JPH0714974U - 掛け用寝具の襟カバー取付構造および縫製ミシンの布地テープ送り装置 - Google Patents

掛け用寝具の襟カバー取付構造および縫製ミシンの布地テープ送り装置

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JPH0714974U
JPH0714974U JP4985993U JP4985993U JPH0714974U JP H0714974 U JPH0714974 U JP H0714974U JP 4985993 U JP4985993 U JP 4985993U JP 4985993 U JP4985993 U JP 4985993U JP H0714974 U JPH0714974 U JP H0714974U
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和彌 大山
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竹内 和平
和彌 大山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 掛け用寝具に襟カバーを脱着自在とし、か
つ、そのファスニング機構に掛け用寝具と同じ肌触りを
維持させることができるようにすること。 【構成】 襟カバー2の端部位には掛け用寝具1と対面
する側にファスニングテープの雄部材3,3が縫いつけ
られる。一方、掛け用寝具1には、肌触りの優しい柔軟
なパイル加工の施された布地テープ6,6が表裏におい
て顔側端縁から等距離Lを隔てた位置に左右方向へ延び
るように縫いつけられる。襟カバー2を中央で上下二つ
折りにして、雄部材3,3を表裏の各布地テープ6上に
押さえて密着させれば、掛け用寝具1の顔側端部位に襟
カバー2を付着させることができるできる。たとえ、襟
カバー2が掛け用寝具1から部分的もしくは全体的に外
れることがあっても、布地テープ6は掛け用寝具1と同
様の肌触りの良さであって、違和感を生じさせることが
ない。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は掛け用寝具の襟カバー取付構造および縫製ミシンの布地テープ送り装 置に係り、詳しくは、毛布や布団などの掛け用寝具に肌触りのよい柔軟なパイル 加工された布地テープを取り付け、その布地テープに襟カバーを簡便に着脱自在 とした襟カバーの固定機構、ならびに、その布地テープを掛け用寝具の表裏の同 一位置に同時に縫いつけることができるようにした縫製ミシンにおけるテープ送 り構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
家庭で使用されたりホテルや旅館などの宿泊施設で多用される毛布や肌布団さ らには厚い冬布団などの掛け用寝具は、とりわけ顔や首の触れる部分が汚れやす い。ましてや、業務用として使用される掛け用寝具においては、他人が使用した 後のままでは汚れていなくても清潔感が損なわれやすい。 しかし、汚れてからや他人が使用した都度に、その掛け用寝具をいちいち洗濯 することは面倒なことである。また、嵩張ることもあって取り扱いが厄介であっ て、干すにあたっても場所や大変な労力を要する。 そこで、一般的には、しばしば取り外しの簡単な襟カバーが掛け用寝具の顔や 首が当たる部分に取り付けられる。その襟カバーを外して洗濯することは容易で あり、また、次に使用するまで保管するにもスペースを要しないことから、家庭 のみならず宿泊施設などにおいても常用されるところである。
【0003】 ところで、その襟カバーは通常綿などの薄い布地であって掛け用寝具の左右幅 にほぼ等しい寸法の矩形状である。そして、掛け用寝具の顔側端部位の表裏に跨 がるように被せるべく二つ折りにされ、家庭などにおいては、ホックを縫いつけ て固定するようにしたり、襟カバーにボタン孔を設けて掛け用寝具に取り付けた ボタンを嵌めたり、安全ピンで適宜の個所を止めるなどしている。 しかし、最近では、ホテルなどの宿泊設備をはじめ家庭においても、雌雄密着 形式のファスニングテープを使用して簡単に着脱できる構造のものが採用される ことが多い。 その場合、襟カバーの裏面に例えば特公昭35-522号公報に記載されているよう なファスニングテープの雄部材を縫いつけ、掛け用寝具の表裏の雄部材に対応す る位置にファスニングテープの雌部材を縫いつけている。このようにすると、掛 け用寝具の顔側端部位を起こして、その表裏に襟カバーの雄部材を軽く押さえる だけで襟カバーの取り付けが簡単になされ、また、軽くひき裂くようにすれば容 易に外すことができるのは周知のとおりである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上記のファスニングテープは、一般的に、堅いナイロン製の布基板に硬質ナイ ロン糸を鉤状に曲げて植設している雄部材と、同じく堅いナイロン製の布基板に やや軟質のナイロン糸で複数のループからなるループ束を形成させ、それを多数 配置するように加工した雌部材とからなる。 そのようなファスニングテープは、通常、雄部材も雌部材も断片的もしくは不 連続的に縫いつけられる。雄部材よりも比較的柔らかい方の雌部材は掛け用寝具 に縫いつけられるが、個々の布基板自体は硬くて角があること、各ループ束は少 し柔らかいといえども何個所かの部分的に縫いつけられる関係上、掛け用寝具が 毛布であれ布団であれ、雄部材と雌部材とが密着した部分は、その周囲の布地よ りもコツゴツした感触を与えたものとなる。 それのみならず、脱着の繰り返しに耐えられるように雄部材も雌部材も同質の 布基板が採用されることから、毛布の表面や布団の薄い表地裏地に縫いつけた場 合に、その部分の周囲にファスニングテープを剥がすときの力が集中し、生地を 傷めやすい欠点がある。 また、寝相が悪いときなどには襟カバーを引っ張ってしまい、襟カバーが部分 的にもしくは全体的に掛け用寝具から剥がれることがある。そのような場合に、 掛け用寝具の顔側端部位が直接顔や首もとに触れる。雌部材が露出した状態とな っていると、柔らかい生地の表面に硬い部分が局部的に現れることになり、それ が直接肌に触れると、その感触の硬さや違和感などから安眠が阻害されるといっ たことが起こる。
【0005】 上記の肌触りの難点を解消した襟カバーとして、ファスニングテープを使用し ない形式のものも存在する。例えば襟カバーを浅い袋状にして、その顔側縁の左 右端部位を斜めに切り落とす一方、袋の反顔側端を布団幅より少し狭く絞ったも のがある。 このような例においては、その切り落とし部分から布団の顔側端の左右端部位 を角のように出し、襟カバーが布団を覆ったとき襟カバーの幅を縮める力を生じ させ、そのために、必要に応じて切り落とし部の左右端にゴムテープを縫いつけ るなどして、布団から簡単には外れないようにしている。 しかし、このような襟カバーが適用できるのは、厚みの十分に確保された冬布 団のみであり、毛布や薄い肌布団などに使用すると、それらが乱れた時点で襟カ バーの有する固縛力はなくなり、簡単に抜けてしまう難点がある。 それゆえに、襟カバーをいずれの掛け用寝具にも簡単に着脱でき、かつ、襟カ バーが外れたときでも肌触りの損なわれない襟カバーのファスニング機構の実現 が望まれる。
【0006】 ところで、毛布などの上下左右の縁はサテンなどのテープや伸縮性のある布地 テープが縫いつけられ、縁止めするなどして毛布地のほつれなどが生じないよう にされる。また、毛布を顔側端で二重にする場合などでは、毛布の折り返された 端縁を固定するために、その重なり端縁に沿って布地テープを縫いつけることも ある。 いずれにしても、縫いつける部分にテープを送り出し、毛布などをミシン台上 で移動させる際に同時にテープを送り出しながら縫製することが従来から行われ ている。 上記した後者の場合、すなわち、毛布を顔側端で二重にして毛布の折り返され た端縁を固定するために、その重なり端縁に沿ってのみにテープを供給する場合 には、テープの縫いつけられる面を上にしてミシン台に載せ、手前から繰り出し たテープを毛布の上に這わせるようにしてその移動方向に送り出せばよい。 そして、縫製作業者が被縫製物と共に移動するテープを目視しながら、毛布に テープを密着させて弛むことのないようにミシン操作している。すなわち、ミシ ン針の動きや被縫製物の送りやテープの移動状態の正否を確認している。 テープは被縫製物の上にあり、もしテープの送りが好ましくない方向となって も目視できるので、直ちに方向を修正したりミシンの動きを停止させることがで きる。しかし、テープを被縫製物の下面にも縫いつけようとすることは容易でな い。この場合、被縫製物の上面と下面のそれぞれにテープを同時に供給すること になるが、下側のテープを目視することが不可能であるからである。 すなわち、ミシンの針板の表面に出入りしながら被縫製物の下方でウォーキン グ運動する送り歯でもって、下側のテープの歪みや弛みを生じさせることなく、 被縫製物に沿わせるようにテープを移動させる手先の調整操作が困難であるから である。 それゆえ、テープの類を被縫製物の表裏両面に同時に縫いつけたい場合には、 それを可能にすることができる装置の開発が望まれる。
【0007】 本考案は上記の問題に鑑みなされたもので、その目的は、雌雄部材からなるフ ァスニングテープを掛け用寝具に縫いつけたときの縫いつけ部分での違和感を与 えないようにすること、たとえ襟カバーが掛け用寝具から部分的もしくは全体的 に外れることがあっても、掛け用寝具としての肌触りの良さを維持させておくこ とができるようにすることを実現した掛け用寝具の襟カバー取付構造を提供する ことである。 さらには、そのような襟カバーの取付構造を掛け用寝具に施すに好適な、すな わち、掛け用寝具の顔側端縁から同じ距離を隔てた位置の表裏に布地テープを同 時に縫いつけることができるようにした縫製ミシンの布地テープ送り装置を提供 することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案は、毛布や掛け布団などの掛け用寝具に、着脱自在な襟カバーを固定す るファスニング機構に適用される。 その特徴とするところは、図1を参照して、襟カバー2は掛け用寝具1の顔側 端部位の表裏に跨がって被せ二つ折りされる略矩形状の布地シートであり、それ ぞれの端部位にはその掛け用寝具1と対面する側にファスニングテープの雄部材 3,3が縫いつけられる。掛け用寝具1の表裏のそれぞれには、肌触りの優しい 柔軟なパイル加工の施された布地テープ6,6が、その顔側端縁から所望距離を 隔てた位置で左右方向へ延びるように縫いつけられる。そして、襟カバー2を上 下二つ折りにして、雄部材3,3を表裏の各布地テープ6,6上に押さえて密着 させることにより、掛け用寝具1の顔側端部位に襟カバー2を付着させることが できると共に、雄部材3,3を布地テープ6,6から剥がして襟カバー2を取り 外しできるようにしたことである。 なお、布地テープ6,6を、掛け用寝具1の顔側端縁から表裏それぞれ等距離 Lを隔てた位置で左右方向へ延びるように縫いつけ、襟カバー2を中央で上下二 つ折りにして、雄部材3,3を表裏の各布地テープ6上に押さえて密着させるよ うにするとよい。 一方、襟カバー2に縫いつけられたファスニングテープの雄部材3,3が、二 つ折りされた襟カバー2の上側の裏面2aにおいては点在して配置され、下側の 裏面2bにおいて一本の雄部材3を連続して配置しておく(図5参照の仮想線を 参照)こともできる。
【0009】 縫製ミシンの布地テープ送り装置の考案にあっては、被縫製物の表裏に布地テ ープを縫いつけるため、二本の布地テープを被縫製物の送り方向へ供給すること ができるようになっている縫製ミシンに適用される。 その特徴を、図9に基づいて述べる。ミシン針21が上下動する際に通過でき る切欠きを備えて被縫製物を上から押さえる押え爪22の被縫製物が移動する上 流側に、被縫製物の上面の縫製方向へ柔軟なパイル加工された布地テープ6Uを 供給するように開口する上側テープ供給用アーチラッパ25が傾斜して配置され る。一方、ウォーキング運動する送り歯が出没する針板24の上流側の縫製台2 3上には、被縫製物の下面の縫製方向へ柔軟なパイル加工された布地テープ6L を供給するように開口する下側テープ供給用アーチラッパ30が水平な姿勢で固 定される。そして、被縫製物を縫製方向へ移動させたとき、その被縫製物の端縁 から表裏において等距離を隔てた位置に、二本の布地テープ6U,6Lを同時に 縫いつける(図1参照)ことができるようにしたことである。
【0010】
【作用】
二つ折りされる略矩形状の布地シートからなる襟カバー2のそれぞれの端部位 に、毛布などの掛け用寝具1と対面する側にファスニングテープの雄部材3,3 を縫いつけておく(図1参照)。一方、掛け用寝具1には、その表裏において顔 側端縁から所望距離を隔てた位置に左右方向へ延びるように、肌触りの優しい柔 軟なパイル加工の施された布地テープ6,6を縫いつける。 掛け用寝具1の顔側端側を少し立てかけるなどすると共に襟カバー2を二つ折 りにして、掛け用寝具1の顔側端部位の表裏に跨がるように被せ、それぞれの雄 部材3,3を表裏の各布地テープ6に押さえると、簡単には外れないように付着 する。 襟カバー2がたとえ掛け用寝具1から外れて布地テープ6が肌に触れても、柔 軟なパイル加工の施された布地テープ6は肌触りが優しく、ファスニングテープ の雌部材を使用した場合に比べれば格段の寝心地が得られる。 布地テープ6から雄部材3を剥がすことは容易であり、襟カバー2を掛け用寝 具1から取り外して洗濯などが簡単にできる。 布地テープ6,6を、掛け用寝具1の顔側端縁から表裏それぞれ等距離Lを隔 てた位置で左右方向へ延びるように縫いつけている場合には、襟カバー2を中央 で上下二つ折りにして、雄部材3,3を表裏の各布地テープ6上に押さえて密着 させる。 襟カバー2に縫いつけられたファスニングテープの雄部材3,3が、二つ折り された襟カバー2の上側の裏面2aにおいては点在して配置され、下側の裏面2 bにおいて連続して配置されている場合は、肌側の襟カバー2の剥がれ、とりわ け、端部からの外れが可及的に少なくなる。もちろん、襟カバー2を掛け用寝具 1に取り付け取り外す動作において何らの変わりがない。
【0011】 一方、縫製ミシンには、押え爪22の被縫製物が移動する上流側に上側テープ 供給用アーチラッパ25を傾斜して配置し、針板24の上流側の縫製台23上に 下側テープ供給用アーチラッパ30を水平に配置しておく。この上側テープ供給 用アーチラッパ25と下側テープ供給用アーチラッパ30は、それから繰り出さ れる布地テープ6U,6Lが毛布などの被縫製物の表裏において端縁から等距離 を隔てた位置となるように配置される。 布地テープ6Uは上方から上側テープ供給用アーチラッパ25に供給され、布 地テープ6Lは縫製台23に沿って下側テープ供給用アーチラッパ30に供給さ れ、それぞれのアーチラッパから引き出された両布地テープ6U,6L間に被縫 製物を配置してミシンを稼働させる。 縫製作業者は下側の布地テープ6Lを目視することができなくても、布地テー プ6U,被縫製物,布地テープ6Lが同じ位置に重なって送られ、布地テープ6 Uは布地テープ6Lと同じ縫い目でもって同時に縫製される。 このようにして、布地テープ6U,6Lは一度の工程によって同じ位置に縫い つけられるので、縫製作業が極めて能率よく行われる。布地テープ6U,6Lに は、ファスニングテープの雄部材が縫いつけられた襟カバーを掛け用寝具の顔側 端縁で折り返して簡単に取り付けることができる。
【0012】
【考案の効果】
本考案の掛け用寝具の襟カバー取付構造によれば、襟カバーを簡単に掛け用寝 具の顔側端部位に取り付けることができる。襟カバーの雄部材を付着させる布地 テープは掛け用寝具の表裏の所望距離にあって、襟カバーを単に折り曲げればよ く、また、剥がすことも容易である。 布地テープは柔軟なパイル加工の施された肌触りの優しいものであり、襟カバ ーが外れても肌を刺激することがなく、ファスニングテープの雌部材のような異 物感や違和感を与えることはない。 布地テープは掛け用寝具に長く延びて縫いつけられるので、襟カバーを掛け用 寝具から外すときにひきつる力が分散され、掛け用寝具の傷むのも可及的に軽減 される。
【0013】 掛け用寝具の顔側端縁から表裏それぞれ等距離を隔てた位置で左右方向へ延び るように布地テープが縫いつけられている場合には、二本の布地テープを同時に 毛布などに縫製することができ、その縫製作業の能率化が図られる。 襟カバーに縫いつけられたファスニングテープの雄部材が二つ折りされた襟カ バーの上側の裏面においては点在して配置され、下側の裏面においては連続して 配置されていると、襟カバーの肌側での付着力が向上した安定した固定状態が得 られる。そして、雄部材の襟カバーへの縫いつけも一連の動作で可能となり、生 産性の向上が実現される。
【0014】 一方、縫製ミシンの布地テープ送り装置によれば、二つのアーチラッパによっ て被縫製物の表裏に布地テープを同時に供給して縫いつけることができ、縫製作 業の迅速化や円滑化が図られる。被縫製物の下側に供給される布地テープを目視 することができなくても、その布地テープの供給は被縫製物の上面に供給される 布地テープと同じ位置に保っておくことができ、縫製作業に熟練が要求されるこ ともない。
【0015】
【実施例】
以下に、本考案に係る掛け用寝具の襟カバー取付構造ならびに縫製ミシンの布 地テープ送り装置を、実施例として示した図面をもとに詳細に説明する。 図1は、家庭などで使用される毛布や布団などの掛け用寝具に、着脱自在な襟 カバーを固定できるようにしたファスニング機構の斜視図である。図において、 掛け用寝具1の顔の部分や首などが触れる顔側端部位に襟カバー2が着脱自在に 取り付けられる。なお、以下においては、掛け用寝具として毛布を使用した場合 を例にして説明する。
【0016】 襟カバー2は薄い綿の布地などであり、広げた状態では略矩形をなしており、 図2に示すように、毛布1の左右幅とほぼ等しい幅寸法とされている。そして、 例えば夏物の綿の毛布1の顔側端部位の表裏に跨がって、二つ折りにして被せら れる。 この襟カバー2の裏面2a,2bすなわち、毛布1の表裏と対面する側であっ て、それを毛布1に取り付けたときに表裏で反顔側となるそれぞれの端部位に、 ファスニングテープとして公知の雄部材3,3が数個所に縫いつけられる。 この雄部材3は、ファスニングテープの雄側テープを適当な長さに切断したも ので、一般的には堅いナイロン製のテープ状布基板に硬質ナイロン糸が曲げて植 設されている。具体的には、図3の(a)に示すように、硬いナイロン糸4をル ープ状にして布基板5に形成し、熱加工されるなどして形の保たれたループの先 端よりやや上方部位で切断した恰好となっている。その結果、各鉤状に曲がった 糸は釣り針状をなし、その横には短いナイロン糸が刺のように出ている。
【0017】 一方、毛布1には、肌触りの優しいように柔軟性のあるパイル加工された布地 テープ6が、顔側端縁から表裏において図1に示すように同じ距離L、例えば1 5cmないし30cm程度を隔てた位置で、3cm程度の幅にして左右方向へ延 びるように縫いつけられている。この布地テープ6は肌触りのよい綿などの天然 繊維や柔らかく加工された合繊繊維を伸縮性のあるトリコット加工したものであ る。したがって、綿,テトロン,エステルといったものや類似する素材が使用さ れる。 この布地テープ6に施されたパイル加工はテープの片面のみに施されたもので 十分である。そのパイリングによって形成されるループは、図3の(b)に示し たファスニングテープの雌部材7の場合の複数本のループが一個所に植設された ループ束8,8の多数を布基板9に形成したものとは異なり、図4に極めて概略 的に描かれているが、トリコットニットやメリヤスニット10といったものなど が使用される。
【0018】 これらは、メリヤス生地の範疇のうち、単針経糸単列式のトリコット編地の二 目編(ダブルループ),単針経糸二列式の二重デンビー編(トリコット編)や重 針二列式のダブルトリコット編などとしてよく知られたものである。その布地テ ープ6における各ループ11の大きさは直径が例えば1mm前後かそれ以下であ り、しかも、肌触りの点からは繊維が柔らかく立ち上がりの少ない相互に密集す るものほど好ましい。 このような布地テープ6でも、ループ11,11に襟カバー2に取り付けた雄 部材3の鉤状の針が絡みつく恰好で、ファスニングテープの雌部材に雄部材を付 着させるのと同等の効果が発揮される。なお、上述したが、布地テープ6は点在 して取り付けられるのではなく、毛布1の左右方向において両端に至るまで連続 して縫製される。これは、布地テープ6自体が著しく安価であることやミシンに よる縫製作業を連続的に行いやすく、縫いつける時間も短くて済み、作業の能率 が著しく向上するからである。
【0019】 上記のような構成の掛け用寝具の襟カバー取付構造によれば、以下のようにし て襟カバー2を毛布1に簡単に取り付けることができ、また、たとえ襟カバー2 が外れることがあっても、その布地テープ6によって肌触りがの良さが維持され る。 まず、図2に示すごとく毛布1の顔側となる部分に、襟カバー2を表裏二つ折 りにして被せる。毛布1の顔側端縁から同じ距離L(図1参照)を隔てた位置の 表裏で左右方向へ延びるように縫いつけられた布地テープ6,6に、襟カバー2 の両端部に或る間隔で縫いつけたファスニングテープの雄部材3,3を軽く押し つけ、図5のようにして密着させる。 布地テープ6は毛布1の表裏で左右方向へ延びているが、当然のことながら雄 部材3,3の存在するところだけでもって襟カバー2が毛布1に一体化される。 このようにして取り付けた状態で襟カバー2が汚れてくれば、軽く力をかけて襟 カバー2を毛布1から剥がせばよい。襟カバー2を単体で洗濯し乾かすことはい とも簡単なことである。
【0020】 一方、寝相が悪くて襟カバー2を毛布1から外してしまった場合には、毛布1 の肌側の面に取り付けた布地テープ6L(図1参照)が露出し、寝衣や肌着さら には皮膚に触れるようなことがある。しかし、布地テープ6Lはパイル加工され て肌触りがよく、ファスニングテープの雌部材7(図3の(b)参照)を毛布1 に縫いつけている場合に比べると格段の優しい肌当たりであり、違和感を与える ことはない。 もちろん、毛布1から手を出して、毛布1の表側の布地テープ6U(図1参照 )に触れることがあっても同様である。すなわち、ファスニングテープの雌部材 7の場合にはループがたとえ柔らかくても布基板9が硬くて異物の存在を感じさ せるが、上記した類の布地テープ6L,6Uでは毛布1とほとんど変わらない肌 触りとなる。 このように、襟カバー2を縦方向の中央で二つ折りにして、雄部材3,3を布 地テープ6に密着させることができると共に取り外すことができるので、カバー としては極めて洗濯しやすい好適なものとなる。
【0021】 以上の説明は毛布を例にしたが、掛け用寝具として夏用の肌布団や厚い冬布団 といったようなものにでも、同様にして本考案を適用することができる。それの みならず、本ファスニング機構を応用すれば、類似の寝具や衣服類などにおいて も実施することができる。それらについては後で述べることにする。 上記では襟カバー2や布地テープ6は、その幅が掛け用寝具と同等であるとし ているが、いずれか一方もしくは両方を掛け用寝具の幅より短くしてもよく、そ の寸法は適宜選択されるものであることは言うまでもない。
【0022】 以下に、種々の例を挙げて説明する。 図6は、図1の例とは異なり、布地テープ6,6を毛布1の顔側端縁から表裏 で異なる距離を隔てた位置に配置して、左右方向へ延びるように縫いつけられた ものを示す簡略化した断面図である。この場合は、襟カバー2を適宜の位置で上 下二つ折りにして、雄部材3,3が表裏の各布地テープ6,6上に押さえて密着 される。 その布地テープは、図6の(a)の例では、表側の布地テープ6Uが裏側の布 地テープ6Lよりも顔側端縁寄りに配置され、図6の(b)の例では、表側の布 地テープ6Uが裏側の布地テープ6Lよりも顔側端縁からより一層離れて配置さ れている。いずれの例においても襟カバー2の毛布1の上側と下側で長さの異な ることになるのは当然であるが、どちらを長くするかは使用する人の好みにより 選択される。
【0023】 ところで、襟カバー2が外れていない状態で、図6の(a)では布地テープ6 Lを縫いつけている縫い目6bが毛布1の上面に現れ、図6の(b)では布地テ ープ6Uを縫いつけている縫い目6aが下面に現れる。前者では縫い目6bが人 目につく側となるが、毛布1にそのような縫い目が存在しても見栄えを損なうほ どのものにはならない。一方、後者では縫い目6aが肌などに触れる側に存在す るが、その縫い目によって肌触りが劣るというものではない。 なお、布地テープ6U,6Lの顔側端縁からの位置が異なるので、前述したご とく、二本の布地テープ6,6を一度に毛布1の表裏に縫いつけることは不可能 であるが、毛布1の裏面にまで布地テープを縫いつけるという新規な点が存在す ることに変わりがない。もちろん、襟カバー2が毛布1から外れて布地テープ6 Lが露出しても、肌触りの優しさが保たれる。 図1や図6の(a)および(b)は毛布1を例にしているが、布団であっても 夏用の肌掛け布団といった薄いものの場合には、縫製においても毛布と同等に布 地テープ6U,6Lを一度に縫製することができる。
【0024】 図7の例は毛布が顔側部分で所望長さに上側へ折り返されたものであり、布地 テープが折り返し端において左右方向へ延びるように縫いつけられている。この ような毛布1Aは顔側部分に厚みが増して質感があり、首から肩にかけての安定 感を与える寝具となる。 このように顔側端で二重にする場合などでは、毛布の折り返された端縁を固定 するために、その重なり端縁に沿って布地テープ6Uが縫いつけられるが、下面 にも布地テープ6Lが顔側端縁から所望距離を隔てた位置で左右方向へ延びるよ うに縫いつけられる。 図7の(a)のように、顔側端縁から表裏それぞれ等距離を隔てた位置に縫い つけられる場合には、両布地テープ6U,6Lを同時に縫製できることは述べる までもない。そして、襟カバー2は中央で上下二つ折りにして雄部材3,3を布 地テープ6U,6L上に押さえて密着させることになる。一方、図7の(b)や (c)の例は図6の(a)や(b)の例と同じことが言える。
【0025】 図8の例は、重ねて縁止めされる表地1Mと裏地1Nとを有する掛け用寝具の 場合であって、布地テープ6U,6Lが表地1Mの上面と裏地1Nの下面におい て、その顔側端縁から表裏それぞれ所望距離を隔てた位置で左右方向へ延びるよ うに縫いつけられているものである。 その表地1Mと裏地1Nとは、夏用の肌掛け布団であれ冬用の厚い布団であれ その表布と裏布をなすものであり、その中に布団綿12,パンヤ,羽毛などが詰 め込まれる。それのみならず、二枚重ねして縁止めなどされる毛布の上側を表地 とみなし、下側を裏地とみなせば、二重毛布の場合も図8の思想を適用すること ができる。 このような例においては、表地1Mと裏地1Nとを縫い合わせる前に、それぞ れの布地テープ6U,6Lが縫いつけられる。図8の(a)の例は顔側端縁から それぞれ等距離を隔てた位置に縫いつけられ、(b)および(c)の例では異な る位置に縫いつけられている。実質的には図1や図6の(a)および(b)と同 様な趣旨である。
【0026】 以上の図1から図8までにおいて、襟カバー2に縫いつけられたファスニング テープの雄部材3,3は、布地テープ6に対応した位置の左右方向において点在 して配置されている。しかし、ファスニングテープの雄部材3を、図5中に仮想 線で示すように、左右方向において連続して縫いつけておくこともできる。 このようにすると、雄部材3の全面が布地テープ6に付着し、襟カバー2が外 れるといったことは可及的に少なくなる。襟カバー2が剥がれるのは一般的に端 部からであり、左右端まで雄部材3が縫いつけられていることによって端部での 付着も完全となり、襟カバー2の端部での跳ねあがりもなくなる。 なお、雄部材3を連続した一本のテープにして毛布などに縫いつける作業は、 断続的に縫いつける場合に比べれば極めて能率の高いものとなり、テープに要す る費用がやや高くなっても縫製加工費の低減によって相殺することができる。ま た、断続的に縫いつけられた襟カバー2の場合には、雄部材3の布基板の端や角 が肌を刺激するが、連続しているとそのような不快感は少なくなる。 ちなみに、襟カバー2が最も剥がれやすいのは肌側であるので、図5において 二つ折りされた襟カバー2の上側の裏面2aにおいては実線および破線のように 雄部材3,3を点在させる程度にとどめ、下側の裏面2bにおいては仮想線のよ うに連続して配置し、付着力を強化させておくことも好ましい一案である。
【0027】 いずれの例においても、襟カバー2の肌に触れない上側の端縁2cに図5に示 した波形を施したりフリルを付けておき、触れる側の端縁を直線状にしておくな どすれば、襟カバー2の取り付け位置を間違えることはない。いずれの側の端縁 も同じ形状にしておく場合には、襟カバー2の上面としていたものを下面に回す といったことができる。 さらには、布地テープ6が縫いつけられることによって掛け用寝具の顔側部が いずれの側であるかも容易に知ることができ、足に触れない方を常に顔側にして 使用することができる。布地テープは無地のものもあれば模様の付されたものも あるが、その色合いを適宜選択して掛け用寝具に装飾的なアクセントを施すこと もできる。もちろん、掛け用寝具と類似した色や模様の施された布地テープを使 用して、装飾性を上げたり逆に目立たないようにすることもできる。
【0028】 次に、本考案に係る縫製ミシンの布地テープ送り装置について説明する。これ は、上述した掛け用寝具の襟カバー取付構造を実現するための縫製ミシンに適用 されるもので、毛布などの掛け用寝具の表裏に前述した類の二本の布地テープ6 U,6Lを同時に縫いつけることができるようにしたものである。 図9を参照して、この構造は、図示しない被縫製物に布地テープ6,6を縫い つけるため、その布地テープを被縫製物の送り方向へ同時に供給することができ るようになっている。 縫製ミシン20には、そのヘッドの下部で二本のミシン針21,21が上下動 し、そのミシン針が通過できる二条の切欠き隙間を備えて被縫製物を上から押さ える押え爪22があるものである。もちろん、通常のミシンと同様に、縫製台2 3の針板24のスリットの部分には前進・下降・後退・上昇を繰り返してウォー キング運動する図に現れていないラックを切った送り歯があり、被縫製物に送り をかけることができるようになっている。
【0029】 上記の押え爪22の上流側に、被縫製物の上面の縫製方向へ布地テープ6Uを 供給するように開口する上側テープ供給用アーチラッパ25が傾斜して配置され ている。 この上側テープ供給用アーチラッパ25は、ミシンヘッド26の手前面に固定 した図示しないブラケットから延びる水平ロッド27と、それに沿って摺動する スライダ28aを介して水平に変位する垂直ロッド28、そのロッド28に沿っ て摺動するスライダ29aを介して昇降させることができる水平ロッド29など に支えられ、各スライダでの固縛位置を変えてアーチラッパ25の位置や姿勢が 調整できるようになっている。 また、送り歯が出没する針板24の上流側の縫製台23上には、被縫製物の下 面の縫製方向へ布地テープ6Lを供給するように開口する下側テープ供給用アー チラッパ30が水平な姿勢で固定されている。 この下側テープ供給用アーチラッパ30は、それと一体で長い取付調整孔(図 示せず)を備えたスライドプレート31を介して、縫製台23に前後および左右 方向への位置調整可能なようにボルト32などによって固定することができるよ うになっている。
【0030】 上記したいずれのアーチラッパ25,30も、図10に示すような先すぼまり の形状となっている。例えば5cm幅の布地テープ6の先端を舌状部33の上に 載せて入口34から差し込み、スリット35に先鋭な棒材などを立てて矢印36 の方向へ引けば、布地テープ6を出口37から引き出すことができる。そして、 軽く布地テープ6を引くと仮想線で示したように両端が二つ折りになり、ほつれ やすい縁が折りこまれた例えば3cm幅で出てくるようになっている。 そのために、アーチラッパ25,30の左右縁は布地テープ6の通過する空間 を確保して徐々に曲げ起こされ、出口37では重なるほどまで倒したように変形 されている。上記した下側テープ供給用アーチラッパ30は図10の姿勢のまま 縫製台23に取り付けられるが、上側テープ供給用アーチラッパ25は図10の 状態を裏返し、下側テープ供給用アーチラッパ30に対して50度程度の傾斜を なすように設置される。
【0031】 上記のアーチラッパ25,30へは、それぞれ図11のように配置されたリー ル38,39から供給される布地テープ6U,6Lが挿入される。それぞれのリ ールは、縫製台23の上方空間および下方空間において縫製方向に直角をなす水 平な支軸38a,39aを中心にして回転可能に支持され、被縫製物の移動につ れて回転し、布地テープ6U,6Lが途切れることなく供給されるようになって いる。 このように、二本の布地テープ6U,6Lが上下からそのまま縫製方向へ供給 されるので、被縫製物をアーチラッパ25,30の対面間に通すだけで、布地テ ープ6Uを自ずと被縫製物の上面に、布地テープ6Lを被縫製物の下面に配置す ることができる。 すなわち、被縫製物を縫製方向へ移動させるとき、その毛布などの顔側端縁か ら表裏において等距離L(図1参照)を隔てた位置に、二本の布地テープ6U, 6Lを毛布の左右方向へ延びるように同時に縫いつけることができる。
【0032】 ところで、テープ供給用アーチラッパ自体は従前から種々の形のものがあり、 テープを平面的に縫いつけるためのものや、テープを縦方向に二つ折りにして毛 布の縁止めするのに適したように製作されたものなどがある。しかし、いずれに してもミシンに取り付けられるアーチラッパは一つであり、従来技術のところで 述べたようにテープを目視できるような位置に取り付けられる。 一方、図9に示すように、本テープ送り装置は、被縫製物の下面にも供給され る点が新規であるが、そのために、下側の布地テープ6Lが縫製台23の上面に 沿って水平な姿勢で繰り出されるように下側テープ供給用アーチラッパ30は水 平な姿勢とされている。 その一方で、被縫製物の上面にも供給される上側の布地テープ6Uは縫製台2 3の上方空間において先下がりの傾斜した経路をたどって押さえ爪22の下に入 るように、上側テープ供給用アーチラッパ25は傾斜され、その上側テープ供給 用アーチラッパ25に供給される布地テープ6Uはミシンヘッド26の上方から 繰り出され、布地テープ6U,被縫製物,布地テープ6Lが三重になりながら、 交錯することなく円滑に移動することができる。
【0033】 図2に示す襟カバー2に縫いつけた雄部材3の長さは例えば3cmないし5c m程度、幅は1cmから1.5cm程度で一般的には十分であるので、それが付 着する布地テープ6の幅も上記した3cm程度が選定される。 なお、襟カバー2の洗濯を繰り返すうちに縮むこともあり、雄部材3の幅より も布地テープ6の幅を上記のように少し大きくしておけば、襟カバー2を固定で きなくなるのを回避することができる。 布地テープ6,6は図5の例では四列の縫い目が与えられる。二列であっても 差し支えないが、雄部材3との脱着を繰り返す関係上、布地テープ6の毛布1へ の固縛をしっかりとしたもにするためである。 この場合、上記したアーチラッパ25,30を用いて、両端の二列の縫い目が その間隔で配置した二本のミシン針によって与えられる。アーチラッパ25,3 0から予め布地テープ6U,6Lを少し出しておき、その間に毛布1を挟んで送 りをかける。
【0034】 縫いつけを円滑にしかつ縫い目が整然となるように、先送りされた部分がロー ラ40(図9参照)などによって押さえられると同時にテンションが与えられる ようになっている。このローラ40は、ミシンを駆動するモータから取り出され た動力がユニバーサルジョイント機構などを介して伝動されることにより、被縫 製物を移動させるに適した速度で回転される。 両端の二個所を縫った後で、上記より間隔の狭い二本のミシン針を備えた別の 縫製ミシンでもって、中央の二本の縫い目が施される。この場合には、布地テー プ6U,6Lはすでに毛布1に縫いつけられているので、アーチラッパが必要で ないことは言うまでもない。 上側テープ供給用アーチラッパ25はブラケットなどを介してミシンヘッド2 6に付け替え可能であり、下側テープ供給用アーチラッパ30は、スライドプレ ート31の長孔などを利用して前後左右にずらすことができ、ミシン針21に対 して布地テープ6U,6Lの位置を少し変えることは容易である。ちなみに、布 地テープ6U,6Lの幅を2cmにするといった場合には、その寸法に応じたア ーチラッパに取り替えられる。
【0035】 このような構成の布地テープ送り装置を備えていると、従前にはなされなかっ た被縫製物の表裏に布地テープを同時に縫いつけることができる。その際に下側 の布地テープ6Lの縫いつけ状態を目視することができないが、目視できる上側 の布地テープ6Uの縫いつけと何ら変わらない位置に縫い目が与えられる。 このようにして、毛布の表裏の同じ位置に布地テープ6,6を一度に縫いつけ ることができると、縫製作業の能率が図られると共に、襟カバー2を表裏にわた って止めることができるようになる。 以上のような要領によってメリヤスニットなどの布地テープ6を毛布1の左右 の全幅に縫いつけておけば、襟カバー2に取り付けられるファスニングテープの 雄部材3の左右の取付位置が任意なものであっても、常に襟カバー2をつけるこ とができる。 なお、図6の(a)および(b)、図7の(b)および(c)さらには図8の 個々の表地1Mや裏地1Nに布地テープ6を縫いつける場合には、上記した下側 テープ供給用アーチラッパを有しないミシンを使用するか、もしくは備えていて も布地テープを送らないようにしておけばよいことは言うまでもない。
【0036】 毛布1にファスニングテープの雌部材を取り付ける場合には、コストの高いフ ァスニングテープの使用が余儀なくされることになるが、布地テープ6の場合に は極めて安価に製作することができる。また、布地テープ6の幅も上記した3c mに限らず、もっと広くすることも何ら差し支えがない。もちろん、かなり薄い 肌布団の両面にも布地テープを同時に縫いつけることができる。 また、襟カバーの幅を掛け用寝具とほぼ一致した寸法としているが、その襟カ バーの幅は必要に応じて任意に選定してよいことは前述した。したがって、布地 テープを掛け用寝具の幅より短く縫いつけてもよいが、特段の理由がないかぎり 掛け用寝具の左右幅いっぱいに縫いつけおくことが好ましい。左右端まで縫いつ ければ、毛布などに縁止め41,41(図5参照)を施す時点で布地テープ6の 端末を隠すことができるからである。 このようにして長い布地テープを掛け用寝具に縫いつけている場合には、ファ スニングテープの雄部材を剥がす動作で密着部分に力が集中しても、その力が布 地テープによって掛け用寝具側へ広く分散して伝達されることになる。したがっ て、脱着動作の繰り返しによって掛け用寝具が局部的に損傷するといったことは 回避され、長持ちさせることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 襟カバーのついた毛布の顔側端部位の一方を
起こして表裏の状態を示すと共に、襟カバーの一部を剥
がした状態を示した本考案に係る掛け用寝具の襟カバー
取付構造を表した斜視図。
【図2】 毛布の顔側部分に縫いつけた布地テープに、
襟カバーを取り付けるときの準備状態を示す斜視図。
【図3】 (a)はファスニングテープの雄部材の簡略
化した断面図、(b)は雌部材の簡略化した断面図。
【図4】 パイル加工の施された布地テープを極めて簡
略化して表した断面図。
【図5】 毛布に被せた襟カバーの端部をめくった状態
を示す平面図。
【図6】 (a)および(b)は布地テープの縫いつけ
た位置を顔側端縁から違えた毛布に襟カバーを取り付け
た簡略化した断面図。
【図7】 (a)は顔側部位のみを重ねた毛布における
布地テープを表裏同じ位置に縫いつけた状態を示す簡略
化した断面図、(b)および(c)は布地テープの縫い
つけた位置を違えた毛布に襟カバーを被せた簡略化した
断面図。
【図8】 表地と裏地を有する掛け用寝具の場合に適用
したもので、(a)は布地テープを表地と裏地で顔側端
縁から同じ位置に縫いつけた状態を示す簡略化した断面
図、(b)および(c)は布地テープの縫いつけた位置
を違えた布団に襟カバーを取り付けた簡略化した断面
図。
【図9】 二つのアーチラッパが装着された縫製ミシン
の斜視図。
【図10】 アーチラッパ単体の斜視図。
【図11】 布地テープを上方からと下方から供給して
いる状態図。
【符号の説明】
1,1A…掛け用寝具(毛布,被縫製物)、2…襟カバ
ー、2a,2b…裏面、3…雄部材、6,6U,6L…
布地テープ、21…ミシン針、22…押え爪、23…縫
製台、24…針板、25…上側テープ供給用アーチラッ
パ、30…下側テープ供給用アーチラッパ。

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 毛布や掛け布団などの掛け用寝具に、着
    脱自在な襟カバーを固定するファスニング機構におい
    て、 前記襟カバーは、掛け用寝具の顔側端部位の表裏に跨が
    って被せ二つ折りされる略矩形状の布地シートであっ
    て、それぞれの端部位には該掛け用寝具と対面する側に
    ファスニングテープの雄部材が縫いつけられ、 前記掛け用寝具の表裏のそれぞれには、肌触りの優しい
    柔軟なパイル加工の施された布地テープが、その顔側端
    縁から所望距離を隔てた位置で左右方向へ延びるように
    縫いつけられ、 前記襟カバーを上下二つ折りにして、前記雄部材を前記
    表裏の各布地テープ上に押さえて密着させることによ
    り、掛け用寝具の顔側端部位に襟カバーを付着させるこ
    とができると共に、前記雄部材を布地テープから剥がし
    て襟カバーを取り外しできるようにしたことを特徴とす
    る掛け用寝具の襟カバー取付構造。
  2. 【請求項2】 前記布地テープは、前記掛け用寝具の顔
    側端縁から表裏それぞれ等距離を隔てた位置で左右方向
    へ延びるように縫いつけられ、 前記襟カバーを中央で上下二つ折りにして、前記雄部材
    を前記表裏の各布地テープ上に押さえて密着させるよう
    にしたことを特徴とする請求項1に記載された掛け用寝
    具の襟カバー取付構造。
  3. 【請求項3】 前記襟カバーに縫いつけられたファスニ
    ングテープの雄部材が、二つ折りされた襟カバーの上側
    の裏面においては点在して配置され、下側の裏面におい
    ては連続して配置されていることを特徴とする請求項1
    または請求項2のいずれかに記載された掛け用寝具の襟
    カバー取付構造。
  4. 【請求項4】 被縫製物に布地テープを縫いつけるた
    め、該布地テープを被縫製物の送り方向へ供給すること
    ができるようになっている縫製ミシンの布地テープ送り
    構造において、 ミシン針が上下動する際に通過できる切欠きを備えて被
    縫製物を上から押さえる押え爪の被縫製物が移動する上
    流側に、被縫製物の上面の縫製方向へ柔軟なパイル加工
    された布地テープを供給するように開口する上側テープ
    供給用アーチラッパが傾斜して配置される一方、 ウォーキング運動する送り歯が出没する針板の上流側の
    縫製台上には、前記被縫製物の下面の縫製方向へ柔軟な
    パイル加工された布地テープを供給するように開口する
    下側テープ供給用アーチラッパが水平な姿勢で固定さ
    れ、 前記被縫製物を縫製方向へ移動させたとき、該被縫製物
    の端縁から表裏において等距離を隔てた位置に、前記二
    本の布地テープを同時に縫いつけることができるように
    した縫製ミシンの布地テープ送り装置。
JP4985993U 1993-08-20 1993-08-20 掛け用寝具の襟カバー取付構造および縫製ミシンの布地テープ送り装置 Pending JPH0714974U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006051236A (ja) * 2004-08-13 2006-02-23 Maeyama Mofu Kk 襟カバー付き上掛け寝具

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS629971B2 (ja) * 1978-02-08 1987-03-03 Hitachi Ltd
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