JPH0714798U - コアキシアル・スピーカ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 防塵手段を取り付けるための作業性を改善で
き、かつ細かい塵埃の侵入をも完全に防止でき、しかも
振動系の異常振動を解消し得るコアキシアル・スピーカ
を提供すること。 【構成】 ウーハ１と同軸上に、ツイータ１２またはツ
イータ・サポータ１１を配置したコアキシアル・スピー
カにおいて、前記ツイータ１２またはツイータ・サポー
タ１１とウーハ用ボイスコイルボビン７との間に磁性流
体１４を保持し、前記ツイータ１２またはツイータ・サ
ポータ１１とウーハ用ボイスコイルボビン７間をシール
した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車載用コアキシアル・スピーカのごとく防塵対策の厳しい用途に適 するコアキシアル・スピーカに関する。

【０００２】

【従来の技術】

防塵対策を講じたコアキシアル・スピーカの従来技術としては、例えば図２に 示すものや、実開昭５６−１５２４８１号公報，特開昭６０−２３９１９８号公 報，実開昭６４−５５７９６号公報等に記載の技術がある。

【０００３】 そして、図２に示す従来技術では、ツイータ・サポータ１１の前端部とウーハ ・コーン紙８間に、防塵布１６を装着している。なお、この図２において図１に 示す部材と同じ部材には同じ符号を付けて示している。

【０００４】 前記実開昭５６−１５２４８１号公報に記載の技術では、低音用スピーカのセ ンタポールの頂部に固定されたスペーサと、低音用スピーカの振動板のネック部 との間に、蛇腹状のダンパを取り付けている。

【０００５】 また、前記特開昭６０−２３９１９８号公報に記載の技術では、低音用スピー カのセンタポールの頂部に支持棒を取り付け、この支持棒の前端部に高音用スピ ーカを固定した複合型スピーカにおいて、前記支持棒の前端部または高音用スピ ーカの後端部と、低音用スピーカのボイスコイルボビンまたは低音用スピーカの 振動板の中心部分との間に、軟質高分子発泡体を介装し、固定している。

【０００６】 さらに、前記実開昭６４−５５７９６号公報に記載の技術では、低音用スピー カのセンタ・ポールの前端面に、外側に突出されたフランジを有するスペーサを 固定し、このスペーサに中高音用スピーカを取り付けた複合型スピーカにおいて 、前記低音用スピーカの振動板の中心部分と、スペーサのフランジとの間に、バ ーチカルダンパを介装し、固定している。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術では、そのいずれも防塵手段を取り付けるための作業性が悪いと いう問題、細かい砂塵等の侵入を完全に防ぐことが難しいという問題、防塵手段 が振動系の性能に悪影響を与え、最低共振周波数の上昇や中域での異常振動を招 くという問題の少なくとも一つを有していた。

【０００８】 本考案は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、防 塵手段を取り付けるための作業性を改善でき、かつ細かい塵埃の侵入をも完全に 防止でき、しかも振動系の異常振動を解消し得るコアキシアル・スピーカを提供 しようとするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案はウーハ１と同軸上に、ツイータ１２または ツイータ・サポータ１１を配置したコアキシアル・スピーカにおいて、前記ツイ ータ１２またはツイータ・サポータ１１とウーハ用ボイスコイルボビン７との間 に磁性流体１４を保持し、前記ツイータ１２またはツイータ・サポータ１１とウ ーハ用ボイスコイルボビン７間をシールしたものである。

【００１０】

【作用】

本考案では、ツイータ１２またはツイータ・サポータ１１とウーハ用ボイスコ イルボビン７との間に磁性流体１４を保持し、前記ツイータ１２またはツイータ ・サポータ１１とウーハ用ボイスコイルボビン７間をシールしているので、細か い塵埃であっても、その侵入を完全に防ぐことができる。

【００１１】 また、本考案ではツイータ１２またはツイータ・サポータ１１とウーハ用ボイ スコイルボビン７との間に磁性流体１４を保持するだけで足りるので、防塵手段 を取り付けるための煩雑な工程がなく、取り付け作業性を大幅に向上させること ができる。

【００１２】 さらに、本考案では磁性流体１４により、振動系の中心部を保持することがで きるので、振動系に悪影響を与えることがなく、したがって最低共振周波数の上 昇や中域での異常振動等を解消することができる。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１４】 図１は本考案の一実施例を示すもので、半部の縦断面図である。

【００１５】 この図１に示す実施例では、ウーハ１の中心部にツイータ・サポータ１１が固 定されており、このツイータ・サポータ１１の前端部にツイータ１２が取り付け られている。

【００１６】 前記ウーハ１は、逆Ｔ字型のボトム・ヨーク２と、これのフランジ上に設置さ れたウーハ・マグネット３と、このウーハ・マグネット３に設置されたトップ・ プレート４と、これに設けられたフレーム５と、ウーハ用ボイスコイルボビン７ に巻装されかつ磁気回路の磁気ギャップ内に配置されたボイスコイル６と、ウー ハ用ボイスコイルボビン７に接続されかつガスケット９を介してフレーム５に取 り付けられたウーハ・コーン紙（振動板）８と、ウーハ用ボイスコイルボビン７ とフレーム５のボトム間に設けられたダンパ１０とを有して構成されている。

【００１７】 前記ツイータ・サポータ１１は、ボトム・ヨーク２のセンタ・ポールに固定さ れている。

【００１８】 ところで、この実施例では前記ツイータ・サポータ１１とウーハ用ボイスコイ ルボビン７間の隙間１３に、磁性流体１４が封入されている。前記磁性流体１４ は、これの封入位置に対応させてツイータ・サポータ１１内にスピーカの中心軸 と直角に設けられた磁性流体保持用マグネット１５により保持されていて、ツイ ータ・サポータ１１とウーハ用ボイスコイルボビン７間の隙間１３をシールして いる。

【００１９】 以上のように、この実施例では前記磁性流体保持用マグネット１５により保持 された磁性流体１４により、ツイータ・サポータ１１とウーハ用ボイスコイルボ ビン７間の隙間１３を密封しているので、細かい塵埃であっても、その侵入を完 全に防ぐことができる。したがって、車載用コアキシアル・スピーカに適用して 極めて有効である。

【００２０】 また、この実施例ではツイータ・サポータ１１とウーハ用ボイスコイルボビン ７との間に磁性流体１４を保持するだけで足りるので、防塵手段を取り付けるた めの例えば接着等の煩雑な工程が要らないため、取り付け作業性を大幅に向上さ せることができる。

【００２１】 さらに、この実施例では図１から分かるように、磁性流体１４により振動系の 中心部を保持することができるので、振動系に悪影響を与えることがない。した がって、振動系における最低共振周波数の上昇や中域での異常振動等を解消する こともできる。

【００２２】 そして、この実施例によれば、磁性流体の粘性によって生じる機械抵抗により 、低域におけるＱ_MS（Quality of Mechanical System）の低減をも期待できる。

【００２３】 なお、本考案はスピーカ全体の型式によっては、ツイータ１２とウーハ用ボイ スコイルボビン７との間に、磁性流体１４を保持するように構成してもよい。

【００２４】

【考案の効果】

以上のように、本考案ではツイータ１２またはツイータ・サポータ１１とウー ハ用ボイスコイルボビン７との間に磁性流体１４を保持しており、前記ツイータ １２またはツイータ・サポータ１１とウーハ用ボイスコイルボビン７間の隙間１ ３を密封できるので、細かい塵埃であっても、その侵入を完全に防ぎ得る効果が あり、ツイータ１２またはツイータ・サポータ１１とウーハ用ボイスコイルボビ ン７との間に磁性流体１４を保持するだけで足りるので、防塵手段を取り付ける ための煩雑な工程がなく、取り付け作業性を大幅に向上させ得る効果を有する外 、前記磁性流体１４により振動系の中心部を保持することができるので、振動系 に悪影響を与えることがなく、したがって最低共振周波数の上昇や中域での異常 振動等を解消し得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すもので、半部の縦断面
図である。

【図２】従来技術を示す半部の縦断面図である。

【符号の説明】

１ ウーハ ７ ウーハ用ボイスコイルボビン １１ ツイータ・サポータ １２ ツイータ １３ ツイータ・サポータとウーハ用ボイスコイルボビ
ン間の隙間 １４ 磁性流体 １５ 磁性流体保持用マグネット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ウーハ１と同軸上に、ツイータ１２また
   はツイータ・サポータ１１を配置したコアキシアル・ス
   ピーカにおいて、前記ツイータ１２またはツイータ・サ
   ポータ１１とウーハ用ボイスコイルボビン７との間に磁
   性流体１４を保持し、前記ツイータ１２またはツイータ
   ・サポータ１１とウーハ用ボイスコイルボビン７間をシ
   ールしたことを特徴とするコアキシアル・スピーカ。