JPH07145156A - チアゾールカルボン酸アミド誘導体およびこれを有効成分とする農園芸用殺菌剤 - Google Patents

チアゾールカルボン酸アミド誘導体およびこれを有効成分とする農園芸用殺菌剤

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JPH07145156A
JPH07145156A JP29300493A JP29300493A JPH07145156A JP H07145156 A JPH07145156 A JP H07145156A JP 29300493 A JP29300493 A JP 29300493A JP 29300493 A JP29300493 A JP 29300493A JP H07145156 A JPH07145156 A JP H07145156A
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compound
acid amide
agricultural
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thiazolecarboxylic acid
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JP29300493A
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Yukihiro Yoshikawa
幸宏 吉川
Hideo Kawashima
秀雄 川島
Kanji Tomitani
完治 冨谷
Yuji Yanase
勇次 柳瀬
Junro Kishi
淳郎 貴志
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、優れた殺菌効果を示すと共に、作
物に対しても安全な農園芸用殺菌剤を提供することを目
的とする。 【構成】 一般式(1) (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す)で表され
るチアゾールカルボン酸アミド誘導体、それを有効成分
として含有する殺菌剤およびそれを用いた植物病害防除
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なチアゾールカル
ボン酸アミド誘導体およびこれを有効成分として含有す
る農園芸用殺菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から極めて多岐にわたるカルボン酸
アミドが除草剤、殺菌剤として生理活性を示すことが広
く知られており、中でも安息香酸アミド、あるいはヘテ
ロ環カルボン酸アミドについては特許のみでなく、殺菌
剤として市販されている薬剤も多い。例えば、安息香酸
アミドとして3’−イソプロピルオキシ−2−メチルベ
ンズアニリド、あるいはα、α、α−トリフルオロ−
3’−イソプロピルオキシ−2−トルアニリドはイネ紋
枯病、ムギのさび病等に対する殺菌剤として市販されて
いる。また、ヘテロ環カルボン酸アミドとしては5,6
−ジヒドロ−2−メチル−1,4−オキサチイン−3−
カルボキシアニリド−4,4−ジオキシドはキク白さび
病、3,4−ジヒドロ−6−メチル−2H−ピラン−5
−カルボキシアニリドはムギのさび病に対する殺菌剤と
して市販されている。
【0003】さらに、Pestic.Sci.,38
1〜7(1993)には、チアゾールカルボン酸アミド
類がコハク酸脱水素酵素の働きを阻害することにより、
Rhizoctonia菌に対して活性を有すること、
Aust.J.Chem.,36.135〜147(1
983)には、ピラゾールカルボン酸アミド類が同様に
Rhizoctonia菌に対して活性を有することが
記載されている。
【0004】また、特開平5−221994号公報に
は、ニコチン酸アニリド類をはじめ各種ヘテロ環カルボ
ン酸アニリド類が記載されており、その中に、下記一般
式(2)(化2)に示したチアゾールカルボン酸アミド
誘導体もBotrytis菌に効果を有することが記載
されている。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、Aは2−および4−位において水
素、メチル、塩素、トリフルオロメチルにより置換され
ているチアゾールー5−イル、2−および5−位におい
て水素、メチル、塩素、トリフルオロメチルにより置換
されているチアゾールー4−イルを意味し、Rが場合に
よりハロゲンで置換されていてもよいC2〜C12アルキ
ル、場合によりハロゲンで置換されていてもよいC3
12アルケニル、C3〜C6アルキニル、場合によりハロ
ゲンで置換されていてもよいC2〜C12アルコキシ、場
合によりハロゲンで置換されていてもよいC3〜C12
ルケニルオキシ、C3〜C12アルキニルオキシ、場合に
よりC1〜C4アルキルで置換されていてもよいC4〜C6
シクロアルキル、場合によりC1〜C4アルキルで置換さ
れていてもよいC4〜C6シクロアルケニル、場合により
1〜C4アルキルで置換されていてもよいC5〜C6シク
ロアルキルオキシ、場合によりC1〜C4アルキルで置換
されていてもよいC5〜C6シクロアルケニルオキシ、場
合によりC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1
〜C4アルキルチオ、ハロゲンで置換されていてもよい
フェニルをそれぞれ意味する)
【0007】しかしながら、この発明の実施例に具体的
に開示されたチアゾール類で殺菌活性が示されているの
は、Aが4−位にトリフルオロメチル基により置換され
たチアゾール−5−イルで、かつRがアルキル基の場合
に限られている。また、この公報にはRがフェニル基、
フッ素置換フェニル基の場合も表中に記載されている
が、実施例の示されているのは、Aが4−位においてメ
チル基により置換されているチアゾール−5−イル基
で、かつRがフェニル基の場合の1例にとどまる。しか
も、この例に関しても殺菌活性は何ら示されていない。
本発明者らは実施例に具体的に開示された化合物および
表中の化合物について殺菌活性を試験したが、防除効果
は低く、実用的なものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
技術と比較して、優れた殺菌効果を示すと共に、作物に
対しても安全な農園芸用殺菌剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者らは
前記課題を解決するため、チアゾールカルボン酸アミド
誘導体について更に研究を進めた。その結果、チアゾー
ル環の4−位にトリフルオロメチル基を有し、アミン部
が2−アミノビフェニルである、新規なチアゾールカル
ボン酸アミド誘導体が、前述の特開平5−221994
号公報に記載された内容からは全く予測することのでき
ない新しい殺菌効果を示すことを見出し、本発明を完成
した。すなわち、本発明は、一般式(1)(化3)
【0010】
【化3】
【0011】(式中、Rは水素原子またはメチル基を示
す)で表されるチアゾールカルボン酸アミド誘導体およ
びこれを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤であ
る。
【0012】本発明化合物はチアゾール環の4−位にト
リフルオロメチル基を導入し、かつアミン部に2−アミ
ノビフェニルを導入したところに特徴がある。一方、特
開平5−221994号公報には、下記一般式(2)
(化4)に示されたチアゾールカルボン酸アミド誘導体
がBotrytis菌に効果を有することが記載されて
いる。
【0013】
【化4】
【0014】(式中、Aは2−および4−位において水
素、メチル、塩素、トリフルオロメチルにより置換され
ているチアゾールー5−イル、2−および5−位におい
て水素、メチル、塩素、トリフルオロメチルにより置換
されているチアゾールー4−イルを意味し、Rが場合に
よりハロゲンで置換されていてもよいC2〜C12アルキ
ル、場合によりハロゲンで置換されていてもよいC3
12アルケニル、C3〜C 6アルキニル、場合によりハロ
ゲンで置換されていてもよいC2〜C12アルコキシ、場
合によりハロゲンで置換されていてもよいC3〜C12
ルケニルオキシ、C3〜C12アルキニルオキシ、場合に
よりC1〜C4アルキルで置換されていてもよいC4〜C6
シクロアルキル、場合によりC1〜C4アルキルで置換さ
れていてもよいC4〜C6シクロアルケニル、場合により
1〜C4アルキルで置換されていてもよいC5〜C6シク
ロアルキルオキシ、場合によりC1〜C4アルキルで置換
されていてもよいC5〜C6シクロアルケニルオキシ、場
合によりC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1
〜C4アルキルチオ、ハロゲンで置換されていてもよい
フェニルをそれぞれ意味する)
【0015】すなわち、特開平5−221,994号公
報は上位概念として本発明の化合物を含有する。しかし
ながら、この公報は極めて広い範囲の化合物を請求して
いるが、実施例化合物は限られている。例えば、前記一
般式(II)で示された化合物に関して、殺菌効果の示
されているのは、Aが4−位においてトリフルオロメチ
ル基で置換されているチアゾール−5−イルで、かつR
がアルキル基の場合に限られる。また、(a)Aが4−
位においてトリフルオロメチル基で置換されているチア
ゾール−5−イルで、かつRがフッ素置換フェニル基の
場合、および(b)Aが4−位においてメチル基により
置換されているチアゾール−5−イルで、かつRがフェ
ニル基の場合が表中に記載されているが、実施例の示さ
れているのは(b)の1例にとどまる。しかも、この例
に関しても殺菌活性は何ら示されていない。本発明者ら
は、実施例の開示された化合物さらには表中の化合物に
ついても殺菌活性を試験したが、防除効果は低く、実用
的なものではなかった。
【0016】従って、本発明化合物は、チアゾール−5
−カルボン酸アミドにおいて、チアゾール環の4−位に
トリフルオロメチル基を導入し、かつアミン部として2
−アミノビフェニルを導入したところに特徴がある。こ
れらの特定の基を導入した意義は大きく、本発明の化合
物は前記先行技術、特開平5−221,994号公報に
記載された化合物がほとんど防除効果を示さないか、極
めて弱い効果しか示さない植物病害に対して全く予測出
来ないような優れた防除効果を示すことがわかった。
本発明の一般式(1)で表されるチアゾールカルボン酸
アミド誘導体は新規化合物であり、以下の反応式(1)
(化5)に示した方法により製造される。
【0017】
【化5】
【0018】(式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは前
記と同様である)すなわち、一般式(3)で表されるチ
アゾールカルボン酸ハライドと2−アミノビフェニル
を、溶融状態または溶媒中で反応させることにより製造
できる。
【0019】本反応に使用される溶媒としては反応に不
活性なものであればよく、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、クロロベンゼン等の芳香族類、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、酢酸
エチル等のエステル類、ジクロロメタン、クロロホル
ム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プ
ロトン性極性溶媒等があげられる。
【0020】本反応はまた塩基の存在下に行ってもよ
く、塩基として例えば、トリエチルアミン、ピリジン、
N、N−ジメチルアニリン等の有機塩基、水素化ナトリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基
があげられる。反応温度は0〜150℃である。一般式
(4)のカルボン酸ハライドは公知の方法で製造され
る。
【0021】本発明の一般式(1)で表される化合物を
有効成分として含有する農園芸用殺菌剤は、キュウリ、
トマト、イチゴ、ブドウ等各種作物の灰色かび病、キュ
ウリうどんこ病、大麦うどんこ病、小麦うどんこ病、イ
チゴうどんこ病、ブドウうどんこ病、リンゴうどんこ
病、小麦赤さび病等に対し優れた防除効果を示す。
【0022】本発明に係わる一般式(1)で表される化
合物を農園芸用殺菌剤として使用する場合は、処理する
植物に対して原体をそのまま使用してもよいが、一般に
は不活性な液体担体または固体担体と混合し、通常用い
られる製剤形態である粉剤、水和剤、フロワブル剤、乳
剤、粒剤およびその他の一般に慣用される形態の製剤と
して使用される。更に製剤上必要ならば補助剤を添加す
ることもできる。
【0023】ここでいう担体とは、処理すべき部位への
有効成分の到達を助け、また有効成分化合物の貯蔵、輸
送、取扱いを容易にするために配合される合成または天
然の無機または有機物質を意味する。担体としては、通
常農園芸用薬剤に使用されるものであるならば固体また
は液体のいずれでも使用でき、特定のものに限定される
ものではない。
【0024】例えば、固体担体としては、モンモリロナ
イト、カオリナイト等の粘土類、珪藻土、白土、タル
ク、バーミュキュライト、石膏、炭酸カルシウム、シリ
カゲル、硫安等の無機物質、大豆粉、鋸屑、小麦粉等の
植物性有機物質および尿素等があげられる。
【0025】液体担体としては、トルエン、キシレン、
クメン等の芳香族炭化水素類、ケロシン、鉱油などのパ
ラフィン系炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン
などのケトン類、ジオキサン、ジエチレングリコールジ
メチルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、エチレングリコールなどのアルコ
ール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
および水等があげられる。
【0026】更に本発明化合物の効力を増強するため
に、製剤の剤型、適用場面等を考慮して目的に応じてそ
れぞれ単独に、または組み合わせて次の様な補助剤を使
用することもできる。補助剤としては、通常農園芸用薬
剤に使用される界面活性剤、結合剤(例えば、リグニン
スルホン酸、アルギン酸、ポリビニルアルコール、アラ
ビアゴム、CMCナトリウム等)、安定剤(例えば、酸
化防止用にフェノール系化合物、チオール系化合物また
は高級脂肪酸エステル等を用いたり、pH調整剤として
燐酸塩を用いたり、時に光安定剤も用いる)等を必要に
応じて単独または組み合わせて使用できる。更に場合に
よっては防菌防黴のために工業用殺菌剤、防菌防黴剤な
どを添加することもできる。
【0027】補助剤について更に詳しく述べる。乳化、
分散、拡展、湿潤、結合、安定化等の目的ではリグニン
スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキ
ル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸
塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩等
のアニオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエ
ーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオ
キシアルキレンアルキルアミド、ポリオキシアルキレン
アルキルアミド、ポリオキシアルキレンアルキルチオエ
ーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シプロピレンポリオキシエチレンブロックポリマー等の
非イオン性界面活性剤、ステアリン酸カルシウム、ワッ
クス等の滑剤、イソプロピルヒドロジエンホスフェート
等の安定剤、その他メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、カゼイン、アラビアゴム等があげられ
る。しかし、これらの成分は以上のものに限定されるも
のではない。
【0028】本発明に係わる農園芸用殺菌剤における一
般式(1)で表される化合物の含有量は、製剤形態によ
っても異なるが、通常粉剤では0.05〜20重量%、
水和剤では0.1〜80重量%、乳剤では1〜50重量
%、フロワブル製剤では1〜50重量%、ドライフロワ
ブル製剤では1〜80重量%であり、好ましくは、粉剤
では0.5〜5重量%、水和剤では5〜80重量%、粒
剤では0.5〜8重量%、乳剤では5〜20重量%、フ
ロワブル製剤では5〜30重量%およびドライフロワブ
ル製剤では5〜50重量%である。
【0029】補助剤の含有量は0〜80重量%であり、
担体の含有量は、100重量%から有効成分化合物およ
び補助剤の含有量を差し引いた量である。
【0030】本発明組成物の施用方法としては種子消
毒、茎葉散布等が挙げられるが、通常当業者が利用する
どの様な施用方法にても十分な効力を発揮する。施用量
および施用濃度は対象作物、対象病害、病害の発生程
度、化合物の剤型、施用方法および各種環境条件等によ
って変動するが、散布する場合には有効成分量としてヘ
クタール当たり50〜1,000gが適当であり、望ま
しくはヘクタール当り100〜500gである。また水
和剤、フロワブル剤または乳剤を水で希釈して散布する
場合、その希釈倍率は200〜20,000倍が適当で
あり、望しくは1,000〜5,000倍である。
【0031】本発明の農園芸用殺菌剤は他の殺菌剤、殺
虫剤、除草剤および植物成長調節剤等の農薬、土壌改良
剤または肥効物質との混合使用は勿論のこと、これらと
の混合製剤も可能である。殺菌剤としては例えば、トリ
アジメホン、ヘキサコナゾール、プロクロラズ、トリフ
ルミゾール等のアゾール系殺菌剤、メタラキシル、オキ
サディキシル等のアシルアラニン系殺菌剤、チオファネ
ートメチル、ベノミル等のベンズイミダゾール系殺菌
剤、マンゼブ等のジチオカーバメート系殺菌剤およびテ
トラクロロイソフタロニトリル、硫黄等があげられ、殺
虫剤としては例えば、フェニトロチオン、ダイアジノ
ン、ピリダフェンチオン、クロルピリホス、マラソン、
フェントエート、ジメトエート、メチルチオメトン、プ
ロチオホス、DDVP、アセフェート、サリチオン、E
PN等リン系殺虫剤、NAC、MTMC、BPMC、ピ
リミカーブ、カルボスルファン、メソミル等のカーバメ
ート系殺虫剤およびエトフェンプロックス、ペルメトリ
ン、フェンバレレート等のピレスロイド系殺虫剤等があ
げられるが、これに限定されるものではない。
【0032】
【実施例】次に実施例をあげて本発明化合物の製造法を
具体的に説明する。 実施例1 N−(2−フェニルフェニル)−2−メチル−4−トリ
フルオロメチルチアゾール−5−カルボン酸アミド(化
合物1)の製造 2−メチル−4−トリフルオロメチルチアゾール−5−
カルボン酸4gをトルエン50mlに懸濁させ、これに
五塩化リン4.74gを装入し、3時間加熱還流してク
ロル化させ、減圧下に溶媒を留去した。析出物にテトラ
ヒドロフラン30ml,ピリジン1.8gを装入し,室
温で攪拌しながら2−アミノジフェニル3.56gを加
え、2時間攪拌した。反応後、水に排出し、酢酸エチル
で抽出後、有機層を2N−塩酸、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液で各々洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥す
る。減圧下に溶媒を留去した、シリカゲルでカラムクロ
マトグラフィーにて精製して、目的物5.3gを得た
(収率73%)。 m.p.:121.6〜122.8℃1 H-NMR(CDCl3,δ値):2.70(3H,s),7.22〜7.51(m,8H)、7.7
3(brs,1H)、8.34(d,J=8.8,1H)、 IR(cm-1):3273,1681,1520,1173,755
【0033】実施例2 N−(2−フェニルフェニル)−4−トリフルオロメチ
ルチアゾール−5−カルボン酸アミド(化合物2)の製
造 実施例1において、カルボン酸として4−トリフルオロ
メチルチアゾール−5−カルボン酸を用いた以外は全く
同様の方法で目的物を得た(収率70%)。 m.p.:117〜120℃1 H-NMR(CDCl3,δ値):7.25〜7.32(m,2H),7.35〜7.38(m,2
H),7.41〜7.45(m,4H) 7.81(brs,1H),8.37(d,J=8.1,1H),8.81(s,1H) IR(cm-1):3242,3070,1651,1548,1510,1190,1132,750
【0034】参考例1 N−(2−フルオロフェニルフェニル)−2−メチル−
4−トリフルオロメチルチアゾール−5−カルボン酸ア
ミド(対照化合物A) 実施例1において、アミンとして2’−フルオロ−2−
アミノジフェニルを用いた以外は全く同様の方法で行っ
た。 m.p.:98.5〜100.3℃1 H-NMR(CDCl3,δ値):2.76(s,3H),7.15〜7.24(m,2H),7.3
0〜7.77(m,6H),7.86(brs,1H) IR(cm-1):3293,1657,1601,1556,1359,991,758
【0035】参考例2 N−(2−イソプロピルフェニル)−2−メチル−4−
トリフルオロメチルチアゾール−5−カルボン酸アミド
(対照化合物B) 実施例1において、アミンとして2−イソプロピルアニ
リンを用いた以外は全く同様の方法で行った。 m.p.:114.0〜115.2℃1 H-NMR(CDCl3,δ値):1.25(d,J=6.6,6H),2.77(s,3H),3.0
4(septet,J=6.6,1H) 7.24〜7.27(m,2H),7.29〜7.36(m,1H),7.58〜7.69(m,1H) 7.73(brs,1H) IR(cm-1):3205,2968,1649,1561,1527,1173,1131
【0036】参考例3 N−(2−フェニルフェニル)−2,4−ジメチルチア
ゾール−5−カルボン酸アミド(対照化合物C) 実施例1において、カルボン酸として2,4−ジメチル
チアゾール−5−カルボン酸を用いた以外は全く同様の
方法で行った。 m.p.:132〜133℃1 H-NMR(CDCl3,δ値):2.34(s,3H),2.62(s,3H),7.17〜7.2
9(m,3H),7.37〜7.77(m,6H),8.42(d,J=8.1,1H) IR(cm-1):3373,1667,1525,1310,1177,755
【0037】製剤例および生理試験例 次に本発明に係わる農園芸用殺菌剤の製剤例および試験
例を示す。 製剤例1 粉剤 化合物番号1の化合物3部、ケイソウ土20部、白土3
0部およびタルク47部を均一に粉砕混合して粉剤10
0部を得た。
【0038】製剤例2 水和剤 化合物番号2の化合物30部、ケイソウ土47部、白土
20部、リグニンスルホン酸ナトリウム1部およびアル
キルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部を均一に粉砕混
合して水和剤100部を得た。
【0039】製剤例3 乳剤 化合物番号1の化合物10部、シクロヘキサン10部、
キシレン50部およびソルボール(東邦化学製界面活性
剤)20部を均一に溶解混合し、乳剤100部を得た。
【0040】製剤例4 水和剤 化合物番号1の化合物50部、タルク40部、ラウリル
リン酸ナトリウム5部およびアルキルナフタレンスルホ
ン酸ナトリウム5部を混合し、水和剤100部を得た。
【0041】製剤例5 水和剤 化合物番号1の化合物50部、リグニンスルホン酸ナト
リウム10部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ム5部、ホワイトカーボン10部およびケイソウ土25
部を混合粉砕し、水和剤100部を得た。
【0042】製剤例6 フロワブル剤 化合物番号1の化合物40部、カルボキシメチルセルロ
ース3部、リグニンスルホン酸ナトリウム2部、ジオク
チルスルホサクシネートナトリウム塩1部および水54
部をサンドグラインダーで湿式粉砕し、フロワブル剤1
00部を得た。
【0043】次に本発明化合物の農園芸用殺菌剤として
の効力を試験例によって説明する。なお試験例において
は、上記参考例の化合物を対照剤として用いた。
【0044】試験例1 インゲン灰色かび病防除効果試
験 温室内で直径7.5cmのビニールポットに子葉の展開
まで2本づつ生育させたインゲン(品種:つるなしトッ
プクロップ)に、製剤例5に準じて調製した水和剤を所
定濃度に希釈して、4ポット当たり50mlづつ散布し
た。薬液が風乾した後、PDA培地上で培養した灰色か
び病菌から調製した分生胞子懸濁液(1×105個/m
l)を子葉上に噴霧接種し、20〜23℃、湿度95%
以上の温室に7日間保った。接種7日後、インゲン1葉
当たりに灰色かび病の病班が占める面積を次の指標に従
って調査した。結果を第1表(表1)に示す。
【0045】発病度 0:発病なし 1:病班の面積が5%以下 2:病班の面積が5〜25% 3:病班の面積が25〜50% 4:病班の面積が50%以上 各処理区および無処理区の平均値を発病度とした 防除価(%)=(1−処理区の発病度/無処理区の発病
度)×100
【0046】
【表1】
【0047】試験例2 キュウリうどんこ病防除効果試
験 温室内で直径7.5cmのビニールポットに2本づつ生
育させたキュウリ(品種:促成ニッポン)の第一葉期苗
に、製剤例5に準じて調製した水和剤を所定濃度に希釈
して、4ポット当たり50mlづつ散布した。薬液が風
乾した後、予めキュウリ葉上で発生させておいたキュウ
リうどんこ病菌胞子を軽く葉上に振るい落として接種し
た。接種10日後、キュウリ1葉当たりにうどんこ病の
病班が占める面積を次の指標に従って調査した。結果を
第2表(表2)に示す。
【0048】発病度 0:発病なし 1:病班の面積が5%以下 2:病班の面積が5〜25% 3:病班の面積が25〜50% 4:病班の面積が50%以上 各処理区および無処理区の平均値を発病度とした 防除価(%)=(1−処理区の発病度/無処理区の発病
度)×100
【0049】
【表2】 表中、+++は薬害(白化)の程度を示す。無印は薬害
なし。
【0050】試験例1および2の結果は、一般式(1)
で表される本発明化合物が対照化合物に比べてキュウリ
灰色かび病およびキュウリうどんこ病に対して優れた防
除効果を示すとともに、作物に対しても安全であること
を示している。この様な結果は前記先行技術からは全く
予想できないものである。
【0051】
【発明の効果】本発明の一般式(1)で表される化合物
を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤は、キュウ
リ、トマト、イチゴ、ブドウ等各種作物の灰色かび病、
キュウリうどんこ病、大麦うどんこ病、小麦うどんこ
病、イチゴうどんこ病、ブドウうどんこ病、リンゴうど
んこ病、小麦赤さび病等に対し優れた防除効果を示し、
農園芸用殺菌剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳瀬 勇次 千葉県茂原市東郷1144番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 貴志 淳郎 千葉県茂原市東郷1144番地 三井東圧化学 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 (1)(化1) 【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す)で表され
    るチアゾールカルボン酸アミド誘導体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式(1)の化合物
    を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の一般式(1)化合物を
    植物病原菌類またはその生息場所に施用することを特徴
    とする植物病害の防除方法。
JP29300493A 1993-11-24 1993-11-24 チアゾールカルボン酸アミド誘導体およびこれを有効成分とする農園芸用殺菌剤 Pending JPH07145156A (ja)

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