JPH07165462A - アルミナ−βサイアロン−YAG複合材 - Google Patents
アルミナ−βサイアロン−YAG複合材Info
- Publication number
- JPH07165462A JPH07165462A JP5312293A JP31229393A JPH07165462A JP H07165462 A JPH07165462 A JP H07165462A JP 5312293 A JP5312293 A JP 5312293A JP 31229393 A JP31229393 A JP 31229393A JP H07165462 A JPH07165462 A JP H07165462A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sialon
- alumina
- composite material
- beta
- yag
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高温における機械的特性の劣化がなく、耐食
性にも優れた高温構造材料としてのアルミナ−βサイア
ロン−YAG複合材の提供。 【構成】 α−Al2 O3 とβ−サイアロンとY3 Al
5 O12(YAG)の3相とからなる焼結・焼鈍複合材で
あって、α−Al2 O3 とβ−サイアロンとの両相が大
部分を占め、且つ、小部分のY3 Al5 O12の相がα−
Al2 O3 とβ−サイアロンとの両相の間の境界に位置
する。この複合材は、焼結後の加熱処理によって得ら
れ、Al2 O3 の含有量が40〜90重量%、β−サイ
アロンの含有量が10〜60重量%、さらにYAGの含
有量は10重量%以下であって、無視できる程度のガラ
ス質を含有する。β−サイアロンの固溶体率Zは4以
下、好ましくは2〜3.5の間にある。
性にも優れた高温構造材料としてのアルミナ−βサイア
ロン−YAG複合材の提供。 【構成】 α−Al2 O3 とβ−サイアロンとY3 Al
5 O12(YAG)の3相とからなる焼結・焼鈍複合材で
あって、α−Al2 O3 とβ−サイアロンとの両相が大
部分を占め、且つ、小部分のY3 Al5 O12の相がα−
Al2 O3 とβ−サイアロンとの両相の間の境界に位置
する。この複合材は、焼結後の加熱処理によって得ら
れ、Al2 O3 の含有量が40〜90重量%、β−サイ
アロンの含有量が10〜60重量%、さらにYAGの含
有量は10重量%以下であって、無視できる程度のガラ
ス質を含有する。β−サイアロンの固溶体率Zは4以
下、好ましくは2〜3.5の間にある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温構造材料として使
用される高温強度と破壊靱性及び耐食性に優れたアルミ
ナ−βサイアロン−YAG複合材に関する。
用される高温強度と破壊靱性及び耐食性に優れたアルミ
ナ−βサイアロン−YAG複合材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からセラミックスは耐熱性に優れ、
高温構造材料として利用されている。その中でも、常圧
焼結によって得られた窒化珪素セラミックスは高強度を
有しているために、とくに構造材として嘱望されてきた
が、窒化珪素セラミックスそのものは、室温強度は高い
ものの1000℃以上で強度の低下が著しいという欠点
がある。
高温構造材料として利用されている。その中でも、常圧
焼結によって得られた窒化珪素セラミックスは高強度を
有しているために、とくに構造材として嘱望されてきた
が、窒化珪素セラミックスそのものは、室温強度は高い
ものの1000℃以上で強度の低下が著しいという欠点
がある。
【0003】この窒化珪素セラミックスの欠点を解消す
るために窒化珪素とアルミナと窒化アルミニウムを反応
せしめて固溶体として複合化したβサイアロン(Si
6-Z AlZ OZ N8-Z (Z=0〜4)が知られている。
るために窒化珪素とアルミナと窒化アルミニウムを反応
せしめて固溶体として複合化したβサイアロン(Si
6-Z AlZ OZ N8-Z (Z=0〜4)が知られている。
【0004】このβサイアロン系セラミックスは、熱膨
張係数が小さく耐熱衝撃性に優れている上に、未反応の
窒化珪素とアルミナの量を調整することによって、熱膨
張率を調整して、金属や他種のセラミックスとの接合部
分に適合できるという利点がある。
張係数が小さく耐熱衝撃性に優れている上に、未反応の
窒化珪素とアルミナの量を調整することによって、熱膨
張率を調整して、金属や他種のセラミックスとの接合部
分に適合できるという利点がある。
【0005】このβサイアロン系セラミックスの特性の
均質性を改善するに、特開昭62−187174号公報
および特開平1−197357号公報には、βサイアロ
ン結晶の連続相とαアルミナ結晶の連続相とを3次元的
に絡み合わせ、さらに、βサイアロン結晶を15〜60
容積%に、αアルミナ結晶を40〜85容積%に規定し
た構造のβサイアロン−アルミナ系セラミックスが提案
されている。
均質性を改善するに、特開昭62−187174号公報
および特開平1−197357号公報には、βサイアロ
ン結晶の連続相とαアルミナ結晶の連続相とを3次元的
に絡み合わせ、さらに、βサイアロン結晶を15〜60
容積%に、αアルミナ結晶を40〜85容積%に規定し
た構造のβサイアロン−アルミナ系セラミックスが提案
されている。
【0006】一方、特開昭63−307166号公報に
は、この窒化珪素系セラミックスの焼結に際しての焼結
助剤添加物による高温強度低下の影響を低減するため
に、窒化珪素の結晶粒界に、Y5 N(SiO4 )3 , Y
10N2 (SiO4 )6 ,Y20N4 (SiO4 )12のよう
な六方晶形結晶を析出させたものが提案されている。
は、この窒化珪素系セラミックスの焼結に際しての焼結
助剤添加物による高温強度低下の影響を低減するため
に、窒化珪素の結晶粒界に、Y5 N(SiO4 )3 , Y
10N2 (SiO4 )6 ,Y20N4 (SiO4 )12のよう
な六方晶形結晶を析出させたものが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
の高温強度と高温靱性を改良したセラミックスは、例え
ばβサイアロン−アルミナ系セラミックスにおいては、
常圧焼結法により緻密化させる目的でスピネル,イット
リア等の金属酸化物が添加されている。これら成分はβ
サイアロン−アルミナ系セラミックス中で粒界ガラス相
を形成している為に、高温における強度低下を避けるこ
とが不可能である。
の高温強度と高温靱性を改良したセラミックスは、例え
ばβサイアロン−アルミナ系セラミックスにおいては、
常圧焼結法により緻密化させる目的でスピネル,イット
リア等の金属酸化物が添加されている。これら成分はβ
サイアロン−アルミナ系セラミックス中で粒界ガラス相
を形成している為に、高温における強度低下を避けるこ
とが不可能である。
【0008】また、窒化珪素系セラミックスにおいて、
結晶粒界相を結晶化させたものは高温における強度低下
を低減することは可能であるが、セラミックス組織を均
質化することが非常に難しく、主要結晶相であるSi3
N4 の高温における耐食性が劣るという点で改善の余
地、欠点を有する。
結晶粒界相を結晶化させたものは高温における強度低下
を低減することは可能であるが、セラミックス組織を均
質化することが非常に難しく、主要結晶相であるSi3
N4 の高温における耐食性が劣るという点で改善の余
地、欠点を有する。
【0009】本発明において解決すべき課題は、上記従
来の高温構造材用セラミックスの高温における機械的特
性の劣化或いは耐食性不良などの欠点を解消することに
あって、その目的は、高温における機械的特性の劣化が
なく、耐食性にも優れた高温構造材料としてのアルミナ
−βサイアロン−YAG複合材を提供することにある。
来の高温構造材用セラミックスの高温における機械的特
性の劣化或いは耐食性不良などの欠点を解消することに
あって、その目的は、高温における機械的特性の劣化が
なく、耐食性にも優れた高温構造材料としてのアルミナ
−βサイアロン−YAG複合材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】βサイアロンの固溶体化
率(Z値)と耐食性,耐熱衝撃性等との関係をみると、
Z値が高いほど耐食性は高く、耐熱衝撃性は低くなるこ
とがよ<言われている。
率(Z値)と耐食性,耐熱衝撃性等との関係をみると、
Z値が高いほど耐食性は高く、耐熱衝撃性は低くなるこ
とがよ<言われている。
【0011】次に、複合材料中のアルミナとβサイアロ
ンとの比率の影響を考えると、βサイアロンの比率が高
いほど耐熱衝撃性は高くなり、耐食性は低下する。
ンとの比率の影響を考えると、βサイアロンの比率が高
いほど耐熱衝撃性は高くなり、耐食性は低下する。
【0012】さらに、結晶粒界相の影響を考えると、粒
界相が結晶質であるほど、耐食性に優れ、かつ機械的特
性の高温における劣化の程度が低減される。
界相が結晶質であるほど、耐食性に優れ、かつ機械的特
性の高温における劣化の程度が低減される。
【0013】これらの考えをもとにして、緻密なアルミ
ナーβサイアロン系複合材料において、粒界ガラス相が
実質的に存在しない高温構造材料として優れた材料であ
るアルミナーβサイアロン−YAG複合材を完成するに
至った。
ナーβサイアロン系複合材料において、粒界ガラス相が
実質的に存在しない高温構造材料として優れた材料であ
るアルミナーβサイアロン−YAG複合材を完成するに
至った。
【0014】すなわち、本発明の焼結複合材は、α−A
l2 O3 とβ−サイアロンとY3 Al5 O12(YAG)
の3相とからなる焼結・焼鈍複合材であって、α−Al
2 O3 とβ−サイアロンとの両相が大部分を占め、且
つ、小部分のY3 Al5 O12の相がα−Al2 O3 とβ
−サイアロンとの両相の間の境界に位置することを特徴
とする。
l2 O3 とβ−サイアロンとY3 Al5 O12(YAG)
の3相とからなる焼結・焼鈍複合材であって、α−Al
2 O3 とβ−サイアロンとの両相が大部分を占め、且
つ、小部分のY3 Al5 O12の相がα−Al2 O3 とβ
−サイアロンとの両相の間の境界に位置することを特徴
とする。
【0015】このアルミナ−βサイアロン−YAG複合
材は、焼結後の加熱処理によって得られ、Al2 O3 の
含有量が40〜90重量%、β−サイアロンの含有量が
10〜60重量%、さらにYAGの含有量は10重量%
以下であって、無視できる程度のガラス質を含有する。
材は、焼結後の加熱処理によって得られ、Al2 O3 の
含有量が40〜90重量%、β−サイアロンの含有量が
10〜60重量%、さらにYAGの含有量は10重量%
以下であって、無視できる程度のガラス質を含有する。
【0016】β−サイアロンの固溶体率Zは4以下、好
ましくは2〜3.5の間にある。
ましくは2〜3.5の間にある。
【0017】本発明により得られる焼結複合材は、この
ようにアルミナ,イットリア等の金属酸化物成分を使用
して製造することができるために、無加圧状態の焼結に
よって、容易に相対密度90%以上の緻密な焼結材を得
ることができる。
ようにアルミナ,イットリア等の金属酸化物成分を使用
して製造することができるために、無加圧状態の焼結に
よって、容易に相対密度90%以上の緻密な焼結材を得
ることができる。
【0018】このアルミナ−βサイアロン−YAG複合
材は、α−Al2 O3 とβ−サイアロンとY3 Al5 O
12との混合粉末にY2 O3 とAl2 O3 とからなる焼結
助剤を添加して、或いは、窒化珪素と窒化アルミニウム
とアルミナとイットリアの各粉末を所定の割合で混合し
た混合粉体を高密度化した成形体を非加圧状態で不活性
雰囲気このましくは窒素雰囲気中で1500〜1750
℃に30分〜5時間加熱することによって得られる。
材は、α−Al2 O3 とβ−サイアロンとY3 Al5 O
12との混合粉末にY2 O3 とAl2 O3 とからなる焼結
助剤を添加して、或いは、窒化珪素と窒化アルミニウム
とアルミナとイットリアの各粉末を所定の割合で混合し
た混合粉体を高密度化した成形体を非加圧状態で不活性
雰囲気このましくは窒素雰囲気中で1500〜1750
℃に30分〜5時間加熱することによって得られる。
【0019】焼結後の焼鈍加熱は、結晶粒界のガラスを
YAGに変換するのに必要であって、1250℃〜14
50℃に5〜40時間、加熱することによって早期に結
晶化することができる。さらにYAGの含有量は10重
量%以下であって、焼結複合材の結晶粒界部は実質的に
ガラス質成分を含有していない。ここで、実質的に含有
していないとは、粒径0.5mm以下に粉砕した焼結材
を例えば500℃の溶融NaOH中で20hr熱処理し
た後の処理物、或いはHF−HNO3 混酸中で20hr
熱処理した後の処理物を定量分析して、焼結複合材を構
成している金属元素成分の検出濃度が1重量%未満であ
る場合を意味している。
YAGに変換するのに必要であって、1250℃〜14
50℃に5〜40時間、加熱することによって早期に結
晶化することができる。さらにYAGの含有量は10重
量%以下であって、焼結複合材の結晶粒界部は実質的に
ガラス質成分を含有していない。ここで、実質的に含有
していないとは、粒径0.5mm以下に粉砕した焼結材
を例えば500℃の溶融NaOH中で20hr熱処理し
た後の処理物、或いはHF−HNO3 混酸中で20hr
熱処理した後の処理物を定量分析して、焼結複合材を構
成している金属元素成分の検出濃度が1重量%未満であ
る場合を意味している。
【0020】
【作用】本発明により得られる焼結複合材は、結晶相と
してa−アルミナとβサイアロンとYAGとからなって
いる。結晶相がβサイアロンのみからなる緻密な焼結材
は、一般に焼結助剤として添加された金属酸化物等が結
晶粒界にガラス相として存在している。この焼結助剤と
しては、アルミナ,イットリア,マグネシア或いは希土
類金属酸化物等がよく知られている。本発明により得ら
れる焼結複合材では、これら焼結助剤成分をβサイア口
ンと複合化させることによって、緻密化と同時にβサイ
アロンのみからなる緻密な焼結材に欠けている優れた特
性が付与されている。
してa−アルミナとβサイアロンとYAGとからなって
いる。結晶相がβサイアロンのみからなる緻密な焼結材
は、一般に焼結助剤として添加された金属酸化物等が結
晶粒界にガラス相として存在している。この焼結助剤と
しては、アルミナ,イットリア,マグネシア或いは希土
類金属酸化物等がよく知られている。本発明により得ら
れる焼結複合材では、これら焼結助剤成分をβサイア口
ンと複合化させることによって、緻密化と同時にβサイ
アロンのみからなる緻密な焼結材に欠けている優れた特
性が付与されている。
【0021】すなわち、焼結助剤成分のひとつであるア
ルミナは、βサイアロンのような非酸化物でしばしば問
題になる耐酸化性の懸念が全く不要であり、酸化鉄等に
対する耐食性は非常に優れている。別の焼結助剤成分と
して作用するイットリアは、結晶相がβサイアロンのみ
からなる緻密な焼結材では、一般に粒界ガラス相として
βサイアロン結晶粒の間に存在している。本発明により
得られる焼結複合材では、イットリアはガラス相ではな
く、YAGとして結晶化しており、高温構造材料として
必要な高温強度,耐食性等の向上に有効に作用してい
る。
ルミナは、βサイアロンのような非酸化物でしばしば問
題になる耐酸化性の懸念が全く不要であり、酸化鉄等に
対する耐食性は非常に優れている。別の焼結助剤成分と
して作用するイットリアは、結晶相がβサイアロンのみ
からなる緻密な焼結材では、一般に粒界ガラス相として
βサイアロン結晶粒の間に存在している。本発明により
得られる焼結複合材では、イットリアはガラス相ではな
く、YAGとして結晶化しており、高温構造材料として
必要な高温強度,耐食性等の向上に有効に作用してい
る。
【0022】βサイアロンの固溶体化率Zを2〜3.5
の範囲にすることで、構造材料としての機械的特性と耐
食性とを両立させることができて実用化範囲が広くな
る。
の範囲にすることで、構造材料としての機械的特性と耐
食性とを両立させることができて実用化範囲が広くな
る。
【0023】
【実施例】図1は、本発明の実施例として調製した組成
物の配合組成を示す。
物の配合組成を示す。
【0024】同図において、点1〜12で示す範囲内の
組成物が98重量%とYAGが2重量%とからなるよう
に、平均粒径が0.5μmの窒化珪素、平均粒径が1μ
mの窒化アルミ、平均粒径が0.5μのアルミナ、それ
に、および平均粒径が0.8μmのイットリアの各粉末
を秤量混合し、アセトン中でボールミル混練したスラリ
ーを乾燥後、解砕したものを、50×50×10mmの
平板状に加圧成形した。黒鉛ヒーター抵抗加熱式電気炉
を使用して、一気圧の窒素雰囲気中で1600℃にて3
時間焼結した後、1250℃と1400℃とで各5時間
ずつ焼鈍加熱を行った。
組成物が98重量%とYAGが2重量%とからなるよう
に、平均粒径が0.5μmの窒化珪素、平均粒径が1μ
mの窒化アルミ、平均粒径が0.5μのアルミナ、それ
に、および平均粒径が0.8μmのイットリアの各粉末
を秤量混合し、アセトン中でボールミル混練したスラリ
ーを乾燥後、解砕したものを、50×50×10mmの
平板状に加圧成形した。黒鉛ヒーター抵抗加熱式電気炉
を使用して、一気圧の窒素雰囲気中で1600℃にて3
時間焼結した後、1250℃と1400℃とで各5時間
ずつ焼鈍加熱を行った。
【0025】得られた各焼結体について測定したX線回
折チャートを図2に示す。
折チャートを図2に示す。
【0026】3、4、6〜8、10〜12の各焼結体
は、結晶相がa−アルミナとβサイアロンとYAGとか
らなっていることが確認された。1,5,9の各焼結体
にはYAGが存在しておらず、2の焼結体ではこれらの
結晶相以外にα−サイアロンの回折ピークが現れてお
り、いずれも目的とするa−アルミナとβサイアロンと
YAGとからなる結晶相ではなかった。
は、結晶相がa−アルミナとβサイアロンとYAGとか
らなっていることが確認された。1,5,9の各焼結体
にはYAGが存在しておらず、2の焼結体ではこれらの
結晶相以外にα−サイアロンの回折ピークが現れてお
り、いずれも目的とするa−アルミナとβサイアロンと
YAGとからなる結晶相ではなかった。
【0027】回折ピークから求めた焼結体中のa−アル
ミナの割合を図3に、また、βサイアロンのZ値を図4
に示す。
ミナの割合を図3に、また、βサイアロンのZ値を図4
に示す。
【0028】これらの図から、以下のことが分かる。
【0029】本実施例の焼結焼鈍条件により得られる焼
結体の主要結晶相はα−アルミナとβサイアロンとであ
り、それらの存在比率およびβサイアロンのZ値を図
1.と比較するとき、得られた焼結体はα−アルミナ/
βサイアロンの比率が予想値よりも高く、βサイアロン
のZ値は予想値よりも小さかった。
結体の主要結晶相はα−アルミナとβサイアロンとであ
り、それらの存在比率およびβサイアロンのZ値を図
1.と比較するとき、得られた焼結体はα−アルミナ/
βサイアロンの比率が予想値よりも高く、βサイアロン
のZ値は予想値よりも小さかった。
【0030】これら焼結体の諸特性として、水置換法に
より求めた嵩密度と計算から求めた理諭密度との比であ
る相対密度、室温と1200℃における3点曲げ強さ
(JIS−R1601)を測定した。それらの結果を表
1に示す。
より求めた嵩密度と計算から求めた理諭密度との比であ
る相対密度、室温と1200℃における3点曲げ強さ
(JIS−R1601)を測定した。それらの結果を表
1に示す。
【0031】このようにして得られた焼結体から30×
30×5mmの平板を切り出し、表面を#400砥粒の
ダイヤモンドブレードで研磨仕上げした。この研磨面上
に機械構造用炭素鋼S45Cの金属円柱(直径10m
m,高さ10mm)を立てて起き、下記条件で熱処理し
た。
30×5mmの平板を切り出し、表面を#400砥粒の
ダイヤモンドブレードで研磨仕上げした。この研磨面上
に機械構造用炭素鋼S45Cの金属円柱(直径10m
m,高さ10mm)を立てて起き、下記条件で熱処理し
た。
【0032】熱処理条件: 熱処理炉 大気雰囲気の抵抗加熱式電気炉 処理温度 1300℃ 処理時間 30分 熱処理後、各焼結体の金属円柱との接触界面について電
子線マイクロアナライザーによる特性X線像を観察し、
Fe成分の浸透深さを計測した結果を図5に示す。
子線マイクロアナライザーによる特性X線像を観察し、
Fe成分の浸透深さを計測した結果を図5に示す。
【0033】図5から、以下のことが分かる。
【0034】複合材の結晶粒界にはYAGが生成して実
質的にガラス質成分を含有していない〜,〜及
び(10)〜(12)の各焼結体は結晶粒界にガラス質
成分を含有している,およびの各焼結体に比較し
て、酸化鉄に対する耐食性が優れている。
質的にガラス質成分を含有していない〜,〜及
び(10)〜(12)の各焼結体は結晶粒界にガラス質
成分を含有している,およびの各焼結体に比較し
て、酸化鉄に対する耐食性が優れている。
【0035】
【発明の効果】本発明のアルミナ−βサイアロン−YA
G複合材は、以下の効果を奏する。
G複合材は、以下の効果を奏する。
【0036】(1)実質的にガラス相を含まないアルミ
ナ−βサイアロン−YAG相からなる緻密な組織を形成
し、高温における機械的特性及び耐食性に優れた特性を
有する。
ナ−βサイアロン−YAG相からなる緻密な組織を形成
し、高温における機械的特性及び耐食性に優れた特性を
有する。
【0037】(2)複合材料中のアルミナ対βサイアロ
ンの割合とβサイアロンの組成を自在に制御することが
できるために、適用する用途に最適な特性を有する高温
構造材料を提供することができる。
ンの割合とβサイアロンの組成を自在に制御することが
できるために、適用する用途に最適な特性を有する高温
構造材料を提供することができる。
【図1】 実施例として調製した組成物の配合組成を示
す。
す。
【図2】 図1に示す組成を有する各焼結体のX線回折
チャートを示す。
チャートを示す。
【図3】 回折ピークから求めた焼結体中のa−アルミ
ナの割合を示す。
ナの割合を示す。
【図4】 βサイアロンのZ値を示す。
【図5】 熱処理後の焼結体のFe成分の浸透深さを示
す図である。
す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】α−Al2 O3 とβ−サイアロンとY3 A
l5 O12の3相とからなる焼結・焼鈍複合材であって、
α−Al2 O3 とβ−サイアロンとの両相が大部分を占
め、且つ、小部分のY3 Al5 O12の相がα−Al2 O
3 とβ−サイアロンとの両相の間の境界に位置すること
を特徴とするアルミナ−βサイアロン−YAG複合材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5312293A JPH07165462A (ja) | 1993-12-13 | 1993-12-13 | アルミナ−βサイアロン−YAG複合材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5312293A JPH07165462A (ja) | 1993-12-13 | 1993-12-13 | アルミナ−βサイアロン−YAG複合材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07165462A true JPH07165462A (ja) | 1995-06-27 |
Family
ID=18027510
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5312293A Pending JPH07165462A (ja) | 1993-12-13 | 1993-12-13 | アルミナ−βサイアロン−YAG複合材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07165462A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1493515A1 (en) * | 2002-04-02 | 2005-01-05 | Nippon Steel Corporation | Ceramic plate as side weir for twin drum type thin-sheet continuous casting |
CN1305606C (zh) * | 2002-03-27 | 2007-03-21 | 新日本制铁株式会社 | 奥氏体不锈钢薄带铸件的生产方法 |
JP2014055088A (ja) * | 2012-09-13 | 2014-03-27 | Yokohama National Univ | 鋼材取り扱い用部材及びその製造方法 |
US11486550B2 (en) | 2019-05-22 | 2022-11-01 | Nichia Corporation | Method for producing wavelength conversion sintered body |
-
1993
- 1993-12-13 JP JP5312293A patent/JPH07165462A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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