JPH07138248A - レチノイドとアスコルビン酸からなるエステル化合物およびその誘導体ならびにそれらの製造法 - Google Patents

レチノイドとアスコルビン酸からなるエステル化合物およびその誘導体ならびにそれらの製造法

Info

Publication number
JPH07138248A
JPH07138248A JP5291801A JP29180193A JPH07138248A JP H07138248 A JPH07138248 A JP H07138248A JP 5291801 A JP5291801 A JP 5291801A JP 29180193 A JP29180193 A JP 29180193A JP H07138248 A JPH07138248 A JP H07138248A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
compound
salt
same
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5291801A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Nagamine
興治 長峯
Masayoshi Itou
允好 伊藤
Yumiko Yamano
由美子 山野
Hiroaki Kusaka
博昭 日下
Yoshihiro Yamamoto
佳弘 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP5291801A priority Critical patent/JPH07138248A/ja
Publication of JPH07138248A publication Critical patent/JPH07138248A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 例えば食品用の抗酸化剤として有用な新規化
合物およびその製造法の提供。 【構成】 式(I): 【化1】 [式中、R1は、 【化2】 (X1およびX2は、同一または異なってアルキル基、ヒ
ドロキシルアルキル基、またはカルボキシル基を示
す。)を示し、R2、R3およびR4は、同一または異な
って水素または有機残基を示す。また、R3およびR4
一緒になってアセタールまたはケタールを形成していて
もよい。さらに、nは1〜10であり、[ ]内は、すべ
ての立体異性体を含む。]で表される化合物またはその
塩、ならびにその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規化合物である、レ
チノイドとアスコルビン酸からなるエステル化合物およ
びその誘導体ならびにそれらの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、アスコルビン酸、およびレチ
ノイドの誘導体については各種化合物が報告されている
(特開昭60−130582号、特開昭61−2639
69号、ザ・レチノイド(The retinoids)第1巻、7
〜145頁(1984)など)。しかし、脂溶性ビタミン
であるレチノイド類と水溶性ビタミンであるアスコルビ
ン酸のエステル化合物およびその誘導体は報告されてい
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】レチノイドは、ビタミ
ンAおよびその関連化合物である。ビタミンAは、動物
の成長、正常な視覚の維持、上皮組織の正常な分化調
節、免疫機構の維持、抗腫瘍効果等が認められている脂
溶性のビタミンである。しかし、ポリエン骨格をもつた
め空気、酸、熱、金属イオンなどに非常に敏感で不安定
である。一方、アスコルビン酸は、水溶性ビタミンであ
るビタミンCであり、強い還元力を示し、コラーゲンの
生合成、チロシンの代謝、カテコールアミンの生合成、
生体異物の解毒、脂質代謝系の関与などが、認められる
物質である。そこで、レチノイドとアスコルビン酸から
なるエステル化合物およびその誘導体は、ビタミンAお
よびビタミンCの性質、活性を合わせ持つ物質としての
期待が持たれ、さらには、ビタミンAおよびビタミンC
に認められなかった新たな生理活性効果が期待される。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる事情に鑑み、本発
明者らは鋭意研究を行った結果、新規化合物である、レ
チノイドとアスコルビン酸からなるエステル化合物およ
びその誘導体の創製に成功し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、(1)式(I):
【0005】
【化7】
【0006】[式中、R1は、
【0007】
【化8】
【0008】(XおよびX2は、同一または異なっ
て、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、またはカルボ
キシル基を示す。)を示し、R2、R3およびR4は、同
一または異なって水素または有機残基を示す。また、R
3およびR4が一緒になってアセタールまたはケタールを
形成していてもよい。さらに、nは1〜10であり、
[ ]内は、すべての立体異性体を含む。]で表される化
合物またはその塩、(2)R2、R3およびR4が水素で
ある上記(1)記載の化合物またはその塩、(3)
2、R3およびR4が、それぞれ置換されていてもよい
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基または
アシル基から選ばれる有機残基である上記(1)記載の
化合物またはその塩、(4)X1およびX2が、同一また
は異なって、メチル基、ヒドロキシメチル基またはカル
ボキシル基である上記(1)記載の化合物またはその
塩、(5)R1
【0009】
【化9】
【0010】で示される基である上記(1)記載の化合
物またはその塩、(6)nが1〜5である上記(1)記
載の化合物またはその塩、および(7)nが2である上
記(6)記載の化合物またはその塩、(8)式(II): [式中、R1は、一般式(I)と同意義、R5は、ハロゲン
または式(III):
【0011】
【0012】(X5は、置換されていてもよい炭素数1
〜4の直鎖状または分枝状のアルキル基を示す。)で表
される置換基を示し、nは1〜10であり、[ ]内はす
べての立体異性体を含む。]で表される化合物と、式
(IV)
【0013】
【化10】
【0014】[式中、R2、R3およびR4は式(I)と同
意義であり、R3およびR4は一緒になってアセタールま
たはケタールを形成していてもよい。R6は、水素、ア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。]で表され
る化合物を反応させることを特徴とする式(I):
【0015】
【化11】
【0016】[式中、R1は、
【0017】
【化12】
【0018】(XおよびX2は、同一または異なっ
て、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、またはカルボ
キシル基を示す。)を示し、R2、R3およびR4は、同
一または異なって水素または有機残基を示す。また、R
3およびR4が一緒になってアセタールまたはケタールを
形成していてもよい。さらに、nは1〜10であり、
[ ]内は、すべての立体異性体を含む。]で表される化
合物の製造法に関する。
【0019】式(I)において、R2、R3およびR4で示
される有機残基としては、アルキル基、シクロアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリ
ール基、ヘテロ環基、アシル基などが挙げられる。これ
らの基はそれぞれ、ハロゲン(例、塩素、臭素、ヨウ
素、フッ素など)、シアノ、ヒドロキシル、カルボキシ
ルまたはそのエステル、ニトロ、アミノカルボニル、C
1-22アシル(例、ホルミル、アセチル、プロピオニル、
ブチリル、ステアロイル、オレオイルなど)、C1-22
ルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブト
キシ、ヘキシルオキシなど)などの置換基を有していて
もよい。
【0020】R2、R3およびR4で示される有機残基と
して例示されるアルキル基としては、直鎖状または分枝
状の炭素数1〜22のアルキル基が好ましく、さらに炭
素数1〜10のものが好ましく、とりわけ炭素数1〜5
のものが好ましい。その具体例としては、メチル、エチ
ル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、n−ペンチル、iso−アミル、tert
−アミル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n
−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n
−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n
−ヘキサデシル、 n−ヘプタデシル、n−オクタデシ
ル、n−エイコシル、n−ドコシル、n−テトラコシル、n
−ペンタコシルなどが挙げられる。
【0021】R2、R3およびR4で示される有機残基と
して例示されるシクロアルキル基としては、炭素数3〜
8、好ましくは5〜7のものが挙げられる。その例とし
ては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル
などが挙げられる。
【0022】R2、R3およびR4で示される有機残基と
して例示されるアルケニル基としては、炭素数2〜2
2、好ましくは2〜10のものが挙げられる。その例と
しては、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、
ヘプテニル、ノニル、ウンデセニル、トリデセニル、ペ
ンタデセニル、ヘプタデセニル、ノナデセニル、エイコ
セニルなどが挙げられる。
【0023】R2、R3およびR4で示される有機残基と
して例示されるアルキニル基としては、炭素数2〜2
2、好ましくは2〜10のものが挙げられる。具体的に
は、エチニル、プロピニル、ブチニル、ヘキシニル、オ
クチニル、ノニニル、デシニル、ドデシニル、テトラデ
シニル、ヘプタデシニル、オクタデシニル、エイコデシ
ニルなどが挙げられる。
【0024】R2、R3およびR4で示される有機残基と
して例示されるアラルキル基としては、炭素数6〜1
4、好ましくは炭素数6〜8のアリールと炭素数1〜
6、好ましくは1〜3のアルキル基よりなるものが挙げ
られる。具体的には、ベンジル、フェニルエチル、メチ
ルベンジル、ナフチルメチルなどが挙げられる。
【0025】R2、R3およびR4で示される有機残基と
して例示されるアリール基としては、炭素数6〜14、
好ましくは炭素数6〜8のもの、具体的には、フェニ
ル、ナフチルなどが挙げられる。該アリール基は、置換
されていてもよく、その置換基は、上記置換基[すなわ
ちハロゲン(例、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素など)、
シアノ、ヒドロキシル、カルボキシルまたはそのエステ
ル、ニトロ、アミノカルボニル、C1-22アシル(例、ホ
ルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ステアロ
イル、オレオイルなど)、C1-22アルコキシ(例、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキ
シなど)]のほか、例えばそれぞれ上記したアルキル
基、アルケニル基およびアルキニル基から選ばれる。置
換基は該アリール基の環の置換可能ないずれの位置にあ
ってもよい。
【0026】R2、R3およびR4で示される有機残基と
して例示されるヘテロ環基は、環構成原子として窒素、
酸素および硫黄から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原
子を含有する5〜7員環基を意味し、芳香族ヘテロ環基
および非芳香族ヘテロ環基の双方を包含する。芳香族ヘ
テロ環基としては、例えばピリジル、テトラゾリル、フ
リル、チエニルなどが挙げられる。非芳香族ヘテロ環基
としては、例えばテトラヒドロフラニル、ジヒドロピラ
ニルなどが挙げられる。該ヘテロ環基は、上記アリール
基の置換基と同様の基および位置で置換されていてもよ
い。
【0027】R2、R3およびR4で示される有機残基と
して例示されるアシル基としては、炭素数1〜22、好
ましくは炭素数1〜8のものが挙げられる。具体的に
は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イ
ソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘ
キサノイル、ヘプタノイル、オタクノイル、ノナノイ
ル、デカノイル、ウラロイル、ミリストイル、パルミト
イル、ステアロイル、ベンゾイルが挙げられる。
【0028】さらに、R3およびR4が一緒になってアセ
タール残基またはケタール残基を形成していてもよい。
この場合、R3およびR4は、式(V):
【0029】
【化13】
【0030】[式中、X3およびX4は、同一または異な
って、水素原子、アルキル基または置換されていてもよ
いフェニル基を示す]で表される。X3またはX4で示さ
れるアルキル基としては、上記R2で示されるアルキル
基と同様のものが挙げられる。このうちメチルおよびエ
チルが好ましい。X3で示される置換されていてもよい
フェニル基の置換基としては、上記R2で示されるアリ
ール基の置換基と同様のものが挙げられる。このうちp
−メトキシ基が好ましい。本発明においては、X3およ
びX4がメチル基である場合が好ましい。
【0031】また、nは1〜10の範囲、好ましくは1
〜5の範囲であり、[ ]内は、すべての立体異性体を含
む。
【0032】本発明の式(I)で表される化合物は、式(I
I): [式中、R1は、一般式(I)と同意義、R5は、ハロゲン
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)または式(II
I):
【0033】
【0034】(Xは、置換されていてもよい炭素数1
〜4の直鎖状または分枝状のアルキル基(例、メチル
基、トリフルオロメチル基、エチル基など)を示す。)
で表される置換基を示し、nは1〜10、好ましくは1
〜5であり、[ ]内はすべての立体異性体を含む。]で
表される化合物と、式(IV)
【0035】
【化14】
【0036】[式中、R2、R3およびR4は式(I)と同意
義であり、R3およびR4は一緒になって上記式(V)で
表されるアセタールまたはケタールを形成していてもよ
い。R6は、水素、アルカリ金属(例、リチウム、ナト
リウム、カリウムなど)またはアルカリ土類金属(例、
マグネシウム、カルシウムなど)を示す。]で表される
化合物を反応させることによって製造することができ
る。
【0037】式(IV)で表される化合物の使用量は、式(I
I)で表される化合物に対して0.5当量以上、好ましく
は、0.5〜3当量である。反応溶媒としては、反応を
阻害しない物であれば特に制限はないが、好ましくは、
ハロゲン化炭化水素類(例、塩化メチレン、クロロホル
ム)、エーテル類(例、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、1,2−ジメトキシエタンなど)、ジメチルホルム
アミドなどが用いられる。これらの溶媒は、単独または
混合して使用することができる。さらに、必要に応じ
て、ピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン等の三級アミンを塩基
として反応溶媒に加えてもよい。反応温度は、−50℃
〜100℃であり、好ましくは、20℃〜50℃であ
る。反応時間は、0.5時間〜30時間程度である。本
反応によって得られる化合物は、常法により反応溶媒を
除去後、再結晶、再沈澱、カラムクロマトグラフィーな
どの一般的な方法によって精製される。この方法によっ
て得られる化合物の置換基を、一般的な方法によって修
飾し、式(I)に包含される化合物に変換してもよい。
【0038】上記反応において原料として用いた式(II)
で表される化合物は、公知方法により製造することがで
きる。例えば、下記実施例1および実施例2−1で原料
として使用するレチノイル フルオライドは、アルン・
ビー・バルア(Arun B.Barua)およびジェイムズ・エイ
・オルソン(James A. Olson)、バイオキミカ・エト・
バイオフィジイカ・アクタ(Biochimica et Biophysic
a Acta)757,288−295(1983)にて報告さ
れている方法で製造される。また、式(IV)で表される化
合物も、公知方法により製造することができる。例え
ば、下記実施例1で原料として使用するL−アスコルビ
ン酸 5,6−アセトナイドは、チャン・チェン・ウェイ
(Chung Chen Wei)ら、ジャーナル・オブ・オーガニッ
ク・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry),
,3462−3467(1985)にて報告されている
方法で製造される。
【0039】本発明の式(I)で表される化合物は、抗酸
化作用を有し、例えば食品用の抗酸化剤として有用であ
る。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 3−レチノイル L−アスコルビン酸 5,6−アセト
ナイド L−アスコルビン酸 5,6−アセトナイド453mg(2.
1mmol)のピリジン溶液3mlにレチノイル フルオライド
290mg(0.96mmol)の塩化メチレン溶液7mlを加
え、室温で15時間撹拌して反応する。反応液を酢酸エ
チルで希釈し、希塩酸および水で順次洗浄する。無水硫
酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去して得られた残渣
を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液
酢酸エチル:ヘキサン=2:3)により精製して3−レチ
ノイル L−アスコルビン酸 5,6−アセトナイド28
0mg(収率59%)が黄色油状物質として得られた。得ら
れた化合物は、抗酸化性を示した。 MS m/z:498.263(M+,C29387) IR(CHCl3)cm-1:3540、3280、1780、
1720(sh)、1705、1600、1565 UV(EtOH)λ:365nm1 H−NMR(CDCl3)δ:1.04(6H,s,1'−gem−
Me)、1.37,1.40(それぞれ3H,s,OCMe2
O)、1.73(3H,s,5'−Me)、2.05(3H,s,9'
−Me)、2.44(3H,s,13'−Me)、4.07,4.1
8(それぞれ1H,dd,J=8,7Hz,6−H2)、4.35
(1H,td,J=7,2.5Hz,5−H)、4.75(1H,d,
J=2.5Hz,4−H)、5.88(1H,br s,14'−
H)、6.19(1H,d,J=16Hz,8'−H)、6.20
(1H,br d,J=11.5Hz, 10'−H)、6.35(1
H,d,J=15Hz,12'−H)、6.41(1H,br d,J
=16Hz,7'−H)、7.22(1H,dd,J=15,11.
5Hz,11'−H)、7.94(1H,br s,2−OH)
【0041】実施例2−1 3−レチノイル L−アスコルビン酸 レチノイル フルオライド304mg(1.01mmol)および
L−アスコルビン酸ナトリウム304mg(1.54mmol)
のジメチルホルムアミド溶液7mlを室温で1時間撹拌反
応する。反応液を酢酸エチルで希釈し、水洗後、無水硫
酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去して得られた残
渣をカラムクロマトグラフィー(コスモシル(Cosmosil)
140C18−OPN、溶出液 テトラヒドロフラン:ア
セトニトリル=1:9)を用いて精製し、3−レチノイル
L−アスコルビン酸396mg(収率86%)を淡黄色結
晶として得た。得られた化合物は、抗酸化性を示した。 MS m/z:458.231(M+,C26347) IR(CHCl3)cm-1:3600−3150、1775、
1720、1705、1600、1565 UV(EtOH)λ:365nm1 H−NMR(CDCl3)δ:1.04(6H,s,1'−gem−
Me)、1.73(3H,s,5'−Me)、2.05(3H,s,9'
−Me)、2.43(3H,s,13'−Me)、3.83(1H,d
d,J=11.5Hz,6−H)、3.89(1H,dd,J=1
1.6Hz,6−H)、4.00(1H,m,5−H)、4.90
(1H,d,J=2Hz,4−H)、5.88(1H,br s,14'
−H)、6.18(1H,d,J=16Hz,8'−H)、6.1
9(1H, br d,J=11.5Hz,10'−H)、6.34
(1H,d,J=15Hz,12'−H)、6.39(1H,br d,
J=16Hz,7'−H)、7.21(1H,dd,J=15,1
1.5Hz、11'−H)、7.80−8.10(1H,br,O
H).
【0042】実施例2−2 3−レチノイル L−アスコルビン酸 実施例1で得られた3−レチノイル L−アスコルビン
酸 5,6−アセトナイド280mgをテトラヒドロフラ
ン:メタノール=3:1の溶液4mlに溶解後、2N塩酸
1.2mlを加え、50℃で1.5時間撹拌反応を行った。
反応液を酢酸エチルで希釈し、水洗後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を留去後、得られた残渣を薄層ク
ロマトグラフィー(RP−18、メルク(Merck)Art.1
5389、溶媒、テトラヒドロフラン:アセトニトリル
=1:9)を用いて精製して、3−レチノイル L−アス
コルビン酸76mg(収率70%)を淡黄色結晶として得
た。得られた化合物は、抗酸化性を示した。 MS m/z:458.231(M+,C26347) IR(CHCl3)cm-1:3600−3150、1775、
1720、1705、1600、1565 UV(EtOH)λ:365nm1 H−NMR(CDCl3)δ:1.04(6H,s,1'−gem−
Me)、1.73(3H,s,5'−Me)、2.05(3H,s,9'
−Me)、2.43(3H,s,13'−Me)、3.83(1H,d
d,J=11.5Hz,6−H)、3.89(1H,dd,J=11.
6Hz,6−H)、4.00(1H,m,5−H)、4.90(1
H,d,J=2Hz,4−H)、5.88(1H, br s,14'−
H)、6.18(1H,d,J=16Hz,8'−H)、6.19
(1H,br d,J=11.5Hz,10'−H)、6.34(1
H,d,J=15Hz,12'−H)、6.39(1H,br d,J
=16Hz,7'−H)、7.21(1H,dd,J=15,11.
5Hz,11'−H)、7.80−8.10(1H,br,OH).
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、食品用の抗酸化剤など
として有用な新規化合物である、レチノイドとアスコル
ビン酸からなるエステル化合物およびその誘導体ならび
にそれらの製造法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日下 博昭 兵庫県宝塚市安倉南3丁目3番 1−202 号 (72)発明者 山本 佳弘 兵庫県伊丹市荻野8丁目21番地の2 ハイ ツマインド203号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 [式中、R1は、 【化2】 (X1およびX2は、同一または異なって、アルキル基、
    ヒドロキシアルキル基、またはカルボキシル基を示
    す。)を示し、R2、R3およびR4は、同一または異な
    って水素または有機残基を示す。また、R3およびR4
    一緒になってアセタールまたはケタールを形成していて
    もよい。さらに、nは1〜10であり、[ ]内は、すべ
    ての立体異性体を含む。]で表される化合物またはその
    塩。
  2. 【請求項2】 R2、R3およびR4が水素である請求項
    1記載の化合物またはその塩。
  3. 【請求項3】 R2、R3およびR4が、それぞれ置換さ
    れていてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケ
    ニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘ
    テロ環基またはアシル基から選ばれる有機残基である請
    求項1記載の化合物またはその塩。
  4. 【請求項4】 X1およびX2が、同一または異なって、
    メチル基、ヒドロキシメチル基またはカルボキシル基で
    ある請求項1記載の化合物またはその塩。
  5. 【請求項5】 R1が 【化3】 で示される基である請求項1記載の化合物またはその
    塩。
  6. 【請求項6】 nが1〜5である請求項1記載の化合物
    またはその塩。
  7. 【請求項7】 nが2である請求項6記載の化合物また
    はその塩。
  8. 【請求項8】 式(II): [式中、R1は、一般式(I)と同意義、R5は、ハロゲン
    または式(III): (X5は、置換されていてもよい炭素数1〜4の直鎖状
    または分枝状のアルキル基を示す。)で表される置換基
    を示し、nは1〜10であり、[ ]内はすべての立体異
    性体を含む。]で表される化合物と、式(IV) 【化4】 [式中、R2、R3およびR4は式(I)と同意義であり、R
    3およびR4は一緒になってアセタールまたはケタールを
    形成していてもよい。R6は、水素、アルカリ金属また
    はアルカリ土類金属を示す。]で表される化合物を反応
    させることを特徴とする式(I): 【化5】 [式中、R1は、 【化6】 (XおよびX2は、同一または異なって、アルキル
    基、ヒドロキシアルキル基、またはカルボキシル基を示
    す。)を示し、R2、R3およびR4は、同一または異な
    って水素または有機残基を示す。また、R3およびR4
    一緒になってアセタールまたはケタールを形成していて
    もよい。さらに、nは1〜10であり、[ ]内は、すべ
    ての立体異性体を含む。]で表される化合物の製造法。
JP5291801A 1993-11-22 1993-11-22 レチノイドとアスコルビン酸からなるエステル化合物およびその誘導体ならびにそれらの製造法 Pending JPH07138248A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5291801A JPH07138248A (ja) 1993-11-22 1993-11-22 レチノイドとアスコルビン酸からなるエステル化合物およびその誘導体ならびにそれらの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5291801A JPH07138248A (ja) 1993-11-22 1993-11-22 レチノイドとアスコルビン酸からなるエステル化合物およびその誘導体ならびにそれらの製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07138248A true JPH07138248A (ja) 1995-05-30

Family

ID=17773608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5291801A Pending JPH07138248A (ja) 1993-11-22 1993-11-22 レチノイドとアスコルビン酸からなるエステル化合物およびその誘導体ならびにそれらの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07138248A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002092600A1 (en) * 2001-05-15 2002-11-21 Ardenia Investments Ltd. Retinol derivatives potentiation of active substances by micellar preparation
KR100399348B1 (ko) * 1998-03-27 2004-03-22 주식회사 엘지생명과학 폴리에톡실화비타민c유도체및그의제조방법
JP2009035509A (ja) * 2007-08-01 2009-02-19 Green Products Laboratory Ltd アスコルビン酸エステル及びその合成方法
EP3092220A4 (en) * 2013-09-25 2017-08-30 University of Florida Research Foundation, Inc. Vitamin c prodrugs and uses thereof

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100399348B1 (ko) * 1998-03-27 2004-03-22 주식회사 엘지생명과학 폴리에톡실화비타민c유도체및그의제조방법
WO2002092600A1 (en) * 2001-05-15 2002-11-21 Ardenia Investments Ltd. Retinol derivatives potentiation of active substances by micellar preparation
JP2009035509A (ja) * 2007-08-01 2009-02-19 Green Products Laboratory Ltd アスコルビン酸エステル及びその合成方法
EP3092220A4 (en) * 2013-09-25 2017-08-30 University of Florida Research Foundation, Inc. Vitamin c prodrugs and uses thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1200384B1 (de) 2-alkyl-5-halogen-pent-4-encarbonsäuren und deren herstellung
DE69327796T2 (de) Antiproliferative substituierte 5-thiapyrimidinon- und 5-selenopyrimidinonverbindungen
EP0298452A2 (de) In 4-Stellung durch Aryl oder N-Heteroaryl substituierte 2H-1-Benzopyran-Derivate
EP0373423A1 (de) Substituierte 2-Pyridone und Pyrid-2-thione, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung in Arzneimitteln
DE2821403C2 (de) Decahydronaphthalin-1-spiro-2'-dihydrobenzofurane, Verfahren zu deren Herstellung und diese Verbindungen enthaltende pharmazeutische Mittel
US4464361A (en) Adenosine derivatives
HU178302B (en) Process for producing n-amidino-3,5-diamino-6-substituted-2-piperazine-carboxamides
JPH07138248A (ja) レチノイドとアスコルビン酸からなるエステル化合物およびその誘導体ならびにそれらの製造法
DE1620733A1 (de) Azetidinothiazolidinmethancarbonsaeureestern
JPH0121146B2 (ja)
DE3632893A1 (de) 4-(r)-hydroxy-6(s)-arylthiomethyl-tetrahydropyran-2-one, deren entsprechende sulfoxide und sulfone, verfahren zu ihrer herstellung, ihre verwendung als arzneimittel, pharmazeutische praeparate und zwischenprodukte
EP0246534B1 (de) Enantiomerenreine 4,5-disubstituierte gamma-Butyrolactame, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung
US3665015A (en) Process for preparing 3-hydroxy-2-methyl-4-pyrone
EP0049144B1 (en) 5-fluoro uracil derivatives
EP0040433B1 (en) Nicotinic derivatives of glucosamine, process for their preparation and related pharmaceutical compositions
SU1745122A3 (ru) Способ получени сложных эфиров сахароаскорбиновой кислоты
US4889853A (en) Hydroquinonlyphenyl butyric acid amide derivative
US5449684A (en) Cytotoxic compounds
US2414783A (en) Pyridones and process for making them
KR910006983B1 (ko) 피리딘 유도체의 제조방법
US4190656A (en) Uracil derivatives and production thereof
US4156728A (en) 3-Substituted-2(1H)pyridone-6-carboxylic acids
EP0133670A2 (de) Verfahren zur Herstellung von 7-Acylamino-3-hydrocy-cephem-4-carbonsäuren und 7-Acylamino-3-hydroxy-1-de-thia-1-oxacephem-4-carbonsäuren
JP2565541B2 (ja) 白金錯体
JP2675074B2 (ja) 2−ケト−l−グラル酸およびその製造法と、該グラル酸を原料とするl−グロサッカロアスコルビン酸および2,3−o−アセタールもしくはケタールの製造法