JPH07148583A - 金属表面のレーザ加工方法 - Google Patents

金属表面のレーザ加工方法

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JPH07148583A
JPH07148583A JP6210280A JP21028094A JPH07148583A JP H07148583 A JPH07148583 A JP H07148583A JP 6210280 A JP6210280 A JP 6210280A JP 21028094 A JP21028094 A JP 21028094A JP H07148583 A JPH07148583 A JP H07148583A
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laser beam
lens
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light
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JP6210280A
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Inventor
Itsuo Nagata
伍雄 永田
Daiki Miyamoto
大樹 宮本
Kosuke Moriwaki
耕介 森脇
Ichiro Oshima
市郎 大島
Tokihiko Oshima
時彦 大島
Shigekazu Hirata
繁一 平田
Yoshikazu Okano
良和 岡野
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Osaka Prefecture
Osaka Fuji Corp
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Osaka Prefecture
Osaka Fuji Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属W1 の表面にレーザビームBを照射し、
照射面で生ずる干渉パターンの強度分布に対応した微細
凹凸Iを形成する。 【効果】 レーザ光を利用して金属表面に極めて微細で
密な凹凸を容易にかつ短時間で形成でき、この凹凸に基
づき表面全体ないし一部の模様等が虹色様に多彩で様々
に変化する美麗な反射光沢を示す金属製品を提供でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザビームによって金
属表面に微細な凹凸を密に形成する加工方法に関するも
ので、例えば金属製装飾品、金属製家庭電化用品、金属
製工業用品等、種々の金属製品の表面の全体ないし一部
の模様等として玉虫色様等の美麗な反射光沢を付与する
場合等に利用される。
【0002】
【従来の技術】レーザ光は位相が揃った定波長のコヒー
レントな光であってビームとしての指向性に優れてお
り、レンズにて収束して微小スポットに高エネルギーを
集中できることから、近年では金属の切断、穴あけ、溶
接等に多用されるようになっている。しかして、このよ
うなレーザビームによる従来の金属加工は、いずれも加
工用集光レンズの焦点位置、つまりビームのエネルギー
密度が最大となる位置での高熱を利用し、この焦点位置
におけるビームのスポット径で金属を瞬間的に溶融・蒸
発させるものである。
【0003】しかるに、レーザビームがレーザ発振器か
ら完全な平行光として射出されても回折による拡がりを
生じると共に、光路を形成する光学系の精度にも限界が
あるため、集光レンズにより収束可能な最小スポット径
は一般的に数μm 〜10μm 程度であり、レーザ光の波長
程度まで絞り込むことは極めて困難である。従って、従
来のレーザ加工では金属表面に1μm 以下といった微細
な凹凸を形成できなかった。
【0004】ところで、ステンレス鋼製品はその不銹
性、機械的強度、重厚さ等の利点から様々な分野で需用
が増大しているが、製品表面が金属の地色で冷たい感じ
を与えることから、近年において該表面に本来の金属光
沢をある程度保持した形で彩色を施して種々の模様を形
成する試みがなされている。この代表的な彩色加工手段
として、例えばステンレス鋼材の表面を合成樹脂等でマ
スキングし、このマスクをレーザビームによって多数の
筋状に除去し、これを発色用薬液中に浸漬して上記筋状
のマスク除去部分を化学的に着色した後、残りのマスク
を除去する方法がとられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記彩
色加工手段では、加工部に一定の色合いを付与できるだ
けであり、例えば多彩で見る角度によって色変化を生じ
るような彩色、即ち虹色や玉虫色等の多色発色をあしら
った加飾加工法は施せず、かつ彩色のために多くの工程
を要して非常に手間がかかると共にコストが高くつくと
いう難点があった。
【0006】そこで、本発明者らは、上記のステンレス
鋼を始めとする種々の金属表面の全体ないし一部の模様
等として、その色合いを多彩でかつ見る角度や外光の入
射方向によって様々に変化させる手法について検討を重
ねた結果、該表面に可視光の波長域に近い1μm 程度あ
るいはそれ以下の微細凹凸を密に形成した場合に、この
凹凸表面が回折格子と同様に入射光を分光して反射する
ことから、虹色様の多彩な反射光沢を生じるという知見
を得た。しかるに、このような微細な凹凸は、前述のよ
うに従来のレーザビームによる金属加工手段では形成困
難であり、しかも仮に加工用集光レンズによる焦点スポ
ット径が充分に絞られたとしても、個々の凹凸を一つず
つ形成していく必要があるため、加工に膨大な時間を要
し、到底実用に供し得るものではない。
【0007】本発明は、かかる事情に鑑み、従来のレー
ザビームによる金属加工手段とは異なって金属表面に密
な微細凹凸を容易に短時間で形成し得る画期的なレーザ
加工方法を提供し、もって例えば表面の全体ないし一部
の模様等の反射光沢が虹色様等の多彩で見る角度によっ
て多様に変化し所謂玉虫色を呈する種々の金属製品を実
現することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る金属表面の
レーザ加工方法は、上記目的を達成する手段として、金
属表面にレーザビームを照射し、その照射面で生ずる干
渉パターンの強度分布に対応した微細凹凸を該金属表面
に形成する構成を採用したものである。
【0009】
【作用】レーザビームは周知の如くコヒーレントな光で
あって完全な可干渉性を有するため、同一振動数で一定
の位相差を有するビームが重なった際に干渉パターンを
生じる。従って、レーザビームを集光レンズや凹面鏡等
の収束手段で収束し、その焦点より深浅いずれかにずれ
た位置に金属表面を位置させ、その表面上で上記干渉パ
ターンの明暗の縞模様を生じるようにすれば、その明部
が金属を溶融・蒸発させ得るエネルギー密度であれば、
該金属表面に該パターンの明部を凹、暗部を凸とした凹
凸、つまり干渉パターンの強度分布に対応した密な凹凸
が形成されることになる。
【0010】しかして、照射スポット内の干渉パターン
は相互の間隔が可視光の波長域に近い1μm程度あるい
はそれ以下といった微細な数百本もの明暗縞にて構成さ
れるため、ビーム干渉光の照射位置を金属表面に沿うX
方向またはY方向に相対的に変位させる一回の走査によ
り、該金属表面に多数(例えば中程度の出力を有するY
AGレーザ加工機でも凹条として300本程度) の凹凸
条が一挙に形成される。かくして上記走査を繰り返して
得られる金属表面は、微細な凹凸が密に存在することか
ら、回折格子と同様に作用して入射光を分光して反射
し、虹色様の多彩な色合いで見る角度や入射光の方向に
よっても様々に変化する反射光沢を示す。
【0011】これに対し、従来のレーザビームによる金
属加工のように加工様集光レンズの焦点位置に被加工物
面を位置させる方法では、仮に上記レンズの焦点スポッ
ト径を1μm 程度に絞り込めたとしても、一回の走査で
一本の溝を形成できるだけであるから、本発明方法と同
様の反射光沢を得るには数百倍以上の走査数が必要とな
り、膨大な加工時間を要することになる。
【0012】なお、レーザビームの照射面上で干渉パタ
ーンを生じさせるには、低次のマルチモードのレーザ光
の明パターン成分相互を重ねたり、単一のレーザー光よ
り分割されたビームを重ねることにより、干渉光とした
レーザビームを照射すればよいが、干渉していないレー
ザビームであっても照射条件によって干渉パターンを生
じさせることが可能である。また、金属表面に該干渉パ
ターンに対応した微細凹凸を形成するために必要なビー
ム照射強度は金属の材質と単位面積(長さ)当たりの照
射時間によって異なるから、これらに応じてレーザ光源
の出力、加工用集光レンズの焦点スポット径、該焦点位
置に対する照射面の深浅距離等の諸条件を適宜設定すれ
ばよい。
【0013】金属表面に対するレーザビームの照射位置
をXY方向に変位させるには、被加工物の取付部を可動
として被加工物側を変位させてもよいし、XYの各方向
変位を担う2枚の回動鏡を組み合わせたXYスキャナー
(図6参照)等で干渉光側を変位させてもよい。このX
Yスキャナーを利用して金属表面の加工を行う場合に
は、回動鏡の角度によって金属表面までのビーム長さが
変化するので、これを補正するために後述するZスキャ
ナー等の焦点変位手段を組み合わせることが望ましい。
【0014】また、収束手段の光軸方向の焦点位置を変
位させることにより、曲面状等の三次元形状の金属表面
に対しても照射面のZ方向位置に応じて焦点位置を変化
させることが可能となり、照射面の干渉光強度を一定に
保持して金属表面の加工部全体に均一な凹凸を形成する
ことができる。この焦点変位手段としては、必ずしも収
束手段自体を移動させる必要はなく、光路に介在するレ
ンズのいずれかを光軸方向に変位させるものであればよ
い。しかして、焦点変位操作は、被加工物の表面形状を
予め測定し、この測定結果を制御系にインプットして数
値制御により自動的にレンズの光軸方向変位を行うもの
であり、従来のレーザ加工に利用されているZスキャナ
ー(Dynamic Focus)を利用できる。
【0015】しかして、本発明方法によれば、レーザビ
ームの照射位置の移動によって金属表面に様々な模様を
描くことにより、それ自体が虹色様に輝く模様を形成す
ることが可能である。このような模様形成は、模様のプ
ログラムをXY方向変位手段あるいはこれとZ方向変位
手段の制御系に入力し、この制御系の信号に基づいて干
渉光の照射領域をXY方向あるいはこれとZ方向に自動
的に変化させるようにすればよい。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に基づいて具体的
に説明する。
【0017】図1はTEM10モードのレーザ光源D1
用いた第1実施例のレーザ加工方法の装置構成を示す。
この場合、レーザ光源D1 から出射されたレーザ光R1
は2つの明パターン成分B1 ,B2 より構成されてお
り、これら明パターン成分B1,B2 が合波レンズL1
によって合波され、この合波ビームBは拡大レンズL2
にて拡大された上で方向転換用反射鏡M1 にて90°方
向転換し、加工用集光レンズL3 にて収束されるように
なっている。しかして、XYテーブルT上に載置された
被加工物W1 は、その平坦状の金属表面が集光レンズL
3 の焦点Fよりも遠い位置でビームBに照射されるよう
に位置設定されている。なお、CLは光束断面を細長く
変形させるためのシリンドリカルレンズであり、この場
合には上記明パターン成分B1,B2 の並び方向に光束断
面が長くなるように向きを設定しており、これによって
干渉パターンがより明瞭化する。
【0018】上記構成では、XYテーブルTをX方向に
移動させることにより被加工物W1の表面がビームBに
て走査され、この一回の走査が終了するごとにXYテー
ブルTをY方向に照射面のビームスポット径に相当する
距離だけ移動させて順次走査を繰り返していくことによ
り、該被加工物W1 の表面全面ないし一部の模様等とす
る領域全体のビーム照射を行う。しかして、ビーム照射
位置が焦点Fよりも遠い明パターンB1 , B2 の干渉域
にあることから、一回の走査ごとに金属表面には照射ス
ポット径の幅内に図1の仮想線円内に示す拡大図のよう
に干渉パターンの干渉縞の明部に対応した数百本の凹条
Iが形成される。
【0019】因にレーザ光源D1 としてYAG(Nd3+
・Y3 Al5 12 )レーザ発振器を使用し、TEM10
ードのレーザパルス光(発振波長1.06μm、パルス
幅100ns、パルス繰り返し周波数1KHz 、平均出
力4w)を焦点深度100mmの加工用集光レンズL3
にて収束すると共に、その焦点Fより4mm下にステン
レス鋼板からなる被加工物W1 の表面を位置させ、XY
テーブルTのX方向移動速度を100/分に設定して加
工を行ったところ、照射面上のビームスポット径が約
0.3mmとなり、各走査ごとに0.3mm幅内に相互
間隔及び深さ共に約1μmの凹条Iが約300本形成さ
れた。そして照射を完了した被加工物の加工表面は、太
陽光及び室内照明光のいずれの照明下でも虹色の多彩な
反射光沢を示し、この色合いは照明方向及び見る角度に
よって様々に変化した。
【0020】図2はTEM00モードつまりシングルモー
ドのレーザ光源D2 を用いた第2実施例のレーザ加工方
法の装置構成を示す。この場合、レーザ光源D2 から出
射されたレーザ光R2 は50%透過性の半透鏡BSにて
透過光ビームB3 と反射光ビームB4 とに分割され、ビ
ームB4 は反射鏡M2 にて90°方向転換されて合波レン
ズL1 にてビームB3 と合波され、この合波ビームBが
第1実施例と同様に拡大レンズL2 及び反射鏡M1 を経
て加工用集光レンズL3 にて収束されるようになってお
り、被加工物W1 は第1実施例と同様に位置設定されて
XYテーブルT上に載置されている。しかして、この場
合にも第1実施例と同様のXYテーブルTの移動操作に
より、被加工物W1 の表面には、ビームB3 とB4 の干
渉光が照射されることになり、図2の仮想線円内に示す
拡大図のように、第1実施例と同様に該干渉パターンの
干渉縞の明部に対応した数百本の凹条Iが形成される。
【0021】図3はビーム分割手段として45°分光プリ
ズムPを使用した第3実施例のレーザ加工方法の装置構
成を示すもので、分割部以外は第2実施例と同様構成で
ある。この場合、レーザ光源D2 から出射したTEM00
モードのレーザ光R2 はプリズムPにて2方向の反射光
ビームB5 , B6 に分光され、両ビームB5 , B6 がそ
れぞれ反射鏡M2 にて方向転換された上で合波レンズL
1 にて合波され、以降は第2実施例と同様の光路を経て
干渉光として被加工物W2 の表面に照射されて前記同様
の加工を行う。
【0022】なお、第2実施例における半透鏡BSを2
個使用したり、第3実施例におけるプリズムPとして三
角錘形プリズムを使用することによって3本のビームに
分割することも可能である。
【0023】図4は合波レンズL1 の手前の光路に像回
転プリズムDPを介在させた第4実施例のレーザ加工方法
の装置構成を示すもので、像回転プリズムDP以外は第
2実施例と同様構成である。この場合、プリズムDPの
回転に伴ってビームBの干渉パターンの干渉縞の方向が
変化するため、例えば該プリズムDPを一回の走査中に
間欠的に回転させることにより、被加工物W1 の表面に
は一回の走査線上で図4で仮想線円内に示す拡大図のよ
うに向きの異なる凹条Iの群が順次並んで形成され、ま
た該プリズムDPを連続回転させれば凹条Iが波形に連続
したものとなる。なお、図ではTEM00モードのレーザ
光源D2 から出射されるレーザ光R2 を半透鏡BSにて
分割するものを示したが、ビーム分割手段として第3実
施例の如き分光プリズムPを用いる場合や、第1実施例
の如きTEM10モードのレーザ光源D1 を用いる場合に
も、同様に像回転プリズムDPを光路に介在させて同様の
凹凸加工を行える。しかして、この加工方法によれば加
工面で入射光が様々に変化して反射するため、丁度オパ
ール石のような反射光沢が得られる。
【0024】図5は表面が曲面状である被加工物W2
適用する第5実施例のレーザ加工方法の装置構成を示
す。この場合、合波レンズL1 が光軸方向に移動可能に
構成されており、該合波レンズL1 の移動に伴って加工
用集光レンズL3 の焦点Fが光軸方向つまりZ方向に移
動する。従って、被加工物W2 の表面形状を予め測定
し、この結果を制御系Cにインプットしておき、ビーム
Bの照射位置における被加工物W2 の表面のZ方向位置
に対応して該制御系Cによって自動的にレンズL1を変
位させることにより、照射面の干渉光強度を常時一定に
維持して均一な凹凸加工を行うことができる。なお、合
波レンズL1 の代わりに加工用集光レンズL 3 自体を変
位させるようにしてもよい。また、このような焦点変位
手段は第1〜4実施例のいずれの方法にも適用可能であ
る。
【0025】図6はビーム干渉光の照射位置のXY方向
の変位をXYスキャナーSによってビーム側で行う場合
の実施例を示す。XYスキャナーSはX方向変位用回動
鏡MXとY方向変位用回動鏡MYとを具備しており、加工用
集光レンズL3 にて絞られたビームの被加工物W1 表面
に対する照射位置が回転鏡MXの回動によってX方向に変
位すると共に、回動鏡MYの回動によってY方向に変位す
るから、被加工物W1を固定した状態で走査を行うこと
ができる。ところで、この場合には、回動鏡MXにて反射
されるビーム長さは仮想線lの如く該反射点を中心とす
る球面上で等しくなることから、例えば図示の如く表面
が平坦な被加工物W1 ではXY方向のいずれの走査でも
照射位置によって焦点Fからの距離が変化することにな
るが、この変化は前記第5実施例の如き焦点変位手段と
組み合わせて焦点F位置を変位制御することによって補
正できる。なお、レーザ加工用としてXYスキャナーと
Zスキャナーとを組み合わせたビーム走査装置は市販さ
れているため、本発明においてもこの市販装置を利用で
きる。
【0026】図7はTEM00モードのレーザ光R2 より
分割された2本のビームB3 ,B4のうちビームB4
光路中に透過物体Oを介在させた実施例を示す。この場
合、透過物体Oの二次元透過形状の情報が合波された干
渉光の干渉パターン中に含まれることになるから、被加
工物W1 の表面にも上記情報が凹凸として記録される。
これはホログラムの乾板に相当するため、該表面の反射
光沢中に上記透過形状が再生され、例えば該形状が三角
形であれば反射光沢の中に三角形が浮かび上がって見え
る。従って、該透過物体Oを選択することにより、虹色
様の反射光沢中に様々な形状がホログラフィーとして現
れる極めて特異な装飾の施された金属製品を提供でき
る。無論、図1の第1実施例における明パターン成分B
1 , B2 の一方の光路に透過物体Dを介在させても同様
のホログラフィーの発現が可能である。
【0027】なお、本発明では光学系の構成を例示以外
に種々設計変更可能であり、例えば上記の各実施例では
収束手段として収束レンズL3 を用いているが、これに
代えて凹面鏡を使用してもよい。また実施例では拡大レ
ンズL2 及び方向転換用反射鏡M2 を用いているが、合
波レンズL1 及び加工用集光レンズL3 の焦点深度によ
っては拡大レンズL2 を省略でき、また該反射鏡M2
省略してレーザ光源から出射されるレーザ光の光軸線上
に被加工物を位置させたり、複数の反射鏡M2を用いて
ビーム方向を数次に転換することも可能である。更に、
第1実施例のように低次のマルチモードのレーザ光の明
パターン成分相互を重ねたり、第2〜4実施例のように
単一のレーザー光より分割されたビームを重ねて干渉光
としたレーザビーム以外に、干渉していないレーザビー
ムでも照射条件によっては照射面上で干渉パターンを生
じさせることが可能である。
【0028】また上記各実施例で示すレーザ加工方法に
おいて、レーザ誘起熱化学反応を利用し、この反応ガス
雰囲気中で行えば大気中で加工するのに比べて少ないレ
ーザ光出力で金属表面を加工することができる。更に本
発明によるレーザ加工法によって加工された金属表面が
傷つけられると、微細凹凸条の反射効率が下がるので、
加工された金属表面の耐久性をもたせるために、透明な
酸化被膜、例えばアルミナなどをスパッタリングなどの
手法を用いて金属表面をコーティングすれば、耐久性の
要求される分野に使用することができる。
【0029】また、本発明方法によって微細凹凸を形成
した金属表面は転写用の型としても利用でき、例えば加
熱転写によってプラスチック表面に該凹凸を転写してア
ルミ等を蒸着すれば、包装紙等に使用する加飾フィルム
を簡単に作製できる。
【0030】本発明においてレーザ光源として使用する
レーザ発振器としてしては、特に制限されずコヒーレン
スのよいレーザ光を出射し得るものであればよく、例え
ば実施例に示すYAGレーザ以外にルビーレーザ、ガラ
スレーザの如き固体レーザ、CO2 レーザやエキシマレ
ーザの如きガスレーザ等が挙げられるが、特にレーザ光
がパルス発振であるものが好ましい。
【0031】
【発明の効果】本発明方法によれば、レーザ光を利用し
て金属表面に1μm程度あるいはそれ以下といった極め
て微細な密な凹凸を容易にかつ短時間で形成可能である
ため、該凹凸に基づき表面全体ないし一部の模様等が虹
色様に多彩で見る角度や入射光の方向によって様々に変
化する玉虫色の美麗な反射光沢を示す金属製品を提供で
きる。しかして、上記方法に適用する装置は、構造的に
極めて簡素であって低コストで製作可能であり、しかも
既存のレーザ加工装置を大幅な改変を行うことなく利用
できる。
【0032】また、本発明方法は、レーザ加工の特性、
即ち多品種少量生産に適しており、多種類の模様 (絵
柄) の加飾加工を効率的に行うことが可能である。しか
して、加工される金属表面は、必ずしも平坦面である必
要はなく、クリスタルカットや多少凹凸のある金属表面
であってもこれに影響されることなく加工することがで
き、また非接触加工であるために、加工途上において被
加工材を強固に支持する必要がなく、仮止め程度でよい
から加工作業も容易である。
【0033】更に、本発明により加工された金属表面の
微細凹凸溝は例えば加熱転写により樹脂フイルムの表面
に転写することができ、この転写された樹脂フイルムの
表面にアルミ蒸着等の後加工を行うことによって包装紙
等に使用される加飾フイルムを簡単に製作することがで
きるため、本発明はこれらの転写技術としても応用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に用いたレーザ加工装置
の概略構造図。
【図2】 同第2実施例に用いたレーザ加工装置の概略
構造図。
【図3】 同第3実施例に用いたレーザ加工装置の概略
構造図。
【図4】 同第4実施例に用いたレーザ加工装置の概略
構造図。
【図5】 同第5実施例に用いたレーザ加工装置の概略
構造図。
【図6】 XYスキャナーを使用する実施例の要部の概
略斜視図。
【図7】 ホログラフィーを応用した実施例の同上装置
の概略構造図。
【符号の説明】
B レーザビーム B1 ,B2 明パターン成分 B3 〜B6 分割されたビーム D1 ,D2 レーザ光源 F 焦点 L3 加工用集光レンズ、 R1 ,R2 レーザ光 T XYテーブル W1 ,W2 被加工物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大島 市郎 兵庫県尼崎市常光寺1丁目9番1号 大阪 富士工業株式会社内 (72)発明者 大島 時彦 兵庫県尼崎市常光寺1丁目9番1号 大阪 富士工業株式会社内 (72)発明者 平田 繁一 兵庫県尼崎市常光寺1丁目9番1号 大阪 富士工業株式会社内 (72)発明者 岡野 良和 兵庫県尼崎市常光寺1丁目9番1号 大阪 富士工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属表面にレーザビームを照射し、その照
    射面で生ずる干渉パターンの強度分布に対応した微細凹
    凸を該金属表面に形成することを特徴とする金属表面の
    レーザ加工方法。
JP6210280A 1994-09-02 1994-09-02 金属表面のレーザ加工方法 Pending JPH07148583A (ja)

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