し
た。 揮発減量 ASTM D1203−52
Tに準拠した。 耐油性(ケロシン抽出量) 直径5cmの試料を秤量後、23℃で、24時間石油(ケロシ
ン)に浸漬した後、試料を取り出す。取り出した試料を空
気循環式のオーブン内で80℃、4時間乾燥し、吸収さ
れている石油を除去した上、デシケータ中で室温まで冷
却する。冷却後の試料を再秤量して、石油によって抽出
された可塑剤損失量(重量%)を求める。 石鹸水抽出性 上記の耐油性(ケロシン抽出量)において、石油(ケロシ
ン)に代えて1%石鹸水を用い、温度50℃で4日間浸漬
する以外はケロシン抽出量の評価と同様に試験を行っ
た。 耐寒性(低温柔軟温度)ASTM D1043−51
に準拠した。
【0041】(3)べたつき性 実施例及び比較例のフタル酸ジエステルを可塑剤として
使用して、下記の配合で塩化ビニル系樹脂組成物を調製
した。
【0042】
【表5】 塩化ビニル樹脂 100部 (三菱化成ビニル(株)製、商品名ビニカ(商標登録)37H、 平均重合度1300) フタル酸ジエステル 45 有機リン酸エステル(トリクレジルホスフェイト) 5 エポキシ樹脂 2 バリウム−亜鉛系液状安定剤 2 バリウム−亜鉛系粉末安定剤 1 ソルビタンモノパルミテート 1.5 ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 0.2
【0043】上記の配合物を、スーパーミキサーを用い
て10分間攪拌混合した後、165℃に温度調節した二
本ミルロール上で混練し、更にL型カレンダー装置によ
って巾100cm、厚さ0.075mmの透明な軟質塩化ビ
ニル系樹脂フィルムを作成した。このフィルムのべたつ
き性を下記の方法で評価した。結果を表−1に併せて示
す。
【0044】べたつき性の評価 得られたフィルムから50cm角の試料を切り取り、これ
を四つ折にした上から30kgの荷重をかけて、40℃で
24時間放置する。その後、荷重を除き、フィルムを広
げる際のフィルム表面相互のべたつき状況を観察した。
評価結果は以下のように表した。
【0045】
【表6】 ○:べたつきがほとんどない △:べたつきが若干ある ×:べたつきが著しくある
【0046】
【表7】
【0047】<結果の評価>上記実施例及び比較例よ
り、本発明の塩化ビニル系樹脂フィルムについて、以下
の諸点が認められる。 加工性 :C10アルコール組成比が2−プロピル
ヘプタノールが多い方に本発明の好適範囲を外れたもの
(比較例1、2)に比べ、ゲル化が速く、良好な加工性
を示している。 耐油性 :耐油性(ケロシン抽出量)において、C
10アルコール組成比が本発明の範囲外の比較例1、2
(100/0、95/5)に比べて、抽出量が少ない。
【0048】耐寒性 :C10アルコール組成比が
本発明の範囲外の比較例3、4(50/50、0/10
0)に比べて、耐寒性が良好である。 石鹸水抽出性:C10アルコール組成比が2−プロピ
ルヘプタノールが多いもの(比較例1、2)に比べ、石
鹸水による抽出量が少ない。 揮発減量 :C10アルコール組成比が4−メチル−
2−プロピルヘキサノールが多い比較例3、4は揮発減
量が大きく、耐久性が劣る。 べたつき性:問題なく良好。
【0049】これらの結果より、本発明の塩化ビニル系
樹脂フィルムはべたつきが少なく、かつ耐揮発性、耐油
性、耐寒性、耐石鹸水抽出性、及び加工性に優れている
ことが認められる。このような特徴は特に農業用フィル
ムや帆布用として好適である。
【0050】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂フィルムは、
加工性が優れ、耐寒性、耐油性、耐石鹸水抽出性が良好
で揮発性やべたつきが少ない等の、好ましい性能を持っ
ており、各種の用途に好適に使用できる。特に、農業用
塩化ビニル系樹脂フィルムや、帆布に適している。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し可
    塑剤を15〜200重量部含有する塩化ビニル系樹脂フ
    ィルムにおいて、可塑剤として、2−プロピルヘプタノ
    ールと4−メチル−2−プロピルヘキサノールとの混合
    物であって該混合物中の2−プロピルヘプタノールと4
    −メチル−2−プロピルヘキサノールとの重量比率が8
    8/12〜70/30であるものとフタル酸とのジエス
    テルを使用することを特徴とする塩化ビニル系樹脂フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
    可塑剤が15〜120重量部、有機リン酸エステルが1
    〜10重量部、エポキシ化合物が0.5〜10重量部、
    及び安定剤が0.1〜10重量部含まれる請求項1に記
    載の塩化ビニル系樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の塩化ビニル系樹脂フィ
    ルムからなる農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7291748B2 (en) 2005-07-28 2007-11-06 Basf Corporation C10/C7 ester mixtures based on 2-propylheptanol
EP1951807A1 (en) * 2005-11-23 2008-08-06 PolyOne Corporation Use of a blend of phthalate plasticizers in poly(vinyl halide) compounds

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