JP2004352557A - 有機肥料の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】畜産***廃棄物の固形体および液状体を分別することなしに比較的短期間に発酵処理することによって堆肥化することができる有機肥料の製造方法および該方法の実施に適する有機肥料の製造装置を提供する。
【解決手段】畜産***廃棄物の固形体および液状体の混合体に対して土壌菌を交えたものを分解処理槽に投入し、適時撹拌を繰り返しながら分解処理槽底部から滲出する液状体を貯留槽に蓄え、該液状体が所定液面レベルに達した際に吸み上げて前記畜産***廃棄物の上部からの散布を繰り返しつつ、分解発酵を促進させる有機肥料の製造方法、並びにこの方法を実施するのに適する有機肥料の製造装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】畜産***廃棄物の固形体および液状体の混合体に対して土壌菌を交えたものを分解処理槽に投入し、適時撹拌を繰り返しながら分解処理槽底部から滲出する液状体を貯留槽に蓄え、該液状体が所定液面レベルに達した際に吸み上げて前記畜産***廃棄物の上部からの散布を繰り返しつつ、分解発酵を促進させる有機肥料の製造方法、並びにこの方法を実施するのに適する有機肥料の製造装置である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、畜産***排気物を主原料として化成成分を含まない自然物質を原材料とし、各種植物の栽培育成に有効な有機肥料の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
古来より広く利用されている堆肥を始め各種有機肥料が、各種植物の栽培育成に使用されているが、容積・重量が大きく取扱いに難があること、特に液状の畜産***排気物の廃棄処理の困難性、遅効性であること等の理由から敬遠される傾向があった。
【0003】
これに対して、化成肥料は、窒素、燐酸、カリウムを始めとする主要肥料成分を大規模工場において化学的に合成・大量生産し、適宜配合することによって得られるものである。このような化成肥料では、当該段階で必要とされる成分を集中的に与えることが可能であるため、堆肥等有機肥料に比して少容量の使用によって即効性を発揮し、労力の軽減や多収量・早期栽培等の要請に合致するものとして重用され、工業的に大量生産される化成肥料万能とも言われる時代が続いてきた。
【0004】
このような化成肥料では、作物類に対して必要成分を効率よく補給することができることは確かであるが、長期にわたる使用により地力が衰え、豊かな収穫が期待できないような事態を招きつつある。また、このような化成肥料や農薬万能の風潮は、自然の生態系を狂わせ、作物を介して人畜に何らかの影響を及ぼすことが懸念され始めている。そのため、近年このような事態に気づいた人々によって、有機肥料や自然力を活かした有機農業に回帰することにより地力回復を図ろうとする運動も提唱されている。
【0005】
他方、乳牛、肉牛等をはじめ養鶏、養豚などの牧畜産も大規模経営により行われており、大量に発生する畜産***廃棄物の適切な処理が求められている。このような畜産***廃棄物は、そのまま肥料とすることはできないため、長時間を要する堆肥化工程を経なければならない。自然の発酵過程を経て堆肥化するには長期間を要するため、大規模な牧・畜産業にあっては畜産***廃棄物処理施設も大規模なものとしなければならなかった。特に液状の畜産***廃棄物(尿)の廃棄処理は、環境汚染等を引き起こすためにその有効な処理が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、畜産***廃棄物の固形体および液状体を分別することなしに比較的短期間に発酵処理することによって堆肥化することができる有機肥料の製造方法および該方法の実施に適する有機肥料の製造装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、畜産***廃棄物の固形体および液状体の混合体に対して土壌菌を交えたものを分解処理槽に投入し、適時撹拌を繰り返しながら分解処理槽底部から滲出する液状体を貯留槽に蓄え、該液状体が所定液面レベルに達した際に吸み上げて前記畜産***廃棄物の上部からの散布を繰り返しつつ、分解発酵を促進させる、畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造方法によって解決される。
【0008】
また、本発明の課題は、畜産***廃棄物の固形体および液状体の混合体を堆積して分解発酵させるための分解処理槽10と、該分解処理槽の側壁上を走行する走行手段14に沿って横行する横行手段16に取り付けられ、縦横行しながら前記分解処理槽に収容された堆積物を適時又は随時に撹拌可能な撹拌手段18と、前記分解処理槽と区分されていて該分解処理槽の底面19に滲出する液状体を貯留する液状体貯留槽20と、該液状体貯留槽の内容物を適時又は随時に汲み上げて前記分解処理槽に堆積されている畜産***廃棄物の上部から散布する液状体散布手段26と、を具備する畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造装置によって解決される。
【0009】
また、本発明における課題は、前記撹拌手段18が、走行装置を備えた走行手段14に横行可能に配設されていて、前記分解処理槽10内全域の堆積物を縦横に撹拌可能なスクリュー式撹拌手段である畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造装置によってより有利に解決される。また前記スクリュー式撹拌手段のスクリューの駆動角度を垂直から45度〜60度程度の範囲で変更可能とすることができる。さらに前記スクリュー式撹拌手段の長さを駆動角度に応じて伸縮可能とすることができる。これにより、スクリュー式撹拌手段の長さを分解処理槽底面の透過床12面から例えば50cm程度に維持することができ分解処理槽内全域の攪拌を確実に行うことが可能となる。なお、撹拌手段としてはパドル式その他の撹拌装置を使用することも可能である。
【0010】
さらに本発明における課題は、前記液状体散布手段26が、前記液状体貯留槽20の内容物の液面レベルに応じて自動的に汲み上げ、そして前記分解処理槽10に堆積されている畜産***廃棄物への散布を自動的に実行するように制御される畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造装置によってより有利に解決される。
【0011】
また本発明においては、前記分解処理槽10の底部に対して空気を吹き込む空気供給手段30を備えることができる。これにより、酸素の供給に併せて分解処理槽内の堆積物の発酵分解処理を促進することができる。
【0012】
なお、このような有機肥料の製造方法にあっては、土壌菌による自然の発酵作用を利用するものであるため、分解処理槽における温度管理および酸素の供給が必要となる。そのため、分解処理槽に対して前記空気供給手段30に加えて又は単独に温度制御手段を設けることができ、これにより酵素分解反応を更に促進することができる。
【0013】
さらに本発明においては、前記横行手段16に固形体の畜産***廃棄物を収容するバケット40を取り付け、該バケットから分解処理槽の発酵床に対して縦横行しながら適時又は随時に該固形体の畜産***廃棄物を散布するように構成することができる。このように構成することにより、分解処理槽内の堆積物の発酵分解処理を更に促進することができる。
【0014】
また本発明においては、前記走行手段14が走行するレール13を側壁上に備えた前記分解処理槽10を複数個備え、前記走行手段が該分解処理槽の数全体にわたって取り付けられ、該走行手段及び横行手段16によって縦横行する一つの撹拌手段18によって、各分解処理槽10−1、2、3・・・に収容された堆積物を適時又は随時に撹拌することができる。このように構成することにより、例えば第1の分解処理槽10−1では鶏の***物を処理し、第2の分解処理槽10−2では豚の***物を処理することができ、同時に成分の異なる数種類の有機肥料の製造が可能となる。また生ゴミを含む廃棄物の処理も同時に行うことが可能となる。なお、本発明にかかる分解処理槽としては、装置の規模、肥料の搬入・搬出等を考慮して両壁タイプ、片壁タイプのいずれも適用することができ、適宜選定されるものである。
【0015】
このような機能を発揮する結果、本発明にかかる有機肥料の製造方法および製造装置は、畜産***廃棄物の固形体と液状体とを分離することなく、省力化を図りつつ短期間に有効な有機肥料製造が可能である。また、液状の畜産***物(尿)の有効かつ安全な廃棄処理が可能となる。
【0016】
本発明にかかる有機肥料の製造方法およびその製造装置によって得られる畜産***廃棄物を原料とする有機肥料によれば、酵素分解された肥料成分を主成分とする良質の堆肥として機能し、果菜、葉菜、花卉、果樹等のいずれにも有効である。使用時期ならびに方法については格別の制限はなく、苗床の基礎肥料、播種時期の元肥、生育期の追い肥、土壌改良用施肥等いずれでも有効である。もっとも、このような使用法は、単なる例示であってなんら制限されるものではない。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、添付図を参照しながら本発明にかかる有機肥料の製造装置の実施の形態について詳述する。図1は、本発明にかかる有機肥料の製造装置を概念的に図示した側断面図であり、図2はその平面図である。
【0018】
分解処理槽10は、固形体および液状体がそのまま含まれる畜産***廃棄物を投入するもので、側壁からの液漏れが防止できるコンクリート製や耐水レンガ積み製等の上部開放の方形槽である。分解処理槽10の底部にはステンレスその他の耐食性素材の格子状体、網状体、穿孔板状体による透過床12が配設されており、畜産***廃棄物から滲出する液状体を透過させる構造となっている。このように透過床12を透過した液状体は、図右端に連接配設された液状体貯留槽20に貯留される。
【0019】
分解処理槽10の両側壁の頂部もしくは別個に形成された基台上に固定されたレール13上には、左端から右端まで移動する走行手段14が載置されている。この走行手段には、図示しないレールに沿って前記側壁と直交する方向に移動する横行手段16が取り付けられている。また走行手段14には、横行手段16の下方に垂下するように取り付けられた撹拌手段18があり、分解処理槽10の底部付近から上表面までを撹拌して畜産***廃棄物の上下の入れ替えを含めて内容物全体を適時または随時切り返して均一化を図る機能を備えている。
【0020】
このような走行手段14および横行手段16は、天井走行クレーンの走行装置および横行装置のような構成とすることができる。走行手段14は、両側壁頂部に設置されたレール13に係合する車輪によって支承される桁材に駆動装置を取り付けたものとすることができる。また、横行手段16も駆動機構を備えていて桁材の上を横行移動する構造とすることができ、該横行手段16の下方には撹拌手段18が取り付けられている。
【0021】
この撹拌手段18は、横行手段16に取り付けられた駆動機構により回転せしめられる大径のスクリュー状体とすることができ、該スクリューの回転により畜産***廃棄物の上下を切り返し、撹拌しながら積み替えを行うことができる。
【0022】
この撹拌手段のスクリューの駆動角度は、垂直のほか45度、60度などのように制御することにより撹拌深度を変えることができると共に畜産***廃棄物を平滑にすることもできる。また、スクリュー式撹拌手段18の長さは駆動角度に応じて伸縮可能とすることができ、スクリュー式撹拌手段の長さを常に分解処理槽の底面から例えば50cm程度に維持して分解処理槽の底部の攪拌も確実に行うことが可能となる。本発明にかかる撹拌手段としてはこのような撹拌手段のほか、パドル式撹拌手段を使用することも可能である。
【0023】
このように構成された走行手段14および横行手段16の走行動作(X方向)および横行動作(Y方向)を組み合わせることにより分解処理槽10の全域を撹拌処理することができる。前述のように、横行手段16には撹拌手段18が取り付けられているから、分解処理槽10の全域を適時または随時に撹拌することができる。また、この横行手段16には例えば鶏糞等の固形体の畜産***廃棄物を収容するバケット40を取り付けることができる。該バケット40から分解処理槽の発酵床に対して縦横行しながら適時又は随時に該固形体の畜産***廃棄物を散布することができ、分解処理槽10内の堆積物の発酵を更に促進することができる。
【0024】
また、本発明においては、図3に示すように前述したような前記走行手段が走行するレール13を側壁上に備えた分解処理槽10を複数個備え、前記走行手段が該分解処理槽の数全体にわたって取り付けられ、該走行手段及び横行手段16によって縦横行する一つの撹拌手段18によって、各分解処理槽10−1、2、3・・・にある堆積物を適時又は随時に撹拌するように構成することができる。第1の分解処理槽10−1から第2、3の分解処理槽10−2、3に横行手段16が移行する場合は、撹拌手段18を両分解処理槽を区分する側壁頂部より高い位置まで上昇させることによって、横行手段は円滑に分解処理槽間を移行することができる。
【0025】
このように分解処理槽10を複数個備えることにより、例えば第1の分解処理槽10−1では鶏の***物を処理し、第2の分解処理槽10−2では豚の***物を処理することができ、また生ゴミを含む廃棄物の処理も他の分解処理槽10−3で行うことが可能となり、同時に成分の異なる数種類の有機肥料の製造が可能となる。
【0026】
また、分解処理槽10の底部に対して空気を吹き込む空気供給手段30を備えることができる。空気供給手段により分解処理槽底面19を通して吹き込まれる空気は、矢印に示すように分解処理槽底部の透過床12の小孔を介して空気を分解処理槽内に吹き込み、曝気を行うこともできる。このような曝気(エアーレーション)によって、分解処理槽内に多量の酸素が供給され好気性微生物を活発化することにより発酵分解処理がさらに促進せしめられる。
【0027】
分解処理槽10の底部に形成された浸出液状体の透過床12の下方に配設される分解処理槽底面19は浸出液状体を流下させる溝となっており、浸出液状体が図右端の液状体貯留槽20に貯留される。この液状体貯留槽20には液状体を汲み上げるための汲み上げポンプ22が配設され、このポンプ22に連接された配管24には液状体散布手段26が適宜数取り付けられている。この液状体散布手段26は、例えばシャワーヘッドまたは首振り式ノズルとすることができ、取り付け個数または取り付け間隔等は、分解処理槽の縦横寸法、容積、仕込容量等により決定される。
【0028】
本発明にかかる固形有機肥料の製造方法の好適な実施例にあっては、前述の分解処理槽10には図示していない投入手段、例えばバケットローダー、フォークリフトによる搬送容器、その他の適宜荷役手段により液状体および固形状体が混合された畜産***廃棄物が投入される。なお、牛舎、豚舎、厩舎等の構造により固形状体と液状体とが分離されている場合には、別個に投入し、分解処理槽10内において混合されてもよい。また、固形状体には、家畜の***物のみならず、敷き藁、飼料屑、牧草、野菜屑、残飯類、食品加工屑等、通常の堆肥の原料となるものであれば同様に投入しても差し支えない。さらに好気性微生物である土壌菌を添加する。なお、本発明にかかる分解処理槽としては、装置の規模、肥料の搬入・搬出等を考慮して両壁タイプ、片壁タイプのいずれも適用することができる。
【0029】
このようにして投入された畜産***廃棄物および土壌菌は、必要に応じて走行手段14、横行手段16、撹拌手段18を駆動することにより均質化しておくことが望ましい。畜産***廃棄物の分解処理槽での発酵分解に要する所要期間は、分解処理槽の規模、投入された畜産***廃棄物の組成、固体液体比、外気温度等によってそれぞれ異なるが、例えば分解処理槽10の内壁面に取り付けた温度計の温度を総合的に判断することにより発酵分解の進行状況を判断することができる。この判断結果に基づいて、適時または随時に撹拌処理を行うことにより、全体の発酵分解をより均一化するように運用することができる。
【0030】
このような畜産***廃棄物の分解処理の進行過程において、分解処理槽10の底部に形成された透過床12から滲出液状体が透過して、液状体貯留槽20に貯留される。この貯留量が所定液位(レベル)に達した場合、液中ポンプである汲み上げポンプ22を駆動し、散布手段26を介して分解処理槽10の内容物である畜産***廃棄物全体に散布する。
【0031】
このような液状体の滲出は、分解処理の初期において多量であるため、散布処理も頻繁に行われるが、分解処理の進行に伴って固形体に吸収されると共に蒸散されるため漸減し、最終的には液状体は無くなり固体状のみとなる。この場合、分解発酵の進行を助長するために必要と判断された場合には、真水、海水、液状畜産廃棄物、食品・野菜・果物等の洗浄排水、その他適当な液状体を貯留槽20内に追加投入してもよい。汲み出しポンプ22の運転は、液状体貯留槽20の液面レベルにより適時運転することができるが、図示されていない液面レベルスイッチの出力に応じて自動運転されるように構成することが望ましい。
【0032】
本発明にかかる有機肥料の製造装置における撹拌手段18として好適に使用できるスクリュー撹拌機は、横行手段16に取り付けられている駆動装置によって回転せしめられる大形スクリューである。したがって、構造は簡潔であり経済性に優れ、保守・維持費も低廉である。撹拌処理に合わせて、上方から散布される液状体、土壌菌、予め分解処理が進行している半製品としての堆肥の追加撹拌等を行うことも容易である。なお本実施例においては、畜産***廃棄物の堆積高さ1.8メートルを撹拌することができるスクリュー撹拌機が用いられた。
【0033】
本発明かかる有機肥料の製造方法によって得られる有機肥料は、肥料として重要な成分である窒素、全燐、カリウム等が豊富である。この成分は畜産***廃棄物その他の原材料の成分によってある範囲で異なることも考えられるが、いずれにしても同様の手法によって類似する有機肥料が得られる。
【0034】
このようにして得られる有機肥料は、米麦類、果菜類、葉菜類、花卉類、果樹類等に対して、使用することができる。使用時期は、播種もしくは苗床用、定植時の元肥、生育期の追い肥等として使用可能である。いずれにしても、天然素材を堆肥化した有機肥料であるため、土壌を活性化し、地力向上せしめる効果がある。
【0035】
【発明の効果】
本発明にかかる有機肥料の製造方法によれば、畜産***廃棄物の固形体成分と液状体成分とを分離することなく、分解処理槽に投入し、撹拌手段および滲出液状体の散布を繰り返すことにより堆肥化が進行し、短期間で良質の有機肥料が得られる。かかる構成は商業的規模の有機肥料製造装置としても好適である。また、本発明によれば、液状の畜産***物(尿)を廃棄処理を行うことなく、有機肥料の製造の原料として有効利用することが可能となる。
【0036】
このようにして得られた有機肥料は、各種植物自体の病害虫への抵抗力を高めることができ、また、活着および生育を高め、葉菜類にあっては葉肉育成を促進し、また果菜・果樹等にあっては肥大促進・糖度の向上等の効果が得られる。その上、その原材料は全て自然素材であり化成品類は含まれていない。したがって、圃場の土や鉢、プランター等の用土に対しても穏やかに作用し、土壌中の微生物をも活性化させる働きがある。したがって、地力の衰退を予防し、むしろ活性化する働きが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる有機肥料の製造装置を示す概念構成図である。
【図2】本発明にかかる有機肥料の製造装置の構成例を示す平面図である。
【図3】本発明にかかる有機肥料の製造装置の分解処理槽を複数個備えた構成例を示す図である。
【符号の説明】
10 分解処理槽
12 透過床
13 レール
14 走行手段
16 横行手段
18 撹拌手段
19 分解処理槽の底面
20 液状体貯留槽
22 汲み上げポンプ
24 配管
26 液状体散布手段
30 空気供給手段
40 バケット
【発明の属する技術分野】
本発明は、畜産***排気物を主原料として化成成分を含まない自然物質を原材料とし、各種植物の栽培育成に有効な有機肥料の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
古来より広く利用されている堆肥を始め各種有機肥料が、各種植物の栽培育成に使用されているが、容積・重量が大きく取扱いに難があること、特に液状の畜産***排気物の廃棄処理の困難性、遅効性であること等の理由から敬遠される傾向があった。
【0003】
これに対して、化成肥料は、窒素、燐酸、カリウムを始めとする主要肥料成分を大規模工場において化学的に合成・大量生産し、適宜配合することによって得られるものである。このような化成肥料では、当該段階で必要とされる成分を集中的に与えることが可能であるため、堆肥等有機肥料に比して少容量の使用によって即効性を発揮し、労力の軽減や多収量・早期栽培等の要請に合致するものとして重用され、工業的に大量生産される化成肥料万能とも言われる時代が続いてきた。
【0004】
このような化成肥料では、作物類に対して必要成分を効率よく補給することができることは確かであるが、長期にわたる使用により地力が衰え、豊かな収穫が期待できないような事態を招きつつある。また、このような化成肥料や農薬万能の風潮は、自然の生態系を狂わせ、作物を介して人畜に何らかの影響を及ぼすことが懸念され始めている。そのため、近年このような事態に気づいた人々によって、有機肥料や自然力を活かした有機農業に回帰することにより地力回復を図ろうとする運動も提唱されている。
【0005】
他方、乳牛、肉牛等をはじめ養鶏、養豚などの牧畜産も大規模経営により行われており、大量に発生する畜産***廃棄物の適切な処理が求められている。このような畜産***廃棄物は、そのまま肥料とすることはできないため、長時間を要する堆肥化工程を経なければならない。自然の発酵過程を経て堆肥化するには長期間を要するため、大規模な牧・畜産業にあっては畜産***廃棄物処理施設も大規模なものとしなければならなかった。特に液状の畜産***廃棄物(尿)の廃棄処理は、環境汚染等を引き起こすためにその有効な処理が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、畜産***廃棄物の固形体および液状体を分別することなしに比較的短期間に発酵処理することによって堆肥化することができる有機肥料の製造方法および該方法の実施に適する有機肥料の製造装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、畜産***廃棄物の固形体および液状体の混合体に対して土壌菌を交えたものを分解処理槽に投入し、適時撹拌を繰り返しながら分解処理槽底部から滲出する液状体を貯留槽に蓄え、該液状体が所定液面レベルに達した際に吸み上げて前記畜産***廃棄物の上部からの散布を繰り返しつつ、分解発酵を促進させる、畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造方法によって解決される。
【0008】
また、本発明の課題は、畜産***廃棄物の固形体および液状体の混合体を堆積して分解発酵させるための分解処理槽10と、該分解処理槽の側壁上を走行する走行手段14に沿って横行する横行手段16に取り付けられ、縦横行しながら前記分解処理槽に収容された堆積物を適時又は随時に撹拌可能な撹拌手段18と、前記分解処理槽と区分されていて該分解処理槽の底面19に滲出する液状体を貯留する液状体貯留槽20と、該液状体貯留槽の内容物を適時又は随時に汲み上げて前記分解処理槽に堆積されている畜産***廃棄物の上部から散布する液状体散布手段26と、を具備する畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造装置によって解決される。
【0009】
また、本発明における課題は、前記撹拌手段18が、走行装置を備えた走行手段14に横行可能に配設されていて、前記分解処理槽10内全域の堆積物を縦横に撹拌可能なスクリュー式撹拌手段である畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造装置によってより有利に解決される。また前記スクリュー式撹拌手段のスクリューの駆動角度を垂直から45度〜60度程度の範囲で変更可能とすることができる。さらに前記スクリュー式撹拌手段の長さを駆動角度に応じて伸縮可能とすることができる。これにより、スクリュー式撹拌手段の長さを分解処理槽底面の透過床12面から例えば50cm程度に維持することができ分解処理槽内全域の攪拌を確実に行うことが可能となる。なお、撹拌手段としてはパドル式その他の撹拌装置を使用することも可能である。
【0010】
さらに本発明における課題は、前記液状体散布手段26が、前記液状体貯留槽20の内容物の液面レベルに応じて自動的に汲み上げ、そして前記分解処理槽10に堆積されている畜産***廃棄物への散布を自動的に実行するように制御される畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造装置によってより有利に解決される。
【0011】
また本発明においては、前記分解処理槽10の底部に対して空気を吹き込む空気供給手段30を備えることができる。これにより、酸素の供給に併せて分解処理槽内の堆積物の発酵分解処理を促進することができる。
【0012】
なお、このような有機肥料の製造方法にあっては、土壌菌による自然の発酵作用を利用するものであるため、分解処理槽における温度管理および酸素の供給が必要となる。そのため、分解処理槽に対して前記空気供給手段30に加えて又は単独に温度制御手段を設けることができ、これにより酵素分解反応を更に促進することができる。
【0013】
さらに本発明においては、前記横行手段16に固形体の畜産***廃棄物を収容するバケット40を取り付け、該バケットから分解処理槽の発酵床に対して縦横行しながら適時又は随時に該固形体の畜産***廃棄物を散布するように構成することができる。このように構成することにより、分解処理槽内の堆積物の発酵分解処理を更に促進することができる。
【0014】
また本発明においては、前記走行手段14が走行するレール13を側壁上に備えた前記分解処理槽10を複数個備え、前記走行手段が該分解処理槽の数全体にわたって取り付けられ、該走行手段及び横行手段16によって縦横行する一つの撹拌手段18によって、各分解処理槽10−1、2、3・・・に収容された堆積物を適時又は随時に撹拌することができる。このように構成することにより、例えば第1の分解処理槽10−1では鶏の***物を処理し、第2の分解処理槽10−2では豚の***物を処理することができ、同時に成分の異なる数種類の有機肥料の製造が可能となる。また生ゴミを含む廃棄物の処理も同時に行うことが可能となる。なお、本発明にかかる分解処理槽としては、装置の規模、肥料の搬入・搬出等を考慮して両壁タイプ、片壁タイプのいずれも適用することができ、適宜選定されるものである。
【0015】
このような機能を発揮する結果、本発明にかかる有機肥料の製造方法および製造装置は、畜産***廃棄物の固形体と液状体とを分離することなく、省力化を図りつつ短期間に有効な有機肥料製造が可能である。また、液状の畜産***物(尿)の有効かつ安全な廃棄処理が可能となる。
【0016】
本発明にかかる有機肥料の製造方法およびその製造装置によって得られる畜産***廃棄物を原料とする有機肥料によれば、酵素分解された肥料成分を主成分とする良質の堆肥として機能し、果菜、葉菜、花卉、果樹等のいずれにも有効である。使用時期ならびに方法については格別の制限はなく、苗床の基礎肥料、播種時期の元肥、生育期の追い肥、土壌改良用施肥等いずれでも有効である。もっとも、このような使用法は、単なる例示であってなんら制限されるものではない。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、添付図を参照しながら本発明にかかる有機肥料の製造装置の実施の形態について詳述する。図1は、本発明にかかる有機肥料の製造装置を概念的に図示した側断面図であり、図2はその平面図である。
【0018】
分解処理槽10は、固形体および液状体がそのまま含まれる畜産***廃棄物を投入するもので、側壁からの液漏れが防止できるコンクリート製や耐水レンガ積み製等の上部開放の方形槽である。分解処理槽10の底部にはステンレスその他の耐食性素材の格子状体、網状体、穿孔板状体による透過床12が配設されており、畜産***廃棄物から滲出する液状体を透過させる構造となっている。このように透過床12を透過した液状体は、図右端に連接配設された液状体貯留槽20に貯留される。
【0019】
分解処理槽10の両側壁の頂部もしくは別個に形成された基台上に固定されたレール13上には、左端から右端まで移動する走行手段14が載置されている。この走行手段には、図示しないレールに沿って前記側壁と直交する方向に移動する横行手段16が取り付けられている。また走行手段14には、横行手段16の下方に垂下するように取り付けられた撹拌手段18があり、分解処理槽10の底部付近から上表面までを撹拌して畜産***廃棄物の上下の入れ替えを含めて内容物全体を適時または随時切り返して均一化を図る機能を備えている。
【0020】
このような走行手段14および横行手段16は、天井走行クレーンの走行装置および横行装置のような構成とすることができる。走行手段14は、両側壁頂部に設置されたレール13に係合する車輪によって支承される桁材に駆動装置を取り付けたものとすることができる。また、横行手段16も駆動機構を備えていて桁材の上を横行移動する構造とすることができ、該横行手段16の下方には撹拌手段18が取り付けられている。
【0021】
この撹拌手段18は、横行手段16に取り付けられた駆動機構により回転せしめられる大径のスクリュー状体とすることができ、該スクリューの回転により畜産***廃棄物の上下を切り返し、撹拌しながら積み替えを行うことができる。
【0022】
この撹拌手段のスクリューの駆動角度は、垂直のほか45度、60度などのように制御することにより撹拌深度を変えることができると共に畜産***廃棄物を平滑にすることもできる。また、スクリュー式撹拌手段18の長さは駆動角度に応じて伸縮可能とすることができ、スクリュー式撹拌手段の長さを常に分解処理槽の底面から例えば50cm程度に維持して分解処理槽の底部の攪拌も確実に行うことが可能となる。本発明にかかる撹拌手段としてはこのような撹拌手段のほか、パドル式撹拌手段を使用することも可能である。
【0023】
このように構成された走行手段14および横行手段16の走行動作(X方向)および横行動作(Y方向)を組み合わせることにより分解処理槽10の全域を撹拌処理することができる。前述のように、横行手段16には撹拌手段18が取り付けられているから、分解処理槽10の全域を適時または随時に撹拌することができる。また、この横行手段16には例えば鶏糞等の固形体の畜産***廃棄物を収容するバケット40を取り付けることができる。該バケット40から分解処理槽の発酵床に対して縦横行しながら適時又は随時に該固形体の畜産***廃棄物を散布することができ、分解処理槽10内の堆積物の発酵を更に促進することができる。
【0024】
また、本発明においては、図3に示すように前述したような前記走行手段が走行するレール13を側壁上に備えた分解処理槽10を複数個備え、前記走行手段が該分解処理槽の数全体にわたって取り付けられ、該走行手段及び横行手段16によって縦横行する一つの撹拌手段18によって、各分解処理槽10−1、2、3・・・にある堆積物を適時又は随時に撹拌するように構成することができる。第1の分解処理槽10−1から第2、3の分解処理槽10−2、3に横行手段16が移行する場合は、撹拌手段18を両分解処理槽を区分する側壁頂部より高い位置まで上昇させることによって、横行手段は円滑に分解処理槽間を移行することができる。
【0025】
このように分解処理槽10を複数個備えることにより、例えば第1の分解処理槽10−1では鶏の***物を処理し、第2の分解処理槽10−2では豚の***物を処理することができ、また生ゴミを含む廃棄物の処理も他の分解処理槽10−3で行うことが可能となり、同時に成分の異なる数種類の有機肥料の製造が可能となる。
【0026】
また、分解処理槽10の底部に対して空気を吹き込む空気供給手段30を備えることができる。空気供給手段により分解処理槽底面19を通して吹き込まれる空気は、矢印に示すように分解処理槽底部の透過床12の小孔を介して空気を分解処理槽内に吹き込み、曝気を行うこともできる。このような曝気(エアーレーション)によって、分解処理槽内に多量の酸素が供給され好気性微生物を活発化することにより発酵分解処理がさらに促進せしめられる。
【0027】
分解処理槽10の底部に形成された浸出液状体の透過床12の下方に配設される分解処理槽底面19は浸出液状体を流下させる溝となっており、浸出液状体が図右端の液状体貯留槽20に貯留される。この液状体貯留槽20には液状体を汲み上げるための汲み上げポンプ22が配設され、このポンプ22に連接された配管24には液状体散布手段26が適宜数取り付けられている。この液状体散布手段26は、例えばシャワーヘッドまたは首振り式ノズルとすることができ、取り付け個数または取り付け間隔等は、分解処理槽の縦横寸法、容積、仕込容量等により決定される。
【0028】
本発明にかかる固形有機肥料の製造方法の好適な実施例にあっては、前述の分解処理槽10には図示していない投入手段、例えばバケットローダー、フォークリフトによる搬送容器、その他の適宜荷役手段により液状体および固形状体が混合された畜産***廃棄物が投入される。なお、牛舎、豚舎、厩舎等の構造により固形状体と液状体とが分離されている場合には、別個に投入し、分解処理槽10内において混合されてもよい。また、固形状体には、家畜の***物のみならず、敷き藁、飼料屑、牧草、野菜屑、残飯類、食品加工屑等、通常の堆肥の原料となるものであれば同様に投入しても差し支えない。さらに好気性微生物である土壌菌を添加する。なお、本発明にかかる分解処理槽としては、装置の規模、肥料の搬入・搬出等を考慮して両壁タイプ、片壁タイプのいずれも適用することができる。
【0029】
このようにして投入された畜産***廃棄物および土壌菌は、必要に応じて走行手段14、横行手段16、撹拌手段18を駆動することにより均質化しておくことが望ましい。畜産***廃棄物の分解処理槽での発酵分解に要する所要期間は、分解処理槽の規模、投入された畜産***廃棄物の組成、固体液体比、外気温度等によってそれぞれ異なるが、例えば分解処理槽10の内壁面に取り付けた温度計の温度を総合的に判断することにより発酵分解の進行状況を判断することができる。この判断結果に基づいて、適時または随時に撹拌処理を行うことにより、全体の発酵分解をより均一化するように運用することができる。
【0030】
このような畜産***廃棄物の分解処理の進行過程において、分解処理槽10の底部に形成された透過床12から滲出液状体が透過して、液状体貯留槽20に貯留される。この貯留量が所定液位(レベル)に達した場合、液中ポンプである汲み上げポンプ22を駆動し、散布手段26を介して分解処理槽10の内容物である畜産***廃棄物全体に散布する。
【0031】
このような液状体の滲出は、分解処理の初期において多量であるため、散布処理も頻繁に行われるが、分解処理の進行に伴って固形体に吸収されると共に蒸散されるため漸減し、最終的には液状体は無くなり固体状のみとなる。この場合、分解発酵の進行を助長するために必要と判断された場合には、真水、海水、液状畜産廃棄物、食品・野菜・果物等の洗浄排水、その他適当な液状体を貯留槽20内に追加投入してもよい。汲み出しポンプ22の運転は、液状体貯留槽20の液面レベルにより適時運転することができるが、図示されていない液面レベルスイッチの出力に応じて自動運転されるように構成することが望ましい。
【0032】
本発明にかかる有機肥料の製造装置における撹拌手段18として好適に使用できるスクリュー撹拌機は、横行手段16に取り付けられている駆動装置によって回転せしめられる大形スクリューである。したがって、構造は簡潔であり経済性に優れ、保守・維持費も低廉である。撹拌処理に合わせて、上方から散布される液状体、土壌菌、予め分解処理が進行している半製品としての堆肥の追加撹拌等を行うことも容易である。なお本実施例においては、畜産***廃棄物の堆積高さ1.8メートルを撹拌することができるスクリュー撹拌機が用いられた。
【0033】
本発明かかる有機肥料の製造方法によって得られる有機肥料は、肥料として重要な成分である窒素、全燐、カリウム等が豊富である。この成分は畜産***廃棄物その他の原材料の成分によってある範囲で異なることも考えられるが、いずれにしても同様の手法によって類似する有機肥料が得られる。
【0034】
このようにして得られる有機肥料は、米麦類、果菜類、葉菜類、花卉類、果樹類等に対して、使用することができる。使用時期は、播種もしくは苗床用、定植時の元肥、生育期の追い肥等として使用可能である。いずれにしても、天然素材を堆肥化した有機肥料であるため、土壌を活性化し、地力向上せしめる効果がある。
【0035】
【発明の効果】
本発明にかかる有機肥料の製造方法によれば、畜産***廃棄物の固形体成分と液状体成分とを分離することなく、分解処理槽に投入し、撹拌手段および滲出液状体の散布を繰り返すことにより堆肥化が進行し、短期間で良質の有機肥料が得られる。かかる構成は商業的規模の有機肥料製造装置としても好適である。また、本発明によれば、液状の畜産***物(尿)を廃棄処理を行うことなく、有機肥料の製造の原料として有効利用することが可能となる。
【0036】
このようにして得られた有機肥料は、各種植物自体の病害虫への抵抗力を高めることができ、また、活着および生育を高め、葉菜類にあっては葉肉育成を促進し、また果菜・果樹等にあっては肥大促進・糖度の向上等の効果が得られる。その上、その原材料は全て自然素材であり化成品類は含まれていない。したがって、圃場の土や鉢、プランター等の用土に対しても穏やかに作用し、土壌中の微生物をも活性化させる働きがある。したがって、地力の衰退を予防し、むしろ活性化する働きが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる有機肥料の製造装置を示す概念構成図である。
【図2】本発明にかかる有機肥料の製造装置の構成例を示す平面図である。
【図3】本発明にかかる有機肥料の製造装置の分解処理槽を複数個備えた構成例を示す図である。
【符号の説明】
10 分解処理槽
12 透過床
13 レール
14 走行手段
16 横行手段
18 撹拌手段
19 分解処理槽の底面
20 液状体貯留槽
22 汲み上げポンプ
24 配管
26 液状体散布手段
30 空気供給手段
40 バケット
Claims (9)
- 畜産***廃棄物の固形体および液状体の混合体に対して土壌菌を交えたものを分解処理槽に投入し、適時撹拌を繰り返しながら分解処理槽底部から滲出する液状体を貯留槽に蓄え、該液状体が所定液面レベルに達した際に吸み上げて前記畜産***廃棄物の上部からの散布を繰り返しつつ、分解発酵を促進させる、ことを特徴とする畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造方法。
- 畜産***廃棄物の固形体および液状体の混合体を堆積して、分解発酵させるための分解処理槽と、該分解処理槽の側壁上を走行する走行手段に沿って横行する横行手段に取り付けられ、縦横行しながら前記分解処理槽に収容された堆積物を適時又は随時に撹拌可能な撹拌手段と、前記分解処理槽と区分されていて該分解処理槽の底面に滲出する液状体を貯留する液状体貯留槽と、該液状体貯留槽の内容物を適時又は随時に汲み上げて、前記分解処理槽に堆積されている畜産***廃棄物の上部から散布する液状体散布手段と、を具備することを特徴とする畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造装置。
- 前記撹拌手段が、走行装置を備えた走行手段に横行可能に配設されていて、前記分解処理槽内全域の堆積物を縦横に撹拌可能なスクリュー式撹拌手段である、ことを特徴とする請求項2に記載の畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造装置。
- 前記スクリュー式撹拌手段のスクリューの駆動角度が垂直から45度〜60度程度の範囲で変更可能である、ことを特徴とする請求項3に記載の畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造装置。
- 前記スクリュー式撹拌手段の長さが伸縮可能である、ことを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載の畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造装置。
- 前記液状体散布手段が、前記液状体貯留槽の内容物の液面レベルに応じて自動的に汲み上げ、そして前記分解処理槽に堆積されている畜産***廃棄物への散布を自動的に実行するように制御される、ことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造装置。
- 前記分解処理槽の底部に対して空気を吹き込む空気供給手段を備えた、ことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造装置。
- 前記横行手段に取り付けられ、固形体の畜産***廃棄物を収容するバケットであって、分解処理槽の発酵床に対して縦横行しながら適時又は随時に該固形体の畜産***廃棄物を散布するバケットを備えた、ことを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造装置。
- 前記走行手段が走行するレールを側壁上に備えた前記分解処理槽を複数個備え、前記走行手段が該分解処理槽の数全体にわたって取り付けられ、該走行手段及び前記横行手段によって縦横行する一つの撹拌手段によって、各分解処理槽に収容された堆積物を適時又は随時に撹拌する、ことを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の畜産***廃棄物を原料とする有機肥料の製造装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101175474B1 (ko) | 2010-08-09 | 2012-08-20 | 경상북도 예천군 | 액체 비료 추출장치 및 방법 |
CN102730428A (zh) * | 2012-04-13 | 2012-10-17 | 桐乡市同润现代农业科技专业合作社 | 运载铺料装置 |
KR101346313B1 (ko) * | 2011-08-30 | 2013-12-31 | 김연천 | 음식물 쓰레기 처리장치 |
CN105859078A (zh) * | 2016-04-05 | 2016-08-17 | 福建省农业科学院农业生物资源研究所 | 异位发酵床畜禽养殖粪污处理***及其应用 |
CN108812348A (zh) * | 2018-01-31 | 2018-11-16 | 温氏食品集团股份有限公司 | 一种基于农场舍外自动上粪喷淋降解的***及方法 |
-
2003
- 2003-05-29 JP JP2003152089A patent/JP2004352557A/ja active Pending
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