JPH07148878A - 装飾用シート - Google Patents

装飾用シート

Info

Publication number
JPH07148878A
JPH07148878A JP32111693A JP32111693A JPH07148878A JP H07148878 A JPH07148878 A JP H07148878A JP 32111693 A JP32111693 A JP 32111693A JP 32111693 A JP32111693 A JP 32111693A JP H07148878 A JPH07148878 A JP H07148878A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern layer
synthetic resin
layer
coating layer
foaming agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP32111693A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2851995B2 (ja
Inventor
Hisayoshi Takahashi
寿佳 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Achilles Corp
Original Assignee
Achilles Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=18129002&utm_source=***_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH07148878(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Achilles Corp filed Critical Achilles Corp
Priority to JP32111693A priority Critical patent/JP2851995B2/ja
Publication of JPH07148878A publication Critical patent/JPH07148878A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2851995B2 publication Critical patent/JP2851995B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 立体感に富み、かつ一体感を有する装飾用シ
ート、あるいはこれらに加えてスウェード調を呈する装
飾用シートを提供する。 【構成】 基材1上に熱分解性発泡剤を含む合成樹脂に
よる模様層2が形成され、模様層上にマイクロカプセル
4,4′またはマイクロカプセルと熱分解性発泡剤とを
含む合成樹脂による被覆層3が形成されている。また、
基材上に熱分解性発泡剤を含む合成樹脂による模様層が
形成され、模様層上にマイクロカプセルおよび/または
熱分解性発泡剤を含み、かつ模様層の合成樹脂よりも平
均重合度が大きい合成樹脂よりなる被覆層が形成されて
いる。模様層と被覆層の合成樹脂がポリ塩化ビニルで、
模様層と被覆層のポリ塩化ビニルの平均重合度の差が4
00以上であり、また模様層のポリ塩化ビニルの平均重
合度が700〜1400、被覆層のポリ塩化ビニルの平
均重合度が1100〜1800であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、装飾用シートに関し、
特に、立体感に富むとともに一体感をも有する装飾用シ
ート、あるいはこれらに加えてスウェード調を呈する装
飾用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】各種建造物の壁や天井、あるいは家具、
調度品、電気製品、鞄などの表面を装飾する目的で使用
されるいわゆる装飾用シートは、従来、(1)紙やプラ
スチックシートなどからなる基材上に、発泡または非発
泡性の合成樹脂インクによるコート層を設け、この上に
やはり発泡または非発泡性の合成樹脂インクによる各種
の模様層を設け、発泡性層を発泡させたもの、あるいは
(2)この(1)のものにエンボス加工を施したものが
一般的である。
【0003】また、装飾効果をより高めるべく、適宜の
温度で膨張するマイクロカプセルを含有させた合成樹脂
インクを使用して、スウェード調を呈する装飾用シート
を得る技術も、次の(3)〜(5)に一例として掲げる
各種のものが、従来から開発され、一部実用化もなされ
ている。
【0004】(3)上記のような基材の全面もしくは一
部に上記のマイクロカプセル含有インクをコートし、こ
の上にやはりマイクロカプセル含有インクを用いて、ロ
ータリースクリーン法、グラビア印刷法、凹版印刷法な
どの各種の印刷技術により各種の模様層を形成した後、
加熱してマイクロカプセルを膨張させ、該マイクロカプ
セルによる極く微細な突起を有する、すなわちスウェー
ド調を呈するシートとする方法。
【0005】(4)上記の(3)の加熱膨張後にエンボ
ス加工を施して、凹凸模様を加味したスウェード調のシ
ートとする方法。
【0006】(5)基材に上記のマイクロカプセル含有
インクをコートした後、凹部としたい部分に、マイクロ
カプセルの被膜(殻)(合成樹脂製)を溶解し得る溶剤
にて印刷を施すことによりマイクロカプセルを破壊し、
次いで加熱してマイクロカプセルを膨張させ、凸部のみ
がスウェード調で、凹部は平坦なシートとする方法。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記した(1),
(2)の一般的な装飾用シートを得る技法においても、
また(3)〜(5)のスウェード調の装飾用シートを得
る技法においても、凹凸に富んだシートを得ることはで
きる。
【0008】しかし、前記した(1)の一般的な装飾用
シートを得る技法や(3)のスウェード調の装飾用シー
トを得る技法では、模様層とこの層の下部に存在するコ
ート層との一体感を欠き、両層の材質や、模様の種類な
どによっては、耐久性に劣ったり、あるいは高級感に乏
しくなるなどの問題を引き起こす。
【0009】一方、前記の(2)や(4),(5)の装
飾用シートを得る技術では、一体感を得ることはできる
が、次のような問題がある。すなわち、(2)や(4)
ではエンボス時の加圧力により、(5)では溶剤によっ
て、凹部は勿論のこと、凸部においても、発泡セルやマ
イクロカプセルが破壊されたり潰れることがあり、スウ
ェード感が乏しくなり、高級感を消失することがある。
【0010】また、立体感に対する対策としては、従来
から各種のものが提案されており、その1つとして、合
成樹脂インクの付着量を多くしてコート層や模様層の厚
さを増す方法があるが、この方法では、シートの重量が
増すため、用途が制限されてしまう。他の1つとして、
発泡(膨張)倍率を高くする方法があるが、この方法で
は、発泡剤やマイクロカプセルの使用量増に基づくコス
トアップの他に、発泡層の強度が低下する懸念もあり、
やはり用途上の制約を受ける。
【0011】また、このような欠点を伴わない立体感に
対する対策として、基材上に分解性発泡剤含有合成樹脂
による模様層を形成し、この上にこの発泡剤よりも高い
分解温度を持つ分解性発泡剤含有合成樹脂により被覆層
を形成し、発泡成形する技術も提案されている(特公昭
59−1580号、同60−36389号公報参照)。
【0012】本発明は、この先提案のものとは技術的思
想が異なる技法により、重量増や発泡層の強度低下など
の欠点を伴うことなく、立体感に富むとともに一体感を
も有する装飾用シート、あるいはこれらに加えてスウェ
ード調を有する装飾用シートを提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、検討を重ねた結果、(a)基材上に凹
凸模様層を設け、この上に該模様層を覆う層(すなわ
ち、被覆層)を設け、しかもこの被覆層を通して模様層
に施されている凹凸模様を感知することができれば、立
体感に富むとともに一体感をも有する装飾用シートを得
ることができること、(b)上記の被覆層にマイクロカ
プセルを含有させれば、立体感および一体感に加えてス
ウェード調を呈する装飾シートを得ることができるこ
と、(c)上記の凹凸模様層の母体となる合成樹脂と被
覆層の母体となる合成樹脂の平均重合度を異ならせるこ
とにより、より一層凹凸感あるいは立体感に富む装飾用
シートを得ることができること、の知見を得た。
【0014】本発明は、これらの知見に基づいてなされ
たものであって、基材上に、熱分解性発泡剤を含む合成
樹脂による模様層が形成され、該模様層上に、マイクロ
カプセルまたはマイクロカプセルと熱分解性発泡剤とを
含む合成樹脂による被覆層が形成されてなることを特徴
とする装飾用シート(以下、これを「第1発明」と記
す)を要旨とする。
【0015】また、本発明は、基材上に、熱分解性発泡
剤を含む合成樹脂による模様層が形成され、該模様層上
に、マイクロカプセルおよび/または熱分解性発泡剤を
含み、かつ該模様層を構成する合成樹脂よりも平均重合
度が大きい合成樹脂よりなる被覆層が形成されてなるこ
とを特徴とする装飾用シート(以下、これを「第2発
明」と記す)をも要旨とする。
【0016】第2発明においては、模様層と被覆層の合
成樹脂がポリ塩化ビニルであって、模様層のポリ塩化ビ
ニルの平均重合度と被覆層のポリ塩化ビニルの平均重合
度との差が、400以上であることをも特徴とし、模様
層のポリ塩化ビニルの平均重合度が700〜1400で
あり、被覆層のポリ塩化ビニルの平均重合度が1100
〜1800であることをも特徴とする。
【0017】第1,第2発明において、基材としては、
紙、プラスチックシート、織布、不織布、編布、これら
の複合材、あるいはこれらに難燃、防磁、導電などの処
理を施したもの、その他この種のシートの基材として使
用されているものであれば、どのようなものでも使用す
ることができる。
【0018】また、第1,第2発明において、模様層お
よび被覆層を構成する合成樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニルと酢酸、アクリル酸、などとの共重合体
などの塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、などが使用
できる。
【0019】これらの合成樹脂において、模様層と被覆
層とは、一般には、同種の樹脂を用いるが、異なる樹脂
を使用してもよいことは言うまでもない。ただし、後者
の場合は、模様層と被覆層の樹脂同志の接着性が良好で
あるものを選択して使用することとなる。
【0020】第2発明では、被覆層の合成樹脂の平均重
合度が、模様層の合成樹脂の平均重合度よりも大きいも
のを使用する。この差は、例えば、合成樹脂として、模
様層、被覆層ともポリ塩化ビニルを使用する場合におい
ては、少なくとも400とする。そして、ポリ塩化ビニ
ルの場合においては、模様層の平均重合度を700〜1
400とし、被覆層の平均重合度を1100〜1800
とする。ポリ塩化ビニル以外の樹脂を使用する場合、あ
るいは模様層と被覆層の合成樹脂の種類が異なる場合に
おいても、この差や平均重合度の範囲を目安にして適宜
の平均重合度のものを選択して使用すればよい。
【0021】上記の合成樹脂に配合される熱分解性発泡
剤としては、第1,第2発明とも、加熱することにより
分解してガスを発生させるものであれば、この種シート
の熱分解性発泡剤として通常使用されている有機発泡
剤、無機発泡剤いずれをも使用することができる。発泡
剤の分解温度は、特に制限されず、模様層、被覆層の合
成樹脂の溶融温度程度で分解するものであればよい。
【0022】模様層と被覆層の合成樹脂に配合する発泡
剤の種類は、同種でも、異種でもよく、分解温度も同一
でも、異なっていてもよい。
【0023】また、被覆層の合成樹脂に、上記の分解性
発泡剤に代えて、あるいは分解性発泡剤とともに配合さ
れるマイクロカプセルとしては、第1,第2発明とも、
加熱することにより合成樹脂製殻(被膜)内に封入され
た揮発性溶剤などが気化して殻を膨張させるものであれ
ば、どのようなものをも使用することができる。
【0024】マイクロカプセルの膨張温度は、特に制限
されず、被覆層の合成樹脂の溶融温度程度で膨張するも
のであればよく、また上記の熱分解性発泡剤の分解温度
と同一でも、異なっていてもよい。
【0025】なお、第1,第2発明とも、模様層、被覆
層の合成樹脂に、以上の熱分解性発泡剤、マイクロカプ
セルの他に、必要に応じて、可塑剤、充填剤、難燃剤、
防カビ剤、安定剤、減粘剤、着色剤などが配合される。
このとき、模様層に配合する安定剤(特に、亜鉛系安定
剤)の量を、被覆層に配合する量よりも多くすれば、模
様層の発泡が被覆層の発泡よりも促進されて、より一層
立体感に富む製品を得ることができる。
【0026】さらに、第1,第2発明において、上記の
被覆層の上に、さらに模様層(以下、「表面模様層」と
言う)を形成することができる。ただし、この表面模様
層の厚さは、被覆層に配合されたマイクロカプセルによ
る効果を消失させない程度のもの、すなわち数μm程度
とする。また、この表面模様層にも、熱分解性発泡剤や
マイクロカプセルを配合することもできる。
【0027】次に、第1,第2発明の装飾用シートを製
造する方法について説明する。図1(A),(B)は、
第1発明の一例を製造する工程を示し、(A)が加熱前
の状態を、(B)が加熱後の状態をそれぞれ示してい
る。
【0028】同図(A)において、基材1上に、先ず、
熱分解性発泡剤を含み、必要に応じてその他の各種添加
剤を配合した合成樹脂インクを使用し、ロータリースク
リーン法、グラビア印刷法、凹版印刷法、ドクターナイ
フ法などにより各種の模様を印刷し、加熱して該合成樹
脂インクをゲル化させ、模様層2を形成する。
【0029】この模様層2の上に、熱分解性発泡剤とマ
イクロカプセルとを含み、必要に応じてその他の各種添
加剤を配合した合成樹脂インクを使用し、上記の模様層
を形成する場合と同様の印刷技法により、被覆層を所定
の厚さとなるように印刷し、加熱して該合成樹脂インク
をゲル化させ、模様層3を形成する。なお、図1(A)
中、4は膨張前のマイクロカプセル示している。
【0030】上記のようにして模様層2、被覆層3を形
成した後、必要に応じて、前述の表面模様層(図示省
略)を上記のような各種の印刷技法により印刷し、加熱
ゲル化する。
【0031】次いで、全体を加熱し、模様層2および被
覆層3中の熱分解性発泡剤を分解させ、また被覆層3中
のマイクロカプセル4を膨張させて、これらの層2,3
を、図1(B)に示すように、発泡・膨張させる。すな
わち、図1(B)において、模様層2は、熱分解性発泡
剤により発泡された状態となり、被覆層3は、熱分解性
発泡剤により発泡されるとともに、マイクロカプセルに
より膨張された状態となる。なお、図1(B)中、4′
は膨張後のマイクロカプセル示し、5は発泡セルを示し
ている。
【0032】図2(A),(B)は、第1発明の他の例
を製造する工程を示し、(A)が加熱前の状態を、
(B)が加熱後の状態をそれぞれ示している。図2の例
は、被覆層3を形成する合成樹脂インクとして、マイク
ロカプセル4は含有させるが、熱分解性発泡剤は含有さ
せていないものを使用する以外は、図1の例と全く同様
である。したがって、図1の例に比して、被覆層3のボ
リュームがやや少ないのみで、他は図1の例と全く同様
である。
【0033】第2発明の例は、図1,図2の被覆層3の
合成樹脂インクとして、(1)平均重合度が模様層2の
合成樹脂よりも大きい合成樹脂(ポリ塩化ビニルの場合
には、400以上の差を有するもの)を使用するか、あ
るいは(3)図3(A)(加熱前の状態),(B)(加
熱後の状態)に示すように、平均重合度が模様層2の合
成樹脂よりも大きい合成樹脂(ポリ塩化ビニルの場合に
は、400以上の差を有するもの)であって、しかも熱
分解性発泡剤は含有するが、マイクロカプセルは含有し
ないものを使用する以外は、図1,図2に示す第1発明
の例と全く同様である。
【0034】以上の製造工程において、模様層2、被覆
層3、表面模様層の合成樹脂インクをゲル化させる場合
の加熱温度は、使用する合成樹脂インクの種類、あるい
は配合する熱分解性発泡剤やマイクロカプセルの種類に
よって異なるが、ポリ塩化ビニルの場合には、熱分解性
発泡剤の分解やマイクロカプセルの膨張が生じない温度
で、通常は130〜160℃程度である。また、これら
の層2,3、表面模様層を発泡・膨張させる場合の温度
も、合成樹脂インク、熱分解性発泡剤、マイクロカプセ
ルの種類によって異なるが、ポリ塩化ビニルの場合に
は、熱分解性発泡剤の分解やマイクロカプセルの膨張が
充分に行われるが、マイクロカプセルの殻は軟化し過ぎ
ない温度で、通常は、180〜210℃程度である。
【0035】
【作用】第1発明の装飾用シートでは、基材上に形成さ
れた模様層が、該層に配合された熱分解性発泡剤によっ
て発泡されて凹凸状態となり、この上に形成された被覆
層を通してこの凹凸状態が立体模様として目視されるた
め、立体感と一体感とが合わせて実現される。
【0036】このとき、被覆層にマイクロカプセルが配
合されているため、該層すなわち第1発明の装飾用シー
トの表面全体が美麗なスウェード調を呈する。なお、こ
の被覆層にも、熱分解性発泡剤が配合されていれば、被
覆層も発泡するため、第1発明の装飾用シートは、ボリ
ューム感に優れたものとなる。
【0037】第2発明では、被覆層の合成樹脂の平均重
合度が、模様層の合成樹脂の平均重合度よりも大きいも
のを使用するため、両層を一緒に加熱して発泡・膨張さ
せる場合に、各層の合成樹脂の溶融度合いが相違し、先
ず、模様層が溶融して、該層の発泡が生じ、次いで、被
覆層が溶融して、該層の発泡・膨張が生じる。しかも、
模様層の溶融、発泡は、被覆層の溶融、発泡・膨張が開
始された後も、しばらく続行するため、被覆層の溶融、
発泡・膨張とともに、さらに充分な溶融、発泡が行われ
る。このようなことから、模様層、延いては第2発明の
装飾用シートの立体感は充分なものとなる。
【0038】このときの平均重合度の差を、合成樹脂と
してポリ塩化ビニルを使用する場合において、400以
上とするのは、これ未満であると、上記のような作用が
充分に発現せず、したがって、充分な立体感が得られな
いからである。また、このとき平均重合度の範囲を、模
様層で700〜1400、被覆層で1100〜1800
とするのは、ポリ塩化ビニルにおいては、平均重合度が
大きい程物性が良好となり、光沢などもなくなって好ま
しいが、上限を超えると加工性が低下し、また下限より
小さくなると、加工性は良好となるものの、物性の低下
や光沢が大きくなるなどの欠点が生じるからである。
【0039】また、第2発明においても、第1発明の場
合と同様に、模様層は、被覆層により覆われた形態とな
っているため、充分な一体感が確保される。そして、被
覆層にマイクロカプセルが配合されているため、第1発
明の場合と同様に、シート表面全体において美麗なスウ
ェード調を呈することができる。なお、この被覆層に
も、熱分解性発泡剤が配合されていれば、被覆層も発泡
するため、ボリューム感に優れたものとなる。
【0040】
【実施例】
実施例1 図1(A)に示すように、基材(裏打紙上)1に、表1
に示す配合の合成樹脂(ポリ塩化ビニル)インクを用
い、ロータリースクリーン法にて模様印刷を施し、15
0℃に加熱してゲル化させ、模様層2を形成した。
【0041】この模様層2上に、表2に示す配合の合成
樹脂(ポリ塩化ビニル)インクを用い、ロータリースク
リーン法にて全面印刷を施し、140℃に加熱してゲル
化させ、被覆層3を形成した。
【0042】この後、185℃に保持したオーブンにて
発泡・膨張させたところ、図1(B)に示すような状態
の立体感(凹凸)に富むとともに、模様層と被覆層との
一体感をも有し、しかも凹部も凸部も美麗なスウェード
調を呈する装飾用シートを得ることができた。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】実施例2 表2に示す配合から発泡剤(アゾジカルボンアミド)を
除く以外は、実施例1と全く同様にして、図2(A)に
示すように、基材(裏打紙上)1に模様層2を形成し、
この上に被覆層3を形成して、オーブンにて発泡・膨張
させたところ、図2(B)に示すような状態の立体感に
富み、かつ一体感をも有し、しかも凹部も凸部も美麗な
スウェード調を呈する装飾用シートを得ることができ
た。
【0046】実施例3〜6 表1および表2に示す配合において、平均重合度130
0のポリ塩化ビニルを、表3に示す組み合わせの平均重
合度のポリ塩化ビニルに代えた以外は、実施例1と全く
同様にして、図1(A)に示すように、基材(裏打紙
上)1に模様層2を形成し、この上に被覆層3を形成し
て、オーブンにて発泡・膨張させたところ、表3のいず
れの組み合わせにおいても、図1(B)に示すような状
態の立体感に富み、かつ一体感をも有し、しかも凹部も
凸部も美麗なスウェード調を呈する装飾用シートを得る
ことができた。
【0047】
【表3】
【0048】実施例7〜10 表2に示す配合からマイクロカプセルを除き、表1およ
び表2に示すポリ塩化ビニルの平均重合度を表3に示す
組み合わせとする以外は、実施例1と全く同様にして、
図3(A)に示すように、基材(裏打紙上)1に模様層
2を形成し、この上に被覆層3を形成して、オーブンに
て発泡させたところ、いずれの組み合わせにおいても、
図3(B)に示すような状態の立体感に富み、かつ一体
感をも有し、しかも凹部も凸部も美麗なスウェード調を
呈する装飾用シートを得ることができた。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、第1,第2発明に
よれば、立体感に富むとともに、模様層と被覆層との一
体感をも充分に保持した装飾用シートを、軽量で、かつ
低コストで提供することができる。また、被覆層に配合
したマイクロカプセルによるスウェード調が、凹部にお
いてマイクロカプセルの破壊や潰れにより、消失してし
まうと言った事態も生ぜず、凹部においても、凸部と同
様に、美麗で、かつ鮮明に発現する。しかも、第1,第
2発明の装飾用シートによれば、模様層が、被覆層に覆
われた形態となっているため、模様層が当該シートの使
用中に剥離してしまうと言った事態もなく、耐久性に優
れたシートとなり、上記の立体感や一体感と併せれば、
この種シートの用途の一層の拡大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の装飾用シートの一実施例を示す図
で、(A)が加熱発泡(膨張)前の状態を示し、(B)
が加熱発泡(膨張)後の状態を示している。
【図2】第1発明の装飾用シートの他の実施例を示す図
で、(A)が加熱発泡(膨張)前の状態を示し、(B)
が加熱発泡(膨張)後の状態を示している。
【図3】第2発明の装飾用シートの一実施例を示す図
で、(A)が加熱発泡(膨張)前の状態を示し、(B)
が加熱発泡(膨張)後の状態を示している。
【符号の説明】
1 基材 2 模様層 3 被覆層 4 膨張前のマイクロカプセル 4′ 膨張後のマイクロカプセル 5 発泡セル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、熱分解性発泡剤を含む合成樹
    脂による模様層が形成され、該模様層上に、マイクロカ
    プセルまたはマイクロカプセルと熱分解性発泡剤とを含
    む合成樹脂による被覆層が形成されてなることを特徴と
    する装飾用シート。
  2. 【請求項2】 基材上に、熱分解性発泡剤を含む合成樹
    脂による模様層が形成され、該模様層上に、マイクロカ
    プセルおよび/または熱分解性発泡剤を含み、かつ該模
    様層を構成する合成樹脂よりも平均重合度が大きい合成
    樹脂よりなる被覆層が形成されてなることを特徴とする
    装飾用シート。
  3. 【請求項3】 模様層と被覆層の合成樹脂がポリ塩化ビ
    ニルであって、模様層のポリ塩化ビニル樹脂の平均重合
    度と被覆層のポリ塩化ビニルの平均重合度との差が、4
    00以上であることを特徴とする請求項2記載の装飾用
    シート。
  4. 【請求項4】 模様層のポリ塩化ビニルの平均重合度が
    700〜1400であり、被覆層のポリ塩化ビニルの平
    均重合度が1100〜1800であることを特徴とする
    請求項2,3記載の装飾用シート。
JP32111693A 1993-11-27 1993-11-27 装飾用シートおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP2851995B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32111693A JP2851995B2 (ja) 1993-11-27 1993-11-27 装飾用シートおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32111693A JP2851995B2 (ja) 1993-11-27 1993-11-27 装飾用シートおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07148878A true JPH07148878A (ja) 1995-06-13
JP2851995B2 JP2851995B2 (ja) 1999-01-27

Family

ID=18129002

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32111693A Expired - Fee Related JP2851995B2 (ja) 1993-11-27 1993-11-27 装飾用シートおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2851995B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2812308A1 (fr) * 2000-07-28 2002-02-01 Abelia Decors Revetement mural comportant une couche de finition constituee par un plastisol
JP2003334901A (ja) * 2002-05-21 2003-11-25 Achilles Corp 防汚機能を有する装飾シート
JP2006306071A (ja) * 2005-03-30 2006-11-09 Dainippon Printing Co Ltd 壁装用化粧シート原反及び壁装用化粧シート
JP2011094312A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Toppan Printing Co Ltd 発泡壁紙
JP2017150109A (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 凸版印刷株式会社 発泡壁紙、発泡壁紙の製造方法
JP2019059166A (ja) * 2017-09-27 2019-04-18 カシオ計算機株式会社 熱膨張性シート、熱膨張性シートの製造方法、造形物の製造方法、造形システム及び膨張装置
JP2020070715A (ja) * 2018-10-26 2020-05-07 ダイニック株式会社 壁紙

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2812308A1 (fr) * 2000-07-28 2002-02-01 Abelia Decors Revetement mural comportant une couche de finition constituee par un plastisol
WO2002010533A1 (fr) * 2000-07-28 2002-02-07 Abelia Decors Revetement mural comportant une couche de finition constituee par un plastisol
JP2003334901A (ja) * 2002-05-21 2003-11-25 Achilles Corp 防汚機能を有する装飾シート
JP2006306071A (ja) * 2005-03-30 2006-11-09 Dainippon Printing Co Ltd 壁装用化粧シート原反及び壁装用化粧シート
JP2011094312A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Toppan Printing Co Ltd 発泡壁紙
JP2017150109A (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 凸版印刷株式会社 発泡壁紙、発泡壁紙の製造方法
JP2019059166A (ja) * 2017-09-27 2019-04-18 カシオ計算機株式会社 熱膨張性シート、熱膨張性シートの製造方法、造形物の製造方法、造形システム及び膨張装置
JP2020070715A (ja) * 2018-10-26 2020-05-07 ダイニック株式会社 壁紙

Also Published As

Publication number Publication date
JP2851995B2 (ja) 1999-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07148878A (ja) 装飾用シート
JPH01110123A (ja) 発泡装飾材の製造方法
JPH0725160B2 (ja) 装飾シート
JP3988896B2 (ja) 壁装材シート
JP2519583B2 (ja) 装飾材
JP2573732Y2 (ja) 凹凸表現に優れる装飾用シート
JPH0216254A (ja) チップ模様装飾材とその製造方法
JP3077247B2 (ja) 発泡化粧材及びその製造方法
JPH08229972A (ja) 装飾シートの製造方法
JPS6143184B2 (ja)
JPS6036390B2 (ja) 発泡装飾材の製造方法
JPH0229039B2 (ja)
JPS59185634A (ja) 同調エンボス化粧材の製造方法
JP3806201B2 (ja) クッションフロアの製法
JPS6228481A (ja) スウエ−ド調の外観を有する装飾用シ−トの製造方法
JPH01320197A (ja) 装飾シートの製造方法
JPS59145148A (ja) 壁紙の製造法
JPH03227231A (ja) 耐久性に優れた発泡シート
JPH02127034A (ja) 同調エンボス化粧材及びその製法
JPH023691B2 (ja)
JPH01216810A (ja) 発泡装飾材の製造方法
JPS6219776B2 (ja)
JPH06305065A (ja) 装飾用シート
JPH07238476A (ja) 内装用化粧材
JPS5912786B2 (ja) 合成樹脂シ−トの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071113

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091113

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 14

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 14

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131113

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees