JPH07162027A - 薄膜半導体装置及び該装置を有する情報処理装置 - Google Patents

薄膜半導体装置及び該装置を有する情報処理装置

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JPH07162027A
JPH07162027A JP5302887A JP30288793A JPH07162027A JP H07162027 A JPH07162027 A JP H07162027A JP 5302887 A JP5302887 A JP 5302887A JP 30288793 A JP30288793 A JP 30288793A JP H07162027 A JPH07162027 A JP H07162027A
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JP
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film
thin film
crystal silicon
layer
forbidden band
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JP5302887A
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English (en)
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Tadashi Ahei
忠司 阿閉
Shigetoshi Sugawa
成利 須川
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ヘテロ接合を用いたアバランシェ効果を利用
した光電変換装置などの薄膜半導体装置の性能を改善す
る。 【構成】 非単結晶シリコン膜または非単結晶シリコン
ゲルマニウム膜とのヘテロ接合界面で生じる光学的禁制
帯の不連続段差によるエネルギーを価電子帯側で少なく
し、ホールの易動をさまたげないように構成する。具体
的には、上記エネルギーを価電子帯側で0.3eV以下
とし、かつ、上記ヘテロ接合を形成する半導体薄膜の光
学的禁制帯幅を2.8eV以上とする。このような半導
体薄膜は、たとえば、シランガスとメタンガスの流量比
を30以上とし、成膜速度を0.5Å/秒以下として形
成される。このような半導体膜はSi1-xx:Hで表す
ことができ、上記ヘテロ接合は少なくともアバランシェ
効果を利用した光電変換装置の増倍層103中に形成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学的禁制帯幅の異なる
材料のヘテロ接合を用いた、光センサ等の光電変換素子
等の薄膜半導体装置及び該装置を有する情報処理装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】非単結晶半導体材料では、たとえば非晶
質シリコン(以下a−Si:H)にGe原子やSn原子
などを添加すると光学的禁制帯幅は狭くなり、H原子や
C原子やN原子などを添加していくと光学的禁制帯幅は
広がるなど、単結晶半導体や結晶化合物半導体に比べ
て、所望の光学的禁制帯幅をもつ材料を自由に得ること
ができる。
【0003】このような特長を利用して光学的禁制帯幅
の異なる材料による多層ヘテロ接合を用いた光電変換装
置や薄膜半導体装置がいろいろと提案されている。
【0004】例えば太陽電池では光学的禁制帯幅の異な
る膜をそれぞれ積層して単波長から長波長まで効率よく
吸収できるような構造をとって、波長範囲が広い太陽光
をもれなく利用している。
【0005】また半導体層を数Åの膜厚の多層膜の超格
子構造にして、キャリア易動度を高める応答性や周波数
特性を向上させた薄膜トランジスタや光センサも提案さ
れている。
【0006】また薄膜発光素子においてもやはり多層膜
構造を用いることで、キャリアの量子井戸閉じ込め効果
により発光効率を向上させる試みがなされている。
【0007】更に光センサなどの光電変換素子は、その
光電変換特性に対し高い信号対雑音比を持つことが要求
される。光電変換素子のなかでもアバランシェ効果を利
用したアバランシェフォトダイオード(以下APDと略
する)を受光部に使用した光電変換装置は、この要求を
満たすものと期待され、近年盛んに開発が進められてい
る。
【0008】しかしながら従来、一般的に普及している
APDは、強電界を印加してアバランシェ効果を引き出
しており、その増倍過程に内在するゆらぎのために、過
剰増倍雑音が発生し、信号対雑音比を低下させてしま
う。
【0009】この点を鑑みて、例えば、F.Capas
soらは、特開昭58−157179号公報、USP4
383269号公報やIEEE Electron D
evice Letters 第EDL3版(1982
年)の71〜73ページに、分子線エピタキシー(MB
E)法等を用いて、主にIII−V族に属する単結晶化
合物半導体を用いて作製される、光通信システムに使用
可能な低雑音APDを提案している。
【0010】そこで提案されているAPDの概略構造図
の一例を図1に示す。
【0011】図1はAPDの模式的断面構造図であり、
図2(a)は図1に示されるAPDのエネルギー帯構造
図である。ここでは、4つの層からなるI型バンドギャ
ップ傾斜半導体層401、403、405、407が増
倍層として、p型半導体層411及びn型半導体層41
5で挟まれ、電極413がp型半導体層411に、また
電極414がn型半導体層415にそれぞれオーミック
接触されている。
【0012】図2(b)はこのAPDに強電界を印加し
動作状態にしたときのエネルギー帯構造図である。
【0013】図示されるように、バンドギャップが急峻
にステップバックするヘテロ接合部402、404、4
06のエネルギー不連続がイオン化を助勢するので、そ
のステップバック近傍で選択的にイオン化が起こりキャ
リアが増倍される。
【0014】こうした構造をとることにより、イオン化
が起こる場所のゆらぎが少なくなり、増倍過程に内在す
るゆらぎが少なくなる。したがって過剰雑音が軽減され
た、信号対雑音比の改善された、光通信システムに使用
可能な低雑音APDが実現できる。
【0015】ところが、上述したようなAPDは強電界
が印加されて動作する光通信用の個別受光素子としては
有用であるが、上述のAPDでは、III−V族、II
−VI族等に属する化合物半導体をその構成材料として
いるため、材料の毒性、価格など工業材料としての問題
点を有していたこと、また、その構成材料である単結晶
化合物半導体の形成においては、超高真空装置を用い
て、高温(約500℃以上)で成膜を行う必要があるの
で、大面積の光電変換装置への応用が困難であり、ま
た、信号処理回路等が既に形成されている半導体基板上
への積層も不可能であり、その応用範囲が限られる。
【0016】非晶質シリコンの様な非単結晶半導体を利
用した場合は従来のプラズマCVDにより容易に作製で
き、作製温度が低温のために基板を選ばず、たとえば信
号処理回路等が既に形成されている半導体基板上にも積
層が可能となることが考えられるため、非単結晶半導体
を利用した優れた特性のAPDが待ち望まれている。
【0017】また低雑音のAPDを実現するには、キャ
リアの増倍を起こすステップバックヘテロ接合部のイオ
ン化率を高めることが必要である。そのためには光学的
禁制帯幅の異なる材料でステップバック部のエネルギー
不連続段差が価電子帯側または伝導帯側の一方のみに大
きく形成される材料が必要となる。
【0018】アバランシェ増倍をステップバックヘテロ
接合部で起こすためには最大禁制帯幅の大きな材料が必
要である。たとえば最小禁制帯幅を持つ材料をa−Si
1-yGey:Hとした場合でも、良好な光電特性を有する
半導体膜の禁制帯幅は1.4eV程度が限界である。ア
バランシェ増倍を起こすにはa−Si1-yGey:Hの禁
制帯幅の不連続段差をa−Si1-yy:H層と接合され
る異種の非単結晶層とのヘテロ接合で形成する必要があ
るので、最大禁制帯幅は最低でも2倍の2.8eV以上
は必要である。そのためa−Si1-yGey:Hの代わり
にa−Si:Hを用いた場合には、良好な特性を有する
a−Si:H膜の光学バンドギャップは1.7eV程度
であるので3.4eV以上の禁制帯幅をもつ材料が必要
となる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのa−S
i:Hの様な非単結晶半導体材料では価電子帯や伝導帯
の不連続段差についてはまだ詳しく調べられていない。
【0020】光学的禁制帯幅の広い材料として5.0e
V程度の光学的禁制帯幅まで得られているプラズマCV
D法によって作製されたシリコン窒化膜(以下a−Si
NX:H)はa−Si:Hに対して、T.Hayash
i et al(Jpn.J.Appl.Phys.2
7(1988)L314〜316)等によれば伝導帯側
と価電子帯側に光学的バンド幅が広がると述べられてい
る。
【0021】ところがプラズマCVD法により形成され
た炭化シリコン(以下a−Si1-xx:H)でも太陽電
池の窓材に応用されているように、光学的禁制帯幅が小
さい範囲(〜2.5eV)では、a−Si:Hとの光学
的禁制帯幅の不連続段差はほとんどが伝導帯側に広がり
少数キャリアの正孔の走行特性を妨げない。
【0022】しかしながら、CH4やC24等の炭素系
の原料ガスのプラズマ堆積効率がSiH4に比べて悪い
ために膜中にC原子が取り込まれにくく、実際には半導
体膜として良好な特性を有する膜の場合光学的禁制帯幅
は2.8eV程度とあまり広がらないのが現実である。
またa−Si1-xx:Hは2.5eV以上の光学的禁制
帯を持つ膜になると急激に伝導度が劣化するため、太陽
電池や光電変換素子(太陽電池ではたいてい窓層として
用いられる)a−Si1-xx:H層はせいぜい2.2e
V程度である。とはいえ、そのような層でもa−Si:
Hとの界面で再結合準位が生じるために、界面緩衝層と
して光学的禁制帯を徐々に変化させた傾斜層を設けるこ
とが必要となる場合が多い。
【0023】光学的禁制帯幅の異なる材料を用いたヘテ
ロ接合界面をキャリアが電界により走行するような薄膜
半導体装置において、光学的禁制帯幅の差による不連続
段差が大きいと、キャリアは界面でトラップや再結合の
ためにその走行性が妨げられる。特に非晶質シリコン等
では正孔の易動度がもともと悪いため、価電子帯側の不
連続段差が大きいと正孔の走行性が著しく悪化する。
【0024】本発明は、これらの問題点を解決するため
に、a−Si:Hやa−SiGex:Hとのヘテロ接合
界面で光学的禁制帯幅の不連続段差が価電子帯側で非常
に小さく、しかも光学的禁制帯幅の広い半導体薄膜材料
として非単結晶炭化シリコン(Si1-xx:H)を有す
るアバランシェ効果を利用した光電変換装置を有する薄
膜半導体装置と、該装置を有する情報処理装置を提供す
ることを目的とする。
【0025】また、本発明はヘテロ接合部での正孔の易
動度が損なわれることがない半導体層を有する薄膜半導
体装置及び該装置を有する情報処理装置を提供すること
を目的とする。
【0026】更に本発明は、応答性の優れた薄膜半導体
装置及び該装置を有する情報処理装置を提供することを
目的とする。
【0027】また本発明は、大面積かつ低温で形成し
得、信号処理回路などの回路や素子が既に形成されてい
る半導体基板上への積層も可能な薄膜半導体装置を提供
することを目的とする。
【0028】加えて本発明はアバランシェフォトダイオ
ードとして過剰雑音や暗電流雑音が小さい低雑音で高効
率な増倍動作を行うことができる薄膜半導体装置、及び
該装置を有する情報処理装置を提供することを目的とす
る。
【0029】更に本発明は蓄積動作を行ってもスパイク
やノッチが生じない薄膜半導体装置、及び該装置を有す
る情報処理装置を提供することを目的とする。
【0030】又、本発明は、ヘテロ接合を用いた光電変
換装置などの薄膜半導体装置の性能を著しく改善するこ
とを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の薄膜半導体装置は、非単結晶シリコン膜または非単
結晶シリコンゲルマニウム膜と少なくとも1つ以上の、
ヘテロ接合を形成する半導体を有し、前記非単結晶シリ
コン膜または前記非単結晶シリコンゲルマニウム膜との
ヘテロ接合界面で生じる光学的禁制帯の不連続段差より
生じるエネルギーが、価電子帯側で0.3eV以下とさ
れ、かつ、前記半導体の光学的禁制帯幅が2.8eV以
上としたアバランシェ効果を利用した光電変換装置を有
することを特徴とする。
【0032】
【実施例】上記目的は、ヘテロ接合される非単結晶シリ
コン又は非単結晶シリコンゲルマニウムとのヘテロ接合
界面で生じる光学的禁制帯の不連続段差より生じるエネ
ルギーが価電子帯側で0.3eV以下とされ、かつ、光
学的禁制帯幅が2.8eV以上の非晶質炭化シリコンの
半導体を用いたアバランシェ効果を利用した光電変換装
置を有することによって達成される。
【0033】また、上記半導体は原料ガスとしてCH4
ガスとシラン化合物ガスを用い、該シランガスに対する
該CH4ガスの流量比を30以上として、かつ、成膜速
度を0.5Å/秒以下としたプラズマCVD法によって
製造することにより上記目的は達成される。
【0034】尚、本発明の非単結晶炭化シリコン膜は、
Si1-xx:Hで与えられるSi原子とC原子の組成比
のxが0.45以上でありさらに膜中のC原子に結合し
たH原子の数が、Si原子に結合したH原子の数の5倍
以上とすることはより好ましい。
【0035】又、本発明で言う非単結晶とは非晶質又は
微結晶質あるいはそれらの混在したものを含むものであ
るが、なかでも非晶質であることは望ましい。
【0036】すなわち、非単結晶シリコン膜は非晶質及
び/又は微結晶シリコンを有し、非単結晶シリコンゲル
マニウム膜は非晶質及び/又は微結晶シリコンゲルマニ
ウムを有し、非単結晶炭化シリコン膜は非晶質及び/又
は微結晶炭化シリコンを有する膜であり、中でも非晶質
膜が望ましい。
【0037】これにより従来よりヘテロ接合を用いた光
電変換装置などの薄膜半導体装置において生じていた、
ヘテロ接合部での正孔の易動度の低下が生じないので薄
膜半導体装置の性能が改善される他、上記した問題点が
解決され、また上記した目的は達成される。
【0038】尚、正孔の走行を阻害しないエネルギー不
連続量ΔEvは、常温で0.3eV以下、より好ましく
は0.1eV以下であり、作製条件の最適化によればa
−Si1-xx:Hの光学的禁制帯幅が最大3.6eVの
ときでもa−Si1-yGey:Hやa−Si:HとのΔE
vは、0.2eV程度以下のものを得ることができる。
【0039】以下、本発明を図面を参照しながら説明す
る。
【0040】まず、本発明の具体例を説明するために、
本発明の薄膜半導体装置における非単結晶炭化シリコン
膜(以下Si1-xx:H)の光学バンドギャップが広く
なっている要因から説明する。
【0041】本発明におけるSiCx:H膜の他に、a
−Si:H、そして光学バンドギャップの広い材料とし
ては一般的なプラズマCVDのシリコン窒化膜(以下S
iNx:H膜)を作製した。
【0042】作製はすべて同一のプラズマCVD装置で
行った。まず、a−Si:H膜は基板温度が200℃、
原料ガスのSiH4/H2流量が10/90sccm、堆
積圧力は0.5Torr、RFパワーは10Wで成膜し
た。SiNx:H膜は基板温度が350℃、SiH4
NH3/H2流量が5/100/100、堆積圧力は0.
2Torr、RFパワーは20Wで成膜した。Si1-x
x:H膜については基板温度が250℃、SiH4/C
4/H2流量、あるいはSiH4/C24/H2流量を1
0/10〜30/90で変化させて、堆積圧力は0.2
Torr、RFパワーは50Wで成膜した。
【0043】図3はSi1-xx:H膜の光学バンドギャ
ップと膜中の炭素原子組成比xの関係を示す図である。
従来Si1-xx:H膜の光学バンドギャップは炭素組成
比xに対応していると言われていたが、上記条件で得ら
れたSi1-xx:H膜では炭素組成比xが0.45程度
以上になり光学バンドギャップが2.8eV以上の非常
に大きくなった領域では、炭素組成比xに依存しない膜
が得られることがわかった。
【0044】図4は図3におけるSi1-xx:H膜の光
学バンドギャップと結合水素量の関係を示す図である。
膜中のシリコン原子と結合した水素原子の数(Si−H
結合)と、炭素原子と結合した水素原子の数(C−H結
合)をそれぞれ赤外吸収より求めたところ、光学バンド
ギャップと非常によい対応を示した。
【0045】従来はSi1-xx:Hの光学バンドギャッ
プを大きくするために、膜中の炭素量を大きくする努力
がなされてきたが、光学バンドギャップは炭素量ではな
く、むしろ水素量に依存していることがこの図から理解
できる。
【0046】又、Si−H結合とC−H結合の比(C−
H)/(Si−H)が5倍以上にすることが、2.8e
V以上(好ましくは3.0eV以上)の大きな光学バン
ドギャップを得るためには望ましいことがわかる。また
この時のSi1-xx:H膜の作製条件としてCH4を原
料ガスに用いた時に、結合水素と対応した光学バンドギ
ャップの大きな膜が得られ、C24を用いた場合は結合
水素との対応は良くなかった。これはC24はCH4
比べて分解し易いため、生成される膜中にはC原子は取
り込まれやすいが、ガス分子中に含まれるC原子の結合
及び二重結合が不安定な状態で残っていることなどが原
因として考えられる。すなわち、CH4を用いた場合
は、不安定なC原子が少なくC原子に結合した水素原子
が安定な状態で存在して、光学バンドギャップを大きく
していることが予想される。
【0047】p型あるいはn型単結晶シリコンと上記a
−Si:H膜、a−Si1-xx膜またはa−Si
1-aa:H膜との接合界面で光学バンドギャップの不連
続段差(ΔEv)を測定するための例として、図5に示
したようなIPE(内部光電子放出)測定を行うための
試料を作製した。
【0048】図4に示される試料はSiウエハー45の
一方の面上にイオンインプラによりp+又はn+のドーピ
ング層44を形成し、この上に層厚200Å〜400Å
の範囲の所望の厚さのa−Si:H膜、a−Si1-xx
膜又はa−Si1-aa:H膜42、薄膜Cr又はPt電
極41をこの順で設け、n型Siウエハー45の他方の
面にAl電極46を有する構成とした。
【0049】上記IPEの測定原理について簡単に説明
する。
【0050】IPEの測定は単結晶シリコン(c−S
i)上に積層されたa−Si:H膜、a−Si1-xx
H膜あるいはa−Si1-aa:H膜側から、これらの膜
を透過可能な光を照射して行われる。上記膜を透過した
光は単結晶シリコン中で電子・正孔対を生成させる。こ
のとき、電極間に印加したバイアスを変化させていくの
であるが、ΔEv、ΔEcに対応したエネルギー以上の
バイアスを印加すると、生成した正孔又は電子のどちら
かがΔEv又はΔEcの障壁を乗り越えることができる
ようになる。この結果、光電流の増加が観測されるの
で、これによりΔEv、ΔEcの値を見積もることが可
能になる。
【0051】なお、この方法はたとえばAppl.Ph
ys.Lett.50(1987)326頁〜328頁
などにも説明されている。
【0052】図6を参照しながらIPEの測定結果につ
いて説明する。
【0053】IPEはc−Siと各膜との間のΔEv、
ΔEcを測定したが、この測定結果からc−Siとa−
Si:H膜との界面でのΔEvが約0.6eVであるこ
とが得られた。またc−Siとa−Si:Hの光学的バ
ンドギャップが夫々約1.1eV、約1.7eVである
ことを考慮して、図6においては上記c−Siとa−S
i:Hとの間のΔEv(=0.6eV)を差し引くこと
により、a−Si:H膜に対するa−Si1-xx:H膜
とa−Si1-aa:H膜との間のΔEvを示してある。
【0054】図6に示されるように、a−Si1-a:H
の場合は、光学的バンドギャップが広がる(2.6〜
4.9eV)につれてa−Si:HとのΔEvが0.3
〜2.2eV、従ってΔEcは0.6〜1.0eVとな
った。
【0055】このことから、a−Si:Hとa−Si
1-aa:Hで接合を形成した場合、伝導帯側と価電子帯
側の両方で不連続なエネルギーバンドの段差が生じるこ
とがわかる。
【0056】又、C24ガスを原料ガスとして用いて形
成されたa−Si1-xx:Hは光学的バンドギャップは
2.55〜3.4eVとa−Si1-aa:Hより小さな
値となるが、a−Si:Hとの接合を考えるとΔEvが
0.15〜0.6eV、従ってΔEcは0.7〜1.1
eVとなり、a−Si1-aa:Hと同様に伝導帯側と価
電子帯側の両側で光学的バンドギャップの不連続段差を
形成することがわかった。
【0057】ところが、原料ガスにCH4を用いた場合
の本発明のa−Si1-xx:Hでは光学バンドギャップ
が3.6eVまで広がってもΔEvはほぼ一定の0.1
〜0.2eVでありa−Si:Hとほぼ同じレベルであ
る。すなわちCH4を用いた場合のa−Si1-xx:H
/a−Si:Hの接合界面では不連続段差は価電子帯側
には生じず、ほぼ伝導帯側だけに形成されることにな
る。この理由として図4で示した結合水素との関係が考
えられる。すなわちCH4を原料ガスとした場合は安定
な結合水素により光学バンドギャップが広がっているた
めに、価電子帯側はあまり動かないためと考えられる。
これはC24により得られたSi1-xx:Hでは価電子
帯が動いていることからも理解できる。
【0058】このa−Si:Hとの接合界面での価電子
帯の不連続段差(ΔEv)を示すためのもうひとつの例
として、図7の模式的断面図に示したようなXPS(X
線光電子分光)測定を行うための試料を作製した。図示
されるように、図7の試料は石英基板64上に5000
Åのi型a−Si:H膜63、20ÅのSi1-xx:H
膜あるいはSi1-aa:H膜61が順次形成されてい
る。
【0059】XPSはX線の侵入深さから考えると、表
面から数10Å程度の情報を得ることができる。このこ
とから図7に示した様にa−Si:H63上に10〜5
0Å程度の膜厚でSi1-xx:H61等を積層した場
合、それらの接合界面の情報が得られる。特に0〜50
eV程度の結合エネルギーの範囲で価電子帯を形成して
いる様子が見られる。すなわちa−Si:HではSi3
pとSi3sの混成軌道を形成した価電子帯が、C原子
の添加により結合エネルギーの変化したSi1-xx:H
の価電子帯と重なった形で現れて、価電子帯端(VB
E)をシフトさせる。これを内殻準位のSi2p準位の
スペクトルのエネルギー位置で更生して、a−Si:H
の価電子帯端(VBE)と比較することでa−Si:H
との接合界面でのΔEvが得られる。
【0060】図6では光学バンドギャップに対して価電
子帯側の段差ΔEvをIPE(内部光電子放出)により
求めて、SiNx:Hでは光学バンドギャップが広がる
とΔEvも大きくなっていくのに対して、Si1-xx
HではCH4/SiH4流量比を変化させて光学バンドギ
ャップが3.6eVまで広がってもΔEvはほとんど変
化はなく0〜0.2eV程度であることを示したが、X
PSにおいても同様な結果を得ることができた。
【0061】図8に半導体ヘテロ接合の禁制帯不連続を
模式的に夫々示した。ここで右図のSiNx:H/a−
Si:Hの場合は伝導帯側のΔEcと価電子帯側のΔE
vの両側で不連続段差を形成しているのに対して、本発
明の薄膜半導体装置におけるSi1-xx:H/a−S
i:Hの場合では不連続段差はほぼ価電子帯側だけにな
る。
【0062】以上の例ではa−Si:Hとの界面での不
連続についてのみ述べたが、図7に示した通りa−Si
Ge:Hとa−Si:Hでは価電子帯の不連続段差はほ
とんどないため、Si1-xx:H/a−SiGe:Hで
もSi1-xx:H/a−Si:Hの場合と同様に不連続
段差はほぼ価電子帯側だけとなる。
【0063】価電子帯側に不連続段差がないかほとんど
ないSi1-xx:H膜はプラズマCVD法において成膜
条件を制御することで容易に得ることができる。
【0064】図9はプラズマCVDにおけるCH4とS
iH4の原料ガスの流量比に対する光学バンドギャップ
を示したものである。これによればCH4/SiH4流量
比が30以上になると光学バンドギャップは3.0eV
を越えて急激に増加して3.6eVまで大きくなる。従
来はこの流量比は10〜20程度から膜中のC組成量が
飽和したためにそれ以上は試みがなされていなかった。
しかし、本発明ではそれ以上の流量比で、光学バンドギ
ャップがC組成量に依存しないでさらに大きくなる場合
があることを見いだした。ただし、CH4/SiH4流量
比が30以上で光学バンドギャップが大きくなるには成
膜時の反応過程において堆積表面での表面反応律速過程
になることが望ましい。
【0065】もともとプラズマCVDにおいてはプラズ
マにより原料ガスを分解するラジカル生成過程と、その
ラジカルの堆積表面での表面反応過程により堆積が起こ
る。図10の流量比と堆積速度の関係を示した図に示さ
れるように、CH4/SiH4流量比を大きくしていくに
従って最初は成膜速度は増加する。これは、最初はC系
ラジカルの生成、供給量によって成膜速度が決定されて
いるためと思われる。即ち、CH4ガスの相対的な増加
にともなって、最初はC系ラジカルの生成、供給が増加
していることを示している。
【0066】ところがある程度までラジカルが供給され
てC系ラジカルが飽和すると、今度は表面反応が成膜速
度を決定するようになる。すなわちC系ラジカルにより
堆積表面の結合の弱い不安定な部分のエッチングが起こ
り成膜速度は逆に減少する。
【0067】また、たとえば膜作製の基板温度を低くす
ると、表面反応が起こりにくくなり、ラジカルは基板表
面を拡散して安定なサイトを見つけることなく、その場
ですぐに堆積してしまうため、堆積速度は大きくなるが
不安定な結合を有する、疎な膜になってしまう。逆に基
板温度を高くすると、堆積速度が小さくなるが、ラジカ
ルが充分安定なサイトまで拡散してさらに表面反応によ
り構造緩和を起こすために、得られた膜は安定な結合水
素を含む緻密な膜となり、このことが光学バンドギャッ
プを大きくしてΔEvを小さく維持していると考えられ
る。
【0068】C24を原料に用いた場合にはガスが分解
し易いために堆積速度を小さくすることが困難であり、
やはり膜中に不安定なC原子が残ってしまうために目的
の膜が得にくかった。
【0069】即ち、プラズマCVDの反応過程を成膜速
度でモニターすればCH4/SiH4流量比を30以上と
し、かつ成膜速度を0.5Å/秒以下と小さくした時に
価電子帯側に不連続段差が生じないか実質的に生じない
Si1-xx:H膜が得られる。
【0070】この時の基板温度、堆積圧力、RFパワー
等の流量比以外の成膜条件については、成膜速度が0.
5Å/秒以下の範囲で自由に選ぶことができる。
【0071】また、本発明のSi1-xx:H膜の作製の
原料ガスには、SiH4、CH4、H2を用いたが、Si
4のかわりにSi26、Si38、SiH410、Si
4、Si26、SiH3F、Si22等の鎖状シラン化
合物、Si48、Si510、Si612等の環状シラン
化合物等を使うことができ、この場合もCH4との流量
比が30以上で、しかも堆積速度を0.5Å/秒以下と
遅くすれば良い。
【0072】このときこれらのSiを含むガスに含まれ
るSi原子のモル比がCH4に含まれるC原子のモル比
の30倍以上にすることはより好ましい。すなわちCH
4ガスとSi26ガスを用いた場合は、CH4/Si26
流量比を60倍以上にすることはより好ましい。
【0073】〈参考例1〉本発明の半導体薄膜のSi
1-xx:Hを用いた薄膜半導体装置の一例として太陽電
池に応用した場合について述べる。
【0074】本参考例の太陽電池の断面図を図11に、
従来のa−Si:Hの太陽電池の断面図を図12に夫々
示す。図示されるように図11の装置は、ガラス基板9
6上に、Ptのような半透明電極95、窓層としてのa
−Si1-xx:H膜94、i型のa−Si:H膜93、
n型のa−Si:H膜又は微晶質(μc)−Si膜9
2、アルミ電極91がこの順に形成され、図12の装置
はガラス基板106上にITOのような透明電極10
5、p型のa−Si:H膜又はμc−Si膜104、i
型のa−Si:H膜103、n型のa−Si:H膜又は
μc−Si膜102、アルミ電極101がこの順で形成
されている。図11においては、図12の従来のa−S
i:Hのpin型の構造において光入射側の透明電極の
代わりにPt等の半透明電極を用いて、さらに窓層であ
るp型半導体層のかわりに、本発明のB26ガスやBF
3ガスなどを用いてボロンをドーピングしたp型のSi
1-xx:H層を用いたものである。
【0075】図11に示される本参考例に係わる装置の
作成条件としては、まずガラス基板上にPt等の半透明
電極を100〜500Å程度、EB蒸着やスパッタリン
グにより形成する。従来から用いられているITO電極
などの透明電極を用いても良いが、本発明の半導体薄膜
が従来の窓層に用いられていた薄膜にくらべて光学バン
ドギャップが大きいために太陽光の高エネルギー領域も
良好に透過する薄膜の金属電極が望ましい。
【0076】続いてプラズマCVDによりの本発明の半
導体薄膜であるSi1-xx:Hを100〜500Å程度
形成する。尚、原料ガスとしては実施例1と同様にSi
4、CH4、H2ガスを用い、CH4/SiH4の流量比
を50とした。さらにp型とするためにB26ガスを用
い、ボロンをドープしてp型とした。B26/SiH4
流量比で0.01〜1%程度、p層としては0.1%程
度導入するのが望ましい。このときの基板温度は好まし
くは100〜350℃、より好ましくは150〜250
℃程度が望ましく、堆積圧力は好ましくは50mTor
r〜1Torr、より好ましくは0.1〜0.5Tor
r程度が望ましく、さらに放電のRFパワーは好ましく
は1〜50W、より好ましくは1〜10W程度が望まし
い。
【0077】ただし前で述したようにこれらの成膜条件
において重要なのは、成膜速度を0.5Å/秒以下にな
るように成膜条件を選ぶことである。
【0078】さらに光吸収層であるa−Si:Hを50
00〜10000Å、n層のa−Si:Hまたは微結晶
SiをRFグロー放電を用いたプラズマCVD法により
作製して本参考例の太陽電池が完成された。尚、光吸収
層、n層は図11、図12いずれの構成の太陽電池にお
いても同条件で作製して評価した。又、図12のITO
電極、p型のa−Si:Hまたは微結晶Siは通常知ら
れる条件で作製した。
【0079】ところで、従来もこのプラズマCVDのS
1-xx:Hをp型半導体層(p層)として窓層に用い
ていた例はあるが、光学バンドギャップはたかだか2.
3eV程度であった。従って波長範囲が広い太陽光の高
エネルギー領域のほとんどはこのp層で吸収されてしま
っていた。しかしながら本発明のSi1-xx:H層では
光学バンドギャップが最大3.6eVまで得られるため
に従来に比べて、i層に到達する入射フォトン数が増加
するために、発生するフォトキャリアも増加する。した
がって、変換効率は図11に示した本発明のSi
1-xx:H層を使用した方が高いものとなった。
【0080】又、従来2.3eV以上のSi1-xx:H
では、ダングリングボンド欠陥が増加して電気伝導度が
急激に悪化するために、半導体層をp型にドーピングし
ても電子のブロッキング性と正孔の輸送特性を満足でき
なかった。ところが本発明の薄膜半導体装置のSi1-x
x:Hでは上述したようにa−Si:Hやa−Si1-y
Gey:Hとのヘテロ接合部において価電子帯側の段差
(ΔEv)がほとんどなく、伝導帯側の段差(ΔEc)
が非常に大きくなっており、電子のブロッキングは問題
なく、正孔の輸送特性もヘテロ接合部に段差がないこと
で良好になる。
【0081】更に、従来のpin構造ではp/i界面に
バッファ層として炭素原子の含有比率を変化させたグレ
ーデッド層などを用いてp/i界面の不連続性を緩和し
ていたが、本発明では設けずとも充分な特性を得られる
ため、製造工程が簡略化される。
【0082】ただし局在準位密度は、光学バンドギャッ
プが2.3eV程度の膜に比べるとやはり増加するた
め、輸送特性は悪化する。しかしながら、本発明では従
来のp層よりも膜厚を薄くすることで発生したフォトキ
ャリアの再結合を少なくすることができる。
【0083】本発明のSi1-xx:H膜は安定な結合水
素による緻密な膜であり、2.8〜3.6eVまで局在
準位密度は飽和して増加しない。
【0084】このようにして膜厚と光学バンドギャップ
を最適化することで、従来の2.3eV程度のp層を用
いた場合に比べても、3.6eVのSi1-xx:Hを膜
厚100 程度の薄い膜厚で形成すると、短絡電流がや
や小さいが開放電圧が非常に大きくなりフィルファクタ
ー(FF)や変換効率は優れたものとなる。
【0085】尚、本参考例ではSi1-xx:Hが単なる
窓層だけでなく、Si1-xx:H膜中でも太陽光の高エ
ネルギー成分の吸収が起こっており光吸収層としても働
いていることも予想される。
【0086】また本参考例では本発明のSi1-xx:H
をp型の窓層として用いた場合についてのみ述べたがこ
のpin構造をnip構造とし、B26ガスやBF3
ス等の代わりにPH3ガス等を導入してリンをドープし
たn型層に本発明のSi1-xx:Hを用いても同様に従
来にくらべて効率の向上が見られた。
【0087】またこの太陽電池は同じpin構造におい
て逆方向のバイアスを印加して1次光電流型の光センサ
として用いることもできる。
【0088】この場合も逆方向のバイアスに対するキャ
リアのブロッキングはもちろん、さらに高エネルギーの
光に対しても感度が向上する。またさらに本発明におけ
る光学バンドギャップの広いような半導体薄膜を用いる
ことで、近紫外光に感度をもつような光センサも実現で
きる。
【0089】さらに本参考例の構造のi層は、a−S
i:Hについてのみ述べたがi層をa−Si1-yGey
Hとしても価電子帯側の段差(ΔEv)は同様にほとん
どなく同じ効果が得られ、さらに長波長領域の光も利用
できる。
【0090】又、この構造のi層はSiH4とCH4さら
にGeH4等の流量を徐々に変化させて、短波長から長
波長までさらに効率よく吸収できるような構造をとって
もよい。
【0091】〈参考例2〉またさらに本発明のSi1-x
x:Hを多層膜の超格子構造に用いて、薄膜トランジ
スタ(TFT)や2次光電流型の光センサ等の薄膜半導
体装置に用いた場合について述べる。
【0092】アモルファスシリコン(a−Si)はアク
ティブマトリクス型の液晶ディスプレーの駆動部やファ
クシミリの密着型読み取りセンサの駆動部に好適に用い
られるが、アモルファスシリコンはその構造の不規則性
より禁制帯中に局在準位を持ちキャリアの易動度が小さ
く、高速動作に対応できない。この問題点を改善する手
段として薄膜トランジスタの半導体層を多層膜の超格子
構造にすることで、図13に示したようにポテンシャル
井戸層にキャリアを閉じ込めてキャリアの散乱確率を減
少させる効果や、ゲート絶縁膜との界面準位や固定電荷
に捕獲されない様にする効果によりキャリア易動度を向
上させることが考えられる。
【0093】しかしながらこれらの薄膜トランジスタや
光センサの場合、伝導に寄与するキャリアは電子である
が、応答性においては電子より1桁程度小さい易動度の
正孔のトラップや蓄積により制限されており、実際には
ポテンシャル井戸に蓄積された正孔のために応答性は余
り改善されない。
【0094】そこで本参考例の半導体薄膜をこの薄膜ト
ランジスタの超格子構造の障壁層121として用いるこ
とで、エネルギーバンド図は図14に示した様になり、
伝導帯側は電子に対しては図13に示されるのと同様に
ポテンシャルの井戸を形成するが、価電子帯側の不連続
段差が小さいので正孔に対しては障壁を形成しない。す
なわち正孔の易動度を落とすことなく、電子の易動度を
向上させることができる。
【0095】〈参考例3〉本発明のSi1-xx:Hを多
層膜の超格子構造に用いたLED素子やEL素子などの
薄膜発光素子について述べる。
【0096】この場合も図15に示されるように多層膜
構造を用いることで、キャリアの量子井戸閉じ込め効果
により発光効率を向上させる試みがなされている。しか
し図15に示した様に価電子帯側に不連続段差があるよ
うな場合、注入された正孔は易動度が低いためにほとん
どが最初の井戸層の中に蓄積され、そこで電子と再結合
して消滅する。従って実際には発光層の中で正孔の注入
側からごくわずかの膜厚領域だけで再結合による発光が
起きていることになる。
【0097】しかしながら本発明の半導体薄膜及びその
構造方法を用いることによって価電子帯側の不連続段差
はほぼ無視できるために、注入された正孔は井戸層に蓄
積された電子とのクーロン力とドリフト電界によっての
み制限されるために比較的自由に動くことができる。こ
のため図16に示されるように、発光層中の全領域にわ
たって井戸層に蓄積された電子と正孔は再結合すること
ができる。これによりEL素子、LED素子などの発光
効率を向上させることができる。
【0098】以上の参考例に示されるように、本発明の
Si1-xx:Hを用いることによって、価電子帯側にエ
ネルギーの段差がない半導体膜の積層構造を達成できる
ことがわかる。
【0099】〔実施例1〕図1は、本発明の光電変換装
置の構造を示す概略的断面構造であり、光吸収層104
と、増倍層103となる複数の禁制帯幅傾斜層111、
112、113とが、電荷注入素子層となるp型半導体
層105とn型半導体層102とで挟まれており、p型
半導体層105と電極106およびn型半導体層102
と電極101が夫々電気的に接続されている。なお、上
記電荷注入素子層は隣接する半導体層とショットキー接
続されていても良い。また、禁制帯幅傾斜層は3層の場
合を示したが、これに限定されず、1層あるいは2層以
上あればよい。
【0100】図1において、本実施例では101はCr
電極、102は正孔注入を阻止するための厚さ約500
Åのn型a−Si1-yGey:Hからなる電荷注入阻止
層、103はキャリア増倍を行うためのa−Si1-y
y:H〜a−Si1-xx:Hの組成を変化させて禁制
帯幅を変化させた増倍層、104は光を吸収しキャリア
を発生させるための厚さ約1μmのa−Si:Hからな
る光吸収層、105は電子注入を阻止するための厚さ約
100Åのp型a−SiCx:Hからなる電荷注入阻止
層、106は酸化インジウムを主体とする透明電極であ
る。
【0101】Cr電極101はEB蒸着法で、透明電極
106はスパッタ法で、電荷注入阻止層105、光吸収
層104、増倍層103及び電荷注入阻止層102はプ
ラズマCVD法で作成した。非晶質層作成の際に用いた
原料ガスは、電荷注入阻止層102にはSiH4、Ge
4、PH3、H2を、増倍領域103にはSiH4、Ge
4、CH4、B26、H2を、光吸収層104にはSi
4、H2を電荷注入阻止層105にはSiH4、CH4
26、H2を夫々用いた。非晶質層成膜時の基板温度
は好ましくは100〜400℃以下、より好ましくは1
50〜350℃であり、放電時の圧力は好ましくは0.
05〜10Torr、より好ましくは0.1〜1.0T
orrであるが、本実施例では基板温度は200℃、圧
力は0.2Torrとした。
【0102】増倍領域103は原料ガスのうちCH4
GeH4とB26のガス流量を連続的に変化させた厚さ
200Åの111、112、113の3層を有してい
る。増倍層の禁制帯幅変化領域は、まず、SiH4
2、CH4ガスから最大禁制帯幅層の形成をするところ
から開始し、このうちのCH4の流量を徐々に減らしゼ
ロになった時点からGeH4の流量を徐々に増やすこと
によって最小禁制帯幅層に至るように作成した。
【0103】図1に示した実施例の光電変換装置のエネ
ルギー帯構造を図2(a)及び図2(b)に示す。図2
(a)は本光電変換装置に電界が印加されていない場合
のエネルギー帯図、図2(b)は本光電変換装置に電界
が印加された場合のエネルギー帯図である。
【0104】図2(a)、図2(b)は、n型a−Si
1-yGey:H層202の禁制帯幅がEg4、a−Si1-y
Gey:Hからa−Si1-xx:Hの組成を変化させた
禁制帯幅変化層211、212、213の3つの層から
なる増倍領域の最小禁制帯幅がEg2、最大禁制帯幅が
Eg3、a−Si:H層204の禁制帯幅がEg1、p型
a−Si1-zz:H層205の禁制帯幅がEg0である
ことを示している。また、214、215、216がス
テップバックヘテロ接合であることを示している。ここ
で作製したa−Si:H層204の禁制帯幅Eg1は約
1.72eVである。また、p型a−Si1-zz:H層
205のC原子の組成比zは約0.2であり、その禁制
帯幅は約2.2eVである。禁制帯幅変化層211、2
12、213のうちの最大禁制帯幅を与えるa−Si
1-xx:H層は本実施例ではSi原子とC原子の組成比
xは約0.5であり、それらの禁制帯幅は約2.9eV
である。
【0105】アバランシェ増倍をステップバックヘテロ
接合部で起こすためにはこのa−Si1-xx:H層の禁
制帯幅(光学バンドギャップ)を大きくすることが必要
である。たとえば最小禁制帯幅を持つ材料をa−Si
1-yGey:Hとした場合でも、良好光電特性を求めると
1.4eV程度が限界であるため、アバランシェ増倍を
起こすにはa−Si1-yGey:Hの光学バンドギャップ
分の不連続段差をこのヘテロ接合で形成する必要がある
ので、a−Si1-xx:Hの光学バンドギャップは最低
でも2.8eV以上は必要である。a−Si1-yGey
Hの代わりにa−Si:Hを用いた場合には、良好な特
性を有するa−Si:H膜の光学バンドギャップは1.
7eV程度であるのでa−Si1-xCx:Hの光学バン
ドギャップは3.4eV以上必要となる。
【0106】また、a−Si1-yGey:H層202と禁
制帯幅変化層211、212、213のうちの最小禁制
帯幅を与えるa−Si1-yGey:H層とのGeの組成比
yはともに約0.4であり、それらの禁制帯幅Eg2
びEg4は1.4eVである。
【0107】図2(a)で示されるように最大禁制帯幅
を持つa−Si1-xx:Hと最小禁制帯幅を持つa−S
1-yGey:Hは価電子帯幅側ではエネルギー的に滑ら
かに接合しており、伝導帯側のみで禁制帯幅の差分の
1.5eVの不連続段差を形成している。
【0108】本発明において、アバランシェ増倍をステ
ップバックヘテロ接合部で起こすためには最大禁制帯幅
と最小禁制帯幅の差を大きくして、しかもその段差を価
電子帯もしくは伝導帯のどちらか一方だけに形成するこ
とが必要である。
【0109】したがって、本実施例に用いたa−Si
1-xx:H膜は先に説明した条件を満足するように作製
した。
【0110】具体的には本実施例では基板温度200
℃、圧力0.2Torr、rfパワー10WでCH4
SiH4の流量をそれぞれ100sccmと2sccm
とし、成膜速度を0.2Å/秒とした。これによって、
光学的禁制帯幅が2.9eVでa−Si:HやSi1-y
Gey:Hとの界面では価電子帯側の不連続段差ΔEv
が0eVであるa−Si1-xx:H膜が得られた。
【0111】このように作製された本実施例の光電変換
装置は、図2(a)、図2(b)をみてもわかるよう
に、強電界下においても、弱電界下においても、スパイ
ク及びノッチが発生していない。
【0112】かかる実施例における光電変換装置の増倍
率は、10V〜20Vのバイアス印加時にもほとんど変
化が無く、約10倍であった。また、増倍に伴って発生
した過剰雑音は約1.05と低かった。また、暗電流は
約1nA/cm2以下と低かった。また、応答速度は増
倍層の無いpin型光電変換装置と同等であり、高速で
あった。
【0113】なお、本実施例においては、増倍層内の禁
制帯幅変化層が3層であったが、これは単なる一例であ
り、その層数は幾つでもよく、所望の増倍率に応じて決
めればよい。
【0114】また、本実施例においては、伝導帯におけ
るステップバックヘテロ接合が急峻な接合になっている
が、電子の平均自由工程以内の範囲であれば接合がなだ
らかになっていても、同様の効果が得られる。また、接
合がさらになだらかであっても、所望の作用をもたらす
範囲にあればよい。
【0115】また、本実施例では組成変化層の厚さは約
200Åとしたが、この厚さはキャリアが再結合せずに
走行できる範囲内の厚さであればよい。ただし、薄い方
が印加バイアスを低くできるので好ましい。また本実施
例では、光吸収量の厚さが約1μmとしているが、入射
光が光吸収層を通過して増倍層まで達しない厚さであれ
ばよく、この厚さは光吸収係数により決められる。
【0116】また、本実施例の非晶質層の原料ガスに
は、SiH4、B26、PH3、CH4、GeH4を用いた
が、B26のかわりにB、Al、In、Tl等の第II
I族原子を含む別のガスを使うことができ、PH3のか
わりにP、As、Sb、Bi等の第V族原子を含むガス
を使うことができ、GeH4のかわりにGeF4等のゲル
マニウム化合物、SnH4等のスズ化合物を使うことが
できる。さらに、禁制帯幅変化層の組成比は、局在準位
低減のため0〜約0.6の範囲であることが好ましい。
また非晶質層の作製にはプラズマCVD法の他にECR
プラズマ法等も使用することができる。
【0117】また、本実施例では半導体層に非晶質層を
用いたが、多結晶等の非単結晶を用いてもよい。
【0118】また、電荷注入阻止層の禁制帯幅、ドーピ
ング量は、電極からの少数キャリアの注入が抑制でき、
かつ、多数キャリアの走行性が妨げられないように調整
されていればよい。
【0119】〔実施例2〕実施例1に示した光電変換素
子の製造方法を、特開昭63−278269号公報に提
案された走査回路、読出し回路上に積層した実施例につ
いて具体的に説明する。
【0120】図17(a)は、本発明の実施例の受光部
付近の概略的断面図、図17(b)は一画素の等価回路
図、図18は本装置全体の等価回路図及びブロック図で
ある。
【0121】図17(a)において、n型シリコン基板
701上にエピタキシャル成長によりコレクタ領域とな
るN−層702が形成され、その中にPベース領域70
3、さらにN+エミッタ領域704が形成されバイポー
ラトランジスタを構成している。Pベース領域703は
隣接画素と分離されており、また、水平方向に隣接する
Pベース領域との間には酸化膜705を挟んでゲート電
極706が形成されている。したがって、隣接するPベ
ース領域703を各々ソース・ドレイン領域としてPチ
ャネルMOSトランジスタが構成されている。ゲート電
極706はPベース領域703の電位を制御するための
キャパシタとしても働いている。さらに、絶縁層707
を形成した後、エミッタ電極708、ベース電極70
8′を形成する。その後、絶縁層709を形成し、続い
て電極711を形成し、画素ごとに分離する。電極71
1は電極708′と電気的に接続している。続いて、a
−Si1-yGey:H〜a−Si1-xx:Hの禁制帯幅変
化層721、722、723、724を形成して増倍層
713を構成する。次に光吸収層a−Si:H層714
を形成し、
【0122】
【外1】 715を形成し、バイアスを印加するための透明電極7
16を形成する。また、コレクタ電極717が基板70
1の裏面にオーミック接続されている。
【0123】したがって、一画素の等価回路は図17
(b)のように、結晶シリコンで構成されるバイポーラ
トランジスタ731のベースに、PチャネルMOSトラ
ンジスタ732とキャパシタ733及び前記実施例と同
様の光電変換装置734が接続され、ベースに電位を与
えるための端子735と、PチャネルMOSトランジス
タ732及びキャパシタを駆動するための端子736
と、透明電極に電位を与えるための電極737とエミッ
タ電極738、コレクタ電極739とで表される。
【0124】図18は図17(a)、図17(b)で示
した一画素セル740を3×3の2次元マトリックスに
配置した回路構成図である。同図において、一画素セル
740のコレクタ電極741は全画素にそれぞれ設けら
れ、センサ電極742もそれぞれ設けられている。ま
た、PMOSトランジスタのゲート電極及びキャパシタ
電極は行ごとに駆動配線743、743′、743″と
接続され、垂直シフトレジスタ(V.S.R.)744
と接続されている。またエミッタ電極は、列ごとに、信
号読出しのための垂直配線746、746′、746″
と接続されている。垂直配線746、746′、74
6″はそれぞれ垂直配線の電荷をリセットするためのス
イッチ747、747′、747″と読出しスイッチ7
50、750′、750″に接続されている。リセット
スイッチ747、747′、747″のゲート電極は垂
直配線リセットパルスを印加するための端子748に共
通接続され、また、ソース電極は垂直ラインリセット電
圧を印加するための端子749に共通接続されている。
読出しスイッチ750、750′、750″のゲート電
極はそれぞれ配線751、751′、751″を介して
水平シフトレジスタ(H.S.R.)752に接続され
ており、またドレイン電極は水平読出し配線753を介
して出力アンプ757に接続されている。水平読出し配
線753は水平読出し配線の電荷をリセットするための
スイッチ754に接続されている。リセットスイッチ7
54は水平配線リセットパルスを印加するための端子7
55と水平配線リセット電圧を印加するための端子75
6に接続される。最後にアンプ757の出力は端子75
8から取り出される。
【0125】以下、図17(a)、(b)及び図18を
用いて動作を簡単に説明する。図17(a)の光吸収層
714で入射された光が吸収され、発生したキャリアが
増倍領域713で増倍されて、ベース領域703に蓄積
される。図18の垂直シフトレジスタから出力される駆
動パルスが駆動配線743に現れると、キャパシタを介
してベース電位が上昇し、1行目の画素から光量に応じ
た信号電荷が垂直配線746、746′、746″にそ
れぞれ取り出される。次に、水平シフトレジスタ752
から走査パルスが751、751′、751″に順次出
力されると、スイッチ750、750′、750″が順
にオン、オフ制御され、信号がアンプ757を通じて出
力端子758に取り出される。この際、リセットスイッ
チ754は、スイッチ750、750′、750″が順
番にオン動作する間にオン状態となり、水平配線753
の残留電荷を除去している。次に、垂直ラインリセット
スイッチ747、747′、747″がオン状態とな
り、垂直配線746、746′、746″の残留電荷が
除去される。そして、垂直シフトレジスタ744から駆
動配線743に負方向のパルスが印加されると、1行目
の各PMOSトランジスタがオン状態となり、各画素の
ベース残留電荷が除去され、初期化される。次に、垂直
シフトレジスタ744から出力される駆動パルスが駆動
配線743′に現れ、2行目の画素の信号電荷が、同様
に取り出される。次に、3行目の画素の信号取り出しも
同様に行われる。以上の動作を繰り返すことにより本装
置は動作をする。
【0126】なお、以上説明した実施例では、本発明者
等の発明による回路例を示したが、本装置を一般的に知
られる他の光電変換装置の回路に適用しても構わない。
【0127】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明において
は光学的禁制帯幅が2.8eV以上の非単結晶炭化シリ
コンと、単結晶シリコンまたは非単結晶シリコンゲルマ
ニウムとのヘテロ接合界面で光学的禁制帯の不連続段差
により生じるエネルギーが価電子帯側で0.3eV以下
とすることによりヘテロ接合を用いた光電変換装置など
の薄膜半導体装置において生じていた、ヘテロ接合部で
の正孔の易動度が損なわれるという現象はなくなり半導
体装置の性能は飛躍的に改善される。
【0128】たとえば、太陽電池の窓層に本発明を用い
た場合には、より高エネルギー光を吸収して発生した光
キャリアが増加して、しかも界面のバッファ層は必要な
く、正孔の輸送特性を悪化させないので、フィルファク
ター(FF)や効率は飛躍的に向上する。
【0129】また多層膜の超格子構造の薄膜トランジス
タや光センサの障壁層あるいは光吸収層に本発明の半導
体膜を用いた場合には、正孔の易動度を落とすことなく
電子の易動度を向上させることができ、応答性が良くな
る。
【0130】又、光吸収層及びキャリア増倍層を非単結
晶材料で構成し、キャリア増倍層がその光学的禁制帯幅
を連続的に変化させた層を複数層重ねた構造を有するA
PD型の光電変換素子に本発明の非単結晶炭化シリコン
を用いた場合には、低圧印加時にも、高増倍率で応答速
度にすぐれ、しかも作製が容易で安全性などの面で工業
的にも有利であり、また低温作製であるために基板を選
ばず、信号処理回路等が既に形成された半導体基板上へ
も積層可能な光電変換素子や情報処理装置が実現でき
る。
【0131】より具体的には、 (1)本発明の光電変換装置の光吸収層、増倍層の構成
材料は非単結晶材料から構成されるので、毒性の少な
い、安価な工業的に有利なものとなる。 (2)また、本発明の光電変換装置の構成材料である非
単結晶材料の形成においては、プラズマCVD法、スパ
ッタ法などの成膜方法が適用でき、大面積かつ低温(1
00〜300℃)で容易に形成できる。したがって、大
面積の光電変換装置への応用が容易であり、また、信号
処理回路等が既に形成されている半導体基板上への積層
も可能であり、その応用範囲は大いに広がる。 (3)また、非単結晶材料としてa−Si1-yGey:H
やa−Si:Hを用いていることにより、最小禁制帯幅
が(1.1〜1.7eV)大きく、かつ、a−Si1-x
x:Hを用いることでステップバックヘテロ接合部の
伝導帯側のみのエネルギー不連続量ΔEcで大きな増倍
層を形成することが可能となる。したがって過剰雑音だ
けでなく暗電流雑音も小さな低雑音で高効率な増倍動作
が実現できる。 (4)さらに、蓄積動作を行って、キャリア蓄積量の増
加にともない増倍層に印加される電界が低くなっても、
増倍層のステップバックヘテロ接合部分にはスパイク及
びノッチが生じない。したがって、低電界でもステップ
バックヘテロ接合部のバンド不連続が維持され、高電界
印加時と同様な高イオン化率が達成できるだけでなく、
a−Si1-xx:Hとa−Si1-yGey:Hやa−S
i:Hの界面ではキャリア走行を阻害する方向のエネル
ギー不連続も生ぜず、高増倍率で、入射光量対出力の直
線性のすぐれた、応答速度の早い蓄積動作を行うことが
できる。 等の効果がある。
【0132】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の主旨の範囲内で適宜組合わせ、変
形を行うことができるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電変換素子の一例の概略的断面図で
ある。
【図2】図17の光電変換素子の模式的なエネルギーバ
ンド図で、(a)は電界非印加時、(b)は電界印加時
のエネルギーバンド図である。
【図3】Si1-xx:H膜の光学バンドギャップと膜中
のC原子組成量の関係を示す図である。
【図4】Si1-xx:H膜の光学バンドギャップと結合
水素量の関係を示す図である。
【図5】IPE(内部光電子放出)測定を行うための試
料の概略的断面図である。
【図6】価電子帯側の不連続段差(ΔEv)を光学バン
ドギャップに対して示した図である。
【図7】XPS(X線光電子分光)測定を行うための試
料の概略的断面図である。
【図8】半導体ヘテロ接合の禁制帯不連続を説明するた
めの模式図である。
【図9】CH4/SiH4流量比と光学バンドギャップの
関係を示す図である。
【図10】CH4/SiH4流量比と堆積速度の関係を示
す図である。
【図11】本発明のSi1-xx:H層を適用した太陽電
池(光起電力素子)の構造の一例を示す概略的断面図で
ある。
【図12】従来の太陽電池の構造の一例を示す概略的断
面図である。
【図13】従来の超格子構造を用いたTFT等の薄膜半
導体装置を説明するためのエネルギーバンド図である。
【図14】参考例の薄膜半導体装置の一例のエネルギー
バンド図である。
【図15】従来の超格子構造を有する薄膜発光素子の一
例のエネルギーバンド図である。
【図16】参考例の薄膜発光素子の一例のエネルギーバ
ンド図である。
【図17】本発明の情報処理装置に適用される光電変換
装置を説明するための図で(a)は概略的断面図、
(b)は等価回路図である。
【図18】本発明の情報処理装置の一例の等価回路図で
ある。
【図19】アバランシェフォトダイオード(APD)型
の光電変換装置の概略的断面図である。
【図20】図19のAPD型の光電変換装置の模式的な
エネルギーバンド図で、(a)は電界非印加時、(b)
は高電界印加動作時のエネルギーバンド図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/205

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非単結晶シリコン膜または非単結晶シリ
    コンゲルマニウム膜と少なくとも1つ以上の、ヘテロ接
    合を形成する半導体薄膜を有し、前記非単結晶シリコン
    膜または前記非単結晶シリコンゲルマニウム膜とのヘテ
    ロ接合界面で生じる光学的禁制帯の不連続段差より生じ
    るエネルギーが、価電子帯側で0.3eV以下とされ、
    かつ、前記半導体薄膜の光学的禁制帯幅が2.8eV以
    上とされたアバランシェ効果を利用した光電変換素子を
    有することを特徴とする薄膜半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記半導体薄膜は光入射側に形成される
    請求項1に記載の薄膜半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体薄膜は非単結晶炭化シリコン
    膜である請求項1に記載の薄膜半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記非単結晶炭化シリコン膜はSi1-x
    xと表すとxが0.45以上である請求項3に記載の
    薄膜半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記非単結晶炭化シリコン膜は水素原子
    を含有する請求項4に記載の薄膜半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記非単結晶炭化シリコン膜は炭素原子
    に結合した水素原子の数が、シリコン原子に結合した水
    素原子の数の5倍以上である請求項5に記載の薄膜半導
    体装置。
  7. 【請求項7】 前記光電変換素子は少なくとも光吸収層
    と該光吸収層で発生したキャリア増倍層を有する請求項
    1に記載の薄膜半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記キャリア増倍層は光学的禁制帯幅を
    最小禁制帯幅より最大禁制帯幅まで光学的禁制帯幅を傾
    斜して連続的に変化させ、かつ増倍を起こすヘテロ接合
    部で光学的禁制帯幅の広い領域と狭い領域とにより急峻
    な不連続段差のステップバック構造を形成する少なくと
    も一層の半導体薄膜を有する請求項7に記載の薄膜半導
    体装置。
  9. 【請求項9】 キャリア増倍層の増倍を起こすヘテロ接
    合部の最小禁制帯幅は1.4eV以上1.7eV以下で
    ある請求項8に記載の薄膜半導体装置。
  10. 【請求項10】 非単結晶シリコン膜または非単結晶シ
    リコンゲルマニウム膜と少なくとも1つ以上の、ヘテロ
    接合を形成する半導体薄膜を有し、前記非単結晶シリコ
    ン膜または前記非単結晶シリコンゲルマニウム膜とのヘ
    テロ接合界面で生じる光学的禁制帯の不連続段差より生
    じるエネルギーが、価電子帯側で0.3eV以下とさ
    れ、かつ、前記半導体薄膜の光学的禁制帯幅が2.8e
    V以上とされたアバランシェ効果を利用した光電変換装
    置を有する薄膜半導体装置と、 かつ、前記装置を積層あるいは電気的に接続した信号出
    力部が、前記装置より発生した電気的信号を蓄積する蓄
    積手段、前記電気的信号を走査するための走査手段、前
    記電気的信号を読み出すための読出し手段のうち、少な
    くとも1つを備えていることを特徴とする情報処理装
    置。
  11. 【請求項11】 前記非単結晶シリコン膜は非晶質シリ
    コンを有する請求項10に記載の情報処理装置。
  12. 【請求項12】 前記非単結晶シリコンゲルマニウム膜
    は非晶質シリコンゲルマニウム膜を含む請求項10に記
    載の情報処理装置。
  13. 【請求項13】 前記半導体薄膜は光入射側に形成され
    る請求項10に記載の情報処理装置。
  14. 【請求項14】 前記半導体薄膜は非単結晶炭化シリコ
    ン膜である請求項10に記載の情報処理装置。
  15. 【請求項15】 前記非単結晶炭化シリコン膜はSi
    1-xxと表すとxが0.45以上である請求項14に記
    載の情報処理装置。
  16. 【請求項16】 前記非単結晶炭化シリコン膜は水素原
    子を含有する請求項15に記載の情報処理装置。
  17. 【請求項17】 前記非単結晶炭化シリコン膜は炭素原
    子に結合した水素原子の数が、シリコン原子に結合した
    水素原子の数の5倍以上である請求項16に記載の情報
    処理装置。
  18. 【請求項18】 前記非単結晶炭化シリコン膜は非晶質
    炭化シリコンを有する請求項14に記載の情報処理装
    置。
  19. 【請求項19】 前記薄膜半導体装置はアバランシェ効
    果を利用した光電変換素子である請求項10に記載の情
    報処理装置。
  20. 【請求項20】 前記光電変換素子は少なくとも光吸収
    層と該光吸収層で発生したキャリア増倍層を有する請求
    項19に記載の情報処理装置。
  21. 【請求項21】 前記キャリア増倍層は光学的禁制帯幅
    を最小禁制帯幅より最大禁制帯幅まで光学的禁制帯幅を
    傾斜して連続的に変化させ、かつ増倍を起こすヘテロ接
    合部で光学的禁制帯幅の広い領域と狭い領域とにより急
    峻な不連続段差のステップバック構造を形成する少なく
    とも一層の半導体薄膜を有する請求項20に記載の情報
    処理装置。
  22. 【請求項22】 キャリア増倍層の増倍を起こすヘテロ
    接合部の最小禁制帯幅は1.4eV以上1.7eV以下
    である請求項21に記載の情報処理装置。
  23. 【請求項23】 前記非単結晶シリコン膜は非晶質シリ
    コンを有する請求項1に記載の薄膜半導体装置。
  24. 【請求項24】 前記非単結晶シリコンゲルマニウム膜
    は非晶質シリコンゲルマニウムを有する請求項1に記載
    の薄膜半導体装置。
  25. 【請求項25】 前記非単結晶炭化シリコン膜は非晶質
    炭化シリコンを有する請求項1に記載の薄膜半導体装
    置。
JP5302887A 1993-01-22 1993-12-02 薄膜半導体装置及び該装置を有する情報処理装置 Withdrawn JPH07162027A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3352219A4 (en) * 2015-09-17 2019-05-15 Sony Semiconductor Solutions Corporation SEMICONDUCTOR IMAGING ELEMENT, ELECTRONIC DEVICE, AND METHOD FOR MANUFACTURING SEMICONDUCTOR IMAGING ELEMENT

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US10475831B2 (en) 2015-09-17 2019-11-12 Sony Semiconductor Solutions Corporation Solid-state image sensing device, electronic device, and method for manufacturing solid-state image sensing device

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