JPH07173228A - 共重合体及びその製造方法 - Google Patents

共重合体及びその製造方法

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JPH07173228A
JPH07173228A JP31962193A JP31962193A JPH07173228A JP H07173228 A JPH07173228 A JP H07173228A JP 31962193 A JP31962193 A JP 31962193A JP 31962193 A JP31962193 A JP 31962193A JP H07173228 A JPH07173228 A JP H07173228A
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copolymer
polymer
compound
polymerization
butadiene
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JP31962193A
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Toshiki Takizawa
俊樹 滝澤
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Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低発熱性で、かつ耐破壊性に優れたゴム特
性、あるいは有機スズ化合物特有の機能性に優れたポリ
マー特性を有する新規の共重合体及びその製造方法を提
供する。 【構成】 ブタジエンのような共役ジエン単位及び/又
はスチレンのようなビニル芳香族炭化水素単位と、2−
トリブチルスタニル−1,3−ブタジエンのような有機
スズ化合物単位とからなる三元共重合体、並びに、有機
リチウム化合物を開始剤に用いた該三元共重合体の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低発熱性でかつ、耐破
壊性に優れたゴム特性、あるいは、有機スズ化合物特有
の機能性に優れたポリマー特性を有する新規の共重合体
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に工業的に生産される重合体は、各
分野における多種多様な用途にあわせて多種類となり、
それに伴って、要求特性に対応した重合体が選択されて
使用されている。
【0003】ゴム特性に着目すれば、自動車の低燃費化
の要求に伴い、タイヤ材料用ゴムとして低発熱性(低ロ
スファクター)のゴムが望まれている。ロスファクター
の小さい材料として、天然ゴム、シス−1,4ポリイソ
プレンゴム、低シス−1,4又は高シス−1,4ポリブ
タジエンゴム等が知られている。また、ロスファクター
が著しく改良された合成ゴムとして、炭化水素溶媒中で
は有機リチウム化合物を開始剤として重合させ、その重
合体生長末端を、ハロゲン化スズ化合物でカップリング
した合成ゴムがある(例えば、特開昭57−5591
2)。この重合体は、反応機構から明らかなようにスズ
は重合の生長末端に結合されている。この方法によって
得られた重合体は、優れた物性を有する重合体であり、
低ロスファクターつまり低ヒステリシスロス、低転がり
摩擦抵抗性延いては低燃費性のタイヤのゴム組成物とし
て使用されている。
【0004】一方、有機スズ化合物は機能性化合物であ
ることが知られており、殺虫剤、農薬、木材保存剤、船
底塗料、海洋製品の防食剤、防汚塗料、防黴剤、ポリ塩
化ビニル用の安定剤、ゴム用の老化防止剤、潤滑剤、各
種触媒等に広く使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ゴム分野にお
いて、上記のようなスズ結合重合体では、スズは重合体
の生長末端に結合するのみであり、更に、重合体へのス
ズのカップリングは、重合がほぼ完結した後にスズ化合
物を添加することによって行われるものであり、このハ
ロゲン化スズ化合物を活性リチウム対比当量反応させて
も、カップリング効率は、工業的には理論通り100%
ではなく60〜70%程度にとどまり、全ての重合体末
端にスズが結合するわけではない。つまり、従来の方法
では、ある程度の低ロスファクターの重合体を得ること
ができるとしても、十分とは言えない。
【0006】また、有機スズ化合物分野において、上述
したような化合物は単量体であるため、例えば長期機能
保持性や相溶性に欠ける等の種々の問題点を有してお
り、前述のように特有の機能を持ちながら十分とは言え
ないのが現状である。
【0007】従って、本発明は、低ヒステリシスロス性
で、かつ耐破壊性に優れたゴム特性、あるいは有機スズ
化合物特有の機能性に優れたポリマー特性を有する新規
の共重合体及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の共重合体
は、共役ジエン単位及び/又はビニル芳香族炭化水素単
位、並びに下記一般式(I)で表される有機スズ化合物
モノマーの単位からなることを特徴とする。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1 、R2 及びR3 は、炭素数1
〜30の脂肪族、脂環族又は芳香族の各炭化水素基を表
し、互いに同じであっても異なってもよい) 請求項2記載の共重合体の製造方法は、炭化水素溶媒
中、有機リチウム化合物を開始剤として共役ジエン及び
/又はビニル芳香族炭化水素、並びに一般式(I)で表
される有機スズ化合物モノマーを共重合することを特徴
とする。
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R1 、R2 及びR3 は、炭素数1
〜30の脂肪族、脂環族又は芳香族の各炭化水素基を表
し、互いに同じであっても異なってもよい) 請求項3記載の共重合体の製造方法は、請求項2におい
て、前記共重合反応が終了した後に、ケイ素化合物、ス
ズ化合物、イソシアナート基含有化合物及び−CZ−N
<結合含有化合物(Z:O又はSを表す)から選ばれた
少なくとも1つの化合物を変性剤として添加することを
特徴とする。
【0013】本発明者らは、有機リチウムによる重合反
応、有機スズ化合物モノマーの化学構造、及びこの有機
スズ化合物モノマーの重合性に着目し、鋭意検討を重ね
た結果、一般式(I)で表される有機スズ化合物モノマ
ーが、例えばブタジエン、スチレンとの共重合性に優
れ、更に、得られた共重合体をゴム原料としてカーボン
ブラックを混練し、加硫剤等を配合して得られるゴム組
成物は、低ロスファクターの効果が顕著に認められ、か
つ、破壊特性等の物性においてもバランスが取れ、優れ
たゴム組成物であること、あるいは得られた共重合体は
有機スズ化合物特有の有用な機能性ポリマーであること
も明らかとなり、本発明を完成させるに至った。
【0014】ゴムに限ってこれを詳述すれば、炭化水素
溶媒中、例えばブチルリチウム化合物を開始剤としてエ
ーテル化合物を用いて、ブタジエンとスチレンのランダ
ム共重合を行う際に、2−トリブチルスタニル−1,3
−ブタジエンを重合活性末端リチウム量対比3モル当量
添加すると、ブタジエンとスチレンのランダム共重合連
鎖中に、平均3分子の2−トリブチルスタニル−1,3
−ブタジエンが共重合される。このスズを含有する共重
合体から得られた加硫ゴムには、低ヒステリシスロス化
の効果が顕著に認められることがわかった。
【0015】また、本発明の共重合体の重合機構は、ア
ニオンリビング重合であるため、重合連鎖の活性末端リ
チウムとハロゲン化スズ化合物等のカップリング剤を組
み合わせて、重合連鎖末端を変性させることも可能であ
り、この場合、ロスファクターを低下させる効果は、よ
り一層顕著となることもわかった。
【0016】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
の共重合体は、(1)共役ジエン単位及び/又はビニル
芳香族炭化水素単位、並びに(2)前記一般式(I)で
表される有機スズ化合物モノマーの単位からなる。従っ
て、この共重合体には、共役ジエン/有機スズ化合物モ
ノマー共重合体、ビニル芳香族炭化水素/有機スズ化合
物モノマー共重合体、及び、共役ジエン/ビニル芳香族
炭化水素/有機スズ化合物モノマー共重合体が含まれ
る。
【0017】本発明における一般式(I)で表される有
機スズ化合物モノマーは、置換−1,3−ブタジエン誘
導体の一種である。R1 、R2 、R3 は、炭素数1〜3
0の脂肪族、脂環族又は芳香族の各炭化水素基を表し、
互いに同じであっても異なってもよい。R1 、R2 及び
3 としては、例示すれば、メチル、エチル、プロピ
ル、n−ブチル、 sec−ブチル、tert−ブチル、オクチ
ル、シクロヘキシル、シクロペンタジエニル、フェニ
ル、トリル、キシリル、ナフチル、フェナントリル等の
各基を挙げることができる。
【0018】本発明における有機スズ化合物モノマーの
具体例を挙げれば、2−トリブチルスタニル−1,3−
ブタジエン、2−トリオクチルスタニル−1,3−ブタ
ジエン、2−トリシクロヘキシルスタニル−1,3−ブ
タジエン、2−トリフェニルスタニル−1,3−ブタジ
エン、2−ジブチルフェニルスタニル−1,3−ブタジ
エン、2−ジフェニルオクチル−1,3−ブタジエン等
がある。
【0019】前記有機スズ化合物モノマーの合成方法
は、特に制限されないが、例示すれば、2−クロロ−
1,3−ブタジエンをテトラヒドロフラン中で、マグネ
シウム金属と反応させ、2−クロロマグネシオ−1,3
−ブタジエンを先ず合成し、次にトリブチルスズクロラ
イドのような有機スズハライドを反応させることにより
目的とする有機スズ化合物モノマーを得ることができ
る。得られた化合物は、蒸留精製を行い、 1H−NMR
によって確認することができる。
【0020】本発明における共役ジエンは、1分子当た
り炭素原子4〜12個、好ましくは、4〜8個を含有す
る共役ジエン炭化水素である。例えば1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、オクタジエン等が挙げられ
る。これらは単独でも2種以上混合して用いても良く、
特に1,3−ブタジエンが好ましい。
【0021】また、本発明におけるビニル芳香族炭化水
素としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、o−メチルスチレン、p−ブチルスチレ
ン、ビニルナフタリン及びこれらの同様物が包含され、
特にスチレンが好ましい。
【0022】本発明における共重合体のモノマー単位又
は共重合に用いるモノマーの組成割合は、共重合体の使
用目的により異なるので、制限されない。
【0023】例えばタイヤ用ゴム組成物に使用する共重
合体を考えれば、共役ジエンと有機スズ化合物モノマー
の共重合体(又は共重合)の場合、用いる全モノマー中
の共役ジエンの量は、75〜99.95重量%、好まし
くは90〜99.9重量%であり、有機スズ化合物モノ
マーの量は、0.05〜25重量%、好ましくは0.1
〜5重量%である。また、共役ジエン、ビニル芳香族炭
化水素及び有機スズ化合物モノマーの共重合体(又は共
重合)の場合、用いる全モノマー中の共役ジエンの量
は、50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%で
あり、ビニル芳香族炭化水素の量は5〜50重量%、好
ましくは5〜40重量%であり、有機スズ化合物モノマ
ーの量は0.05〜25重量%、好ましくは0.1〜5
重量%である。これらの場合において、有機スズ化合物
モノマーの量が多いと、あまり効果的でないだけでな
く、得られた共重合体を使用したゴム組成物の加工性が
劣り、また、この量が少ないと本発明の特性を活かすこ
とができないので、好ましくない。
【0024】一方、有機スズ化合物特有の機能性を有す
るポリマーとして使用する場合は、一般的に共重合体に
おける有機スズ化合物モノマー量を多くして用いられ
る。
【0025】いずれの用途においても、これらの有機ス
ズ化合物モノマーを、1種又は複数種混合して重合体分
子中に導入させることができる。更に、これらの有機ス
ズ化合物モノマーの重合系への添加は、重合開始後から
終了前の重合体生長時期において添加しても、予め共役
ジエン及び/又はビニル芳香族炭化水素と仕込み重合を
行っても、同様に共重合体を得ることができる。
【0026】また、共重合体の組成分布(ランダム構
造、ブロック構造又はその混合構造)、共役ジエン部の
ミクロ構造(例えばブタジエン部のシス−1,4、トラ
ンス−1,4、ビニル)及び分子量は、後述の重合方法
等により、目的に応じて自由に選択される。この分子量
は用途により任意のものが用いられ制限されないが、タ
イヤ用ゴム組成物に使用する場合は、カップリング前の
数平均分子量が5×104〜40×104 のものが好ましく
用いられる。
【0027】本発明の共重合体に含まれる重合体は、有
機スズ基を含むため、前記重合体の組成割合を選択する
ことによって、得られる共重合体に対して、低発熱性か
つ耐破壊性に優れたゴム特性、あるいは有機スズ化合物
特有の機能性に優れたポリマー特性の各特性の配分を調
節することができる。従って、この優れたゴム特性を有
する共重合体とした場合は、単独で又は天然ゴム、合成
ゴムとブレンドし、必要ならば、油展し、通常の加硫ゴ
ム用配合剤を加え、加硫して、タイヤ用途を始め、防振
ゴム、ベルト、ホース、その他の工業品用途に用いられ
る。一方、優れたポリマー特性を有する共重合体とした
場合は、有機スズ化合物が用いられている前記各種機能
用途に広く用いることができ、更に、これら通常の有機
スズ化合物が単量体であるのに対し、本発明の共重合体
は他の共重合単位を有するポリマー(オリゴマーを含
む)であるため、新規機能性賦与、長期機能保持性、相
溶性等、一層優れた機能性をも有する。
【0028】本発明において重合溶媒として用いられる
ものには、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n
−ブタン等の脂肪族炭化水素溶媒、メチルシクロペンタ
ン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶媒及びこれら
の混合物が使用できる。
【0029】本発明において開始剤として用いられる有
機リチウム化合物には、n−ブチルリチウム、エチルリ
チウム、プロピルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘ
キシルリチウム、1,4−ジリチオブタン、ブチルリチ
ウムとジビニルベンゼンとの反応物等のアルキルリチウ
ム、アルキレンジリチウム、フェニルリチウム、スチル
ベンジリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチ
ウムピペリジド等を挙げることができる。好ましくは、
n−ブチルリチウム又は sec−ブチルリチウムである。
これらの有機リチウム開始剤は単独で用いても、2種以
上混合して用いても良い。これらの有機リチウム化合物
の使用量は、モノマー100g当たり0.2〜30mmol
の範囲で用いることができる。
【0030】本発明においては、重合活性の向上及び/
又は用途に応じた所望の重合体の分子構造(分子量、ミ
クロ構造、共重合体の場合はこれに加えてモノマー単位
の組成及びその組成分布等)を調節するため、この目的
に使用される通常の添加剤、例えばエーテル化合物、第
三級アミン化合物等のルイス塩基を反応系に加えること
ができる。使用されるエーテル化合物としては、例えば
ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、2−メトキシテトラヒドロフラン、2−メトキシ
エチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリ
コールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチル
エーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチル
エーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等
が挙げられる。更に第三級アミン化合物としては、トリ
エチルアミン、トリプロピルアミン、ピリジン、N,
N,N',N' −テトラメチルエチレンジアミン、N,
N,N',N' −テトラエチルエチレンジアミン、N−メ
チルモルホリン等が挙げられる。エーテル化合物及び第
三級アミン化合物の使用量は有機リチウム化合物1モル
当たり、0.05〜1000モルの範囲で用いられる。
【0031】本発明の重合体の製造では分子設計を変更
し重合体に所望の物性を賦与させたい場合等において、
重合反応を完結した後に、ケイ素化合物、スズ化合物、
分子中にイソシアネート基含有化合物又は−CZ−N<
結合(Z:O又はS)含有化合物から選ばれた少なくと
も1つの化合物を変性剤として添加することができる。
【0032】前記ケイ素化合物としては、例えば四塩化
ケイ素、クロロトリエチルシラン、クロロトリフェニル
シラン、ジクロロジメチルシラン等が挙げられる。
【0033】前記スズ化合物としては、例えば四塩化ス
ズ、四臭化スズ等のハロゲン化スズ化合物及びジエチル
スズジクロライド、ジブチルスズジクロライド、トリブ
チルスズクロライド、ジフェニルスズジクロライド、ト
リフェニルスズクロライド等のハロゲン化有機スズ化合
物等が挙げられる。
【0034】前記イソシアネート基含有化合物として
は、例えばフェニルイソシアネート、2,4−トリレン
ジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジ
イソシアネート及びこれらの2量体、3量体の芳香族ポ
リイソシアネート化合物が挙げられる。
【0035】前記−CZ−N<結合(Z:O又はS)含
有化合物としては、例えばホルムアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジエチルア
セトアミド、アミノアセトアミド、N,N−ジメチル−
N',N' −ジメチルアミノアセトアミド、N,N−ジメ
チルアミノアセトアミド、N,N−ジメチル−N’−エ
チルアミノアセトアミド、アクリルアミド、N,N−ジ
メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルア
ミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、ピコリン
酸アミド、N,N−ジメチルイソニコチンアミド、コハ
ク酸アミド、フタル酸アミド、N,N,N',N’−テト
ラメチルフタル酸アミド、オキサミド、N,N,N',
N’−テトラメチルオキサミド、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボキシミド、2−フランカルボン酸アミド、
N,N−ジメチル−2−フランカルボン酸アミド、キノ
リン−2−カルボン酸アミド、N−エチル−N−メチル
−キノリンカルボン酸アミド等のアミド化合物、コハク
イミド、N−メチルコハクイミド、マレイミド、N−メ
チルマレイミド、フタルイミド、N−メチルフタルイミ
ド等のイミド化合物、ε−カプロラクタム、N−メチル
−ε−カプロラクタム、2−ピロリドン、N−メチル−
2−ピロリドン、2−ピペリドン、N−メチル−2−ピ
ペリドン、2−キノロン、N−メチル−2−キノロン等
のラクタム化合物、尿素、N,N’−ジメチル尿素、
N,N−ジエチル尿素、N,N,N',N’−テトラメチ
ル尿素、N,N−ジメチル−N',N’−ジフェニル尿
素、N,N’−ジメチルエチレン尿素等の尿素化合物、
カルバミン酸メチル、N,N−ジエチルカルバミン酸メ
チル等のカルバミン酸誘導体、イソシアヌル酸、N,
N',N”−トリメチルイソシアヌル酸等のイソシアヌル
酸誘導体及びこれらの対応のチオカルボニル含有化合物
等が挙げられる。変性剤としては重合体鎖活性末端と反
応する化合物であれば特に限定されない。
【0036】重合温度は、通常、−20〜150℃で、
好ましくは0〜120℃である。なお、溶媒中のモノマ
ー濃度は、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜3
5重量%である。また、反応時間は特に制限されない
が、通常、数秒〜数時間である。
【0037】重合反応は、モノマーを液相で触媒に接触
させて実施されるが、その圧力は通常、本質的に液相を
保持するために十分な圧力で操作することが好ましい。
また、反応系に装入される上記の全物質には、触媒作用
を妨害する物質を排除することが好ましい。
【0038】反応終了後、ポリマー溶液中にスチームを
吹き込んで溶媒を除去するか、又はメタノール等の貧溶
媒を加えて重合体を凝固させた後、熱ロール又は減圧下
で乾燥して重合体を得ることができる。また、ポリマー
溶液を直接熱ロール又は減圧下で溶媒を除去して重合体
を得ることもできる。
【0039】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本実施例
に限定されるものではない。
【0040】なお、実施例において、部及び%は特に断
らない限り、重量部及び重量%を意味する。
【0041】各種の測定は下記の方法によった。ポリマ
ーの数平均分子量の測定はゲルパーミエイションクロマ
トグラフィ(GPC)により行い、示差屈折率(RI)
で行った。
【0042】共重合体のブタジエン部分のミクロ構造
は、赤外法(モレロ法)によって求めた。また結合スチ
レン含有量は699cm-1のフェニル基の吸収に基づい
た赤外法による検量線から求めた。
【0043】有機リチウム開始剤を用いた重合におい
て、事前に十分に精製した溶媒等を使用しても、開始剤
の一部は重合系内の水、二酸化炭素等の不純物(触媒
毒)により失活してしまうことが知られている。そこで
開始剤の失活に作用する不純物を予め無毒化させるため
に、スカベンジャーとして重合に関与しない量であり、
不純物を無毒化するために必要な量の有機リチウム化合
物を添加することが一般に行われている。本実施例で
は、重合反応を行う際に予め少量の sec−ブチルリチウ
ムをスカベンジャーとして添加し、その後に所定量の有
機リチウムを添加する重合方法によって重合を行った。
この場合、後から添加した有機リチウム量を重合連鎖末
端リチウム濃度とした。スカベンジャーとして添加する
sec−ブチルリチウムの量は、少量ずつゆっくりと重合
モノマー及び溶媒を含む重合系に添加し、重合系の温度
上昇が認められるまでの添加量として求めた。本実施例
では、同じリアクターを使用し、同じロット及び同量の
溶媒並びに同じロット及びほぼ同量の重合モノマー等を
使用しているので、全ての実施例及び比較例において重
合条件は共通であると考えられる。予備実験の結果、ス
カベンジャーとして使用した sec−ブチルリチウム量
は、重合モノマー及び溶媒1kgに対して0.33mmolで
あり、本実施例では、これをこの割合でいずれの場合に
も重合前に添加した。
【0044】重合体の加硫物におけるロスファクター
(tanδ)の測定は、粘弾性測定装置(レオメトリッ
クス社製)を使用し、温度50℃、歪み1%、周波数1
5Hzで行った。tanδが小さい程、低ヒステリシス
ロスであり、タイヤの燃費性がよいと評価する。また引
張特性は、JIS K6301に従って測定した。
【0045】スズの含量は、本発明の重合体をトルエン
に溶解し、これをメタノールに注いで沈殿させて精製し
た重合体を用いて、原子吸光器によって測定した。
【0046】本実施例において、一般式(I)で表され
る有機スズ化合物として2−トリブチルスタニル−1,
3−ブタジエン(TBSBD)を用いた。 (TBSBDの合成)アルゴン雰囲気とした攪拌器付き
のガラス製反応器にマグネシウム金属4.0g、1,2
−ジブロモエタン1.0ml及びテトラヒドロフラン
(THF)2mlを加え、加熱攪拌させた後に、THF
50mlに無水塩化亜鉛0.6gを溶解した溶液を添加
した。更に1,2−ジブロモエタン3.8gと2−クロ
ロ−1,3−ブタジエン9.2mlを50mlのTHF
に溶解した溶液をゆっくり滴下させ、滴下終了後に30
分間加熱した。
【0047】このようにして得られた2−クロロマグネ
シオ−1,3−ブタジエン溶液を、外部から冷却して0
℃以下に保ち、これにトリブチルスズクロライド29.
0gを50mlのTHFに溶解させた溶液に少量ずつ滴
下させた。滴下終了後、室温において4時間、十分に攪
拌した。その後、少量の水を加えた後、エーテル層を水
洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、エーテルを留去し
た。このようにして得られた液体を真空下で蒸留精製し
た。目的とする2−トリブチルスタニル−1,3−ブタ
ジエンの沸点は75〜85℃(0.08Torr)であり、
収率は、トリブチルスズクロライドを基準として85%
であった。 (TBSBDの同定)上記のように合成された化合物を
1H−NMRにて分析した。測定は、GX−400(日
本電子社)を用いて、400MHz、溶媒クロロホルム
−d(CDCl3)中、テトラメチルシラン(TMS)基
準の条件で実施した。結果を表1及び図1に示した。
【0048】
【表1】 δ(ppm) プロトンの種類 0.9〜1.7 〔m,27H,(n−C4H9)3Sn〕 5.1〜6.0 (m,4H, 2=CH2 ) 6.7 (m,1H, =CH) 以上の 1H−NMR分析結果及び図1の結果より、供試
された化合物は2−トリブチルスタニル−1,3−ブタ
ジエンであることが確認された。
【0049】〔実施例1〕5リットルの攪拌機付きの反
応器に、シクロヘキサン1500g、1,3−ブタジエ
ン250g、THF0.800g、2−トリブチルスタ
ニル−1,3−ブタジエン0.43gを仕込み、反応容
器内温度50℃に調整した後に、n−ブチルリチウム
0.08gを添加し重合を開始させた。
【0050】その後、重合を50℃において60分間行
った後に、イソプロピルアルコールで重合を停止させ
た。
【0051】次にこの重合体含有液に、2,6−ジ−te
rt−ブチル−p−クレゾール2.5gを添加後、スチー
ムストリッピングにより脱溶媒し、得られた固形物を1
00℃の熱ロールで乾燥させてゴム状ポリマーを得た。
ポリマーの特性は表2に示した。
【0052】ポリマーは、表3に示す配合に従って25
0mlのラボプラストミル及び3インチロールで混練、
配合し、この配合物を145℃で35分間加硫を行っ
た。加硫物物性の評価結果を表4に示した。
【0053】〔実施例2〕実施例2は、TBSBDを
0.87gとした以外は、実施例1と同様にして重合を
行い、ポリマー及び加硫物を得た。ポリマーの特性を表
2に、加硫物の物性評価の結果を表4に示した。
【0054】〔比較例1〕TBSBDを添加しなかった
以外は、実施例1と同様にして重合を行い、ポリマー及
び加硫物を得た。ポリマーの特性を表2に、加硫物の物
性評価の結果を表4に示した。
【0055】〔実施例3〕5リットルの攪拌機付きの反
応器に、シクロヘキサン1500g、1,3−ブタジエ
ン200g、スチレン50g、THF0.800g、2
−トリブチルスタニル−1,3−ブタジエン1.29g
を仕込み、反応容器内温度50℃に調整した後に、n−
ブチルリチウム0.08gを添加して重合を開始させ
た。
【0056】その後、重合を50℃において60分間行
った後に、イソプロピルアルコールで重合を停止させ
た。
【0057】次にこの重合体含有液に、2,6−ジ−te
rt−ブチル−p−クレゾール2.5gを添加後、スチー
ムストリッピングにより脱溶媒し、得られた固形物を1
00℃の熱ロールで乾燥させてゴム状ポリマーを得た。
ポリマーの特性は表2に示した。
【0058】ポリマーは、表3に示す配合に従って25
0mlのラボプラストミル及び3インチロールで混練、
配合し、この配合物を145℃で35分間加硫を行っ
た。加硫物物性の評価結果を表4に示した。
【0059】〔実施例4〕実施例4は、THF0.63
4g、2−トリブチルスタニル−1,3−ブタジエン
1.03gを仕込み、反応容器内温度50℃に調整した
後に、n−ブチルリチウム0.064gを添加して重合
を行った以外は、実施例3と同様に重合を行い、ポリマ
ー及び加硫物を得た。ポリマーの特性を表2に、加硫物
の物性評価の結果を表4に示した。
【0060】〔実施例5〕実施例5は、重合開始前に2
−トリブチルスタニル−1,3−ブタジエンを添加せ
ず、ブタジエンとスチレンのみの重合を50℃において
60分間行った後に、2−トリブチルスタニル−1,3
−ブタジエンを1.29g添加し、添加後更に50℃に
おいて重合を15分間行った後に、イソプロピルアルコ
ールで重合を停止させた以外は、実施例3と同様にして
ポリマー及び加硫物を得た。ポリマーの特性を表2に、
加硫物の物性評価の結果を表4に示した。
【0061】〔実施例6〕実施例6は、重合終了後にイ
ソプロピルアルコールを添加して重合を停止させる代わ
りに、四塩化スズ0.082gを添加して重合末端をカ
ップリングした以外は、実施例3と同様にしてポリマー
及び加硫物を得た。ポリマーの特性を表2に、加硫物の
物性評価の結果を表4に示した。
【0062】〔比較例2〕TBSBDを添加しなかった
以外は、実施例3と同様にしてポリマー及び加硫物を得
た。ポリマーの特性を表2に、加硫物の物性評価の結果
を表4に示した。
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】本発明の共重合体は、表2に示すように、
二元及び三元共重合体に拘らず重合体の分子中にスズが
効率よく導入された共重合体であり、該スズの含量は所
望の量に調節することが容易であり、更に表4に示すよ
うに、該共重合体の加硫物の物性は、比較例の重合体に
比べて高い引張強度及び低いtanδを示した(実施例
1〜6)。従って、破壊特性及び低ヒステリシスロス性
に優れた共重合体であることが明らかとなった。
【0067】上記の効果は、有機スズ化合物を重合開始
前に添加しても重合開始後に添加しても、同様に得るこ
とができた(実施例4及び5)。
【0068】更に本発明の共重合体に四塩化スズをカッ
プリングにすることにより、ポリマーの分子量は増大す
ることが明らかとなり(実施例6)、本発明の共重合体
がリビング的に生長することが示唆された。また、カッ
プリングにより更にスズを導入された共重合体は、低ヒ
ステリシスロス性が更に向上された共重合体であった。
【0069】
【発明の効果】本発明は、上記構成としたので、新規な
有機スズ化合物モノマーを重合体分子中に導入すること
によって、低ヒステリシスロス性で、かつ耐破壊性に優
れたゴム特性、あるいは有機スズ化合物特有の機能性に
優れたポリマー特性を有する新規の共重合体及びその製
造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るTBSBDの 1H−NM
Rのチャートである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン単位及び/又はビニル芳香族
    炭化水素単位、並びに下記一般式(I)で表される有機
    スズ化合物モノマーの単位からなることを特徴とする共
    重合体。 【化1】 (式中、R1 、R2 及びR3 は、炭素数1〜30の脂肪
    族、脂環族又は芳香族の各炭化水素基を表し、互いに同
    じであっても異なってもよい)
  2. 【請求項2】 炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を
    開始剤として共役ジエン及び/又はビニル芳香族炭化水
    素、並びに一般式(I)で表される有機スズ化合物モノ
    マーを共重合することを特徴とする共重合体の製造方
    法。 【化2】 (式中、R1 、R2 及びR3 は、炭素数1〜30の脂肪
    族、脂環族又は芳香族の各炭化水素基を表し、互いに同
    じであっても異なってもよい)
  3. 【請求項3】 前記共重合反応が終了した後に、ケイ素
    化合物、スズ化合物、イソシアナート基含有化合物及び
    −CZ−N<結合含有化合物(Z:O又はSを表す)か
    ら選ばれた少なくとも1つの化合物を変性剤として添加
    することを特徴とする請求項2記載の共重合体の製造方
    法。
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