JPH07175420A - 光入力型有機el素子 - Google Patents

光入力型有機el素子

Info

Publication number
JPH07175420A
JPH07175420A JP24998294A JP24998294A JPH07175420A JP H07175420 A JPH07175420 A JP H07175420A JP 24998294 A JP24998294 A JP 24998294A JP 24998294 A JP24998294 A JP 24998294A JP H07175420 A JPH07175420 A JP H07175420A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
input
light emitting
circuit
emitting display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP24998294A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3405608B2 (ja
Inventor
Takashi Ekusa
俊 江草
Takashi Sasaki
隆 佐々木
Yoko Fukunaga
容子 福永
Akira Miura
明 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP24998294A priority Critical patent/JP3405608B2/ja
Publication of JPH07175420A publication Critical patent/JPH07175420A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3405608B2 publication Critical patent/JP3405608B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Control Of El Displays (AREA)
  • Led Devices (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光による情報の入力が可能なだけでなく、ス
イッチング機能、メモリ機能、多重入力機能などの多様
な機能を有する光入力型有機EL素子を提供する。 【構成】 1対の電極(12,18)の間に、発光層
(15)およびキャリヤー注入層(14,16)からな
る発光表示部(17)と光応答部(13)とを積層して
形成した構造を有し、光応答部(13)に入力された情
報に応じて発光表示が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は外部情報を光入力方式で
書き込むことができ、その外部情報に応じて発光表示が
可能な光入力型有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報化システムの急速な進展に伴
い、種々の情報入出力機器が飛躍的に改善されている。
現在、コンピュータとユーザーとの間のインターフェー
ス機器としてのディスプレイデバイスは、液晶デバイス
やCRTが主流になっている。このうち液晶デバイスは
薄型軽量でありしかも駆動消費電力が小さいという特徴
を有し、今後ともディスプレイデバイスとしての発展が
期待されている。
【0003】しかし、液晶デバイスは、その動作特性上
不可避な欠点も有している。例えば、バックライト光源
を必要とする、応答速度が遅い、視野角が狭い、大画面
化が困難である、明光下での表示コントラストが必ずし
もよくないことなどである。このような欠点を克服する
ために、プラズマディスプレイ、無機系ELパネル、真
空マイクロカソード素子などの発光型表示素子が従来よ
り注目されてきた。しかし、これらの発光型表示素子に
は、輝度が不十分である、多色表示が困難である、駆動
電圧が高いなどの問題がある。
【0004】これに対して最近、有機薄膜の積層構造を
有するキャリヤー注入型電界発光素子(有機EL素子)
において、10V前後の低電圧駆動で1000cd/m
2 以上の高輝度発光を実現できることが報告されてい
る。このような有機EL素子では、発光色が使用する有
機色素の蛍光色とほぼ一致することから、有機色素を適
宜選択することにより多色表示も容易に実現できる。ま
た、有機薄膜は蒸着法により簡便に形成できるので、大
面積化にも有利である。このように有機EL素子は、液
晶デバイスの欠点を回避し、表示性能を大幅に向上させ
うるディスプレイデバイスとして大きな期待を寄せられ
ており、実用化に向けた技術開発が精力的に進められつ
つある。
【0005】一方、情報システムは将来ますます多様化
する傾向にあり、インターフェースに関してもハード及
びソフトウェア技術ともにその重要性が増している。例
えば、現在の入力形式はキーボードやマウスが中心とな
っているが、最近ではペン入力方式のパーソナルコンピ
ュータ及びそのための専用のOSの開発が進んでいる。
このように、コンピュータに対する入力形態は、キーボ
ードやマウスと比較してより人間の感性や行動様式に見
合った形態が求められ、かつシステムの運用状況あるい
はコンピュータなどの使用環境に応じた多様性が求めら
れると考えられる。また、情報の出力形式も従来のよう
な単純な表示機能ばかりでなく、システムに応じた高度
な機能が要求される。したがって、有機EL素子につい
ても単に高性能な表示機器としての特性だけでなく、情
報の入力機能、蓄積機能、記憶機能などを兼ね備えた特
性が要求される。
【0006】さらに、従来用いられている入力可能な表
示機器は、情報入力用の素子と、表示用の素子とが別個
に構成されていたため、情報検知と表示駆動とを全く異
なる回路で行ってきた。これに加えて、入力された情報
に対する表示動作は、情報入力用の機構及び表示用の機
構とは全く異なる、情報処理のための機器によって行う
必要があった。
【0007】例えば上述したように、近年は人間の使い
やすさを重視した入出力装置として各種のペン入力型液
晶表示素子が普及しはじめている。これらの装置では、
表示機能を持った液晶ディスプレイとは別個にペンによ
る入力を検知する装置が付随している。ペン入力装置に
は、ペンによる筆圧を検知するもの、ペンから発生する
電磁波を検知するもの、ペンによる光入力を検知するも
のなどの様々な手法があるが、いずれにしてもこれらの
入力手法と液晶の表示手法とは機構的に全く異なるもの
である。したがって、入力された情報を表示出力するた
めには、コンピューターによる情報処理が必要となる。
すなわち、ペン入力された情報は、いったんコンピュー
ターによってその入力された座標やパターンを検知し、
これらに処理を施して得た画像情報を液晶表示動作の入
力信号として用いることにより、全体的なシステムとし
てペン入力型の表示素子を構成しているだけにすぎな
い。当然ではあるが、以上のような手順でペン入力情報
を画像表示するためには、相当量のコンピューターによ
る演算が必要とされるため、入力検知能力が遅く、シス
テムのプログラミングが困難であるなどが大きな問題と
なる。その結果、現状のペン入力型液晶表示素子は必ず
しも人間が使いやすい道具とはいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光に
よる情報の入力及びその情報に対応した発光表示が可能
であり、さらに光入力情報の蓄積機能、記憶機能などを
兼ね備えた光入力型有機EL素子を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の光入力型有機E
L素子は、発光表示部及び光応答部を有する有機薄膜
と、該有機薄膜に電圧を印加する1対の電極とを具備
し、光入力された情報に応じて発光表示が行われること
を特徴とするものである。
【0010】本発明の光入力型有機EL素子は一般的に
は、発光表示部を構成する1層又は複数層の有機薄膜と
光応答部を構成する1層又は複数層の有機薄膜とが積層
され、この積層構造の有機薄膜にキャリヤーを注入する
ための電子注入用及び正孔注入用の1対の電極が設けら
れた構造を有している。ここで、発光表示部及び光応答
部の積層順序は特に限定されない。また、発光表示部を
構成する有機薄膜の少なくとも一部が光応答部を構成
し、順方向バイアスで発光表示、逆方向バイアスで入力
された光の検出を行ってもよい。
【0011】本発明においては、光応答部を構成する有
機薄膜がスイッチング応答を示すことが好ましい。ま
た、光応答部を構成する有機薄膜として、異なる複数の
波長の光によって可逆的に変化するものを用いれば、メ
モリ機能を発揮することができる。さらに、例えば複数
の材料を2次元的にパターン化するか又は積層した有機
薄膜で光応答部を構成して、互いに異なる波長の光に対
し応答を示す領域を形成すれば、これらの互いに異なる
波長を有する複数の光による多重入力機能を付与するこ
とが可能となる。なお、光応答部を構成する有機薄膜に
不純物をドープし、その不純物濃度に応じて光に対する
応答性を変化させることもできる。
【0012】以下、本発明をより詳細に説明する。
【0013】本発明において、基板としては、ガラス;
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカ
ーボネートなどの樹脂類;鋼シート、ステンレスシート
などの金属シートなどが用いられる。
【0014】本発明において、発光表示部は通常の有機
EL素子と同様の構成を有し、同様の原理で動作する。
図14を参照して発光表示部について説明する。発光表
示部の構成としては、図14に示されるように正孔注入
用電極(MH )1と電子注入用電極(ME )5との間
に、正孔注入層(OH )2、発光層(OL )3及び電子
注入層(OE )4が形成されたものが代表的である。な
お、発光表示部を構成する有機薄膜の積層構造は、上述
したように3層構造に限らず、電子注入層と発光層との
2層構造や正孔注入層と発光層との2層構造などでもよ
い。また、電子注入層、発光層及び正孔注入層のうち少
なくともいずれかが複数層からなる4層以上の多層構造
でもよい。さらに、各有機薄膜は単一の材料で構成され
ていてもよいし、2種以上の材料が混合していてもよ
い。これらの構成は、発光色、動作電圧、輝度、応答速
度など、素子に要求される性能に応じて決定される。
【0015】図14の発光表示部について、電圧を印加
していないときの接合状態を図15(a)に、電圧を印
加したときの接合状態を図15(b)に示し、その動作
を説明する。図15(a)における各層の接合状態は以
下の通りである。電子注入用電極(ME )5と電子注入
層(OE )4との間には、電子注入性の接合が形成され
る。電子注入層(OE )4と発光層(OL )3との間に
は、電子注入性かつ正孔ブロッキング性の接合が形成さ
れる。一方、正孔注入用電極(MH )1と正孔注入層
(OH )2との間には、正孔注入性の接合が形成され
る。正孔注入層(OH )2と発光層(OL )3との間に
は、正孔注入性かつ電子ブロッキング性の接合が形成さ
れる。いま、電子注入用電極5に負の電圧(順方向バイ
アス)を印加すると、図15(b)に示すように、電子
が電子注入用電極5から電子注入層4を介して発光層3
へ注入され、一方正孔が正孔注入用電極1から正孔注入
層2を介して発光層3へ注入される。そして、発光層3
中で電子と正孔とが再結合する。このときのエネルギー
がフォトンに変換されて発光する(電界発光)。したが
って、原理的には、発光層3のバンドギャップに相当す
る波長の発光が得られる。
【0016】この場合、電極間に印加する順方向バイア
スを増加させると、電極から注入される電子及び正孔の
密度が増加し、発光輝度が増加する。したがって、印加
電圧によって発光輝度を制御することができる。印加電
圧の範囲は1〜10Vに設定され、このときの電流密度
は1〜100mA/cm2 である。一方、電極間に逆方
向バイアスを印加した場合には、電極からのキャリヤー
注入が起こらず、素子には電流が流れないため(整流特
性)、発光もしない。
【0017】発光表示部に用いられる材料を具体的に説
明する。発光層には、フォトルミネッセンス性の色素誘
導体が用いられる。フォトルミネッセンス性とは、色素
の光吸収が起こる波長の光で色素を励起したとき、その
励起状態から光子が放射される性質のことである。本発
明においては、特にその効率が高いものが選択されるこ
とが好ましい。電子注入層及び正孔注入層には、電極と
接したときに電子注入及び正孔注入が起こる材料が用い
られる。以上のような性質を有する材料は、本発明者ら
が開発した変位電流測定法によって調べることができ
る。
【0018】次に、光応答部について説明する。光応答
部を構成する有機薄膜の少なくとも1層には、光を吸収
するとその電気物性が大きく変化する性質を示す材料が
用いられる。ここで、電気物性としては、光による伝導
度変化(光伝導性)、光誘起キャリヤー発生による電流
発生(光起電流)、光による電圧発生(光起電圧)など
が挙げられる。光応答部の電気物性の変化の態様に関し
ては、スイッチング応答のような非線形応答性、光双安
定性に基づくメモリ応答性などが挙げられる。このよう
な性質を示す材料は低分子化合物、高分子化合物のいず
れでもよく、以下のようなものが挙げられる。
【0019】光伝導性を示す材料、すなわち光の照射に
よって電極から注入されたキャリヤーの輸送・注入特性
が変化する材料としては、ペリレンテトラカルボン酸ジ
イミド誘導体、テトラピリジルポルフィリン誘導体、ピ
リリウム色素、ポリアセン誘導体、種々の電荷移動錯体
などが挙げられる。このような材料からなる光応答部に
関しては、光によって発光表示部へのキャリヤー注入性
を制御できる。図16に、このような材料からなる有機
薄膜のキャリヤー注入特性を変位電流測定法によって測
定した結果を示す。このような有機薄膜は、光を照射し
ていない場合には実線で表示されるようにほぼ絶縁体に
近いが、光照射によって破線で表示されるようにキャリ
ヤー輸送・注入性が高くなる。
【0020】光誘起キャリヤーを発生する材料として
は、以下のようなものが挙げられる。例えば、M・TC
NQ(テトラシアノキノジメタン)、M・TNAP(テ
トラシアノナフトキノジメタン)、M・DCNQI(ジ
シアノキノジイミン)(ここで、MはCu、Ag、Au
などの金属イオン)などの錯体は、適当な波長のレーザ
ー光を照射すると組成が変化する。このうちCu・TC
NQは、光が照射されていない状態では「イオン性」の
錯体でありほぼ絶縁体としてふるまうが、510nmの
波長のレーザー光を照射すると錯体の一部が「中性化」
する。この結果、照射部では非照射部に比較して電気伝
導度が103 〜104 倍に増大し、顕著な非線形電気伝
導性を示す。また、ポリジアセチレン誘導体は、光照射
によってA−B型構造相転移を起こし、光伝導性が大き
く変化する。また、交互積層型TTeC1 TTF−TC
NQは、光照射に伴って、擬一次元系特有の強い電子−
格子相互作用のためドメイン壁を素励起として多数のキ
ャリヤーが発生する。このような材料からなる光応答部
は、光が照射されるとそれ自体がキャリヤー注入層とし
て機能する。
【0021】本発明の光入力型有機EL素子の一例は、
発光表示部の有機薄膜と上記のような材料からなる光応
答部の有機薄膜とを積層し、これらの上下に1対の電極
を設けた構造を有する。そして、上下の電極間に発光表
示部に対し順方向バイアスを印加していても、光応答部
に光を照射しない場合には全く電流は流れない。一方、
上下の電極間に順方向バイアスを印加しかつ光応答部に
光を照射すると、光応答部が高導電性になって電極から
十分なキャリヤーが注入される。さらに、キャリヤーは
光応答部から隣接する発光表示部へ輸送され、その結果
発光が生じる。なお、光応答部の材料が、いったん光を
吸収すると電気物性の変化が保持される双安定性を有し
ている場合、入力光を消しても発光が持続する。
【0022】本発明の素子において、光入力の電気的な
検出は、例えば発光表示操作にとっての順方向バイアス
印加時に流れる電流を測定することにより実現できる。
すなわち、光応答部に光が照射されないと、電気伝導性
が低いので、キャリヤー注入が起きず発光もしない。一
方、光応答部に光が照射されると、電気伝導性が増加し
て、キャリヤーが注入される結果、発光が起こる。光の
照射を止めると、再び光応答部の電気伝導度が低下して
発光が停止する。したがって、順方向バイアス印加時に
流れる電流量を検出することにより光入力を検出でき
る。
【0023】本発明の素子においては、発光表示部を構
成する有機薄膜の少なくとも1層が光を吸収することに
よってキャリヤーを発生し、光応答部として作用する性
質を有していてもよい。このとき光応答部として作用す
る有機薄膜は、電子注入層、発光層、正孔注入層のいず
れでもよい。この場合、素子に周波数30Hz以上の交
流バイアスを印加し、逆方向バイアス時に光入力を検出
するのが有利である。すなわち、逆方向バイアス時に素
子に光が照射されると、光応答部の有機薄膜より光起電
流が発生し、電極から素子外へ流れる。この光起電流を
電気的に検出すれば、光が入力されたことを検出でき
る。さらに、適当な検出回路及び駆動回路を設計するこ
とにより、逆方向バイアス時に検出された光入力の信号
に基づいて順方向バイアスを上昇させて発光表示するこ
とができる。以下、このような素子をレフレックス型と
いう。
【0024】本発明の素子において、光応答部はスイッ
チング応答、すなわち照射される光の強度に応じて発光
表示部へ注入可能なキャリヤー密度のしきい値的変化を
起こすことが好ましい。このようなスイッチング応答
は、強度の強い光を照射することによってはじめて素子
が動作するというように、特に背景光の影響を減少させ
る点で重要である。
【0025】本発明の素子においては、光応答部を2層
以上の複数層の有機薄膜で構成することにより多様な機
能を実現できる。ここで以下の説明を簡単にするため
に、光応答部を構成する2層の有機薄膜のうち、発光表
示部に隣接する側の有機薄膜を下層光応答部、光が照射
される側の有機薄膜を上層光応答部とする。
【0026】まず、光応答部を構成する上層光応答部と
して特定波長の光に選択的に応答する材料を用いれば、
背景光に対するフィルター層として機能させることがで
きる。
【0027】また、光応答部を構成する上層光応答部と
して特定波長の光に選択的に応答しかつフォトクロミッ
ク性を示す材料を用いても、背景光に対するフィルター
層として機能させることができる。このような光応答部
の吸収特性について図17を参照して説明する。この場
合、下層光応答部としては前述したように波長λ1 の光
が照射されると光誘起キャリヤー注入特性を示す材料が
用いられる。また、上層光応答部としては、以下のよう
な吸収特性を有する材料が用いられる。すなわち、光を
照射しないときには、λ2mA に吸収極大を有し、下層光
応答部が活性となる波長λ1 の領域に吸収を持つ。一
方、波長λ2Aの光が照射されると、吸収極大がλ2mB
シフトし、λ1 の領域にほとんど吸収を持たなくなる。
いま、λ1の光を照射しても、上層光応答部によって光
が吸収されるため、下層光応答部はキャリヤー注入層と
して機能しない。しかし、上層光応答部にλ2Aの光を照
射してその吸収極大をλ2mB へシフトさせた状態でλ1
の光を照射すると、下層光応答部はキャリヤー注入層と
して機能し、発光が生じる。このような構成では、上層
光応答部がフィルター層として作用するので、本発明の
素子の使用時に背景光などを遮蔽するのに有効である。
このような機能を有する上層光応答部としては、例えば
テトラアルキル−p−フェニレンジアミン誘導体などの
光イオン化を示す有機材料;スピロピラン、フルギドな
どの有機フォトクロミック材料などが挙げられる。
【0028】さらに、2層構造の光応答部を構成する上
層光応答部としてしきい値的光応答性を示す有機非線形
光学材料、例えばSHG(第2高調波発生)材料を用い
る場合について説明する。図18(a)に示すように、
SHG材料は照射光ωの強度の2乗に比例した2ωの光
出力を発生させるという非線形的な出力応答を示す。図
18(b)に示すように、この出力光によって下層光応
答部はスイッチング応答を示す。
【0029】以上のような構成を有する本発明の素子に
ついて、発光表示動作および光応答動作を制御するシス
テムについて図19および図20を参照して説明する。
本発明の素子では、発光表示部において注入キャリヤー
密度が実効的な値(ηeff )に達すると発光が生じる。
従来の素子では、ηeff を確保するために、キャリヤー
密度が図19の曲線1に沿って変化するように、電圧・
電流値を制御する回路のみが設けられていた。これに対
して、本発明の素子では、一定のしきい値以上の光エネ
ルギーによってキャリヤー密度を増減させることができ
る。したがって、キャリヤー密度が図19の曲線2に沿
って変化するように、電圧・電流値を制御する回路およ
び照射光強度を制御する回路を設ける。すなわち、図2
0に示すように、電極間の電圧・電流を制御するための
電圧・電流制御系81、照射光強度を制御するための光
入力制御系82、およびこれらの両制御系を制御するた
めの書き込み・表示全制御系83を有する制御システム
が用いられる。
【0030】本発明の素子においては、光応答部にメモ
リ機能を持たせることもできる。具体的には、光応答部
を、光誘起キャリヤーを発生する材料からなる有機薄膜
(下層光応答部)とメモリ機能を有する有機薄膜(上層
光応答部)との積層構造とする。メモリ機能を有する上
層光応答部には、例えば2つの異なる波長の光によって
吸収特性が可逆的に変化する材料が用いられる。下層光
応答部は波長λ1 の光が照射されると光誘起キャリヤー
を発生する。上層光応答部は異なる2つの波長の光によ
りその吸収特性が可逆的に変化する。すなわち、図21
(a)に示すように、光が照射されない場合には吸収極
大がλ2mA にありλ1 の領域に吸収を持たないが、波長
λ2Aの光を照射すると吸収極大がλ2mB へ変化してλ1
に重なる領域に吸収を持つようになる。また、図21
(b)に示すように、この状態でλ 2Bの光を照射する
と、吸収極大がλ2mB からλ2mA へ戻る。
【0031】上述したように波長λ2Aの光の照射によっ
て上層光応答部の吸収極大がλ2mAからλ2mB へ変化す
ると、その照射部下の下層光応答部には波長λ1 の光が
実効的に到達しないので発光は全く起こらない。しか
し、予め波長λ2Aの光を照射しなかった領域では、下層
光応答部へ波長λ1 の光が到達するため発光が起こる。
このように波長λ2Aの光による入力情報が上層光応答部
に記録され、その記録情報に対応してλ1 の光により素
子の動作を制御できる。また、上層光応答部に波長λ2A
の光を照射した後、波長λ2Bの光を照射すると、その吸
収極大がλ2mB からλ2mA へ再変化するので、波長λ2A
の光による入力情報は「消去」される。このように光応
答部を構成する上層光応答部においてλ2Aとλ2Bの光に
よって情報の「書き込み」と「消去」が可能であり、上
層光応答部の吸収特性の変化に応じて下層光応答部にお
ける光誘起キャリヤーの発生を制御できるので、光入力
情報に応じてEL発光動作が起こる。
【0032】メモリ機能を有する上層光応答部の材料と
しては、光イオン化又は光異性化によって可逆的に吸収
特性が変化するような有機色素が用いられる。例えば、
テトラアルキル−p−フェニレンジアミン誘導体及びそ
の類縁体、ベンゾチオピラン系スピロピラン、ベンジル
ビオローゲン誘導体、ピレンチオインジゴ、フルギド誘
導体、スチルベン誘導体などのフォトクロミック化合物
などが挙げられる。また、メモリ機能を有する上層光応
答部の材料として、ポリ−α−シアノアクリル酸エステ
ル中に含有させたビアセチルのように、2つの波長の光
照射いわゆる2光子反応によって吸収特性が変化するも
のを用いてもよい。
【0033】さらに、メモリ機能を有する上層光応答部
の材料として、光の照射により光透過特性が可逆的に変
化する有機色素を用いてもよい。この場合、図22に示
すように、波長λ2Aの光を照射することにより透過率が
変化し、波長λ2Bの光を照射することにより再び元の状
態に戻るような性質を有する材料が用いられる。
【0034】光透過特性が可逆的に変化する性質を有す
る材料としては、例えば各種色素系液晶材料、高分子系
液晶材料が挙げられる。これらの液晶材料は、光が照射
されるといわゆるヒートモード機構により透過率に顕著
な変化が現れる。液晶材料の具体例としては、例えば、
アルキルアミノビフェニル系、アルコキシアゾベンゼン
系、フェニルシクロヘキサン系液晶;コレステリルメタ
クリレート/アルキルメタクリレート高分子液晶;ベン
ゼンヘキサアルカノエートのようなディスコティック液
晶などが挙げられる。また、光透過特性が可逆的に変化
する性質を有する材料として、ポリチオフェン、ポリピ
ロール誘導体などの導電性高分子に、光誘起ドーパント
としてジフェニルヨードニウムパークロレート、ジフェ
ニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニル
ヨードニウムヘキサフルオロアルセネートなどを含有さ
せた薄膜を用いることもできる。
【0035】本発明の素子においては、光応答部に多重
入力機能を付与することもできる。このような多重入力
機能は、例えば異なる波長に応答する複数の光誘起キャ
リヤー発生材料を二次元パターンをなすように形成した
構造又は積層した構造の光応答部を形成することにより
実現できる。また、単一の光誘起キャリヤー発生材料の
上に、異なる波長に対してフィルター機能を有する複数
の材料を二次元パターンをなすように形成した構造の光
応答部を用いてもよい。このようなフィルター機能を有
する材料としては、メロシアニン色素、スチリル系色
素、アゾメチン系及びアゾ系色素、スピロピラン系色
素、フェノチアジン色素、トリフェニルメタン系色素、
キナクリドン顔料、キノフタロン系色素、ジチオレン錯
体、β−ジケトン錯体、アントラキノン系色素、ナフタ
ルイミド系色素、アゾベンゼン系色素などが挙げられ
る。
【0036】この場合、複数の波長の書き込み光を用
い、二次元パターンに配置された吸収スペクトルの異な
る複数の有機薄膜のそれぞれについて光励起注入電流を
検知することにより、入力された光の波長(色)を判別
するようにしてもよい。また、発光表示部は1色の光の
みを発光するようにしてもよいし、複数の光応答部に対
応させてそれぞれ異なる波長の光を発光する複数の発光
表示部を設けてもよい。したがって、書き込み光の波長
の種類と発光波長の種類との組み合わせ方によって、様
々な表示動作が考えられる。例えば、赤・緑・青(RG
B)の3色の光を用いて書き込みを行い、R書き込みに
対してR発光というように書き込み光の波長と発光波長
とが対応するように発光表示部を設ければ、フルカラー
の発光表示が可能となる。また、RGの2色の光により
書き込みを行い、発光表示部はG1色のみを発光するよ
うに構成し、G書き込みに対してG発光が起こり、R書
き込みに対してG発光が消去されるという回路構成を採
用すれば、発光表示機能と書き込み・消去機能とを複合
したEL素子を構成することもできる。
【0037】本発明においては、光応答部を構成する有
機薄膜に不純物をドープしたものを用いてもよい。例え
ば、光応答部の有機薄膜にアクセプター性の不純物をド
ープした場合、この有機薄膜はp型半導体として振る舞
う。いま、この有機薄膜の動作を理解するために、この
有機薄膜を1対の電極(正孔注入用電極MH および電子
注入用電極ME )で挟んだ構造を考え、図23(a)に
その接合状態を示す。図23(b)に示すように、電極
間に電圧を印加すると、一般の半導体と同様に正孔注入
用電極MH 側から有機薄膜中へ熱励起していた正孔が電
子注入用電極ME 側へ掃き出され、空乏化によりエネル
ギーバンドが曲がる(バンドベンド)。このとき正孔注
入用電極MH 近傍には電圧が印加されるが、電子注入用
電極ME側には電圧は印加されない。すなわち、正孔は
注入されるが、電子は注入されない状態になっている。
なお、正孔注入用電極MH に仕事関数の小さいものを用
いて正孔注入障壁を高めておけば、印加電圧が低い場合
には正孔の注入も起こらず電流が流れないようにでき
る。図23(c)に示すように、この状態でバンドギャ
ップ以上のエネルギーを持つ光を照射すると、バンド間
で電子と正孔とが励起される。励起した正孔は陰イオン
化した不純物準位にトラップされ、不純物準位が中性化
する。この結果、バンドの曲りは軽減し、電子注入用電
極ME 側にも電圧が印加され、電子が注入されるように
なる。すなわち、電子注入に対する光スイッチングが可
能になる。また上記とは逆に、光応答部を構成する有機
薄膜にドナー性不純物をドープしてn型半導体として振
る舞うようにさせれば、正孔注入に対する光スイッチン
グが可能になる。
【0038】上述したようなバンドの曲りを実現するた
めには、光応答部における不純物濃度を制御する。厳密
には、最適な不純物濃度は光応答部の膜厚および印加電
圧に依存するが、おおむね以下のように計算できる。こ
こで、印加電圧をV、有機薄膜が空乏化する厚みをW、
不純物濃度をNA 、真空の誘電率をε0 、有機薄膜の比
誘電率をε、単位電荷量をqとする。Vは通常1ボルト
以上であるので、電極間のビルトイン・ポテンシャルは
無視する。このとき、 W〜(2εε0 V/qNA 1/2 となる。いま、光応答部の厚みを100nm、印加電圧
を10ボルト、εを5とすると、NA は約2×1018
cm3 となる。すなわち、10ボルトの印加電圧を電子
注入用電極ME 側に分配しないようにするには、1018
/cm3 以上の不純物濃度が必要となる。実際には、こ
こまで厳密ではないので、不純物濃度は1017〜1019
/cm3 の範囲に設定される。
【0039】次に、図24のように、正孔注入用電極M
H 、正孔注入層OH /発光層OL /電子注入層OE の3
層からなる発光表示部、不純物をドープした有機薄膜か
らなる光応答部、電子注入用電極ME という構成を考え
る。図24(a)に示すように、電極間に電圧を印加す
ると、正孔が正孔注入用電極MH から正孔注入層OH
介して発光層OL へ注入されるが、電子注入層OE との
正孔注入障壁によりブロックされて蓄積される。一方、
図23で説明したように光応答部のバンドの曲りにより
電子注入用電極ME には電圧がほとんど印加されていな
いため、電子が電子注入用電極ME から光応答部へ注入
されることはない。このように発光層OL へ電子が注入
されないので、発光は生じない。図24(b)に示すよ
うに、この状態で光を照射すると、光応答部のバンドの
曲りがなくなり、電子が電子注入用電極ME から光応答
部および電子注入層OE を介して発光層OL へ注入され
る。この結果、発光層OL 中で電子と蓄積されていた正
孔とが再結合して発光する。
【0040】本発明の素子では、従来の素子と比較し
て、以下のような効果を得ることもできる。従来の素子
においては、発光輝度の経時的な低下が観測されるとい
う問題があった。これは主として金属電極と発光層との
接合部における変質劣化及びそれに伴う注入キャリヤー
密度の低下に起因することが判明している。従来の有機
EL素子では、このような変化が生じるたびに電圧を適
正化して発光特性を安定化させる必要がある。このた
め、例えば発光効率が低くなった場合には、初期駆動時
の数倍の電圧を印加しなければならず、素子寿命をさら
に短くさせる原因となっていた。これに対して本発明の
素子では、金属電極から光応答部を介して発光表示部へ
キャリヤーが注入される。このため、従来の素子のよう
に金属電極と発光層との接合部における変質劣化が起こ
りにくく、発光特性が不安定になりにくい。
【0041】次に、本発明の素子の利用形態について説
明する。本発明の素子に対する光による情報入力の仕方
は、光源を手に持って入力する方法と、紙などに書かれ
た情報を光を使って一括転写する方法とがある。いずれ
の場合でも、フレキシブルな基板を用いて紙のように薄
くて柔軟に折り曲げることができるディスプレイとして
おくことが好ましい。例えば、ライトペンを手に持って
光入力する場合には、手書きに近い感触が得られ、人間
工学的に適している。また、紙に書かれた情報を転写す
る場合にも、密着性の点で有利である。さらに、本発明
の素子を他の機器の表面に貼り合わせることにより、平
面に限らず、球面などの曲面状のディスプレイとして用
いることもできる。このような曲面状のディスプレイで
は、背景からの反射光が視線に入らなくなる。
【0042】本発明の素子は、コンピュータ、ワープ
ロ、電子手帳などの情報処理機器とインターフェースを
介して接続することができる。この場合、情報処理機器
のメモリに蓄積されている情報を表示できる。逆に、光
によって入力される情報を、インターフェースを介して
情報処理機器のメモリに蓄積することもできる。
【0043】また、本発明の素子を上記のような情報処
理機器と接続せずに、例えば光書き込み型ノートとして
使用することもできる。この場合、光応答部には光双安
定性を示す材料が用いられる。このような利用形態で
は、情報を書き込むと持続的に表示され、そのまま記憶
保存される。そして、電源を切るなどリセット状態にす
ると、情報の表示が解消される。
【0044】本発明の素子を用いて、静止画や動画情報
などの高度な画像情報を入力・表示する場合には、電極
をマトリックス構成とする。すなわち、下部電極をn本
のストライプ形状にし、上部電極をそれに直交するよう
にm本のストライプ形状とする。下部及び上部の電極が
互いに交差する領域が、n×m個の画素となる。この構
成で、画像情報の入力時には、検出動作をマトリックス
駆動させることによって光が入力されている座標を読み
とる。また、画像情報を表示する際には、駆動回路を下
部電極と上部電極に加える信号を掃引するマトリックス
駆動させることによって画像情報の表示を制御する。こ
の場合、光応答部へ入力された光に関する情報を電圧変
化や電流変化として、光入力検出情報および発光表示駆
動情報に変換できるようにして、光検出機能と発光表示
機能とを一体化することが望ましい。ただし、光検出動
作に用いられる電気信号と発光表示駆動に用いられる電
気信号との干渉を低減させて素子本来の十分な機能を発
揮させることが望ましい。
【0045】ここで、マトリックス構成の電極を有する
光入力型EL素子の一例を図25に示す。図25におい
て、基板111上には、正孔注入用の走査線電極11
2、光応答部113、正孔注入層114/発光層115
/電子注入層116からなる発光表示部117、および
電子注入用のデータ線電極118が順次形成されてい
る。多数の走査線電極112と多数のデータ線電極11
8とは互いに直交する方向に延びており、いわゆる単純
マトリックスを構成している。
【0046】図26にこのようなマトリックス構成の表
示パネルに適用される基本的な制御回路のブロック図を
示す。表示パネル110を平面的に見ると、n本の走査
線電極Xi (i=1〜n)112とm本のデータ線電極
Yj (j=1〜m)118とが互いに直交する方向に延
びている。走査線電極112とデータ線電極118との
交点に対応する領域が1つの画素119となり、n×m
個の画素が集積されている。図26の制御回路は、駆動
制御論理回路120、走査線駆動回路130、画像デー
タレジスタ140、データ線駆動・光検出回路150、
光検出出力回路160、光検出制御回路170を有し、
以下に詳細に説明するように光検出機能と発光表示機能
とが素子レベルで一体化されている。
【0047】まず、画像を表示するための動作について
簡単に説明する。表示されるべき画像情報は表示方式に
適するように前処理され、1フレームの画像情報がn本
の走査線上にあるm個のデータ線情報、すなわちn×m
個のマトリックス情報(Xi,Yj )(ここで、i=1
〜n、j=1〜m)に分割される。発光表示は、1本の
走査線上の画素(Xi ,Y 1〜m )を同時に駆動するこ
とにより行われる。走査線をX1 〜Xn まで順次走査す
ることにより、全画面上の発光表示動作が行われ、1フ
レーム分の画像情報が表示される。
【0048】この動作を図26を参照してより具体的に
説明する。駆動制御論理回路120には、画像情報に関
するデータ処理を行う回路、回路全般を駆動するための
クロック及び素子の発光駆動とシステム駆動のための電
源が接続される。クロック信号は分周されて、装置の各
ブロックに送られる。画像情報は駆動制御論理回路12
0でシリアルなデジタル信号として処理され、画像デー
タレジスタ140に送られる。画像データレジスタ14
0では、送られたシリアルな信号を走査線ごとのパラレ
ルな信号に加工する。ここでは、(Xi ,Yj )という
形で送られた全画面の1つ1つの画素に対応するシリア
ル信号を、(X1 ,Y 1〜m ),(X2,Y 1〜m ),
(X3 ,Y 1〜m ),・・・,(Xn ,Y 1〜m )のよ
うに、1つの走査線上の全画素を1組としたパラレル信
号に加工する。1フレームの全画面に対応する情報は走
査線の本数分、すなわちn組のパラレル信号となる。こ
のようにしてパラレル信号に加工された画像情報は、デ
ータ線駆動・光検出回路150の駆動信号として送られ
る。
【0049】データ線駆動・光検出回路150は、表示
パネル110の発光表示機能を発現させるために電源と
の接続を制御するスイッチング素子と、表示パネル11
0への光入力を検出するための機能を回路的に一体化し
たものである。データ線駆動・光検出回路150では画
像データレジスタ140から送られた各画素に対する画
像信号を並列に出力し、走査線駆動回路130で選択さ
れた1つの走査線上の各画素を同時に駆動する。これに
より、1つの走査線に対応する画素で発光表示が行われ
る。全画面に1つのフレームの画像情報を発現させるた
めには、上述した動作を全ての走査線について行う。す
なわち、シフトレジスタ機能を内蔵した走査線駆動回路
130によってn本の走査線電極112を順次選択し、
選択された走査線上の画素信号に対応するパラレル情報
をデータ線駆動・光検出回路150からm個の画素へ送
ることによって全画面の画像情報を表示することができ
る。以上の動作を続けることによって、連続したフレー
ム情報を随時画面上に表示することができる。
【0050】次に、光検出動作について説明する。走査
線駆動回路130で選択された1つの走査線電極(Xi
)の各画素(Xi ,Y 1〜m )に光が入力された場合
には、その画素において電気信号(光検出信号)が発生
する。m個の画素に対応する光検出信号は、データ線1
18を介してデータ線駆動・光検出回路150へ送ら
れ、さらにパラレル信号として光検出出力回路160へ
送られる。光検出出力回路160ではパラレルに送られ
てきた光検出信号がシリアル信号に変換され、さらに光
検出制御回路170へ送られる。さらに、走査線駆動回
路130により、表示パネル110上の走査線電極11
2を順次選択することにより、表示パネル110上に入
力された光のパターンに対する情報を取り込むことがで
きる。光検出制御回路170に送られた光検出信号は、
画像情報として駆動制御論理回路120へ送られ、素子
の駆動信号として用いられる。このようにして検出され
た光入力情報を画像情報として出力することができる。
また、必要に応じて、光検出制御回路170から他の情
報処理システムへ、光検出情報として出力することがで
きる。
【0051】以上のような光検出機能と発光表示機能と
を一体化した制御回路においては、EL素子に用いる光
応答部の特性や、発光表示機能と光検出機能とを発現す
るタイミングに応じて、具体的には様々な回路構成が考
えられる。例えば、光応答部で光起電流や光起電力を検
出するタイプの場合には、発光表示と光検出とが同時に
行われるため、走査線ごとに画素(Xi ,Y 1〜m )の
発光表示動作と光検出動作を行う。また、発光表示機能
と光検出機能とを交互に発現させる場合(レフレックス
型)には、走査線ごとに発光表示と光検出を交互に行っ
てもよいし、1フレームの画像情報を発光表示した後
に、全画素または特定の範囲の画素に対して光検出を行
ってもよい。
【0052】なお、EL素子と制御回路とは同一の基板
上に形成してもよいし、別々の基板上に形成してもよ
い。また、制御回路を構成する各種の回路についても同
一の基板上に形成してもよいし、別々の基板上に形成し
てもよい。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0054】実施例1 図1に本実施例の素子を示す。厚み100μmのポリエ
ステル樹脂基板11上に、ITOからなる膜厚500n
mの正孔注入用電極12、及びトリニトロフルオレノン
(TNF)をドープしたポリビニルカルバゾール(PV
K)からなる膜厚300nmの光応答部13が順次形成
されている。光応答部13上に、テトラキス(ジフェニ
ルアミノフェニル)エタンからなる膜厚100nmの正
孔注入層14、トリス(8−ヒドロキシキノリノ)アル
ミニウム(以下、Alq3 と記す)からなる膜厚30n
mの発光層15、及び1,3,5−トリ(4−t−ブチ
ルフェニルオキサジアゾリル)ベンゼンからなる膜厚1
00nmの電子注入層16が順次形成されている。これ
らの正孔注入層14、発光層15及び電子注入層16に
より発光表示部17が構成されている。発光表示部17
を構成する電子注入層16上にMg−Agからなる膜厚
200nmの電子注入用電極18が形成され、さらにそ
の上にポリエチレン樹脂からなる保護膜19が形成され
ている。
【0055】光応答部13に用いられているTNFをド
ープしたPVKは、半導体LEDや半導体レーザーから
照射される所定の波長域の光を吸収すると正孔に対する
抵抗率ρが大きく変化する性質を有する。具体的には、
ρは、暗時には10-10 Ω・cmであるが、光照射時に
は10-5〜10-4Ω・cmに増加する。
【0056】発光表示部17を構成する各層の接合状態
は以下の通りである。電子注入用電極18と電子注入層
16との間には、電子注入性の接合が形成される。電子
注入層16と発光層15との間には、電子注入性かつ正
孔ブロッキング性の接合が形成される。一方、正孔注入
用電極12と正孔注入層14との間には、正孔注入性の
接合が形成される。正孔注入層14と発光層15との間
には、正孔注入性かつ電子ブロッキング性の接合が形成
される。
【0057】この素子の動作を図2(a)〜(c)を参
照して時系列的に説明する。それぞれ、図2(a)は電
極間に印加する電圧の変化、同図(b)は電極間に流れ
る電流の変化、同図(c)は発光輝度の変化を示す図で
ある。
【0058】電子注入用電極18と正孔注入用電極12
との間に電圧を印加していない状態では、発光は生じな
い。ここで、電子注入用電極18と正孔注入用電極12
との間に、電子注入用電極18が負になるように、10
Vのバイアス電圧を印加する(順方向バイアス)。光応
答部13に光を照射していない状態では、光応答部13
の電気伝導度が低いため、正孔注入用電極12から光応
答部13へ正孔がほとんど注入されない。このため、発
光表示部17に有効な電圧が印加されず、発光は生じな
い。一方、光応答部13に強い光を照射すると(光入力
オン)、光応答部13の電気伝導度が増加し、正孔注入
用電極12から光応答部13へ正孔が注入される。この
ため、発光表示部17に電極間の印加電圧にほぼ等しい
約10Vの電圧が印加される。この結果、電子が電子注
入用電極18から電子注入層16を介して発光層15へ
注入され、正孔が正孔注入用電極12から光応答部13
及び正孔注入層14を介して発光層15へ注入され、発
光層15において電子と正孔とが再結合して発光する。
【0059】また、図3に示すような回路構成を採用す
れば、電極間を流れる電流密度が変化することを利用し
て、光入力の有無を検出することができる。図3に示す
ように、駆動部20は駆動回路21と検出回路22とが
直列に接続された構成となっている。検出回路は、電流
増幅器とレベルコンパレータとからなっている。いま、
発光表示が起こる程度にまで電流密度が増加すると、検
出回路22を構成する電流増幅器の出力電圧が上昇す
る。この出力電圧が、レベルコンパレータにて設定した
しきい値を超えると、レベルコンパレータの出力がオン
になり、光が照射されたことを電気的に検出できる。し
たがって、電極マトリックスを構成しておけば、このよ
うな回路を利用して光が入力された座標位置のアドレス
情報を得ることができる。
【0060】実施例2 図4に本実施例の素子を示す。ガラス基板31上にIT
Oからなる正孔注入用電極32がパターン化されて形成
されている。正孔注入用電極32上には、化1で示され
るトリフェニルアミン誘導体(TPA−2)からなる膜
厚50nmの正孔注入層33、化2で示されるテトラフ
ェニルペンタジエン誘導体(TPCyP)からなる膜厚
50nmの発光層34、化3で示されるp−ジフェノキ
ノン誘導体(DPQ−1)からなる膜厚30nmの電子
注入層35が順次積層されている。これらの3層の有機
薄膜により発光表示部36が形成されている。この発光
表示部36上に、真空蒸着法により、Cu・TCNQか
らなる膜厚100nmの光応答部37が形成されてい
る。さらに、光応答部37上に半透明のAlからなる電
子注入用電極38が形成されている。
【0061】
【化1】
【0062】
【化2】
【0063】
【化3】 この素子に12Vの直流バイアスを印加したが、発光は
観測されなかった。さらに、この素子に12Vの直流バ
イアスを印加した状態で、Arイオンレーザーから波長
514.5nm、スポットサイズ2μm、強度5μW以
上のレーザー光を照射すると、発光層34から青緑色の
発光が観測された。このようにしきい値以上の強度の光
を入力することによって発光動作が起こることが確認さ
れた。
【0064】実施例3 図4に示す実施例2の素子とほぼ同様な構成を有する
が、発光層34がAlq3 (膜厚30nm)からなり、
光応答部37が真空蒸着法により形成された化4で示さ
れるペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジ
イミド誘導体(膜厚100nm)からなり、電子注入用
電極38が半透明のMg−Agからなる素子を作製し
た。
【0065】
【化4】 光応答部を構成するペリレン−3,4,9,10−テト
ラカルボン酸ジイミド誘導体を用いて、p−Si\Si
2 \有機薄膜\金属電極という構造のMOS型素子を
作製し、三角波電圧を印加して変位電流特性を測定し
た。その結果、450〜580nmの光を照射するとは
じめて、金属電極から有機薄膜への電子注入が起こるこ
とが確認された。
【0066】この素子に、10Vの直流バイアスを印加
した状態で、Arイオンレーザーから波長488nm、
スポットサイズ2μm、強度5μWのレーザー光を照射
すると、波長530nmにピークを持つ発光が観測され
た。一方、レーザー未照射部からの発光は認められなか
った。
【0067】実施例4 図5に本実施例の素子を示す。ポリカーボネートフィル
ム基板41上にITOからなる正孔注入用電極42がパ
ターン化されて形成されている。正孔注入用電極42上
には、トリフェニルアミン誘導体(TPA−2)からな
る膜厚50nmの正孔注入層43、Alq3 からなる膜
厚30nmの発光層44、p−ジフェノキノン誘導体
(DPQ−1)からなる膜厚30nmの電子注入層45
が順次形成されている。これらの3層の有機薄膜により
発光表示部46が形成されている。この発光表示部46
上に、真空蒸着法により銅・テトラシアノナフトキノジ
メタン錯体(Cu・TNAP)からなる膜厚30nmの
下層光応答部47が形成されている。この下層光応答部
47上に、半透明のAlからなる電子注入用電極48が
パターン化されて形成されている。さらに、真空蒸着法
により有機フォトクロミック材料である化5で示される
p−フェニレンジアミン誘導体からなる膜厚140nm
の上層光応答部49が形成されている。
【0068】
【化5】 下層光応答部47を構成するCu・TNAPは488n
m付近に吸収ピークを有する。一方、上層光応答部49
を構成するp−フェニレンジアミン誘導体の吸収特性は
以下の通りである。光を照射しないときには、400n
m近傍から500nmまで大きな吸収の裾を示す。40
0nmの光を照射しつづけると、550〜600nmに
大きな吸収ピークを示す吸収特性に変化し、488nm
付近の吸収は著しく小さくなる。
【0069】光応答部に用いられた有機化合物につい
て、p−Si\SiO2 \有機薄膜\金属電極という構
造のMOS型素子を作製し、変位電流特性を調べた。有
機薄膜としてCu・TNAPのみを用いた場合、負バイ
アスを印加した状態で488nmの光を照射すると、キ
ャリヤー注入による大きな変位電流変化が起こる。しか
し、有機薄膜としてCu・TNAP及びp−フェニレン
ジアミン誘導体の積層体を用いた場合、正負いずれのバ
イアスを印加した状態でも、488nmの光の照射によ
って変位電流変化は観測されず、有機薄膜とSiO2
との合成容量から見積もられる一定の電流しか流れなか
った。一方、この2層構造の膜に対して、400nmの
第1の光を照射し、かつ第1の光の照射部に488nm
の第2の光を照射した場合には、Cu・TNAP単層の
場合とほぼ同様のキャリヤー注入特性を示した。
【0070】これらのことから、p−フェニレンジアミ
ン誘導体の膜に第1及び第2の光を同時に照射すると、
第1の光によってその吸収特性が変化して第2の光を吸
収しなくなる結果、第2の光がCu・TNAPまで達
し、Cu・TNAPが活性化されることがわかった。
【0071】本実施例の素子に直流バイアスを印加した
状態で、第1及び第2の光を同時に照射すると、照射部
からのみ黄緑の発光が生じた。一方、580nmの光を
照射すると、第2の光を照射しても、発光は起こらなく
なった。
【0072】実施例5 図6に本実施例の素子を示す。ガラス基板51上にIT
Oからなる正孔注入用電極52が形成されている。この
正孔注入用電極52上に、トリフェニルアミン誘導体か
らなる膜厚50nmの正孔注入層53、及びAlq3
らなる膜厚50nmの発光層54が順次形成されてい
る。これらの2層の有機薄膜により発光表示部55が形
成されている。この発光表示部55上に、Cu・TNA
Pからなる膜厚50nmの下層光応答部56、クロムか
らなる電子注入用電極57、及び有機フォトクロミック
材料であるアゾベンゼンコレステリルからなる膜厚10
0nmの上層光応答部58が順次形成されている。Cu
・TNAPは、光の照射によりキャリヤーを発生する特
性を有する。アゾベンゼンコレステリルは、光の照射に
より透過率が変化する特性を有する。
【0073】この素子に、15Vの直流バイアスを印加
しながら、半導体レーザーから800nmのレーザー光
をパターン状に照射すると、その軌跡の部分で黄緑色の
発光が観測された。一方、光未照射部においては、何ら
発光現象は認められなかった。次に、別の半導体レーザ
ーから730nmのレーザー光を照射した後、800n
mのレーザー光を照射したところ、照射部、未照射部と
もに発光は観測されなかった。さらに、別の半導体レー
ザーから860nmのレーザー光を照射した後、800
nmのレーザー光を照射したところ、再び発光が観測さ
れた。
【0074】すなわち、本実施例の素子では、860n
mのレーザー光で情報を書き込み、800nmのレーザ
ー光を用いて入力情報に対応する動作を起こさせること
ができる。一方、730nmの光を照射することによ
り、入力情報を消去することができる。
【0075】実施例6 図7に本実施例の素子を示す。ガラス基板61上に、I
TOからなる正孔注入用電極62がパターン化されて形
成されている。この上に、トリフェニルアミン誘導体
(TPA−2)からなる膜厚50nmの正孔注入層6
3、Alq3 からなる膜厚50nmの発光層64、p−
ジフェノキノン誘導体(DPQ−1)からなる膜厚30
nmの電子注入層65が順次形成されている。これらの
3層の有機薄膜により発光表示部66が形成されてい
る。この発光表示部66上に、それぞれ50nmの膜厚
で、Cu・TCNQからなる第1の光応答部67、テト
ラ(4−ピリジル)ポルフィリンからなる第2の光応答
部68、及びペリレン−3,4,9,10−テトラカル
ボン酸ジイミド誘導体からなる第3の光応答部69が、
400μm×400μmの画素としてパターン化されて
形成されている。図8に示すように、各画素の上に半透
明のAlからなる電子注入用電極70が形成されてい
る。
【0076】この素子に、20Vの直流電圧を印加した
状態で、それぞれ異なる波長を有する3つの光(λ1
510nm、λ2 =650nm、λ3 =900nm)を
照射した。λ1 の光を照射した場合には、第1及び第3
の光応答部67、69の画素パターンの下で発光が観測
された。λ2 の光を照射した場合には、第1及び第2の
光応答部67、68の画素パターンの下で発光が観測さ
れた。λ3 の光を照射した場合には、第1の光応答部6
7の画素パターンの下でのみ発光が観測された。このよ
うに多重入力が実現できることが確認された。
【0077】実施例7 図9に本実施例におけるレフレックス型の素子を示す。
厚み100μmのポリエステル樹脂基板71上に、IT
Oからなる膜厚500nmの正孔注入用電極72が形成
されている。この正孔注入用電極72上に、Cuフタロ
シアニンからなる膜厚50nmの光応答部を兼ねる正孔
注入層73が形成されている。Cuフタロシアニンは、
光を吸収すると、電子と正孔とを発生する性質を有す
る。さらに、テトラキス(ジフェニルアミノフェニル)
エタンからなる膜厚100nmの正孔注入層74、Al
3 からなる膜厚30nmの発光層75、及び1,3,
5−トリ(4−t−ブチルフェニルオキサジアゾリル)
ベンゼンからなる膜厚100nmの電子注入層76が順
次形成されている。これらの光応答部を兼ねる正孔注入
層73、正孔注入層74、発光層75及び電子注入層7
6により発光表示部77が構成されている。発光表示部
77を構成する電子注入層76上に、Mg−Agからな
る膜厚200nmの電子注入用電極78が形成されてい
る。さらに、電子注入用電極78上に、ポリエチレンか
らなる保護膜79が形成されている。
【0078】発光表示部77を構成する各層の接合状態
は以下の通りである。電子注入用電極78と電子注入層
76との間には、電子注入性の接合が形成される。電子
注入層76と発光層75との間には、電子注入性かつ正
孔ブロッキング性の接合が形成される。一方、正孔注入
用電極72と正孔注入層74との間には、正孔注入性の
接合が形成される。正孔注入層74と発光層75との間
には、正孔注入性かつ電子ブロッキング性の接合が形成
される。
【0079】この素子に電子注入用電極78が負になる
ようなある値以上の電圧を印加すると電流が流れ、その
ときの電流に比例する強度の発光が生じる。このような
順方向バイアスで電流が流れる電圧をVON、電流が流れ
ない電圧をVOFF とする。V ONとVOFF との間で印加電
圧を制御すれば、発光表示のオン、オフを制御できる。
いま、図10(a)に示すように、光が入力されると入
力光強度に比例して光応答部として作用する有機薄膜
(光応答部を兼ねる正孔注入層73)内部で電子と正孔
とが発生する。このとき、図10(b)に示すように、
逆方向バイアスを印加すると、光起電流が外部へ流れ
る。したがって、逆方向バイアス時に光起電流を検出す
ることにより、光入力のオン、オフを判断できる。
【0080】本実施例の素子においては、光が入力され
たときにそれを検出して発光を生じさせるための駆動部
が設けられている。この駆動部について図11を参照し
て説明する。駆動部は、発光動作を制御する駆動回路
と、光入力を検出する検出回路とからなっている。発振
器101からは、所定の発振周波数の交流方形波パルス
電圧が出力される。発振器101の出力は、駆動パルス
増幅器102へ入力され、ゲイン可変差動増幅器103
によりVON及びVOFF の2つのパルスを出力できるが、
通常はVOFF の駆動パルス電圧が出力される。また、発
振器101の出力は、インバーター104により位相が
180°ずらされて検出パルス増幅器105へ入力さ
れ、出力電圧が+VP となるように増幅される。これら
の駆動パルス電圧及び検出パルス電圧はそれぞれ駆動増
幅器106の−側及び+側へ入力されて波形合成され
る。駆動増幅器106は、これと直列に接続された検出
回路を介して本実施例の光入力型有機EL素子の正孔注
入用電極72に接続されている。検出回路は、ダイオー
ド回路107、電流増幅器108、レベルコンパレータ
109からなっている。駆動増幅器106からの駆動用
電流はダイオード回路107を介して素子へ流れるが、
素子で発生した光起電流はダイオード回路107を介し
て検出回路へ流れる。素子に光が入力して光起電流が流
れると、電流増幅器108の出力電圧が変化する。出力
電圧がレベルコンパレータ109で設定したしきい値V
thを超えると、レベルコンパレータ109の出力がオン
になる。これによって、ゲイン可変差動増幅器103の
増幅率が上昇し、駆動パルスの出力レベルがVOFF から
ONへ変化し、発光が生じる。このときの電圧−電流変
化を図12に示す。
【0081】本実施例の素子の動作を図13を参照して
時系列的に説明する。素子の電極間には、VOFF と−V
P のパルスが交互に印加される。このとき素子には電流
が流れず、発光も生じない。素子に光が照射されると、
−VP のパルス中に素子から光起電流が流れる。この光
起電流が検出回路によって検出され、駆動回路の出力電
圧レベルをVONへ変化させる。そして、VONパルス中に
素子に順方向電流が流れるため、発光が生じる。光入力
が続いている間、−VP パルス毎に光起電流が検出さ
れ、駆動パルス電圧がVONに維持される。光入力がオフ
になると、駆動パルス電圧はVOFF に戻り、発光も停止
する。
【0082】なお、駆動部を構成する検出回路とゲイン
可変差動増幅器との間に、フリップフロップを挿入すれ
ば、光入力がオンになって発光が生じた後、光入力をオ
フしても発光が持続し、入力された情報が表示され続け
る。この表示は、フリップフロップにリセット信号を与
えるか、再度光を入力することにより停止する。
【0083】実施例8 本実施例の素子は図4に示す実施例2の素子とほぼ同様
の構成を有する。ただし、各有機薄膜には以下のような
材料が用いられている。すなわち、正孔注入層33は化
6で示される有機分子、発光層34はAlq3 、電子注
入層35はオキサジアゾール誘導体、さらに光応答部3
7はジシアノジクロロキノジメタン(DDQ)がドープ
された銅フタロシアニン(CuPc)からなっている。
光応答部37は真空蒸着法で分子ビーム密度を制御して
CuPcおよびDDQを共蒸着することにより作製さ
れ、DDQが〜1018/cm3 の濃度にドーピングされ
ている。
【0084】
【化6】 この素子は、図24に示した原理により動作する。この
素子に15Vの電圧を印加しただけでは発光は観測され
なかった。次に、この素子に15Vの電圧を印加した状
態で赤色半導体レーザーから650nmの光を照射する
と、Alq3 からの黄緑色の発光が観測された。また、
光照射を止めると発光も停止した。
【0085】次いで、以下の実施例では電極をマトリッ
クス構成とした本発明に係る光入力型有機EL素子につ
いて説明する。
【0086】実施例9 実施例7で説明したレフレックス型の素子は、順方向バ
イアスで発光表示を行い、逆方向バイアスで光起電流を
検出するため、2つの動作時に印加される電圧の極性を
反転させる必要がある。本実施例においては、クロッキ
ングによって2つの電源からの入力をスイッチングして
印加電圧の極性を変化させながら、マトリックス駆動す
る。
【0087】図27に本実施例の素子に用いられるデー
タ線駆動・光検出回路(図26中の150)の回路図を
示す。このデータ線駆動回路・光検出回路においては、
各々のデータ線電極200にそれぞれ発光表示駆動用の
スイッチング素子201と光検出用のスイッチング素子
202が接続されている。発光表示駆動用のスイッチン
グ素子201は、ソースが駆動用電源と接続され、ゲー
トがデータ線アドレス信号206の出力と接続されてお
り、画像データレジスタ(図26中の140)から送ら
れるデータ線アドレス信号206に応じてドレインに接
続されたデータ線電極200に駆動電流が送られる。光
検出用のスイッチング素子202はソースがデータ線電
極200に接続され、ドレインが検出信号増幅回路20
3を介して駆動用電源に接続されている。また、スイッ
チングはゲート電極に接続された光検出用信号205に
よって行われる。発光表示と光検出は、信号の干渉を避
けるために、以下のようにそれぞれ異なるタイミングで
行われる。
【0088】発光表示動作は、データ線アドレス信号2
06によって、スイッチング素子201をオン状態に
し、画像データレジスタ(140)に蓄積された1つの
走査線電極上の画素に対応するデータ線入力信号を送る
ことにより行われる。このとき、駆動用電源は正バイア
ス側出力の電源にスイッチングされている。光検出用の
スイッチング素子202はオフ状態であるので、光入力
信号増幅回路203およびレベルコンパレータ204へ
は電流は流れ込まない。図では走査線を省略している
が、走査線駆動回路(図26中の130)により選択さ
れた走査線Xi 上の画素(Xi ,Y 1〜m )の発光表示
が行われる。走査線をX1 からXn までシフトさせるこ
とによって全画面の発光表示が達成される。
【0089】光検出動作は発光表示動作の後に行われ
る。データ線アドレス信号206の出力が終わり、発光
表示駆動用のスイッチング素子201がオフになった
後、負バイアス側の電源にスイッチングすることによ
り、駆動電圧の反転が行われる。これとともに光検出用
信号205が入力され、光検出用のスイッチング素子2
02がオンとなり、検出動作が行われる。発光表示動作
と同様に走査線をX1 からXn までシフトさせることに
よって全画面で入力された光が検出される。該当する画
素に光入力があった場合には、検出された光電流がスイ
ッチング素子202を介して光入力信号増幅回路203
に送られる。増幅回路203で増幅された光入力信号は
レベルコンパレータ204で基準信号Vthと比較され、
光入力が確認された時点で光入力オン信号207を発す
る。光入力オン信号207は光検出出力回路(図26の
160)に送られてシリアル信号処理を施されて光検出
制御回路(図26の170)に送られる。光入力情報は
光検出制御回路(170)から駆動制御論理(図26の
120)へ送られて発光表示出力に用いられるととも
に、他の情報機器へ出力される。
【0090】なお、各列に対応して1つずつの電源回路
を設けても差し支えない。この場合、駆動用および光検
出用のスイッチング素子の部分を簡略化することができ
る。また、上述した動作タイミングについては、1フレ
ームの発光表示の後に全画面の光検出を行ってもよい
し、1つの走査線の発光表示の後に直ちにその走査線上
の光検出を行ってもよい。
【0091】実施例10 実施例1で説明した素子は、光入力によって素子の発光
しきい値電圧が変化することによって発光表示動作がな
される。一方、光入力がないときには印加された電圧で
は電流が流れず発光が起こらない。この場合、光入力に
伴う発光に付随する素子への注入電流を検出することに
より光入力を検出できる。すなわち、このような素子で
は光検出動作と発光表示動作とを同時に行いながらマト
リックス駆動する。
【0092】図28に本実施例の素子に用いられるデー
タ線駆動・光検出回路(150)の回路図を示す。発光
表示駆動用のスイッチング素子211は、ドレインがデ
ータ線電極200に接続され、ソースが電流検出・増幅
回路212を介して駆動用電源に接続されている。スイ
ッチングはゲートに接続されているデータ線アドレス信
号215によって行われる。光入力に伴って発光表示が
なされると、素子への注入電流が電流検出・増幅回路2
12によって観測される。この注入電流値は電流検出・
増幅回路212で増幅された後、レベルコンパレータ2
13によって基準信号Vthと比較判断され、光入力オン
信号214としてパラレルに光検出出力回路(160)
に送られる。入力されたパラレル信号は光検出出力回路
(160)でシリアル信号処理が施され、光検出制御回
路(170)へ送られる。
【0093】実施例11 実施例6で説明した多重入力機能を有する素子に対して
マトリックス駆動する例について説明する。図7に示す
素子は、光応答部がCu・TCNQ(第1の光応答
部)、テトラ(4−ピリジル)ポルフィリン(第2の光
応答部)およびペリレン−3,4,9,10−テトラカ
ルボン酸ジイミド誘導体(第3の光応答部)の3つの領
域からなっており、20ボルトの電圧を印加した状態
で、それぞれλ1 =510nm、λ2 =650nm、λ
3 =900nmの3種の光を照射して発光表示動作を行
うと、素子への注入電流が変化する。本実施例ではこの
現象を利用して照射光の種類を判別しつつマトリックス
駆動を行う。
【0094】図29に本実施例の素子に用いられるデー
タ線駆動・光検出回路(150)の回路図を示す。発光
表示駆動用のスイッチング素子221は、ドレインがデ
ータ線電極200に接続され、ソースが電流検出・増幅
回路222を介して駆動用電源に接続されている。スイ
ッチングはゲートに接続されているデータ線アドレス信
号225によって行われる。3種の光のうちいずれかの
光入力に伴って発光表示がなされると、照射光に対応す
る素子への注入電流が電流検出・増幅回路222によっ
て観測される。この注入電流値は電流検出・増幅回路2
22で増幅された後、A/Dコンバータ223によって
デジタルな光入力オン信号224としてパラレルに光検
出出力回路(160)に送られる。入力されたデジタル
なパラレル信号は光検出出力回路(160)でデジタル
なシリアル信号に変換され、光検出制御回路(170)
へ送られる。入力されたデジタル信号は光検出制御回路
(170)により素子に流れる電流量として判断され、
照射光の種類を判別することができる。このようにして
表示パネルにおける多重光入力および照射光の判断が可
能になる。
【0095】実施例12 光入力によって素子の光応答部の光伝導性が変化して低
抵抗状態になり、この低抵抗状態が保持される不揮発性
のメモリ機能を有する素子をマトリックス駆動する例に
ついて説明する。本実施例においては、光応答部が光照
射だけでなく電圧印加によっても電導度が低下するCu
・TCNQからなっている素子を用いている。
【0096】図30に本実施例の素子に用いられる走査
線駆動回路(図26中の130)の回路図を、図31に
データ線駆動・光検出回路(150)の回路図をそれぞ
れ示す。
【0097】まず、光入力動作について説明する。光入
力を行う場合は、全ての走査線スイッチング素子30
1、及び全てのデータ線スイッチング素子231をオン
状態にして、全画素に低い印加電圧(以下、V1 )を駆
動用電源から加える。V1 は光応答部が低抵抗状態のと
きに画素を発光駆動させることができる電圧であり、本
実施例では10ボルトとしている。この状態で光入力す
ると、対応する光応答部は低抵抗状態に相転移し、その
結果V1 の印加に伴う発光表示動作を発現する。発光表
示動作はV1 の電圧を印加を続ける限り持続する。ま
た、光入力に対するメモリ機能は不揮発性であるため
に、V1 印加を中止しても持続する。メモリ消去を行わ
ない限り、再度V1 を印加することによりメモリした情
報の発光表示を行うことができる。
【0098】次に、光検出動作について説明する。光検
出は、印加電圧V1 で各画素のアドレッシングを行うこ
とによって実現できる。アドレッシングは走査線駆動回
路(図26中の130)からの走査線アドレス信号30
5により1つの走査線電極(Xi )を選択し、選択され
た走査線電極上の画素(Xi ,Y 1〜m )についてデー
タ線駆動回路(図26中の150)を用いて同時に電圧
を印加することにより行う。走査線電極300を次々に
選択することによって、表示パネルの全画素をアドレッ
シングすることができる。上述したように光入力された
画素では光応答部が低抵抗状態にあるため、発光ととも
に画素に電流が流れる。この電流は電流検出・増幅回路
232で検出され、レベルコンパレータ233でVth
比較される。この比較の結果、画素の発光が判断された
ら、光入力オン信号237がパラレルに光検出出力回路
(図26の160)へ出力される。パラレルに入力され
た光入力オン信号237は光検出出力回路(160)に
よりシリアル信号に変換されて光検出制御回路(図26
の170)へ送られる。これらの情報は光検出制御回路
(170)に蓄積され、画像表示に用いらるか、外部機
器に出力される。
【0099】次に、画像表示動作について説明する。素
子の光応答部は高抵抗状態にあるため、素子を発光させ
るためには、V1 に比べて大きな電圧(V2 )が必要と
なる。本実施例ではV2 を25ボルトに設定している。
画像表示は、パネルの画素に対してV2 を用いて、走査
電極駆動回路(130)により走査線電極(300)を
順次選択し、同時にデータ線駆動回路(150)により
選択された走査電極(300)上の画素に画像信号を加
えることにより行う。画像情報をいったん書き込むと、
発光表示状態にある画素の光応答部は低抵抗状態になる
ので、全画素にV1 を印加し続けることにより発光表示
動作を維持することができる。
【0100】最後に、メモリ情報の消去動作について説
明する。消去動作には、素子の光応答部のメモリ効果を
消去できるエネルギーを印加すればよい。本実施例では
逆バイアス印加によってメモリ情報の消去を行う。具体
的には、走査線駆動回路(130)に消去用のスイッチ
ング素子302を設けて消去信号303を入力するよう
にし、データ線駆動・光検出回路(150)に消去用の
スイッチング素子234を設けて消去信号236を入力
するようにしている。これらのスイッチング素子の駆動
により、全ての画素に対して逆バイアスが印加されるこ
とになり、メモリされている画像情報は全て消去され
る。なお、消去のための信号として、消去効果のある光
を照射してもよい。
【0101】以上のように、本実施例に係るEL素子は
メモリ機能を有するため、画像入力、光検出、メモリ消
去などの動作を任意のタイミングで行うことができ、動
画表示や様々な画像表示が可能になる。
【0102】実施例13 多重入力が可能な光応答部を構成する複数の有機薄膜領
域に対応して電極を設けた素子をマトリックス駆動する
例について説明する。
【0103】図32に本実施例において用いられる素子
を示す。ガラス基板351上に、ITOからなる正孔注
入用電極(走査線電極)352がストライプ状にパター
ン化されて形成されている。この上に、トリフェニルア
ミン誘導体からなる正孔注入層353、Alq3 からな
る発光層354、オキサジアゾール誘導体からな電子注
入層355が順次形成されている。これらの3層の有機
薄膜により発光表示部356が形成されている。この発
光表示部356上に、カルバジン誘導体からなる赤色光
応答部357およびクマリン系色素(クマリン334;
2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−9−アセ
チルキノリジノ−<9,9a,l−gh>クマリン;ク
マリン521)からなる青色光応答部358が正孔注入
用電極(走査線電極)352に直交するようにストライ
プ状にパターン化されて形成され、これらの光応答部3
57、358に対応してそれぞれMg−Agからなる電
子注入用電極(データ線電極)359、360がパター
ン化されて形成されている。光(赤および青)はガラス
基板351側から入力され、発光表示部356は緑色1
色を発光できる。
【0104】図33にこの素子からなる表示パネル35
0の平面図を、図34にこの表示パネルの画素を拡大し
た平面図を示す。これらの図に示されるように、m本の
走査線電極352と、2n本のデータ線電極359、3
60により、m×n個の画素が形成されている。また、
奇数番目および偶数番目のデータ線電極359、360
が赤色および青色の光応答部357、358にそれぞれ
対応している。
【0105】図35に本実施例の素子に用いられるデー
タ線駆動回路(図33中の380)の回路図を示す。こ
の場合、青色応答部も赤色応答部も独立した画素として
マトリックス駆動される。これまでの実施例の回路と同
様に発光表示駆動用のスイッチング素子401のスイッ
チングはデータ線アドレス信号405によって行われ
る。光入力に伴って発光表示がなされると、素子への注
入電流が電流検出・増幅回路402によって観測され
る。この注入電流値は電流検出・増幅回路402で増幅
された後、識別回路403により入力状態が判断され
る。識別回路403の出力は、2ビットのデジタル信号
となる。すなわち、全く入力がないとき00、赤色入力
のとき01、青色入力のとき10、同時入力のとき11
となる。この信号が色判別回路404へ送られ、さらに
これまでの実施例の回路と同様に後段の回路へ送られ
る。このようにして2色の多重入力による発光表示をマ
トリックス駆動することができる。なお、青色画素およ
び赤色画素からの信号をそのまま情報機器へ送り、情報
機器側でデータアドレスに応じてソフト的に青か赤かを
判別する方法を用いてもよい。
【0106】なお、光応答部に用いられる2種の材料は
光吸収スペクトルの一部分が互いに重複する場合が多
い。例えば、青色光入力に対して青色光応答部だけでな
く赤色光応答部も応答してそれぞれの領域で緑色発光が
起こるが、赤色光入力に対しては赤色光応答部のみが応
答してその領域のみで緑色発光が起こるような例が考え
られる。この場合、赤色光入力を判断して、先に青色光
入力によって発光状態にあった領域を消去するような回
路構成を採用してもよい。すなわち、赤色光入力の後、
瞬時に画素に対する駆動がオフされ、表示が消去される
ようにする。このようにして、青色入力、赤色消去とい
う多重入力の特徴を生かした書き込み動作が可能にな
る。
【0107】実施例14 実施例13と同様な素子構造を有するが、中間色の入力
光の判別が可能な素子の例について説明する。この素子
は、青色光応答部にクマリン系色素(クマリン153;
2,3,5,6−1H−テトラヒドロ−8−トリフルオ
ロメチルキノリジノ−<9,9a,l−gh>クマリ
ン)、赤色光応答部に銅フタロシアニンを用いた以外は
図32の素子と同様の構造を有する。図36にこれらの
材料の光吸収スペクトルを示す。この図のようにこれら
の色素は広い波長範囲にわたって吸収を持つ。
【0108】このような素子は、青色または赤色の光入
力に対しては、2つの光応答部のいずれか一方でしか光
励起電流が発生しない。しかし、中間色である緑色や黄
色の光に対しては、2つの光応答部とも同時に光励起電
流を生じる。
【0109】図37に本実施例の素子に用いられる走査
線駆動回路(図33中の380)の回路図を示す。発光
表示駆動用のスイッチング素子411のスイッチングは
データ線アドレス信号415によって行われる。光入力
に伴って発光表示がなされると、素子への注入電流が電
流検出・増幅回路412によって観測され、増幅された
後、除算回路413へ送られる。この除算回路413で
は、赤色光応答部に対応する発光表示部の電流値が青色
光応答部に対応する発光表示部の電流値で除される。図
38に入力光の波長と除算回路413の出力との関係を
示す。この出力がA/Dコンバータ414へ送られ、さ
らに後段の回路へ送られる。このようにして可視域での
入力光をほぼ全て判別することができる。
【0110】さらに、光応答部の種類を増やすことによ
り、中間色の認識精度を向上させることができる。例え
ば、上記の構成に加えてさらに主に緑色に応答する光応
答部の領域を形成する。そして、図39に示すような走
査線駆動回路によりマトリックス駆動する。この場合、
RGB各色の光応答部に対応して3つの電流検出・増幅
回路422が設けられており、赤色光応答部側および青
色光応答部側に2つの色判別回路423が設けられてい
る。そして、緑色光応答部に対応する発光表示部で発生
した電流は電流検出・増幅回路422によって増幅され
た後、光入力信号分割回路426を経て2つの色判別回
路423へ送られる。このような回路構成では、図37
の場合に比べて光検出過程は多少複雑になるが、中間色
の認識精度が向上する。さらに、光応答部に用いる材料
の選択、光入力検出・増幅回路の増幅率の調整により、
中間色の選択能力を向上させることができる。
【0111】実施例15 RGBの3色の光に応答する3つの光応答部と、各光応
答部に対応してそれぞれRGBの色を発光する3つの発
光表示部を設けた素子をマトリックス駆動して多色入力
・多色表示を可能にする例について説明する。
【0112】この素子の発光表示部は、ガラス基板上の
正孔注入用電極上に、トリフェニルアミン誘導体からな
る正孔注入層が3つの発光表示部に共通に設けられ、そ
の上にペリレン誘導体からなる赤色発光層、Alq3
らなる緑色発光層、およびペンタフェニルシクロペンタ
ジエンからなる青色発光層がパターン化されて設けら
れ、その上にオキサジアゾール誘導体からなる電子注入
層が3つの発光表示部に共通に設けられている。その上
に、クマリン系色素(クマリン334;2,3,5,6
−1H,4H−テトラヒドロ−9−アセチルキノリジノ
−<9,9a,l−gh>クマリン;クマリン521)
からなる青色光応答部、フェノキサジン誘導体からなる
緑色光応答部、およびカルバジン誘導体からなる赤色光
応答部がパターン化されて形成されている。さらに、そ
の上に各光応答部に対応してMg−Agからなる電子注
入用電極(データ線電極)がパターン化されて形成され
ている。光応答部と発光表示部とのパターンは、入力光
と発光光とが同一色となるように対応している。図40
に上記各色の光応答部に用いられる3種の材料の吸収ス
ペクトルを示す。
【0113】このような素子を用いた表示パネルでは、
n本の走査線電極と3m本のデータ線電極とが設けられ
る。そして、データ線電極は例えば3i番目が赤色、3
i+1番目が緑色、3i+2番目が青色に対応してい
る。
【0114】図41に本実施例の素子に用いられるデー
タ線駆動回路の回路図を示す。この回路は、図35のも
のと比較して、緑色に対応するデータ線電極400Gに
対応する回路が追加されたものとみなすことができる。
この場合、青色、緑色、赤色の各光応答部とも独立した
画素としてマトリックス駆動される。発光表示駆動用の
スイッチング素子431のスイッチングはデータ線アド
レス信号435によって行われる。光入力に伴って発光
表示がなされると、素子への注入電流が電流検出・増幅
回路432によって観測され、増幅された後、クロック
信号436により駆動する色判別回路433へ送られ、
さらに光入力信号434が後段の回路へ送られる。この
場合、色判別回路433の前に色識別回路を設けて前処
理してもよい。なお、各画素からの信号をそのまま情報
機器へ送り、情報機器側でデータアドレスに応じてソフ
ト的に青、緑、赤を判別する方法を用いてもよい。
【0115】このようにして、青色光入力に対して青色
発光、緑色光入力に対して緑色発光、赤色光入力に対し
て赤色発光が生じるほか、例えば3色同時に入力した場
合には白色発光となり、フルカラー表示に近い表示を実
現できる。なお、RGBの各入力を、書き込み、消去、
再変換機能などに割り振れば、多機能入力が可能な表示
素子となる。
【0116】ただし、有機色素は必ず吸収端より短波長
側においても吸収を持っている。上記の動作は、光応答
部に主吸収帯より短波長側の吸収強度が非常に小さいよ
うな理想的な色素を用いた場合に可能になるが、必ずし
もこの条件が満たされない場合がある。例えば、青色光
入力に対して全ての光応答部が応答し、緑色光入力に対
して緑色光応答部及び赤色光応答部が応答し、赤色光入
力に対して赤色光応答部のみが応答するような場合が考
えられる。このような素子を用いた場合に入力光色の判
断は、青色光応答部、緑色光応答部、赤色光応答部へ順
次走査し、出力が得られたタイミングによりなされる。
【0117】また、この場合、青色光入力に対して白色
発光、緑色光入力に対してオレンジ色発光、赤色光入力
に対して赤色発光が生じるため、入力光の色と発光表示
の色とが1:1に対応しなくなる。これを避けるために
は、素子構造中に光フィルター機能を持たせればよい。
具体的には、光応答部に用いる材料自体に光学的バンド
パスフィルターとしての機能を付加することにより、入
力光の色と発光表示の色とを1:1に対応させることが
できる。
【0118】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、光
による情報の入力が可能なだけでなく、スイッチング機
能、メモリ機能、多重入力機能などの多様な機能を有す
る光入力型有機EL素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における光入力型有機EL素
子の断面図。
【図2】(a)〜(c)は図1の素子の動作を時系列的
に示す特性図。
【図3】図1の素子における光入力の検出回路系を示す
回路図。
【図4】本発明の実施例2における光入力型有機EL素
子の断面図。
【図5】本発明の実施例4における光入力型有機EL素
子の断面図。
【図6】本発明の実施例5における光入力型有機EL素
子の断面図。
【図7】本発明の実施例6における光入力型有機EL素
子の断面図。
【図8】図7の素子の平面図。
【図9】本発明の実施例7における光入力型有機EL素
子の断面図。
【図10】(a)および(b)は図9の素子に光が照射
され、かつ逆方向バイアスが印加されたときの動作を説
明するエネルギーバンド図。
【図11】図9の素子に用いられた光入力を検出するた
めの駆動回路および検出回路を示す回路図。
【図12】図9の素子における電圧−電流の関係を示す
特性図。
【図13】(a)〜(c)は図9の素子の動作を時系列
的に示す特性図。
【図14】本発明に係る光入力型有機EL素子を構成す
る発光表示部を示す断面図。
【図15】(a),(b)は発光表示部の動作原理を説
明するエネルギーバンド図。
【図16】本発明に係る光入力型有機EL素子を構成す
る光応答部に用いられる有機薄膜の一例の変位電流特性
を示す特性図。
【図17】本発明に係る光入力型有機EL素子を構成す
る光応答部に用いられる有機薄膜の他の例の吸収特性を
示すスペクトル図。
【図18】(a),(b)は本発明に係る光入力型有機
EL素子を構成する光応答部に用いられる非線形光学特
性を有する有機薄膜の一例の吸収特性を示すスペクトル
図。
【図19】本発明に係る光入力型有機EL素子の制御方
法を説明するための特性図。
【図20】本発明に係る光入力型有機EL素子の制御系
を示す回路図。
【図21】本発明に係る光入力型有機EL素子を構成す
る光応答部に用いられる有機薄膜のさらに他の例の吸収
特性を示すスペクトル図。
【図22】本発明に係る光入力型有機EL素子を構成す
る光応答部に用いられる有機薄膜のさらに他の例の光透
過特性を示すスペクトル図。
【図23】本発明に係る光入力型有機EL素子を構成す
る、不純物をドープした有機薄膜からなる光応答部のエ
ネルギーバンド図。
【図24】本発明に係る、不純物をドープした有機薄膜
からなる光応答部を有する光入力型有機EL素子のエネ
ルギーバンド図。
【図25】本発明に係るマトリックス構成の電極を有す
る光入力型有機EL素子の斜視図。
【図26】本発明に係る光入力型有機EL素子をマトリ
ックス駆動するための基本的な制御回路の回路図。
【図27】本発明の実施例9における光入力型有機EL
素子に用いられるデータ線駆動・光検出回路の回路図。
【図28】本発明の実施例10における光入力型有機E
L素子に用いられるデータ線駆動・光検出回路の回路
図。
【図29】本発明の実施例11における光入力型有機E
L素子に用いられるデータ線駆動・光検出回路の回路
図。
【図30】本発明の実施例12における光入力型有機E
L素子に用いられる走査線駆動回路の回路図。
【図31】本発明の実施例12における光入力型有機E
L素子に用いられるデータ線駆動・光検出回路の回路
図。
【図32】本発明の実施例13における光入力型有機E
L素子の斜視図。
【図33】本発明の実施例13における光入力型有機E
L素子からなる表示パネルの平面図。
【図34】本発明の実施例13における光入力型有機E
L素子からなる表示パネルの画素を拡大した平面図を示
す。
【図35】本発明の実施例13における光入力型有機E
L素子に用いられるデータ線駆動・光検出回路の回路
図。
【図36】本発明の実施例14における光入力型有機E
L素子の光応答部に用いられる材料の光吸収スペクト
ル。
【図37】本発明の実施例14における光入力型有機E
L素子に用いられるデータ線駆動・光検出回路の回路
図。
【図38】本発明の実施例14における光入力型有機E
L素子に用いられるデータ線駆動・光検出回路において
得られる入力光の波長と除算回路の出力との関係を示す
図。
【図39】本発明の実施例14における光入力型有機E
L素子に用いられる他のデータ線駆動・光検出回路の回
路図。
【図40】本発明の実施例15における光入力型有機E
L素子の光応答部に用いられる材料の光吸収スペクト
ル。
【図41】本発明の実施例15における光入力型有機E
L素子に用いられる他のデータ線駆動・光検出回路の回
路図。
【符号の説明】
11…ポリエステル樹脂基板、12…正孔注入用電極、
13…光応答部、14…正孔注入層、15…発光層、1
6…電子注入層、17…発光表示部、18…電子注入用
電極、19…保護膜、20…駆動部、21…駆動回路、
22…検出回路、31…ガラス基板、32…正孔注入用
電極、33…正孔注入層、34…発光層、35…電子注
入層、36…発光表示部、37…光応答部、38…電子
注入用電極、41…ポリカーボネートフィルム基板、4
2…正孔注入用電極、43…正孔注入層、44…発光
層、45…電子注入層、46…発光表示部、47…下層
光応答部、48…電子注入用電極、49…上層光応答
部、51…ガラス基板、52…正孔注入用電極、53…
正孔注入層、54…発光層、55…発光表示部、56…
下層光応答部、57…電子注入用電極、58…上層光応
答部、61…ガラス基板、62…正孔注入用電極、63
…正孔注入層、64…発光層、65…電子注入層、66
…発光表示部、67…第1の光応答部、68…第2の光
応答部、69…第3の光応答部、70…電子注入用電
極、71…ポリエステル樹脂基板、72…正孔注入用電
極、73…光応答部を兼ねる正孔注入層、74…正孔注
入層、75…発光層、76…電子注入層、77…発光表
示部、78…電子注入用電極、79…保護膜、101…
発振器、102…駆動パルス増幅器、103…ゲイン可
変差動増幅器、104…インバーター、105…検出パ
ルス増幅器、106…駆動増幅器、107…ダイオード
回路、108…電流増幅器、109…レベルコンパレー
タ、110…表示パネル、111…基板、112…走査
線電極、113…光応答部、114…正孔注入層、11
5…発光層、116…電子注入層、117…発光表示
部、118…データ線電極、119…画素、120…駆
動制御論理回路、130…走査線駆動回路、140…画
像データレジスタ、150…データ線駆動・光検出回
路、160…光検出出力回路、170…光検出制御回
路、200…データ線電極、201…発光表示駆動用の
スイッチング素子、202…光検出用のスイッチング素
子、203…検出信号増幅回路、204…レベルコンパ
レータ、205…光検出用信号、206…データ線アド
レス信号、207…光入力オン信号、211…発光表示
駆動用のスイッチング素子、212…電流検出・増幅回
路、213…レベルコンパレータ、214…光入力オン
信号、215…データ線アドレス信号、221…スイッ
チング素子、222…電流検出・増幅回路、223…A
/Dコンバータ、224…光入力オン信号、225…デ
ータ線アドレス信号、231…データ線スイッチング素
子、232…電流検出・増幅回路、233…レベルコン
パレータ、234…消去用のスイッチング素子、235
…データ線アドレス信号、236…消去信号、237…
光入力オン信号、300…走査線電極、301…走査線
スイッチング素子、302…消去用のスイッチング素
子、303…消去信号、304…消去電源、305…走
査線アドレス信号、351…ガラス基板、352…正孔
注入用電極(走査線電極)、353…正孔注入層、35
4…発光層、355…電子注入層、356…発光表示
部、357…赤色光応答部、358…青色光応答部、3
59、360…電子注入用電極(データ線電極)、40
0R、400B、400G…データ線電極、401…発
光表示駆動用のスイッチング素子、402…電流検出・
増幅回路、403…識別回路、404…色判別回路、4
11…発光表示駆動用のスイッチング素子、412…電
流検出・増幅回路、413…除算回路、414…A/D
コンバータ、415…データ線アドレス信号、421…
発光表示駆動用のスイッチング素子、422…電流検出
・増幅回路、423…色判別回路、424…光検出出力
回路、425…データ線アドレス信号、426…光入力
信号分割回路、431…発光表示駆動用のスイッチング
素子、432…電流検出・増幅回路、433…色判別回
路、434…光入力信号、434…データ線アドレス信
号、436…クロック信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 明 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光表示部及び光応答部を有する有機薄
    膜と、該有機薄膜に電圧を印加する1対の電極とを具備
    し、光入力された情報に応じて発光表示が行われること
    を特徴とする光入力型有機EL素子。
  2. 【請求項2】 発光表示部及び光応答部が互いに異なる
    有機薄膜で構成されていることを特徴とする請求項1記
    載の光入力型有機EL素子。
  3. 【請求項3】 光応答部を構成する有機薄膜がスイッチ
    ング応答を示すことを特徴とする請求項1記載の光入力
    型有機EL素子。
  4. 【請求項4】 光応答部を構成する有機薄膜が異なる複
    数の波長の光によって可逆的に変化し、メモリ機能を有
    することを特徴とする請求項1記載の光入力型有機EL
    素子。
  5. 【請求項5】 光応答部を構成する有機薄膜が互いに異
    なる波長の光に対し応答を示す領域を備え、これらの互
    いに異なる波長を有する複数の光による多重入力機能を
    有することを特徴とする請求項1記載の光入力型有機E
    L素子。
  6. 【請求項6】 発光表示部を構成する有機薄膜の少なく
    とも一部が光応答部を構成し、順方向バイアスで発光表
    示、逆方向バイアスで入力された光の検出が行われるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光入力型有機EL素子。
  7. 【請求項7】 前記光応答部に不純物がドープされてい
    ることを特徴とする請求項1記載の光入力型有機EL素
    子。
JP24998294A 1993-09-17 1994-09-19 有機el素子 Expired - Fee Related JP3405608B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24998294A JP3405608B2 (ja) 1993-09-17 1994-09-19 有機el素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23110993 1993-09-17
JP5-231109 1993-09-17
JP24998294A JP3405608B2 (ja) 1993-09-17 1994-09-19 有機el素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07175420A true JPH07175420A (ja) 1995-07-14
JP3405608B2 JP3405608B2 (ja) 2003-05-12

Family

ID=26529693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24998294A Expired - Fee Related JP3405608B2 (ja) 1993-09-17 1994-09-19 有機el素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3405608B2 (ja)

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1079297A (ja) * 1996-07-09 1998-03-24 Sony Corp 電界発光素子
JP2002324683A (ja) * 2001-04-25 2002-11-08 Rohm Co Ltd 有機el素子およびこれを用いた有機elディスプレイ
JP2005037725A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Sony Corp 表示装置および表示読み取り装置
JP2005122159A (ja) * 2003-10-13 2005-05-12 Chi Mei Optoelectronics Corp ディスプレイパネル
JP2005148285A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Sony Corp 表示装置およびその駆動方法
JP2005148286A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Sony Corp 表示装置およびその駆動方法
JP2005539247A (ja) * 2001-12-31 2005-12-22 インテル コーポレイション エネルギをセンスする発光ダイオード・ディスプレイ
JP2006013103A (ja) * 2004-06-25 2006-01-12 Sony Corp 有機電界発光素子
WO2006103863A1 (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Japan Science And Technology Agency 多機能有機ダイオード及びそのマトリクスパネル
US7190336B2 (en) 2002-09-10 2007-03-13 Sony Corporation Information processing apparatus and method, recording medium and program
JP2007528119A (ja) * 2003-07-10 2007-10-04 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 光検出状態において有機ダイオードを駆動させる電気的デバイス及び電気的方法
WO2008042859A2 (en) * 2006-09-29 2008-04-10 University Of Florida Research Foundation, Inc. Method and apparatus for infrared detection and display
WO2009048232A1 (en) * 2007-10-09 2009-04-16 Seung-Jun Yi Microplasma current switch
US7566253B2 (en) 2000-10-26 2009-07-28 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Organic light emitting device with anodized anode surface
US7600224B2 (en) 2001-08-23 2009-10-06 Sony Corporation Information processing apparatus including storage
KR100988350B1 (ko) * 2009-01-14 2010-10-18 단국대학교 산학협력단 유기 발광 소자, 그 구동 방법, 및 상기 유기 발광 소자를 포함하는 디스플레이 장치
JP2016149191A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 株式会社ジャパンディスプレイ 有機el表示装置
JP2017123370A (ja) * 2016-01-05 2017-07-13 日本電信電話株式会社 電磁波発生装置
US9997571B2 (en) 2010-05-24 2018-06-12 University Of Florida Research Foundation, Inc. Method and apparatus for providing a charge blocking layer on an infrared up-conversion device
CN108235527A (zh) * 2018-01-04 2018-06-29 电子科技大学 一种可光控自动点亮的发光玻璃
US10134815B2 (en) 2011-06-30 2018-11-20 Nanoholdings, Llc Method and apparatus for detecting infrared radiation with gain
CN109979966A (zh) * 2017-12-27 2019-07-05 乐金显示有限公司 有机发光二极管显示装置
US10749058B2 (en) 2015-06-11 2020-08-18 University Of Florida Research Foundation, Incorporated Monodisperse, IR-absorbing nanoparticles and related methods and devices

Cited By (40)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1079297A (ja) * 1996-07-09 1998-03-24 Sony Corp 電界発光素子
US7566253B2 (en) 2000-10-26 2009-07-28 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Organic light emitting device with anodized anode surface
JP2002324683A (ja) * 2001-04-25 2002-11-08 Rohm Co Ltd 有機el素子およびこれを用いた有機elディスプレイ
US7600224B2 (en) 2001-08-23 2009-10-06 Sony Corporation Information processing apparatus including storage
US8026879B2 (en) 2001-12-31 2011-09-27 Intel Corporation Energy sensing light emitting diode display
US9665211B2 (en) 2001-12-31 2017-05-30 Intel Corporation Energy sensing light emitting diode display
US8963817B2 (en) 2001-12-31 2015-02-24 Intel Corporation Energy sensing light emitting diode display
JP2005539247A (ja) * 2001-12-31 2005-12-22 インテル コーポレイション エネルギをセンスする発光ダイオード・ディスプレイ
US7190336B2 (en) 2002-09-10 2007-03-13 Sony Corporation Information processing apparatus and method, recording medium and program
KR100963475B1 (ko) * 2002-09-10 2010-06-17 소니 주식회사 정보처리장치 및 방법, 기록매체, 및 프로그램
KR101112461B1 (ko) * 2003-07-10 2012-03-13 코닌클리케 필립스 일렉트로닉스 엔.브이. 광 감지 상태에서 유기 다이오드를 구동하기 위한 전기 디바이스 및 방법
JP2007528119A (ja) * 2003-07-10 2007-10-04 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 光検出状態において有機ダイオードを駆動させる電気的デバイス及び電気的方法
JP4706168B2 (ja) * 2003-07-16 2011-06-22 ソニー株式会社 表示装置および表示読み取り装置
JP2005037725A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Sony Corp 表示装置および表示読み取り装置
JP2005122159A (ja) * 2003-10-13 2005-05-12 Chi Mei Optoelectronics Corp ディスプレイパネル
JP4670236B2 (ja) * 2003-11-13 2011-04-13 ソニー株式会社 表示装置およびその駆動方法
JP2005148285A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Sony Corp 表示装置およびその駆動方法
JP2005148286A (ja) * 2003-11-13 2005-06-09 Sony Corp 表示装置およびその駆動方法
JP2006013103A (ja) * 2004-06-25 2006-01-12 Sony Corp 有機電界発光素子
WO2006103863A1 (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Japan Science And Technology Agency 多機能有機ダイオード及びそのマトリクスパネル
US7893429B2 (en) 2005-03-25 2011-02-22 National University Corporation University Of Toyama Multifunction organic diode and matrix panel thereof
JP5417598B2 (ja) * 2005-03-25 2014-02-19 国立大学法人富山大学 多機能有機ダイオードマトリクスパネル
US9276048B2 (en) 2006-09-29 2016-03-01 University Of Florida Research Foundation, Inc. Method and apparatus for infrared detection and display
JP2010506386A (ja) * 2006-09-29 2010-02-25 ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファンデーション インコーポレーティッド 赤外線検出および表示のための方法および装置
US8304728B2 (en) 2006-09-29 2012-11-06 University Of Florida Research Foundation, Inc. Method and apparatus for infrared detection and display
US8405028B2 (en) 2006-09-29 2013-03-26 University Of Florida Research Foundation, Inc. Method and apparatus for infrared detection and display
WO2008042859A2 (en) * 2006-09-29 2008-04-10 University Of Florida Research Foundation, Inc. Method and apparatus for infrared detection and display
US10700141B2 (en) 2006-09-29 2020-06-30 University Of Florida Research Foundation, Incorporated Method and apparatus for infrared detection and display
WO2008042859A3 (en) * 2006-09-29 2008-08-14 Univ Florida Method and apparatus for infrared detection and display
US8587197B2 (en) 2007-10-09 2013-11-19 Hoseo University Academic Cooperation Foundation Microplasma current switch
WO2009048232A1 (en) * 2007-10-09 2009-04-16 Seung-Jun Yi Microplasma current switch
KR100988350B1 (ko) * 2009-01-14 2010-10-18 단국대학교 산학협력단 유기 발광 소자, 그 구동 방법, 및 상기 유기 발광 소자를 포함하는 디스플레이 장치
US9997571B2 (en) 2010-05-24 2018-06-12 University Of Florida Research Foundation, Inc. Method and apparatus for providing a charge blocking layer on an infrared up-conversion device
US10134815B2 (en) 2011-06-30 2018-11-20 Nanoholdings, Llc Method and apparatus for detecting infrared radiation with gain
JP2016149191A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 株式会社ジャパンディスプレイ 有機el表示装置
US10749058B2 (en) 2015-06-11 2020-08-18 University Of Florida Research Foundation, Incorporated Monodisperse, IR-absorbing nanoparticles and related methods and devices
JP2017123370A (ja) * 2016-01-05 2017-07-13 日本電信電話株式会社 電磁波発生装置
CN109979966A (zh) * 2017-12-27 2019-07-05 乐金显示有限公司 有机发光二极管显示装置
CN109979966B (zh) * 2017-12-27 2023-06-30 乐金显示有限公司 有机发光二极管显示装置
CN108235527A (zh) * 2018-01-04 2018-06-29 电子科技大学 一种可光控自动点亮的发光玻璃

Also Published As

Publication number Publication date
JP3405608B2 (ja) 2003-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3405608B2 (ja) 有機el素子
US6072450A (en) Display apparatus
TWI670553B (zh) 半導體裝置及觸控面板
EP1064584B1 (en) Electrophoretic display
US20090050878A1 (en) Multifunction organic diode and matrix panel thereof
CN101764145B (zh) 有机发光二极管显示器
US6188175B1 (en) Electroluminescent device
GB2545097B (en) Display device and method for manufacturing the same
US11121196B2 (en) Display device
US20030067266A1 (en) Organic electroluminescent device
CN105339834A (zh) 液晶显示装置
CN109273481A (zh) 一种显示面板及显示装置
Hany et al. Recent advances with optical upconverters made from all-organic and hybrid materials
TW201102734A (en) Smart display devices
US5568417A (en) Fluorescent method, fluorescent device, fluorescent recording method, flourescent recording media, fluorescent record reading method, fluorescent record reading device and fluorescent record deleting device
JP2002314756A (ja) 表示装置
JP4071535B2 (ja) El表示装置
JP2002043065A (ja) 発光素子及びそれを用いた露光装置並びに平面表示装置
CN114424279A (zh) 显示装置、显示模块及电子设备
CN108230930B (zh) 一种显示面板、其驱动方法及显示装置
TWI305904B (en) Scanning display
WO2021220141A1 (ja) 表示装置、表示モジュール、及び電子機器
JPH09185332A (ja) 表示装置
JPH09293588A (ja) 電界発光素子およびその駆動方法
JPH09236817A (ja) 表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080307

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090307

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100307

Year of fee payment: 7

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100307

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100307

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 10

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140307

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees