JPH07177830A - 水耕栽培方法 - Google Patents

水耕栽培方法

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JPH07177830A
JPH07177830A JP5346590A JP34659093A JPH07177830A JP H07177830 A JPH07177830 A JP H07177830A JP 5346590 A JP5346590 A JP 5346590A JP 34659093 A JP34659093 A JP 34659093A JP H07177830 A JPH07177830 A JP H07177830A
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Japan
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bed
culture solution
hydroponic cultivation
plant
cultivation apparatus
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Yoshitami Yanohara
野 原 良 民 矢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 植物の成育を大幅に促進させることができ
る、水耕栽培方法を提供する。 【構成】 ベッド12を準備する工程と、植物Pが定植
された定植パネル36をベッド12に着脱自在に設ける
工程と、ベッド12内に植物Pの成育に有用な活動をす
る根圏微生物や有機物分解微生物などの微生物を含む培
養液Lを貯留する工程と、ベッド12内の培養液L中に
微生物の住処となる植物性粉炭および粘土鉱物などの微
生物保持体を入れる工程と、培養液Lを波立たせて、微
生物保持体を培養液L中に懸濁させると共に、植物Pの
根を周期的に培養液L中から空気中に露出させる工程
と、ベッド12内の培養液L中に動植物質肥料などの天
然有機物を入れる工程とを含み、植物Pの根および培養
液L中の微生物に豊富な酸素を供給してそれらの活動を
活性化させる、水耕栽培方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は水耕栽培方法に関し、
特にたとえば、ネギ,シュンギク,小松菜,三つ葉,サ
ラダ菜等の葉菜類、ダイコン,ニンジン,ゴボウ等の根
菜類、ナス,キュウリ,マクワウリ,トマト,イチゴ,
メロン等の果菜類、および、カーネーション,キク,チ
ューリップ等の花き類などの植物を栽培するための水耕
栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の水耕栽培方法には、たとえば循環
ポンプ方式によるものがある。この循環ポンプ方式によ
る水耕栽培方法では、水源から導いた用水をタンク内に
貯留し、これに肥料塩類等を溶かして培養液が調整され
る。この調整された培養液をポンプによって吸水して、
パイプ管を通じて培養液がベッド内に送水される。この
場合、一定量の培養液は、排水口からオーバーフローさ
せ排水管を通って自然落下によりタンク内に排水させて
いる。この水耕栽培方法では、培養液の循環経路に酸素
を供給するために、たとえば空気混入器,噴霧器および
自然落下方式などの種々の曝気方式が具備される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
水耕栽培方法では、空気中の酸素を培養液中に溶存させ
るための種々複雑な機器が必要となるため、設備費およ
びそのランニングコストが高くついていた。しかも、そ
のような機器による曝気方式では、空気中の酸素が培養
液中に溶け込みにくいものであった。すなわち、培養液
中の溶存酸素量が少ないため、培養液中に存在する植物
の成育に有用な活動をする微生物に豊富な酸素を供給す
ることが困難となり、さらに、植物の根にも充分な酸素
を供給することができなかった。そのため、従来の水耕
栽培方法では、植物の成育を大幅に促進させることが望
めなかった。
【0004】それゆえに、この発明の主たる目的は、植
物の成育を大幅に促進させることができる、水耕栽培方
法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、ベッドを準
備する工程と、植物が定植された定植パネルをベッドに
着脱自在に設ける工程と、ベッド内に植物の成育に有用
な活動をする微生物を含む培養液を貯留する工程と、ベ
ッド内の培養液中に微生物の住処となる微生物保持体を
入れる工程と、培養液を波立たせて、微生物保持体を培
養液中に懸濁させるとともに、植物の根を周期的に培養
液中から空気中に露出させる工程と、ベッド内の培養液
中に天然有機物を入れる工程とを含む、水耕栽培方法で
ある。
【0006】
【作用】培養液中に入れられた微生物保持体は、培養液
を波立たせることにより、培養液中に懸濁される。この
微生物保持体は、植物の成育に有用な培養液中の微生物
を吸着するため、微生物の住処を形成する。微生物保持
体に保持された微生物は、培養液中に入れられた天然有
機物を餌として分解し、その有機物を無機化する。
【0007】しかも、培養液を波立たせることにより、
空気中の酸素が培養液中に溶け込み、培養液の溶存酸素
量が多くなり培養液が好気的になるとともに、定植パネ
ルに定植された植物の根が周期的に培養液中から空気中
に露出されるため、植物の根には培養液中および空気中
から豊富な酸素が供給される。したがって、培養液中の
微生物および植物の根に共生する微生物が活性化され、
培養液中の天然有機物の無機化が活発となる。この微生
物の分解処理によって得られた無機物は、植物の栄養分
として根から摂取される。
【0008】
【発明の効果】この発明によれば、培養液中に入れられ
た微生物保持体により培養液中の微生物の成育に最適な
環境を形成し、かつ、植物の根および植物の成育に有用
な微生物に豊富な酸素を供給できるので、それらの活動
が活性化され、植物の成育をより一層促進させることが
できる。培養液中に入れられた天然有機物は、微生物の
分解処理により無機化され、植物の肥料となる堆肥、す
なわち、栄養分を形成することができる。
【0009】しかも、この発明によれば、培養液を波立
たせることにより培養液中の溶存酸素の濃度をたかめる
ことができるので、培養液中の汚濁源となる有機物を分
解・無機化する微生物の活動が活性化されるため、培養
液の交換頻度を非常に少なくすることができる。また、
培養液を波立たせることで、培養液に浸漬される植物の
根を揺り動かすことができるので、植物の炭素同化作用
も促進される。
【0010】さらに、この発明によれば、従来の水耕栽
培方法と比べて、培養液を貯留する大型のタンク、培養
液を循環させるための大型かつ大電力のポンプ、培養液
中に酸素を供給するための空気混入器,噴霧器等の複雑
な機器、および交換槽などの設備が不必要となる。その
ため、この発明にかかる水耕栽培方法では、設備費およ
びランニングコストが従来の水耕栽培方法と比べて、安
くなる。
【0011】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0012】
【実施例】図1はこの発明を実施するための水耕栽培装
置の一例を示す概略正面図解図であり、図2はその要部
斜視図であり、図3はその要部側面図解図であり、図4
はその要部平面図解図である。この実施例では、先ず、
この発明の水耕栽培方法を実施するために用いられる水
耕栽培装置の一例について説明する。
【0013】この水耕栽培装置10は、その上端が開放
された平面矩形で箱状のベッド12を含む。ベッド12
は、主として植物が栽培される栽培槽14と、ベッド1
2の長手方向の一端部に形成され、栽培槽14と連通す
る干満槽16とで構成される。干満槽16は、後述の干
満造波機50と協働して、ベッド12内の培養液の水位
を上下に変位させたり、ベッド12内の培養液を波立た
せたりするものである。
【0014】栽培槽14は、たとえば矩形の第1の底面
部材18を含む。第1の底面部材18の幅方向の一端お
よび他端には、それぞれ、第1の正面部材20および第
1の背面部材22が形成される。第1の正面部材20と
第1の背面部材22とは、矩形で同じ大きさに形成さ
れ、それぞれ、第1の底面部材18の幅方向の一端およ
び他端から上方に直角に延びて形成される。また、第1
の底面部材18の長手方向の一端から上方に直角に延び
て、矩形の第1の側面部材24が形成される。第1の側
面部材24の高さ方向の長さは、第1の正面部材20お
よび第1の背面部材22のそれと同じに形成される。
【0015】さらに、第1の底面部材18の長手方向の
他端から下方に直角に延びて、たとえば矩形の仕切り部
材26が形成される。この仕切り部材26の下端には、
その下端から直角に第1の底面部材18と反対方向に延
びて、たとえば矩形の第2の底面部材28が形成され
る。この第2の底面部材28の長手方向の一端および他
端には、それぞれ、矩形の第2の正面部材30および第
2の背面部材32が形成される。第2の正面部材30お
よび第2の背面部材32は、同じ大きさに形成され、第
2の底面部材28の長手方向の一端および他端から上方
に直角に延びて形成される。この場合、第2の正面部材
30の上端面と第1の正面部材20の上端面とが同じ高
さになり、第2の背面部材32の上端面と第1の背面部
材22の上端面とが同じ高さになるように、配置され
る。
【0016】また、第2の正面部材30と第2の背面部
材32との間には、第2の底面部材28の幅方向の端部
から上方に延びて、第2の側面部材34が形成される。
この第2の側面部材34の高さ方向の長さは、第2の正
面部材30および第2の背面部材32のそれと同じに形
成され、第2の側面部材34の長手方向の長さは、第2
の底面部材28のそれと同じに形成される。
【0017】これらの第1の底面部材18,第1の正面
部材20,第1の背面部材22,第1の側面部材24,
仕切り部材26第2の底面部材28,第2の正面部材3
0,第2の背面部材32および第2の側面部材34は、
たとえば合成樹脂材料で形成され、たとえば射出成形な
どの方法により一体的に形成される。このようにして、
ベッド12が形成される。なお、各部材を、たとえば接
着剤,ボルト・ナットおよびそれ以外の固着手段で接続
することによって、ベッド12を形成するようにしても
よい。また、これらの各部材の材料としては、合成樹脂
材料に限定されるものではなく、たとえば発泡成形され
たもの、アルミ合金,ステンレス等の金属材料、あるい
は、木質材料に防水処理を施したものなどで形成しても
よい。
【0018】ベッド12は、適宜、たとえば金属材料か
らなる複数の角パイプを連結金具などで組み立てること
により形成された架台(図示せず)で支持される。この
実施例では、図2,図3および図4に示すように、2つ
のベッド12,12がたとえばその幅方向に間隔を隔て
て平行に2列に並んで配列される。なお、ベッド12
は、架台で支持される以外にも、たとえばそのベッド1
2の干満槽16部分の高さに相当する深さの穴を地面に
掘り、その穴に干満槽16部分を嵌め込み、栽培槽14
部分を地面に載置するようにして、ベッド12を設置す
るようにしてもよい。
【0019】さらに、ベッド12の上部には、複数のた
とえば矩形の定植パネル36が取付けられる。定植パネ
ル36は、たとえば発泡スチロールなどの合成樹脂材料
で形成される。定植パネル36には、適宜、間隔を隔て
て、たとえば円形の複数の孔38が形成される。
【0020】この定植パネル36は、図5(A)に示す
ように、定植パネル取付け部材40でベッド12の上部
に着脱自在に設けられる。定植パネル取付け部材40
は、たとえば断面略U字形の嵌合片42を含み、この嵌
合片42の一端には、たとえば矩形の受け片44が形成
される。受け片44は、嵌合片42の一端から直角に延
びて形成される。嵌合片42と受け片44とは、たとえ
ば合成樹脂材料などで一体的に形成される。定植パネル
36をベッド12の上部に取付ける場合、ベッド12の
幅方向の両端部に、たとえば4つの定植パネル取付け部
材40が嵌め込まれる。そして、定植パネル取付け部材
40の受け片44に定植パネル36が載置されて、定植
パネル36がベッド12の上部に着脱自在に取付けられ
る。なお、定植パネル取付け部材40は、図5(B)に
示すように、定植パネル36と一体的に形成するように
してもよい。この場合、定植パネル取付け部材40の嵌
合片42が、定植パネル36の長手方向の一端部および
他端部とに、それぞれ一体的に取付けられる。
【0021】これらの定植パネル36の孔38には、そ
れぞれ、たとえば立方体状の定植用ウレタンブロック4
6が嵌め込まれる。定植用ウレタンブロック46には、
植物Pが定植される。この実施例では、植物Pの種をは
種した後子葉が展開した、育苗されたものが定植され
る。なお、これらの定植用ウレタンブロック46には、
それぞれ、植物Pの種子が直接は種されてもよい。この
実施例に用いられる水耕栽培装置10では、植物Pとし
て、特に、たとえば、ネギ,シュンギク,小松菜,三つ
葉,サラダ菜等の葉菜類、ダイコン,ニンジン,ゴボウ
等の根菜類、ナス,キュウリ,マクワウリ,トマト,イ
チゴ,メロン等の果菜類、および、カーネーション,キ
ク,チューリップ等の花き類などの植物が栽培される。
【0022】さらに、この水耕栽培装置10では、ベッ
ド12内に培養液の干満および波打ち現象を発生させる
ために、そのベッド12内に貯留された培養液Lの水位
を周期的に上下に変位させたりあるいはその培養液の液
面を叩いて培養液を波立たせるための変位手段として、
干満造波機50が設けられる。干満造波機50は、ベッ
ド12の長手方向の一端側に設けられる。この干満造波
機50は、たとえば矩形支持台52を含む。支持台52
は、図2,図3および図4に示すように、ベッド12の
平面から見て、その長手方向の一端側に設けられる。支
持台52は、2つのベッド12,12間に設けられる。
支持台50の上面には、矩形枠状の支持体54が設けら
れる。支持体54の上端面および下端面には、それぞ
れ、矩形の支持プレート56および58が固着されてい
る。
【0023】支持体54には、支持プレート56と58
との間に、回転軸60が形成される。回転軸60の軸方
向の中間部には、その円周方向に、たとえば雄ねじ部6
2が形成される。回転軸60は、その軸方向の一端が軸
受64で支持プレート56の中央部に回動自在に支持さ
れ、その軸方向の他端が軸受66で支持プレート58の
中央部に回動自在に支持される。また、支持プレート5
6および58間には、回転軸60の周囲に間隔を隔て
て、たとえば円筒形の4つのガイドロッド68a,68
b,68cおよび68dが形成される。4つのガイドロ
ッド68a〜68dは、それぞれ、それらの軸方向の一
端および他端がフランジ70で、支持プレート56およ
び58に支持されている。
【0024】さらに、回転軸60には、その回転軸60
の軸方向を上下に変位する昇降プレート72が設けられ
る。すなわち、回転軸60の軸方向の中間部には、回転
軸60の雄ねじ部62と螺合する雌ねじ部75を有する
断面T字形のソケット部材74が装着される。このソケ
ット部材74には、たとえば合成樹脂からなる矩形の昇
降プレート72が固着される。この場合、昇降プレート
72の中央および4隅部分には、それぞれ、たとえば円
形の孔(図示せず)が形成される。昇降プレート72の
中央の孔には、回転軸60が挿通される。昇降プレート
72は、たとえばボルト・ナットなどの固着手段で昇降
プレート72の中央の孔の周辺部をソケット部材74の
フランジ部分76に固着することによって、ソケット部
材74に固着される。また、昇降プレート72の4隅部
分の孔には、ガイドロッド68a〜68dがそれぞれ上
下方向に変位可能に挿通される。この場合、昇降プレー
ト72の4隅部分の孔の下側には、それぞれ、たとえば
円筒形のガイドポスト78a,78b,78cおよび7
8dが装着される。4つのガイドポスト78a〜78d
は、それらの上端面がたとえばボルト・ナットなどの固
着手段で、昇降プレート72に固着される。
【0025】さらに、昇降プレート72には、その幅方
向の両端側からベッド12側に突き出るようにして、た
とえば4つのアーム部材80a,80b,80cおよび
80dが形成される。これらのアーム部材80a〜80
dは、それぞれ、たとえば断面矩形で棒状に形成され
る。この場合、2つのアーム部材80aおよび80b
は、その軸方向の一端が昇降プレート72の幅方向の一
端側から一方のベッド12の上方に突き出るようにし
て、互いに平行に間隔を隔てて形成される。同様に、別
の2つのアーム部材80cおよび80dの軸方向の一端
は、昇降プレート72の幅方向の他端側から他方のベッ
ド12の上方に突き出し設けられる。また、これらのア
ーム部材80は、それぞれ、それらの軸方向の他端がガ
イドポスト78a〜78dの外周面に固着される。
【0026】アーム部材80aおよび80bの下方に
は、立体物として、たとえば合成樹脂材料からなる直方
体形の干満造波体84が設けられる。この場合、アーム
部材80aと80bとの間、および、アーム部材80c
と80dとの間には、それぞれ、たとえば矩形棒状の取
付け部材82,82が間隔を隔てて架け設けられる。そ
して、これらの取付け部材82の下に、干満造波体84
がたとえばボルト・ナットなどの固着手段83で取付け
られる。
【0027】一方、回転軸60の軸方向の下側には、プ
ーリ86が取付けられる。また、支持台52の側面部に
は、回転軸60を回動自在に駆動させるための駆動手段
としてのモータ88が取付けられる。モータ88の駆動
軸89には、別のプーリ90が取付けられる。2つのプ
ーリ86および90間には、たとえば無端環状のベルト
92が架け設けられる。したがって、モータ88を駆動
回転させれば、その回転力がプーリ90,ベルト92お
よびプーリ86を介して、回転軸60に伝達される。回
転軸60が回転すれば、回転軸60に螺合されるソケッ
ト部材74が回転軸60の軸方向に変位する。この実施
例では、モータ88を正回転させれば、ソケット部材7
4が回転軸60の軸方向に沿って下降し、モータ88を
逆回転させれば、ソケット部材74が回転軸60の軸方
向に沿って上昇するように、設定されている。このと
き、ソケット部材74の昇降にともなって、アーム部材
80a〜80dも回転軸60の軸方向に上下動し、その
動きに対応して、2つの干満造波体84,84が上昇な
いし下降する。
【0028】さらに、昇降プレート72の近傍には、干
満造波体84の上下動の変位量を制御するために、回転
軸60に対する昇降プレート72の上昇位置および下降
位置を検出するセンサとして、たとえばリミットスイッ
チ96a,96b,96cが取付けられる。この場合、
支持体54の近傍には、たとえば円筒形の保持部材94
が設けられ、この保持部材94の軸方向に所定の間隔を
隔てて、3つのリミットスイッチ96a〜96cが取付
けられる。これらのリミットスイッチ96a〜96c
は、昇降プレート72が上下動する移動経路上に配置さ
れる。すなわち、昇降プレート72が回転軸60の軸方
向に沿って上下動した場合、リミットスイッチ96a,
96bおよび96cの作動片98a,98bおよび98
cが昇降プレート72で押さえられてそれらの接点(図
示せず)が開閉される。
【0029】モータ88およびリミットスイッチ96a
〜96cには、それらの動きを制御するための制御部1
00が電気的に接続される。この制御部100は、干満
造波体84を周期的に作動させるためのものであり、リ
ミットスイッチ96a〜96cの電気的信号を受けて、
適宜、モータ88を起動ないし停止させたり、正回転な
いし逆回転させたりするためのものである。
【0030】リミットスイッチ96a,96bおよび9
6cで干満造波体84の上昇位置および下降位置を検出
して、その上下方向の変位量を制御することができる。
この実施例では、昇降プレート72のストローク長さ
が、たとえばリミットスイッチ96aおよび96cで規
制される。すなわち、昇降プレート72は、リミットス
イッチ96aの作動片98aを押圧したときに干満造波
体84が上限で停止し、所定の時間が経過した後、再
び、昇降プレート72が下降する。そして、昇降プレー
ト72がリミットスイッチ96cの作動片98cを押圧
したときに干満造波体84が下限で停止する。さらに、
所定の時間が経過した後、再び、昇降プレート72は、
リミットスイッチ96aの作動片98aを押圧する位置
まで上昇する。この場合、干満造波体84の上限および
下限間のストローク長さは、昇降プレート72のストロ
ーク長さと等しくなる。つまり、干満造波体84は、リ
ミットスイッチ96aおよび96c間の長さと同じスト
ロークで上下動され、所定の周期で干満槽16内に出し
入れされる。
【0031】この水耕栽培装置10では、干満造波体8
4の上下方向の変位量を調整することによって、ベッド
12内に貯留される培養液の水位を適宜調整することが
できるため、ベッド12内の培養液の水位を上下に変位
させてベッド12内に干満現象を発生させることができ
る。そのため、この水耕栽培装置10では、ベッド12
で栽培される植物の種類に応じて、ベッド12内の培養
液の水位を上げたり下げたりすることが可能となる。な
お、この水耕栽培装置10では、干満造波体84の上下
動の変位量が同じであっても、干満造波体84の容積を
大きくし、それにともなって干満槽16の深さを深くす
ることによって、ベッド12内の培養液の水位を上げる
ことができる。また、干満造波体84の上下動の変位量
を小さくすることにより、その干満造波体84で培養液
の液面を周期的に叩いて、培養液を波立たせて波打ち現
象を発生させることができる。
【0032】次に、この水耕栽培装置10の干満造波機
50の作動状態について説明する。この水耕栽培装置1
0では、予め、各ベッド12の干満槽16内の所定の位
置に干満造波体84が配置される。この場合、干満造波
体84は、それを干満槽16内の下部まで挿入した状態
したときに、定植パネル36に支持された植物Pの根が
培養液中に浸漬するように配置される。このときの培養
液の水位が初期の設定水位となる。この実施例では、昇
降プレート72がリミットスイッチ96cの作動片98
cを押圧する位置に、干満造波体84が配置される。
【0033】そして、駆動手段であるモータ88を駆動
させることにより、モータ88の駆動軸89に取付けら
れたプーリ90が回転する。プーリ90が回転すれば、
ベルト92を介して、回転軸60に装着されたプーリ8
6が回転する。プーリ86が回転するとともに回転軸6
0が回転し、その回転軸60の雄ねじ部62に螺合され
たソケット部材74が回転軸60の軸方向に沿って上下
に変位する。このとき、昇降プレート72は、ガイドポ
スト78a〜78dとともに、ガイドロッド68a〜6
8dの軸方向に沿って上下に変位する。さらに、昇降プ
レート72が上下に変位すれば、アーム部材80a〜8
0dも回転軸60の軸方向に沿って上下に変位し、その
動きに対応して、2つの干満造波体84,84が上下動
する。この場合、2つの干満造波体84,84の上下動
の変位量を小さくすれば、干満造波体84,84が培養
液の液面を叩くことになり、ベッド12内の培養液が波
立って波打ち現象が発生する。また、干満造波体84,
84の上下動の変位量を大きくすれば、ベッド12内の
培養液の水位が上下に変位することになり、ベッド12
内に干満現象が発生する。
【0034】次に、この水耕栽培装置10を用いた植物
の栽培方法の一例について説明する。まず、この水耕栽
培装置10のベッド12の中に培養液Lが貯留される。
培養液Lとしては、たとえば水に植物Pの栄養となる肥
料塩類などを溶かした養液に、植物の成育に有用な活動
をする微生物として、有機物を分解することができる、
たとえば乳酸菌や酵母菌などの有機物分解微生物を混入
したものが用いられる。なお、この有機物分解微生物に
は、従属栄養微生物も含まれる。
【0035】次に、ベッド12の上部には、たとえばダ
イコン,ニンジン,ゴボウ等の根菜類、または、ナス,
キュウリ,マクワウリ,メロン,トマト等の果菜類など
の植物の種子がは種後定植された複数の定植パネル36
が着脱自在に取付けられる。この実施例では、ベッド1
2の干満槽16の中に干満造波体84を挿入したとき
に、植物Pの根が培養液L中に浸漬されるように、培養
液Lの水位が初期設定される。
【0036】さらに、ベッド12内の培養液中には、こ
れらの有機物分解微生物の住処となる微生物保持体とし
て、たとえば植物性粉炭ないし植物性粒炭、および、粉
末状ないし粒状の粘土鉱物が混入される。この場合、植
物性粉炭ないし粒炭、および、粉末状ないし粒状の粘土
鉱物の粉径ないし粒径は、定植用ウレタンブロック46
の細泡を目づまりさせない程度の大きさ、すなわち、細
泡の径より大きく形成される。微生物保持体は、たとえ
ば人間の手作業によって、ベッド12内の培養液L中に
入れられる。なお、培養液中に混入される微生物保持体
としては、植物性粉炭および粘土鉱物のどちらか一方だ
けであってもよい。また、植物性粉炭ないし粒炭および
粉末状ないし粒状の粘土鉱物以外に、たとえば天然石な
いしセラミック等を粉末状ないし粒子状にしたものを培
養液中に混入するようにしてもよい。さらに、植物性粉
炭,粘土鉱物,天然石,セラミックの内のいずれか2つ
以上を組み合わせて、培養液中に混入するようにしても
よい。また、植物性の炭には、たとえば海草などの顕花
植物の炭も含まれる。
【0037】また、ベッド12内の培養液中には、天然
有機物として、たとえば積み肥,うまや肥,緑肥,家畜
の糞尿,魚肥,木灰,骨粉等の動植物質肥料が投入され
る。この実施例では、特に、たとえば鶏糞,牛糞ないし
この水耕栽培装置で栽培される植物と同じ科に属する雑
草等の植物が、たとえば人間の手作業によって、ベッド
12内の培養液L中に投入される。
【0038】一方、この水耕栽培装置10では、干満発
生機50を作動させて、所定の周期で干満造波体84を
長いストロークで上下動させ、ベッド12内の培養液L
の水位を上げたり下げたりすることによって、ベッド1
2内の培養液に干満現象が発生される。
【0039】さらに、この水耕栽培装置10では、干満
発生機50を作動させて、所定の周期で干満造波体84
を短いストロークで上下動させ、ベッド12内の培養液
Lの液面を叩くことによって、ベッド12内の培養液L
に波打ち現象が発生される。この場合、植物Pの根が周
期的に培養液中から空気中に露出するように、干満造波
体84で培養液の液面が叩かれる。すなわち、この水耕
栽培装置10では、たとえば図6に示すように、干満造
波体84の上下の変位量を少なくすることにより、ベッ
ド12内に波を起こさせることができる。すなわち、干
満を発生させる場合の昇降プレート72の上下動のスト
ローク長さよりもその上下動のストロークが短く設定さ
れる。この場合、昇降プレート72の上下動のストロー
ク長さが、たとえばリミットスイッチ96bおよび96
cで規制される。つまり、干満造波体84は、リミット
スイッチ96bおよび96c間の長さと同じストローク
で上下動する。このとき、干満造波体84の下端面がベ
ッド12内の培養液の液面を叩いて波を発生させること
ができる。この実施例では、干満造波体84がたとえば
1〜3秒間に1回のサイクルで上下に1往復するように
設定される。
【0040】この実施例では、ベッド12内の培養液を
波立たせることにより、培養液中に入れられた微生物保
持体が、その波の流動により攪拌されて懸濁される。こ
の場合、干満発生機50でベッド12内に波打ち現象を
発生させると同時に、微生物保持体がベッド12内の培
養液中に入れられる。なお、微生物保持体は、波打ち現
象を発生させる直前ないし直後に、培養液中に入れられ
てもよい。また、培養液中に入れられて懸濁された微生
物保持体は、コロイド状に近い状態で培養液中に拡散す
るようにしてもよい。
【0041】この水耕栽培装置10を用いた水耕栽培方
法では、ベッド12内の培養液Lの水位を周期的に上下
に変位させることによって、ベッド12内に培養液Lの
干満差が発生する。そのため、植物Pの根部分を周期的
に空気中にさらすことができ、空気中の酸素を根部分に
直接供給することができる。しかも、培養液Lの干満の
たびごとに、培養液中にも空気中の酸素が溶け込むの
で、植物Pの根部分には、豊富に酸素が供給される。さ
らに、植物Pの根と共生関係にある微生物にも豊富な酸
素が供給され、その活動が活性化されるため、植物Pの
成育が促進される。
【0042】さらに、この水耕栽培装置10を用いた水
耕栽培方法では、ベッド12内の培養液を波立たせるこ
とによって、培養液中の植物性粉炭ないし粒炭、およ
び、粉末状ないし粒状の粘土鉱物を懸濁させることがで
きる。この懸濁化された培養液中の植物性粉炭ないし粒
炭、および、粉末状ないし粒状の粘土鉱物には、それぞ
れ、微生物が吸着され定着される。すなわち、植物性粉
炭ないし粒炭、および、粉末状ないし粒状の粘土鉱物
は、微生物の繁殖に最適な環境の住処となり、培養液中
に入れられた動植物質肥料を取り入れるための媒体とも
なる。これは、植物性粉炭ないし粒炭、および、粉末状
ないし粒状の粘土鉱物のアルカリ度が比較的高く、交換
性イオンの性格をもつためである。しかも、植物性粉炭
が培養液中に懸濁されるため、ベッド12内の培養液中
には、植物の根と共生する有用微生物が増加して植物の
成育を活性化させる。
【0043】さらに、この水耕栽培方法では、培養液中
の微生物によって、培養液中に入れられた動植物質肥
料、すなわち、有機物が分解・無機化され、培養液中に
植物の栄養分が生成される。そして、その栄養分は、植
物の根から摂取される。また、培養液中に生成される栄
養分の一部は、ベッド12の底部に堆積され、堆肥肥料
とすることができる。この場合、ベッド12の底部に堆
積された堆肥肥料は、適宜、ベッド12の底部に排出口
(図示せず)を設けて、たとえば吸引ポンプなどで吸引
して、ベッド12から取り出される。この水耕栽培方法
では、ベッド12内に、植物の根と培養液中の微生物と
の共生の場が作られる。言い換えれば、この水耕栽培方
法では、植物Pの成育に有用な活動をする微生物の繁
殖,植物の栄養分および堆肥を同一の場で作り上げるこ
とができる。
【0044】しかも、この水耕栽培装置10を用いた水
耕栽培方法では、ベッド12内の培養液を波立たせるこ
とによって、培養液Lの界層面に空気が巻き込まれる。
このとき、空気中の酸素が培養液L中に溶け込み、界層
面の溶存酸素が豊富になる。そのため、培養液中の有機
物分解微生物に豊富な酸素が供給され、その活動が活性
化される。その上、植物Pの根部分(地下部)は、空気
中から酸素を吸収するとともに、培養液Lの界層面から
も培養液L中の溶存酸素を多量に吸収することができる
ので、根への酸素供給効果が上がる。しかも、植物Pの
根部分に有用でかつ共生関係にある根圏微生物にも豊富
な酸素が供給され、微生物の活性化を容易にする。
【0045】また、培養液Lの水面を波立たせることに
より、培養液表面の表面積を大きくし、多量の気化熱を
発生させることができる。そのため、盛夏時において
も、気温上昇によるベッド内の培養液の温度上昇が防止
される。この場合、発明者の実験によれば、従来の循環
式の水耕栽培装置のそれと比べて、培養液Lの温度上昇
がハウス内の室温より10℃ほど低くなることがわかっ
た。しかも、この水耕栽培装置10では、培養液Lを波
立たせることによって、植物全体が揺れ動かされてベッ
ド12に自然のそよ風が発生するため、たとえば送風機
等の空調設備を水耕栽培装置10の周囲に設置する必要
がない。
【0046】また、培養液Lの水面を波立たせることに
より、植物Pの根部分が絶えず揺り動かされるので、植
物Pの根部分における炭酸ガスと酸素とのガス交換が良
くなる。この場合、植物Pの根部分が揺り動かされると
同時に植物Pの地上部も含めて全体が揺り動かされるた
め、植物P全体としてのガス交換も活性化される。すな
わち、植物P全体が揺動されるため、光合成が活性化さ
れ、植物の成長が速くなる。発明者の実験によれば、植
物Pの揺動が風速にして、50〜60cm/sで光合成
の活性化が2倍になり、成長が3割速くなることが判明
した。
【0047】さらに、培養液Lの水面を波立たせること
により、植物Pの地下部および地上部が揺動されるた
め、たとえばアブラムシなどの害虫が植物Pに付きにく
くなる。
【0048】図7はこの発明の水耕栽培方法を実施する
ための水耕栽培装置の他の例を示す正面図解図である。
図7に示す実施例の水耕栽培装置10では、図1〜図4
の水耕栽培装置と比べて、特に、干満造波機50がベッ
ド12の長手方向の一端側と他端側とに設けられてい
る。この場合、ベッド12の長手方向の一端側および他
端側に、干満槽16がそれぞれ形成される。そして、各
干満槽16の上方には、図1〜図4に示す水耕栽培装置
10と同様に、上下に変位する干満造波体84がそれぞ
れ形成される。図7に示す水耕栽培装置10でも、図1
〜図4に示す水耕栽培装置10と同様に、ベッド12内
の培養液Lに干満現象および波打ち現象を発生させて植
物Pの根を培養液Lから周期的に空気中に露出させるこ
とができるため、植物Pの根部分および培養液中の微生
物に豊富な酸素が供給され、植物Pの成育が活性化され
る。そのため、図7に示す水耕栽培装置でも、図1ない
し図4に示す水耕栽培装置で実施される水耕栽培方法と
同様の効果が得られる。
【0049】図8はこの発明の水耕栽培方法を実施する
ための水耕栽培装置のさらに他の例を示す要部斜視図で
ある。図8に示す水耕栽培装置10では、図1〜図4の
水耕栽培装置と比べて、特に、干満造波機の構造が相違
する。図8に示す水耕栽培装置10では、ベッド12の
長手方向の中央に、干満造波機50が設けられる。この
場合、ベッド12の長手方向の中央に干満槽16が形成
され、その干満槽16の上方に干満造波体84が配置さ
れる。
【0050】すなわち、この干満造波機50は、たとえ
ば金属からなる円筒形の軸部102を含む。軸部102
は、ベッド12の長手方向の中央で干満槽16の上方
に、回動自在に設けられる。この軸部102は、ベッド
12の中央側部に配置された枠体(図示せず)に軸受な
どで回動自在に支持される。軸部102の軸方向の中間
部には、プーリ104が設けられる。また、軸部102
の上方には、この軸部102を回動自在に駆動させるた
めの駆動手段としてのモータ106が設けられる。モー
タ106の駆動軸108には、プーリ110が取付けら
れる。2つのプーリ104および110間には、ベルト
112が架け設けられる。
【0051】さらに、軸部102の軸方向の一端および
他端には、クランク部材114が設けられる。クランク
部材114は、たとえば断面L字形のクランク腕116
を含み、このクランク腕116の端部には、作動部材1
18が回動自在に取着される。この場合、作動部材11
8の軸方向の上端部が、クランクピン120により、ク
ランク腕116に回動自在に支持される。一方、作動部
材118の軸方向の下端部には、ピン122により、保
持部材124が枢支される。
【0052】保持部材124は、たとえば合成樹脂など
で矩形板状に形成され、その長手方向の一端側および他
端側には、その保持部材124の下端面から下方に延び
て、たとえば円筒形の連結ロッド126および128が
形成される。これらの連結ロッド126および128
は、ベッド12の中央側部に設けられた円筒形のガイド
ポスト130および132の中に挿通される。連結ロッ
ド126および128は、ガイドポスト130および1
32の中を上下方向に摺動可能に挿通される。一方、保
持部材124の下には、立体物として、たとえば合成樹
脂からなる横長直方体状の干満造波体84が吊り下げら
れる。この場合、干満造波体84は、たとえばボルト・
ナットなどの固着手段134および136で、保持部材
124に吊り下げられる。
【0053】図8に示す水耕栽培装置10では、モータ
106を駆動させることにより、モータ106の駆動軸
108に取付けられたプーリ110が回転する。プーリ
110が回転すれば、ベルト112を介して、軸部10
2に設けられたプーリ104が回転する。プーリ104
が回転するとともに軸部102が回転し、軸部102に
連結されたクランク部材114が作動する。この場合、
クランク部材114のクランク腕116は、軸部102
を中心にして回転する。そのため、作動部材118が上
下方向に往復直線運動する。作動部材118が上下動す
ることにより、保持部材124は、連結ロッド126お
よび128とともに、ガイドポスト130および132
に沿って、それぞれ上下動する。したがって、干満造波
体84は、干満槽16に出し入れされることになる。図
8に示す水耕栽培装置でも、図1ないし図4に示す水耕
栽培装置で実施される水耕栽培方法と同様の効果が得ら
れる。
【0054】図9はこの発明の水耕栽培方法を実施する
ための水耕栽培装置の別の例を示す要部斜視図である。
図9に示す水耕栽培装置10では、図1〜図4の水耕栽
培装置と比べて、特に、干満造波機の構造が相違する。
図9に示す水耕栽培装置10では、ベッド12の長手方
向の一端部に、干満造波機50が設けられる。この場
合、ベッド12の長手方向の一端部に干満槽16が形成
され、その干満槽16の上方に干満造波体84が配置さ
れる。
【0055】すなわち、この干満造波機50は、ベッド
12の長手方向の一端部の外側に設けられた支持枠13
8を含む。支持枠138は、たとえば金属材料で略U字
形に形成される。支持枠138の一端および他端部に
は、それぞれ、枢軸140を支点として、たとえば断面
矩形で平面略長円形のアーム部材142および144が
回動自在に支持されている。アーム部材142および1
44の軸方向の一端部間には、軸部146が回動自在に
取着される。この軸部146の軸方向の中間部には、た
とえば断面T字形の引張り部材148が取付けられる。
この引張り部材148は、たとえば円筒形の挿通部14
9aを含み、挿通部149aの軸方向の中央端には、下
方に延びる矩形板状の作動ロッド152がピン150で
回動自在に形成される。この作動ロッド152の長手方
向の下端には、たとえば略楕円形のクランク部材156
がクランクピン154で回動自在に取付けられている。
このクランク部材156は、モータ158の駆動軸(図
示せず)に接続される。
【0056】一方、アーム部材142および144の軸
方向の他端部には、別の軸部160を支点にして、直方
体状の干満造波体84が回動自在に取付けられる。この
場合、軸部160の軸方向の両端には、たとえば3角形
板状の保持部材162および164が回動自在に取着さ
れる。さらに、保持部材162および164の下端面に
干満造波体84が固着される。
【0057】図9に示す水耕栽培装置10では、モータ
158を駆動させることにより、そのモータ158の駆
動軸に取付けられたクランク部材156が回転作動す
る。クランク部材156が回転すれば、アーム部材14
2および144が枢軸140を支点にして、上下方向に
往復直線運動する。すなわち、クランク部材156の回
転により作動ロッド152のクランクピン154が上死
点に位置したとき、引張り部材148は軸部146を上
方に押圧し、アーム部材142および144の軸方向の
一端側を上方に押圧する。そのため、アーム部材142
および144の軸方向の他端側は、枢軸140を支点に
して、下方に変位する。
【0058】逆に、クランク部材156の回転により作
動ロッド152のクランクピン154が下死点に位置し
たとき、引張り部材148は軸部146を下方に引っ張
り、アーム部材142および144の軸方向の一端側を
下方に引っ張ることになる。そのため、アーム部材14
2および144の軸方向の他端側は、枢軸140を支点
にして、上方に変位する。したがって、干満造波体84
は、干満槽16に出し入れされることになる。図9に示
す水耕栽培装置でも、図1ないし図4に示す水耕栽培装
置で実施される水耕栽培方法と同様の効果が得られる。
【0059】図10はこの発明の水耕栽培方法を実施す
るための水耕栽培装置のさらに別の例を示す要部斜視図
である。図10に示す水耕栽培装置10では、図1〜図
4の水耕栽培装置と比べて、特に、干満造波機の構造が
相違する。図10に示す水耕栽培装置10では、ベッド
12の長手方向の中央部に、干満造波機50が設けられ
る。この場合、ベッド12の長手方向の中央部に干満槽
16が形成され、その干満槽16の上方に干満造波体8
4が配置される。
【0060】すなわち、この干満造波機50は、たとえ
ば金属からなる円筒形の4つのガイドポスト166を含
む。これらのガイドポスト166の内、一方の2つのガ
イドポストは、ベッド12の長手方向の中央部でベッド
12の幅方向の一端側の側面部に固着され、他方の2つ
のガイドポストは、ベッド12の長手方向の中央部でベ
ッド12の幅方向の他端側の側面部に固着される。これ
らの4つのガイドポスト166には、それぞれ、たとえ
ば円柱状のロッド168が摺動可能に挿通される。さら
に、これらのロッド168の軸方向の上端には、たとえ
ば平面H字形の支持部材170が固着される。
【0061】この支持部材170は、干満造波体84を
その下方に吊り下げて支持するためのものであり、たと
えば矩形板状の吊り下げ部172を含む。吊り下げ部1
72の長手方向の一端および他端には、それぞれ、たと
えば矩形板状のロッド支持部174,174が形成され
る。吊り下げ部172およびロッド支持部174,17
4は、たとえば金属材料で一体的に形成される。この場
合、ロッド支持部174,174の下端面には、その長
手方向の両端部に、ロッド168の軸方向の上端が固着
される。さらに、吊り下げ部172の下端面には、複数
の貫通孔84aを有する干満造波体84が吊り下げられ
ている。干満造波体84は、たとえばボルト・ナットな
どの固着手段168によって、吊り下げ部172に固着
される。
【0062】また、支持部材170には、そのロッド支
持部174,174の長手方向の中央の下端面から下の
延びて、それぞれ、作動部材としてのラック176,1
76が形成される。この場合、ラック176は、ベッド
12の側面に配置されたロッド166,166間に配置
される。さらに、これらのラック176には、そのラッ
ク176に噛み合うピニオン178が取着される。この
ピニオン178は、軸182でベッド12の側面に枢支
される。また、ピニオン178には、プーリ180が軸
182を介して取付けられる。一方、ベッド12の側面
には、ラック176の近傍にモータ(図示せず)および
そのモータの回転を制御する変速装置を内蔵する駆動部
184が設けられる。そして、モータの駆動軸186に
は、プーリ188が取付けられる。プーリ180と18
8との間には、ベルト190が架け設けられる。
【0063】図10に示す水耕栽培装置10では、モー
タ158を駆動させることにより、そのモータ158の
駆動軸186に取付けられたプーリ188が回転する。
プーリ188が回転すれば、ベルト190を介して、プ
ーリ180が回転する。プーリ180が回転するととも
に軸182が回転し、軸182に連結されたピニオン1
78が作動し回転する。ピニオン178の回転は、ラッ
ク176に直線運動を与える。この場合、モータの正転
および逆転により、ラック176は、上下方向に往復直
線運動する。ラック176の上下方向の往復直線運動に
ともなって、支持部材170も上下動する。支持部材1
70が上下動することにより、その支持部材170に吊
り下げられた造波干満体84が上下動する。そのため、
干満造波体84は、干満槽16に出し入れされることに
なる。この場合、図1ないし図4に示す水耕栽培装置と
同様に、図10に示す水耕栽培装置10にも、干満造波
体84の上下動の変位量を制御するリミットスイッチ1
92および194が設けられる。これらのリミットスイ
ッチ192および194は、それらの作動片196およ
び198に、ロッド168の下端部が押圧されるように
配置されている。図10に示す水耕栽培装置10でも、
図1ないし図4に示す水耕栽培装置で実施される水耕栽
培方法と同様の効果が得られる。
【0064】図11および図12は、この発明の水耕栽
培方法を実施するための水耕栽培装置のさらにまた別の
例を示し、図11(A)はその側面図解図であり、図1
1(B)はその要部正面図解図であり、図12はその要
部斜視図である。図11に示す水耕栽培装置10は、図
1〜図4の水耕栽培装置と比べて、特に、ベッド12内
に波打ち現象のみを発生させるための装置であり、特
に、たとえばネギ,シュンギク,小松菜,レタス,三つ
葉,サラダ菜等の葉菜類の植物を栽培する場合に用いら
れる。この図11に示す水耕栽培装置10では、ベッド
12の長手方向の中央部に、造波機200が設けられ
る。この場合、ベッド12には干満槽が形成されず、栽
培槽14だけがベッド12内に形成される。そして、ベ
ッド12の長手方向の中央部の上方に造波体202が配
置される。
【0065】すなわち、この造波機200は、たとえば
金属からなる矩形板状の支持プレート204を含む。支
持プレート204は、ベッド12の長手方向の中央部で
その幅方向の一端側および他端側のベッド12の外側面
部に設けられる。これらの支持プレート204には、回
転軸206が挿通され、軸受部208で回動自在に支持
される。回転軸206の軸方向の一端部には、プーリ2
10が固着される。さらに、ベッド12の下方には、回
転軸206を回転駆動させる駆動手段として、たとえば
モータ212が設けられる。モータ212の駆動軸21
4には、別のプーリ216が固着される。そして、プー
リ204および216間には、たとえばVベルト218
が架け設けられる。
【0066】一方、回転軸206の軸方向の中間部に
は、間隔を隔てて、2つの造波体202が形成される。
これらの造波体202は、たとえば合成樹脂からなる
「コ」の字形の造波板220を含み、この造波板220
の一端および他端には、たとえば円盤状の取着部222
が一体的に形成される。造波体202は、その取着部2
22の孔(図示せず)に回転軸206が挿通され固着さ
れることにより、回転軸206に取付けられる。造波板
220は、その下端部がベッド12内の培養液中に浸漬
されるように取付けられる。なお、造波板220には、
その長手方向に間隔を隔てて、複数のたとえば円形の孔
224が設けられている。これらの孔224は、この造
波板220がベッド12内の培養液中で揺動した際に、
培養液中にエアーレーションを発生させるためのもので
ある。
【0067】図11および図12に示す水耕栽培装置1
0では、モータ212を駆動させることにより、そのモ
ータ212の駆動軸214の回転と共にプーリ216が
回転し、さらに、Vベルト218を介してプーリ204
が回転する。プーリ204が回転すると、回転軸206
もそれと共に回転し、回転軸に取付けられた造波体20
2の造波板220が回転する。この場合、モータ212
の回転数を適宜調節することにより、造波板220を回
転軸206を中心に所定の角度の範囲で回転させて揺動
するようにしたり、あるいは、360°回転できるよう
に設定することが可能である。また、造波板220の回
転方向も、モータ212の正転ないし逆転で調整した
り、あるいは、モータ212に正逆クラッチを取付けて
調整したりできるものである。
【0068】したがって、図11および図12に示す水
耕栽培装置10では、造波体202を回転軸206を支
点にして、所定の回転角度の範囲で揺動させたり、ある
いは、360°回転させることにより、その造波板22
0で培養液を叩いてベッド12内の培養液を波立たせる
ことができる。そのため、この水耕栽培装置10では、
ベッド12内に波打ち現象を発生させることができる。
すなわち、植物Pの根を培養液Lから周期的に空気中に
露出させることができるため、植物Pの根部分および培
養液中の微生物に豊富な酸素が供給され、植物Pの成育
が活性化される。また、培養液中に入れられる微生物保
持体を懸濁させることもできる。そのため、図11およ
び図12に示す水耕栽培装置でも、図1ないし図4に示
す水耕栽培装置で実施される水耕栽培方法と同様の効果
が得られる。
【0069】図13は、この発明の水耕栽培方法を実施
するための水耕栽培装置のさらに別の例を示す図解図で
ある。図13に示す水耕栽培装置10は、図1〜図4に
示す水耕栽培装置と比べて、特に、干満造波機構にトグ
ルリンク機構を用いた点で相違する。すなわち、図13
の水耕栽培装置10の干満造波機50は、ベッド12の
幅方向の両外側に設けられる支柱部230を含む。支柱
部230は、ベッド12の外側で地面ないし床面に固着
される。一方、ベッド12の長手方向の中央部でその上
方には、干満造波体234が配置される。干満造波体2
34は、ベッド12上方に配設される保持枠236で保
持される。保持枠236はたとえば金属材料で形成さ
れ、その保持枠236の下端面の長手方向に間隔を隔て
て、その下端面から下方に延びる、たとえば2つの棒状
の吊下げ部材238,238が形成される。干満造波体
234は、それらの吊下げ部材238,238に固着さ
れる。また、保持枠236の長手方向の一端側および他
端側には、それぞれ、下方に延びる支持部240,24
0が固着される。
【0070】また、支柱部230と支持部240との間
には、トグルリンク部242が形成される。トグルリン
ク部242は、アーム242a,242b,関節点24
4,246および248で構成される。この場合、アー
ム242aの一端である関節点244は、支柱部230
の上端に回動自在に接続され、アーム242bの一端で
ある関節点246は、支持部240の下端に回動自在に
接続される。さらに、アーム242aの他端と242b
の他端との接続点である関節点248には、クランク部
250の1つを形成する連接棒252aの一端が回動自
在に接続され、アーム252aの他端には、回転アーム
252bの一端が回動自在に接続される。回転アーム2
52bの他端には、たとえばモータの駆動軸などの回転
駆動手段254が接続される。
【0071】したがって、回転駆動手段254を駆動さ
せてクランク部250の回転アーム252bを回転させ
ることによって、回転アーム252bの回転運動を連接
棒252aでトグルリンク部242のアーム242aお
よび242bに伝えて垂直運動に変えられる。そのた
め、保持枠236は、トグルリンク部242の垂直運動
により、上下動する。この場合、保持枠234の下向き
運動の終わりに、3つの関節点244,246および2
48が同一直線上に位置する。保持枠236の上下動と
共に、造波体234も上下動されるので、ベッド12内
の培養液を叩いて波打ち現象を発生させたり、その上下
動のストロークおよび周期を変えることにより、干満現
象を発生させたりすることができる。そのため、図13
の水耕栽培装置でも、図1ないし図4に示す水耕栽培装
置で実施される水耕栽培方法と同様の効果が得られる。
【0072】図1ないし図4,図7ないし図10および
図13に示す水耕栽培装置では、干満造波機を作動させ
ることによって、ベッド12内の培養液Lの水位を上下
に変位させるとともに、培養液Lを水平方向にも短時間
で流動させることができるため、ベッド12内に短時間
で干満現象を発生させることができる。また、培養液L
の液面を波立たせるだけの時よりも、培養液の攪拌率が
高くなる。そのため、ベッド12の底部の残渣が懸濁し
やすい。さらに、従来の循環方式の水耕栽培装置より
も、培養液の移動量が格段に多くなる。
【0073】図14は、この発明の他の実施例を示す図
解図である。この実施例では、図1〜図4および図7〜
図13の水耕栽培装置で実施される水耕栽培方法と比べ
て、特に、ベッド12内に投入され培養液L中に懸濁さ
れる動植物質肥料等の有機物の懸濁システムが相違す
る。図14の水耕栽培装置10では、培養液を波立たせ
ると同時に培養液中に動植物質肥料等の有機物を懸濁さ
せることが可能となる。すなわち、図14に示す水耕栽
培装置では、ベッド12の長手方向に間隔を隔てて、ベ
ッド12上方にたとえば3つの干満造波機50が配設さ
れる。その内、ベッド12の長手方向の中央部上方に配
置される造波プレート258には、有機物分解微生物の
餌となる動植物質肥料などの有機物を収納する網状の籠
260が取付けられる。この場合、籠260はたとえば
断面「コ」の字形の収納部262を含む。この収納部2
62は、たとえば金属などで網状に形成され、その端部
がたとえば矩形の取着片264で造波プレート258に
固着される。そして、この籠260の中には、動植物質
肥料268が収納される。この実施例では、籠260
は、造波プレート258の長手方向の一端部および他端
部に2つ固着される。なお、籠260は、金網の他に複
数の微細な孔を有する布などで形成してもよい。
【0074】図14に示す水耕栽培装置で実施される水
耕栽培方法では、ベッド12の中央上方に配置される造
波プレート258の上下動と共に、籠260内の動植物
質肥料268もベッド12内の培養液L中に浸漬され
る。しかも、造波プレート258が培養液を波立たせる
と同時に、その波打ち現象により培養液中の微生物保持
体および動植物質肥料を懸濁させることができる。図1
4の水耕栽培装置による水耕栽培方法でも、図1ないし
図4に示す水耕栽培装置で実施される水耕栽培方法と同
様の効果が得られる。なお、動植物質肥料等の有機物を
入れる籠260は、図14に示す水耕栽培装置以外のた
とえば図1〜6,図7〜10および図13に示す水耕栽
培装置の干満造波体に適宜設けてもよい。また、図11
および図12に示す水耕栽培装置の造波体に設けれるよ
うにしてもよく、さらに、後述の図15〜図18に示す
水耕栽培装置の各造波プレートに設けるようにしてもよ
い。
【0075】図15はこの発明のさらに他の実施例を示
す図解図である。この実施例では、図1〜図4および図
7〜図13の水耕栽培装置で実施される水耕栽培方法と
比べて、特に、ベッド12内に投入され培養液L中に懸
濁された微生物保持体の堆積物や動植物質肥料の残渣を
再度ベッド12内の培養液に循環させるシステムが付加
されている。すなわち、図15に示す水耕栽培装置10
では、干満造波機50がベッド12の長手方向の中央上
方に1だけ配設され、その造波プレート270で培養液
を波立たせるため、ベッド12の長手方向の一端側およ
び他端側では、ベッド12の底に懸濁化された微生物保
持体の堆積物や動植物質肥料の残渣が溜まってくる。図
15に示す水耕栽培装置10では、ベッド12の底面部
にたとえば2つの取り出し口272,272が形成され
る。これらの取り出し口272には排出パイプ274が
取着され、排出パイプには循環ポンプ276が接続され
る。さらに、循環ポンプ276には、循環パイプ278
が接続される。この水耕栽培装置10では、循環ポンプ
276により、ベッド12の底に溜まった微生物保持体
の堆積物や動植物質肥料の残渣が吸引され、再度、循環
パイプ278を通って、ベッド12内の培養液L中に注
入される。したがって、図15の水耕栽培装置10を用
いた水耕栽培方法では、植物Pの活動に有用な微生物の
快適な住処となる微生物保持体をベッド12内に循環さ
せることができるため、新たに微生物保持体を注入する
頻度がさらに小さくなって、培養液の交換頻度を一層少
なくすることができる。
【0076】図16は、この発明を実施するための水耕
栽培装置のさらに別の例を示す図解図である。この実施
例では、特に、図15の水耕栽培装置で実施される水耕
栽培方法と比べて、ベッド12の底面部の長手方向の一
端側および他端側に、取り出し槽282,282がそれ
ぞれ形成されている。さらに、これらの取り出し槽28
2の底中央には、それぞれ、たとえば円形の取り出し孔
284,284が設けられる。これらの取り出し孔28
4には、それぞれ、取り出しパイプ286,286が取
着され、さらに、それらの取り出しパイプ286には、
取り出しバルブ288がそれぞれ設けられる。図16の
水耕栽培装置10を用いた水耕栽培方法では、取り出し
バルブ288を開いて、適宜、取り出し槽282に堆積
した微生物保持体や動植物質肥料の残渣を取り出すこと
ができる。取り出された微生物保持体の堆積物や動植物
質肥料の残渣は、再び、ベッド12内の培養液中にたと
えば手作業で投入されて、再利用される。
【0077】図17は、この発明を実施するための水耕
栽培装置のさらにまた別の例を示す図解図である。この
実施例では、水耕栽培装置で実施される水耕栽培方法に
おいて、微生物保持体および有機物等の堆積物がベッド
12の底に溜まり難くするための方法を示すものであ
る。図17に示す水耕栽培装置10では、図1〜図4お
よび図7〜図16に示す水耕栽培装置と比べて、特に、
ベッド12の底面部292に勾配部294が形成されて
いる。すなわち、図17(A)に示す水耕栽培装置10
では、ベッド12の底面部292が、そのベッド12の
長手方向の一端および他端からそのベッド12の長手方
向の中央にかけて、斜め下に傾斜するように勾配が付け
られている。図17に示す水耕栽培装置で実施される水
耕栽培方法では、造波プレート290がベッド12の長
手方向の中央上方に1つだけ配設されていても、そのベ
ッド12の長手方向の一端側および他端側に溜まる微生
物保持体および有機物等の堆積物が、ベッド12の底面
部292の勾配部294に沿ってベッド12の長手方向
の中央部底に流動する。さらに、造波プレート290の
上下動により、それらの堆積物のほとんどは攪拌される
ため、堆積物がベッド12の底に溜まり難い。なお、ベ
ッド12の底面部292に勾配を形成する場合、図17
(B)に示すように、ベッド12の長手方向の一端側か
ら他端側に傾斜するように勾配部294を形成するよう
にしてもよい。
【0078】図18はこの発明を実施するための水耕栽
培装置のさらに別の例を示す図解図である。この実施例
では、図1〜図4および図7〜図17の水耕栽培装置で
実施される水耕栽培方法と比べて、特に、ベッド12内
に貯留される培養液が循環ポンプ298で循環されてい
る。この場合、この水耕栽培装置10では、その一端が
ベッド12の長手方向の一端側底部に取着され、その他
端がベッド12の長手方向の他端側上方からベッド12
内に向くように循環パイプ296が配設される。さら
に、ベッド12の長手方向の他端側上部には循環パイプ
296の他端とベッド12内の培養液液面との間に濾過
槽300が設けられる。図18の水耕栽培装置で実施さ
れる水耕栽培方法では、ベッド12内の培養液Lが循環
ポンプ298により、ベッド12内から循環パイプ29
6を通って、さらに、濾過槽300を経由して再度ベッ
ド12内に注入される。図18の水耕栽培装置10を用
いた水耕栽培方法でも、図1〜図4および図7〜図17
の水耕栽培装置で実施される水耕栽培方法と同様に、干
満造波機50の造波プレート302でベッド12内の培
養液Lを叩いて波打ち現象を発生させて、植物Pの根お
よび培養液L中の微生物に豊富な酸素を供給することが
できる。しかも、図18に示す水耕栽培方法では、干満
造波機50で培養液Lを波立たせることにより、培養液
Lの温度をハウス内の室温より下げることができ、か
つ、ベッド12内の底部に残渣が溜まらないようにする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するための水耕栽培装置の一例
を示す概略正面図解図である。
【図2】図1に示す水耕栽培装置の要部斜視図である。
【図3】図1および図2に示す水耕栽培装置の要部側面
図解図である。
【図4】図1,図2および図3に示す水耕栽培装置の要
部平図解図である。
【図5】(A)は図1,図2,図3および図4に示す定
植パネルの取付け状態を示す断面図解図であり、(B)
は他の定植パネルの取付け状態を示す断面図解図であ
る。
【図6】図1,図2,図3および図4に示す水耕栽培装
置でベッド内の培養液に波を発生させた状態を示す要部
正面図解図である。
【図7】この発明を実施するための水耕栽培装置の他の
例を示す正面図解図である。
【図8】この発明を実施するための水耕栽培装置のさら
に他の例を示す要部斜視図である。
【図9】この発明を実施するための水耕栽培装置の別の
例を示す要部斜視図である。
【図10】この発明を実施するための水耕栽培装置のさ
らに別の例を示す要部斜視図である。
【図11】この発明を実施するための水耕栽培装置のさ
らにまた別の例を示し、(A)はその側面図解図であ
り、(B)はその要部正面図解図である。
【図12】図11に示す水耕栽培装置の要部斜視図であ
る。
【図13】この発明を実施するための水耕栽培装置のさ
らに別の例を示す図解図である。
【図14】この発明の他の実施例を示す図解図である。
【図15】この発明のさらに他の実施例を示す図解図で
ある。
【図16】この発明を実施するための水耕栽培装置のさ
らに別の例を示す図解図である。
【図17】(A)はこの発明を実施するための水耕栽培
装置のさらにまた別の例を示す図解図であり、(B)は
その変形例を示す図解図である。
【図18】この発明を実施するための水耕栽培装置のさ
らに別の例を示す図解図である。
【符号の説明】
10 水耕栽培装置 12 ベッド 14 栽培槽 16 干満槽 36 定植パネル 40 定植パネル取付け部材 50 干満造波機 52 支持台 54 支持体 56,58 支持プレート 60 回転軸 62 雄ねじ部 68a〜68d ガイドロッド 72 昇降プレート 74 ソケット部材 78a,78b,78c,78d ガイドポスト 80a,80b,80c,80d アーム部材 82 取付け部材 84 干満造波体 86,90 プーリ 88 モータ 92 ベルト 96a,96b,96c,96d リミットスイッチ 100 制御部 P 植物 L 培養液

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベッドを準備する工程、 植物が定植された定植パネルを前記ベッドに着脱自在に
    設ける工程、 前記ベッド内に前記植物の成育に有用な活動をする微生
    物を含む培養液を貯留する工程、 前記ベッド内の前記培養液中に前記微生物の住処となる
    微生物保持体を入れる工程、 前記培養液を波立たせて、前記微生物保持体を前記培養
    液中に懸濁させるとともに、前記植物の根を周期的に前
    記培養液中から空気中に露出させる工程、および、 前記ベッド内の前記培養液中に天然有機物を入れる工程
    を含む、水耕栽培方法。
  2. 【請求項2】 前記微生物保持体は、植物性の炭および
    粘土鉱物の内の少なくとも1つを含む、請求項1の水耕
    栽培方法。
  3. 【請求項3】 前記天然有機物は、動植物質肥料で形成
    される、請求項1または2の水耕栽培方法。
  4. 【請求項4】 前記ベッド内の培養液の水位を周期的に
    上下に変位させて、前記植物の根を周期的に前記培養液
    中から空気中に露出させる工程を含む、請求項1ないし
    3のいずれかの水耕栽培方法。
  5. 【請求項5】 前記培養液中の前記微生物で前記天然有
    機物を無機化して前記ベッド内に前記植物の栄養に供す
    る肥料を形成する工程を含む、請求項1ないし4のいず
    れかの水耕栽培方法。
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