JPH07159103A - 長尺丸棒の偏心度及び円筒度測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 測定精度が良好で測定条件の変動が少ない長
尺丸棒の偏心度及び円筒度測定装置を提供する。 【構成】 定板２上に支持ロールたる一対の第１ロール
３と前記第１ロール３と同軸上に一対の第２ロール４と
を設置する。前記第１ロール３と第２ロール４と平行に
ガイドレール５を設ける。前記ガイドレール５に摺動自
在にスライド機構６を設置する。前記スライド機構６は
測定用触子７と、ダイヤルゲージ９とを備える。 【効果】 測定条件の変動なく長尺丸棒の偏心度及び円
筒度を高精度に測定することができる。また偏心度及び
円筒度の測定精度を良好なまま維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は長尺丸棒の偏心度及び円
筒度測定装置に関し、特に測定精度が良好で測定条件の
変動が少ない長尺丸棒の偏心度及び円筒度測定装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】ボーリングバー等の長尺丸棒は、中心軸
に対して偏心が少なく、良好な円筒度を有することが要
求される。このため一本一本の長尺丸棒の偏心度及び円
筒度が所定の範囲内にあるかどうかを測定する必要があ
る。

【０００３】このような従来の偏心度及び円筒度の測定
装置を図４に示す。図４において測定装置41は、定板42
と、前記定板42上に設置された一対のＶ字形の溝を有す
る平板状の軸受け台43, 43Ａと、前記定板42上に軸方向
に移動可能に設置されたマグネットクランプ45と前記マ
グネットクランプ45に配設され前記軸受け台43, 43Ａ間
に垂設される測定用触子44を備えたダイヤルゲージ44Ａ
とから構成され、その作用は、前記軸受け台43, 43Ａの
Ｖ字形の溝に長尺丸棒46を載置し、前記測定用触子44の
先端部を前記長尺丸棒46の外周面の所定の位置に当接さ
せた状態で長尺丸棒46を手などで回転させ、その偏心量
をダイヤルゲージ44Ａで読取る。この操作をマグネット
クランプ45を軸方向に順次移動させながら繰り返すこと
により、長尺丸棒46の偏心度及び円筒度を測定し、所定
の偏心度を越えるものを不良品と認定する。

【０００４】

【発明が解決しようとする問題点】上記従来の偏心度及
び円筒度の測定装置41では、長尺丸棒46の測定位置を変
える度にマグネットクランプ45を移動させる必要がある
ので、長尺丸棒46のセンターに測定用触子44を常に正確
に当接させるのが極めて困難であるという問題点があ
る。また、個々の長尺丸棒46の偏心度及び円筒度を同一
条件で測定するのが困難であるという問題点もある。さ
らに上記従来技術では、Ｖ字形の溝を有する軸受け台4
3, 43Ａに長尺丸棒46を載置し、前記軸受け台43, 43Ａ
上でこれを回転させているので、前記軸受け台43, 43Ａ
の摩耗に伴い測定条件が変化するという問題点もある。
特に軸受け台43, 43Ａが不均一に摩耗した場合には、偏
心度及び円筒度の測定の信頼性が低下する。

【０００５】そこで、前記軸受け台43, 43Ａの摩耗度を
抑制して精度をあげるため、図５に示すように長大なＶ
ブロック51を使用して、そこに長尺丸棒46を載置するこ
とが考えられるが、そのように長大なＶブロック51は精
度が安定的でないため、前記長大なＶブロック51を基準
面として偏心度及び円筒度を測定しても正確でないとい
う問題点がある。また、長尺丸棒46の測定位置を変える
度に一対の場合と同様にマグネットクランプ45を移動さ
せる必要があるので、長尺丸棒46のセンターに測定用触
子44を常に正確に当接させるのが極めて困難であるとい
う問題点がある。

【０００６】本発明は上記問題点に基づいて成されたも
のであり、測定精度が良好で測定条件の変動が少ない長
尺丸棒の偏心度及び円筒度測定装置を提供することを目
的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は長尺丸棒の外周
面に測定用触子を当接させながら前記長尺丸棒を回転さ
せることにより偏心度及び円筒度を測定する装置におい
て、前記装置が定板と、前記定板上に設置された少なく
とも一対の前記長尺丸棒の支持ロールと、前記ロールに
平行に設けられたガイドレールと、前記ガイドレールに
摺動自在に設置されたスライド機構と、前記スライド機
構に付設された測定用触子と、前記測定用触子に接続さ
れた測定手段とを備えるものである。

【０００８】

【作用】本発明の長尺丸棒の偏心度及び円筒度測定装置
では、少なくとも一対の支持ロール上に長尺丸棒を載置
して、測定用触子の先端部を前記長尺丸棒の外周面の所
定の位置に当接させた状態で前記長尺丸棒を手などで回
転させ、その際の測定用触子の長尺丸棒の外周の起伏に
沿った上下運動を測定手段で読み取る。この操作を、前
記長尺丸棒の長手方向と平行なガイドレールに沿ってス
ライド機構を摺動させて繰り返すことにより、測定条件
の変動なく高精度に円筒度を測定することができる。ま
た、前記長尺丸棒を載置する軸受け台を一対のロールと
しているので、長尺丸棒の回転をスムーズに行うことが
でき、しかもロールと長尺丸棒との間の摩擦もないの
で、前記ロールが摩耗せず、偏心度及び円筒度の測定精
度を良好なまま維持することができる。

【０００９】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を詳
述する。図１は本発明の長尺丸棒の偏心度及び円筒度測
定装置１を示す正面図であり、図２は平面図であり、図
３は側面図である。本発明の長尺丸棒の偏心度及び円筒
度測定装置１は、鋼製の定板２と、前記定板２上に設置
された長尺丸棒の支持ロールたる一対の第１ロール３お
よび前記第１ロール３と同軸上に所定の間隔をもって設
けられた一対の第２ロール４と、前記第１ロール３及び
第２ロール４の軸線に対して所定の間隔をもって平行に
設けられたガイドレール５とを備え、前記ガイドレール
５にはスライド機構たるスライド部材６がその下部にお
いて前記ガイドレール５に摺動自在に外嵌しており、前
記スライド部材６の上部には先端に測定用触子７を有す
る支持部材８が付設されている。また前記支持部材８に
は、偏心度及び円筒度の測定手段たるダイヤルゲージ９
が設置され、前記測定用触子７と接続されている。前記
測定装置１において、前記一対の第１ロール３は、コ字
状の固定部材10にロール11を回転自在に軸着し、この一
対のロールを対向させて定板１に固定したものであり、
前記第２ロール４も同一の部材により構成されている。
また、スライド部材６は前記ガイドレール５との摺動部
にスライドベアリング（図示せず）を有する。なお12は
ロール10を軸着するためのボルトであり、13は保持部材
であり、14は支持部材８をスライド部材６に固定するピ
ンである。

【００１０】次に前記構成に付いてその作用を説明す
る。まず第１ロール及び第２ロールのロール10間に長尺
丸棒15を載置し、スライド部材６を前記長尺丸棒15の一
端にまでスライドさせ、測定用触子７を長尺丸棒15の外
周面に当接させる。次に前記長尺丸棒15の他端側を手な
どで把持して図３中の矢印の方向に回すと、それに伴い
一対の第１ロール３及び第２ロール４が回転し、長尺丸
棒15はスムーズに回転する。この際測定用触子７は長尺
丸棒15の外周の起伏に沿って上下する。この測定用触子
７の上下運動は、伝達機構（図示せず）によりダイヤル
ゲージ９に伝達され、そして表示される。その表示され
た値の最大値と最小値の差の１／２の値を偏心度とす
る。また円筒度は、このスライド部材６を一端側から他
端側までスライドさせ、前記操作を繰り返すことによっ
て長尺丸棒の各部での外周の起伏を測定し、この際のダ
イヤルゲージ９の表示するそれぞれの値から最小二乗法
等により算出する。

【００１１】上述したような本発明の長尺丸棒の偏心度
及び円筒度測定装置１は、定板２と、前記定板２上に設
置された支持ロールたる一対の第１ロール３および前記
第１ロール３と同軸上に設置された一対の第２ロール４
と、前記第１ロール３と第２ロール４に平行に設けられ
たガイドレール５と、前記ガイドレール５に摺動自在に
設置されたスライド機構６と、前記スライド機構６に付
設された測定用触子７と、前記測定用触子７に接続した
ダイヤルゲージ９とを備えるものであり、前記一対の第
１ロール３及び第２ロール４上に長尺丸棒15を載置し
て、測定用触子７の先端部を前記長尺丸棒15の外周面の
所定の位置に当接させた状態で長尺丸棒15を手などで回
転させ、その際の測定用触子７の長尺丸棒15の外周の起
伏に沿った上下運動を測定手段で読み取る。この操作を
長尺丸棒15の長手方向と平行なガイドレール５に沿って
スライド機構６を摺動させながら繰り返すことにより、
測定条件の変動なく高精度に円筒度を測定することがで
きる。また、前記長尺丸棒15を載置する軸受け台を一対
のロール３，４としているので、長尺丸棒15をスムーズ
に回転させることができ、しかもロール３，４と長尺丸
棒15との間の摩擦もないので、前記ロール３，４が摩耗
せず、偏心度及び円筒度の測定精度を良好なまま維持す
ることができる。

【００１２】以上本発明を添付図面を参照して説明して
きたが、本発明は前記実施例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能
である。例えば本発明の装置１により偏心度及び円筒度
を測定可能な長尺丸棒15としては、外周面が基本的に円
形であれば特に制限はなく、円筒状、管状等の種々の形
状が適用可能である。さらにワーク（測定物）の全長に
わたって外周面が円形である必要はなく、少なくとも第
１ロール３及び第２ロール４に載置した箇所の外周面が
円形であればよい。また、定板２の大きさ、ロール３の
直径、ロール間の間隔及びロール３、４間の距離等は長
尺丸棒の長さ及び径に応じて適宜変更可能である。さら
に長尺丸棒を支持する一対のロールは、本実施例のよう
に２組である必要はなく、３組以上あるいは長大なロー
ルであれば１組としてもよい。またロール11の固定部材
10への軸着及びスライド部材６に使用するベアリング
は、ボールベアリング及びスライドベアリングに限ら
ず、適当なベアリングを適宜選択して用いることができ
る。またベアリングがなくとも十分な摺動特性を有する
場合には用いなくてもよい。

【００１３】

【発明の効果】本発明の長尺丸棒の偏心度及び円筒度測
定装置は、長尺丸棒の外周面に測定用触子を当接させな
がら前記長尺丸棒を回転させることにより長尺丸棒の偏
心度及び円筒度を測定する装置において、前記装置が定
板と、前記定板上に設置された少なくとも一対の前記長
尺丸棒の支持ロールと、前記ロールに平行に設けられた
ガイドレールと、前記ガイドレールに摺動自在に設置さ
れたスライド機構と、前記スライド機構に付設された測
定用触子と、前記測定用触子に接続された測定手段とを
備えるものであり、前記支持ロール上に長尺丸棒を載置
して、測定用触子の先端部を前記長尺丸棒の外周面の所
定の位置に当接させた状態で長尺丸棒を手などで回転さ
せ、その際の測定用触子の長尺丸棒の外周の起伏に沿っ
た上下運動を測定手段で読み取る。この操作を、前記長
尺丸棒の長手方向と平行なガイドレールに沿ってスライ
ド機構を摺動させながら繰り返すことにより、測定条件
の変動なく高精度に円筒度を測定することができる。ま
た、前記長尺丸棒を載置する軸受け台を一対のロールと
しているので、長尺丸棒の回転をスムーズに行うことが
でき、しかも、ロールと長尺丸棒との間の摩擦もないの
で、前記ロールが摩耗せず、偏心度及び円筒度の測定精
度を良好なまま維持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の偏心度及び円筒度測定装置の一実施例
を示す正面図である。

【図２】本発明の偏心度及び円筒度測定装置の一実施例
を示す平面図である。

【図３】本発明の偏心度及び円筒度測定装置の一実施例
を示す側面図である。

【図４】従来の偏心度及び円筒度測定装置を示す斜視図
である。

【図５】従来の偏心度及び円筒度測定装置の他の例を示
す斜視図である。

【符号の説明】

１ 偏心度及び円筒度測定装置 ２ 定板 ３ 第１ロール（支持ロール） ４ 第２ロール（支持ロール） ５ ガイドレール ６ スライド部材（スライド機構） ７ 測定用触子 ９ ダイヤルゲージ（測定手段） 15 長尺丸棒

フロントページの続き (72)発明者 堀内 守 新潟県新潟市小金町３番地１ 三菱マテリ アル株式会社新潟製作所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺丸棒の外周面に測定用触子を当接さ
   せながら前記長尺丸棒を回転させることにより偏心度及
   び円筒度を測定する装置において、前記装置が定板と、
   前記定板上に設置された少なくとも一対の前記長尺丸棒
   の支持ロールと、前記ロールに平行に設けられたガイド
   レールと、前記ガイドレールに摺動自在に設置されたス
   ライド機構と、前記スライド機構に付設された測定用触
   子と、前記測定用触子に接続された測定手段とを備える
   ことを特徴とする長尺丸棒の偏心度及び円筒度測定装
   置。