JPH07161034A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH07161034A
JPH07161034A JP6837094A JP6837094A JPH07161034A JP H07161034 A JPH07161034 A JP H07161034A JP 6837094 A JP6837094 A JP 6837094A JP 6837094 A JP6837094 A JP 6837094A JP H07161034 A JPH07161034 A JP H07161034A
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indium
carbon film
tin
film
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JP6837094A
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Hiroshi Seki
博司 関
Kenji Kuwabara
賢次 桑原
Hideyuki Ueda
英之 植田
Kiyoshi Takahashi
喜代司 高橋
Masaru Odagiri
優 小田桐
Mikio Murai
幹夫 村居
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、デジタルビデオテープレコーダや
高精細度ビデオテープレコーダに最適の強磁性金属薄膜
を磁気記録層とする磁気記録媒体に関するもので、走行
耐久性・耐候保存性に優れた特性を示す磁気記録媒体を
得ることを目的とする。 【構成】 非磁性基板1上に強磁性金属薄膜2を形成
し、強磁性金属薄膜上に、ケイ素、リン、イオウ、ス
ズ、インジウムから選ばれた少なくとも一つの元素の濃
度、あるいはスズ、インジウムから選ばれた少なくとも
一つの元素とホウ素の濃度が最表面から深さ方向に向か
って減少する炭素膜3を形成し、さらに潤滑剤層4を配
した磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度磁気記録に適す
る強磁性金属薄膜を磁気記録層とする磁気記録媒体に関
し、特にデジタルビデオテープレコーダーや高精細度ビ
デオテープレコーダーに適する磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の分野において、記録再
生装置の小型化・高性能化に伴い、高密度記録可能な磁
気記録媒体の開発が盛んに行われている。最近では磁性
体が樹脂中に分散した塗布型磁気記録媒体に代わって、
短波長記録に極めて有利な連続薄膜型磁気記録媒体が実
用化されつつある。
【0003】いずれの磁気記録媒体でも、記録・再生過
程において媒体と磁気ヘッドは、接触摺動する。すなわ
ち、ビデオテープ・フロッピーディスクでは連続的に接
触摺動し、また磁気ディスクでは間欠的に接触摺動す
る。しかし、連続薄膜型磁気記録媒体では磁性層表面が
極めて平滑で硬度が低く、塑性変形しやすいために、磁
気ヘッドとの摩擦係数が大きくなりやすい。その結果、
記録・再生過程における磁性層の摩耗・損傷が生じやす
くなる。また、特に高湿度環境下にて、磁性層表面にお
ける酸化・腐食が進行し、その結果、磁気特性が劣化す
るという問題を有していた。従って走行耐久性の向上、
すなわち媒体と磁気ヘッドの接触摺動による媒体の損傷
防止と、耐候保存性の向上、すなわち高湿度環境下にお
ける磁性薄膜の腐食防止のために磁気媒体表面に保護膜
および潤滑剤層が設けられている。
【0004】現状では非磁性基板として、ポリエステル
フィルムや、ニッケル・リン合金の無電解メッキが施さ
れたアルミニウム等が使用されている。これらの非磁性
基板は必要に応じて媒体表面粗さを制御するために、下
塗層を配したり、研磨加工したりする。強磁性金属薄膜
の磁気記録層として、Co−Ni、Co−O、Co−C
r、Co−Cr−Ta、Co−Ni−Cr、Co−Pt
等が真空蒸着法や、スパッタ法等で形成される。保護膜
としては、非晶質炭素(特開昭61−142525号公
報、特開昭61−208622号公報)や、ダイヤモン
ド状炭素膜(特開昭62−219314号公報、特開昭
61−210518号公報)や、SiO 2のような酸化
物(特開昭59−229743号公報)、有機化合物の
プラズマ重合膜やカーボンを主成分とするプラズマ重合
膜(特開昭59−171029号公報、特開昭60−8
9818号公報)等が用いられる。特に、炭素を主成分
とする保護膜に別の元素を添加し、磁気記録媒体の走行
耐久性および耐候保存性を向上させる方法として、ホウ
素、ケイ素等を含んだダイヤモンド状カーボン膜を設け
る方法(特開昭60−29936号公報)、リンとクロ
ムを含有した水素含有非晶質炭素膜を設ける方法(特開
昭62−139871号公報)、金属を含有した炭化水
素化合物からなるプラズマ重合保護膜を設ける方法(特
開昭60−237640号公報)等が知られている。
【0005】潤滑剤層はパーフルオロポリエーテル、含
フッ素カルボン酸、含フッ素リン酸等が用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
構成では、磁気記録媒体と磁気ヘッドの接触摺動時の走
行耐久性、高湿度環境下や腐食性ガス環境下における耐
候保存性は向上するが、未だ充分なものとは言えない状
況である。すなわち、保護膜の硬度が充分でない場合
は、走行耐久性の面で効果を得る為にその膜厚を大きく
しなければならないという問題点があった。一方、ダイ
ヤモンド状炭素膜を保護膜として用いると、その硬度の
大きさによって走行耐久性は向上する。しかしダイヤモ
ンド状炭素膜が不活性であるために潤滑剤の配向性・付
着強度が不十分で、磁気記録媒体の撥水性が低下する。
その結果、高湿度環境下にて磁気記録媒体を長期間放置
すると、強磁性金属薄膜層に錆が発生するという問題が
あった。あるいはダイヤモンド状炭素膜と強磁性金属薄
膜層の界面にて剥離が発生し、出力信号が低下するとい
う問題もあった。また、潤滑剤の配向性が不十分なの
で、磁気記録媒体の潤滑性低下という問題も生じる。そ
の結果、ダイヤモンド状炭素膜を保護膜として使用した
場合は、媒体と磁気ヘッドの接触摺動を重ねるに従っ
て、摩擦係数が上昇する場合がある。また、ダイヤモン
ド状炭素膜に種々の元素を添加した場合は、膜の硬度が
低下し、走行耐久性の面で劣るという問題点が残る。
【0007】本発明の目的は、電磁変換特性を損なうこ
となく、すなわち保護膜の膜厚を大きくすることなく、
特にビデオテープレコーダー使用時の繰り返し走行にお
ける磁気ヘッドの目づまり・磁気テープの走行性低下等
のない、走行耐久性能の高い磁気記録媒体を提供するこ
とである。さらに本発明の別の目的は、電磁変換特性を
損なうことなく、耐候保存性に優れた磁気記録媒体を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明は非磁性基板上に強磁性金属薄膜を形成
し、前記強磁性金属薄膜上に、ケイ素、リン、イオウ、
スズ、インジウムの中から選ばれた少なくとも一つの元
素の濃度が最表面から深さ方向に向かって減少する高硬
度で緻密な炭素膜を形成し、さらに前記炭素膜上に潤滑
剤層を配した構成を有するものである。
【0009】また本発明は非磁性基板上に強磁性金属薄
膜を形成し、前記強磁性金属薄膜上に、スズ、インジウ
ムの中から選ばれた少なくとも一つとホウ素の元素の濃
度が最表面から深さ方向に向かって減少する高硬度で緻
密な炭素膜を形成し、さらに前記炭素膜上に潤滑剤層を
配した構成を有するものである。
【0010】これらの炭素膜はプラズマCVD法、イオ
ンビームデポジション法、スパッタ法等により形成され
る。炭素膜中にケイ素、リン、イオウ、スズ、インジウ
ム、ホウ素等の元素が含有されている部分、すなわち、
ケイ素、リン、イオウ、スズ、インジウムの中から選ば
れた少なくとも一つの元素の炭素に対する原子比率が
1.0%以上である部分、またはスズ、インジウムの中
から選ばれた少なくとも一つの元素とホウ素の炭素に対
する原子比率が1.0%以上である部分の厚さが大きす
ぎると、炭素膜全体の硬度が低くなる。その結果、磁気
記録テープの走行耐久性が著しく低下し、磁気記録テー
プ表面上に磁気ヘッドとの接触摺動により傷が発生しや
すくなる。従って、炭素に対するこれらの元素の原子比
率が1.0%以上である部分は、保護膜の硬度および潤
滑剤との付着性・配向性という観点から、前記炭素膜の
表面近傍に存在しなければならない。そしてその厚さ
は、前記炭素膜の最表面から4.0nm以下が最適であ
る。また、ケイ素、リン、イオウ、スズ、インジウムの
中から選ばれた少なくとも一つの元素、または、スズ、
インジウムの中から選ばれた少なくとも一つとホウ素を
含有する部分は、これらの元素を含有しない炭素膜上に
島状に形成されていてもよい。
【0011】また、炭素膜上の潤滑剤との付着性および
配向性という観点から、炭素膜中のケイ素、リン、イオ
ウ、スズ、インジウムの中から選ばれた少なくとも一つ
の元素と炭素の一重結合およびC−O結合に関与する元
素の総和が3.0原子%以上であることが望ましい。同
様の理由により、炭素膜中の、スズ、インジウムの中か
ら選ばれた少なくとも一つの元素と炭素の一重結合およ
びB−C結合およびC−O結合に関与するスズ、インジ
ウムの中から選ばれた一つの元素と炭素、酸素およびホ
ウ素の総和が3.0原子%以上であることが望ましい。
炭素膜中において、ケイ素、リン、イオウ、スズ、イン
ジウム、ホウ素を含有する部分は、やはり炭素膜上の潤
滑剤との付着性および配向性という観点から、これらの
元素の酸素に対する原子比率が10.0%以上であるこ
とが望ましい。上記で限定した範囲から逸脱すると、撥
水性が低下することにより耐候保存性向上効果が充分に
得られなかったり、摩擦特性が悪化することにより走行
耐久性能向上効果が充分に得られなかったりする。また
同様の観点より、酸素と結合しているリンまたはイオウ
のいずれかと、酸素の総和が1.0原子%以下であるこ
とが望ましい。
【0012】炭素膜全体の厚みは10nmから20nm
が耐久信頼性と信号出力とのバランス上最適である。ま
た、ビッカース硬度は少なくとも2000kg/mm2
以上であることが望ましく、さらに望ましくは2500
kg/mm2 以上と高くすると優れた走行耐久性能を得
ることができる。ただし、炭素膜中に含まれる水素濃度
は50原子%以下が、炭素膜硬度および炭素膜と潤滑剤
の付着力向上の観点から望ましい。
【0013】炭素膜上に設けられる潤滑剤層により、炭
素膜と同様、磁気ヘッドとの接触摺動によって磁気テー
プが受けるダメージを防いでいる。潤滑剤層として、−
COOH、−OH、−SH、−NH2 、=NH、−CO
NH2 、−CONHR、−CONR2 、−COOR、=
PR、=PRO、=PRS、−OPO(OH)2 、−O
PO(OR)2 、−SO3 M(ただし、Rは炭素数1〜
22の炭化水素基、Mは水素、アルカリ金属またはアル
カリ土類金属)から選ばれた少なくとも一つの極性基を
有する含フッ素系潤滑剤層であることが望ましい。例と
してはC511(CH210COOHやC511(CH2
11OH、C1223CH(SH)COOCH2CH28
17、C511(CH211NH2、C715CH2NHC14
29、C 511(CH210CONH2、C511(C
210CONHC817、C511(CH210CON
(C8172、C511(CH210COOC817
(C817242PC1837、C817(C8172
42PO、C817(C817242PS、(C8
1724O)PO(OH)2、(C81724)PO
(OC8172、C511(CH210SO3Na等があ
げられる。例えば、含フッ素カルボン酸を単独使用、あ
るいは含フッ素カルボン酸エステルと混合して使用して
もよい。厚みは1nmから5nmであるが、使用する潤
滑剤の種類により最適膜厚が存在する。この潤滑剤層は
湿式塗布法、有機蒸着法等により形成される。
【0014】強磁性金属薄膜上にケイ素、リン、イオ
ウ、スズ、インジウムの中から選ばれた少なくとも一つ
の元素の濃度が最表面から深さ方向に向かって減少する
炭素膜または、スズ、インジウムの中から選ばれた少な
くとも一つの元素とホウ素の濃度が最表面から深さ方向
に向かって減少する炭素膜を成膜する一例として、まず
メタンやエチレン、アセチレン、ヘキサンのような炭化
水素ガスとArの混合ガスを用いてプラズマCVD法に
より、これらの元素が含有されていない部分、すなわち
ケイ素、リン、イオウ、スズ、インジウム、ホウ素の炭
素に対する原子比率が1.0%以下である炭素膜を成膜
する。例えば直流プラズマCVD法では、混合ガス圧を
10mTorr〜10Torrとし、直流電圧を100
〜5000V印可する。その後に、ケイ素、リン、イオ
ウ、スズ、インジウム、ホウ素を含有した重合性モノマ
ーガスを導入し、炭化水素ガス等との混合比率を炭素膜
が成膜されるにしたがって、連続的あるいは非連続的に
変化させることにより、ケイ素、リン、イオウ、スズ、
インジウム、ホウ素等の濃度が炭素膜の最表面から深さ
方向に向かって減少して行くような炭素膜を得ることが
できる。ケイ素、リン、イオウ、スズ、インジウム、ホ
ウ素を含有した重合性モノマーガスとして、テトラメチ
ルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキ
サメチルジシロキサン、トリメチルクロルシラン、メチ
ルトリメトキシシラン、ホスフィン、ジエチルホスフィ
ン、トリエチルホスフィン、硫化トリメチレン、硫化エ
チレン、ブチルメルカプタン、チオフェン、チアゾー
ル、テトラメチルスズ、四塩化スズ、トリメチルインジ
ウム、トリエチルインジウム、B26、BCl3、BF3
等を用いることができる。
【0015】非磁性基板としては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、芳香族ポリアミ
ド、芳香族ポリイミド等のフィルムやアルミ基板、ガラ
ス基板等が使用可能である。磁性層が成膜される基板表
面は10nmから30nmの突起形成処理が施されてい
るものが信頼性とRF出力を両立する観点から最適であ
る。
【0016】強磁性金属薄膜としては、真空成膜法など
で成膜されたCo−Ni−O、Co−O、Co−Cr等
が使用可能である。その厚みは50nmから300nm
が一般的である。
【0017】これらの強磁性金属薄膜、炭素膜、潤滑剤
は真空中において、連続成膜が可能である。
【0018】
【作用】本発明は非磁性基板上に強磁性金属薄膜を形成
し、強磁性金属薄膜上に、ケイ素、リン、イオウ、ス
ズ、インジウムの中から選ばれた少なくとも一つの元素
の濃度が最表面から深さ方向に向かって減少する高硬度
で緻密な炭素膜を形成し、さらに前記炭素膜上に潤滑剤
層を配することによって、炭素膜表面に分布するケイ
素、リン、イオウ、スズ、インジウムの中から選ばれた
少なくとも一つの元素と潤滑剤の極性基とが強く付着す
る。その結果、炭素膜と潤滑剤層の付着力が向上し、同
時に潤滑剤の配向性も向上する。従って、磁気記録媒体
・磁気ヘッド間の摩擦係数が低くなる。以上の作用によ
り、ビデオテープレコーダー使用時の繰り返し走行にお
ける磁気ヘッド目づまり・走行性低下・テープ劣化を防
ぐことができ、走行耐久性が向上する。さらに潤滑剤層
が配向性を持って保護膜に強固に付着するので媒体自体
が高い撥水性を示す。従って、高湿度・腐食性ガス環境
下において、従来以上に水分・腐食性ガスの保護膜透過
を防止することができる。その結果、強磁性金属薄膜上
の錆、あるいは強磁性金属薄膜と非磁性基板との界面に
おける剥離等を防ぐことができ、走行耐久性・耐候保存
性が向上する。特に、スズまたはインジウムの濃度が最
表面から深さ方向に向かって減少する炭素膜を形成し、
さらに潤滑剤層を配した場合は、非常に大きな撥水性を
示し、耐候保存性が大幅に向上する。
【0019】また、炭素膜の最表面から深さ方向に向か
ってケイ素、リン、イオウ、スズ、インジウムの中から
選ばれた少なくとも一つの元素の濃度が減少するので、
炭素膜と強磁性金属薄膜との付着力が低下しない。そし
て同時に、炭素膜が組成的に硬質なダイヤモンド状カー
ボン膜に近づくので、炭素膜の硬度も低下しない。その
結果、炭素膜と強磁性金属薄膜との間における膜の剥離
が生じにくくなり、走行耐久性が向上する。
【0020】さらに、強磁性金属薄膜上に、スズ、イン
ジウムの中から選ばれた少なくとも一つとホウ素の元素
の濃度が最表面から深さ方向に向かって減少する炭素膜
を形成し、さらに前記炭素膜上に潤滑剤層を配した場合
も同様の理由で走行耐久性・耐候保存性が向上する。
【0021】以上のように本発明によれば、非磁性基板
上に強磁性金属薄膜を形成し、強磁性金属薄膜上に、ケ
イ素、リン、イオウ、スズ、インジウムの中から選ばれ
た少なくとも一つの元素の濃度が最表面から深さ方向に
向かって減少する高硬度で緻密な炭素膜を形成し、さら
に前記炭素膜上に潤滑剤層を配することによって、走行
耐久性・耐候保存性に優れた信頼性の高い磁気記録媒体
を得ることができ、その実用上の価値は大なるものがあ
る。
【0022】さらに、非磁性基板上に強磁性金属薄膜を
形成し、前記強磁性金属薄膜上に、スズ、インジウムの
中から選ばれた少なくとも一つとホウ素の元素の濃度が
最表面から深さ方向に向かって減少する炭素膜を形成
し、さらに前記炭素膜上に潤滑剤層を配することによっ
て、配走行耐久性・耐候保存性を大幅に向上することが
可能となり、信頼性の高い磁気記録媒体を得ることがで
きる。
【0023】特に、スズまたはインジウムの濃度が最表
面から深さ方向に向かって減少する炭素膜を形成し、さ
らに潤滑剤層を配した場合は、非常に大きな撥水性を示
し、耐候保存性が大幅に向上する。
【0024】
【実施例】図1は本発明の金属薄膜型磁気記録テープの
拡大断面図である。1は非磁性基板、2は強磁性金属薄
膜、3は炭素膜である。4は含フッ素カルボン酸を主と
する潤滑剤層である。5はバックコート層で、材料とし
てはポリウレタン、ニトロセルロース、ポリエステルと
カーボン、炭酸カルシウム等を含んでいる。厚みは50
0nmである。以下、製造条件も含めてさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0025】(実施例1)非磁性基板1は500mm幅
のポリエチレンテレフタレート表面に、STM分析で高
さが30nm、直径が200nmの突起が1mm2 あた
り105 から10 9 個形成されたものである。この非磁
性基板1上へ、斜方真空蒸着法により酸素を導入しなが
ら、Co(80)−Ni(20)からなる強磁性金属薄
膜2を180nmの厚みで形成する。その後、バックコ
ート層5を乾燥後の厚みが500nmになるように塗布
する。このバックコート層5は、リバースロールコータ
によってポリウレタン・ニトロセルロース・カーボンブ
ラックから構成された固形分30%のメチルエチルケト
ン/トルエン/シクロヘキサノン溶液を用いて形成され
る。次に強磁性金属薄膜2上に、プラズマCVD法によ
り、炭素に対するケイ素の原子比率が1%未満の炭素膜
を15nmの厚みで形成した。成膜はアルゴンとヘキサ
ンを1:4のガス圧力比で混合し、全ガス圧を0.3T
orrに保って、直流1000Vを印加して行った。そ
の後この炭素膜上に、プラズマCVD法により、炭素に
対するケイ素の原子比率が1%以上の、即ちケイ素リッ
チ層を0.5nmの厚みで形成した。成膜はテトラメチ
ルシランとヘキサンを1:5のガス圧力比で混合し、全
ガス圧を0.1Torrに保って、直流2000Vを印
加して行った。次にテトラメチルシランとヘキサンの混
合比をガス圧力比で2:5とした以外は、上記と同様の
成膜条件にてケイ素リッチ層を、0.5nmの厚みでさ
らに形成した。以下同様にテトラメチルシランとヘキサ
ンを順次3:5、4:5、5:5のガス圧力比で混合
し、炭素に対するケイ素の原子比率が1%以上の、即ち
ケイ素リッチ層の一部を各々0.5nmの厚みで形成し
た。結果として、ケイ素含有量が炭素膜最表面から深さ
方向に向かって減少する厚み17.5nm、ビッカース
硬度2500kg/mm2 の炭素膜3を得た。最後に、
ケイ素を含有した炭素膜3上に、湿式塗布法(リバース
ロールコータ)により4nm厚の潤滑剤層4を形成し
た。潤滑剤塗布溶液として、含フッ素カルボン酸C5
11(CH210COOHのイソプロピルアルコール20
00ppm溶液を用いた。以上のようにして、8mm幅
テープ試料(54m長)を得た。
【0026】(実施例2) (実施例1)のケイ素リッチ層を形成する際に使用した
テトラメチルシランをオクタメチルシクロテトラシロキ
サンに変更し、オクタメチルシクロテトラシロキサンと
ヘキサンの混合比を順次ガス圧力比で1:9、2:8、
3:7、4:6、5:5と変化させた以外は(実施例
1)と同じ構成の8mm幅テープ試料を作製した。
【0027】(実施例3) (実施例2)のケイ素リッチ層を形成する際に使用した
ヘキサンをプロパルギルアルコールに変更し、オクタメ
チルシクロテトラシロキサンとプロパルギルアルコール
の混合比を順次ガス圧力比で1:25、2:25、3:
25、4:25、5:25と変化させた以外は(実施例
2)と同じ構成の8mm幅テープ試料を作製した。
【0028】(実施例4) (実施例1)のケイ素リッチ層を形成する際の放電電圧
を直流2000Vから直流1500Vに変更した以外は
(実施例1)と同じ構成の8mm幅テープ試料を作製し
た。
【0029】(比較例1) (実施例1)のケイ素リッチ層を形成せずに、炭素膜3
の厚みを17nmとした以外は(実施例1)と同様にし
て8mm幅テープ試料を作製した。
【0030】(比較例2) (実施例2)のケイ素リッチ層を形成する際のオクタメ
チルシクロテトラシロキサンとヘキサンの混合比を順次
ガス圧力比で1:9、2:8、3:7、4:6、5:5
と変化させたのを、順次1:25、2:25、3:2
5、4:25、5:25と変化させた以外は(実施例
2)と同じ構成の8mm幅テープ試料を作製した。
【0031】(比較例3) (実施例1)のケイ素リッチ層を各々1.5nmの厚
み、合計7.5nmにて形成した以外は(実施例1)と
同様にして8mm幅テープ試料を作製した。
【0032】(比較例4) (実施例1)の炭素膜のビッカース硬度2500kg/
mm2 をビッカース硬度1300kg/mm2 の炭素膜
にかえた以外は(実施例1)と同様にして8mm幅テー
プ試料を作製した。
【0033】以上の各実施例および比較例で得られた8
mm幅テープ試料について、それぞれX線光電子分光法
(パーキンエルマーPHI社製、5400MC)による
元素濃度分析と、以下に示す評価試験をおこなった。 (1)ヘッド目づまり、テープダメージ RF出力測定用に改造した8mmVTRを用いて、各8
mm幅テープ試料に映像信号を記録した。次にこの信号
を記録した試料を40℃80%RHの環境下で300パ
ス、300時間走行させる走行耐久性試験をおこなっ
た。走行耐久試験中は、試験前に記録された信号は繰り
返し再生され、RF出力として、ペンレコーダ(VP−
6524A、松下通信(株)製)に記録した。RF出力
が6dB以上低下したところをヘッド目づまりとし、そ
の合計時間を計測した。
【0034】また、走行耐久性試験後のテープダメージ
を、目視により状態観察した。評価は5段階でおこな
い、実用的に全く問題のないものを5とし、実用的に問
題を発生したものを1とした。 (2)摩擦係数変化(以下μk変化と略す) 走行耐久性試験前後に常温常湿環境下で摩擦係数を測定
・評価した。測定条件は次の通りである。
【0035】直径4mm、表面粗さ0.2Sのステンレ
ス(材質:MH15)円柱に磁性面が接するようにして
180゜の抱き角で巻きつける。次に、入側張力を10
gとし、14mm/秒で試料を走行させたときの出側張
力を測定し、次式から摩擦係数を求めた。
【0036】
【数1】
【0037】(3)錆、剥離観察 各8mm幅テープ試料を40℃90%RHの環境下で3
0日間放置する耐候性試験を行った。耐候性試験後にテ
ープ試料を微分干渉顕微鏡により状態観察し、5段階評
価を行った。評価は実用的に全く問題のないものを5と
し、実用的に問題を発生したものを1とした。 (4)ドロップアウト変化(以下D.O.変化と略す) (3)による耐候性試験に先だって、ドロツプアウトを
測定した。ドロップアウト測定は、測定用に改造した8
mmVTRを用い、各8mmテープ試料に映像信号を記
録・再生して行われた。耐候性試験後にも同様にドロッ
プアウトを測定を行い、試験前後のドロップアウトの変
化率を評価した。なお、ドロップアウトの測定は、ドロ
ップアウトカウンタ((株)シバソク製、VH01C
Z)を用いた。設定条件を巾15μs、深さ16dBと
し、それより大きい単位時間当りのドロップアウトを計
数した。 (5)耐環境ガス性試験(H2 Sガス、HClガス) 各8mm幅テープ試料をH2 Sガス1000ppm含有
空気中に72時間放置した後、錆の発生状態を微分干渉
顕微鏡により、5段階評価をおこなった。評価は実用的
に全く問題のないものを5とし、実用的に問題を発生し
たものを1とした。HClガスについてもH2 Sガスと
同様の試験および5段階評価をおこなった。
【0038】得られた分析結果を(表1)に、評価結果
を(表2)に各々示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】(表1)、(表2)から明らかなように、
非磁性基板上に強磁性金属薄膜を形成し、強磁性金属薄
膜上に、ケイ素の濃度が炭素膜最表面から深さ方向に向
かって減少する高硬度で緻密な炭素膜を形成し、さらに
潤滑剤層を配することによって、保護膜の硬度を低下さ
せることなく、また保護膜と強磁性金属薄膜との付着力
を低下させることなく、磁気テープ表面に潤滑剤を配向
性をもたせて強固に付着させることができる。その結
果、走行耐久性・耐候保存性に優れた信頼性の高い磁気
記録媒体を得ることができる。実施例3、4からわかる
ように、炭素膜表面近傍のSi/C原子比、あるいはS
i/O原子比が充分でなくなると、潤滑剤の配向性およ
び保護膜に対する付着力が低下しはじめる。その結果走
行耐久試験時の摩擦係数の変化が増大し、磁気テープ表
面にダメージを与え始める。同時に磁気テープの撥水性
が低下しはじめるので、耐候保存性も実施例1、2ほど
ではなくなる。しかし、従来の磁気テープ(比較例1)
やSi,C,Oの原子比が最適な範囲からはずれた磁気
テープ(比較例2)と比較すると、走行耐久性能および
耐候保存性能を飛躍的に向上する事ができる。また、比
較例3はSi,C,Oの原子比が最適な範囲内にあるも
のの、ケイ素を含有する部分の膜厚が4nm以上である
ので、保護膜表面近傍における硬度が低下し、耐久走行
時のテープダメージが大きくなる。また、保護膜全体の
硬度が低下した場合(比較例4)においても、比較例3
同様テープダメージが大きくなる。
【0042】(実施例5)次にケイ素を含有した炭素膜
3のかわりに、リンを含有した炭素膜3を形成した第二
の実施例について説明する。なお、本実施例の構成は、
(実施例1)に示した図1と同じ構成である。
【0043】強磁性金属薄膜2上に、プラズマCVD法
により、炭素に対するリンの原子比率が1%未満の炭素
膜を15nmの厚みで形成した。その方法は、(実施例
1)で述べた方法と同じである。その後この炭素膜上
に、プラズマCVD法により、炭素に対するリンの原子
比率が1%以上の、即ちリンリッチ層を0.5nmの厚
みで形成した。成膜はホスフィンとヘキサンを1:10
のガス圧力比で混合し、全ガス圧を0.1Torrに保
って、直流2000Vを印加して行った。次にホスフィ
ンとヘキサンの混合比をガス圧力比で2:10とした以
外は、上記と同様の成膜条件にてリンリッチ層を、0.
5nmの厚みでさらに形成した。以下同様にホスフィン
とヘキサンを順次ガス圧力比で3:10、4:10、
5:10の比で混合し、炭素に対するリンの原子比率が
1%以上の、即ちリンリッチ層の一部を各々0.5nm
の厚みで形成した。結果として、リン含有量が炭素膜最
表面から深さ方向に向かって減少する厚み17.5n
m、ビッカース硬度2500kg/mm2 の炭素膜3を
得た。最後に、リンを含有した炭素膜3上に、(実施例
1)に示したのと同じ方法で4nm厚の潤滑剤層4を形
成した。このようにして、8mm幅テープ試料(54m
長)を得た。
【0044】(実施例6) (実施例5)のリンリッチ層を形成する際のホスフィン
とヘキサンの混合比を順次ガス圧力比で1:10、2:
10、3:10、4:10、5:10と変化させたの
を、順次1:5、2:5、3:5、4:5、5:5と変
化させた以外は(実施例5)と同じ構成の8mm幅テー
プ試料を作製した。
【0045】(実施例7) (実施例5)のリンリッチ層を形成する際に使用したヘ
キサンをプロパルギルアルコールに変更し、ホスフィン
とプロパルギルアルコールの混合比を順次ガス圧力比で
1:25、2:25、3:25、4:25、5:25と
した以外は(実施例5)と同じ構成の8mm幅テープ試
料を作製した。
【0046】(実施例8) (実施例5)のリンリッチ層を形成する際の放電電圧を
直流2000Vから直流1500Vに変更した以外は
(実施例5)と同じ構成の8mm幅テープ試料を作製し
た。
【0047】(比較例5) (実施例5)のリンリッチ層を形成する際のホスフィン
とヘキサンの混合比を順次ガス圧力比で1:10、2:
10、3:10、4:10、5:10と変化させたの
を、順次1:25、2:25、3:25、4:25、
5:25と変化させた以外は(実施例5)と同じ構成の
8mm幅テープ試料を作製した。
【0048】(比較例6) (実施例5)のリンリッチ層を各々1.5nmの厚み、
合計7.5nmにて形成した以外は(実施例5)と同様
にして8mm幅テープ試料を作製した。
【0049】(比較例7) (実施例5)の炭素膜のビッカース硬度2500kg/
mm2 をビッカース硬度1300kg/mm2 の炭素膜
にかえた以外は(実施例5)と同様にして8mm幅テー
プ試料を作製した。
【0050】以上の各実施例・比較例で得られた8mm
テープ試料について、(実施例1)から(実施例4)で
行なったのと同様の分析・評価試験をおこなった。
【0051】得られた分析結果を(表3)に、評価結果
を(表4)に各々示す。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】(実施例9)次にリンを含有した炭素膜3
のかわりに、イオウを含有した炭素膜3を形成した第三
の実施例について説明する。なお、本実施例の構成は、
(実施例1)に示した図1と同じ構成である。
【0055】強磁性金属薄膜2上に、プラズマCVD法
により、炭素に対するイオウの原子比率が1%未満の炭
素膜を15nmの厚みで形成した。その方法は、実施例
1で述べた方法と同じである。その後この炭素膜上に、
プラズマCVD法により、炭素に対するイオウの原子比
率が1%以上の、即ちイオウリッチ層を0.5nmの厚
みで形成した。成膜は硫化トリメチレンとヘキサンを
1:10のガス圧力比で混合し、全ガス圧を0.1To
rrに保って、直流2000Vを印加して行った。次に
硫化トリメチレンとヘキサンの混合比をガス圧力比で
2:10とした以外は、上記と同様の成膜条件にてイオ
ウリッチ層を、0.5nmの厚みでさらに形成した。以
下同様に硫化トリメチレンとヘキサンを順次ガス圧力比
で3:10、4:10、5:10の比で混合し、炭素に
対するイオウの原子比率が1%以上の、即ちイオウリッ
チ層の一部を各々0.5nmの厚みで形成した。結果と
して、イオウ含有量が炭素膜最表面から深さ方向に向か
って減少する厚み17.5nm、ビッカース硬度250
0kg/mm2 の炭素膜3を形成した。最後に、イオウ
を含有した炭素膜3上に4nm厚の潤滑剤層4を形成し
た。このようにして、8mm幅テープ試料(54m長)
を得た。
【0056】(実施例10) (実施例9)のイオウリッチ層を形成する際の硫化トリ
メチレンとヘキサンの混合比を順次ガス圧力比で1:1
0、2:10、3:10、4:10、5:10と変化さ
せたのを、順次1:5、2:5、3:5、4:5、5:
5と変化させた以外は(実施例9)と同じ構成の8mm
幅テープ試料を作製した。
【0057】(実施例11) (実施例9)のイオウリッチ層を形成する際に使用した
ヘキサンをプロパルギルアルコールに変更し、硫化トリ
メチレンとプロパルギルアルコールの混合比を順次ガス
圧力比で1:25、2:25、3:25、4:25、
5:25と変化させた以外は(実施例9)と同じ構成の
8mm幅テープ試料を作製した。
【0058】(実施例12) (実施例9)のイオウリッチ層を形成する際の放電電圧
を直流2000Vから直流1500Vに変更した以外は
(実施例9)と同じ構成の8mm幅テープ試料を作製し
た。
【0059】(比較例8) (実施例9)のイオウリッチ層を形成する際の硫化トリ
メチレンとヘキサンの混合比を順次ガス圧力比で1:1
0、2:10、3:10、4:10、5:10と変化さ
せたのを、順次1:25、2:25、3:25、4:2
5、5:25と変化させた以外は(実施例9)と同じ構
成の8mm幅テープ試料を作製した。
【0060】(比較例9) (実施例9)のイオウリッチ層を各々1.5nmの厚
み、合計7.5nmにて形成した以外は(実施例9)と
同様にして8mm幅テープ試料を作製した。
【0061】(比較例10) (実施例9)の炭素膜のビッカース硬度2500kg/
mm2 をビッカース硬度1300kg/mm2 の炭素膜
にかえた以外は(実施例9)と同様にして8mm幅テー
プ試料を作製した。
【0062】以上の各実施例・比較例で得られた8mm
テープ試料について、(実施例1)から(実施例4)で
行なったのと同様の分析・評価試験をおこなった。
【0063】得られた分析結果を(表5)に、評価結果
を(表6)に各々示す。
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】(実施例13)次にイオウを含有した炭素
膜3のかわりに、スズを含有した炭素膜3を形成した第
四の実施例について説明する。なお、本実施例の構成
は、(実施例1)に示した図1と同じ構成である。
【0067】強磁性金属薄膜2上に、プラズマCVD法
により、炭素に対するスズの原子比率が1%未満の炭素
膜を15nmの厚みで形成した。その方法は、(実施例
1)で述べた方法と同じである。その後この炭素膜上
に、プラズマCVD法により、炭素に対するスズの原子
比率が1%以上の、即ちスズリッチ層を0.5nmの厚
みで形成した。成膜はテトラメチルスズとヘキサンを
1:5のガス圧力比で混合し、全ガス圧を0.1Tor
rに保って、直流1500Vを印加して行った。次にテ
トラメチルスズとヘキサンの混合比をガス圧力比で2:
5とした以外は、上記と同様の成膜条件にてスズリッチ
層を、0.5nmの厚みでさらに形成した。以下同様に
テトラメチルスズとヘキサンを順次ガス圧力比で3:
5、4:5、5:5の比で混合し、炭素に対するスズの
原子比率が1%以上の、即ちスズリッチ層の一部を各々
0.5nmの厚みで形成した。結果として、スズ含有量
が炭素膜最表面から深さ方向に向かって減少する厚み1
7.5nm、ビッカース硬度2500kg/mm2 の炭
素膜3を形成した。最後に、スズを含有した炭素膜3上
に、4nm厚の潤滑剤層4を形成した。このようにし
て、8mm幅テープ試料(54m長)を得た。
【0068】(実施例14) (実施例13)のスズリッチ層を形成する際のテトラメ
チルスズとヘキサンの全ガス圧を0.1Torrから
0.15Torrに変更した以外は(実施例13)と同
じ構成の8mm幅テープ試料を作製した。
【0069】(実施例15) (実施例13)のスズリッチ層を形成する際に使用した
ヘキサンをプロパルギルアルコールに変更した以外は
(実施例13)と同じ構成の8mm幅テープ試料を作製
した。
【0070】(実施例16) (実施例13)のスズリッチ層を形成する際の放電電圧
を直流1500Vから直流1000Vに変更した以外は
(実施例13)と同じ構成の8mm幅テープ試料を作製
した。
【0071】(比較例11) (実施例13)のスズリッチ層を形成する際のテトラメ
チルスズとヘキサンの混合比を順次ガス圧力比で1:
5、2:5、3:5、4:5、5:5と変化させたの
を、順次1:20、2:20、3:20、4:20、
5:20と変化させた以外は(実施例13)と同じ構成
の8mm幅テープ試料を作製した。
【0072】(比較例12) (実施例13)のスズリッチ層を各々1.5nmの厚
み、合計7.5nmにて形成した以外は(実施例13)
と同様にして8mm幅テープ試料を作製した。
【0073】(比較例13) (実施例13)の炭素膜のビッカース硬度2500kg
/mm2 をビッカース硬度1300kg/mm2 の炭素
膜にかえた以外は(実施例13)と同様にして8mm幅
テープ試料を作製した。
【0074】以上の各実施例・比較例で得られた8mm
テープ試料について、(実施例1)から(実施例4)で
行なったのと同様の分析・評価試験と接触角測定をおこ
なった。接触角測定は、磁気記録媒体表面に0.1マイ
クロリットルの蒸留水を滴下し、60秒経過後の接触角
を測定した。
【0075】得られた分析結果を(表7)に、評価結果
を(表8)に各々示す。
【0076】
【表7】
【0077】
【表8】
【0078】(実施例17)次にスズを含有した炭素膜
3のかわりに、インジウムを含有した炭素膜3を形成し
た第五の実施例について説明する。なお、本実施例の構
成は、(実施例1)に示した図1と同じ構成である。
【0079】強磁性金属薄膜2上に、プラズマCVD法
により、炭素に対するインジウムの原子比率が1%未満
の炭素膜を15nmの厚みで形成した。その方法は、
(実施例1)で述べた方法と同じである。その後この炭
素膜上に、プラズマCVD法により、炭素に対するイン
ジウムの原子比率が1%以上の、即ちインジウムリッチ
層を0.5nmの厚みで形成した。成膜はトリメチルイ
ンジウムとヘキサンを1:5のガス圧力比で混合し、全
ガス圧を0.1Torrに保って、直流1500Vを印
加して行った。次にトリメチルインジウムとヘキサンの
混合比をガス圧力比で2:5とした以外は、上記と同様
の成膜条件にてインジウムリッチ層を、0.5nmの厚
みでさらに形成した。以下同様にトリメチルインジウム
とヘキサンを順次ガス圧力比で3:5、4:5、5:5
の比で混合し、炭素に対するインジウムの原子比率が1
%以上の、即ちインジウムリッチ層の一部を各々0.5
nmの厚みで形成した。結果として、インジウム含有量
が炭素膜最表面から深さ方向に向かって減少する厚み1
7.5nm、ビッカース硬度2500kg/mm2 の炭
素膜3を得た。最後に、インジウムを含有した炭素膜3
上に4nm厚の潤滑剤層4を形成した。このようにし
て、8mm幅テープ試料(54m長)を得た。
【0080】(実施例18) (実施例17)のインジウムリッチ層を形成する際のト
リメチルインジウムとヘキサンの全ガス圧を0.1To
rrから0.15Torrに変更した以外は(実施例1
7)と同じ構成の8mm幅テープ試料を作製した。
【0081】(実施例19) (実施例17)のインジウムリッチ層を形成する際に使
用したヘキサンをプロパルギルアルコールに変更した以
外は(実施例17)と同じ構成の8mm幅テープ試料を
作製した。
【0082】(実施例20) (実施例17)のインジウムリッチ層を形成する際の放
電電圧を直流1500Vから直流1000Vに変更した
以外は(実施例17)と同じ構成の8mm幅テープ試料
を作製した。
【0083】(比較例14) (実施例17)のインジウムリッチ層を形成する際のト
リメチルインジウムとヘキサンの混合比を順次ガス圧力
比で1:5、2:5、3:5、4:5、5:5と変化さ
せたのを、順次1:20、2:20、3:20、4:2
0、5:20と変化させた以外は(実施例17)と同じ
構成の8mm幅テープ試料を作製した。
【0084】(比較例15) (実施例17)のインジウムリッチ層を各々1.5nm
の厚み、合計7.5nmにて形成した以外は(実施例1
7)と同様にして8mm幅テープ試料を作製した。
【0085】(比較例16) (実施例17)の炭素膜のビッカース硬度2500kg
/mm2 をビッカース硬度1300kg/mm2 の炭素
膜にかえた以外は(実施例17)と同様にして8mm幅
テープ試料を作製した。
【0086】以上の各実施例・比較例で得られた8mm
テープ試料について、(実施例1)から(実施例4)で
行なったのと同様の分析・評価試験と接触角測定をおこ
なった。接触角測定は、磁気記録媒体表面に0.1マイ
クロリットルの蒸留水を滴下し、60秒経過後の接触角
を測定した。
【0087】得られた分析結果を(表9)に、評価結果
を(表10)に各々示す。
【0088】
【表9】
【0089】
【表10】
【0090】(実施例21)次にインジウムを含有した
炭素膜3のかわりに、ホウ素とインジウムを含有した炭
素膜3を形成した第六の実施例について説明する。な
お、本実施例の構成は、(実施例1)に示した図1と同
じ構成である。
【0091】強磁性金属薄膜2上に、プラズマCVD法
により、ホウ素とインジウムの和の炭素に対する原子比
率が1%未満の炭素膜を15nmの厚みで形成した。そ
の方法は、(実施例1)で述べた方法と同じである。そ
の後この炭素膜上に、プラズマCVD法により、ホウ素
とインジウムの和の炭素に対する原子比率が1%以上の
層を0.5nmの厚みで形成した。成膜はB26とトリ
メチルインジウムとヘキサンを1:1:10のガス圧力
比で混合し、全ガス圧を0.1Torrに保って、直流
1500Vを印加して行った。次にB26とトリメチル
インジウムとヘキサンの混合比をガス圧力比で2:2:
10とした以外は、上記と同様の成膜条件にてホウ素と
インジウムを含有する層を、0.5nmの厚みでさらに
形成した。以下同様にB26とトリメチルインジウムと
ヘキサンを順次ガス圧力比で3:3:10、4:4:1
0、5:5:10の比で混合し、炭素に対するホウ素と
インジウムの原子比率が1%以上の層の一部を各々0.
5nmの厚みで形成した。結果として、B26とインジ
ウム含有量が炭素膜最表面から深さ方向に向かって減少
する厚み17.5nm、ビッカース硬度2500kg/
mm2 の炭素膜3を得た。最後に、B26とインジウム
を含有した炭素膜3上に4nm厚の潤滑剤層4を形成し
た。このようにして、8mm幅テープ試料(54m長)
を得た。
【0092】(実施例22) (実施例21)のホウ素とインジウムを含有する層を形
成する際のB26とトリメチルインジウムとヘキサンの
混合ガス圧を0.1Torrから0.15Torrに変
更した以外は(実施例21)と同じ構成の8mm幅テー
プ試料を作製した。
【0093】(実施例23) (実施例21)のホウ素とインジウムを含有する層を形
成する際に使用したヘキサンをプロパルギルアルコール
に変更した以外は(実施例21)と同じ構成の8mm幅
テープ試料を作製した。
【0094】(実施例24) (実施例21)のホウ素とインジウムを含有する層を形
成する際の放電電圧を直流1500Vから直流1000
Vに変更した以外は(実施例21)と同じ構成の8mm
幅テープ試料を作製した。
【0095】(比較例17) (実施例21)のホウ素とインジウムを含有する層を形
成する際のB26とトリメチルインジウムとヘキサンの
混合比を順次ガス圧力比で1:1:10、2:2:1
0、3:3:10、4:4:10、5:5:10と変化
させたのを、順次1:1:40、2:2:40、3:
3:40、4:4:40、5:5:40と変化させた以
外は(実施例21)と同じ構成の8mm幅テープ試料を
作製した。
【0096】(比較例18) (実施例21)のホウ素とインジウムを含有する層を各
々1.5nmの厚み、合計7.5nmにて形成した以外
は(実施例21)と同様にして8mm幅テープ試料を作
製した。
【0097】(比較例19) (実施例21)の炭素膜のビッカース硬度2500kg
/mm2 をビッカース硬度1300kg/mm2 の炭素
膜にかえた以外は(実施例21)と同様にして8mm幅
テープ試料を作製した。
【0098】以上の各実施例・比較例で得られた8mm
テープ試料について、(実施例1)から(実施例4)で
行なったのと同様の分析・評価試験と接触角測定をおこ
なった。接触角測定は、磁気記録媒体表面に0.1マイ
クロリットルの蒸留水を滴下し、60秒経過後の接触角
を測定した。
【0099】得られた分析結果を(表11)に、評価結
果を(表12)に各々示す。
【0100】
【表11】
【0101】
【表12】
【0102】以上の評価結果より明らかなように、非磁
性基板上に強磁性金属薄膜を形成し、強磁性金属薄膜上
に、ケイ素、リン、イオウ、スズ、インジウムの中から
選ばれた少なくとも一つの元素、あるいはスズ、インジ
ウムの中から選ばれた少なくとも一つの元素とホウ素の
濃度が炭素膜最表面から深さ方向に向かって減少する高
硬度で緻密な炭素膜を形成し、さらに潤滑剤層を配する
ことによって、保護膜の硬度を低下させることなく、ま
た保護膜と強磁性金属薄膜との付着力を低下させること
なく、磁気テープ表面に潤滑剤を配向性をもたせて強固
に付着させることができる。その結果、走行耐久性・耐
候保存性に優れた信頼性の高い磁気記録媒体を得ること
ができる。特に耐候保存性に関しては(表8)、(表1
0)、(表12)から明らかなように、ケイ素、リン、
イオウを含有した炭素膜の場合と比べて、炭素膜中にス
ズ、インジウムを含有すると、潤滑剤が炭素膜表面に分
布するスズ、インジウムと配向性良く、かつ強固に付着
するので、磁気記録媒体の最表面における撥水性が顕著
に向上し、類まれなる耐候保存性を示す。(比較例5)
〜(比較例19)の特性が悪いのは、炭素膜にケイ素を
濃度勾配をもたせて含有させた場合と同様の理由によ
る。
【0103】(実施例21)〜(実施例24)にて炭素
膜中にインジウムとホウ素を含有する例を示したが、イ
ンジウムのかわりにスズを含有させた場合も優れた耐候
保存性を示す。
【0104】上記実施例では、炭素膜を形成する際に直
流電流のみ用いたが、直流電流と交流電流を重畳させた
場合でも全く同様の作用効果を有するものである。
【0105】なお、上記実施例では、8mmVTR用薄
膜テープのみについて説明したが、これに限定されるも
のではない。他の強磁性金属薄膜型磁気テープ、磁気デ
ィスク等についても適用できる。
【0106】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、非磁性基
板上に強磁性金属薄膜を形成し、強磁性金属薄膜上に、
ケイ素、リン、イオウ、スズ、インジウムの中から選ば
れた少なくとも一つの元素の濃度が最表面から深さ方向
に向かって減少する高硬度で緻密な炭素膜を形成し、さ
らに前記炭素膜上に潤滑剤層を配することによって、走
行耐久性・耐候保存性に優れた信頼性の高い磁気記録媒
体を得ることができ、その実用上の価値は大なるものが
ある。
【0107】さらに、非磁性基板上に強磁性金属薄膜を
形成し、前記強磁性金属薄膜上に、スズ、インジウムの
中から選ばれた少なくとも一つとホウ素の元素の濃度が
最表面から深さ方向に向かって減少する炭素膜を形成
し、さらに前記炭素膜上に潤滑剤層を配することによっ
て、配走行耐久性・耐候保存性を大幅に向上することが
可能となり、信頼性の高い磁気記録媒体を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である金属薄膜型磁気記録テー
プの拡大断面図
【符号の説明】
1 非磁性基板 2 強磁性金属薄膜 3 炭素膜 4 潤滑剤層 5 バックコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 喜代司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小田桐 優 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 村居 幹夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板上に強磁性金属薄膜を形成し、
    前記強磁性金属薄膜上にケイ素、リン、イオウ、スズ、
    インジウムの中から選ばれた少なくとも一つの元素の濃
    度が最表面から深さ方向に向かって減少する炭素膜を設
    け、さらにこの炭素膜上に潤滑剤層を設けることを特徴
    とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】炭素膜中のケイ素、リン、イオウ、スズ、
    インジウムの中から選ばれた少なくとも一つの元素と炭
    素の一重結合およびC−O結合に関与するケイ素、リ
    ン、イオウ、スズ、インジウムの中から選ばれた一つの
    元素と炭素および酸素の総和が3.0原子%以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】炭素膜表面近傍の、ケイ素、リン、イオ
    ウ、スズ、インジウムの中から選ばれた少なくとも一つ
    の元素の炭素に対する原子比率が1.0%以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】炭素膜表面近傍の、ケイ素、リン、イオ
    ウ、スズ、インジウムの中から選ばれた少なくとも一つ
    の元素の酸素に対する原子比率が10.0%以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】炭素膜表面近傍の、ケイ素、リン、イオ
    ウ、スズ、インジウムの中から選ばれた少なくとも一つ
    の元素の炭素に対する原子比率が1.0%以上であり、
    且つケイ素、リン、イオウ、スズ、インジウムの中から
    選ばれた少なくとも一つの元素の酸素に対する原子比率
    が10.0%以上であることを特徴とする請求項1記載
    の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】炭素膜中の、ケイ素、リン、イオウ、ス
    ズ、インジウムの中から選ばれた少なくとも一つの元素
    の炭素に対する原子比率が1.0%以上である部分の厚
    さが、前記炭素膜の最表面から4.0nm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】非磁性基板上に強磁性金属薄膜を形成し、
    前記強磁性金属薄膜上にスズ、インジウムの中から選ば
    れた少なくとも一つの元素とホウ素の濃度が最表面から
    深さ方向に向かって減少する炭素膜を設け、さらにこの
    炭素膜上に潤滑剤層を設けることを特徴とする磁気記録
    媒体。
  8. 【請求項8】炭素膜中の、スズ、インジウムの中から選
    ばれた少なくとも一つの元素と炭素の一重結合およびB
    −C結合およびC−O結合に関与するスズ、インジウム
    の中から選ばれた一つの元素と炭素、酸素およびホウ素
    の総和が3.0原子%以上であることを特徴とする請求
    項7記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】炭素膜表面近傍の、スズ、インジウムの中
    から選ばれた少なくとも一つの元素とホウ素の炭素に対
    する原子比率が1.0%以上であることを特徴とする請
    求項7記載の磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】炭素膜表面近傍の、スズ、インジウムの
    中から選ばれた少なくとも一つの元素とホウ素の酸素に
    対する原子比率が10.0%以上であることを特徴とす
    る請求項7記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】炭素膜表面近傍の、スズ、インジウムの
    中から選ばれた少なくとも一つの元素とホウ素の炭素に
    対する原子比率が1.0%以上であり、且つスズ、イン
    ジウムの中から選ばれた少なくとも一つの元素とホウ素
    の酸素に対する原子比率が10.0%以上であることを
    特徴とする請求項7記載の磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】炭素膜中の、スズ、インジウムの中から
    選ばれた少なくとも一つの元素とホウ素の炭素に対する
    原子比率が1.0%以上である部分の厚さが、前記炭素
    膜の最表面から4.0nm以下であることを特徴とする
    請求項7記載の磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】炭素膜のビッカース硬度が2000kg
    /mm2 以上であることを特徴とする請求項1または7
    に記載の磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】炭素膜上の潤滑剤層が、−COOH、−
    OH、−SH、−NH 2 、=NH、−CONH2 、−C
    ONHR、−CONR2 、−COOR、=PR、=PR
    O、=PRS、−OPO(OH)2 、−OPO(OR)
    2 、−SO3 M(ただし、Rは炭素数1〜22の炭化水
    素基、Mは水素、アルカリ金属またはアルカリ土類金
    属)から選ばれた少なくとも一つの極性基を有する含フ
    ッ素系潤滑剤層であることを特徴とする請求項1または
    7に記載の磁気記録媒体。
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