JPH0716192U - 回転飾り駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 飾りとして、同心円上にある２つのステージ
が各々逆方向に回転し、内側ステージは回転運動と同時
に上下運動も行なう駆動装置を簡単な構成で安価に得
る。 【構成】 ベースプレート８に回転自在に支持され、数
個の貫通孔1aが歯車円板部1bの同半径位置に穿設されて
いる第１の歯車１と、出力軸5aに固定したピニオン３を
噛み合わせることによって第１の歯車１を回転させる回
転駆動装置５と、ドーナツ状で内歯車2aが形成されてお
り、第１の歯車１の外周でベースプレート８に回転自在
に支持されており、第１の歯車１との間に中間歯車４を
介することによって第１の歯車１に対して逆回転する第
２の歯車２と、ベースプレート８上で、第１の歯車１の
歯車円板部1bの貫通孔1aと同半径位置に固定設置されて
いるカム部材７と、プレート状で下面に脚6aが垂設され
ており、脚6aは第１の歯車１の貫設孔1aに挿置されてお
り、第１の歯車１に対して上下方向に摺動自在であり、
脚6aの下端はカム部材７のカム面7aに当接しているステ
ージプレート６とを具備している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば回転飾り付き置時計に用いられる回転飾り駆動装置に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、正時になると人形が踊ったりする、いわゆる「からくり時計」がよ く知られており、種々の構成のものがある。その一例として、本願出願人は以前 にメリーゴーランドの動きを見せる可動飾り付き置時計（特開平２−３８９９０ 号）を提案している。この従来技術では、上端部に飾り（馬）を有する軸を支持 する円板が回転し、軸の下端部に設けてあるコロがケース内部の波形のカム上を 転がることにより、軸が上下し、このため飾り（馬）が上下運動しながら回転す るものであった。さらに見栄えのよい動きをする回転飾りとして、本願出願人は 実開平４−１０９３９４号の回転飾り駆動装置を提案している。これは、傾斜盤 が飾りを支承する支持部材に対して所定の角度で傾斜して回転すると、この傾斜 盤に係合部材を介して当接する飾り軸が上下動するとともに、飾り軸自身も回転 することにより、飾りが上下運動と回転運動とを同時に行なう。飾り軸を支承す る支持部材を回転させる構成にすれば、飾りは上記した上下運動と回転運動とを 同時に行ないながら、その位置を移動するものとなる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記した波形のカム上をコロが転がる構成の従来技術では、飾りに上下運動を 与えることはできても、飾り自身に回転運動を与えることはできない。仮に、飾 り自身に上下運動と回転運動とを同時に与えようとすれば、その構成は複雑とな る。また、飾りを所定の角度で傾斜する傾斜盤で駆動させる構成の技術では、回 転するステージが１重であるため、単調さが否めない。

【０００４】 そこで本考案の目的は、飾りとして、同心円上にある２つのステージ（内側ス テージと外側ステージ）が、各々逆方向に回転し、内側ステージは回転運動と同 時に上下運動も行なう駆動装置を簡単な構成で安価に得ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案では、ベースプレートに回転自在に支持さ れ、数個の貫通孔が歯車円板部の同半径位置に穿設されている第１の歯車と、出 力軸に固定したピニオンを噛み合わせることによって第１の歯車を回転させる回 転駆動装置と、ドーナツ状で内歯車が形成されており、第１の歯車の外周でベー スプレートに回転自在に支持されており、第１の歯車との間に中間歯車を介する ことによって第１の歯車に対して逆回転する第２の歯車と、ベースプレート上で 、第１の歯車の歯車円板部の貫通孔と同半径位置に固定設置されているカム部材 と、プレート状で下面に脚が垂設されており、脚は第１の歯車の貫設孔に挿置さ れており、第１の歯車に対して上下方向に摺動自在であり、脚の下端はカム部材 のカム面に当接しているステージプレートとを具備している。

【０００６】

【実施例】

本考案の詳細を添付図面に示した好適な実施例にそって説明する。

【０００７】 まず初めに、本考案の回転飾り駆動装置の歯車輪列の機構について説明する。 図１および図２に本回転飾り駆動装置の歯車輪列を示す。回転駆動装置５の出力 軸５ａに固定されたピニオン３に第１の歯車１が噛み合わされている。第１の歯 車１と第２の歯車２との間には中間歯車４が設けられており、中間歯車４は第２ の歯車２の内歯車２ａと噛み合っていて第２の歯車２に第１の歯車１の回転が伝 えられる。中間歯車４を一つだけ介して回転が伝えられているため、第１の歯車 １と第２の歯車２は逆回転する関係にある。

【０００８】 上述の歯車輪列の支持について説明する（図２および図３参照）。回転駆動装 置５はベースプレート８の下面に配設され、ピニオン３はベースプレート８のド ーナツ状凸部８ｂをカットして設けられた空間部８ｆに位置し、ベースプレート ８を貫通する出力軸５ａに固定されている。第１の歯車１は、ベースプレート８ に設けられた支持軸８ａに回転自在に軸支され、ピニオン３と噛み合わされてい る。第２の歯車２は、ベースプレート８上に設けられたドーナツ状凸部８ｂの上 面に設けられている回転受け溝８ｃに、第２の歯車２の下面に突設されたリング 状凸部２ｂを嵌め合わせることによって回転自在に支持されている。第１の歯車 １の回転を第２の歯車２に伝えるための中間歯車４は、ベースプレート８のドー ナツ状凸部８ｂをカットして設けられた空間部８ｇに位置し、第１の歯車１と第 ２の歯車２との間にベースプレート８に設けられた支持軸８ｄに回転自在に軸支 されている。

【０００９】 図２および図３に示すように、第１の歯車１には貫通孔１ａ（本実施例におい ては３個（図１参照））が歯車円板部１ｂの同半径位置に穿設されており、プレ ート状で下面に脚６ａが垂設されているステージプレート６の脚６ａが第１の歯 車１の歯車円板部１ｂに設けられている貫通孔１ａに挿置されることによって、 ステージプレート６は第１の歯車１の回転と同時に回転する。ここで、第１の歯 車１と第２の歯車２は各々逆方向に回転するため、同心円上にある２つのステー ジ６ｂ，２ｃ（内側ステージ６ｂはステージプレート６の上面、外側ステージ２ ｃは第２の歯車２のステージ部２ｃ）は各々逆方向に回転する。

【００１０】 ベースプレート８には第１の歯車１と同中心に環状にカム部材７が設けられて おり、その位置は第１の歯車１の歯車円板部１ｂの貫通孔１ａと同半径位置であ る。内側ステージ６ｂであるステージプレート６の下面に垂設されている脚６ａ は、脚６ａの下端がカム部材７のカム面７ａに当接している。ステージプレート ６の下面の脚６ａを１２０゜均等に垂設し、カムを１２０゜単位で３６０゜に同 様にカムを設ければ、ステージプレート６が回転する時にも３つの脚６ａは常に 同様にカム面７ａに当接するため、ステージプレート６の上下運動はスムーズに 行なわれることになる。

【００１１】 次に動作について説明する。図２に示すように、回転駆動装置５の出力軸５ａ に固定されたピニオン３が回転すると、歯車輪列を組んでいる第１の歯車１、中 間歯車４そして第２の歯車２の順に回転が伝えられて、各々の歯車が回転する。 ここで、上述のように第１の歯車１と第２の歯車２は逆方向に回転する。また、 第１の歯車１の回転と同時に第１の歯車１の歯車円板部１ｂに穿設されている貫 通孔１ａに脚６ａを挿置しているステージプレート６が第１の歯車１の回転と一 致して回転する。さらに、ステージプレート６は脚６ａの下端がカム部材７のカ ム面７ａに当接しており、カム面７ａにそってステージプレート６が上下運動す る。したがって、ステージプレート６に載置されている飾り９（例えば、人形） および第２の歯車２のステージ部２ｃに載置されている飾り１０（同様に、例え ば、人形）は、内側ステージ６ｂに載置されている飾り９が回転運動しながら上 下運動も同時に行ない、外側ステージ２ｃに載置された飾り１０が内側ステージ ６ｂの周辺を内側ステージ６ｂと反対方向に回転運動する。

【００１２】

【他の実施例】

上述の実施例において、外側ステージ２ｃである第２の歯車２のステージ部２ ｃに載置する飾り１０自身についても回転運動および上下運動をさせるようにし た実施例を図４に示す。すなわち、第２の歯車２のステージ部２ｃに穴を穿設し 、その穴に軸受１１を埋設する。そして、外側ステージ２ｃに載置されている飾 り１０自身の下部に摺動軸１２を貫設し、その摺動軸１２を埋設されている軸受 １１に支承させ、摺動軸１２の下端には円板状部材１３が取り付けてある。さら に、ベースプレート８のドーナツ状凸部８ｂの上面に設けられている回転受け溝 ８ｃの外周部において傾斜面カム８ｅが形成してある。傾斜面カム８ｅの上面は 平坦面となっており、この平坦面に飾り１０の摺動軸１２の円板状部材１３が傾 斜面カム８ｅの上面に当接している。

【００１３】 これにより、内側ステージ６ｂに載置されている飾り９は、内側ステージ６ｂ ごと回転運動と上下運動とを同時に行ない、また、外側ステージ２ｃに載置され ている飾り１０は、外側ステージ２ｃごと回転運動しながら飾り１０自身が回転 運動と上下運動とを同時に行なうことになり、飾り９，１０達の複雑な動きが得 られる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の構成によれば、簡単な構成で同心円上にある２つのステージ（内側ス テージと外側ステージ）が各々逆方向に回転し、内側ステージは回転運動と同時 に上下運動も行なう駆動装置が得られるから、飾りとして複雑で面白い動きをす る回転飾りが得られ、視覚的にたいへん楽しむことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の回転飾り駆動装置の歯車輪列を説明す
る平面図である。

【図２】本考案の回転飾り駆動装置の歯車輪列を説明す
る断面図である。

【図３】本考案の回転飾り駆動装置の歯車輪列の支持を
説明する断面図である。

【図４】本考案の他の実施例を説明する断面図である。

【符号の説明】

１ 第１の歯車 １ａ 貫通孔 １ｂ 歯車円板部 ２ 第２の歯車 ２ａ 内歯車 ３ ピニオン ４ 中間歯車 ５ 回転駆動装置 ５ａ 出力軸 ６ ステージプレート ６ａ 脚 ７ カム部材 ８ ベースプレート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベースプレートに回転自在に支持され、
   数個の貫通孔が歯車円板部の同半径位置に穿設されてい
   る第１の歯車と、 出力軸に固定したピニオンを噛み合わせることによって
   上記第１の歯車を回転させる回転駆動装置と、 ドーナツ状で内歯車が形成されており、上記第１の歯車
   の外周で上記ベースプレートに回転自在に支持されてお
   り、上記第１の歯車との間に中間歯車を介することによ
   って上記第１の歯車に対して逆回転する第２の歯車と、 上記ベースプレート上で、上記第１の歯車の上記歯車円
   板部の上記貫通孔と同半径位置に固定設置されているカ
   ム部材と、 プレート状で下面に脚が垂設されており、上記脚は上記
   第１の歯車の貫設孔に挿置されており、上記第１の歯車
   に対して上下方向に摺動自在であり、上記脚の下端は上
   記カム部材のカム面に当接しているステージプレート
   と、 を具備する回転飾り駆動装置。