JPH07174005A - カム軸 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 切屑の発生量の少ないカム軸を提供する。 【構成】 カム２０の取付孔４０に軸本体を圧入するこ
とによって、カム２０の***部４１に軸本体の突条を当
接させ、この突条を主に塑性変形させて、カム２０を軸
本体に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関などに用いら
れるカム軸に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のカム軸としては、特開昭６３−２
９７７０７号公報に記載されたものが知られている。こ
のカム軸は、図２〜図７に示したように、円筒状の軸本
体１をカム２にはめ込んでなるものであって、軸本体１
の、カム２が取り付けられる部分の外面には、周方向に
延びる突条３が転造などの手段によって形成されている
（図４）。他方、この軸本体１にはめ込むカム２の真円
状の取付孔４の径は、前記突条３の外径よりも若干大き
く形成されると共に、この取付孔４の内面には複数の突
出部５が形成されている。この突出部５の先端を結んで
できる円の径は、前記突条３の径よりも小さくされてい
る。

【０００３】このカム２に前記軸本体１の突条３を圧入
すると、図４および図６に示すように、カム２の取付孔
４に設けた突出部５が軸本体１の突条３を切削して、溝
（図７参照）を形成し、この溝と突出部５との係合によ
りカム２が軸本体１に対して回転不能に固定される。

【０００４】こうした従来のカム軸においては、切削に
よって形成された溝と突出部５との係合によってカム２
と軸本体１とを固定しているので、カム２が高い抗空転
性を有するという利点がある。

【０００５】ところで、前記従来の技術においては、突
出部５によって突条３を切削しているために、この切削
によって切屑が発生し、この切屑が軸本体１やカム２な
どの表面に付着してしまう。このため、この切屑を洗浄
等の手段によって除去しなければならないという問題が
あった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は前記事情に鑑
みてなされたもので、切屑の発生量の少ないカム軸を提
供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係るカム軸は、
取付孔を略円形に形成するとともに、この取付孔の少な
くとも一部に、内方へ向けて突出し、突条に圧着させら
れる***部を形成している。

【０００８】

【作用】本発明のカム軸は、カムに軸本体を圧入するこ
とによって、カムの***部に軸本体の突条を当接させ、
この突条を主に塑性変形させて、カムを軸本体に固定す
ることができる。

【０００９】

【実施例】本発明の実施例に係るカム軸を図１に基づい
て説明する。なお、前記従来のカム軸と共通の構成に
は、同一符号を付して説明を簡略化する。

【００１０】本実施例のカム軸においては、取付孔４０
が、略真円状に形成されているとともに、この取付孔４
０に、内方へ向けて突出し、軸本体１の突条３に圧着さ
せられる２つの***部４１が形成されている点で、前記
従来のカム軸と相違している。

【００１１】ここで、前記取付孔４０の径Ｄ１（図１参
照）は、軸１の突条３の外径よりも僅かに大きく形成さ
れており、また、前記***部４１どうしの離間距離Ｄ２
は、前記した突条３の外径よりも小さくまた前記軸本体
１の外径よりも若干大きく形成されている。

【００１２】また、前記２つの***部４１の対向面（内
面）は、平面に形成されている。

【００１３】前記本例のカム軸においても、従来と同様
に、カム２０の取付孔４０にカム軸１の突条３を圧入す
ることによって組み立てることができる。ここで、本例
のカム軸においては、取付孔４０に***部４１を形成し
ているので、組立時において、この***部４１によって
突条３を塑性変形させ、この塑性変形によって***部４
１の内面形状に沿うように突条３をなじませ、カム２０
を軸本体１に確実に固定することができる。

【００１４】ここで、従来のカム軸においては、切削に
よる切屑が生成されるという問題があったが、本例のカ
ム軸によれば、突条３を主に塑性変形させることによっ
てカム２０を軸本体１に固定しているので、切屑をほと
んど発生せず、切屑を除去する作業を簡略化することが
できるという利点がある。

【００１５】また、本例のカム軸においては、取付孔４
０を突条３よりも大径に形成しているので、***部４１
のみが突条３と干渉する。したがって、カム２０への軸
本体１の圧入に必要な力を、従来のカム軸と同程度に押
えることが可能であるという利点もある。

【００１６】なお、前記した本例のカム軸においては、
***部４１を２つ形成したが、この***部４１は、１つ
であってもよい。要は、***部４１は、突条３に圧着さ
せられる位置に形成されていれば、前記した利点を発揮
することができる。

【００１７】また、***部４１は、３つ以上形成するこ
ともできる。この場合には、軸本体１の軸心と取付孔４
０の軸心とを自動的に合せることが可能となる。

【００１８】さらに、本例のカム軸においては、***部
４１の内面を平面としたが、円柱面や球面など種々の形
状であってもよいことは当然である。

【００１９】

【発明の効果】本発明に係るカム軸は、カムの取付孔を
略円形に形成するとともに、この取付孔の少なくとも一
部に、内方へ向けて突出し、突条に圧着させられる***
部を形成しているので、カムの取付孔に軸本体の突条を
圧入する際に切屑をほとんど発生せず、切屑を除去する
作業を簡略化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るカム軸に用いるカムの正
面図である。

【図２】従来のカム軸を示す斜視図である。

【図３】従来のカムの正面図である。

【図４】従来のカムを軸本体に取り付ける状態を示す側
面図である。

【図５】従来のカムを軸本体に取り付けた状態を示す側
面図である。

【図６】図４のＡ部分の拡大図である。

【図７】図６のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１ 軸本体 ３ 突条 ２０ カム ４０ 取付孔 ４１ ***部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 八郎 新潟県新潟市小金町三番地１ 三菱マテリ アル株式会社新潟製作所内 (72)発明者 ルーカス マット リヒティンシュタイン国 9492 エッシェ ン （番地なし） プレス ウント シュ タンツベルク アーゲー内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外面に突条が形成された軸本体を、カム
   に形成された取付孔に嵌合させ、この取付孔に前記突条
   を圧入して前記カムを前記軸本体に固定してなるカム軸
   であって、前記取付孔は、略円形に形成されているとと
   もに、少なくとも一部に、内方へ向けて突出し、前記突
   条に圧着させられる***部が形成されていることを特徴
   とするカム軸。