JPH07145210A - エチレン重合体の製造法 - Google Patents

エチレン重合体の製造法

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JPH07145210A
JPH07145210A JP29084993A JP29084993A JPH07145210A JP H07145210 A JPH07145210 A JP H07145210A JP 29084993 A JP29084993 A JP 29084993A JP 29084993 A JP29084993 A JP 29084993A JP H07145210 A JPH07145210 A JP H07145210A
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ethylene
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polymer
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JP29084993A
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Katsumi Hirakawa
川 勝 己 平
Hajime Takahashi
橋 肇 高
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中程度に広がった分子量分布を有するエチレ
ン重合体を得ることができるエチレン重合体の製造法を
提供すること。 【構成】 成分(A)及び(B)からなる触媒に、エチ
レンもしくはエチレンとC3〜12α‐オレフィンを接触
させて重合させることを特徴とする、エチレン重合体の
製造法。 (A):(A−1)〜(A−3)を接触させて得られる
固体触媒成分 (A−1):(i) ジハロゲン化マグネシウム、(ii)チタ
ンテトラアルコキシド及び/又はポリチタン酸エステ
ル、(iii) 繰り返し単位−Si(R)(H)−O−
(R=C1〜10炭化水素残基)を有するポリマーケイ
素化合物、からなる固体成分 (A−2):周期律表IVaもしくはIVb族のハロゲン化
物 (A−3):ホウ素のハロゲン化物 (B):有機アルミニウム化合物 【効果】 上記目的が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、中程度により広がった
分子量分布を有する重合体を、得ることができるエチレ
ン重合体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン重合体は、その分子量分布によ
り使用される用途が異なり、分子量分布の広いものはパ
イプなどの中空成形品に、中程度の広さの分子量分布の
ものは繊維やテープなどに、分子量分布の狭いものはボ
トルキャップやバケツ等の射出成形品に使用されること
が多い。
【0003】従来、高活性のものとして知られているハ
ロゲン化マグネシウムおよびチタンハロゲン化物からな
る固体触媒成分は、一般に分子量分布の狭いエチレン重
合体を与える為、ボトルキャップやバケツ等の射出成形
品の製造には適するが、上記のようなその他の用途品の
製造には一般に適さない触媒成分である。
【0004】近年、用途の拡大を計る為に分子量分布の
広いポリマーを与える触媒の開発が必要とされ、遷移金
属化合物を多種類使用したり、無機の酸化物担体に触媒
成分を担持させる方法等を用いる発明が多くなされてい
る(例えば、特公昭52−37037号、同53−85
88号、同55−8006号、同57−45247号、
同58−13084号および同62−58364号公報
等)。
【0005】本発明者等は、すでに粒子形態の極めて優
れた、スラリー重合や気相重合に特に好適な固体触媒成
分を、(1)ハロゲン化ケイ素あるいは(2)ハロゲン
化チタンあるいは(3)ハロゲン化チタンおよびハイド
ロポリシロキサン等で処理することによって製造する方
法を提案した(例えば、特開昭58−127706号、
同61−285203号、同61−285204号、同
61−285205号、同57−180612号、同5
8−5309号、同58−5311号各公報)。これら
の触媒はそれなりに有用なものであるが、生成重合体が
分子量分布の狭いものであることがあったり、触媒活性
が十分に高くないことがあったりする点でなお一層の改
良が望まれるものであった。
【0006】一方、Ti、MgおよびClからなる触媒
成分を合成する際に、ホウ素のハロゲン化物を用いる手
法が報告されていて、例えば、特公昭62−56885
号公報では、MgTi(OR)[ED]を不
活性担体で希釈し、BRX′3-c で処理し、さらにA
l(R″)X″の活性化剤で処理するエチレン
重合用の触媒組成物が開示されている。しかしながら、
本発明者らの知る限りでは、そのような触媒組成物を使
用して得られたエチレン重合体は、通常低い溶融流量を
有するものであって満足できるものとは言い難かった。
また、特公昭63−66842号公報には、Mg化合物
とTi−OR結合を含有する化合物の反応生成物を、還
元剤とハロゲン化剤の混合物にて処理する手法が開示さ
れており、ハロゲン化剤としてBClが例示されてい
るが、具体的な使用例もなく、BClによって分子量
分布が影響を受けるか否かについて何の示唆もみられな
い。その他、特開昭1−158005号、特開平3−2
07705号および特公昭1−49289号各公報等に
も、ホウ素のハロゲン化物の使用の可能性が開示されて
いるが、それらの分子量分布への効果については何ら示
されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、中程度に広
い分子量分布を有するエチレン重合体を、得ることを目
的とするものであって、特に特定の触媒の使用によって
この目的を達成しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔発明の概要〕 <要旨>従って、本発明によるエチレン重合体の製造法
は、下記の成分(A)および成分(B)からなる触媒
に、エチレンまたはエチレンと炭素数3〜12のα‐オ
レフィンを接触させて重合させること、を特徴とするも
のである。
【0009】成分(A) 下記成分(A−1)に成分(A−2)を接触させ、この
接触生成物に成分(A−3)を接触させて得られるオレ
フィン重合用固体触媒成分。 (A−1)下記の成分(A−1−i )、(A−1−ii)
および(A−1−iii )からなる固体成分 (A−1−i )ジハロゲン化マグネシウム (A−1−ii)チタンテトラアルコキシドおよび/また
はポリチタン酸エステル (A−1−iii ) で表わされる、繰り返し単位を有するポリマーケイ素化
合物 (A−2)周期律表IVaもしくはIVb族のハロゲン化物 (A−3)ホウ素のハロゲン化物成分(B) 有機アルミニウム化合物 <効果>本発明によれば、中程度により広がった分子量
分布を有するエチレン重合体を得ることができる。この
ようなエチレン重合体は、特に繊維やテープ製造用樹脂
として有用なものである。 〔発明の具体的説明〕 〔I〕触媒 本発明に用いられる触媒は、特定の成分(A)および成
分(B)からなるものである。ここで「からなる」とい
うことは、成分が挙示のもの(すなわちAおよびB)の
みであるということを意味するものではなく、本発明の
効果を損なわない範囲で他の成分が共存することを排除
しないという趣旨であることを理解されたい。 <成分(A)>成分(A)は、下記成分(A−1)に成
分(A−2)を接触させ、この接触生成物に成分(A−
3)を接触させて得られるオレフィン重合用固体触媒成
分である。
【0010】ここで、「接触させて得られる」とは、成
分(A−1)〜(A−3)のみを接触させたものの外
に、成分(A−1)〜(A−3)以外の合目的的な成分
をも接触させて得られたものをも意味する。 成分(A−1) 1)構成成分 成分(A−1)は、下記の成分(A−1−i )、成分
(A−1−ii)および成分(A−1−iii)からなる固体
成分である。ここで、「からなる」とは、成分が挙示の
もの(すなわち、(A−1−i )、(A−1−ii)およ
び(A−1−iii))のみであるということではなく、
合目的的な他の成分の共存を排除しない。
【0011】この固体触媒成分(A−1)は、ジハロゲ
ン化マグネシウムでもなく、ジハロゲン化マグネシウム
とチタンテトラアルコキシドまたはポリチタン酸エステ
ルとの錯体でもなく、別の固体である。現状ではその内
容は十分に解析されていないが、組成分析結果によれ
ば、この固体組成物はチタン、マグネシウム、ハロゲン
およびケイ素を含有するものである。この固体触媒成分
(A−1)の比表面積は、多くの場合小さくて通常10
2 /g以下であり、またX線回析の結果によれば、こ
の固体成分(A)にはジハロゲン化マグネシウムを特徴
付けるピークは見られず、従ってこれはX線的に見てジ
ハロゲン化マグネシウムとは別の化合物と思われる。
【0012】(1)成分(A−1−i ) これは、ジハロゲン化マグネシウムであり、具体的に
は、たとえば、MgF、MgCl、MgBr等が
ある。中でも好ましいものはMgClである。
【0013】(2)成分(A−1−ii) これは、チタンテトラアルコキシドおよび(または)ポ
リチタン酸エステルである。チタンテトラアルコキシド
分子内のアルコキシとしては、炭素数2〜20程度、好
ましくは炭素数2〜10、のアルコキシが用いられる。
【0014】チタンテトラアルコキシドとしては、たと
えば、Ti(OC、Ti(O−iC
、Ti(O−nC、Ti(O−nC
、Ti(O−iC、Ti(O−t
、Ti(O−C11、Ti(O−C
13、Ti(O−nC15、Ti(O−C
17、Ti(O−C1021、等がある。
【0015】ポリチタン酸エステルとしては、
【0016】
【化1】 で表わされるものが用いられる。ここでRはそれぞれ
独立に炭化水素基、特に炭素数1〜20程度、特に1〜
6程度、のものであり、nは2以上の数、特に2〜10
程度、のもの、である。具体的には、たとえば、テトラ
‐ノルマルブチルポリチタネート(重合度n=2〜1
0)、テトラ‐ノルマルヘキシルポリチタネート(重合
度n=2〜10)、あるいはテトラ‐オクチルポリチタ
ネート(重合度n=2〜10)などがある。 (3)成分(A−1−iii ) このポリマーケイ素化合物は、式 で示される構造を繰返し単位として有するものである。
ここで、Rは炭素数1〜10、特に1〜6程度、の炭
化水素残基、好ましくは、アルキル基、フェニル基およ
びアルキル置換フェニル基、である。したがって、この
ような構造単位を有するポリマーケイ素化合物の具体例
としては、メチルヒドロポリシロキサン、エチルヒドロ
ポリシロキサン、フェニルヒドロポリシロキサン、シク
ロヘキシルヒドロポリシロキサン等があげられる。
【0017】このポリマーケイ素化合物の重合度は特に
限定されるものではないが、取り扱いを考えれば、粘度
が10センチストークスから100センチストークス程
度となるものが好ましい。またヒドロポリシロキサンの
末端構造は大きな影響をおよぼさないが、不活性基たと
えばトリアルキルシリル基で封鎖されることが好まし
い。
【0018】2)製造 成分(A−1)は、上記の各成分((A−1−i)〜(A
−1−iii))を接触させることによって製造することが
できる。
【0019】(1)量比 各成分の使用量は、本発明の効果が認められるかぎり任
意のものでありうるが、一般的には、次の範囲内が好ま
しい。
【0020】チタンテトラアルコキシドおよびポリチタ
ン酸エステル(成分(A−1−ii))の使用量(併用の場
合は合計量)は、ジハロゲン化マグネシウム(成分(A
−1−i))に対して、モル比で、0.1〜10の範囲内
でよく、好ましくは1〜4の範囲内である。
【0021】ポリマーケイ素化合物(成分(A−1−ii
i))の使用量は、ジハロゲン化マグネシウム(成分(A
−1−i))に対して、モル比で1×10-2〜100の範
囲内でよく、好ましくは0.1〜10の範囲内である。
【0022】(2)接触方法 本発明の固体成分(A−1)は、前述の三成分を接触さ
せて得られるものである。三成分の接触は、一般に知ら
れている任意の方法で行うことができる。一般に、−1
00℃〜200℃の温度範囲で接触させればよい。接触
時間は、通常10分から20時間程度である。
【0023】上記の三成分の接触は、撹拌下に行なうこ
とが好ましく、またボールミル、振動ミル、等による機
械的な粉砕によって接触させることもできる。三成分の
接触の順序は、本発明の効果が認められるかぎり任意の
ものでありうるが、ジハロゲン化マグネシウムとチタン
テトラアルコキシドを接触させて、次いでポリマーケイ
素化合物を接触させるのが一般的である。三成分の接触
は、分散媒の存在下に行なうこともできる。その場合の
分散媒としては、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ジア
ルキルポリシロキサン等があげられる。炭化水素の具体
例としては、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シクロヘ
キサン等があり、ハロゲン化炭化水素の具体例として
は、塩化n‐ブチル、1,2‐ジクロロエチレン、四塩
化炭素、クロルベンゼン等があり、ジアルキルポリシロ
キサンの具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メ
チル‐フェニルポリシロキサン等がある。
【0024】また、この際、特開昭59−80406号
公報に示すように、触媒性状制御の為にアルコール、有
機酸エステルその他の電子供与性化合物を共存させるこ
ともできる。
【0025】固体成分(A−1)は、成分(A−2)、
(A−3)と接触させる前に、不要成分、たとえば成分
(A−1−ii)および(A−1−iii)の未反応分、を洗
浄除去するのが好ましい。使用する洗浄用溶媒として
は、上記の分散媒の中から適当なものを選ぶことができ
る。従って、成分(A−1−i )〜(A−1−iii)の接
触を分散媒中で行なえば、洗浄操作を軽減することがで
きる。
【0026】成分(A−2) 成分(A−2)は、周期律表IVaもしくはIVb族のハロ
ゲン化物である。中でも好ましいものは、ケイ素もしく
はチタンのハロゲン化物である。
【0027】ケイ素のハロゲン化物は、一般式SiX
4-a で表わされる化合物が代表的である。ここで、
は炭化水素残基、好ましくは炭素数1〜10の炭化
水素残基、もしくはヒドロカルビルオキシ基、好ましく
は炭素数1〜10のアルコキシまたはアリロキシ基を示
す。また、Xはハロゲン、aは0<a≦4の数を示す。
この中でも、上記一般式においてa=3およびa=4の
トリハロゲン化ケイ素およびテトラハロゲン化ケイ素が
好ましい。
【0028】このような化合物の具体例としては、 SiCl、SiBr、CHSiCl、(C
)SiCl、(C)SiCl、Ph−Si
−Cl(Ph:フェニル)、(CSiCl
、(CO)SiCl、(CO)Si
Cl、CH(CO)SiCl、C
(CO)SiCl等があげられる。
【0029】チタンのハロゲン化物は、一般式TiX
(OR4-b で表わされる化合物が代表的である。こ
こで、Rは炭化水素残基であり、好ましくは炭素数1
〜10の炭化水素残基である。また、Xはハロゲン、b
は0<b≦4の数を示す。この中でも、トリハロゲン化
チタンおよびテトラハロゲン化チタンが好ましい。
【0030】このような化合物の具体例としては、 TiCl、TiBr、Ti(OC)Cl
Ti(OCCl、Ti(OC
l、Ti(OiC)Cl、Ti(OnC
)Cl、Ti(OnCCl、Ti
(OC)Br、Ti(OC)(OC
)Cl、Ti(OnCCl、Ti(O−
)Cl、Ti(OC11)Cl、Ti
(OC13)Cl等があげられる。
【0031】上記のケイ素のハロゲン化物ならびにチタ
ンのハロゲン化物は、各群内および(または)各群間で
併用することができる。
【0032】成分(A−3) (A−3)はホウ素のハロゲン化物である。このような
「ホウ素のハロゲン化合物」は、ホウ素の原子価3のう
ち少なくとも1つがハロゲンにより充足されているもの
を意味する。ホウ素の原子価の全てがハロゲンにより充
足されていないものである場合に、該元素の原子価を充
足すべきハロゲン以外の基としては、炭素数1〜12程
度の炭化水素残基、例えば炭素数1〜12のアルコキシ
基、炭素数1〜12のアリロキシ基、炭素数1〜12の
アルキルアミド基、ならびにヒドロキシル基、ヒドリド
基等を例示することができる。
【0033】成分(A−3)の具体例としては、三塩化
ホウ素、三臭化ホウ素、三沃化ホウ素、メチルジブロモ
ホウ素、エチルジブロモホウ素、イソプロピルジブロモ
ホウ素、ブチルジブロモホウ素、ヘキシルジブロモホウ
素、オクチルジブロモホウ素、シクロヘキシルジクロロ
ホウ素、フェニルジクロロホウ素、ジメチルジクロロホ
ウ素、ジエチルジクロロホウ素、ジブチルクロルホウ
素、ジフェニルクロルホウ素、メトキシジクロロホウ
素、エトキシジクロロホウ素、ブトキシジクロロホウ
素、フェノキシジクロロホウ素、ジエトキシクロロホウ
素、ジフェノキジクロロホウ素等を挙げることができ
る。
【0034】これらの中で好ましいものは、三塩化ホウ
素、三臭化ホウ素および三沃化ホウ素の三ハロゲン化ホ
ウ素である。
【0035】特に好ましいものは、三臭化ホウ素であ
る。 <成分(A)の合成>成分(A)は、成分(A−1)と
成分(A−2)の接触生成物に成分(A−3)を接触さ
せて得られたものである。
【0036】(1)量比 各成分の使用量は、本発明の効果が認められる限り任意
のものであるが、次の範囲が一般的に好ましい。
【0037】成分(A−2)の使用量は、成分(A−
1)中のTiに対して、モル比で0.01〜20の範囲
内でよく、好ましくは0.1〜10である。
【0038】成分(A−3)の使用量は、成分(A−
3)中のB量として成分(A−2)処理後の固体成分中
のTiに対して、モル比0.1〜20、好ましくは0.
5〜10、である。
【0039】(2)接触方法 成分(A−1)に対する成分(A−2)および成分(A
−3)の接触は、いずれの段階も、温度は−50℃〜2
00℃、時間は5分〜20時間程度で行うのが普通であ
る。
【0040】各成分の接触は、撹拌下に行なうことが好
ましく、またボールミル、振動ミル等による機械的な粉
砕によって接触させることもできるが、分散媒の存在下
に行なうことが好ましい。その時の分散媒は成分(A−
1)を製造するときに使用できるものから選んで使用で
きる。
【0041】成分(A−1)と成分(A−2)との反応
後は反応混合物中の未反応物などの不要成分を洗滌除去
するのが一般的であり、また好ましいものである。ま
た、成分(A−3)を反応させた後にも反応混合物中の
未反応物などの不要成分を洗滌除去する方法が一般的に
採用され、また好ましいものである。使用する洗滌溶媒
としては、固体成分(A−1)製造において使用できる
分散媒を使用する。
【0042】本発明に用いる成分(A)は、上述の様に
して得られた固体成分そのままであってもよいし、この
固体成分を必要に応じて有機アルミニウム化合物の存在
下にオレフィン類と接触させることなる予備重合に付し
たものであってもよい。
【0043】成分(A)が予備重合に付したものである
場合、この成分(A)を製造するためのオレフィン類の
予備重合条件は特に制限はないが、一般的には次の条件
が好ましい。重合温度としては0〜100℃が好まし
く、10〜90℃がより好ましい。重合量としては、固
体成分1gあたり0.001〜50gのオレフィン類を
重合させることが好ましく、0.1〜10gのオレフィ
ン類を重合させることがより好ましい。
【0044】予備重合時に使用することがある有機アル
ミニウム化合物成分としては、チーグラー型触媒の有機
アルミニウム化合物として一般的に知られているものが
使用できる。具体例としては、後述する成分(B)、す
なわち有機アルミニウム化合物、の説明の項に示す化合
物が使用できる。
【0045】予備重合時の有機アルミニウム成分の使用
量は、固体成分(A)のなかのTi成分に対してAl/
Ti(モル比)で0.2〜20が好ましく、0.5〜1
0がより好ましい。
【0046】予備重合時に使用するオレフィン類として
は、エチレン、プロピレン、1‐ブテン、1‐ヘキセン
および3‐メチル‐1‐ブテン、およびそれらの混合物
等があげられる。 <成分(B)>成分(B)は、有機アルミニウム化合物
である。成分(B)として使用するのに適した有機アル
ミニウム化合物の具体例としては、R 3-p AlX
たはR 3-q Al(OR(ここで、RおよびR
は各々同一または異なってもよい炭素数1〜20程度
の炭化水素残基または水素原子、Rは炭化水素残基、
Xはハロゲン、pおよびqはそれぞれ0≦p<3、0<
q<3の数、である)で表されるものがある。具体的に
は(イ)トリアルキルアルミニウム、たとえば、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ
オクチルアルミニウムおよびトリデシルアルミニウムな
ど、(ロ)アルキルアルミニウムハライド、たとえば、
ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルア
ルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキ
クロライドおよびエチルアルミニウムジクロライドな
ど、(ハ)ジアルキルアルミニウムハイドライド、たと
えば、ジエチルアルミニウムハイドライドおよびジブチ
ルアルミニウムハイドライドなど、(ニ)アルミニウム
アルコキシド、たとえば、ジエチルアルミニウムエトキ
シドおよびジエチルアルミニウムフェノキシドなど、が
あげられる。中でもトリアルキルアルミニウムが好まし
く、特に炭素数1〜4の炭化水素基を有するものが好ま
しい。
【0047】これらの有機アルミニウム化合物は、各群
内および(または)各群間で2種以上併用することがで
きる。たとえば、トリエチルアルミニウムとジエチルア
ルミニウムアルコキシドの併用、ジエチルアルミニウム
モノクロライドとジエチルアルミニウムエトキシドの併
用、エチルアルミニウムジクロライドとジエチルアルミ
ニウムエトキシドの併用、トリエチルアルミニウムとジ
エチルアルミニウムエトキシドとジエチルアルミニウム
モノクロライドの併用等、があげられる。 〔II〕エチレンの重合 エチレンまたはエチレンとα‐オレフィンとの共重合
は、スラリー重合法、気相重合法又は溶液重合法を使用
して行われ、連続重合にも回分重合にもあるいは予備重
合を行う方式にも適用される。スラリー重合の場合の溶
媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素が用
いられる。重合温度は、室温から200℃、好ましくは
50〜120℃、である。分子量の調節は周知のよう
に、一般に水素を用いて行われる。
【0048】重合圧力は、常圧から250kg/cm2 、好
ましくは2〜50kg/cm2 である。
【0049】エチレンと共重合させるα‐オレフィン
は、炭素数3〜10のものが好ましい。このようなα‐
オレフィンは、最終目的重合体の10モル%程度を占め
る迄の量を使用するのが普通である。
【0050】このようにして得られた本発明のエチレン
重合体は、中程度の分子量分布を有するものである。す
なわち、本発明によるエチレン重合体の荷重10kgおよ
び荷重2.16kgでのメルトインデックス(ASTM
D−1238−73)の比FRは:単独重合体では9以
上、である。
【0051】
【実施例】
<実施例1> (1) 成分(A)の合成 充分に窒素置換した内径10cmのフラスコに脱水および
脱酸素したn‐ヘプタン100ミリリットルを導入し、
次いでMgClを0.1モル、Ti(O−nC
を0.2モル導入し、95℃にて1時間反応
させた。そのとき使用した撹拌翼の径は6cmであった。
反応終了後、40℃に温度を下げ、メチルハイドロジェ
ンポリシロキサン15ミリリットル導入し、撹拌回転数
20rpmにして3時間反応させた。
【0052】反応終了後、生成した固体成分をn‐ヘプ
タンで洗浄し、その一部分をとり出して沈降法にて平均
粒径を測定したところ、25.5ミクロンであった。T
i担持率は14.7wt%であった。
【0053】ついで、充分にN置換した500ccフラ
スコに上記固体成分を50g入れ、ヘプタンを加えて全
体で250ccにした。30℃でエチルアルミニウムジク
ロリド1.07g(対Tiモル比0.055)を滴下
後、さらにSiCl 31cc(対Tiモル比1.8)
を滴下し、3時間反応させたのち、90℃に昇温してさ
らに3時間反応させた。その後、ヘプタンで充分に洗浄
した。Ti担持率は6.27wt%であった。
【0054】次に、上記固体成分5.0gをとり、これ
にヘプタンを加えて100ccにした。35℃で、三臭化
ホウ素4.9g(対Tiモル比3)を滴下し、35℃で
2時間反応させた。その後、ヘプタンで充分に洗浄して
触媒を得た。このもののTi担持率は、4.54wt%
であった。 (3) エチレンの重合 撹拌および温度制御装置を有する内容積1.5リットル
のステンレス鋼製オートクレーブに、充分に脱水および
脱酸素したn‐ヘプタンを800ミリリットル導入し、
続いてトリエチルアルミニウム270mgおよび前述で合
成した触媒10mgを順次導入した。
【0055】90℃に昇温し、水素を分圧で2.1kg/
cm2 、さらにエチレンを4.9kg/cm2 導入して、全圧
で7kg/cm2 Gとした。エチレンを供給してこの全圧を
保ちながら2時間重合を行った。重合終了後、エチレン
および水素をパージして、オートクレーブより内容物を
取り出し、このポリマースラリーを濾過して一昼夜乾燥
させた。その結果、105.2gのポリマーが得られた
(固体触媒収率:PY=10.20g−PE/g−固体
触媒)。MI(2.16kg荷重でのメルトインデック
ス)は2.65であり、FR(10kg荷重と2.16kg
荷重のメルトインデックス比で分子量分布の尺度であ
る。この値が大きい程分子量分布が広い)は9.7であ
った。
【0056】比較例−1 実施例−1において、三臭化ホウ素処理を施さない以外
は実施例−1と同様に触媒成分の調製ならびにエチレン
の重合を実施した。
【0057】結果、102.3gのポリマーが得られ
た。このポリマーのMIは1.39であり、FRは8.
4であった。
【0058】比較例−2 実施例−1において、三臭化ホウ素のかわりにSiCl
を対Tiモル比3で用いた以外は実施例−1と同様に
触媒成分の調製ならびにエチレンの重合を実施した。
【0059】触媒成分のTi担持率は3.96wt%で
あり、この触媒成分を使用する重合により58.2gの
ポリマーが得られた。このポリマーのMIは1.50で
FRは8.0であった。
【0060】実施例−2 実施例−1において、触媒合成時の三臭化ホウ素の使用
量を、対Tiモル比を2とした以外は実施例−1と同様
に触媒成分の調製ならびにエチレンの重合を実施した。
【0061】触媒成分のTi担持率は、4.57wt%
であり、この触媒成分を使用する重合により、112.
3gのポリマーが得られた。このポリマーのMIは2.
22であり、FRは9.4であった。
【0062】実施例−3 実施例−1において、触媒合成時の三臭化ホウ素のかわ
りに、三塩化ホウ素のジクロルメタン溶液(1.0M)
を対Tiモル比3で用いた以外は実施例−1と同様に触
媒成分の調製ならびにエチレンの重合を実施した。
【0063】触媒成分のTi担持率は4.13wt%で
あり、この触媒成分を使用する重合により92.1gの
ポリマーが得られた。このポリマーのMIは1.88、
FRは9.3であった。
【0064】実施例−4 (1) 成分Aの合成 充分に窒素置換したフラスコに脱水および脱酸素したn
‐ヘプタン100ミリリットルを導入し、次いでMgC
0.1モル、Ti(O−nCを0.2
モル導入し、95℃で2時間反応させた。反応終了後、
40℃に温度を下げ、次いでメチルハイドロジェンポリ
シロキサン(20センチストークスのもの)を12ミリ
リットル導入し、3時間反応させた。生成した固体成分
をn‐ヘプタンで洗浄した。
【0065】次いで、充分に窒素置換したフラスコに、
上記で合成した固体成分をMg原子換算60ミリモル導
入し、さらにn‐ヘプタンを加えて200ccにした。次
いで、SiCl 22ミリモルを25℃にて15分で
滴下した。さらに、TiCl 85ミリモルを25℃
にて30分で滴下し、昇温して、50℃にて3時間反応
させた。
【0066】反応終了後、生成物をn‐ヘプタンにて充
分洗浄した。
【0067】このもののTi担持率は、10.9wt%
であった。
【0068】次に、上記固体成分8.0gをとり、これ
にヘプタンを加えて100ccにした。25℃で、三臭化
ホウ素9.1g(対Tiモル比2)を滴下し、昇温して
50℃で2時間反応させた。その後、ヘプタンで充分に
洗浄した。このもののTi担持率は、2.01wt%で
あった。 (2) 予備重合 撹拌および温度制御装置を有する内容積1.5リットル
のステンレス鋼製オートクレーブに、充分に脱水および
脱酸素したn‐ヘプタン500ccで希釈した前述の固体
触媒成分4gを導入した。ついで、トリエチルアルミニ
ウム0.6gおよびジエチルアルミニウムクロリド0.
6gを導入した。つぎに、水素を分圧で1.2kg/c
m2 、さらにエチレンを16g/hr、で導入して、1.
0時間重合させた。重合後、エチレンおよび水素をパー
ジして、オートクレーブより内容物を取り出し、ヘプタ
ンで充分に洗浄した。
【0069】触媒1g当り、3.9gのポリマーを含有
した予備重合触媒が得られた。 (3) エチレンの重合 撹拌および温度制御装置を有する内容積1.5リットル
のステンレス鋼製オートクレーブに、充分に脱水および
脱酸素したn‐ヘプタンを800ミリリットル導入し、
続いてトリエチルアルミニウム270mgおよび前述で合
成した予備重合触媒49mgを順次導入した。
【0070】85℃に昇温し、水素を分圧で2.1kg/
cm2 、さらにエチレンを4.9kg/cm2 導入して、全圧
で7kg/cm2 Gとした。エチレンを供給してこの全圧を
保ちながら2時間重合を行った。重合終了後、エチレン
および水素をパージして、オートクレーブより内容物を
取り出し、このポリマースラリーを濾過して、一昼夜乾
燥させた。
【0071】結果、93.1gのポリマーが得られた。
このもののMIは3.64であり、FRは9.5であっ
た。
【0072】比較例−3 実施例−4において、三臭化ホウ素処理を施さない以外
は実施例−4と同様に触媒成分の調製ならびにエチレン
の重合を実施した。
【0073】このとき、予備重合触媒は触媒1g当た
り、実施例−4と同様に触媒1g当たり、3.9gのポ
リマーを含有していた。
【0074】88.1gのポリマーが得られた。このも
ののMIは3.12であり、FRは8.2であった。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、中程度により広がった
分子量分布を有するエチレン重合体を得ることができる
ことは「発明の概要」の項において前記したところであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、チーグラー触媒に関する本発明の技
術内容の理解を助けるためのフローチャート図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(A)および(B)からなる触
    媒に、エチレンもしくはエチレンと炭素数3〜12のα
    ‐オレフィンを接触させて重合させることを特徴とす
    る、エチレン重合体の製造法。成分(A) 下記成分(A−1)に成分(A−2)を接触させ、この
    接触生成物に成分(A−3)を接触させて得られるオレ
    フィン重合用固体触媒成分。 (A−1)下記の成分(A−1−i )、(A−1−ii)
    および(A−1−iii )からなる固体成分 (A−1−i )ジハロゲン化マグネシウム (A−1−ii)チタンテトラアルコキシドおよび/また
    はポリチタン酸エステル (A−1−iii ) で表わされる、繰り返し単位を有するポリマーケイ素化
    合物 (A−2)周期律表IVaもしくはIVb族のハロゲン化物 (A−3)ホウ素のハロゲン化物成分(B) 有機アルミニウム化合物
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6511935B2 (en) 1999-06-30 2003-01-28 Union Carbide Chemicals & Plastics Technology Corporation Methods of making magnesium/transition metal alkoxide complexes and polymerization catalysts made therefrom

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