JPH07171651A - かしめ用の軸状部材とそのかしめ方法および装置 - Google Patents

かしめ用の軸状部材とそのかしめ方法および装置

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JPH07171651A
JPH07171651A JP31826093A JP31826093A JPH07171651A JP H07171651 A JPH07171651 A JP H07171651A JP 31826093 A JP31826093 A JP 31826093A JP 31826093 A JP31826093 A JP 31826093A JP H07171651 A JPH07171651 A JP H07171651A
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caulking
shaft
shaped member
load
substrate
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JP31826093A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kawana
武 川名
Yuji Enomoto
裕治 榎本
Yoichiro Tamoto
洋一郎 田本
Tatsuya Araya
達弥 新家
Takashi Ota
隆司 太田
Takeshi Yano
健 矢野
Yasuo Shibazaki
靖夫 柴崎
Hiroshi Kaneko
弘 金子
Takeshi Ogauchi
剛 小河内
Hiroshi Sakamoto
博 坂本
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板のかしめ面または機能的な基準面に対し
直角に軸状部材を結合し、または、基板へ複数の軸状部
材を平行に結合する方法、装置およびこれに適した軸状
部材の形状の提供。 【構成】 軸状部材の頭部に接合強度を得るために必要
な塑性変形を与え、かつ、軸状部材の他の部分は塑性変
形させないかしめ荷重の設定、これを可能にする荷重制
御可能なかしめ装置、複数のかしめポンチを有するかし
め装置、軸状部材のコレット・チャックによる把持およ
び基板のローラーによる押圧、基板の必要な基準面を把
持・拘束してかしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、かしめ用部材である小
径の軸状部材と金属等の薄板(以下、基板という)とを
接合するためのローリングかしめ法によるかしめ方法お
よびその装置に係り、特に、基板に対する軸状部材の直
角度あるいは基板に対する複数の軸状部材の平行度等が
良好なかしめ方法およびその実施を可能にする装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】軸状部材と基板との接合方法のひとつに
かしめがあり、ねじを用いた締結よりも機構部を小型化
しうるものとして、各種製品に用いられている。
【0003】従来、このかしめには、例えば、特開平3
−18444号公報に詳述されるように、プレスかしめ
法やローリングかしめ法が採用されている。
【0004】このうちプレスかしめ法は、軸状部材の頭
部の全円周に同時に荷重を与えて基板と接合するもので
あり、一方、ローリングかしめ法は、図14に示すよう
に、かしめヘッド4に対し一定角度傾斜しているポンチ
3を公転・自転させつつ、軸状部材1の頭部1aの円周
に順次局部的な荷重を加え、下型5に保持された軸状部
材1を基板2に結合するものである。1bは下型5に支
持されて荷重を受ける軸状部材1のフランジ部、1cは
軸部である。したがって、ローリングかしめ法は、小さ
な加工力で軸状部材1と基板2を接合できるという効果
があり、小形機構向けの接合手段としてひろく利用され
ている。しかし、後述するように、接合強度だけではな
くかしめ精度も必要となる。この精度について言及した
先行技術として、前述の特開平3−18444号公報お
よび特開平2−92430号公報があるが、本発明のよ
うに3〜4mm程度以下の小径の軸状部材を対象とした
ものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、ローリ
ングかしめ法は小形機構向けの有力な接合手段ではある
が、例えばビデオカメラのように、製品の小形化・高機
能化の一層の進展に伴って、かしめによる接合に対して
も、軸状部材等の接合部材の小形化・低剛性化が進む一
方で、次のようにかしめの高精度化が要求されるように
なった。すなわち、従来方法の単なる延長では、基板の
かしめ面(軸状部材をかしめた部分の基板面)に対する
軸状部材の直角度、基板の他の基準面に対する軸状部材
の直角度あるいは基板上の複数の軸状部材の平行度等
が、製品機能上必要とされる要求仕様を満足させること
ができないことが明らかとなった。
【0006】このように、上記解決を要する課題のうち
最も基本的なものは、基板のかしめ面に対する軸状部材
の直角度の高精度化であるが、上記要求仕様を満足させ
られない原因としては、接合強度を得るために必要な軸
状部材の頭部の塑性変形(これを一次変形と呼ぶことに
する)だけでなく、軸状部材に形成されているつばや軸
部等の他の部分にも塑性変形(これを二次変形と呼ぶこ
とにする)が生ずること、さらに軸状部材および基板の
拘束、すなわち接合部材相互間の位置関係の維持が十分
でないこと等が考えられる。本願発明者等は、多くのか
しめ実験およびかしめの際の応力解析を行ってこれらの
原因を明らかにし、後述する実施例に示すように解決し
た。
【0007】また、基板の機能的な基準面に対する軸状
部材の直角度あるいは基板上の複数の軸状部材の平行度
が要求仕様を満足させることができない原因としては、
通常、プレス加工により製作される基板の平面度が不十
分であることにあるが、これについても後述する実施例
に示すように解決した。
【0008】本発明は、ローリングかしめ法にいての上
記の問題点を解決して、小形・低剛性かしめ接合部材に
対する高精度かしめ方法およびその実施を可能にする装
置、ならびにその方法・装置により高精度かしめを実現
することができるかしめ接合部材、とりわけ軸状部材の
形状寸法の設定方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記精度劣化
の主要因である二次変形に対し、次の手段を採用するも
のである。その第一は、結合のために十分な一次変形を
確保する一方で、二次変形、特にフランジ部の変形を発
生させないあるいは変形量を小とするかしめ方法を採用
することであり、その第二は、上記第一のかしめ方法を
可能にするかしめ荷重の設定を可能にすることである。
【0010】その第三は、上記第一・第二を可能にする
ため、かしめ装置においてかしめ荷重を制御可能にして
おくことであり、その第四は、二次変形を発生させない
あるいは変形量を小とする形状の軸状部材を用いること
であり、その第五は、軸状部材の中心軸に関し対称な位
置に、軸状部材に平行な複数のかしめ荷重を与えるかし
め方法である。
【0011】ついで、軸状部材および基板の拘束に関し
ては、軸状部材の軸方向の移動を許容するコレット・チ
ャックによる把持、かしめポンチと同心であってこれと
干渉しない位置に設けたローラーにより基板を押圧する
ことによる。
【0012】さらに、基板のかしめ面ではない機能的な
基準面を把持・拘束してこれに垂直に軸状部材のかしめ
を行うことにより、また、基板の任意部分を共通基準面
としてこの共通基準面を把持・拘束し、これに垂直に複
数の軸状部材のかしめを順次行うことにより達成され
る。
【0013】
【作用】結合のために十分な一次変形を確保する一方
で、二次変形を発生させないあるいは変形量を小とする
かしめ方法により、二次変形、特に軸状部材の基板に対
抗する部分の変形が抑制されて基板のかしめ面に対する
軸状部材の振れがなくなり、基板のかしめ面に対する軸
状部材の直角度が向上する。
【0014】上記の二次変形を発生させないかしめ方法
は、軸状部材に一次変形のために降伏点以上の応力を発
生させ、かつ、軸状部材の基板に対抗する部分に降伏点
以上の応力を発生させずに二次変形を抑制する荷重の設
定により容易に可能となる。
【0015】さらに、上記の二次変形を発生させないか
しめ方法は、かしめ荷重の設定・制御可能なかしめ装置
は、対象ごとに変更必要な荷重の設定を可能とし、上記
の二次変形を発生させないかしめ方法の実施を容易にす
る。
【0016】ついで、十分な一次変形を確保する一方
で、二次変形特に軸状部材の基板に対抗する部分の二次
変形を発生させないあるいは変形量を小とする荷重の存
在を可能とする形状・材質の軸状部材の採用は、上記の
二次変形を発生させないかしめ方法を用いるための必要
条件であり、そのマージンが大であるほど高精度化の実
現が容易となる。
【0017】一次変形を与える軸状部材の頭部の径が軸
部に対し大きい場合、局部荷重による軸まわりのモーメ
ントが大となって二次変形の抑制が困難となる。その場
合、軸状部材の中心軸に関し対称な位置に、軸状部材に
平行な複数のかしめ荷重を与えることにより軸まわりモ
ーメントを相殺し、上記の二次変形を発生させないかし
め方法の実施が可能となる。
【0018】かしめ時の軸状部材の把持は、軸状部材の
軸方向の移動を許容するコレット・チャックによる。単
なる円筒孔では軸状部材の軸径のバラツキに対応したク
リアランスがあり、ローリングかしめの荷重は偏心荷重
であるから、軸状部材のかしめの直角度を劣化させるか
らである。そして、軸方向の移動を許容するのは、かし
め荷重に対抗する把持力とすると軸状部材の把持部にキ
ズ・変形を発生させるらで、これを防止するためであ
る。
【0019】基板の拘束に関しては、かしめ用のポンチ
と同心であってこれと干渉しない位置に設けたローラー
により基板を押圧することにより、基板の浮きなどによ
る直角度の劣化を防止することができる。
【0020】基板のかしめ面ではなく、基板の取付け面
など機能的な基準面に対する軸状部材の直角度が必要な
場合には、その機能的な基準面を把持・拘束してこれに
垂直に軸状部材のかしめを行うことにより、基板の平面
度が不十分であっても目標を達成できる。
【0021】さらに、基板上の複数の軸状部材の平行度
が要求される場合には、、基板の任意部分を共通基準面
とし、これを把持・拘束してこれに垂直に複数の軸状部
材のかしめを行うことにより目標を達成できる。
【0022】
【実施例】はじめに、本発明のうち、かしめによる結合
のために十分な一次変形を確保する一方で、二次変形を
発生させないあるいは変形量を小とするかしめ方法につ
いて、図2〜図4を用いて説明する。図中、前記図14
と同符号のものは同じものを示す。
【0023】ここで、荷重を如何に設定すべきかが問題
となるが、かしめ後に軸状部材1と基板2との直角度を
高精度にするには、十分な一次変形を確保する一方で、
二次変形を発生させないあるいは変形量を小とすればよ
い。
【0024】図2は軸状部材1のかしめ部分を延長して
示したかしめ状態の模式図であるが、Aをポンチ3と軸
状部材1との接触面積、θをかしめ反力と垂直力(かし
め荷重)Fとのなす角度、σBを軸状部材1の一次変形
に必要な応力とすると、かしめ荷重の最小値Fminは、
次式で表される。
【0025】
【数1】
【0026】また、図3に示すかしめ荷重Fによって、
軸状部材1のフランジ部1bには図4に示すかしめ荷重
Fによる圧縮応力とかしめ荷重Fの偏心モーメントによ
る圧縮応力とが生じる。図3に示すように、下型5の内
径の半径をa、軸状部材1のフランジ部1bの半径を
b、かしめ荷重Fの偏心量をeとし、図4に示すように
軸状部材1の軸芯からの半径をX、さらに軸状部材1の
弾性限応力をσyとすると、かしめ荷重の最大値Fmax
は、前記二次変形を発生させない荷重として次式で表さ
れる。
【0027】
【数2】
【0028】なお、当然ではあるがσyは、直角度の精
度に応じて、例えば実験により求められている二次変形
を発生させる時点の値としてもよい。以上のようにし
て、最小値Fminより最大値Fmaxまでの範囲内より最適
値のかしめ荷重Fを求めることができる。
【0029】次に、図5により、上記の二次変形を発生
させないかしめ方法の実施を容易にするかしめ荷重Fの
設定・制御可能なかしめ装置の実施例について説明す
る。図中、前記各図と同じ符号のものは同じものを示
す。
【0030】図5において、かしめヘッド4の上部には
ポンチ3回転用のサーボモーター6が装着されている。
また、かしめヘッド4の上下駆動用サーボモーター7の
出力は、カップリング8を介してボールネジ9に伝達さ
れる。ボールネジ9上のナット10にはブロック11が
取付けられ、荷重検出用のロードセル12とともにかし
めヘッド4の突起部13を挾持している。
【0031】回転用サーボモーター6および上下駆動用
サーボモーター7は、その制御部分であるモーター・ド
ライバ、モーター・コントローラおよび制御コンピュー
タに電気的に接続され、ポンチ3の回転、かしめヘッド
4の上下位置間の駆動の制御、かしめヘッド4を介した
かしめ荷重Fに相当する上下駆動用サーボモーター7の
出力トルクの制御を行う。
【0032】かしめの際には、あらかじめ、前述のかし
め荷重Fの最適範囲内で設定した値を前記制御コンピュ
ータに入力しておき、上下駆動用サーボモーター7を駆
動してかしめを行う。ロードセル12はかしめの際の荷
重値のモニターを行う。以上に説明した装置により、前
述の二次変形を発生させないかしめ方法の実施を容易に
行うことができる。
【0033】ついで、図6を用いて、十分な一次変形を
確保する一方で、二次変形特に軸状部材1の基板2に対
抗する部分(基板2の下面に接触する部分)の二次変形
を発生させないあるいは変形量を小とする荷重の存在を
可能とする軸状部材1の形状について説明する。
【0034】図6(a)は、軸状部材1の頭部1aを変
形させて基板2に結合するに十分な剛性を有するフラン
ジ部1b、すなわち頭部1aに比べて径、長さとも大き
いフランジ部1bを備えた場合であって、二次変形の抑
制は容易である。しかし、フランジ部1bの大きさから
製品の小形化に伴う接合部材の小形化の要求には応ずる
ことができない。つぎに、図6(b)は、フランジ部1
bがなく、小形化の点からは最も望ましいが、かしめに
際してかしめ力を下型5の底面で受けざるをえず、この
ため軸部1cが圧縮により変形しやすい。したがって、
小形化に適した形状は、図6(c)および図6(d)に
示すものとなる。
【0035】図6(c)に示す形状は、頭部1a´の径
を軸部1cの径dより大のd2とし、かつ、頭部1a´
の頂部中心部を削除して凹状にしたものであり、d2
dの差分の剛性大の部分を設けたものである。フランジ
部1b´はこの剛性大の部分の一部となる。この場合、
かしめ荷重の最小値Fminは、前記式1に示した方法で
求め、かしめ荷重の最大値Fmaxを前記式2に示した方
法で求めることにより、これを満たす荷重の存在する条
件より、径d2と厚みhを定めることができる。以上の
ようにして、小形かつ高精度かしめ用の軸状部材の形状
および寸法を設定することができる。
【0036】図6(d)に示す形状は、基本的には図6
(a)と類似形で、結合強度上、頭部1aの径d3は軸
部1cの径dに対し、d1に等しい寸法が必要となる。
これに対しフランジ部1b″は、かしめ荷重の最小値F
minを前記式1に示した方法で求め、かしめ荷重の最大
値Fmaxを前記式2に示した方法で求めることにより、
これを満たす荷重の存在する限界条件より、径d4の最
小値を求めることができる。
【0037】次に、かしめ用のポンチ3を複数個として
二次変形の発生を抑制するかしめ装置の構成を、図7お
よび図8により説明する。
【0038】前記図6(c)に示したように、軸状部材
1の頭部1aの径d2が軸部1cの径dに対してある程
度以上大きくなると、図4に示すフランジ部1bの圧縮
応力において軸荷重成分よりモーメント成分の方の影響
が大となる。図8はこの影響を排除するための動作原理
説明図で、かしめ荷重Fを軸対称位置に加えることによ
り、モーメント成分による圧縮応力の影響をなくし、フ
ランジ部1bの圧縮応力を減少させて二次変形の発生を
抑制することができる。
【0039】図7はその具体的な構成例であって、ポン
チ3、3個の軸受16、ポンチ3の保持軸17、カラー
18、Oリング19等より構成されたかしめ機構を、軸
心に対称にふたつ設け、保持具20(かしめヘッド4に
相当)に収容させたものである。この場合、ポンチ3の
傾き角θは45度が望ましい。対象とする軸状部材1が
小径であり、頭部1aの凹部も極めて小径であることに
対応したものである。以上により、かしめ荷重Fは2倍
になるが、モーメントの影響を受けないかしめを行うこ
とができる。
【0040】次に、かしめ時において軸状部材1のふら
つきを生じさせない把持機構についての実施例を、図
9、図10および図11により説明する。
【0041】図9に示す把持機構は、軸状部材1を把持
するコレット21、摺動によりコレット21を開閉させ
るスライダー22、スライダー22駆動用の空気圧シリ
ンダー23、コレット21固定用の支柱24、軸状部材
1およびスライダー22の案内となるブロック25およ
びフレーム26等より構成されている。図10はスライ
ダー22と支柱24の関係を、また、図11は軸状部材
1を把持するコレット21の先端部形状をそれぞれ示し
たもので、先端部を3〜4片に分割するすり割り41お
よびテーパー部40が形成され、スライダー22の摺動
によりコレット21を開閉可能にしている。
【0042】コレット・チャックとしての動作は、空気
圧シリンダー23を駆動してスライダー22を摺動させ
ることにより行われる。図9でスライダー22が上方に
移動した際は閉、下方に移動した際は開となる。ここ
で、コレット21閉の際の軸状部材1の把持力Pは、か
しめ荷重をF、軸状部材1とコレット21との摩擦係数
をμとして、下式3を満足するように設定される。
【0043】
【数3】
【0044】なお、かしめ荷重Fに対抗する把持力Pと
しないのは、かしめの際にコレット21内の軸状部材1
の軸方向の移動を許容し、軸状部材1の把持部にキズ・
変形を発生させないためである。
【0045】次に、かしめ時において基板2にふらつき
を生じさせない把持方法についての構成例を、図12に
より説明する。
【0046】図12で一対の押さえローラー27a、2
7bは、前記図7に示したポンチ3と同様に軸受等によ
りかしめヘッド4に回転可能に保持されており、押さえ
ローラー27a、27bの先端部で基板2の上面を押圧
するように、ばね28により押さえローラー27a、2
7bの軸方向に付勢されている。ただし、軸方向の移動
量はストッパ用ナット29により規制されている。さら
に、かしめヘッド4に対する配置は、図12には図示さ
れていないが前記図7に示す一対のポンチ3も配置され
ており、前記図7に示すポンチ3と干渉しないように9
0度位相を変えて配置する。本構成によりかしめヘッド
4を回転させ、かつ下降させると、基板2を押さえロー
ラー27a、27bで押圧して基板2のふらつきを抑制
しつつ、ポンチ3によりかしめを行うことができる。下
降時のポンチ3による軸状部材1の変形分はばね28で
これを吸収する。
【0047】つぎに、基板2のかしめ部分の面ではな
く、基板2の取付け面などの機能的な基準面を把持・拘
束し、このような基板2に、軸状部材1を垂直にかしめ
る場合の実施例を図1により説明する。図中、前記各図
と同符号のものは同じものを示す。
【0048】軸状部材1が基板2の機能的基準面30に
対し直角度を必要とする場合に、かしめ時に機能的基準
面30の部分を基板保持具31a、31bで把持・拘束
するものである。基板2は、図1に示すように、平面で
なく折り曲げ部分があってもよい。この場合、軸状部材
1は基板2のかしめ部分の面に対しては、当然、垂直で
なくなるが、以上により、基板2の平面度、基板2の曲
げ精度が十分でなくても、機能的基準面30に対して、
かしめの直角度を確保することができる。
【0049】さらに、基板2の複数の取付け部品に共通
の任意部分を共通基準面とし、これを把持・拘束してこ
れに垂直に複数の軸状部材1、1´等のかしめを行う場
合の実施例を図13により説明する。複数の軸状部材
1、1´等のかしめにあたり、任意の共通基準面32を
前記図1の場合と同様に基板保持具31a、31bで把
持・拘束するものである。この共通基準面32に対して
の直角度が得られるから、複数の軸状部材1、1´相互
間の平行度が得られることになる。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、軸状部材の頭部に接
合強度を得るために必要な塑性変形である一次変形を与
え、かつ、軸状部材の他の部分特にフランジ部に塑性変
形である二次変形を与えないかしめ方法およびその荷重
の設定方法、これを可能にする荷重制御可能なかしめ装
置、これを可能にする軸状部材の設定、複数のかしめポ
ンチを有するかしめ装置により、軸状部材の変形を抑制
して基板との直角度を劣化させないという効果がある。
【0051】ついでさらに、軸状部材のコレット・チャ
ックによる把持および基板のローラーによる押圧により
軸状部材および基板を拘束することにより、そのふらつ
きによる精度を劣化させないという効果がある。
【0052】さらに、基板の機能的な基準面を把持・拘
束してのかしめにより、基板のかしめ面ではなくその基
準面に対する軸状部材の直角度を確保する効果、基板の
任意部分を共通基準面とし、これを把持・拘束してのか
しめにより、複数の軸状部材の平行度を確保する効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板の機能的な基準面を把持・拘束するかしめ
方法の説明図である。
【図2】かしめの必要荷重を求めるための説明図であ
る。
【図3】かしめ荷重の最適範囲を求めるための説明図で
ある。
【図4】軸状部材フランジ部の圧縮応力の説明図であ
る。
【図5】荷重の設定・制御可能なかしめ装置の実施例に
ついて説明図である。
【図6】高精度かしめに適した軸状部材の形状に関する
説明図である。
【図7】かしめポンチを複数個としたかしめ装置の説明
図である。
【図8】図7の動作原理を示す説明図である。
【図9】軸状部材の把持機構の説明図である。
【図10】図9のX−X断面図である。
【図11】図9の構成部品コレットの形状の説明図であ
る。
【図12】基板を押さえローラーで押圧しつつかしめを
行う装置の説明図である。
【図13】基板の任意部分を共通基準面とするかしめ方
法の説明図である。
【図14】従来のローリングかしめ法の説明図である。
【符号の説明】
1…軸状部材、1a…頭部、1b…フランジ部、1c…
軸部、2…基板、3…ポンチ、4…かしめヘッド、5…
下型、7…上下駆動用サーボモーター、12…ロードセ
ル、21…コレット、22…スライダー、27a,27
b…押さえローラー、30…機能的基準面、31a,3
1b…基板保持具、32…共通基準面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新家 達弥 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 太田 隆司 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 矢野 健 茨城県勝田市稲田1410番地 株式会社日立 製作所AV機器事業部内 (72)発明者 柴崎 靖夫 茨城県勝田市稲田1410番地 株式会社日立 製作所AV機器事業部内 (72)発明者 金子 弘 茨城県勝田市稲田1410番地 株式会社日立 製作所AV機器事業部内 (72)発明者 小河内 剛 茨城県勝田市稲田1410番地 株式会社日立 製作所AV機器事業部内 (72)発明者 坂本 博 茨城県勝田市稲田1410番地 株式会社日立 製作所AV機器事業部内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローリングかしめ法による軸状部材のか
    しめ方法において、軸状部材の頭部に接合強度を得るた
    めに必要な塑性変形(一次変形)を与え、かつ、軸状部
    材の他の部分特にフランジ部に塑性変形(二次変形)を
    与えないあるいはこれを小とすることを特徴とする軸状
    部材のかしめ方法。
  2. 【請求項2】 ローリングかしめ法による軸状部材のか
    しめ方法において、ポンチと軸状部材との接触面積およ
    び軸状部材を塑性変形しうる圧縮応力よりかしめ荷重の
    最小値を求め、軸荷重成分とモーメント成分より生ずる
    軸状部材のフランジ部の圧縮応力がその弾性限または降
    伏点以下となる荷重よりその最大値を求め、該最大値よ
    り前記最小値までの範囲内にて設定したかしめ荷重によ
    りかしめることを特徴とする軸状部材のかしめ方法。
  3. 【請求項3】 ローリングかしめ法による軸状部材のか
    しめ装置において、かしめヘッド、かしめ荷重・位置制
    御用サーボモーター、かしめヘッド駆動用ねじ送り機
    構、かしめ荷重・かしめ位置を予め設定可能なサーボモ
    ーター制御部より構成されることを特徴とする軸状部材
    のかしめ装置。
  4. 【請求項4】 頭部径が主軸径より小で、フランジ部の
    径が請求項2記載のかしめ荷重が存在する形状からなる
    ことを特徴とするかしめ用の軸状部材。
  5. 【請求項5】 頭部径が主軸径より大で基板との接合用
    フランジ部を有し、頭部径と主軸径の差部分に対する圧
    縮応力について、請求項2記載の設定方法によるかしめ
    荷重が存在する形状からなることを特徴とするかしめ用
    の軸状部材。
  6. 【請求項6】 ローリングかしめ法による軸状部材のか
    しめ装置において、かしめヘッドの軸心に45度の傾斜
    し、軸対称の位置に複数のポンチを装着したことを特徴
    とする軸状部材のかしめ装置。
  7. 【請求項7】 ローリングかしめ法による軸状部材のか
    しめ装置において、軸状部材の把持用として、軸状部材
    の軸方向の移動を許容するコレット・チャックを用いた
    ことを特徴とする軸状部材のかしめ装置。
  8. 【請求項8】 ローリングかしめ法による軸状部材のか
    しめ装置において、かしめヘッドの軸心に45度の傾斜
    し、軸対称の位置に複数の基板押圧用ローラーを装着し
    たことを特徴とする軸状部材のかしめ装置。
  9. 【請求項9】 ローリングかしめ法による軸状部材のか
    しめ装置において、基板のかしめ面ではない基準面に対
    する把持・拘束手段を有することを特徴とする軸状部材
    のかしめ装置。
  10. 【請求項10】 ローリングかしめ法による軸状部材の
    かしめ方法において、基板の任意部分を共通基準面とし
    て把持・拘束し、これに垂直に複数の軸状部材のかしめ
    を順次行うことを特徴とする軸状部材のかしめ方法。
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