JPH0714627Y2 - シャッター用中柱の誤操作防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、多連シャッターを構成する左右のシャッター
カーテン間に立てられて中間ガイドレールとなるシャッ
ター用中柱の誤操作防止装置に関する。

〔従来の技術〕

複数枚のパネルを上下に連設して成るシャッターカーテ
ンを上方に跳ね上げて開放するタイプのオーバーヘッド
ドアや、その他のパネルシャッターを多連に設ける場合
には、当該多連シャッターを設置する開口部の上方に沿
って水平に架設されたハンガーレールに吊られて左右方
向にスライドする可動式の中柱が使用されている。

この中柱は、シャッターを開閉するたびに一々立てたり
外したりする面倒がなく、使用状態に立てたまま左右に
移動させて収納することができるが、通常の中柱と異な
りその上端部にはハンガーレール上を走行する車輪が設
けられているから、当該中柱を左右のシャッターカーテ
ン間に固定するために、第３図に示すように、中柱１に
設けられたレバー２の操作により、当該中柱１の下端の
みならず上端からも夫々左右２本ずつの固定用ロッド3
U,3U及び3D,3Dを同時に突出させて、これらを受座4U及
び4Dの孔5,5内に挿通支持するようにしている。

また、中柱１には、第４図にその断面を示すように、左
右のシャッターカーテン6R,6Lを構成する各パネル７の
片端に突設されたローラ８を案内支持するガイドレール
9R,9Lが形成されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、多連シャッターを開放する際には、中柱１の
撤去作業を急ぐあまり、左右のシャッターカーテン6R,6
Lが完全に上がり切らないうちにレバー２を操作して、
上下各一対の固定用ロッド3U,3U及び3D,3Dをその受座4U
及び4Dの孔5,5内から外して中柱１の固定状態を解除
し、当該中柱１をその収納方向に無理やり引っ張ってし
まうという誤操作が多かった。

このような誤操作をすると、シャッターカーテン6R,6L
の下端を成すパネル７の片端に突設されたローラ８が、
中柱１のガイドレール9R,9L内に引っ掛かった状態でロ
ーラ軸方向に引っ張られてパネル７から抜け落ちたり、
当該ローラ８が引っ掛かったガイドレール9R,9Lの一部
が変形したり破損することがあった。

そこで本考案は、シャッターカーテン6R,6Lが完全に上
がり切るまでレバー２の操作を不能にして、中柱１の固
定状態を解除できないようにすることを技術的課題とし
ている。

〔課題を解決するための手段〕

この課題を解決するために、本考案は、多連シャッター
を構成する左右のシャッターカーテン間に立てられて中
間ガイドレールとなるシャッター用中柱の誤操作防止装
置であって、中柱に設けられたレバーの操作により当該
中柱の上端から突出してその上方に固設された受座の孔
内に挿通支持される左右一対の固定用ロッドに、夫々そ
の周面を切欠して成る凹部が形成されると共に、当該各
凹部に対して各固定用ロッドの突出方向と直交する方向
から係脱せられる左右一対の施錠用ロッドが、夫々前記
各凹部と係合する方向に付勢された状態で前記受座側に
配設され、当該各施錠用ロッドには、左右のシャッター
カーテンが上昇して中柱のガイドレールから完全に離脱
する高さまで達した時に、当該各シャッターカーテンの
下端側に引っ掛けられて各施錠用ロッドをその付勢方向
と反対側に引っ張るように作動するクランクレバーが連
結されていることを特徴とする。

〔作用〕

本考案によれば、シャッターの開放状態で左右のシャッ
ターカーテン間に立てられた中柱のレバーを操作して、
当該中柱の上端から左右一対の固定用ロッドを突出させ
ると、当該各固定用ロッドが、その上方に固設された受
座の孔内に挿通支持されて、中柱が左右のシャッターカ
ーテン間の所定位置に固定される。

この状態で、左右のシャッターカーテンを降下させる
と、夫々その片端が中柱のガイドレールに案内支持され
てシャッターが閉鎖されると共に、中柱の上端から突出
した各固定用ロッドの凹部に施錠用ロッドの先端部が自
動的に係合して、中柱のレバーが操作不能にロックされ
る。

そして、シャッターを開放する際には、左右のシャッタ
ーカーテンが上昇して中柱のガイドレールから完全に離
脱する高さまで達した時に、当該各シャッターカーテン
の下端側がクランクレバーに引っ掛けられて、当該クラ
ンクレバーがこれに連結された各施錠用ロッドを引っ張
り、当該各施錠用ロッドの先端部が各固定用ロッドの凹
部から外される。

これにより、中柱に設けられたレバーのロックが解かれ
るから、当該レバーの操作により各固定用ロッドを引っ
込めて受座の孔内から抜き出し、中柱の固定状態を解除
してこれを撤去することが可能となる。

したがって、左右のシャッターカーテンが完全に上がり
切る前に誤って中柱を撤去することがなくなる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて具体的に説明す
る。

第１図は本考案による誤操作防止装置の一例を示す部分
側面図、第２図はその要部を拡大して示す斜視図であ
る。

なお、第３図及び第４図との共通部分についてはこれら
の図を参酌して説明する。

本例に示すシャッター用中柱の誤操作防止装置は、中柱
１の上端から突出してその上方に固設された受座4Uの孔
5,5内に挿通支持される左右一対の固定用ロッド3U,3U
に、夫々その周面を切欠して成る凹部10が形成されてい
る。

また、受座4Uの上側には、固定用ロッド3U,3Uの凹部10
に対して各固定用ロッド3U,3Uの突出方向と直交する方
向から係脱される左右一対の施錠用ロッド11,11が取り
付けられると共に、当該各施錠用ロッド11が、その外側
に介装されたコイルバネ12によって、各固定用ロッド3
U,3Uの凹部10と係合する方向に付勢されている。

また、各施錠用ロッド11には、左右のシャッターカーテ
ン6R,6Lが上昇して中柱１のガイドレール9R,9Lから完全
に離脱する高さまで達した時に、当該各シャッターカー
テン6R,6Lのボトムセクションを構成する最下端パネル
７の裏面に突設された突起13に引っ掛けられて各施錠用
ロッド11をその付勢方向と反対側に引っ張るように作動
するクランクレバー14が連結されている。

なお、中柱１の上端には、シャッターを設置する開口部
の上方に沿って水平に架設されたハンガーレール15上を
走行する車輪16が設けられている。

しかして、シャッターを閉鎖する場合には、中柱１をハ
ンガーレール15に沿って左右のシャッターカーテン6R,6
L間までスライドさせ、その位置で中柱１のレバー２を
操作して、当該中柱１の上端及び下端から夫々各一対の
固定用ロッド3U,3U及び3D,3Dを突出させる。

これにより、固定用ロッド3U,3U及び3D,3Dが、夫々受座
4U及び4Dの孔5,5内に挿通支持されて、中柱１が定位置
に固定される。

この状態で、左右のシャッターカーテン6R,6Lを降下さ
せれば、その最下端パネル７に形成された突起13とクラ
ンクレバー14との引っ掛かりが外れて、受座4Uの孔5,5
内に挿通支持された各固定用ロッド3U,3Uの凹部10内に
夫々施錠用ロッド11,11が係合して、中柱１のレバー２
が自動的にロックされ、また、シャッターカーテン6R,6
Lはそのまま下限位置まで降下してシャッターが閉鎖さ
れる。

次に、このシャッターを開放する場合は、左右のシャッ
ターカーテン6R,6Lを上方に跳ね上げて上昇させるが、
各シャッターカーテン6R,6Lの最下端パネル７の片端に
設けられたローラ８が中柱１のガイドレール9R,9L内か
ら完全に離脱する高さに達するまでは、当該パネル７の
裏面に設けられた突起13がクランクレバー14に引っ掛か
らないので、当該クランクレバー14に連結された施錠用
ロッド11が依然として固定用ロッド3Uの凹部10内に係合
されている。

したがって、この状態では中柱１のレバー２を操作でき
ないから、中柱１を誤って撤去することがなくなり、パ
ネル７のローラ８が中柱１のガイドレール9R,9Lに引っ
掛かったまま無理に引っ張られて生ずる破損事故が確実
に防止される。

なお、左右のシャッターカーテン6R,6Lが中柱１のガイ
ドレール9R,9L内から完全に離脱する高さに達すると、
その最下端パネル７に設けられた突起13が夫々クランク
レバー14に引っ掛けられて、当該クランクレバー14が各
施錠用ロッド11をコイルバネ12の付勢力に抗して各固定
用ロッド3Uの凹部10から外す方向に引っ張るように作動
する。

これにより、各固定用ロッド3Uの施錠状態が解除される
から、中柱１のレバー２を操作して各固定用ロッド3Uを
受座4Uの孔5,5内から抜き出し、中柱１の固定状態を解
除してこれを撤去することが可能となる。

なお、実施例では、中柱１が左右にスライドする可動式
になっている場合について説明したが、本考案はこれに
限るものではない。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、多連シャッターを
構成する左右のシャッターカーテンが完全に上がり切る
前に、その中間ガイドレールとなる中柱を無理に撤去し
てしまう誤操作を確実に防止できるから、この誤操作に
よって生ずるシャッターカーテンや中柱の破損事故等を
無くすることができるという大変優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による誤操作防止装置の一例を示す部分
側面図、第２図はその要部を拡大して示す斜視図、第３
図は中柱の斜視図、第４図はその断面図である。 符号の説明 １……中柱、２……レバー、3U……固定用ロッド、4U…
…受座、５……受座の孔、6R,6L……シャッターカーテ
ン、9R,9L……中柱のガイドレール、10……凹部、11…
…施錠用ロッド、12……コイルバネ、13……突起、14…
…クランクレバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】多連シャッターを構成する左右のシャッタ
   ーカーテン間に立てられて中間ガイドレールとなるシャ
   ッター用中柱の誤操作防止装置であって、中柱（１）に
   設けられたレバー（２）の操作により当該中柱（１）の
   上端から突出してその上方に固設された受座（4U）の孔
   （５）内に挿通支持される左右一対の固定用ロッド（3
   U）に、夫々その周面を切欠して成る凹部（10）が形成
   されると共に、当該各凹部（10）に対して各固定用ロッ
   ド（3U）の突出方向と直交する方向から係脱される左右
   一対の施錠用ロッド（11）が、夫々前記各凹部（10）と
   係合する方向に付勢された状態で前記受座（4U）側に配
   設され、当該各施錠用ロッド（11）には、左右のシャッ
   ターカーテン（6R），（6L）が上昇して中柱（１）のガ
   イドレール（9R），（9L）から完全に離脱する高さまで
   達した時に、当該各シャッターカーテン（6R），（6L）
   の下端側に引っ掛けられて各施錠用ロッド（11）をその
   付勢方向と反対側に引っ張るように作動するクランクレ
   バー（14）が連結されていることを特徴とするシャッタ
   ー用中柱の誤操作防止装置。