JPH07177777A - モータ制御装置 - Google Patents

モータ制御装置

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JPH07177777A
JPH07177777A JP5325077A JP32507793A JPH07177777A JP H07177777 A JPH07177777 A JP H07177777A JP 5325077 A JP5325077 A JP 5325077A JP 32507793 A JP32507793 A JP 32507793A JP H07177777 A JPH07177777 A JP H07177777A
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JP
Japan
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signal
disturbance
frequency
motor
correction
Prior art date
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Application number
JP5325077A
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English (en)
Inventor
Keisuke Matsuo
景介 松尾
Toshio Inaji
稲治  利夫
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 FG信号の周期帰還により定速制御を行うモ
ータ制御装置において、外乱トルクによる回転速度変動
を大幅に低減するモータ制御装置を提供する。 【構成】 外乱推定器1、修正器2、補正器3で構成さ
れる外乱抑圧ループが付加されている。外乱推定器1
は、FG信号の周期を検出した周期信号TFGと駆動器1
50に供給される駆動信号Dから、外乱トルクτdを駆
動信号の次元に換算すると共に高域周波数成分を遮断し
て推定し、外乱推定信号dを出力する。修正器2は、外
乱推定信号dの出力低下ならびに位相遅れを特定の周波
数において零とするように修正し、修正信号dcを出力
する。制御信号cは、補正器3において修正信号dc
より外乱トルクτdの影響を打ち消すように補正され、
駆動信号Dとなる。駆動信号Dは駆動器150に供給さ
れ、駆動電流Iaとしてモータ100に印加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータの回転速度を一
定に保つように制御するモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】VTRのドラム・モータあるいはキャプ
スタン・モータの制御装置においては、モータを一定の
速度で回転させることが必要である。したがって、外乱
トルク(テープ走行負荷、軸摩擦、モータトルクリップ
ル、外部振動等)が制御系に入力されても速度変動が少
ないことが要求され、外乱トルクに対して、どれだけの
速度変動が生じるかによって制御系の性能が決定され
る。
【0003】(図8)は例えば、VTRのドラム・モー
タあるいはキャプスタン・モータの速度制御装置の構成
を示すブロック図である。実際には位相制御系も付加さ
れているが、ここでは説明の簡略化のために速度制御系
のみを図示した。
【0004】(図8)において、100はドラム・モー
タあるいはキャプスタン・モータである。モータ100
には周波数発電機110がとりつけられており、モータ
100の回転速度に比例した周波数信号(以下、FG信
号と呼ぶ)を出力する。120はFG信号の周期を検出
し周期信号TFGを出力する周期検出器、130は周期信
号TFGと周期指令信号Tr(一定値)との偏差に応じた
周期誤差信号ΔTFGを出力する比較器、140は周期誤
差信号ΔTFGに比例・積分等の制御補償を行い制御信号
cを出力する制御器、150は制御信号cに応じた駆動
電流Iaをモータに供給する駆動器である。
【0005】次に動作について説明する。まず、モータ
100の回転速度に比例した周波数を持つFG信号が周
波数発電機110から出力される。周期検出器120に
おいてはFG信号のエッジの入力時刻が順次取り込ま
れ、その都度FG信号のエッジの入力時刻とその一つ前
のFG信号のエッジの入力時刻との時間差すなわちFG
信号の周期が出力される。周期検出器120より出力さ
れた周期信号TFGは、比較器130において周期指令信
号Tr(一定値)から減じられた後、周期誤差信号ΔT
FGとして出力される。周期誤差信号ΔTFGは制御器14
0において制御系の速応性および安定性を改善するため
の比例あるいは積分補償をされた後、制御信号cとして
出力され、駆動器150に印加される。駆動器150か
らは制御信号cに応じた駆動電流Iaが出力され、モー
タ100に供給される。以上の動作が、FG信号のエッ
ジが周期検出器120に入力される毎に繰り返し行われ
る。したがって、モータ100は、周期信号TFGが所定
の周期指令信号Tr(一定値)に一致するように駆動制
御され、モータ100の回転速度が一定に保たれる。
【0006】(図8)に示した構成では、モータに印加
される外乱トルクによって生じる回転速度変動は、速度
制御系および図示していない位相制御系の働きにより抑
えられる。しかし、近年、機器の小型化が進むにつれて
モータが小型化されてきており、この場合、モータの慣
性モーメントの低下によって、(図8)に示した構成で
は、十分な外乱抑制特性を得ることが困難となってき
た。
【0007】そこで、外乱オブザーバを用いてモータに
加わる外乱トルクを推定し、この推定値を用いて外乱ト
ルクの影響を打ち消すことによって、回転速度変動を抑
える方法が提案された(例えば特開平3−155383
号公報)。
【0008】しかしながら、上記方式による外乱抑制特
性の改善度には周波数特性が存在し、外乱オブザーバの
帯域以下の周波数領域においてのみ1次の低域遮断特性
で改善がなされる。一方、モータの回転速度変動の周波
数成分には、例えば、モータのトルクリップルに起因し
た成分(8極3相全波駆動モータの場合、回転周波数の
24倍の周波数を持つ成分)などが顕著に存在する。し
たがって、このような周波数に対して外乱オブザーバの
帯域を十分高く設定できない場合には、この顕著な回転
速度変動成分を十分に抑制することができなかった。
【0009】このような課題を解決する方法として、例
えば、宮崎他、「外乱オブザーバを用いたVTR用モー
タの速度変動抑制制御方法」、電気学会システム・制御
研究会資料(1991)に記載されている。この文献に
記載されている方式は、1次の低域遮断特性で表される
従来の外乱抑圧ループの改善効果に、特定の単一周波数
ωnにおける回転速度変動成分を大幅に低減する効果を
付加したものである。その結果、周波数ωnをトルクリ
ップル周波数に設定することにより、このトルクリップ
ルに起因する従来抑制しきれなかった顕著な回転変動成
分を十分に抑制することが可能となる。以下、この方式
について図面を参照しながら説明する。
【0010】(図9)は、上記先行文献に記載されてい
る方式によるモータ制御装置の構成を示す制御ブロック
線図である。上記先行文献においては、モータを電圧駆
動する場合の制御ブロック線図にもとづいて説明がなさ
れているが、ここでは説明を簡単化するために、モータ
は電流駆動するものとして図示している。
【0011】(図9)において、100はモータ、10
1、102はその伝達関数を示す制御ブロックであり、
JおよびKtはモータ100の慣性モーメントおよびト
ルク定数、sはラプラス演算子をそれぞれ表している。
また、τdはモータ100に印加されている外乱トルク
である。110は、モータ100の回転角速度の検出信
号vと速度指令信号rとの誤差信号eに比例あるいは積
分等の制御補償を行い、その結果に応じたトルク指令信
号Icを出力する制御器である。なお、ここでは、モー
タ100を駆動するための駆動アンプも制御器110に
含めて考えるとし、制御補償部と駆動アンプを合わせた
伝達関数をH(s)とする。H(s)は比例ゲイン、積
分ゲイン、駆動アンプの利得をそれぞれKp、Ki、K
ampとすると、例えば(Kp+Ki/s)・Kampと表され
る。以上が基本的な速度制御ループの構成である。
【0012】次に、外乱抑圧ループの構成について説明
する。200は外乱推定器、205は乗算器である。外
乱推定器200において、201はモータ100に印加
される駆動電流Iaを検出して係数を掛ける乗算器、2
02はモータ100の回転角速度の検出信号vに係数を
掛ける乗算器、203は微分器、204は伝達関数F
(s)を持つ3次フィルタである。ここで、伝達関数F
(s)は、高域遮断角周波数をωo、ノッチ角周波数を
ωn、減衰定数をζとしたとき、次式で表される。
【0013】 F(s)={(ωo+2ζωn)s2+2ζωoωns+ωoωn 2} /{s3+(ωo+2ζωn)s2+(ωn 2+2ζωoωn)s+ωoωn 2} (1) また、(図9)に示した制御ブロック線図において、J
n、Ktnはモータの慣性モーメントおよびトルク定数の
公称値、τはモータの発生トルク、τeは外乱トルクの
推定信号である。
【0014】次に動作について説明する。モータ100
の回転角速度の検出信号vは制御器110において、速
度指令信号rと減算比較され、その誤差信号eに比例・
積分補償を行った後、トルク指令信号Icとして出力さ
れる。トルク指令信号Icは、乗算器205の出力と加
算された後、駆動電流Iaとしてモータに入力される。
駆動電流Iaは制御ブロック101でトルクτに変換さ
れ、モータ100の回転角速度vが速度指令値rと一致
するように駆動制御される。
【0015】一方、外乱推定器200は、モータ100
に印加される駆動電流Iaを検出し、乗算器201で係
数Ktnを掛ける。また、乗算器202は、モータの回転
角速度の検出信号vに係数Jnを掛け、その出力は微分
器203において微分される。3次フィルタ204には
乗算器201の出力から微分器203の出力を減算した
ものが入力され、その出力が外乱トルクの推定信号τe
となる。外乱推定器200より出力された外乱トルクの
推定信号τeは、乗算器205において係数1/Ktnを掛
けられる。この乗算器205の出力は、前述のトルク指
令信号Icと加算され、モータ100に加わる外乱トル
クτdを打ち消すように働く。その結果、外乱トルクτd
によるモータ100の回転速度変動が抑圧される。
【0016】(図9)に示した制御ブロック線図におい
て、モータの慣性モーメントおよびトルク定数がそれぞ
れ公称値と一致するとした場合、外乱トルクτdから回
転角速度vまでの伝達関数G(s)は次式で表される。
【0017】 G(s)=−{1/(Js)}/{1+1/(Js)・Kt・H(s)}×{1−F(s)} (2) 一方、外乱推定器200および乗算器205で構成され
る外乱抑圧ループを取り除いた制御系、すなわち、従来
のPI制御系の場合の外乱トルクτdから回転角速度v
までの伝達関数Gc(s)は次式で表される。
【0018】 Gc(s)=−{1/(Js)}/{1+1/(Js)・Kt・H(s)} (3) したがって、外乱抑圧ループによる外乱抑圧効果E
(s)は、(2)式と(3)式とを比較することによ
り、 E(s)=1−F(s) =E1(s)・E2(s) (4) ここで、 E1(s)=s/(s+ωo) (5) E2(s)=(s2+ωn 2)/(s2+2ζωns+ωn 2) (6) となる。
【0019】E1(s)は遮断角周波数ωoの1次の低域
遮断フィルタの伝達関数、E2(s)はノッチ角周波数
ωn、減衰定数ζのノッチフィルタの伝達関数をそれぞ
れ表している。
【0020】したがって、上記先行文献に記載されてい
る方式による制御装置では、角周波数ωo以下の周波数
範囲において1次の低域遮断特性で外乱トルクによる回
転速度変動が抑制され、さらに、角周波数ωnの回転速
度変動成分に対してノッチフィルタによる大幅な改善効
果が得られる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の外乱推定器を用いた構成では、モータの回転角速度
の検出値を利用して外乱トルクの推定値を得ているた
め、(図8)に示したVTRのドラム・モータあるいは
キャプスタン・モータの制御装置のようにFG信号の周
期を検出し、周期を一定に保つ周期帰還型の速度制御系
の場合には、FG信号の周期をモータの回転角速度に換
算して外乱推定器の入力としなければならないという問
題点がある。以下、これについて詳細に説明する。
【0022】(図10)はFG信号の周期からモータの
回転角速度を検出するように構成した速度検出器の一例
を示すブロック図である。(図10)において、125
は速度検出器であり、120は周期検出器、121は周
期−速度変換器である。
【0023】次に動作について説明する。モータの回転
角速度に比例した周波数を持つFG信号が周期検出器1
20に入力される。周期検出器120は前述の動作に従
い、FG信号の周期を検出し周期信号TFGを出力する。
周期信号TFGは、周期−速度変換器121において v=(2π/Z)・(1/TFG) (7) で表される演算によりモータの回転角速度vに変換され
て速度検出値として出力される。ここで、Zはモータ1
回転あたりのFG信号のパルス数である。
【0024】以上が速度検出器の動作であり、(図9)
に示した構成の外乱推定器を用いるためには、FG信号
のエッジが周期検出器120に入力される毎に(7)式
で表される演算を行い、周期信号TFGをモータの回転角
速度vに変換しなければならない。これは制御系をアナ
ログ回路等のハードウェアで構成する場合には素子数の
増加を招き、調整も複雑になる。また、マイクロコンピ
ュータを用いたソフトウェアサーボの場合には、処理が
増加することによって演算時間遅れが大きくなり制御性
能の劣化につながる。いずれの場合にも既存の周期帰還
型の速度制御系に大幅な変更を加えなければ外乱推定器
を追加することができない。
【0025】さらに、上記従来の方式では、外乱推定器
の動作を実現するために微分器が必要である。理想的な
微分器を実現することは困難であり、微分処理は高周波
成分に対してゲインが大きいことから、回転角速度の検
出値に含まれるノイズ成分等を増幅してしまい、外乱ト
ルクの推定に誤差を生じてしまうという問題点がある。
【0026】本発明は、このような従来の課題を解決
し、周期信号をモータの回転角速度に換算せず、周期信
号をそのまま入力とするように外乱推定器を構成し、か
つ、外乱推定器の構成には微分器を必要としないもので
あり、既存の周期帰還型のモータ速度制御装置に外乱推
定器を容易に追加でき、しかも、トルクリップル等に起
因した顕著な回転速度変動成分を大幅に低減することの
できるモータ制御装置を提供するものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、モータの回転速度に比例した周波数信号を
発生する周波数発電機と、周波数信号の周期を検出し周
期信号を出力する周期検出手段と、周期信号と周期指令
信号との差に応じた周期誤差信号を出力する比較手段
と、周期誤差信号に応じた制御信号を出力する制御手段
と、駆動信号に応じた電力をモータに供給する駆動手段
と、周期信号と駆動信号よりモータに印加される外乱ト
ルクを駆動信号に対応した値に換算して推定すると共に
高域周波数成分を遮断して外乱推定信号を出力する外乱
推定手段と、外乱推定信号の特定の周波数の信号の大き
さを修正した修正信号を出力する修正手段と、修正信号
により制御信号を補正した駆動信号を出力する補正手段
より構成したものである。
【0028】
【作用】本発明では上記のように構成することによっ
て、周波数信号の周期を検出して得られた周期信号を利
用して外乱推定信号を作り出している。また、モータに
印加されている外乱トルクを推定する処理を外乱推定手
段において行い、特定の周波数を持つ外乱トルクに対す
る外乱抑制特性を大幅に改善するための処理を修正手段
において行うようにしている。その結果、外乱推定手段
の処理のために、周期信号をモータの回転速度に換算す
る必要がなく、さらに、外乱推定手段には微分器を必要
としない構成を用いることが可能となり、微分処理によ
る悪影響が生じない。
【0029】
【実施例】(図1(a))は本発明の第1の実施例によ
る制御装置の全体の構成を示すブロック図であり、同図
(b)は本発明の第1の実施例による外乱抑圧ループの
構成を示す制御ブロック線図である。以下、図面を参照
しながら説明する。
【0030】(図1(a))において、100はモータ
である。モータ100には周波数発電機110がとりつ
けられており、モータ100の回転速度に比例した周波
数信号を出力する。120は周波数信号の周期を検出し
周期信号TFGを出力する周期検出器、130は周期信号
FGと周期指令信号Tr(一定値)との偏差に応じた周
期誤差信号ΔTFGを出力する比較器、140は周期誤差
信号ΔTFGに比例・積分等の制御補償を行い制御信号c
を出力する制御器、3は制御信号cを後述の修正信号d
cにより補正して駆動信号Dを出力する補正器、150
は駆動信号Dに応じた駆動電流Iaをモータに供給する
駆動器である。また、1は周期信号TFGと駆動信号Dに
応じた外乱推定信号dを出力する外乱推定器、2は外乱
推定信号dを修正して修正信号dcを出力する修正器で
ある。外乱推定器1、修正器2、補正器3により外乱抑
圧ループが形成されている。
【0031】(図1(b))において、11は周期信号
FGに所定の係数を掛ける乗算器、12は減算器、13
は遮断角周波数がωoである1次の高域遮断フィルタ、
14は加算器である。(図1(b))に示しているよう
に、外乱推定器1は乗算器11、減算器12、高域遮断
フィルタ13および加算器14より構成される。また、
20は伝達関数Fi(s)を持つ2次フィルタ、21は
加算器であり、(図1(b))に示しているように、修
正器2は2次フィルタ20と加算器21より構成され
る。なお、伝達関数Fi(s)は Fi(s)=(2ζωno)s2/(s2+2ζωns+ωn 2) (8) と表される。ここで、ωnは所定の角周波数であり、後
述のように角周波数がωnである外乱トルク成分による
回転速度変動成分が大幅に抑圧される。また、ζは角周
波数ωn近傍における外乱抑圧の程度を決定する正の定
数であり、通常、ζ=0.1程度とする。
【0032】次に動作について説明する。モータ100
には外乱トルクτdが印加されており、モータ100の
回転速度に比例した周波数の周波数信号(以下、FG信
号と呼ぶ)が周波数発電機110より出力される。FG
信号は周期検出器120に入力され、その周期を検出し
た周期信号TFGが出力される。周期信号TFGは、比較器
130において周期指令値Tr(一定値)から減じられ
た後、周期誤差信号ΔTFGとして出力される。周期誤差
信号ΔTFGは制御器140において所定の比例あるいは
積分等の制御補償がなされ制御信号cとなる。制御信号
cは補正器3に入力され、修正信号dcを加算された
後、駆動信号Dとなる。駆動信号Dは駆動器150に入
力され駆動信号Dに応じた駆動電流Iaがモータ100
に供給される。以上が基本的な速度制御ループの動作で
あり、周期信号TFGと周期指令値T rが一致するように
モータ100が回転駆動され、モータ100の回転速度
が一定に保たれる。これらの動作は修正信号dcが零の
場合、(図8)に示した従来例の場合と全く同様であ
る。
【0033】次に外乱抑圧ループの動作について説明す
る。まず、外乱推定器1の動作について説明する。周期
検出器120により出力された周期信号TFGは、乗算器
11において定数Kを掛けて出力される。なお、Kは次
式で表される定数である。
【0034】 K=ωo(Jn/Ktn)・(1/Kamp)・(2π/Z)・(1/Tr 2) (9) ここで、Jn、Ktnはモータ100の慣性モーメントお
よびトルク定数の公称値であり、Kampは駆動器150
の利得、Zはモータ100の1回転あたりに発生するF
G信号のパルス数である。乗算器11の出力は、減算器
12において、補正器3より出力される駆動信号Dから
減算される。減算器12の出力は高域遮断フィルタ13
でフィルタ処理された後、加算器14において乗算器1
1の出力を加算されて外乱推定信号dとして出力され
る。以上の動作が外乱推定器1の動作に対応する。次
に、修正器2の動作について説明する。外乱推定信号d
はフィルタ20に入力され、前述の伝達関数Fi(s)
で表されるフィルタ処理がなされる。フィルタ20の出
力は加算器21において、フィルタ20の入力と加算さ
れ、修正信号dcとして出力される。フィルタ20およ
び加算器21の動作が修正器2の動作に対応する。修正
信号dcは前述のように補正器3において制御信号cに
加算される。以上の動作が外乱抑圧ループの動作であ
り、修正信号dcを用いて制御信号cを補正することに
より、外乱トルクτdが回転速度変動に及ぼす影響を抑
圧する(以下、これを外乱抑圧効果と呼ぶ)。
【0035】次に本発明の第1の実施例における外乱抑
圧効果について、数式を用いて説明する。なお、以下の
説明において、モータ100の慣性モーメントおよびト
ルク定数はそれぞれの公称値に等しいものとし、単に、
J、Ktと表記する。
【0036】まず、外乱推定信号dは、(図1(b))
に示した外乱推定器1の制御ブロック線図より、周期信
号TFGと駆動信号Dを用いて次のように表される。
【0037】 d={ωo/(s+ωo)}・(D−K・TFG)+K・TFG ={ωo/(s+ωo)} ・{D+(J/Kt)・(1/Kamp)・(2π/Z)・(1/Tr 2)sTFG} (10) 一方、モータ100の回転角速度vと周期信号TFGの間
には(7)式の関係が成り立つ。今、モータ100は一
定の速度で回転するように制御されているので、周期信
号TFGは周期指令信号Tr(一定値)の近傍で変化して
いる。したがって、回転角速度vの時間微分値と周期信
号TFGの時間微分値との間には次の関係式が成立する。
【0038】 dv/dt=−(2π/Z)・(1/Tr 2)dTFG/dt (11) (10)式中のsTFGの項は周期信号TFGの時間微分を
表すことから、(10)式は(11)式の関係を用いて
次のように変形することができる。
【0039】 d={ωo/(s+ωo)}・{D−(J/Kt)・(1/Kamp)・sv} (12) また、モータ100に印加される外乱トルクτdと駆動
器150に供給される駆動信号Dおよびモータ100の
回転角速度vとの間には次の関係式が成立する。
【0040】 τd=KtampD−Jsv (13) したがって、(12)、(13)式より d={ωo/(s+ωo)}・(1/Kamp)・(1/Kt)・τd (14) の関係が得られる。(14)式より明らかなように、外
乱推定信号dは、外乱トルクτdにトルク定数の逆数
(1/Kt)および駆動器150の利得の逆数(1/K
amp)を掛け、さらに1次の高域遮断フィルタの伝達関
数を掛けたものとなっている。これは外乱推定信号d
が、外乱トルクτdを駆動信号Dの次元に換算して推定
した推定量であり、さらに1次の高域遮断フィルタによ
り角周波数ωo以上の高周波成分を除去したものである
ことを意味している。
【0041】さらに、(14)式を利用すると修正信号
cは次のように表される。 dc={1+2ζωno2/(s2+2ζωns+ωn 2)}・d ={1+2ζωno2/(s2+2ζωns+ωn 2)} ・{ωo/(s+ωo)}・(1/Kamp)・(1/Ktd (15) (15)式より、モータ100に印加されている外乱ト
ルクτdを駆動信号Dの次元に換算した換算量から修正
信号dcまでの伝達関数Q(s)は Q(s)=dc/{(1/Kamp)・(1/Ktd} ={1+2ζωno2/(s2+2ζωns+ωn 2)}・{ωo/(s+ωo)} (16) となる。(16)式の右辺第1項は修正器2の伝達関数
であり、右辺第2項は遮断角周波数がωoである1次の
高域遮断フィルタの伝達関数、すなわち外乱トルクτd
を駆動信号Dの次元に換算した換算量から外乱推定信号
dまでの伝達関数である。Q(s)の周波数特性を計算
すると、(図2)に示す周波数特性図が得られる。この
周波数特性図において、実線のグラフがQ(s)の周波
数特性であり、破線のグラフは(16)式の右辺第2項
の周波数特性、すなわち外乱トルクτdを駆動信号Dの
次元に換算した換算量から外乱推定信号dまでの伝達関
数の周波数特性を示している。なお、(図2)におい
て、横軸はωnで規格化した角周波数を表しており、ωo
/ωn=0.2、ζ=0.1として計算している。
【0042】この周波数特性図から、修正器2の伝達関
数は、角周波数ωnにおいて外乱推定信号dにおいて生
じている出力低下および位相遅れを修正し、これを零と
するように動作することがわかる。
【0043】以上の関係式を用いて、外乱トルクτd
ら回転角速度vまでの伝達関数Gi(s)を計算する
と、次のようになる。
【0044】 Gi(s)=[1−{1+2ζωno2/(s2+2ζωns+ωn 2)} ・{ωo/(s+ωo)}]×Gc(s) ={(s2+ωn 2)/(s2+2ζωns+ωn 2)} ・{s/(s+ωo)}・Gc(s) (17) ここで、Gc(s)は外乱抑圧ループのない場合、すな
わち、(図8)に示した従来例の場合の外乱トルクτd
から回転角速度vまでの伝達関数であり、 Gc(s)=−{1/(Js)}/{1+1/(Js)・Kt・Kamp・H(s)} (18) と表される。ここで、H(s)は制御器140の伝達関
数、すなわち、周期誤差信号ΔTFGから制御信号cまで
の伝達関数である。
【0045】したがって、本発明の第1の実施例による
外乱抑圧効果は、(17)式の右辺第1項および第2項
で表される伝達関数をそれぞれE1(s)、E2(s)と
おくと、E1(s)・E2(s)で表される。E1(s)
・E2(s)の周波数特性を計算すると、(図3)に示
す周波数特性図が得られる。(図3)において、横軸は
ωnで規格化した角周波数を表しており、ωo/ωn
0.2、ζ=0.1として計算している。
【0046】E1(s)は角周波数ωnにおいてゲインが
非常に小さくなるノッチフィルタの伝達関数を表してお
り、E2(s)は角周波数ωoを遮断角周波数に持つ1次
の低域遮断フィルタの伝達関数を表している。このた
め、E1(s)・E2(s)の周波数特性は、(図3)か
ら明らかなように、両者の特性を合わせたものとなって
いる。伝達関数Gi(s)の周波数特性のゲインが小さ
いほど、外乱トルクτdが回転速度変動に及ぼす影響が
小さいことから、本発明の第1の実施例では、角周波数
ωo以下の低周波領域において、外乱トルクτdによる回
転速度変動を抑圧することができ、さらに、角周波数ω
nにおいて外乱抑制特性にノッチが形成されることによ
り、この角周波数を持つ外乱トルクが回転速度変動に及
ぼす影響を大幅に低減することができる。
【0047】このように本発明の第1の実施例によれ
ば、FG信号の周期を検出した周期信号をそのまま用い
て、外乱トルクが回転速度変動に及ぼす影響を大幅に低
減できる。これにより周期信号をモータの回転速度に換
算することなく外乱推定器の動作が実現できるので、換
算に必要な回路あるいは処理を削減することができる。
さらに、外乱トルクを駆動信号に換算した量を直接推定
することにより、外乱推定器自体の構成も大幅に簡単化
することができる。また、外乱推定器の構成に微分器を
必要とせず、しかも、特定の周波数において外乱トルク
の影響を大幅に低減することが可能である。その結果、
微分器による高周波ノイズの影響を受けることなく、正
確な外乱トルクの推定および補正を行うことが可能とな
り、優れた外乱抑圧効果によってモータの回転速度変動
を大幅に低減することができる。
【0048】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。(図4(a))は本発明の第2の実施例による制
御装置の全体の構成を示すブロック図である。同図
(b)は本発明の第2の実施例による外乱推定器の構成
を示す制御ブロック線図である。以下、図面を参照しな
がら説明する。
【0049】(図4(a))において、4は本発明の第
2の実施例による外乱推定器であり、(図1(a))に
示した本発明の第1の実施例による外乱推定器1とは、
周期信号TFGの代わりに周期誤差信号ΔTFGを入力とし
ている点が異なる。その他の構成は(図1(a))と同
じであるので同じ記号を付し、重複した説明を省略す
る。
【0050】(図4(b))において、40は加算器で
あり、41は減算器である。その他の構成は、(図1
(b))に示した本発明の第1の実施例による外乱推定
器1の構成と同じであるので、同じ記号を付し、重複し
た説明を省略する。
【0051】次に動作について説明する。第1の実施例
と異なるのは外乱推定器4の動作である。外乱推定器4
は、比較器130から出力される周期誤差信号ΔTFG
補正器3から出力される駆動信号Dを入力とし、後述の
演算により外乱推定信号dを出力する。その他の動作は
本発明の第1の実施例と同じであるので、重複した説明
を省略する。
【0052】次に外乱推定器4の動作について詳細に説
明する。比較器130により出力された周期誤差信号Δ
FGは、乗算器11において(9)式で表される定数K
を掛けて出力される。乗算器11の出力は、加算器40
において、補正器3から出力される駆動信号Dと加算さ
れる。加算器41の出力は高域遮断フィルタ13でフィ
ルタ処理された後、減算器41において乗算器11の出
力を減じられて外乱推定信号dとして出力される。以上
が外乱推定器4の動作であり、外乱推定信号dは、修正
器2において本発明の第1の実施例と同様の修正がなさ
れた後、修正信号dcとなる。修正信号dcは、補正器3
において、制御器140から出力される制御信号cに加
算されることにより、外乱トルクτdの影響を打ち消
し、モータ100の回転速度変動を抑圧する。
【0053】次に本発明の第2の実施例における外乱抑
圧効果について、数式を用いて説明する。外乱推定信号
dは、(図4(b))に示した外乱推定器4の制御ブロ
ック線図より、周期誤差信号ΔTFGと駆動信号Dを用い
て次のように表される。
【0054】 d={ωo/(s+ωo)}・(D+K・ΔTFG)−K・ΔTFG ={ωo/(s+ωo)} ・{D−(J/Kt)・(1/Kamp)・(2π/Z)・(1/Tr 2)sΔTFG} (19) また、周期誤差信号ΔTFGは周期信号TFGと周期指令信
号Tr(一定値)を用いて ΔTFG=Tr−TFG (20) と表され、(20)式の両辺を時間微分すると dΔTFG/dt=−dTFG/dt (21) となる。一方、周期信号TFGは周期指令値Trの近傍で
変化していることから、前述のように回転角速度vの時
間微分値と周期信号TFGの時間微分値との間には(1
1)式で表される関係式が成立する。したがって、(1
1)式、(21)式より dv/dt=(2π/Z)・(1/Tr 2)dΔTFG/dt (22) で表される関係が得られる。(19)式中のsΔTFG
項は周期誤差信号ΔTFGの時間微分を表すことから、
(19)式は(22)式を用いて次のように変形するこ
とができる。
【0055】 d={ωo/(s+ωo)}・{D−(J/Kt)・(1/Kamp)・sv} (23) (23)式によれば、本発明の第2の実施例による外乱
推定信号dは(12)式で表される本発明の第1の実施
例による外乱推定信号dと全く同じものとなっている。
したがって、本発明の第2の実施例による修正信号dc
と外乱トルクτdとの間には(15)式と同様の関係が
成り立ち、修正信号dcを用いて制御信号cを補正する
ことにより本発明の第1の実施例と全く同じ優れた外乱
抑圧効果が得られる。
【0056】このように本発明の第2の実施例によれ
ば、外乱抑圧ループの構成に微分器を必要とせず、しか
も、本発明の第1の実施例と同様の優れた外乱抑圧効果
が得られる。その結果、外乱トルクによる回転速度変動
を大幅に低減することが可能である。さらに、周期誤差
信号は周期信号に比べて大きさが小さいため、外乱推定
器の入力として周期誤差信号を用いることにより、外乱
推定器および修正器の内部処理に必要なダイナミックレ
ンジを小さくすることができる。
【0057】次に、本発明の第2の実施例による制御装
置をソフトウェアサーボで構成した本発明の第3の実施
例について説明する。本発明の第3の実施例による制御
装置の全体の構成は(図4(a))に示した本発明の第
2の実施例による構成と同じである。(図4(a))に
おいて、周期検出器120、比較器130、制御器14
0、補正器3、外乱推定器4および修正器2はメモリに
格納されたソフトウェア・プログラムに従って動作する
演算処理ユニットにより実現される。外乱推定器4、修
正器2および補正器3で構成される外乱抑圧ループを除
いた基本的な速度制御ループについては、既にソフトウ
ェア・プログラムを用いたソフトウェアサーボが広く用
いられているので、ここではその詳細な説明は省略す
る。
【0058】(図5)はソフトウェア・プログラムによ
り動作させるために離散系の伝達関数を用いて構成した
本発明の第3の実施例による外乱推定器4および修正器
2の構成を示す制御ブロック線図である。
【0059】(図5)において、43、45は加算器、
42は所定の定数α1を掛ける乗算器、46は所定の定
数α2を掛ける乗算器、44、47は1サンプリング時
間の遅延を表す遅延器である。また、50、54、57
は加算器、53は所定の定数β1を掛ける乗算器、51
は所定の定数β2を掛ける乗算器、58は所定の定数β 3
を掛ける乗算器、55は入力を2倍する乗算器、52、
56は1サンプリング時間の遅延を表す遅延器である。
(図4(b))に示した本発明の第2の実施例による外
乱推定器4の構成と異なるのは、駆動信号Dを入力する
際に1サンプリング時間の遅延を含めている点と、連続
系の伝達関数ωo/(s+ωo)で表される高域遮断フィ
ルタ13の特性および(8)式に示した連続系の伝達関
数Fi(s)で表される2次フィルタ20の特性を s=(2/Ts)・(1−z-1)/(1+z-1) (24) で表される双一次変換により離散系の伝達関数Q
1(z)およびQ2(z)に変換して構成している点であ
る。伝達関数Q1(z)、Q2(z)は次式で表される。
【0060】 Q1(z)=α2(1+z-1)/(1−α1-1) (25) Q2(z)=β3(1−2z-1+z-2)/(1+β1-1+β2-2) (26) ここで、Tsはサンプリング時間、z-1は1サンプリン
グ時間の遅延を表す演算子であり、係数α1、α2
β1、β2、β3は次式で表される。
【0061】 α1=(2-ωos)/(2+ωos) (27) α2=ωos/(2+ωos) (28) β1=(2ωn 2s 2−8)/(ωn 2s 2+4ζωns+4) (29) β2=(ωn 2s 2−4ζωns+4)/(ωn 2s 2+4ζωns+4) (30) β3=(8ζωno)/(ωn 2s 2+4ζωns+4) (31) (図6)は本発明の第3の実施例による制御装置をソフ
トウェアサーボで構成した場合の全体の処理の流れの一
例を説明するフローチャートである。(図7)(a)は
修正信号dcを算出するための処理((図6)中の処理
63に対応)を詳細に説明するフローチャートであり、
同図(b)は外乱推定器4および修正器2の後処理
((図6)中の処理68に対応)を詳細に説明するフロ
ーチャートである。前述のように、ソフトウェアサーボ
では、周期検出器120、比較器130、制御器14
0、外乱推定器4、修正器2および補正器3の動作がソ
フトウェア・プログラムにより実行される。以下、図面
を参照しながら処理の流れを説明する。
【0062】まず、処理60において、FG信号のエッ
ジが入力されたかどうかの判断を行う。エッジが入力さ
れていない場合は入力されるまで待ち、エッジが入力さ
れた場合は処理61に移る。処理61においては、今回
のFG信号のエッジの入力時刻と前回のFG信号のエッ
ジの入力時刻との差からFG信号の周期を検出して周期
信号TFG(ディジタル値)を出力する(周期検出器12
0の動作に対応)。処理62においては、周期信号TFG
を周期指令信号Tr(ディジタル値)から減じることに
より周期誤差信号ΔTFG(ディジタル値)を算出する
(比較器130の動作に対応)。処理63においては、
周期誤差信号ΔTFGおよびあらかじめメモリに格納され
たディジタル値M1を入力として後述の処理に従い、修
正信号dc(ディジタル値)を計算する(外乱推定器4
および修正器2の動作に対応)。処理64においては、
周期誤差信号ΔTFGを比例あるいは積分補償した制御信
号c(ディジタル値)を算出する(制御器140の動作
に対応)。処理65においては、処理64で算出された
制御信号cに処理63で算出された修正信号dcを加算
することにより駆動信号D(ディジタル値)を算出する
(補正器3の動作に対応)。処理66においては、処理
65で算出された駆動信号Dを図示していないD/A変
換器に出力する。処理67においては、次回のFG信号
のエッジが入力した時点での処理63に用いるために、
処理65で算出された駆動信号Dをメモリに格納し、デ
ィジタル値M1を更新する(遅延器47の動作に対
応)。最後に、処理68において、外乱推定器4および
修正器2の処理の内、前述の処理63において未処理の
部分を行い、処理60に戻る。以上が、ソフトウェアの
処理であり、FG信号のエッジが入力される毎に処理6
1から処理68を繰り返すように動作する。一方、D/
A変換器においては処理66で出力した駆動信号Dに応
じた電圧を駆動器150に印加し、駆動器150は印加
された電圧に応じた駆動電流Iaをモータ100に供給
することにより、モータ100が回転駆動される。前述
のように、外乱推定器4および修正器2を除いた基本的
な速度制御ループのソフトウェア処理に関しては、広く
知られているので、ここでは、外乱推定器4および修正
器2の動作に対応する処理63および処理68につい
て、詳細に説明する。
【0063】処理63は、(図7(a))に示すよう
に、処理630から処理638に分けることができる。
まず、処理630において、周期誤差信号ΔTFGに所定
の定数Kを掛けてディジタル値aを算出する(乗算器1
1の動作に対応)。処理631においては、前述のディ
ジタル値M1と処理630において算出されたディジタ
ル値aとを加算してディジタル値p1を算出する(加算
器40の動作に対応)。処理632においては、処理6
31で算出されたディジタル値p1とあらかじめメモリ
に格納されているディジタル値M3を加算してディジタ
ル値p2を算出する(加算器43の動作に対応)。処理
633においては、処理632で算出されたディジタル
値p2とあらかじめメモリに格納されているディジタル
値M2を加算してディジタル値p3を算出する(加算器4
5の動作に対応)。処理634においては、処理633
において算出されたディジタル値p3に所定の定数α2
掛けてディジタル値p4を算出する(乗算器46の動作
に対応)。処理635においては、処理634において
算出されたディジタル値p4から処理630において算
出されたディジタル値aを減算して外乱推定信号d(デ
ィジタル値)を出力する(減算器41の動作に対応)。
処理636においては、処理635において算出された
外乱推定信号dにあらかじめメモリに格納されているデ
ィジタル値M5を加算してディジタル値q1を算出する
(加算器57の動作に対応)。処理637においては、
処理636において算出されたディジタル値q1に所定
の定数β3を掛けてディジタル値q5を算出する(乗算器
58の動作に対応)。最後に、処理638において、処
理635において算出された外乱推定信号dに処理63
7において算出されたディジタル値q5を加算して修正
信号dc(ディジタル値)を出力する(加算器21の動
作に対応)。以上の処理630〜処理638が(図6)
中の処理63において実行され、修正信号dcが算出さ
れる。
【0064】処理68は、(図7(b))に示すよう
に、処理680から処理688に分けることができる。
まず、処理680において、処理632において算出さ
れたディジタル値p2をメモリに格納し、ディジタル値
2を更新する(遅延器44の動作に対応)。処理68
1においては、処理680において更新したディジタル
値M2に所定の定数α1を掛け、乗算結果をメモリに格納
してディジタル値M3を更新する(乗算器42の動作に
対応)。処理682においては、処理636において算
出されたディジタル値q1に所定の定数β1を掛けてディ
ジタル値q2を算出する(乗算器53の動作に対応)。
処理683においては、処理635において算出された
外乱推定信号dを2倍してディジタル値q4とする(乗
算器55の動作に対応)。処理684においては、あら
かじめメモリに格納されているディジタル値M4から処
理682で算出されたディジタル値q2および処理68
3で算出されたディジタル値q4を減算してディジタル
値q6を算出する(加算器54の動作に対応)。処理6
85においては、処理684で算出されたディジタル値
6をメモリに格納し、ディジタル値M5を更新する(遅
延器56の動作に対応)。処理686においては、処理
636において算出されたディジタル値q1に所定の定
数β2を掛けてディジタル値q3を算出する(乗算器51
の動作に対応)。処理687においては、処理635に
おいて算出された外乱推定信号dから処理686におい
て算出されたディジタル値q3を減算してディジタル値
7を算出する(加算器50の動作に対応)。最後に、
処理688において、処理687において算出されたデ
ィジタル値q7をメモリに格納し、ディジタル値M4を更
新する(遅延器52の動作に対応)。
【0065】以上がソフトウェアサーボで構成した場合
の処理であり、これらの処理を実現するようにソフトウ
ェア・プログラムを作成して制御装置を動作させれば、
連続系の伝達関数を用いて説明した外乱抑圧効果と同等
の効果を得ることができる。しかも、修正器2の動作を
ディジタルフィルタにより実現しているため、修正器2
により外乱抑制特性を大幅に改善する特定周波数を、ア
ナログ回路のオフセットやばらつきの影響を受けること
なく正確に設定することが可能である。また、本発明の
第3の実施例によるソフトウェア処理では、外乱抑圧ル
ープの処理は従来の速度制御ループの処理と独立してい
る。このため、従来のソフトウェア・プログラムに処理
63、処理65、処理67および処理68に相当する処
理を追加することにより容易に応用することができる。
さらに、外乱推定器4および修正器2の動作に対応する
処理を処理63と処理68とに分離し、修正信号dc
算出するのに直接必要でない処理(処理68に相当)を
駆動信号Dの出力後に行うようにしている。その結果、
FG信号のエッジを入力を検出して一連の処理を開始し
てから駆動信号Dを出力するまでの時間遅れを短縮する
ことができ、時間遅れによる制御性能の劣化を抑えるこ
とができる。
【0066】なお、前述の各実施例では、速度制御系の
みを図示して説明したが、これに位相制御系を追加する
ことは従来の技術を用いて簡単に実現でき、この場合に
も同様の外乱抑圧効果を得ることができる。また、本発
明の第1、第2の実施例では、外乱推定器への入力信号
として補正器の出力信号を用いているが、モータに供給
される駆動電流を利用しても同様の外乱抑圧効果を得る
ことができる。
【0067】また、本発明の第3の実施例においては、
外乱推定器の入力として、比較器130から出力される
周期誤差信号ΔTFGを用いた場合について説明したが、
これを周期検出器120から出力される周期信号TFG
しても、全く同様の外乱抑圧効果が得られる。
【0068】また、周期検出器はFG信号の周期を検出
した周期信号を出力するものとして説明を行ったが、周
期信号はFG信号の周期に実質的に対応した信号を用い
れば良く、マイクロコンピュータに内蔵されたカウンタ
で計測して得られた周期のカウンタ換算値などを用いて
も良い。また、離散系の伝達関数への変換には双一次変
換を使用した場合について説明したが、他の変換方法を
用いても良いことは言うまでもない。その他、本発明の
主旨を変えずして種々の変更が可能である。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明のモータ制御装置
は、FG信号の周期を検出した周期信号あるいは周期誤
差信号を用いて外乱トルクを推定するように構成してい
るため、VTR等に用いられているFG信号の周期を帰
還してモータの回転速度を一定に制御する従来のモータ
制御装置に、ハードウェアを大幅に変更することなく容
易に応用することができる。また、制御装置がマイクロ
コンピュータを用いたソフトウェアサーボで構成されて
いる場合には、簡単なプログラムを追加するだけで外乱
抑圧ループの動作が実現可能である。
【0070】さらに、本発明のモータ制御装置による外
乱抑圧ループでは、外乱トルクを推定する処理と特定の
周波数を持つ外乱トルクに対する外乱抑制特性を大幅に
改善する処理とを分離して行うようにしているため、外
乱トルクの推定処理には微分処理を必要としない構成を
とることができ、これにより微分処理による悪影響が生
じることなく優れた外乱抑圧効果を得ることができる。
したがって、本発明の制御装置によれば、制御特性の優
れた、しかも、安価かつ小型な制御機器を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるモータ制御装置の
構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施例による修正信号dcと外
乱トルクτdを駆動信号Dの次元に換算した換算量との
関係を示す周波数特性図
【図3】本発明の第1の実施例による外乱抑圧効果を説
明する周波数特性図
【図4】本発明の第2の実施例によるモータ制御装置の
構成を示すブロック図
【図5】本発明の第3の実施例による外乱推定器および
修正器の構成を示す制御ブロック線図
【図6】本発明の第3の実施例におけるソフトウェア処
理を説明するフローチャート
【図7】本発明の第3の実施例における外乱推定器およ
び修正器のソフトウェア処理を詳細に説明するフローチ
ャート
【図8】従来のVTRにおけるモータ制御装置の構成を
示すブロック図
【図9】従来の外乱トルクを推定・補償したモータ制御
装置の構成を示す制御ブロック線図
【図10】速度検出器の構成の一例を示すブロック図
【符号の説明】
1 外乱推定器 3 補正器 11 第1の乗算器 12 第1の加算器 13 高域遮断フィルタ 14 第2の加算器 100 モータ 110 周波数発電機 120 周期検出器 130 比較器 140 制御器 150 駆動器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータの回転速度に比例した周波数信号を
    発生する周波数発電機と、前記周波数信号の周期を検出
    し周期信号を出力する周期検出手段と、前記周期信号と
    周期指令信号との差に応じた周期誤差信号を出力する比
    較手段と、前記周期誤差信号に応じた制御信号を出力す
    る制御手段と、駆動信号に応じた電力を前記モータに供
    給する駆動手段と、前記周期信号と前記駆動信号より前
    記モータに印加される外乱トルクを前記駆動信号に対応
    した値に換算して推定すると共に高域周波数成分を遮断
    して外乱推定信号を出力する外乱推定手段と、前記外乱
    推定信号の特定の周波数の信号の大きさを修正した修正
    信号を出力する修正手段と、前記修正信号により前記制
    御信号を補正した前記駆動信号を出力する補正手段とを
    有して構成されたことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 【請求項2】外乱推定手段は、周期信号に所定の係数を
    乗じる乗算手段と、駆動信号から前記乗算手段の出力を
    減算する減算手段と、前記減算手段に接続され、1次の
    高域遮断特性を有するフィルタ手段と、前記フィルタ手
    段の出力と前記乗算手段の出力を加算し、その結果を外
    乱推定信号として出力する加算手段より構成されたこと
    を特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 【請求項3】モータの回転速度に比例した周波数信号を
    発生する周波数発電機と、前記周波数信号の周期を検出
    し周期信号を出力する周期検出手段と、前記周期信号と
    周期指令信号との差に応じた周期誤差信号を出力する比
    較手段と、前記周期誤差信号に応じた制御信号を出力す
    る制御手段と、駆動信号に応じた電力を前記モータに供
    給する駆動手段と、前記周期誤差信号と前記駆動信号よ
    り前記モータに印加される外乱トルクを前記駆動信号に
    対応した値に換算して推定すると共に高域周波数成分を
    遮断して外乱推定信号を出力する外乱推定手段と、前記
    外乱推定信号の特定の周波数の信号の大きさを修正した
    修正信号を出力する修正手段と、前記修正信号により前
    記制御信号を補正した前記駆動信号を出力する補正手段
    より構成されたことを特徴とするモータ制御装置。
  4. 【請求項4】外乱推定手段は、周期誤差信号に所定の係
    数を乗じる乗算手段と、駆動信号と前記乗算手段の出力
    を加算する加算手段と、前記加算手段に接続され、1次
    の高域遮断特性を有するフィルタ手段と、前記フィルタ
    手段の出力から前記乗算手段の出力を減算し、その結果
    を外乱推定信号として出力する減算手段より構成された
    ことを特徴とする請求項3記載のモータ制御装置。
  5. 【請求項5】修正手段は、外乱推定信号の出力低下およ
    び位相遅れを特定の周波数で零もしくは略零となるよう
    に修正することを特徴とする請求項1または請求項3記
    載のモータ制御装置。
  6. 【請求項6】修正手段は、1+(2ζωno)s2/(s2
    +2ζωns+ωn 2)(ここで、sはラプラス演算子、ζ
    は所定の正の定数、ωnは修正手段の修正を行う特定周
    波数に対応した角周波数、ωoは外乱推定手段の高域遮
    断周波数に対応した角周波数)なる伝達関数を有するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項3記載のモータ制
    御装置。
  7. 【請求項7】修正手段の修正を行う特定周波数は、外乱
    推定手段の高域遮断周波数より大きく選んだことを特徴
    とする請求項1または請求項3記載のモータ制御装置。
  8. 【請求項8】少なくとも外乱推定手段および修正手段
    は、処理内容に従ったプログラム・データを保存するメ
    モリ手段と、前記プログラム・データに従って処理を実
    行する演算処理ユニットより構成され、周期検出手段が
    周期信号を更新する毎に処理を実行するようにしたこと
    を特徴とする請求項2記載または請求項4記載のモータ
    制御装置。
  9. 【請求項9】フィルタ手段は、1次の高域遮断特性を有
    する連続系の伝達関数を双1次変換により離散系の伝達
    関数に変換したものにもとづいて構成し、前記フィルタ
    手段の処理の一部を、外乱推定手段が外乱推定信号を出
    力した後で実行するようにしたことを特徴とする請求項
    8記載のモータ制御装置。
  10. 【請求項10】修正手段は、1+(2ζωno)s2/(s
    2+2ζωns+ωn 2)(ここで、sはラプラス演算子、ζ
    は所定の正の定数、ωnは修正手段の修正を行う特定周
    波数に対応した角周波数、ωoは外乱推定手段の高域遮
    断周波数に対応した角周波数)なる連続系の伝達関数を
    双1次変換により離散系の伝達関数に変換したものにも
    とづいて構成し、前記修正手段の処理の一部を、前記修
    正手段が修正信号を出力した後で実行するようにしたこ
    とを特徴とする請求項8または請求項9記載のモータ制
    御装置。
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