JPH07147025A - 光ディスク - Google Patents

光ディスク

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Publication number
JPH07147025A
JPH07147025A JP5293647A JP29364793A JPH07147025A JP H07147025 A JPH07147025 A JP H07147025A JP 5293647 A JP5293647 A JP 5293647A JP 29364793 A JP29364793 A JP 29364793A JP H07147025 A JPH07147025 A JP H07147025A
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JP
Japan
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change material
phase change
phase
optical disk
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JP5293647A
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English (en)
Inventor
Yutaka Kasami
裕 笠見
Koichi Yasuda
宏一 保田
Atsushi Fukumoto
敦 福本
Masumi Ono
真澄 小野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 相変化材料層の結晶化速度を高め、しかも消
衰定数kを小さくした光ディスクを提供する。 【構成】 記録情報信号に応じて光学的に読み出し可能
な位相ピット1が形成された透明基板2上に、少なくと
も相変化材料層3が形成されてなり、読み出し光照射時
に相変化材料層3が読み出し光走査スポット内で部分的
に液相化して反射率が増加し、読み出し後に固相化する
構成の光ディスクにおいて、その相変化材料層3を、S
iがドープされたSe系化合物によって構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光照射により情
報の再生を行う光ディスク、特に再生レーザ光のスポッ
ト内の特定位置の情報のみを読み出すようにして超解像
度再生を可能にし、ひいては高密度記録を可能にした光
ディスクに係わる。
【0002】
【従来の技術】例えばディジタルオーディオディスクい
わゆるコンパクトディスクや、ビデオディスク等の光デ
ィスクは、予め情報信号に応じて凹凸による位相ピット
が形成された透明基板上にアルミニウム反射膜を成膜
し、その上に保護膜等を形成することで構成されてい
る。
【0003】このようなディスクでは、ディスク面に読
み出し光を照射して位相ピットの形成部での光の回折に
よる反射光量の大幅な減少を検出することによって信号
の読み出しすなわち再生を行うようにしている。
【0004】ところで、上述のような光ディスクにおい
て、信号再生の分解能は、ほとんど再生光学系の光源の
波長λと対物レンズの開口数NAで決まり、空間周波数
2NA/λが再生限界となる。
【0005】そのため、このような光ディスクにおいて
高密度化を実現するためには、再生光学系の光源、一般
には半導体レーザの波長λを短くすること、あるいは対
物レンズの開口数NAを大きくすることが必要となる。
【0006】しかし、光源の波長λや対物レンズの開口
数NAの改善には自ずと限界があり、これによって記録
密度を飛躍的に高めることは難しいのが実情である。
【0007】そこで、先に本出願人は、上述した波長λ
や、開口数NAによる制限以上の解像度を得ることがで
きるようにした、超解像再生を行う光ディスクやその再
生方法を提案した(特開平3−292632号公報、特
開平5−89511号公報参照)。
【0008】この超解像再生を行う光ディスクの基本的
構成は、図1にその概略断面図を示すように、情報が例
えば凹もしくは凸による位相ピットをもって記録された
透明基板2上に温度によって相変化が生じ、これによっ
て反射率が変化する相変化材料層3が形成された構成を
有する。
【0009】そしてその再生は、再生光のスポット内で
の温度分布を利用してスポット内での相変化材料層3に
おける相変化による反射率変化を利用することで、反射
率が高められた領域でのみ部分的にすなわち限定的に位
相ピット1の検出、すなわち情報の読み出しを行うこと
ができるようして光学的制限以下の超解像再生を行うも
のである。
【0010】これについて更に説明すると、この超解像
再生は、光ディスク上での再生レーザ光スポットと、こ
の再生光の照射による温度との関係は、図14で示すよ
うに、横軸に例えば光ディスクの回転に伴う光ディスク
上での位置をとり、レーザ光スポットLの走査方向が図
14に矢印cをもって示す方向であるとすると、スポッ
トLが停止状態では、その温度分布は破線Aで示すスポ
ットの中心にピークを有する正規分布となるが、走査状
態では、実線Bに示すように、スポットの走査方向の後
方側でピークを有する温度分布を示すことを利用するも
のである。
【0011】すなわちこの温度分布によれば、光ディス
クとスポットLとの相対速度すなわちスポットの光ディ
スク上での走査速度の選定、照射光のパワーの選定等に
よって、情報の読み出しを行うスポットL内において、
図14で斜線を付して示すように相変化材料層3の融点
MPより高温になる高温領域SH と融点より低い低温領
域SL とを形成することができることから、スポットL
内で、部分的に溶融された液相状態を形成することがで
きる。したがって、光ディスクの相変化材料層3の反射
率が、液相状態と結晶状態もしくは非晶質状態と大きく
変化する材料より構成されれば、高温領域SH または低
温領域SL でのみ反射率を高めることができてこの領域
H またはSL のいずれか一方においてのみ限定的に位
相ピット1の読み出しができるようにすることができ
る。
【0012】この場合、上述したように、再生光のスポ
ット内の低温領域SL で位相ピットの読み出しを行うい
わゆるFAD(Front Aperture Detector)と、高温領域
Hで読み出しを行ういわゆるRAD(Rear Aperture De
tector)とがある。
【0013】FADに用いられる光ディスクは、その相
変化材料層3として、液相状態の反射率に比して結晶状
態の反射率が高い材料によって構成される必要があり、
このような材料としては例えばTe系の材料が考えられ
る。しかしながら、FADによる場合、図14で示され
るように、その読み出し領域となる低温領域SL は、ト
ラック幅方向に広がりを有する三日月状をなすことか
ら、1トラック上の記録密度の向上をはかることはでき
るものの、トラック間間隔をせばめるとクロストークが
発生することから、トラック密度を高めることができな
いという問題がある。
【0014】これに比し、高温領域SH は、トラック幅
方向に関する幅もスポットLの幅に比して狭くなること
から、この領域SH で読み出しを行うRADはトラック
密度の向上もはかることができて、より記録密度の向上
をはかることができるという利点がある。
【0015】このRADによる光ディスクを設計するに
は、相変化材料の光学定数(n、k)(ここで、複素屈
折率=n+ik,iは複素数とする)の、結晶状態と液
相状態での変化率、特に消衰係数kの変化率が大きいこ
とが望ましい。ところで、一般にSe系化合物は消衰係
数kが小さく、状態変化によるkの変化率が大きいこと
からRADによる超解像再生を行う光ディスクの相変化
材料として注目される。
【0016】しかしながら、このSe系化合物は結晶化
速度が遅く溶融後に結晶化されにくく非晶質化され易
い。したがって、このSe系化合物による相変化材料を
用いる場合、液相と非晶質相との反射率差を利用するこ
とになって、両者に大きなコントラストが得られないも
のであり、高いS/NないしはC/Nが得られないとい
う問題がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した超
解像再生を行うことのできる光ディスクにおいて、その
相変化材料層の結晶化速度を高め、しかも消衰定数kが
小さく上述のRADによる超解像再生に好適な光ディス
クを提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】第1の本発明は、図1で
基本的構成を示すように、記録情報信号に応じて光学的
に読み出し可能な位相ピット1が形成された透明基板2
上に、少なくとも相変化材料層3が形成されてなり、読
み出し光照射時に相変化材料層3が読み出し光走査スポ
ット内で部分的に液相化して反射率が増加し、読み出し
後に固相化する構成の光ディスクにおいて、その相変化
材料層3を、SiがドープされたSe系化合物によって
構成する。
【0019】第2の本発明は、上述の第1の本発明にお
ける相変化材料層3を、Siを5原子%以上ドープした
Se系化合物によって構成する。
【0020】
【作用】本発明による光ディスクは、図14で説明した
超解像再生、特に前述のRADによる再生を高いS/N
ないしはC/Nで行うことができる。
【0021】すなわち、その相変化材料層3が、その読
み出し(再生)光の走査スポットL内での高温領域SH
で部分的に液相化されたとき、その反射率が、低温領域
Lにおける固相部に比し著しく増加することによって
この高温領域SH にある位相ピット1についてのみ例え
ば回折による読み出しが可能となるものである。
【0022】すなわち、本発明では、相変化材料層3
を、Siを好ましくは5%以上ドープしたSe系化合物
によって構成したことにより、その結晶化速度が速めら
れ、これにより溶融後には非晶質化せずに結晶化状態に
固相化することができたものであり、更に、係数kの小
さいSi(n=3.86,k=0.17)のドープによ
る光学定数の制御により、液相状態と結晶状態の反射率
差を大きくできたものであり、これによって高コントラ
ストを有するすなわち高S/NないしはC/Nをもって
超解像再生を行うことができるものである。
【0023】
【実施例】本発明による光ディスクの実施例を詳細に説
明する。本発明の基本的構成は、図1で示したように、
記録情報信号に応じて光学的に読み出し可能な位相ピッ
ト1が形成された透明基板2の、位相ピット1が形成さ
れた側の面上に、少なくとも相変化材料層3が形成され
てなり、読み出し光照射時に相変化材料層3が読み出し
光走査スポット内で部分的に液相化して反射率が増加
し、読み出し後に固相化する構成の光ディスクにおい
て、その相変化材料層3を、SiがドープされたSe系
化合物によって構成する。
【0024】図1においては、基板2上に直接的に相変
化材料層3を形成した場合であるが、図2に示すよう
に、基板2上の凹凸による位相ピット1を有する面上
に、第1の誘電体層4を介してSiがドープされたSe
系化合物による相変化材料層3をスパッタリング等によ
って形成し、これの上に第2の誘電体層5を被着形成
し、更にこれの上に反射膜6と第3の誘電体層7を順次
被着した構成とすることもできる。また、更にこの第3
の誘電体層7上に図示しないが保護膜を形成することが
できる。
【0025】この場合、第1および第2の誘電体層4お
よび5によって光学的特性例えば反射率等の設定がなさ
れる構成とすることができる。また、第3の誘電体層7
によって各層の積層膜の機械強度を向上させ、耐久性の
向上をはかることができる。
【0026】実施例1 この実施例では、図2で示した構成を採った場合で、こ
の場合透明基板2をガラス基板によって構成し、位相ピ
ット1すなわち凹凸は、周知のいわゆる2P(photo po
lymarization) 法によって形成した。
【0027】そして、この実施例ではトラックピッチを
1.6μm,ピットの深さを120nm,ピット長を
0.3μm,繰り返し周期を0.6μmとした。
【0028】そして、このピット1を有する透明基板2
の一主面に厚さ110nmのZnS−SiO2 よりなる
第1の誘電体層4を被着形成し、これの上にSb2 Se
3 にSiを5原子%ドープした相変化材料層3を膜厚2
2nmに被着形成した。更にこの相変化材料層3上に厚
さ30nmのZnS−SiO2 よりなる第2の誘電体層
5を被着形成し、これの上にDy反射膜6を100nm
の厚さに被着形成し、これの上に厚さ400nmのZn
S−SiO2 よりなる第3の誘電体層7を被着形成し
た。
【0029】この実施例1による光ディスクの作製状態
のままの状態で、すなわちその相変化材料層3が非晶質
のままの状態で、この光ディスクに対して再生レーザ光
(波長780nm)を線速3.5m/sをもって走査し
たときの反射率の測定結果を図3に示す。この場合、レ
ーザ光パワーを1mWから徐々に高めて各パワーでの照
射後にそのレーザ光を1mWに下げ、この1mWのレー
ザ光に対する反射率を測定した結果を白丸印をもってプ
ロットした。
【0030】図4は、実施例と同様の構造によるもの
の、その相変化材料層3のSiのドープ量を3原子%と
した場合の同様の測定結果(白丸印をもってプロット)
を示す。
【0031】また、図5は、実施例と同様の構造による
ものの、その相変化材料層3として全くSiがドープさ
れていない組成とした場合の同様の測定結果(白丸印を
もってプロット)を示す。
【0032】図3〜図5において、各破線aおよびb
は、各光ディスクの作製のまま、すなわち相変化材料層
3の被着形成直後の非晶質状態での反射率と、結晶化状
態での反射率の理論値を示す。
【0033】図3を、図4および図5と比較して明らか
なように、相変化材料層3にSiを5原子%ドープした
実施例1による光ディスクでは一旦高いパワーのレーザ
光を照射するとその反射率が低下して結晶状態の理論値
に近づくことが分かる。この場合、この反射率が完全に
結晶状態と一致しないのは、レーザ光の照射によっても
その全域に渡って結晶状態にならず、低温部では非晶質
の状態で残ることによる。
【0034】また、図3および図4を比較することによ
って明らかなように、相変化材料層3においてSiを5
原子%以上とするとき、良好な結晶化がはかられること
が分かる。しかしながら、この相変化材料層3においけ
るSiのドープ量は、これが余り多いと、相変化材料層
3の熱伝導率が高くなることによって、その再生に大き
なパワーを必要とし、感度の低下を来すことから、Si
のドープ量は70原子%にとどめることが好ましい。
【0035】また、図6は実施例1による光ディスク、
図7はその相変化材料層3のSiのドープ量を3原子%
とした光ディスク、図8は相変化材料層3にSiをドー
プしない場合の光ディスクにおいて、それぞれの光ディ
スクに対するレーザ光(波長780nm)の走査線速度
を変化させてそれぞれ10mWのレーザ光を照射して後
の、1mWの再生レーザ光に対する反射率を測定した結
果(白丸印)を示す。各図6〜リにおいて各破線aおよ
びbは、各光ディスクの作製のまま、すなわち相変化材
料層3の被着形成直後の非晶質状態での反射率と、結晶
化状態での反射率の理論値を示す。
【0036】図6〜図8を比較することによって明らか
のように、相変化材料層3にSiをドープすることによ
って、特に5原子%以上とすることによって線速度を早
めても充分結晶化を促進できることが分かる。
【0037】次に、光学定数、すなわち屈折率nと、消
衰係数kについて考察する。このため、Si基板上に、
500ÅのZnS−SiO2 による第1の誘電体層を介
して厚さ約1000nmの相変化材料層を被着形成し、
これの上に更に厚さ1000ÅのZnS−SiO2 によ
る第2の誘電体層を形成した2種の試料1および2を作
製した。試料1は、その相変化材料層がSb2 Se3
Siを6原子%ドープした場合で、試料2はSb2 Se
3 にSiをドープしない場合である。図9および図10
は、これら各試料1および2に関してそれぞれ加熱温度
を変化させてそれぞれ温度モニターが可能なエリプソメ
ータを用いて各光学定数nとkとを測定したした結果を
示す。両図において、白丸印および黒丸印はそれぞれn
およびkの測定結果を示す。両図を比較して明らかなよ
うに、Siのドープによっても消衰係数kが高められる
ことがない。つまり、前述したように、RADへの適用
になんら不都合が生じることがないことが分かる。
【0038】図11および図12は、上記試料1および
2において、その第2の誘電体層の膜厚を変化させた場
合の結晶状態、液相状態(2.5mWのレーザ光照射に
よる)および非晶質状態の各測定値を黒丸印、白丸印、
×印をもってプロットし、各鎖線および実線による曲線
cおよびbはそれぞれ液相および結晶における計算値を
示し、破線による曲線aは、非晶質における計算値を示
す。
【0039】各試料において、その計算値と測定値とは
良く一致している。そして、試料1によるSiをドープ
した相変化材料層を用いた場合の液相と結晶との反射率
は、Siをドープしない場合に比して大なる差が認めら
れる。そして、Siがドープされない場合は、冒頭に述
べたように、非晶質化され易いことから、実際の光ディ
スクとしたときの読み出しの上での反射率の差は、液相
における反射率と非晶質における反射率との差で信号を
読みだすことからより反射率の差は小さくなるものであ
る。
【0040】図13は、実施例1の光ディスクにおい
て、再生レーザ光パワーを10mWとしたときの光ディ
スクに対する再生レーザ光の走査の線速度を2m/sか
ら徐々に上げていったときの光学系のN.Aが0.5で
の再生信号のC/Nの測定結果を示すもので、そのC/
Nは43dBであった。
【0041】本発明による光ディスクにおいても、従来
と同様に、その作製後に少なくともその位相ピットが形
成されるトラック部において結晶化を行ういわゆる初期
化がなされる。本発明における光ディスクにおいても、
通常におけるように、炉中での熱処理は基板2の耐熱性
等の問題から回避される必要があり、この初期化は比較
的スポット径の大きいレーザ光をトラック部に走査して
この走査部において、相変化材料層3を一旦溶融し、レ
ーザ光の通過後の降温によって結晶化させるという方法
がとられるが、上述したように本発明によれば、相変化
材料層3の結晶化速度が速められたことにより、その初
期化を確実に行うことができる。また、記録情報の読み
出し再生動作時において、再生光照射による液相化がな
されて後も確実に元の結晶化状態に戻すことができる。
【0042】そして、本発明の光ディスクに対する記録
情報の読み出し、すなわち再生は、透明基板2側から再
生光の照射を行って、図14で説明したようにそのスポ
ットL内の高温領域SH で相変化材料層3を部分的に溶
融液相化させる。このとき、他部すなわちスポットL内
の低温領域SL では結晶化状態にあることから、再生光
スポットL内といえども領域SL では、領域H の液相状
態部に比して充分低い反射率とされていることから、ス
ポットL内に複数の位相ピットが存在しても、その読み
出しは反射率の高められた液相化された高温領域SH
みに限定して位相ピットの読み出しを行うことができ
る。つまり、前述したRADによるクロストークの改善
がはかられ、トラック密度の向上がはかられた超解像再
生を行うことができるものである。
【0043】そして、また本発明によれば、その相変化
材料層3の結晶化が速められたことにより、液相化がな
されてその読み出しがなされて後は、再び、確実に元の
結晶化状態に戻されることから、特性劣化を来すことな
く高いS/NないしはC/Nをもって繰り返し再生を行
うことができるものである。
【0044】実施例1では、相変化材料層3として、S
2 Se3 にSiをドープしたものであるが、他のSe
化合物にSiをドープした相変化材料層3によってもC
/Nの向上がはかられた。この場合の各例を実施例2〜
6に例示する。尚、実施例2〜6のいずれの場合におい
ても、その構造は実施例1と同様の構造とし、その相変
化材料層3の組成を変化させたものである。
【0045】実施例2 相変化材料層3として、BiSeにSiを5原子%以上
ドープした。この構成の光ディスクに対して、再生レー
ザパワーを10mWに設定して線速度を2m/sから徐
々に上げていき、その再生を行ってその信号部分をN.
A.=0.5で再生したところ、その信号のC/Nは4
0dB以上であった。
【0046】実施例3 相変化材料層3として、SeSn2 にSiを5原子%以
上ドープした。この構成の光ディスクに対して、再生レ
ーザパワーを10mWに設定して線速度を2m/sから
徐々に上げていき、その再生を行ってその信号部分を
N.A.=0.5で再生したところ、その信号のC/N
は40dB以上であった。
【0047】実施例4 相変化材料層3として、InSeにSiを5原子%以上
ドープした。この構成の光ディスクに対して、再生レー
ザパワーを10mWに設定して線速度を2m/sから徐
々に上げていき、その再生を行ってその信号部分をN.
A.=0.5で再生したところ、その信号のC/Nは4
0dB以上であった。
【0048】実施例5 相変化材料層3として、GaSeにSiを5原子%以上
ドープした。この構成の光ディスクに対して、再生レー
ザパワーを10mWに設定して線速度を2m/sから徐
々に上げていき、その再生を行ってその信号部分をN.
A.=0.5で再生したところ、その信号のC/Nは4
0dB以上であった。
【0049】実施例6 相変化材料層3として、PbSeにSiを5原子%以上
ドープした。この構成の光ディスクに対して、再生レー
ザパワーを10mWに設定して線速度を2m/sから徐
々に上げていき、その再生を行ってその信号部分をN.
A.=0.5で再生したところ、その信号のC/Nは4
0dB以上であった。
【0050】尚、本発明による光ディスクは上述の例に
限られるものではなく、例えば透明基板2としては、ア
クリル系樹脂、ポリエステルオレフィン系樹脂等を用い
ることができる。
【0051】また、相変化材料層3は上述の2元系のS
e化合物に限らず3元系以上のSe化合物にSiをドー
プする構成とすることもできる。
【0052】更に、誘電体層4,5,7は、Al,Si
等の金属および半導体元素の窒化物、酸化物、硫化物に
よって構成することもできる。
【0053】また、反射膜6は、熱伝導率が0.000
4〔J/(cm・K・s)〕〜2.2〔J/(cm・K
・s)〕の値を有する金属、半導体およびそれらの各化
合物、混合物等を用いることができる。
【0054】更に、上述の光ディスクでは、透明基板2
に2P法による凹凸の位相ピット1を形成した場合であ
るが、種々の構成による光学的に情報の読み出しが可能
な位相ピットとすることができる。
【0055】上述したように本発明による光ディスクに
よれば、Se系化合物に消衰係数kの小さいSiをドー
プしたことにより、結晶化速度を速めることができ、し
かも消衰係数kの小さい相変化材料層3を構成できたも
のである。因みに、Se系化合物にSb等の金属元素を
ドープすることによって結晶化速度を速めることはでき
るが、この場合は消衰係数kが高く、RADによる超解
像再生態様をとることができないという問題があった。
【0056】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、消衰
係数kを小さく抑えて結晶化速度を速めた光ディスクを
構成できたことにより、高いS/NないしはC/Nをも
ってRADによる超解像再生を、特性劣化を来すことな
く安定して繰り返し行うことができる。
【0057】そして、RADの超解像再生ができること
から、クロストークの改善、したがってトラック密度向
上をはかることができ、より記録密度の向上をはかるこ
とができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ディスクの基本的構成を示す略
線的断面図である
【図2】本発明の一実施例の略線的断面図である。
【図3】Se化合物にSiを5原子%ドープした相変化
材料層のパワーを変化させたレーザ光照射後の反射率の
測定結果を示す図である。
【図4】Se化合物にSiを5原子%ドープした相変化
材料層のパワーを変化させたレーザ光照射後の反射率の
測定結果を示す図である。
【図5】Se化合物にSiをドープしない場合の相変化
材料層のパワーを変化させたレーザ光照射後の反射率の
測定結果を示す図である。
【図6】Se化合物にSiを5原子%ドープした場合の
相変化材料層の線速度を変化させたレーザ光照射後の反
射率の測定結果を示す図である。
【図7】Se化合物にSiを3原子%ドープした場合の
相変化材料層の線速度を変化させたレーザ光照射後の反
射率の測定結果を示す図である。
【図8】Se化合物にSiをドープしない場合の相変化
材料層の線速度を変化させたレーザ光照射後の反射率の
測定結果を示す図である。
【図9】Se化合物にSiを6原子%ドープした場合の
相変化材料層の光学定数の測定結果を示す図である。
【図10】Se化合物にSiをドープしない場合の相変
化材料層の光学定数の測定結果を示す図である。
【図11】Se化合物にSiを6原子%ドープした場合
の誘電体層の膜厚と反射率との関係を示す図である。
【図12】Se化合物にSiをドープしない場合の誘電
体層の膜厚と反射率との関係を示す図である。
【図13】本発明による光ディスクにおける再生レーザ
光の線速とC/Nの関係の測定結果を示す図である。
【図14】超解像再生の説明に供する光スポットと温度
分布との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 位相ピット 2 透明基板 3 相変化材料層3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 真澄 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録情報信号に応じて光学的に読み出し
    可能な位相ピットが形成された透明基板上に、少なくと
    も相変化材料層が形成されてなり、読み出し光照射時に
    相変化材料層が読み出し光走査スポット内で部分的に液
    相化して反射率が増加し、読み出し後に元に戻る構成の
    光ディスクにおいて、 上記相変化材料層が、SiがドープされたSe系化合物
    によって構成したことを特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】 上記相変化材料層が、Siを5原子%以
    上ドープしたSe系化合物によって構成したことを特徴
    とする請求項1に記載の光ディスク。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008287795A (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Hitachi Ltd 光ディスク媒体及びトラッキング方法
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