JPH07169130A - 複屈折プリズムとそれを用いた光ピックアップ装置 - Google Patents

複屈折プリズムとそれを用いた光ピックアップ装置

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JPH07169130A
JPH07169130A JP5316440A JP31644093A JPH07169130A JP H07169130 A JPH07169130 A JP H07169130A JP 5316440 A JP5316440 A JP 5316440A JP 31644093 A JP31644093 A JP 31644093A JP H07169130 A JPH07169130 A JP H07169130A
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light
prism
optical axis
birefringent prism
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Masaaki Sofue
雅章 祖父江
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単一プリズムで十分な成分光分離角が得られ
る複屈折プリズムを提供し、光ピックアップ装置を低コ
スト,小型化する。 【構成】 頂角θの複屈折プリズム10を構成する複屈
折性を有する光学媒体の光学軸を、プリズム10内にそ
の第1面11と第2面12との交わる稜13に平行に設
定した光学軸面14内におく。光磁気ディスクから反射
した信号光を、稜13と直交する平面(紙面)に沿っ
て、屈折後の光軸が光学軸面14にほぼ直交するような
入射角αで第1面11に入射させると、第2面12から
分離されたp,sの2成分光が射出されるが、それぞれ
の偏向角δp,δsの差である分離角Δδが最大になる
から、複屈折プリズム10は単一プリズムでありながら
十分な分離角Δδが得られる。従って、複屈折プリズム
10を用いた光ピックアップ装置は低コストで小型に出
来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光磁気記録再生装置
の光ピックアップ装置に用いられる複屈折プリズムと、
その複屈折プリズムを用いた光ピックアップ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、光磁気ディスク装置等の光磁気
記録再生装置の光ピックアップ装置は、光磁気記録媒体
例えば光磁気ディスク(以下「記録媒体」又は「光ディ
スク」という)上の約1.6μm間隔で並ぶ溝に、対物
レンズによりレーザ光を直径約1μmのスポットに絞っ
て照射し、情報の記録,再生又は消去を行う。
【0003】そのため、記録媒体と対物レンズの間は1
μm程度の精度で約4mmの間隔を保ちながら、約1.
6μm間隔の情報記録溝すなわちトラックの中心線付近
に約0.1μmの精度でレーザ光のスポットを照射する
必要がある。
【0004】しかるに、光ディスクは処理速度を高める
ために毎分数千回転の高速で回転しているから、光ディ
スクの面振れや芯振れ等によってトラックの位置変化が
絶えず高速で発生している。従って、対物レンズを光軸
方向に制御するフォーカシング制御及びスポット位置を
ディスクの半径方向に制御するトラッキング制御を、ト
ラックの位置を検出しながら行っている。
【0005】消去やオーバライト可能な光磁気記録再生
は、光ディスクの磁性膜に垂直に着磁させて記録し、そ
の垂直磁気記録された信号(情報)は、直線偏光のレー
ザ光を集光して光ディスク面上にスポットを形成し、残
留磁場の方向に応じて偏光面が左右に旋回(磁気的カー
効果)することにより楕円偏光になって反射する信号光
をp成分とs成分とに分離し、それらの光量の割合の変
化を検出して再生される。
【0006】信号光をp成分とs成分とに分離するため
に、従来は入射角45°においてp成分透過率とs成分
反射率がそれぞれほぼ1である偏光蒸着膜を2個の直角
プリズム又は直角プリズムと菱形プリズムの各斜面の間
に接着封止した偏光ビームスプリッタや、特開平5−2
66501号公報に示されたような単板ビームスプリッ
タ、或いはウォラストンプリズム(以下「Wプリズム」
という)等が用いられていた。
【0007】また、残留磁場の強さに応じた偏光面の旋
回角が小さい場合でも確実に信号を検出するために、信
号光の偏光面と偏光ビームスプリッタ又はWプリズムの
偏光面とを互いに45°傾け、偏光ビームスプリッタに
よる透過光と反射光、又はWプリズムによる分離光の光
量を比較する方法が用いられている。
【0008】そのため、図7の(A)に示すように、W
プリズム41に入射する前の光路中に1/2波長板40
を挿入して信号光の偏光面を45°旋回させるか、同図
の(B)や実開平1−133229号公報,特開平5−
266501号公報に示されたように、Wプリズム42
又は偏光ビームスプリッタの偏光面を信号光の偏光面に
対して45°に設定する等の提案があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、偏光蒸
着膜を2個のプリズムの間に接着封止した偏光ビームス
プリッタや、複屈折性を有する光学媒体からなる2個の
プリズムをその光学軸を直交させて接着したW(ウォラ
ストン)プリズムは、計4面を光学研磨した2個のプリ
ズムを接着して作られるためコストが極めて高いという
問題があった。
【0010】また、単板偏光ビームスプリッタはそれ自
体のコストが安いメリットはあるが、信号光の偏光面に
対して45°傾けると偏光ビームスプリッタによる反射
光が、他の光学部品の配置面に対して斜めに傾くため光
ピックアップ装置が薄く出来ず、薄くするためには1/
2波長板が不可欠になる。
【0011】さらに、単板又は貼合わせプリズムからな
る偏光ビームスプリッタは、それによる反射光と透過光
とのなす角が開き過ぎるため、1個の分割受光素子が使
用出来ず、2個の受光素子が必要になり、コストを押し
上げるという問題があった。
【0012】あるいは、Wプリズムのように信号光を光
軸に対して互いに反対方向に分離し、1個の分割受光素
子で受光するタイプのものは、その2成分光のなす角す
なわち成分光分離角が小さいと、確実に分離して受光す
るために長い光路長が必要になり、光ピックアップ装置
が小さくならないという問題もあった。
【0013】この発明は上記の点に鑑みてなされたもの
であり、貼合わせのない単一プリズムであって十分な成
分光分離角が得られる複屈折プリズムを提供し、その複
屈折プリズムを用いることにより光ピックアップ装置を
低コストで小型にすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、光磁気記録再生装置の光ピックアップ装
置に用いられて、偏光されたレーザ光が光磁気記録媒体
により反射された信号光を偏光面が互いに直交する2つ
の成分光に分離する複屈折プリズムにおいて、該複屈折
プリズムを互いに交わる第1面と第2面とを備えた複屈
折性を有する光学媒体により形成し、その複屈折性を有
する光学媒体の光学軸を、光学媒体の第1面と第2面と
が形成する稜に垂直な面に沿って入射する信号光が光学
媒体内を透過する時の光軸にほぼ垂直な光学軸面内にお
いたものである。
【0015】上記の複屈折プリズムにおいて、光学媒体
の光学軸の方向を、光学媒体の第1面と光学軸面とが形
成する稜と平行に又は直交させるとよい。
【0016】あるいは、光学媒体の光学軸の方向を、光
学媒体の第1面と光学軸面とが形成する稜に対して45
°傾けてもよい。
【0017】さらに、上記の複屈折プリズムを用いた光
磁気記録再生装置の光ピックアップ装置であって、平行
光束をなす入射光である偏光されたレーザ光が対物レン
ズによって光磁気記録媒体の記録面にスポットを形成し
て反射され、対物レンズによって再び平行光束になった
反射光を入射光と分離して信号光とする光束分離手段
と、該光束分離手段によって分離された信号光を複屈折
プリズムの第1面に入射し、該複屈折プリズムの第2面
から射出される互いに分離された2つの成分光を集光し
て2個のスポットを形成する1個の集光レンズと、該集
光レンズによって形成された2個のスポットをそれぞれ
受光して電気信号に変換する受光素子とを設けた光ピッ
クアップ装置を提供する。
【0018】
【作用】上記のように構成した複屈折プリズムは、貼合
わせのない単一プリズムであるからコストが安くなり、
さらに光学媒体の第1面と第2面とが形成する稜に垂直
な面に沿って入射する信号光が光学媒体内を透過する時
の光軸にほぼ垂直な光学軸面内に、複屈折性を有する光
学媒体の光学軸があるため、光学軸が光学軸面内でいず
れの方向に向いていても成分光分離角が最大になるか
ら、十分な成分光分離角が得られる。
【0019】また、複屈折性を有する光学媒体の光学軸
が光学軸面内にあって、さらに光学媒体の第1面と光学
軸面とが形成する稜と平行又は直交する方向を向いてい
れば、1/2波長板と組合わせて使用することが出来
る。
【0020】あるいは、複屈折性を有する光学媒体の光
学軸が光学軸面内にあって、さらに光学媒体の第1面と
光学軸面とが形成する稜に対して45°の傾きをなす方
向を向いていれば、1/2波長板を除いて使用すること
が出来る。
【0021】上記のような複屈折プリズムを用いた光磁
気記録再生装置の光ピックアップ装置であって、光束分
離手段は偏光されたレーザ光の平行光束が対物レンズに
よって光磁気記録媒体の記録面にスポットを形成し、反
射されて再び平行光束になった反射光を入射光と分離し
て信号光とする。その信号光が複屈折プリズムにより十
分な成分光分離角で、偏光面が互いに直交する2成分光
に分離された後、集光レンズが集光して2個のスポット
を形成する。受光素子は2個のスポットをそれぞれ受光
して電気信号に変換するから、2つの電気信号のレベル
を比較することにより記録された信号が再生される。
【0022】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を参照して
具体的に説明する。一般に、水晶や方解石のような結晶
からなる「複屈折性を有する一軸性光学媒体」(以下単
に「光学媒体」ともいう)は、その光学軸の方向と、光
学媒体を透過する光の進行方向(光の波面の法線方向)
及び偏光方向とによって屈折率が複雑に変化する特性を
持っている。
【0023】図3は、上記のような光学媒体の屈折率が
方向によって変化する状態を示すフレネルの楕円体式に
よって表わされる屈折率楕円体の一例を示す斜視図であ
る。図3に示した屈折率楕円体1の中心Oを通るその長
径(最も長い動径)が、その光学媒体の光学軸2であ
る。
【0024】屈折率楕円体1の中心Oをそれぞれ通る光
の進行方向3と、進行方向3に垂直な平面すなわち光の
波面(波面が平面でない時はその接平面)4と、波面4
による屈折率楕円体の断面5において、進行方向3に直
交する断面5上で互いに直交する2個の動径OA,OB
の長さは、それぞれ偏光方向が動径方向と一致する偏光
の屈折率を示している。
【0025】したがって、進行方向3が光学軸2と直交
し、2個の動径OA,OBのうちのいずれかが光学軸2
と一致した時に、動径OA,OBの方向にそれぞれ一致
する偏光方向を有する2つの偏光成分に対する屈折率の
差が最大になることが分る。
【0026】W(ウォラストン)プリズムは、このよう
な特性を利用して光学軸が光の進行方向に直交し、かつ
互いに直交するように形成した2個の直角3角柱プリズ
ムの斜面を互いに接着したものであり、光に対して45
°の斜面を光が透過する正立方体型のWプリズムが多い
が、成分光分離角を大きくするために、図7に示したよ
うに光軸に対してなるべく傾けて斜面を設けた光軸方向
に長い4角柱型のWプリズムも少なくない。
【0027】図1は、この発明の一実施例である複屈折
プリズムと、その複屈折プリズムを透過することによっ
て偏向される信号光の光軸とを示す断面光路図である。
しかしながら、図1以降の図において、光路図等の一般
的な慣習に従って断面にハッチングは施さない。図1に
示した複屈折プリズム10は、以上説明したような光学
媒体を用いてなる3角柱型のプリズムであり、その稜は
欠損しないように面がとられている。
【0028】複屈折プリズム10の第1面11及び第2
面12は、それぞれ信号光の入射面及び射出面である。
第1面11と第2面12又はそれらの延長面の交線が稜
13であり、信号光はその稜13に垂直な(紙面と一致
する)面に沿って第1面11に入射して屈折され、第2
面12で再び屈折されて射出される。その信号光が複屈
折プリズム10内を透過する光軸にほぼ垂直な面、従っ
て紙面に垂直な面が、その面内に光学媒体の光学軸があ
る光学軸面14である。
【0029】また、第1面11と第2面12との交角が
この複屈折プリズム10の頂角θであり、信号光の入射
光軸と第1面11の法線とがなす角は入射角α、射出光
軸と第2面12の法線とがなす角は射出角β(βp又は
βs)であって、その入射光軸と射出光軸とがなす角は
信号光が複屈折プリズム10によって偏向された偏向角
δ(δp又はδs)である。
【0030】偏向角δはδ=α+β−θの関係、すなわ
ち入射角αと射出角βとの和から頂角θを引いた値の角
度として求めることが出来る。
【0031】図2は、図1に示した複屈折プリズム10
の第1乃至第3実施例を示すための、稜13を含む光学
軸面14に沿った複屈折プリズム10の断面図である。
図2の(A)は第1実施例を、同図の(B),(C)は
第2実施例を、同図の(D),(E)は第3実施例をそ
れぞれ示している。なお図2において、双方向に矢を付
した直線は光学軸2の方向を示すものである。
【0032】すなわち、図2の(A)に示した第1実施
例は、光学軸2が紙面と一致する光学軸面14上にあれ
ばよく、その方向は問題としない。何故ならば、光学軸
2を含む光学軸面14に対して信号光はほぼ垂直に入射
するから、屈折率楕円体1(図3)で説明したように、
偏光方向が光学軸2と平行又は直交する成分光の屈折率
はそれぞれ最大又は最小になる。したがって、光学媒体
の種類によって値は異なるが、第1実施例はその成分光
分離角が最大になる条件を備えた複屈折プリズムであ
る。
【0033】しかしながら、従来の技術の項で述べ、又
その理由は後述するように、信号光の偏光方向と複屈折
プリズムの光学軸とは互いに45°傾けておく必要があ
る。一般に、複屈折プリズムに入射する信号光の偏光方
向は光学系の配置面と平行か直交しているから、第1実
施例のように光学軸が任意な方向を向いていると、光学
軸を光学系の配置面と45°をなすように複屈折プリズ
ムを配設すると、その射出光の方向がどうなるか決らな
い恐れがある。
【0034】図2の(B)及び(C)に示した第2実施
例は、第1実施例の成分光分離角が最大になる条件を保
ちながら、第1面11と光学軸面14とが形成する稜と
一致する稜13に対して、光学軸2の方向を平行(B)
又は直交(C)させたものである。したがって、偏光方
向が光学系の配置面と平行か直交している信号光は、1
/2波長板を通して偏光方向を45°旋回させた後、第
2実施例の複屈折プリズムに入射させればよい。
【0035】図2の(D)及び(E)に示した第3実施
例は、第2実施例と同様に成分光分離角の最大条件を保
ちながら、光学軸2の方向を稜13に対して45°傾け
たものである。この第3実施例は、偏光方向が光学系の
配置面と平行か直交している信号光を、そのまま(1/
2波長板を通さずに)入射させることが出来るから、第
2実施例よりコストの安い光ピックアップ装置を構成す
ることが出来る。
【0036】図1において、光学軸面14を表わす線上
の、黒点を丸で囲んだ記号は光学軸2が紙面に垂直であ
ることを示す記号である。すなわち、図1に示した複屈
折プリズムは、図2の(B)に示した第2実施例の複屈
折プリズムである。したがって、第1面11に入射した
偏光方向が紙面に45°傾いた信号光のそれぞれ偏光方
向が紙面に平行又は垂直な2成分光は、互いに屈折率が
異なる。
【0037】したがって、2成分光すなわち光軸に直角
な短線を付して示すp成分光(常光線)と、黒点を付し
て示すs成分光(異常光線)とでは、入射角αは同じで
も屈折角に差が生じて、複屈折プリズム内部で既に光軸
が互いに開き、第2面12上の僅かに異なる射出点から
異なる射出角βp,βsで射出されるから、偏向角δも
それぞれδp,δsと異なる。この偏向角の差Δδが成
分光分離角である。
【0038】このように2成分光の光軸は、複屈折プリ
ズムの内部で僅かながら互いに開いているから、正確に
いえば光学軸面14をプリズム内の光軸に直交させる、
或いはプリズム内で光軸が光学軸面14に直交するよう
に入射させることは出来ないが、例えば2本の光軸の交
角の2等分線と光学軸面14とを直交させることは可能
である。
【0039】さらに、プリズム内の光軸が光学軸面14
の法線に対して多少の誤差があっても、成分光分離角の
変化は誤差角のコサインにほぼ比例するから、光軸と光
学軸面とがほぼ直交していればよく、2本の光軸の開き
は問題にならない。
【0040】図4は、以上説明したこの発明による複屈
折プリズムを用いた光磁気記録再生装置の光ピックアッ
プ装置の一実施例を示す構成図である。図4に示した光
ピックアップ装置20は、レーザダイオード21,カッ
プリングレンズ22からなる光源部と、対物レンズ23
からなるトレース部と、光束分離手段である偏光ビーム
スプリッタ24と、1/2波長板25,複屈折プリズム
26,集光レンズ27,受光素子28からなる信号検出
部と、集光レンズ30,ナイフエッジプリズム31及び
受光素子32,33からなるサーボ系検出部とにより構
成されている。
【0041】それぞれ光源部を構成するレーザダイオー
ド21から発散光束として出力される直線偏光レーザ光
は、カップリングレンズ22により平行光束になって偏
光ビームスプリッタ24に入射する。偏光ビームスプリ
ッタ24は、貼合せ面にそれぞれ偏光膜24aとハーフ
ミラー24bとを設けた菱形プリズムと2個の直角プリ
ズムとの貼合せプリズムである。偏光ビームスプリッタ
24に入射した平行光束は偏光膜24aにより反射光と
透過光とに2分される。
【0042】トレース部は図示しない反射部材と対物レ
ンズ23とが一体になって構成され、偏光ビームスプリ
ッタ24の透過光の光軸に沿って、実際は紙面と平行に
設けられた光磁気記録媒体である光(磁気)ディスク1
8の半径方向に移動し、反射部材の反射によって入射す
る平行光束を光ディスク18に垂直に変換したのち、対
物レンズ23により検出すべき信号トラック上にスポッ
トを形成する。
【0043】信号トラックに垂直記録された磁場の方向
に応じて偏光面が左右に旋回されたスポットからの反射
光は、対物レンズ23により再び平行光束に変換され、
反射部材により直角に反射されて入射ビームと同じパス
を逆行し、偏光ビームスプリッタ24に戻る。偏光ビー
ムスプリッタ24に入射した反射光は偏光膜24aで反
射し、入射光と分離されて信号光になった後、ハーフミ
ラー24bで2分される。
【0044】反射された信号光はサーボ系検出部に入射
し、集光レンズ30により集光されて収斂光になり、光
軸上にナイフエッジ31aを配置したナイフエッジプリ
ズム31により2分され、その右側を通過する右半分の
光束はそのままフォーカシングサーボ系の受光素子32
に入射し、左半分の光束はナイフエッジプリズム31の
ミラー面31bにより反射されてトラッキングサーボ系
の受光素子33に入射する。
【0045】サーボ系検出部の受光素子32,33によ
り変換された電気信号は、それぞれ処理されて対物レン
ズ23を光軸方向に移動させるフォーカシングサーボ機
構と、対物レンズ23と図示しない反射部材とが一体に
なって構成されたトレース部を光ディスク18の半径方
向に駆動するトラッキングサーボ機構とを制御するナイ
フエッジ法は、既によく知られている説明を省略する。
【0046】偏光ビームスプリッタ24のハーフミラー
24bを透過した信号光は、1/2波長板25を透過す
る時にその偏光面が45°旋回され図4の紙面に対して
45°傾いた状態で、複屈折プリズム26の第1面に予
め設定された入射角αで入射するから、第2面から成分
光分離角Δδだけ互いに開いたp成分光とs成分光の2
成分光に分離されて射出される。
【0047】なお、この複屈折プリズム26は、図1及
び図2の(B)に示した第2実施例を使用したものであ
り、その光学軸はプリズムの稜と平行すなわち紙面に垂
直になっている。同じ第2実施例である図2の(C)に
示した光学軸が稜と垂直すなわち紙面に平行になってい
るものを使用しても成分光分離角Δδは変らず、いずれ
も1/2波長板25と共に使用される。
【0048】複屈折プリズム26の第2面から射出され
たp,sの2成分光は、集光レンズ27により集光され
受光素子28の受光面上に2個のスポットとして結像す
る。受光素子28の受光面は2分割され、分割されたそ
れぞれの受光面にp成分光とs成分光のスポットが形成
されるから、互いに独立して入射光量に応じた電気信号
に変換される。その電気信号の大小を比較することによ
り、光ディスク18に記録された「0」か「1」かの信
号を読取る。
【0049】もし、複屈折プリズム26として、図2の
(D)又は(E)に示した第3実施例、すなわち光学軸
が稜に対して45°、従って紙面に対して45°傾いた
複屈折プリズムを使用すれば、1/2波長板25を省略
出来、しかも成分光分離角Δδの変らない結果が得られ
るから、1/2波長板の分だけコストを下げることが出
来る。
【0050】このように、入射する信号光の偏光面と複
屈折プリズムの光学軸とを互いに45°傾ける理由は、
次の通りである。図5及び図6は、それぞれ偏光ビーム
スプリッタ24の偏光膜24aの偏光面及び複屈折プリ
ズム26の光学軸を基準として、横軸にp成分光、縦軸
にs成分光の各強度をとって示す信号光のベクトル線図
である。
【0051】図5の(A),(B),(C)はそれぞれ
光ディスク18の入射光,反射光及び偏光膜24aで反
射した信号光の一例を、図6の(A),(B),(C)
はデータが0及び1の場合のそれぞれ複屈折プリズム2
6に入射する信号光及び射出された2成分光の一例を示
している。
【0052】図5の(A)に示した入射光はs成分光の
みからなり、光ディスクに記録されたデータの0又は1
に応じて偏光面が僅かに正負に旋回し、同図の(B)に
示したように若干のp成分光を含んだ反射光になる。そ
の反射光が偏光膜24aで反射する時にp成分光は略1
00%反射するが、s成分光は例えば30%しか反射し
ないから光量としては減少するが、図5の(C)に示し
たように、その分だけ旋回角が大きくなった信号光にな
る。
【0053】図6の(A)に示したように、1/2波長
板25を透過した信号光は複屈折プリズム26の光学軸
に対して45°傾いて入射するから、射出されるs成分
光は同図の(B)に示したように、データが0の時は強
く、1の時は弱い。反対に、p成分光は同図の(C)に
示したように、データが0の時は弱く、1の時は強い。
したがって、s>pならばデータは0、s<pならばデ
ータは1として、記録された情報の再生信号が得られ
る。
【0054】図5の(C)に示したような信号光をその
ままp成分光,s成分光に分離すると、0及び1の場合
に、いずれの成分光の光量も変化しないから、電気信号
に変換しても区別して読取ることが出来ないが、図6に
示したように入射光の偏光面と複屈折プリズムの光学軸
を互いに45°傾ければ、p成分光,s成分光の光量の
比較で区別することが出来るから、信号光のレベルが変
動しても読み誤ることがない。
【0055】以上説明したように、この発明による複屈
折プリズムを用いた光ピックアップ装置は、光源部,ト
レース部,偏光ビームスプリッタ,信号検出部,サーボ
系検出部の各光軸がいずれも同一平面上にあるから、薄
く構成することが出来る。また、従来の偏光ビームスプ
リッタのように2成分光のなす角が大きくならないか
ら、1個の2分割受光素子で信号を検出することが可能
である。
【0056】さらに、2分割受光素子で検出する場合
に、成分光分離角Δδが小さすぎると集光レンズ27の
焦点距離を長くしなければならないが、この発明による
複屈折プリズムは単一プリズムでありながら十分な成分
光分離角Δδが得られるから、焦点距離の短かい集光レ
ンズ27が使用可能であり、光ピックアップ装置を小型
に構成することが出来る。
【0057】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明による複屈
折プリズムは、貼合せのない単一プリズムであるから、
コストが安くしかも十分な成分光分離角が得られる。ま
た、この複屈折プリズムを用いた光ピックアップ装置
は、低コストで薄く小型に構成出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である複屈折プリズムと、
その複屈折プリズムを透過する信号光の光軸を示す光路
図である。
【図2】図1に示した複屈折プリズムの、光学軸の方向
の例を示すための、光学軸面に沿った断面図である。
【図3】複屈折プリズムを構成する複屈折性を有する一
軸性光学媒体の屈折率楕円体を示す斜視図である。
【図4】図1に示した複屈折プリズムを用いた光磁気記
録再生装置の光ピックアップ装置の一実施例を示す構成
図である。
【図5】偏光ビームスプリッタの偏光膜の偏光面を基準
とした信号光のベクトル線図である。
【図6】複屈折プリズムの光学軸を基準とした信号光の
ベクトル線図である。
【図7】2成分光分離にウォラストンプリズムを用いた
従来例を示す図である。
【符号の説明】
2:光学軸 10,26:複屈折プリズム 11:(複屈折プリズムの)第1面 12:(複屈折プリズムの)第2面 13:(第1面と第2面の交わる)稜 14:光学軸面 18:光(磁気)ディスク(光磁気記録媒体) 20:光ピックアップ装置 23:対物レンズ 24:偏光ビームスプリッタ(光束分離手段) 27:集光レンズ 28:受光素子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光磁気記録再生装置の光ピックアップ装
    置に用いられて、偏光されたレーザ光が光磁気記録媒体
    により反射された信号光を、偏光面が互いに直交する2
    つの成分光に分離する複屈折プリズムにおいて、 該複屈折プリズムを互いに交わる第1面と第2面とを備
    えた複屈折性を有する光学媒体により形成し、 前記複屈折性を有する光学媒体の光学軸が、該光学媒体
    の第1面と第2面とが形成する稜に垂直な面に沿って入
    射する前記信号光が前記光学媒体内を透過する時の光軸
    にほぼ垂直な光学軸面内にあることを特徴とする複屈折
    プリズム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の複屈折プリズムにおい
    て、 前記光学媒体の光学軸の方向が、該光学媒体の第1面と
    前記光学軸面とが形成する稜と平行又は直交することを
    特徴とする複屈折プリズム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の複屈折プリズムにおい
    て、 前記光学媒体の光学軸の方向が、該光学媒体の第1面と
    前記光学軸面とが形成する稜に対して45°の傾きをな
    していることを特徴とする複屈折プリズム。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    複屈折プリズムを用いた光磁気記録再生装置の光ピック
    アップ装置であって、 平行光束をなす入射光である前記偏光されたレーザ光が
    対物レンズによって前記光磁気記録媒体の記録面にスポ
    ットを形成して反射され、前記対物レンズによって再び
    平行光束になった反射光を前記入射光と分離して前記信
    号光とする光束分離手段と、 該光束分離手段によって分離された信号光を前記複屈折
    プリズムの第1面に入射し、該複屈折プリズムの第2面
    から射出される互いに分離された2つの成分光を集光し
    て2個のスポットを形成する1個の集光レンズと、 該集光レンズによって形成された2個のスポットをそれ
    ぞれ受光して電気信号に変換する受光素子とを設けたこ
    とを特徴とする光ピックアップ装置。
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