JPH07161298A - プラズマディスプレイパネルの製造方法及びプラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法及びプラズマディスプレイパネル

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JPH07161298A
JPH07161298A JP31171093A JP31171093A JPH07161298A JP H07161298 A JPH07161298 A JP H07161298A JP 31171093 A JP31171093 A JP 31171093A JP 31171093 A JP31171093 A JP 31171093A JP H07161298 A JPH07161298 A JP H07161298A
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裕之 中原
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秀人 里見
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則之 淡路
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】PDPの製造方法に関し、形状の均一な隔壁を
有した高精細で大型のプラズマディスプレイパネルを容
易に製造することを目的とする。 【構成】放電空間を区画する隔壁29を有したPDPの
製造に際して、基板21上に第1のガラスペーストP1
とそれに比べてバインダの含有量の多い第2のガラスペ
ーストP2とを順に塗布し、複層構造の隔壁形成用ガラ
スペースト層29aを形成する工程と、感光性レジスト
材のパターン露光によって、ガラスペースト層29aの
上に切削マスク61を形成する工程と、サンドブラスト
法によってガラスペースト層29aを部分的に切削する
工程と、切削後のガラスペースト層29aを焼成して隔
壁29を形成する工程とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマディスプレイ
パネル(PDP)の製造方法に関する。蛍光体によるフ
ルカラーのマトリクス表示に適した面放電型PDPは、
CRTに代わる薄型表示デバイスとして注目されてお
り、ハイビジョン映像の分野への用途拡大に向けてその
高精細化と大画面化が進められている。
【0002】
【従来の技術】図6は一般的な面放電型PDPの分解斜
視図であり、1つの画素EGに対応する部分の基本的な
構造を示している。
【0003】図6に例示したPDP10は、マトリクス
表示の単位発光領域EUに一対の表示電極X,Yとアド
レス電極Aとが対応する3電極構造を有し、蛍光体の配
置形態による分類の上で反射型と呼称される面放電型P
DPである。
【0004】面放電のための表示電極X,Yは、表示面
H側のガラス基板11上に設けられ、壁電荷を利用して
放電を維持するAC駆動のための誘電体層17によって
放電空間30に対して被覆されている。誘電体層17の
表面には、その保護膜として数千Å程度の厚さのMgO
膜18が設けられている。
【0005】なお、表示電極X,Yは、放電空間30に
対して表示面H側に配置されることから、面放電を広範
囲とし且つ表示光の遮光を最小限とするため、ネサ膜な
どからなる幅の広い透明導電膜41とその導電性を補う
ための幅の狭いバス金属膜42とから構成されている。
【0006】一方、単位発光領域EUを選択的に発光さ
せるためのアドレス電極Aは、背面側のガラス基板21
上に、表示電極X,Yと直交するように一定ピッチで配
列されている。
【0007】各アドレス電極Aの間には、100〜15
0μm程度の高さを有したストライプ状の隔壁29が設
けられ、これによって放電空間30がライン方向(表示
電極X,Yの延長方向)に単位発光領域EU毎に区画さ
れ、且つ放電空間30の間隙寸法が規定されている。ま
た、ガラス基板21には、アドレス電極Aの上面及び隔
壁29の側面を含めて背面側の内面を被覆するように、
R(赤),G(緑),B(青)の3原色の蛍光体28が
設けられている。図中のアルファベットR,G,Bは各
蛍光体28の発光色を示している。蛍光体28は、面放
電時に放電空間30内の放電ガスが放つ紫外線によって
励起されて発光する。
【0008】表示画面を構成する各画素(ドット)EG
には、ライン方向に並ぶ同一面積の3つの単位発光領域
EUが対応づけられている。各単位発光領域EUにおい
て、表示電極X,Yによって面放電セル(表示のための
主放電セル)が画定され、表示電極Yとアドレス電極A
とによって表示又は非表示を選択するためのアドレス放
電セルが画定される。これにより、アドレス電極Aの延
長方向に連続する蛍光体28の内、各単位発光領域EU
に対応した部分を選択的に発光させることができ、R,
G,Bの組み合わせによるフルカラー表示が可能であ
る。
【0009】以上の構成のPDP10は、各ガラス基板
11,21について別個に所定の構成要素を設けた後、
ガラス基板11,21を対向配置して間隙の周囲を封止
し、内部の排気と放電ガスの封入を行う一連の工程によ
って製造される。
【0010】その際、ガラス基板21上には、まず、ア
ドレス電極Aが設けられ、その後に隔壁29及び蛍光体
28が順に設けられる。このように形成順序を選定する
ことにより、アドレス電極Aを厚膜法を用いて容易に形
成することができ、且つ隔壁29の側面を覆うように蛍
光体28を設けて輝度を高めることができる。
【0011】従来において、隔壁29は、低融点ガラス
フリットとバインダとを混合したガラスペーストをスク
リーン印刷法を用いてストライプ状に塗布する工程と、
その後の焼成工程とによって形成されていた。つまり、
スクリーンマスクを用いたパターン印刷によって、所定
の平面パターンを有した隔壁29を得ていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】スクリーン印刷法によ
るパターン印刷では、隔壁29の幅及び配列ピッチの縮
小が困難であり、表示の高精細化が望めない。また、表
示面Hを大型化しようとすると、スクリーンマスクの収
縮などに起因して、隔壁29とアドレス電極Aとの配置
関係を表示面Hの全体にわたって均一にすることが不可
能になる。さらに、所定の高さの隔壁29を得るため
に、十回程度の重ね印刷(ペーストの積層)が必要であ
り、印刷時及び焼成時に型崩れが起こり易く放電に支障
が生じることがある。
【0013】そこで、ガラス基板21を一様に覆う低融
点ガラス層(いわゆるベタ膜)を設け、それをサンドブ
ラスト法を用いて部分的に切削して隔壁29を形成する
ことが考えられる。その場合において、ガラスペースト
を一様に塗布して焼成した後に切削を行ってもよいが、
そうすると、切削レートが大きくなり過ぎて切削時間の
制御が困難になる。つまり、焼成以前のペースト状態の
低融点ガラス層を切削するのが、過不足のない切削を実
現する上で有利である。
【0014】しかし、ガラスペースト層の切削では、切
削レートが大きくなるようにバインダの含有量及び種類
(材質)を選定すると、感光性レジスト材からなる切削
マスクとガラスペースト層との密着性が低下し、切削マ
スクの剥離が生じて所定形状の隔壁が得られず、逆に密
着性が高くなるようにバインダの含有量又は種類を選定
すると、切削レートが小さくなってしまうという問題が
あった。
【0015】切削レートが小さくなるにつれて、加工の
所要時間が長くなって生産性が低下し、それを避けるた
めにブラスト圧力を高くすれば、面方向の切削が進むこ
とから大幅な高精細化が望めない。
【0016】本発明は、上述の問題に鑑みてなされたも
ので、形状の均一な隔壁を有した高精細で大型のプラズ
マディスプレイパネルを容易に製造することを目的とし
ている。また、特に請求項4及び請求項6の発明は、表
示の高輝度化及びコントラストの向上を図ることをも目
的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る製
造方法は、上述の課題を解決するため、図1に示すよう
に、放電空間30を区画する隔壁29を有したプラズマ
ディスプレイパネル1の製造に際して、基板21上に第
1のガラスペーストP1とそれに比べてバインダの含有
量の多い第2のガラスペーストP2とを順に塗布し、複
層構造の隔壁形成用ガラスペースト層29aを形成する
工程と、感光性レジスト材のパターン露光によって、前
記ガラスペースト層29aの上に切削マスク61を形成
する工程と、サンドブラスト法によって前記ガラスペー
スト層29aを部分的に切削する工程と、切削後の前記
ガラスペースト層29aを焼成して前記隔壁29を形成
する工程とを設けるものである。
【0018】請求項2の発明に係る製造方法は、基板2
1上にバインダの種類の異なる第1及び第2のガラスペ
ーストP1,P2を順に塗布し、複層構造の隔壁形成用
のガラスペースト層29aを形成する工程と、感光性レ
ジスト材のパターン露光によって、前記ガラスペースト
層29aの上に切削マスク61を形成する工程と、サン
ドブラスト法によって前記ガラスペースト層29aを部
分的に切削する工程と、切削後の前記ガラスペースト層
29aを焼成して前記隔壁29を形成する工程とを設け
るものである。
【0019】請求項3の発明に係る製造方法は、前記第
1のガラスペーストP1のバインダをエチルセルロース
系の有機物とし、前記第2のガラスペーストP2のバイ
ンダをアクリル系の有機物とするものである。
【0020】請求項4の発明に係る製造方法は、前記第
1のガラスペーストP1に明色顔料を添加し、前記第2
のガラスペーストP2に暗色顔料を添加するものであ
る。請求項5の発明に係る製造方法は、前記第1のガラ
スペーストP1を塗布した後、前記第2のガラスペース
トP2を塗布する以前に、ペースト間の密着性を高める
ための第3のガラスペーストP3を塗布する工程を設け
るものである。
【0021】請求項6の発明に係るPDPは、放電空間
30を区画する隔壁29が、その大半を占める明色の下
部ガラス層291と、暗色の頂部ガラス層292と、こ
れらの接合強度を高めるための中間ガラス層293とか
らなる。
【0022】
【作用】隔壁29は、ガラスフリットとバインダとを混
合したガラスペーストを所定の厚さに塗布し、切削マス
ク61を設けてサンドブラスト法により部分的に切削
し、その後に焼成することにより形成される。
【0023】その際、図3(a)及び(b)に示すよう
に、ガラスペースト中のバインダの含有量が少ないほ
ど、切削レートは大きくなるが、その反面、切削マスク
61との密着性(ピール強度)が低下する。そこで、バ
インダの含有量が少ないガラスペーストを比較的に厚く
塗布し、その後にバインダの含有量が多いガラスペース
トを薄く塗布すれば、全体として切削レートが大きく、
しかも切削マスク61との密着性の良好な隔壁形成用ガ
ラスペースト層29aを得ることができる。つまり、切
削中のマスク剥離を防ぎつつ効率的に隔壁29を形成す
ることができる。
【0024】
【実施例】図1は本発明に係るPDP1の要部の構造を
示す断面図、図2は図1のPDP1の製造段階の各状態
を示す断面図、図3(a)及び(b)は切削レート及び
ピール強度のバインダ依存特性を示すグラフである。
【0025】PDP1は、反射型と呼称される3電極構
造の面放電型PDPであり、表示面側のガラス基板1
1、透明導電膜41とそれに重なるバス金属層42とか
らなる表示電極X,Y、表示電極X,Yを被覆する誘電
体層17、MgO膜18、背面側のガラス基板21、表
示電極X,Yと直交するアドレス電極A、放電空間30
の間隙寸法を規定するストライプ状の隔壁29、及び所
定発光色の蛍光体28から構成されている。
【0026】隔壁29は、放電空間30をライン方向に
単位発光領域EU毎に区画するように、各アドレス電極
Aの間に配置されている。各隔壁29の幅は50μm程
度であり、各隔壁29の間隔は100μm程度である。
つまり、ライン方向の単位発光領域EUの寸法(隔壁2
9の配列ピッチ)は150μm程度である。
【0027】図2に示すように、PDP1のガラス基板
21側の製造に際しては、厚膜法によって5〜30μm
程度の厚さのアドレス電極Aを形成した後、以下の手順
で隔壁29を形成する。
【0028】まず、アドレス電極Aを含めてガラス基板
21の表面を一様に覆うように、第1の低融点ガラスペ
ーストP1を150〜200μm程度の厚さに塗布し、
続いて第2の低融点ガラスペーストP2を10〜40μ
m程度の厚さに塗布し、下層が上層に比べて十分に厚い
2層構造(上層の厚さは全体の5〜20%程度)のガラ
スペースト層29aを形成する〔図2(a)〕。
【0029】このとき、第1の低融点ガラスペーストP
1としては、バインダが例えばエチルセルロース系の有
機物であり、その含有量が0.8〜1.2wt%程度の
ペーストを用いる。一方、第2の低融点ガラスペースト
P2としては、バインダは第1の低融点ガラスペースト
P1と同一のエチルセルロース系の有機物であるが、そ
の含有量が第1の低融点ガラスペーストP1より多い
1.5〜2.0wt%程度のペースト、又はバインダが
アクリル系の有機物であって、その含有量が2.0〜
3.0wt%程度のペーストを用いる。
【0030】なお、各ペーストP1,P2の塗布方法と
しては、スクリーン印刷法、バーコータ法、又はアプリ
ケータ法などを用いることができ、塗布を容易化するた
めにペーストに有機溶剤を混合してもよい。スクリーン
印刷法を用いる場合は、特にペーストP1の塗布に際し
て数回の重ね印刷を行う必要があるが、ガラスペースト
層29aの厚さの均一化が容易である。
【0031】次に、厚さが30〜50μm程度のドライ
フィルム状のネガ型感光性レジスト材を、ラミネータを
用いて80〜100℃程度の温度でガラスペースト層2
9aの表面に圧着し、パターン露光及び現像処理を行っ
て、隔壁29に対応した幅のストライプ状の切削マスク
61を形成する〔図2(b)〕。このとき、ロールコー
タ法などにより感光性レジスト材を設けてもよいが、ラ
ミネータを用いることにより厚く均一な切削マスク61
を容易に得ることができる。また、ネガ型のレジスト材
を用いることにより、弾性率が大きく耐久性に優れた切
削マスク61を得ることができる。
【0032】続いて、ガラスペースト層29aをサンド
ブラスト法によって部分的に切削する〔図2(c)〕。
すなわち、#400〜#600程度の粗さの切削粉(例
えばSiC)を、ドライエア(又は窒素ガス)に混合し
て1.5〜3kg/cm2 程度の圧力でガラスペースト
層29a及び切削マスク61の表面に吹きつける。切削
はアドレス電極Aが完全に露出するまで続ける。
【0033】ここで、一般に、ガラスペーストは、バイ
ンダの含有量が少ないほど脆く、その切削レートが大き
い。ただし、図3(a)に示すように、エチスセルロー
ス系バインダからなるペーストでは、バインダの含有量
が少なくなるにつれて、切削マスク61との密着性を表
すピール強度が大幅に低下し、切削中のマスク剥離が生
じ易くなる。
【0034】また、図3(b)に示すように、アクリル
系バインダからなるペーストでは、バインダの含有量を
減らして切削レートを高めても、ピール強度の低下の度
合いは比較的に小さい。つまり、アクリル系バインダ
は、切削マスク61との密着性の点で、エチスセルロー
ス系バインダよりも優れる。ただし、切削レートの点で
は、エチスセルロース系バインダがアクリル系バインダ
よりも有利である。
【0035】ところで、本実施例における切削対象であ
るガラスペースト層29aは、上述したように80〜9
5%を占める下側の大半が比較的にバインダ含有量の少
ない第1ガラスペーストP1からなり、切削マスク61
と接する表層部がバインダ含有量の多い第2ガラスペー
ストP2からなるので、全体として切削レートが大き
く、しかも切削マスク61との密着性の良好な層となっ
ている。特に第2ガラスペーストP2のバインダをアク
リル系とした場合には、エチスセルロース系とした場合
に比べて密着性がより高まる。このため、切削中にマス
ク剥離が起こらず、歩留りよく且つ短時間で不要のガラ
スペーストを除去することができる。
【0036】このようなサンドブラストによる切削が終
わると、パターニング後のガラスペースト層29aを5
50〜580℃程度の温度で焼成する。これにより、1
00〜150μm程度の厚さの隔壁29が得られる。焼
成時にはガラスペースト層29aからバインダが放散す
るので、第1及び第2の低融点ガラスペーストP1,P
2におけるバインダを除く組成が同一であれば、隔壁2
9は均質な低融点ガラス層となる。
【0037】なお、隔壁29を形成した後においては、
各隔壁29の間に蛍光体28を設け、ガラス基板21と
別途に表示電極X,Yなどを設けたガラス基板11とを
重ね合わせてPDP1を完成する。
【0038】図4は他の実施例に係るPDP1bの要部
の構造を示す断面図、図5は図4のPDP1bの製造段
階の状態を示す断面図である。これらの図において、図
1及び図4に対応する構成要素には、材質や形状の差異
に係わらず同一の符号を付してある。
【0039】図4において、PDP1bは反射型の3電
極構造の面放電型PDPであり、このPDP1bと図1
のPDP1との構造上の相違点は、隔壁29に着色が施
されている点である。すなわち、PDP1bの隔壁29
は、その大半を占める明色(明度の大きい色)の下部ガ
ラス層291と、暗色の頂部ガラス層292と、これら
に挟まれた透明の中間ガラス層293とからなる。下部
ガラス層291の厚さは70〜130μm程度であり、
頂部ガラス層292の厚さは20〜30μm程度であ
り、中間ガラス層293の厚さは10μm程度である。
【0040】下部ガラス層291は蛍光体28によって
被覆され、これを明色とすることにより、光の反射率が
高まることから、表示の高輝度化を図ることができる。
頂部ガラス層292は表示面Hと対向する部分であり、
これを暗色とすることにより、表示のコントラストを高
めることができる。なお、中間ガラス層293は、下部
ガラス層291と頂部ガラス層292との剥離を防止す
るために設けられている。
【0041】図5において、隔壁29の形成に際して
は、まず、アドレス電極Aを設けた背面側のガラス基板
21上に、例えば白色顔料(酸化チタン、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウムなど)を添加した低融点ガラス
ペーストP1を厚く塗布する。このとき、低融点ガラス
ペーストP1のバインダ含有量を、図2の例と同様に切
削レートが大となるように選定しておく。
【0042】なお、塗布方法としてスクリーン印刷法を
用いる場合には、粒子の大きい(20μm程度)ガラス
フリットからなるペーストを用いてもよい。それによれ
ば、印刷回数を低減して生産性を高めることができる。
【0043】次に、低融点ガラスペーストP1の上に、
例えば顔料を添加しない無着色の低融点ガラスペースト
P3を薄く塗布し、その後に暗色顔料(酸化鉄、酸化コ
バルトなど)を添加した低融点ガラスペーストP2を所
定の厚さに塗布する。低融点ガラスペーストP2のバイ
ンダの種類及び含有量は、ピーク強度が大となるように
選定しておく。なお、低融点ガラスペーストP3の種類
及び含有量については、後工程の切削に支障のない範囲
で適当に選定することができ、例えば低融点ガラスペー
ストP1と同様に選定しておけばよい。
【0044】このように3種の低融点ガラスペーストP
1,P3,P2を順に塗布して複層構造のガラスペース
ト層29aを設けた後、ガラスペースト層29aの上に
感光性レジスト材のパターン露光によって切削マスク6
1を設け、サンドブラスト法によりガラスペースト層2
9aを部分的に切削する。このとき、フィラーの差異は
切削性にほとんど影響しない。つまり、ペーストのバイ
ンダを適当に選定しておけば、着色と無関係に切削性を
最適化することができ、図2の例と同様にマスク剥離を
防止しつつ効率的にガラスペースト層29aをパターニ
ングすることができる。
【0045】そして、切削後のガラスペースト層29a
を焼成して隔壁29の形成を終える。この焼成に際し
て、低融点ガラスペーストP3は、低融点ガラスペース
トP1と低融点ガラスペーストP2との間の密着性を高
める役割を担う。すなわち、焼成によりバインダが消失
し、低融点ガラスペーストP1は下部ガラス層291と
なり、低融点ガラスペーストP2は頂部ガラス層292
となるとき、これらの間で顔料の種類が異なることに起
因する膨張係数や軟化点の微妙な差異が生じる。このよ
うな物理的特性の差異は、下部ガラス層291と頂部ガ
ラス層292との剥離や密着強度の低下の原因となる
が、低融点ガラスペーストP3を介在させることによ
り、隣接する各層の間における特性の差異が小さくな
り、剥離や密着強度の低下を抑えることができる。
【0046】上述の実施例においては、アドレス電極A
が露出するまで切削を行うものとして説明したが、アド
レス電極Aの損傷を抑えるために、アドレス電極Aが露
出する以前の適当な時点で切削を終えてもよい。また、
予めアドレス電極Aを覆う薄い電極保護層を設けた後、
隔壁29を形成するようにしてもよい。
【0047】本発明は、蛍光体28を表示面H側のガラ
ス基板11上に配置した透過型の面放電形式のPDP、
及びその他の種々のPDPに適用することができる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、形状の均一な隔壁を有
した高精細で大型のプラズマディスプレイパネルを容易
に製造することができる。
【0049】請求項4の発明によれば、表示の高輝度化
及びコントラストの向上を図ることができる。請求項6
の発明によれば、隔壁の機械的強度を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るPDPの要部の構造を示す断面図
である。
【図2】図1のPDPの製造段階の各状態を示す断面図
である。
【図3】切削レート及びピール強度のバインダ依存特性
を示すグラフである。
【図4】他の実施例に係るPDPの要部の構造を示す断
面図である。
【図5】図4のPDPの製造段階の状態を示す断面図で
ある。
【図6】一般的な面放電型PDPの分解斜視図である。
【符号の説明】
1,1b PDP(プラズマディスプレイパネル) 21 ガラス基板(基板) 29 隔壁 29a ガラスペースト層 30 放電空間 61 切削マスク 291 下部ガラス層 292 頂部ガラス層 293 中間ガラス層 P1 第1のガラスペースト P2 第2のガラスペースト P3 第3のガラスペースト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天津 正史 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電空間(30)を区画する隔壁(29)
    を有したプラズマディスプレイパネル(1)の製造方法
    であって、 基板(21)上に、第1のガラスペースト(P1)と、
    それに比べてバインダの含有量の多い第2のガラスペー
    スト(P2)とを順に塗布し、複層構造の隔壁形成用の
    ガラスペースト層(29a)を形成する工程と、 感光性レジスト材のパターン露光によって、前記ガラス
    ペースト層(29a)の上に切削マスク(61)を形成
    する工程と、 サンドブラスト法によって、前記ガラスペースト層(2
    9a)を部分的に切削する工程と、 切削後の前記ガラスペースト層(29a)を焼成して前
    記隔壁(29)を形成する工程と、 を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの
    製造方法。
  2. 【請求項2】放電空間(30)を区画する隔壁(29)
    を有したプラズマディスプレイパネル(1)の製造方法
    であって、 基板(21)上に、バインダの種類の異なる第1及び第
    2のガラスペースト(P1)(P2)を順に塗布し、複
    層構造の隔壁形成用のガラスペースト層(29a)を形
    成する工程と、 感光性レジスト材のパターン露光によって、前記ガラス
    ペースト層(29a)の上に切削マスク(61)を形成
    する工程と、 サンドブラスト法によって、前記ガラスペースト層(2
    9a)を部分的に切削する工程と、 切削後の前記ガラスペースト層(29a)を焼成して前
    記隔壁(29)を形成する工程と、 を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記第1のガラスペースト(P1)のバイ
    ンダをエチルセルロース系の有機物とし、前記第2のガ
    ラスペースト(P2)のバインダをアクリル系の有機物
    としたことを特徴とする請求項2記載のプラズマディス
    プレイパネルの製造方法。
  4. 【請求項4】前記第1のガラスペースト(P1)は明色
    の顔料を含有し、前記第2のガラスペースト(P2)は
    暗色の顔料を含有することを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル
    の製造方法。
  5. 【請求項5】前記第1のガラスペースト(P1)を塗布
    した後、前記第2のガラスペースト(P2)を塗布する
    以前に、ペースト間の密着性を高めるための第3のガラ
    スペースト(P3)を塗布することを特徴とする請求項
    4記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  6. 【請求項6】背面側の基板(21)上に放電空間(3
    0)を区画する隔壁(29)を有したプラズマディスプ
    レイパネル(1)であって、 前記隔壁(29)は、その大半を占める明色の下部ガラ
    ス層(291)と、暗色の頂部ガラス層(292)と、
    これらの接合強度を高めるための中間ガラス層(29
    3)とからなることを特徴とするプラズマディスプレイ
    パネル。
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