JPH07167080A - 燃料ポンプ装置 - Google Patents

燃料ポンプ装置

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Publication number
JPH07167080A
JPH07167080A JP5312298A JP31229893A JPH07167080A JP H07167080 A JPH07167080 A JP H07167080A JP 5312298 A JP5312298 A JP 5312298A JP 31229893 A JP31229893 A JP 31229893A JP H07167080 A JPH07167080 A JP H07167080A
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JP
Japan
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impeller
groove
pressure
blades
fuel
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JP5312298A
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English (en)
Inventor
Tatsushi Nakano
達志 中野
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はインペラを用いて燃料の圧送付勢を行
うインペラ型の燃料ポンプ装置に関し、インペラ音の発
生を抑制することを目的とする。 【構成】外周部に溝部14cを形成することにより複数
のインペラ羽根が形成されてなるインペラ14と、この
インペラ14を回転駆動するモータ本体23と、上記イ
ンペラ羽根と対向形成されておりインペラ14の回転に
伴い流入する燃料の圧力を高めるポンプ室31,32が
形成されてなるハウジング17,21とを具備する燃料
ポンプ装置において、上記インペラ14の外周部に二重
の溝部14c-1, 14c-2を形成するこにより第1及び
第2のインペラ羽根14a,14bを形成し、かつ、こ
の第1のインペラ羽根14aと該第2のインペラ羽根1
4bとが互い違いとなるよう配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料ポンプ装置に係り、
特にインペラを用いて燃料の圧送付勢を行うインペラ型
の燃料ポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料ポンプ装置として、燃料タンクに内
蔵され、インペラ(羽根溝車)で燃料を圧送する構成と
したいわゆるインペラ型の燃料ポンプ装置が知られてい
る。このインペラ型の燃料ポンプ装置は、大略するとモ
ータ部とタービン式ポンプ部とにより構成されており、
燃料の供給を円滑に行うためのチェックバルブ,リリー
フバルブ,及びフィルタ等も合わせて組み込まれた構造
とされている。
【0003】タービン式ポンプ部は、上記モータにより
回転駆動されるインペラと、燃料の圧力を高めるポンプ
室を有するポンプハウジングと、ポンプハウジングにイ
ンペラを装着した状態でポンプハウジングを閉蓋するポ
ンプカバーとにより構成されている。
【0004】そして、モータの回転と共にインペラが回
転すると、インペラの外周部分に形成されているインペ
ラ羽根がその前後で流体摩擦の作用により圧力差が生じ
る。この圧力差が繰り返し発生することにより、ポンプ
室内部に渦流が発生しポンプ室内の燃料の圧力が昇圧さ
れ、これにより燃料ポンプ装置より燃料が圧送される構
成とされている。
【0005】ところが、上記構成の燃料ポンプ装置で
は、〔インペラのインペラ羽根の数〕×〔1秒当たりの
回転数〕で表される周波数を持つ高周波音(いわゆるイ
ンペラ音)が発生することが知られている。近年のよう
に車室内の静粛性の向上に伴い、このインペラ音が車室
内の騒音に占める割合が相対的に大きくなり、インペラ
音に対する消音対策の必要性が高くなってきている。
【0006】そこで、インペラ音に対する消音対策を行
った燃料ポンプ装置として、例えば実開平2−1031
94号公報に開示された燃料ポンプ装置が知られてい
る。
【0007】同公報に開示された燃料ポンプ装置は、図
9(A),(B)に示すように、消音対策としてインペ
ラ1の外周部に形成されるインペラ羽根2をインペラ1
の上下両面に夫々形成し、かつ上下のインペラ羽根2,
3が交互に配設した構成としている。
【0008】また、他の消音構造として、インペラ音が
燃料流が急激にインペラ羽根により剪断されることによ
り発生する圧力波に起因するとの推定の下に、図10に
示すようにポンプ室4のインペラ羽根2,3(同図では
インペラ羽根2)と交差するする部分に面取り部5を形
成し、これにより剪断力を弱めインペラ音を消音する構
成が開示されている。
【0009】尚、図9及び図10において、梨地で示す
6はインペラ羽根2,3を構成するためインペラ1に形
成された溝部である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにインペラ
音はインペラ羽根とポンプ室の壁面との間で燃料が剪断
されることにより発生する。このため、図9に示すイン
ペラ羽根2,3をインペラ1の上下で交互に形成した構
成では、インペラ1の上面とインペラ1の下面とで夫々
別個に燃料の剪断が発生し、上下の各面でインペラ音
(圧力波)が発生してしまう。また、このようにインペ
ラ1の上下各面で発生する圧力波は独立しており、相互
に干渉することはないため上下各面で発生する圧力波が
相殺されることはない。このため、インペラ羽根2,3
をインペラ1の上下で交互に形成してもインペラ音は消
音することはできない。
【0011】また、図10に示すポンプ室4のインペラ
羽根2,3と交差するする部分に面取り部5を形成した
構成では、剪断力が弱まることにより若干の消音効果は
奏するものの、燃料の圧送力とこの剪断力は相関関係に
あり、消音効果を充分に行うために面取り部5を大きく
形成し剪断力を弱めると燃料の圧送力が低下し、燃料噴
射に影響が生じ、また燃料噴射を適宜に行うのに必要な
圧送力を得ようとすると上記剪断力を強める必要があり
インペラ音が発生するという問題点があった。
【0012】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、インペラに第1及び第2のインペラ羽根を形成
し、各インペラ羽根で発生する圧力波が相殺されるよう
構成することにより、インペラ音の発生を抑制した燃料
ポンプ装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、下記の手段を講じたことを特徴とするも
のである。
【0014】請求項1の発明では、外周部に溝を形成す
ることにより複数のインペラ羽根が形成されてなるイン
ペラと、このインペラを回転駆動する回転駆動手段と、
上記インペラ羽根と対向形成されており、インペラの回
転に伴い流入する燃料の圧力を高めるポンプ室が形成さ
れてなるハウジングとを具備する燃料ポンプ装置におい
て、上記インペラの少なくとも片面外周部に二重の溝部
を形成するこにより第1及び第2のインペラ羽根を形成
し、かつ、この第1のインペラ羽根と該第2のインペラ
羽根とが互い違いとなるよう配設したことを特徴とする
ものである。
【0015】また、請求項2の発明では、外周部に溝を
形成することにより複数のインペラ羽根が形成されてな
るインペラと、上記インペラを回転駆動する回転駆動手
段と、上記インペラ羽根と対向形成されており、インペ
ラの回転に伴い流入する燃料の圧力を高めるポンプ室が
形成されてなるハウジングとを具備する燃料ポンプ装置
において、上記インペラの少なくとも片面外周部に半径
方向に対して斜めに延出する溝部を形成すると共に、こ
の溝部の上記斜めにする度合いを示すインペラの外周部
から内周部へのずれX2 を、下式のように設定したこと
を特徴とするものである。
【0016】X2 =2×π×rIN×(m/n) 但し、rIN :インペラの中心点より溝部の内側位置ま
での径寸法 m :正の整数 n :インペラ羽根の羽根数
【0017】
【作用】上記の各手段は下記のように作用する。
【0018】請求項1の発明によれば、第1のインペラ
羽根及び該第2のインペラ羽根はインペラの同一面に形
成されているため、第1のインペラ羽根で発生する圧力
波と第2のインペラ羽根で発生する圧力波は相互に干渉
し合う。かつ、第1のインペラ羽根と該第2のインペラ
羽根は互い違いに形成されているため、第1のインペラ
羽根で発生する圧力波と第2のインペラ羽根で発生する
圧力波は互いに逆位相となっている。
【0019】このため、第1のインペラ羽根で発生する
圧力波と第2のインペラ羽根で発生する圧力波は互いに
相殺され、インペラ音の低減を図ることができる。
【0020】また、請求項2の発明によれば、インペラ
の少なくとも片面外周部に半径方向に対して斜めに延出
する溝部を形成すると共に、この溝部の上記斜めにする
度合いを示すインペラの外周部から内周部へのずれX2
を、 X2 =2×π×rIN×(m/n) 但し、rIN :インペラの中心点より溝部の内周位置ま
での径寸法 m :正の整数 n :インペラ羽根の羽根数 と設定することにより、インペラの外周側で発生する圧
力波(外周側圧力波)と内周側で発生する圧力波(内周
側圧力波)を逆位相とすることができ、外周側圧力波と
内周側圧力波は互いに相殺され、インペラ音の低減を図
ることができる。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。
【0022】図2は本発明の第1実施例である燃料ポン
プ装置10を示す縦断面図である。同図に示す燃料ポン
プ装置10はインペラ型の燃料ポンプ装置であり、大略
するとタービン式ポンプ部11とモータ本体23とによ
り構成されている。以下、各構成について詳述する。
【0023】図2において、14は本発明の要部となる
合成樹脂製のインペラであり、外周部に多数の溝部14
cを形成することにより第1及び第2のインペラ羽根1
4a,14bが形成された、いわゆる閉羽根型式の再生
ポンプインペラである。この第1及び第2のインペラ羽
根14a,14bは、本実施例においてはインペラ14
の両側面に夫々形成されている。
【0024】ここでインペラ14を図1に拡大して示
す。同図に示されるように、溝部14cは最外周部に形
成された外側溝部14c-1と、それより内側に形成され
た内側溝部14c-2とにより構成されており、従って溝
部14cの存在により形成されるインペラ羽根も、最外
周部分に第1のインペラ羽根14aが、またその内側に
第2のインペラ羽根14bが形成された構成となる。ま
た、外側溝部14c-1と内側溝部14c-2とは相互に互
い違いとなるよう形成されているため、第1のインペラ
羽根14aと第2のインペラ羽根14bも相互に互い違
いの構成となる。尚、インペラ14を上記のような構成
としたことによる作用効果は説明の便宜上後述する。
【0025】再び図2に戻り説明を続ける。同図中、1
6はモータ本体23のモータ出力軸であり、インペラ1
4と接続されてインペラ14を回転駆動するよう設けら
れている。また、17はケーシングポンプであり、ポン
プ部11とモータ本体23を画成している。この、ケー
シングポンプ17にはモータ出力軸16の一端を軸承す
る軸受18及びポンプカバー凹部20が形成されてい
る。また、ケーシングポンプ17には、前記したインペ
ラ14を配設した状態でその開口部分を覆うカバーポン
プ21が取り付けられている。このカバーポンプ21に
は、モータ出力軸16がその内部に位置する凹部22、
及び燃料の吸引口25が形成されている。
【0026】ポンプハウジング24は筒状形状を有し、
その内部にポンプ部11及びモータ本体23が収納され
る。また、このポンプハウジング24はモータ本体23
のヨークとしても機能する。
【0027】また、ポンプハウジング24の図中右端部
にはモータ出力軸16の他端を軸承する軸受ケーシング
30が内設されている。この軸受ケーシング30はモー
タ出力軸16を軸承すると共に、後述するコネクタ29
及びチェックバルブ32が内設されている。この軸受ケ
ーシング30のチェックバルブ36の配設位置は、燃料
の圧送口33とされている。
【0028】モータ本体23は直流マグネットモータで
あり、界磁用のマグネット26,回転子27,アーマチ
ャコア28等により構成されている。このアーマチャコ
ア28には、軸受ケーシング30に形成されているコネ
クタ29を介して電力が供給され、回転子27が回転す
る構成とされている。この回転子27が回転することに
より、回転子27と一体的に設けられたモータ出力軸1
6も回転し、これによりインペラ14が回転駆動され
る。尚、12はチョークコイルを示している。
【0029】また、上記したケーシングポンプ17とイ
ンペラ14との間、及びカバーポンプ21とインペラ1
4との間であって、第1のインペラ羽根14aと対向す
る位置には第1のポンプ室31が形成されており、また
第2のインペラ羽根14bと対向する位置には第2のポ
ンプ室32が形成されている。この第1のポンプ室31
と第2のポンプ室32とは連通された構造とされてい
る。
【0030】そして、インペラ14の回転に伴い第2の
インペラ羽根14bが第2のポンプ室32内で回転する
と、第2のインペラ羽根14bと第2のポンプ室32と
の間に介在する燃料は昇圧され第1のポンプ室31内に
進入する。第1のポンプ室31内に進入した燃料は、第
1のインペラ羽根14aが第1のポンプ室31内で回転
することにより更に高圧となり、ケーシングポンプ17
に形成されている流出孔34を通りモータ本体23側に
圧送される。そして、モータ本体23側に圧送された燃
料はモータ本体23の外周部に形成された流路35を通
りチェックバルブ36に到り、圧送口33から燃料噴射
弁に向け圧送される。
【0031】続いて、上記構成の燃料ポンプ10におい
てインペラ14に第1及び第2のインペラ羽根14a,
14bを設けた作用効果について以下説明する。
【0032】前記したようにインペラ14は、最外周部
分に第1のインペラ羽根14aが形成されると共に、そ
の内側に第2のインペラ羽根14bが形成された構成と
されている。かつ、第1のインペラ羽根14aと第2の
インペラ羽根14bは相互に互い違いとなるよう構成さ
れている。
【0033】ここで、各インペラ羽根14a,14bが
夫々回転することにより発生する圧力変動を夫々独自に
見ると、図3に示されるように正弦波状の圧力変動とな
る。しかるに、本実施例においては第1のインペラ羽根
14aと第2のインペラ羽根14bは相互に互い違いと
なるよう構成されているため、発生する正弦波状の圧力
変動は位相がずれた圧力変動となる。これを図4
(a),(b)に示す。
【0034】同図に示されるように、第1のインペラ羽
根14aと第2のインペラ羽根14bを互い違いに配設
することにより、各インペラ羽根14a,14bで発生
する正弦波状の圧力変動は逆の位相となる。また、第1
のインペラ羽根14aと第2のインペラ羽根14bは共
にインペラ14の同一側の面に重ねて配設されているた
め、各インペラ羽根14a,14bが回転することによ
り発生する圧力変動は相互に干渉することとなる。
【0035】即ち、第2のインペラ羽根14bが回転す
ることにより圧力変動を有した燃料の昇圧が第2のポン
プ室32で行われ、この昇圧された燃料は第1のポンプ
室31に圧送される。そして、第1のポンプ室31では
第1のインペラ羽根14aが回転することにより圧力変
動を有した燃料の昇圧が行われる。上記のように、第2
のポンプ室32の昇圧時における圧力変動は、第1のポ
ンプ室31の昇圧時における圧力変動と逆位相であるた
め、各圧力変動は互いに相殺するように作用し、よって
第1のインペラ羽根14aの回転により発生する圧力変
動と第2のインペラ羽根14bの回転により発生する圧
力変動は相互に相殺され全体としての合成圧力変動は図
4(c)に示すように極めて小さなものとなる。
【0036】このようにポンプ部11で発生する圧力変
動は全体として小さくなるため、この圧力変動に起因し
て発生するインペラ音の低減を図ることができ、車室内
における静粛性の向上を図ることができる。
【0037】尚、上記した実施例においては、第1のイ
ンペラ羽根14aと第2のインペラ羽根14bをインペ
ラ14の両側面に形成した構成としたが、いずれか一方
の側面のみに形成した構成としても本願発明の効果を得
ることができる。但し、この場合においても、一方の側
面に第1のインペラ羽根14a及び第2のインペラ羽根
14bを共に形成しなければならないことは勿論であ
る。
【0038】また、上記した実施例においては、インペ
ラ14に第1のインペラ羽根14a及び第2のインペラ
羽根14bの2枚のインペラ羽根を形成したが、インペ
ラ羽根の形成枚数は、偶数枚であれば2枚以上形成して
も本願発明の効果を得ることができる。
【0039】図5は、本発明の第2実施例に用いられる
インペラ40を拡大して示す概略構成図である。
【0040】本実施例においてもインペラ40は、外周
部に多数の溝部41(梨地で示す)を形成することによ
り多数のインペラ羽根42が形成された、いわゆる閉羽
根型式の再生ポンプインペラである。このインペラ羽根
42もインペラ40の両側面に夫々形成されている。
【0041】ここでインペラ14に形成されたインペラ
羽根42の形状に注目する。本実施例に係るインペラ1
4は、溝部41が半径方向に対して斜めに延在するよう
形成されており、これに伴いインペラ羽根42もインペ
ラ14の半径方向に対して斜めに延在する形状とされて
いることを特徴とする。以下、インペラ羽根42を上記
構成とした理由について説明する。
【0042】いま、インペラ40の周方向に対する空間
周波数スペクトル(インペラの形状をフーリエ変換した
もの)を考える。
【0043】図9に示した従来のインペラ1で発生する
圧力波の空間パワースペクトルを考察すると、図6に示
すように空間パワースペクトルのピークはインペラ1の
整数次数成分のみに現れる。これは、複数のインペラ羽
根2,3が従来ではインペラ1の半径方向に沿った直線
状の形状をしており、この直線状の各インペラ羽根2,
3が燃料流を急激に剪断することにより、この剪断の瞬
間に圧力波が発生し、これが空間パワースペクトルのピ
ークとなって現れるものと推定される。この空間パワー
スペクトルにインペラ回転数(インペラ回転速度)及び
伝達関数を乗算した値が圧力波の圧力変動となる。従っ
て、上記事項より圧力変動の一次成分を低減するには、
インペラ1の上記空間パワースペクトルの一次成分を低
下させれば良いことが判る。
【0044】そこで、インペラ1の空間パワースペクト
ルY(ω)を求める。いま、インペラに形成されるイン
ペラ羽根のインペラの中心を基点とした範囲角度をθ,
インペラ羽根の高さをh(θ,r),インペラ中心から
インペラ羽根までの距離をr(インペラの中心点より溝
部の外周位置までの径寸法をrOUT ,インペラの中心点
より溝部の内周位置までの径寸法rINとする)とし、F
を空間におけるフーリエ変換とする。すると、空間パワ
ースペクトルY(ω)は下式のように示すことができ
る。
【0045】
【数1】
【0046】従って、インペラの空間パワースペクトル
の一次成分を低下させるには、Y(ω)=0となるh
(θ,r)を求めるとよい。この条件を満たすインペラ
羽根の形状として、図5に示されるようなインペラ14
の半径方向に対して斜めに延在する形状が考えられる。
【0047】また、斜めにする度合いは、いま溝部41
の斜めにする度合いを示すためにインペラ14の外周部
から内周部へのずれをX2 とすると、このずれX2 を下
式のように設定すればよい(図8(A)参照)。
【0048】X2 =2×π×rIN×(m/n) … 但し、rIN :インペラの中心点より溝部の内周位置ま
での径寸法 m :正の整数 n :インペラ羽根の羽根数 上記構成とすることにより、インペラの外周側で発生す
る圧力波(外周側圧力波)と内周側で発生する圧力波
(内周側圧力波)を逆位相とすることができ、外周側圧
力波と内周側圧力波は互いに相殺され、インペラ音の低
減を図ることができる。
【0049】尚、上記した第2実施例に係るインペラの
構造と異なる構造ではあるが同様の効果を実現できるも
のとして、例えば図8(B),(C)に示されるインペ
ラ40が考えられる。
【0050】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、第1のイン
ペラ羽根及び該第2のインペラ羽根はインペラの同一面
に形成されているため第1のインペラ羽根で発生する圧
力波と第2のインペラ羽根で発生する圧力波は相互に干
渉し合い、かつ第1のインペラ羽根と該第2のインペラ
羽根は互い違いに形成されているため第1のインペラ羽
根で発生する圧力波と第2のインペラ羽根で発生する圧
力波は互いに逆位相となるため、第1のインペラ羽根で
発生する圧力波と第2のインペラ羽根で発生する圧力波
は互いに相殺され、よってインペラ音の低減を図ること
ができる等の特長を有する。
【0051】また、請求項2の発明によれば、インペラ
の少なくとも片面外周部に半径方向に対して斜めに延出
する溝部を形成すると共に、この溝部の上記斜めにする
度合いを示すインペラの外周部から内周部へのずれX2
を、 X2 =2×π×rIN×(m/n) 但し、rIN :インペラの中心点より溝部の内周位置ま
での径寸法 m :正の整数 n :インペラ羽根の羽根数 と設定することにより、インペラの外周側で発生する圧
力波(外周側圧力波)と内周側で発生する圧力波(内周
側圧力波)を逆位相とすることができ、外周側圧力波と
内周側圧力波は互いに相殺され、インペラ音の低減を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である燃料ポンプ装置に取
付けられるインペラを拡大して示す図である。
【図2】本発明の第1実施例である燃料ポンプ装置の縦
断面図である。
【図3】一つのインペラから発生する圧力変動を示す図
である。
【図4】本発明になる燃料ポンプ装置の効果を説明する
ための図である。
【図5】本発明の第2実施例である燃料ポンプ装置に取
付けられるインペラを拡大して示す図である。
【図6】空間パワースペクトルの求め方を示す図であ
る。
【図7】圧力変動パワースペクトルを示す図である。
【図8】本発明の原理を説明するための図である。
【図9】従来の燃料ポンプ装置に取付けられていたイン
ペラを拡大して示す図である。
【図10】従来の燃料ポンプ装置に取付けられていたイ
ンペラを拡大して示す図である。
【符号の説明】
10 燃料ポンプ 11 ポンプ部 14,40 インペラ 14a 第1のインペラ羽根 14b 第2のインペラ羽根 14c,41 溝部 14c-1 外側溝部 14c-2 内側溝部 16 モータ出力軸 17 ケーシングポンプ 23 モータ本体 24 ポンプハウジング 25 吸引口 26 マグネット 27 回転子 28 アーマチャコア 29 コネクタ 31 第1のポンプ室 32 第ふのポンプ室 33 圧送口 42 スペクトル羽根

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周部に溝を形成することにより複数の
    インペラ羽根が形成されてなるインペラと、 該インペラを回転駆動する回転駆動手段と、 該インペラ羽根と対向形成されており、該インペラの回
    転に伴い流入する燃料の圧力を高めるポンプ室が形成さ
    れてなるハウジングとを具備する燃料ポンプ装置におい
    て、 該インペラの少なくとも片面外周部に二重の溝部を形成
    するこにより第1及び第2のインペラ羽根を形成し、 かつ、該第1のインペラ羽根と該第2のインペラ羽根と
    が互い違いとなるよう配設したことを特徴とする燃料ポ
    ンプ装置。
  2. 【請求項2】 外周部に溝を形成することにより複数の
    インペラ羽根が形成されてなるインペラと、 該インペラを回転駆動する回転駆動手段と、 該インペラ羽根と対向形成されており、該インペラの回
    転に伴い流入する燃料の圧力を高めるポンプ室が形成さ
    れてなるハウジングとを具備する燃料ポンプ装置におい
    て、 該インペラの少なくとも片面外周部に半径方向に対して
    斜めに延出する溝部を形成すると共に、 該溝部の上記斜めにする度合いを示すインペラの外周部
    から内周部へのずれX 2 を、下式のように設定したこと
    を特徴とするものである。 X2 =2×π×rIN×(m/n) 但し、rIN :インペラの中心点より溝部の内周位置ま
    での径寸法 m :正の整数 n :インペラ羽根の羽根数
JP5312298A 1993-12-13 1993-12-13 燃料ポンプ装置 Pending JPH07167080A (ja)

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CN105782109A (zh) * 2016-03-06 2016-07-20 亿德机电科技(福建)有限公司 一种燃烧机专用泵旋涡叶轮

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