JPH07136219A - 手動式電動車椅子 - Google Patents

手動式電動車椅子

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JPH07136219A
JPH07136219A JP5288131A JP28813193A JPH07136219A JP H07136219 A JPH07136219 A JP H07136219A JP 5288131 A JP5288131 A JP 5288131A JP 28813193 A JP28813193 A JP 28813193A JP H07136219 A JPH07136219 A JP H07136219A
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JP
Japan
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wheelchair
wheel
hand
electric motor
arm
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JP5288131A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Sugano
信之 菅野
Atsushi Uchiyama
敦 内山
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 片腕が不自由な身障者であっても、直進及び
旋回を含む操作を自由に行なってこれを使用することが
できる手動式電動車椅子を提供すること。 【構成】 オペレータの旋回の意志を検出する旋回意志
検出手段80と、車輪4L,4Rの回転方向及び回転速
度又は回転角を検出する回転検出手段24L,24R
と、一方の車輪を回転駆動する駆動手段26と、他方の
車輪の回転方向と旋回意志検出手段によって検出された
オペレータの旋回の意志との組み合わせによって前記駆
動手段を制御する制御手段70を含んで構成されること
を特徴とする手動式電動車椅子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に片腕が不自由な身
障者用に開発された手動式電動車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、身障者が移動の手段として利用す
る車椅子には手動車椅子と電動車椅子の2種があり、身
障者はその障害の程度に応じて何れかを使用しているの
が現状である。
【0003】ところで、筋力が次第に低下する疾患を負
った身障者にとっては、手動車椅子から電動車椅子への
切り換えには非常な精神的苦痛を伴うものである。
【0004】そこで、手動車椅子と電動車椅子との中間
的な存在としての手動式電動車椅子が提案されている。
この手動式電動車椅子は、車輪に加えられる人力(操作
力)を検知してその人力に応じた大きさの駆動力を補助
動力として車輪に与えることによって身障者の負担を軽
減するものであって、これによれば身障者は手動車椅子
の感覚で操作することができ、精神的苦痛も緩和され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、斯かる
手動式電動車椅子及び現行の手動車椅子にあっては、身
障者が左右の車輪を同等の力で回すことを前提としてい
るため、例えば片腕が麻痺して全く利かない身障者は当
該車椅子を自分の意志通りに直進させたり、左又は右に
旋回させることが容易ではなく、斯かる車椅子の利用対
象者から除外されていた。
【0006】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、片腕が不自由な身障者であっ
ても、直進及び旋回を含めた操作を自由に行なってこれ
を使用することができる手動式電動車椅子を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
第1本発明は、オペレータの旋回の意志を検出する旋回
意志検出手段と、車輪の回転方向及び回転速度又は回転
角を検出する回転検出手段と、一方の車輪を回転駆動す
る駆動手段と、他方の車輪の回転方向と旋回意志検出手
段によって検出されたオペレータの旋回の意志との組み
合わせによって前記駆動手段を制御する制御手段を含ん
で手動式電動車椅子を構成したことを特徴とする。
【0008】又、第2発明は、オペレータの旋回の意志
を検出する旋回意志検出手段と、オペレータによって一
方の車輪に加えられる人力の方向と大きさを検出する入
力検出手段と、少なくとも他方の車輪を回転駆動する駆
動手段と、前記旋回意志検出手段によって検出されたオ
ペレータの旋回の意志と前記入力検出手段によって検出
された人力の方向と大きさとの組み合わせによって前記
駆動手段を制御する制御手段を含んで手動式電動車椅子
を構成したことを特徴とする。
【0009】
【作用】片腕が不自由な身障者が当該手動式電動車椅子
を直進させる場合、身障者は足又は他方の健常な手を用
いて直進する旨の意志表示をするとともに、健常な手及
び腕で一方の車輪を回せば、第1発明においては該一方
の車輪に他方の車輪の回転が追従するように該他方の車
輪を駆動手段によって回転駆動することによって、第2
発明においては一方の車輪に加わる人力と同等の力で他
方の車輪を同方向に回転駆動することによって、車椅子
は身障者があたかも両手両腕で左右の車輪を回したかの
ような動作によって直進する。
【0010】又、片腕が不自由な身障者が当該手動式電
動車椅子を左又は右に旋回させたい場合、身障者は足又
は他方の健常な手を用いて旋回する旨の意志表示をする
とともに、健常な手及び腕で一方の車輪を回せば、第1
発明においては意志表示された旋回方向と身障者によっ
て駆動される車輪の回転方向との組み合わせに対して、
又、第2発明においては意志表示された旋回方向と身障
者によって一方の車輪に加えられた人力の方向と大きさ
に対して、駆動手段の駆動方向(他方の車輪の回転方
向)と駆動力等が制御され、左右の車輪の回転方向又は
回転速度等の違いによって車椅子が所望の方向に旋回せ
しめられる。
【0011】従って、本発明によれば、片腕が不自由な
身障者であっても、直進及び旋回を含めた操作を自由に
行なって当該手動式電動車椅子を自由に使用することが
できる。
【0012】
【実施例】
[第1発明]以下に第1発明の実施例を添付図面に基づ
いて説明する。
【0013】<第1実施例>図1は第1発明の第1実施
例に係る手動式電動車椅子の側面図、図2は同平面図、
図3は同後面図、図4は補助動力装置部(電動モータ及
び動力伝達機構部)の構成を示す側面図、図5は同破断
平面図、図6はブレーキ装置部の側面図、図7は同破断
正面図、図8はバッテリの設置構造の別実施例を示す斜
視図である。
【0014】本実施例に係る手動式電動車椅子1は、既
存の折り畳み式手動車椅子に補助動力装置(Power Assi
st System )を組み付けたものであって、これは左腕が
不自由な身障者用のものである。
【0015】而して、本実施例に係る手動式電動車椅子
1は、図1に示すように、パイプ枠状のフレーム2を有
しており、該フレーム2の前後部は左右一対のキャスタ
3L,3R、車輪4L,4Rによってそれぞれ移動自在
に支持されている。
【0016】又、上記フレーム2の中央部には、身障者
が着座すべき布製のシート5(図2及び図3参照)が張
設されており、該シート5の中央部下面には同じく布製
の袋状ボックス6が設けられており、該ボックス6内に
はバッテリ7が収納されている。尚、図3及び図8に示
すように、薄型のバッテリ7’をフレーム2の前後一対
のクロス部材2aにフック7a’を介して脱着自在に取
り付けても良い。
【0017】更に、図1〜図3に示すように、フレーム
2の後部から上方へ立設された左右一対のハンドルアー
ム2bの上端部は後方に折曲され、その折曲部には介助
者用のグリップ8が取り付けられている。又、フレーム
2の中央上部には、身障者用の左右一対の肘掛9が取り
付けられ、同フレーム2の前端下部にはステップ10が
取り付けられている。そして、図2に示すように右側の
ステップ10には、フートスイッチ80が設けられてお
り、該フートスイッチ80は身障者が足で操作すること
によって、直進を意味する「直」位置と旋回を意味する
「旋」位置に切り換えられる。
【0018】又、前記フレーム2の下部に前後方向に延
びる左右一対のアーム2cの後端部には、別のアーム2
dが前後方向に移動自在に嵌装されており、各アーム2
dの後端部にはローラ11が回転自在に軸支されてい
る。尚、アーム2dは、アーム2cに突設されたピン1
2に長孔係合することによって前後方向に移動自在に構
成され、これはアーム2cとの間に縮装された不図示の
スプリングによって常時後方へ付勢されている。
【0019】ところで、左右の車輪4L,4Rは、フレ
ーム2に取り付けられたブラケット13に支持された車
軸14に回転自在に支承されているが、右側の車輪4R
の外側には、身障者が手でこれを回すべきリング状のハ
ンドリム16が設けられている。そして、このハンドリ
ム16は、4本のスポーク17を介して車軸14に支持
されるとともに、4本の連結ロッド22によって車輪4
Rに連結されている。
【0020】一方、図1及び図2に示すように、フレー
ム2の左側の車輪4Lの上部位置には、補助動力装置の
動力発生源を構成する電動モータ26と、該電動モータ
26の駆動力を車輪4Lに伝達するための動力伝達機構
27が取り付けられており、これらの構成の詳細は図4
及び図5に示されている。尚、電動モータ26は、前記
バッテリ7から電力の供給を受けて回転駆動される。
【0021】即ち、図4及び図5において、28はフレ
ーム2に固着されたブラケットであって、該ブラケット
28には別のブラケット29が結着されており、該ブラ
ケット29には操作レバー30が軸31にて回動自在に
枢着されるとともに、伝動ケース32の一端が軸33に
て回動自在に枢着されている。
【0022】上記伝動ケース32の一端には、図4に示
すように円弧状の係合溝32aが形成されており、該係
合溝32aには前記ブラケット29に突設されたガイド
ピン34が摺動自在に係合している。
【0023】ところで、伝動ケース32には前記電動モ
ータ26が取り付けられており、該電動モータ26の出
力軸26aは伝動ケース32内に臨み、その端部にはギ
ヤ35が結着されている。
【0024】又、伝動ケース32内には、ウォーム36
を一体に形成して成るウォーム軸37が回転自在に収納
されており、該ウォーム軸37には前記ギヤ35に噛合
するギヤ38が結着されている。更に、伝動ケース32
内には駆動軸39がウォーム軸37に対して直角に、且
つ、回転自在に収納されており、該駆動軸39の一端に
は前記ウォーム36に噛合するウォームホイール40が
結着されている。そして、駆動軸39の伝動ケース32
外へ延出する他端には、車輪4のタイヤ4bに対して接
離されるローラ41が結着されている。尚、前記ウォー
ム36とウォームホイール40で構成されるウォームギ
ヤ機構は、車輪4から電動モータ26方向への動力の伝
達を阻止する逆駆動防止機構を構成している。
【0025】更に、伝動ケース32にはリンク42の一
端がピン43にて枢着されており、該リンク42の他端
は前記操作レバー30の先端に一体に結着されたアーム
44にピン45によって連結されている。そして、操作
レバー30の軸31の近傍と前記ピン43との間にはス
プリング46が張架されている。
【0026】而して、図4に実線にて示すように操作レ
バー30が上方へ押し上げられている状態では、該操作
レバー30は前記スプリング46の付勢力によって時計
方向に付勢されて上方のストッパ48に当接して静止し
ており、このとき、伝動ケース32に保持された前記ロ
ーラ41は図示のように車輪4Lのタイヤ4bに所定の
力で押圧されている。
【0027】そして、操作レバー30を図4の実線位置
から下方へ押し下げると、図4に鎖線にて示すように、
リンク42とアーム44の屈曲方向が逆となって操作レ
バー30はスプリング46から反時計方向の付勢力を受
けて下方のストッパ47に当接して静止し、伝動ケース
32は軸33を中心として反時計方向に回動し、これに
よってローラ41は車輪4Lのタイヤ4bから離脱す
る。尚、伝動ケース32の反時計方向の回動は、ガイド
ピン34の係合溝32aへの係合によって制限される。
【0028】ところで、上述のように操作レバー30を
操作してローラ41を車輪4Lのタイヤ4bから離脱さ
せると、電動モータ26から車輪4Lへの補助動力の付
与が遮断されるが、斯かるローラ41の離脱は、介助者
に当該車椅子1を押してもらう場合、当該車椅子1を手
動だけで走らせる場合、バッテリ7が上がった場合等に
必要である。
【0029】他方、図1に示すように、フレーム2の左
右の車輪4L,4Rの前方位置にはブレーキ装置50が
設けられている。
【0030】ここで、上記各ブレーキ装置50の構成の
詳細を図6及び図7に基づいて説明する。
【0031】図において、51はフレーム2に固着され
たケースであって、該ケース51内には電動モータ52
が収納されており、該電動モータ52の出力軸52aの
端部にはギヤ53が結着されている。
【0032】又、ケース51内には回転軸54,55が
互いに平行、且つ、回転自在に収納されており、回転軸
54には大小異径のギヤ56,57が結着されている。
そして、ギヤ56は前記ギヤ53に噛合しており、ギヤ
57は前記回転軸55の一端に結着されたギヤ58に噛
合している。
【0033】ところで、上記回転軸55のケース51外
へ延出する他端にはブレーキレバー59が結着されてい
る。
【0034】一方、ケース51にはアーム60の一端が
軸61にて回動自在に枢着されており、アーム60の他
端には、車輪4L(4R)のタイヤ4bに対して接離す
るブレーキシュー62が直角に取り付けられている。そ
して、アーム60の中間部はリンク63によって前記ブ
レーキレバー59の一端に連結されている。そして、ブ
レーキレバー59に突設されたピン64と前記リンク6
3をアーム60に連結する軸65との間にはスプリング
66が張架されている。
【0035】而して、図6に実線にて示すようにブレー
キレバー59が前方(図6の左方)へ押されているとき
には、該ブレーキレバー59は前記スプリング66の付
勢力によって反時計方向に付勢されて前方のストッパ6
8に当接して静止しており、このとき、アーム60の先
部に結着された前記ブレーキシュー62は図示のように
車輪4L(4R)のタイヤ4bに所定の力で押圧されて
いる。
【0036】そして、ブレーキレバー59を手動により
又は電動によって図6の実線位置から後方へ引くと、図
6に鎖線にて示すように、ブレーキレバー59とリンク
63の屈曲方向が逆となってブレーキレバー59はスプ
リング66から時計方向の付勢力を受けて後方のストッ
パ67に当接して静止し、アーム60は軸61を中心と
して時計方向に回動するため、ブレーキシュー62は車
輪4L(4R)のタイヤ4bから離脱する。
【0037】ここで、ブレーキレバー59の電動による
動作について図7に従って説明すると、前記バッテリ7
から電力供給を受けて電動モータ52が回転駆動される
と、これの回転は前記ギヤ53,56,57,58を経
て回転軸55に伝達され、該回転軸55及びこれに結着
されたブレーキレバー59が所定角度だけ回動せしめら
れる。
【0038】更に、図1に示すように、フレーム2の一
方のブレーキ装置50の下方位置には前記電動モータ2
6,48の駆動を制御するための制御装置70が取り付
けられている。尚、制御装置70も前記バッテリ7から
の電力の供給を受けて駆動される。
【0039】ここで、制御装置70の構成を図9に基づ
いて説明する。
【0040】図9は制御装置70の構成を示すブロック
図であり、該制御装置70は、左右の車輪4L,4Rの
回転方向及び回転速度又は回転角を検出する回転検出手
段であるエンコーダ24L,24Rと、該エンコーダ2
4L,24Rからの入力パルス数をカウントする左右の
カウンタ73L,73Rと、該カウンタ73L,73R
によってそれぞれカウントされたパルス数の差分を求め
る差分回路74と、前記電動モータ26を駆動制御する
ためのモータコントロール手段75を含んで構成されて
おり、図示のようにエンコーダ24Rと右カウンタ73
Rとの間には、逆転回路76が設けられている。
【0041】ここで、本実施例に係る車椅子1の動作に
対する各種操作の組み合わせを下表に示す。
【0042】
【表1】 尚、表1において、「F」は正転(車椅子1が前進する
方向の回転)、「R」は後転(車椅子1が後進する方向
の回転)、「フートSW」はフートスイッチ80、
「直」は直進、「旋」は旋回をそれぞれ示す。
【0043】而して、左腕が全く利かない身障者が前方
へ直進したい場合、表1に示すように、身障者は足で前
記フートスイッチ80を「直」位置にセットした後、健
常な右腕及び右手で右側の車輪4R側に設けられた前記
ハンドリム16を正転させると、電動モータ26も正転
され、右側の車輪4Rに左側の車輪4Lが追従して両車
輪4L,4Rが同速度で回転するに必要な駆動力が補助
動力として左側の車輪4L側に設けられた電動モータ2
6から左側の車輪4Lに与えられる。
【0044】従って、車椅子1を前方へ直進させる場合
には、ハンドリム16に加えられる人力(駆動力)FM
に見合う大きさの補助動力(駆動力)FA が左側の車輪
4Lに与えられて該車輪4Lが右側の車輪4Rと同様に
回転駆動されるため、図10(a)に示すように、当該
車椅子1はあたかも身障者が両手両腕で左右の車輪4
L,4Rを回したかのような動作によって前方へ直進す
る。
【0045】次に、身障者が後方へ直進したい場合に
は、表1に示すように、身障者は足で前記フートスイッ
チ80を「直」位置にセットしたまま、健常な右腕及び
右手で右側の車輪4R側に設けられた前記ハンドリム1
6を逆転させると、前記逆転回路76の作用によって電
動モータ26も逆転され、右側の車輪4Rに左側の車輪
4Lが追従して両車輪4L,4Rが同速度で回転するに
必要な駆動力FA が補助動力として左側の車輪4L側に
設けられた電動モータ26から左側の車輪4Lに与えら
れるため、当該車椅子1は、図10(d)に示すよう
に、あたかも身障者が両手両腕で左右の車輪4L,4R
を回したかのような動作によって後方へ直進する。
【0046】又、前進状態にある車椅子1を左旋回させ
たい場合には、表1に示すように、身障者が足でフート
スイッチ80を「旋」位置に切り換えた後、右側の車輪
4R側に設けられた前記ハンドリム16を正転させる
と、電動モータ26は前記逆転回路76の作用によって
逆転され、当該車椅子1は図10(b)に示すようにそ
の場で左旋回する。
【0047】同様に、後進状態にある車椅子1を左旋回
させたい場合には、表1に示すように、身障者は足でフ
ートスイッチ80を「旋」位置に切り換えた後、右側の
車輪4R側に設けられた前記ハンドリム16を正転させ
ると、電動モータ26は逆転され、当該車椅子1は図1
0(e)に示すようにその場で左旋回する。
【0048】一方、前進状態にある車椅子1を右旋回さ
せたい場合には、表1に示すように、身障者が足でフー
トスイッチ80を「旋」位置に切り換えた後、右側の車
輪4R側に設けられた前記ハンドリム16を逆転させる
と、電動モータ26は正転され、当該車椅子1は図10
(c)に示すようにその場で右旋回する。
【0049】同様に後進状態にある車椅子1を右旋回さ
せたい場合には、表1に示すように、身障者は足でフー
トスイッチ80を「旋」位置に切り換えた後、右側の車
輪4R側に設けられた前記ハンドリム16を逆転させる
と、電動モータ26は正転され、当該車椅子1は図10
(f)に示すようにその場で右旋回する。
【0050】以上のように、本実施例によれば、左腕が
全く利かない身障者であっても、直進及び旋回を含めた
操作を自由に行なって当該手動式電動車椅子1を自由に
使用することができる。
【0051】尚、本実施例では特に左腕が不自由な身障
者用の手動式電動車椅子について述べたが、逆に右腕が
不自由な身障者用の手動式電動車椅子は、前記ハンドリ
ム16を左側に、電動モータ26を含む補助動力装置を
右側にそれぞれ設けることによって構成される。
【0052】<第2実施例>次に、第1発明の第2実施
例を表2と図11及び図12に基づいて説明する。尚、
表2は車椅子の動作に対する各種動作の組み合わせを示
す表、図11は本実施例に係る制御装置の構成図、図1
2は表2に示す操作に対する車椅子の動作を示す模式図
である。本実施例に係る手動式電動車椅子1も左腕が不
自由な身障者用のものであって、その基本構成は前記第
1実施例のものと同じであるが、前記フートスイッチ8
0は直進を意味する「N」位置と左旋回を意味する
「L」位置及び右旋回を意味する「R」位置にセット可
能であり、図11に示すように、制御装置70において
左右の各エンコーダ24L,24Rと左右の各カウンタ
73L,73Rとの間にスイッチb,aがそれぞれ設け
られている点が前記第1実施例と異なる。
【0053】ここで、本実施例に係る車椅子1の動作に
対する各種操作の組み合わせを下表に示す。
【0054】
【表2】 尚、表2において、「−」は電動モータ26が非作動状
態にあることを示す。而して、左腕が全く利かない身障
者が前方へ直進したい場合、表2に示すように、身障者
は足で前記フートスイッチ80を「N」位置にセットす
ると、スイッチa,bは共にONされる。この状態で身
障者が健常な右手及び右腕で右側の車輪4R側に設けら
れた前記ハンドリム16を正転させると、電動モータ2
6も正転され、右側の車輪4Rに左側の車輪4Lが追従
して両車輪4L,4Rが同速度で回転するに必要な駆動
力が補助動力として左側の車輪4L側に設けられた電動
モータ26から左側の車輪4Lに与えられる。この結
果、図12(a)に示すように、当該車椅子1はあたか
も身障者が両手両腕で左右の車輪4L,4Rを回したか
のような動作によって前方へ直進する。
【0055】次に、身障者が後方へ直進したい場合に
は、表2に示すように、身障者は足で前記フートスイッ
チ80を「N」位置にセットしたまま、健常な右腕及び
右手で右側の車輪4R側に設けられた前記ハンドリム1
6を逆転させる。すると、スイッチa,bは共にONさ
れ、電動モータ26も逆転され、右側の車輪4Rに左側
の車輪4Lが追従して両車輪4L,4Rが同速度で回転
するに必要な駆動力が補助動力として左側の車輪4L側
に設けられた電動モータ26から左側の車輪4Lに与え
られるため、当該車椅子1は、図12(d)に示すよう
に、あたかも身障者が両手両腕で左右の車輪4L,4R
を回したかのような動作によって後方へ直進する。
【0056】又、前進状態にある車椅子1を左旋回させ
たい場合には、表2に示すように、身障者が足でフート
スイッチ80を「L」位置に切り換えると、スイッチ
a,bは共にOFFされ、エンコーダ24L,24Rの
検出信号は左右のカウンタ73L,73Rに入力され
ず、従って、電動モータ26は駆動されず、左側の車輪
4Lも回転されない。この状態で身障者が健常な右手及
び右腕で右側の車輪4R側に設けられた前記ハンドリム
16を正転させると、右側の車輪4Rのみが正転するた
め、図12(b)に示すように、車椅子1は左旋回す
る。
【0057】同様に、後進しながら車椅子1を左旋回さ
せたい場合には、表2に示すように、身障者が足で前記
フートスイッチ80を「L」位置にセットすると、スイ
ッチa,bは共にOFFされ、エンコーダ24L,24
Rの検出信号は左右のカウンタ73L,73Rに入力さ
れず、従って、電動モータ26は駆動されず、左側の車
輪4Lも回転されない。この状態で身障者が健常な右手
及び右腕で右側の車輪4R側に設けられた前記ハンドリ
ム16を逆転させると、右側の車輪のみが逆転するた
め、図12(e)に示すように、車椅子1は左旋回す
る。
【0058】一方、前進しながら車椅子1を右旋回させ
たい場合には、表2に示すように、身障者が足で前記フ
ートスイッチ80を「R」位置にセットすると、スイッ
チaはONされ、スイッチbはOFFされる。このた
め、右側のエンコーダ24Rの検出信号のみが右カウン
タ73Rに入力され、左右のカウンタ73L,73Rに
よってカウントされるパルス数の偏差が大きくなるため
に電動モータ26には大きな補助動力が発生せしめられ
る。
【0059】従って、身障者がハンドリム16を用いて
右側の車輪4Rを正転させると、ハンドリム16に加え
られる人力に比して大きな補助動力によって左側の車輪
4Lが正転されるため、左右の車輪4L,4Rの回転に
差が生じ、図12(c)に示すように、車椅子1が前進
しながら右旋回する。
【0060】又、後進しながら車椅子1を右旋回させた
い場合には、表2に示すように、身障者が足で前記フー
トスイッチ80を「R」位置にセットすると、スイッチ
aはONされ、スイッチbはOFFされる。このため、
右側のエンコーダ24Rの検出信号のみが右カウンタ7
3Rに入力され、左右のカウンタ73L,73Rによっ
てカウントされるパルス数の偏差が大きくなるために電
動モータ26には大きな補助動力が発生せしめられる。
【0061】従って、身障者がハンドリム16を用いて
右側の車輪4Rを逆転させると、ハンドリム16に加え
られる人力に比して大きな補助動力によって左側の車輪
4Lが逆転されるため、左右の車輪4L,4Rの回転に
差が生じ、図12(f)に示すように、車椅子1が後進
しながら右旋回する。
【0062】以上のように、本実施例においても、左腕
が全く利かない身障者であっても、直進及び旋回を含め
た操作を自由に行なって当該手動式電動車椅子1を自由
に使用することができる。
【0063】尚、本実施例では特に左腕が不自由な身障
者用の手動式電動車椅子について述べたが、逆に右腕が
不自由な身障者用の手動式電動車椅子は、前記ハンドリ
ム16を左側に、電動モータ26を含む補助動力装置を
右側にそれぞれ設けることによって構成されることは前
記第1実施例と同様である。
【0064】<第3実施例>次に、第1発明の第3実施
例を表3及び図13及び図14に基づいて説明する。
尚、表3は車椅子の動作に対する各種操作の組み合わせ
を示す表、図13は本実施例に係る制御装置の構成図、
図14は表3に示す操作に対応する車椅子の動作を示す
模式図である。
【0065】本実施例に係る手動式電動車椅子1は前記
第1実施例のものと基本的に同じであるが、前記フート
スイッチ80は直進を意味する「N」位置と左旋回を意
味する「L」位置及び右旋回を意味する「R」位置にセ
ット可能であり、図13に示すように、制御装置70に
おいて、右側のエンコーダ24Rとカウンタ手段73R
との間にエンコーダ24Rの検出パルスを間引くデュー
ティ制御器77Rが、左側のエンコーダ24Lとカウン
タ手段73Lとの間にエンコーダ24Lの検出パルスを
間引くデューティ制御器77Lがそれぞれ設けられてい
る点が実施例1と異なる。
【0066】ここで、本実施例に係る車椅子1の動作に
対する各種操作の組み合わせを下表に示す。
【0067】
【表3】 尚、表3において、「F」は正転(車椅子1が前進する
方向の回転)、「R」は後転(車椅子1が後進する方向
の回転)、「フートSW」はフートスイッチ80、間引
き率A,Bはデューティ制御器77R,77Lでの間引
き率をそれぞれ示す。
【0068】而して、左腕が全く利かない身障者が前方
へ直進したい場合、表3に示すように、身障者は足で前
記フートスイッチ80を「N」位置にセットすると、デ
ューティ制御器77R,77Lでの間引き率A,Bは共
に1(A=B=1)に設定され、前記第1実施例と同様
に身障者が健常な右手及び右腕で右側の車輪4R側に設
けられた前記ハンドリム16を手で正転させると、電動
モータ26も正転され、右側の車輪4Rに左側の車輪4
Lが追従して両車輪4L,4Rが同速度で回転するに必
要な駆動力が補助動力として左側の電動モータ26から
左側の車輪4Lに与えられる。
【0069】従って、前方へ直進する場合には、ハンド
リム16に加えられる人力(駆動力)FM に見合う大き
さの補助動力(駆動力)FA が左側の車輪4Lに与えら
れて該車輪4Lが右側の車輪4Rと同様に回転駆動され
るため、図14(a)に示すように、当該手動式電動車
椅子1はあたかも身障者が両手両腕で左右の車輪4L,
4Rを回したかのような動作によって前方へ直進する。
【0070】次に、身障者が後方へ直進したい場合に
は、表3に示すように、身障者は足で前記フートスイッ
チ80を「N」位置にセットすると、デューティ制御器
77R,77Lでの間引き率A,Bは共に1に設定され
(A=B=1)、健常な右手及び右腕で右側の車輪4R
側に設けられた前記ハンドリム16を逆転させると、電
動モータ26も逆転され、右側の車輪4Rに左側の車輪
4Lが追従して両車輪4L,4Rが同速度で回転するに
必要な駆動力が補助動力として左側の電動モータ26か
ら左側の車輪4Lに与えられ、前述と同様にして当該手
動式電動車椅子1は、図14(d)に示すように、あた
かも身障者が両手両腕で左右の車輪4L,4Rを回した
かのような動作によって後方へ直進する。
【0071】又、前進しながら車椅子1を左旋回させた
い場合、表3に示すように、身障者が足で前記フートス
イッチ80を「L」位置にセットすると、デューティ制
御器77R,77Lの間引き率A,BはA=0.5、B
=1に設定されるため、左側に設けられた電動モータ2
6にて発生せしめられる補助動力(駆動力)FA は右側
の車輪4Rに加えられる人力FM に比して小さく(FA
<FM )なり、この結果、右側の車輪4Rの回転数が左
側の車輪4Lの回転数よりも大きくなり、図14(b)
に示すように、車椅子1は前進しながら左旋回する。
【0072】同様に、後進しながら車椅子1を左旋回さ
せたい場合、表3に示すように、身障者が足で前記フー
トスイッチ80を「L」位置にセットすると、デューテ
ィ制御器77R,77Lの間引き率A,BはA=0.
5、B=1に設定されるため、左側に設けられた電動モ
ータ26にて発生せしめられる補助動力(駆動力)FA
は右側の車輪4Rに加えられる人力FM に比して小さく
(FA <FM )なり、この結果、右側の車輪4Rの回転
数が左側の車輪4Lの回転数よりも大きくなり、図14
(e)に示すように、車椅子1は後進しながら左旋回す
る。
【0073】一方、前進しながら車椅子1を右旋回させ
たい場合、表3に示すように、身障者が足で前記フート
スイッチ80を「R」位置にセットすると、デューティ
制御器77R,77Lの間引き率A,BはA=1、B=
0.5に設定されるため、左側に設けられた電動モータ
26にて発生せしめられる補助動力(駆動力)FA が右
側の車輪4Rに加えられる人力FM に比して大きく(F
A >FM )なり、この結果、左側の車輪4Lの回転数が
右側の車輪4Rの回転数よりも大きくなり、図14
(c)に示すように、車椅子1は前進しながら右旋回す
る。
【0074】又、後進しながら車椅子1を右旋回させた
い場合、表3に示すように、身障者が足で前記フートス
イッチ80を「R」位置にセットすると、デューティ制
御器77R,77Lの間引き率A,BはA=1、B=
0.5に設定されるため、左側に設けられた電動モータ
26にて発生せしめられる補助動力(駆動力)FA が右
側の車輪4Rに加えられる人力FM に比して大きく(F
A >FM )なり、この結果、左側の車輪4Lの回転数が
右側の車輪4Rの回転数よりも大きくなり、図14
(f)に示すように、車椅子1は後進しな右旋回する。
【0075】以上のように、本実施例においても、前記
第1及び第2実施例と同様の効果が得られる。
【0076】尚、本実施例は特に左腕が不自由な身障者
用の車椅子について述べたが、逆に右腕が不自由な身障
者用の車椅子も同様に構成することができる。
【0077】<第4実施例>次に、第1発明の第4実施
例を表4及び図15に基づいて説明する。尚、表4は車
椅子の動作に対する各種操作の組み合わせを示す表、図
15は本実施例に係る制御装置の構成図である。
【0078】本実施例に係る手動式電動車椅子1は前記
第3実施例のものと基本的に同じであるが、図15に示
すように、制御装置70において、右側の車輪4Rの回
転方向と回転速度又は回転角度を検出するためのエンコ
ーダ24Rと該エンコーダ24Rの検出信号のパルス数
をカウントする右カウンタ73Rとの間に、エンコーダ
24Rの検出値を調整するための調整器78を設けて構
成されている。
【0079】ここで、本実施例に係る車椅子1の動作に
対する各種操作の組み合わせを下表に示す。
【0080】
【表4】 尚、表4において、「F」は正転(車椅子1が前進する
方向の回転)、「R」は後転(車椅子1が後進する方向
の回転)、「フートSW」はフートスイッチ80、調整
値Aは調整器78において設定されるエンコーダ24R
の検出値の調整値をそれぞれ示す。
【0081】而して、左腕が全く利かない身障者が前方
へ直進したい場合、表4に示すように、身障者は足で前
記フートスイッチ80を「N」位置にセットすると、調
整器78での調整値Aは1に設定され(A=1)、身障
者が健常な右手及び右腕で右側の車輪4R側に設けられ
た前記ハンドリム16を手で正転させると、電動モータ
26も正転され、右側の車輪4Rに左側の車輪4Lが追
従して両車輪4L,4Rが同速度で回転するに必要な駆
動力が補助動力として左側の電動モータ26から左側の
車輪4Lに与えられる。この結果、図14(a)に示す
ように、当該手動式電動車椅子1はあたかも身障者が両
手両腕で左右の車輪4L,4Rを回したかのような動作
によって前方へ直進する。
【0082】次に、身障者が後方へ直進したい場合に
は、表4に示すように、身障者は足で前記フートスイッ
チ80を「N」位置にセットすると、調整器78での調
整値Aは1に設定され(A=1)、健常な右手及び右腕
で右側の車輪4R側に設けられた前記ハンドリム16を
手で逆転させると、電動モータ26も逆転され、右側の
車輪4Rに左側の車輪4Lが追従して両車輪4L,4R
が同速度で回転するに必要な駆動力が補助動力として左
側の電動モータ26から左側の車輪4Lに与えられ、前
述と同様にして当該手動式電動車椅子1は、図14
(d)に示すように、あたかも身障者が両手両腕で左右
の車輪4L,4Rを回したかのような動作によって後方
へ直進する。
【0083】又、前進しながら車椅子1を左旋回させた
い場合、表4に示すように、身障者が足で前記フートス
イッチ80を「L」位置にセットすると、調整器78で
の調整値Aは0.5に設定される(A=0.5)ため、
左側に設けられた電動モータ26にて発生せしめられる
補助動力(駆動力)FA は右側の車輪4Rに加えられる
人力FM に比して小さく(FA <FM )なり、この結
果、右側の車輪4Rの回転数が左側の車輪4Lの回転数
よりも大きくなり、図14(b)に示すように、車椅子
1は前進しながら左旋回する。
【0084】同様に、後進しながら車椅子1を左旋回さ
せたい場合、表4に示すように、身障者が足で前記フー
トスイッチ80を「L」位置にセットすると、調整器7
8での調整値Aは0.5に設定される(A=0.5)た
め、左側に設けられた電動モータ26にて発生せしめら
れる補助動力(駆動力)FA は右側の車輪4Rに加えら
れる人力FM に比して小さく(FA <FM )なり、この
結果、右側の車輪4Rの回転数が左側の車輪4Lの回転
数よりも大きくなり、図14(e)に示すように、車椅
子1は後進しながら左旋回する。
【0085】一方、前進しながら車椅子1を右旋回させ
たい場合、表4に示すように、身障者が足で前記フート
スイッチ80を「R」位置にセットすると、調整器78
での調整値Aは1.5に設定される(A=1.5)た
め、左側に設けられた電動モータ26にて発生せしめら
れる補助動力(駆動力)FA が右側の車輪4Rに加えら
れる人力FM に比して大きく(FA >FM )なり、この
結果、左側の車輪4Lの回転数が右側の車輪4Rの回転
数よりも大きくなり、図14(c)に示すように、車椅
子1は前進しながら右旋回する。
【0086】又、後進しながら車椅子1を右旋回させた
い場合、表4に示すように、身障者が足で前記フートス
イッチ80を「R」位置にセットすると、調整器78で
の調整値Aは1.5に設定される(A=1.5)ため、
左側に設けられた電動モータ26にて発生せしめられる
補助動力(駆動力)FA が右側の車輪4Rに加えられる
人力FM に比して大きく(FA >FM )なり、この結
果、左側の車輪4Lの回転数が右側の車輪4Rの回転数
よりも大きくなり、図14(f)に示すように、車椅子
1は後進しな右旋回する。
【0087】以上のように、本実施例においても、左腕
が全く利かない身障者も直進及び旋回を含めた操作によ
って当該手動式電動車椅子1を使用することができる。
【0088】尚、本実施例は特に左腕が不自由な身障者
用の車椅子について述べたが、逆に右腕が不自由な身障
者用の車椅子も同様に構成することができる。
【0089】<第5実施例>次に、第1発明の第5実施
例を表5及び図16に基づいて説明する。尚、表5は車
椅子の動作に対する各種操作の組み合わせを示す表、図
16は本実施例に係る手動式電動車椅子の模式図であ
る。
【0090】本実施例に係る手動式電動車椅子1は左腕
が不自由な身障者用のものであって、図16に示すよう
に、右側の車輪4Rには2つのハンドリムH1 ,H2
びエンコーダ24Rが設けられており、左側の車輪4L
にはエンコーダ24L及び電動モータ26を含む補助動
力装置Mが設けられている。
【0091】ここで、本実施例に係る車椅子1の動作に
対する各種操作の組み合わせを下表に示す。
【0092】
【表5】 尚、表5において、「F」は正転(車椅子1が前進する
方向の回転)、「R」は後転(車椅子1が後進する方向
の回転)、「−」は非作動状態をそれぞれ示す。
【0093】而して、左腕が全く利かない身障者が前方
へ直進したい場合、表5に示すように、身障者は両ハン
ドリムH1 ,H2 を右手及び右腕で共に正転させれば、
電動モータ26も正転され、右側の車輪4Rに左側の車
輪4Lが追従して両車輪4L,4Rが同速度で回転する
に必要な駆動力が補助動力として左側の電動モータ26
から左側の車輪4Lに与えられる。この結果、図12
(a)に示すように、当該手動式電動車椅子1はあたか
も身障者が両手両腕で左右の車輪4L,4Rを回したか
のような動作によって前方へ直進する。
【0094】次に、身障者が後方へ直進したい場合に
は、表5に示すように、身障者は両ハンドリムH1 ,H
2 を右手及び右腕で共に逆転させれば、電動モータ26
も逆転され、右側の車輪4Rに左側の車輪4Lが追従し
て両車輪4L,4Rが同速度で回転するに必要な駆動力
が補助動力として左側の電動モータ26から左側の車輪
4Lに与えられ、当該手動式電動車椅子1は、図12
(d)に示すように、あたかも身障者が両手両腕で左右
の車輪4L,4Rを回したかのような動作によって後方
へ直進する。
【0095】又、前進状態にある車椅子1を左旋回させ
たい場合、表5に示すように、身障者が一方のハンドリ
ムH1 のみを正転させると、電動モータ26は駆動され
ず、右側の車輪4Rのみが正転されるため、図12
(b)に示すように、車椅子1はその場で左旋回する。
【0096】同様に、後進状態にある車椅子1を左旋回
させたい場合、表5に示すように、身障者が一方のハン
ドリムH1 のみを逆転させると、電動モータ26は駆動
されず、右側の車輪4Rのみが逆転されるため、図12
(e)に示すように、車椅子1はその場で左旋回する。
【0097】一方、前進状態にある車椅子1を右旋回さ
せたい場合、表5に示すように、身障者が一方のハンド
リムH2 のみを正転させると、右側の車輪4Rは回転さ
れず、左側の車輪4Lが電動モータ26によって正転さ
れるため、図12(c)に示すように、車椅子1はその
場で右旋回する。
【0098】又、後進状態にある車椅子1を右旋回させ
たい場合、表5に示すように、身障者が一方のハンドリ
ムH2 のみを逆転させると、右側の車輪4Rは回転され
ず、左側の車輪4Lが電動モータ26によって逆転され
るため、図12(f)に示すように、車椅子1はその場
で右旋回する。
【0099】以上のように、本実施例においても、左腕
が全く利かない身障者も直進及び旋回を含めた操作によ
って当該手動式電動車椅子1を使用することができる。
【0100】尚、本実施例は特に左腕が不自由な身障者
用の車椅子について述べたが、逆に右腕が不自由な身障
者用の車椅子も同様に構成することができる。
【0101】<第6実施例>次に、第1発明の第6実施
例を表6及び図17に基づいて説明する。尚、表6は車
椅子の動作に対する各種操作の組み合わせを示す表、図
17は本実施例に係る手動式電動車椅子の模式図であ
る。
【0102】本実施例に係る手動式電動車椅子1は左腕
が不自由な身障者用のものであって、図17に示すよう
に、右側の車輪4Rには2つのハンドリムH1 ,H2
ブレーキ装置50及びエンコーダ24Rが設けられてお
り、左側の車輪4Lにはエンコーダ24L及び電動モー
タ26を含む補助動力装置Mが設けられている。
【0103】ここで、本実施例に係る車椅子1の動作に
対する各種操作の組み合わせを下表に示す。
【0104】
【表6】 尚、表6おいて、「F」は正転(車椅子1が前進する方
向の回転)、「R」は後転(車椅子1が後進する方向の
回転)、「−」は非作動状態をそれぞれ示す。
【0105】而して、左腕が全く利かない身障者が前方
へ直進したい場合、表5に示すように、身障者は両ハン
ドリムH1 ,H2 を右手及び右腕で共に正転させれば、
ブレーキ装置50はOFFされるとともに、電動モータ
26が正転され、右側の車輪4Rに左側の車輪4Lが追
従して両車輪4L,4Rが同速度で回転するに必要な駆
動力が補助動力として左側の電動モータ26から左側の
車輪4Lに与えられる。
【0106】従って、前方へ直進する場合には、ハンド
リムH1 に加えられる人力(駆動力)FM に見合う大き
さの補助動力(駆動力)FA が左側の車輪4Lに与えら
れて該車輪4Lが右側の車輪4Rと同様に回転駆動され
るため、図12(a)に示すように、当該手動式電動車
椅子1はあたかも身障者が両手両腕で左右の車輪4L,
4Rを回したかのような動作によって前方へ直進する。
【0107】次に、身障者が後方へ直進したい場合に
は、表5に示すように、身障者は両ハンドリムH1 ,H
2 を右手及び右腕で共に逆転させれば、ブレーキ装置5
0はOFFされるとともに、電動モータ26も逆転さ
れ、右側の車輪4Rに左側の車輪4Lが追従して両車輪
4L,4Rが同速度で回転するに必要な駆動力が補助動
力として左側の電動モータ26から左側の車輪4Lに与
えられ、当該手動式電動車椅子1は、図12(d)に示
すように、あたかも身障者が両手両腕で左右の車輪4
L,4Rを回したかのような動作によって後方へ直進す
る。
【0108】又、前進状態にある車椅子1を左旋回させ
たい場合、表5に示すように、身障者が一方のハンドリ
ムH1 のみを正転させると、ブレーキ装置50はOFF
されるとともに、電動モータ26は駆動されず、右側の
車輪4Rのみが正転されるため、図12(b)に示すよ
うに、車椅子1はその場で左旋回する。
【0109】同様に、後進状態にある車椅子1を左旋回
させたい場合、表5に示すように、身障者が一方のハン
ドリムH1 のみを逆転させると、ブレーキ装置50はO
FFされるとともに、電動モータ26は駆動されず、右
側の車輪4Rのみが逆転されるため、図12(e)に示
すように、車椅子1はその場で左旋回する。
【0110】一方、前進状態にある車椅子1を右旋回さ
せたい場合、表5に示すように、身障者が一方のハンド
リムH2 のみを正転させると、ブレーキ装置50がON
されて右側の車輪4Rが停止されるとともに、左側の車
輪4Lが電動モータ26によって正転されるため、図1
2(c)に示すように、車椅子1はその場で右旋回す
る。
【0111】又、後進状態にある車椅子1を右旋回させ
たい場合、表5に示すように、身障者が一方のハンドリ
ムH2 のみを逆転させると、ブレーキ装置50がONさ
れて右側の車輪4Rが停止されるとともに、左側の車輪
4Lが電動モータ26によって逆転されるため、図12
(f)に示すように、車椅子1はその場で右旋回する。
【0112】以上のように、本実施例においても、左腕
が全く利かない身障者も直進及び旋回を含めた操作によ
って当該手動式電動車椅子1を使用することができる。
【0113】尚、本実施例は特に左腕が不自由な身障者
用の車椅子について述べたが、逆に右腕が不自由な身障
者用の車椅子も同様に構成することができる。 [第2発明]以下に第2発明の実施例を添付図面に基づ
いて説明する。
【0114】<第1実施例>表7は車椅子の動作に対す
る各種操作の組み合わせを示す表、図18は本実施例に
係る手動式電動車椅子の模式図、図19は制御装置の構
成図である。
【0115】本実施例に係る手動式電動車椅子1は左腕
が不自由な身障者用のものであって、前記第1発明の第
1実施例に示したものと基本的に同じである(図1図〜
図7参照)が、図18に示すように、フートスイッチ8
0は直進を意味する「N」位置と左旋回を意味する
「L」位置及び右旋回を意味する「R」位置にセット可
能であって、身障者の右手及び右腕によってハンドリム
16(右側の車輪4R)に加えられる人力の大きさを検
出するための入力検出手段79が右側の車輪4Rに設け
られており、左側の車輪4Lには電動モータ26を含む
補助動力装置Mが設けられている。
【0116】又、図19に示すように、制御装置70に
おいては、入力検出手段79と、該入力検出手段79に
よって検出された検出信号によって右側の車輪4Rに加
えられた人力とこの人力に応じた(等しい)補助動力を
演算する演算手段81と、電動モータ26の極性(回転
方向)を変更する極性変更手段82と、モータコントロ
ール手段75を含んで構成されている。
【0117】ここで、本実施例に係る車椅子1の動作に
対する各種操作の組み合わせを下表に示す。
【0118】
【表7】 尚、表7において、「F」は正転(車椅子1が前進する
方向の回転)、「R」は後転(車椅子1が後進する方向
の回転)、「フートSW」はフートスイッチ80、
「+」は電動モータの極性が正(電動モータが右車輪4
Rと同方向に回転する)、「−」は電動モータの極性が
負(電動モータが右車輪4Rと逆方向に回転する)をそ
れぞれ示す。
【0119】而して、左腕が全く利かない身障者が前方
へ直進したい場合、表7に示すように、身障者は足で前
記フートスイッチ80を「N」位置にセットすると、極
性変更手段82の極性が「+」に設定される。そして、
身障者が健常な右手及び右腕で右側の車輪4R側に設け
られた前記ハンドリム16を手で正転させると、ハンド
リム16から右の車輪4Rに加えられた人力が入力検出
手段79によって検出され、その大きさが演算手段81
によって演算されるとともに、電動モータ26には人力
と同じ大きさの補助動力が発生され、左側の車輪4Lは
右側の車輪4Rに加えられる人力と同じ大きさの補助動
力によって正転され、図10(a)に示すように、当該
手動式電動車椅子1はあたかも身障者が両手両腕で左右
の車輪4L,4Rを回したかのような動作によって前方
へ直進する。
【0120】次に、身障者が後方へ直進したい場合に
は、表7に示すように、身障者は足で前記フートスイッ
チ80を「N」位置にセットすると、極性変更手段82
の極性が「+」に設定される。そして、身障者が健常な
右手及び右腕で右側の車輪4R側に設けられた前記ハン
ドリム16を手で逆転させると、ハンドリム16から右
の車輪4Rに加えられた人力が入力検出手段79によっ
て検出され、その大きさが演算手段81によって演算さ
れるとともに、電動モータ26には人力と同じ大きさの
補助動力が発生され、左側の車輪4Lは右側の車輪4R
に加えられる人力と同じ大きさの補助動力によって逆転
され、図10(d)に示すように、当該手動式電動車椅
子1はあたかも身障者が両手両腕で左右の車輪4L,4
Rを回したかのような動作によって後方へ直進する。
【0121】又、前進状態にある車椅子1を左旋回させ
たい場合、表7に示すように、身障者が足で前記フート
スイッチ80を「L」位置にセットすると、極性変更手
段82の極性が「−」に設定される。そして、身障者が
健常な右手及び右腕で右側の車輪4R側に設けられた前
記ハンドリム16を手で正転させると、ハンドリム16
から右の車輪4Rに加えられた人力が入力検出手段79
によって検出され、その大きさが演算手段81によって
演算されるとともに、電動モータ26には人力と同じ大
きさの補助動力が発生され、左側の車輪4Lは右側の車
輪4Rに加えられる人力と同じ大きさの補助動力によっ
て逆転され、図10(b)に示すように、車椅子1はそ
の場で左旋回する。
【0122】同様に、後進状態にある車椅子1を左旋回
させたい場合、表7に示すように、身障者が足で前記フ
ートスイッチ80を「L」位置にセットすると、極性変
更手段82の極性が「−」に設定される。そして、身障
者が健常な右手及び右腕で右側の車輪4R側に設けられ
た前記ハンドリム16を手で正転させると、ハンドリム
16から右の車輪4Rに加えられた人力が入力検出手段
79によって検出され、その大きさが演算手段81によ
って演算されるとともに、電動モータ26には人力と同
じ大きさの補助動力が発生され、左側の車輪4Lは右側
の車輪4Rに加えられる人力と同じ大きさの補助動力に
よって逆転され、図12(e)に示すように、車椅子1
はその場で左旋回する。
【0123】一方、前進状態にある車椅子1を右旋回さ
せたい場合、表7に示すように、身障者が足で前記フー
トスイッチ80を「R」位置にセットすると、極性変更
手段82の極性が「−」に設定される。そして、身障者
が健常な右手及び右腕で右側の車輪4R側に設けられた
前記ハンドリム16を手で逆転させると、ハンドリム1
6から右の車輪4Rに加えられた人力が入力検出手段7
9によって検出され、その大きさが演算手段81によっ
て演算されるとともに、電動モータ26には人力と同じ
大きさの補助動力が発生され、左側の車輪4Lは右側の
車輪4Rに加えられる人力と同じ大きさの補助動力によ
って正転され、図12(c)に示すように、車椅子1は
その場で右旋回する。
【0124】又、後進状態にある車椅子1を右旋回させ
たい場合、表7に示すように、身障者が足で前記フート
スイッチ80を「R」位置にセットすると、極性変更手
段82の極性が「−」に設定される。そして、身障者が
健常な右手及び右腕で右側の車輪4R側に設けられた前
記ハンドリム16を手で逆転させると、ハンドリム16
から右の車輪4Rに加えられた人力が入力検出手段79
によって検出され、その大きさが演算手段81によって
演算されるとともに、電動モータ26には人力と同じ大
きさの補助動力が発生され、左側の車輪4Lは右側の車
輪4Rに加えられる人力と同じ大きさの補助動力によっ
て正転され、図12(f)に示すように、車椅子1はそ
の場で右旋回する。
【0125】以上のように、本実施例においても、左腕
が全く利かない身障者であっても、直進及び旋回を含む
操作を自由に行なって当該手動式電動車椅子1を使用す
ることが可能となる。
【0126】尚、本実施例は特に左腕が不自由な身障者
用の車椅子について述べたが、逆に右腕が不自由な身障
者用の車椅子も同様に構成することができる。
【0127】又、本実施例は一方の車輪(左側の車輪4
L)にのみ補助動力装置Mを設けた例について述べた
が、左右の車輪4L,4Rに補助動力装置Mを備えた場
合も上記と同様に制御することによって、車椅子1を直
進及び旋回せしめることができる。
【0128】<第2実施例>次に、第2発明の第2実施
例を表8及び図20に基づいて説明する。尚、表8は車
椅子の動作に対する各種操作の組み合わせを示す表、図
20は本実施例に係る制御装置の構成図である。
【0129】本実施例に係る手動式電動車椅子1も左腕
が不自由な身障者用のものであって、本実施例では、図
20に示すように、制御装置70において、前記第1実
施例の極性変更手段82(図19参照)に代えて分配比
率変更手段83を設けている。尚、この分配比率変更手
段83は右側の車輪4Rに加えられる人力FM に対する
補助動力FA の比率A(=FA /FM )を変更する手段
である。
【0130】ここで、本実施例に係る車椅子1の動作に
対する各種操作の組み合わせを下表に示す。
【0131】
【表8】 尚、表8において、「F」は正転(車椅子1が前進する
方向の回転)、「R」は後転(車椅子1が後進する方向
の回転)、「フートSW」はフートスイッチ80をそれ
ぞれ示す。
【0132】而して、左腕が全く利かない身障者が前方
へ直進したい場合、表8に示すように、身障者は足で前
記フートスイッチ80を「N」位置にセットすると、分
配比率変更手段83によって分配比率AがA=1に設定
される。そして、身障者が健常な右手及び右腕で右側の
車輪4R側に設けられた前記ハンドリム16を手で正転
させると、ハンドリム16から右の車輪4Rに加えられ
た人力が入力検出手段79(図18参照)によって検出
され、その大きさが演算手段81によって演算されると
ともに、電動モータ26には人力と同じ大きさの補助動
力が発生され、左側の車輪4Lは右側の車輪4Rに加え
られる人力と同じ大きさの補助動力によって正転され、
図14(a)に示すように、当該手動式電動車椅子1は
あたかも身障者が両手両腕で左右の車輪4L,4Rを回
したかのような動作によって前方へ直進する。
【0133】次に、身障者が後方へ直進したい場合に
は、表8に示すように、身障者は足で前記フートスイッ
チ80を「N」位置にセットすると、分配比率変更手段
83によって分配比率AがA=1に設定される。そし
て、身障者が健常な右手及び右腕で右側の車輪4R側に
設けられた前記ハンドリム16を手で逆転させると、ハ
ンドリム16から右の車輪4Rに加えられた人力が入力
検出手段79によって検出され、その大きさが演算手段
81によって演算されるとともに、電動モータ26には
人力と同じ大きさの補助動力が発生され、左側の車輪4
Lは右側の車輪4Rに加えられる人力と同じ大きさの補
助動力によって逆転され、図14(d)に示すように、
当該手動式電動車椅子1はあたかも身障者が両手両腕で
左右の車輪4L,4Rを回したかのような動作によって
後方へ直進する。
【0134】又、前進しながら車椅子1を左旋回させた
い場合、表8に示すように、身障者が足で前記フートス
イッチ80を「L」位置にセットすると、分配比率変更
手段83によって分配比率AがA<1に設定される。そ
して、身障者が健常な右手及び右腕で右側の車輪4R側
に設けられた前記ハンドリム16を手で正転させると、
ハンドリム16から右の車輪4Rに加えられた人力が入
力検出手段79によって検出され、その大きさが演算手
段81によって演算されるとともに、電動モータ26に
は人力FM よりも小さな補助動力FA (<FM )が発生
されるため、左側の車輪4Lは人力FM よりも小さな補
助動力FA によって正転され、この結果、右側の車輪4
Rの回転速度が左側の車輪4Lの回転速度よりも大きく
なり、図14(b)に示すように、当該手動式電動車椅
子1は前進しながら左旋回する。
【0135】同様に、後進しながら車椅子1を左旋回さ
せたい場合、表8に示すように、身障者が足で前記フー
トスイッチ80を「L」位置にセットすると、分配比率
変更手段83によって分配比率AがA<1に設定され
る。そして、身障者が健常な右手及び右腕で右側の車輪
4R側に設けられた前記ハンドリム16を手で逆転させ
ると、ハンドリム16から右の車輪4Rに加えられた人
力が入力検出手段79によって検出され、その大きさが
演算手段81によって演算されるとともに、電動モータ
26には人力FM よりも小さな補助動力FA (<FM
が発生されるため、左側の車輪4Lは人力FM よりも小
さな補助動力FA によって逆転され、この結果、右側の
車輪4Rの回転速度が左側の車輪4Lの回転速度よりも
大きくなり、図14(e)に示すように、当該手動式電
動車椅子1は後進しながら左旋回する。
【0136】一方、前進しながら車椅子1を右旋回させ
たい場合、表8に示すように、身障者が足で前記フート
スイッチ80を「R」位置にセットすると、分配比率変
更手段83によって分配比率AがA>1に設定される。
そして、身障者が健常な右手及び右腕で右側の車輪4R
側に設けられた前記ハンドリム16を手で正転させる
と、ハンドリム16から右の車輪4Rに加えられた人力
が入力検出手段79によって検出され、その大きさが演
算手段81によって演算されるとともに、電動モータ2
6には人力FM よりも大きな補助動力FA (>FM )が
発生されるため、左側の車輪4Lは人力FM よりも大き
な補助動力FA によって正転され、この結果、左側の車
輪4Lの回転速度が右側の車輪4Rの回転速度よりも大
きくなり、図14(c)に示すように、当該手動式電動
車椅子1は前進しながら右旋回する。
【0137】又、後進しながら車椅子1を右旋回させた
い場合、表8に示すように、身障者が足で前記フートス
イッチ80を「R」位置にセットすると、分配比率変更
手段83によって分配比率AがA>1に設定される。そ
して、身障者が健常な右手及び右腕で右側の車輪4R側
に設けられた前記ハンドリム16を手で逆転させると、
ハンドリム16から右の車輪4Rに加えられた人力が入
力検出手段79によって検出され、その大きさが演算手
段81によって演算されるとともに、電動モータ26に
は人力FM よりも大きな補助動力FA (>FM )が発生
されるため、左側の車輪4Lは人力FM よりも大きな補
助動力FA によって逆転され、この結果、左側の車輪4
Lの回転速度が右側の車輪4Rの回転速度よりも大きく
なり、図14(f)に示すように、当該手動式電動車椅
子1は後進しながら右旋回する。
【0138】以上のように、本実施例においても、左腕
が全く利かない身障者も直進及び旋回を含めた操作によ
って当該手動式電動車椅子1を使用することができる。
【0139】尚、本実施例は特に左腕が不自由な身障者
用の車椅子について述べたが、逆に右腕が不自由な身障
者用の車椅子も同様に構成することができる。
【0140】又、本実施例は一方の車輪(左側の車輪4
L)にのみ補助動力装置Mを設けた例について述べた
が、左右の車輪4L,4Rに補助動力装置Mを備えた場
合も上記と同様に制御することによって、車椅子を直進
及び旋回操作することができる。
【0141】<第3実施例>次に、第2発明の第3実施
例を表9と図21に基づいて説明する。尚、表9は車椅
子の動作に対する各種操作の組み合わせを示す表、図2
1は本実施例に係る手動式電動車椅子の模式図である。
【0142】本実施例に係る手動式電動車椅子1は左腕
が不自由な身障者用のものであって、本発明の前記第1
実施例に示したものと基本的に同じであるが、本実施例
では第1実施例におけるフートスイッチ80に代えてハ
ンドスイッチ84をハンドリム16の外側に設けてい
る。従って、当該車椅子1の各種操作に対する動作は第
1実施例のそのと同様である。
【0143】ここで、本実施例に係る車椅子1の動作に
対する各種操作の組み合わせを下表に示す。
【0144】
【表9】 尚、表7において、「F」は正転(車椅子1が前進する
方向の回転)、「R」は後転(車椅子1が後進する方向
の回転)、「ハンドSW」はハンドスイッチ84、
「+」は電動モータの極性が正(電動モータが右車輪4
Rと同方向に回転する)、「−」は電動モータの極性が
負(電動モータが右車輪4Rと逆方向に回転する)をそ
れぞれ示す。
【0145】而して、左腕が全く利かない身障者が前方
へ直進したい場合、表9に示すように、身障者はハンド
スイッチ84を握らなければ、該ハンドスイッチ84が
OFF状態に保たれ、極性変更手段82の極性が「+」
に設定される。そして、身障者が健常な右手及び右腕で
右側の車輪4R側に設けられた前記ハンドリム16を手
で正転させると、ハンドリム16から右の車輪4Rに加
えられた人力が入力検出手段79によって検出され、そ
の大きさが演算手段81によって演算されるとともに、
電動モータ26には人力と同じ大きさの補助動力が発生
され、左側の車輪4Lは右側の車輪4Rに加えられる人
力と同じ大きさの補助動力によって正転され、図10
(a)に示すように、当該手動式電動車椅子1はあたか
も身障者が両手両腕で左右の車輪4L,4Rを回したか
のような動作によって前方へ直進する。
【0146】次に、身障者が後方へ直進したい場合に
は、表9に示すように、身障者はハンドスイッチ84を
握らなければ、該ハンドスイッチ84はOFF状態に保
たれ、極性変更手段82の極性が「+」に設定される。
そして、身障者が健常な右手及び右腕で右側の車輪4R
側に設けられた前記ハンドリム16を手で逆転させる
と、ハンドリム16から右の車輪4Rに加えられた人力
が入力検出手段79によって検出され、その大きさが演
算手段81によって演算されるとともに、電動モータ2
6には人力と同じ大きさの補助動力が発生され、左側の
車輪4Lは右側の車輪4Rに加えられる人力と同じ大き
さの補助動力によって逆転され、図10(d)に示すよ
うに、当該手動式電動車椅子1はあたかも身障者が両手
両腕で左右の車輪4L,4Rを回したかのような動作に
よって後方へ直進する。
【0147】又、前進状態にある車椅子1を左旋回させ
たい場合、表9に示すように、身障者が右手で前記ハン
ドスイッチ84を握ると、該ハンドスイッチ84がON
され、極性変更手段82の極性が「−」に設定される。
そして、身障者が健常な右手及び右腕で右側の車輪4R
側に設けられた前記ハンドリム16を手で正転させる
と、ハンドリム16から右の車輪4Rに加えられた人力
が入力検出手段79によって検出され、その大きさが演
算手段81によって演算されるとともに、電動モータ2
6には人力と同じ大きさの補助動力が発生され、左側の
車輪4Lは右側の車輪に加えられる人力と同じ大きさの
補助動力によって逆転され、図10(b)に示すよう
に、車椅子1はその場で左旋回する。
【0148】同様に、後進状態にある車椅子1を左旋回
させたい場合、表9に示すように、身障者が右手で前記
ハンドスイッチ84を握ると、該ハンドスイッチ84が
ONされ、極性変更手段82の極性が「−」に設定され
る。そして、身障者が健常な右手及び右腕で右側の車輪
4R側に設けられた前記ハンドリム16を手で正転させ
ると、ハンドリム16から右の車輪4Rに加えられた人
力が入力検出手段79によって検出され、その大きさが
演算手段81によって演算されるとともに、電動モータ
26には人力と同じ大きさの補助動力が発生され、左側
の車輪4Lは右側の車輪4Rに加えられる人力と同じ大
きさの補助動力によって逆転され、図10(e)に示す
ように、車椅子1はその場で左旋回する。
【0149】一方、前進状態にある車椅子1を右旋回さ
せたい場合、表9に示すように、身障者が右手で前記ハ
ンドスイッチ84を握ると、該ハンドスイッチ84がO
Nされ、極性変更手段82の極性が「−」に設定され
る。そして、身障者が健常な右手及び右腕で右側の車輪
4R側に設けられた前記ハンドリム16を手で逆転させ
ると、ハンドリム16から右の車輪4Rに加えられた人
力が入力検出手段79によって検出され、その大きさが
演算手段81によって演算されるとともに、電動モータ
26には人力と同じ大きさの補助動力が発生され、左側
の車輪4Lは右側の車輪4Rに加えられる人力と同じ大
きさの補助動力によって正転され、図10(c)に示す
ように、車椅子1はその場で右旋回する。
【0150】又、後進状態にある車椅子1を右旋回させ
たい場合、表9に示すように、身障者が右手で前記ハン
ドスイッチ84を握ると、該ハンドスイッチ84がON
され、極性変更手段82の極性が「−」に設定される。
そして、身障者が健常な右手及び右腕で右側の車輪4R
側に設けられた前記ハンドリム16を手で正転させる
と、ハンドリム16から右の車輪4Rに加えられた人力
が入力検出手段79によって検出され、その大きさが演
算手段81によって演算されるとともに、電動モータ2
6には人力と同じ大きさの補助動力が発生され、左側の
車輪4Lは右側の車輪4Rに加えられる人力と同じ大き
さの補助動力によって逆転され、図10(e)に示すよ
うに、車椅子1はその場で左旋回する。
【0151】一方、前進状態にある車椅子1を右旋回さ
せたい場合、表9に示すように、身障者が右手で前記ハ
ンドスイッチ84を握ると、該ハンドスイッチ84がO
Nされ、極性変更手段82の極性が「−」に設定され
る。そして、身障者が健常な右手及び右腕で右側の車輪
4R側に設けられた前記ハンドリム16を手で逆転させ
ると、ハンドリム16から右の車輪4Rに加えられた人
力が入力検出手段79によって検出され、その大きさが
演算手段81によって演算されるとともに、電動モータ
26には人力と同じ大きさの補助動力が発生され、左側
の車輪4Lは右側の車輪4Rに加えられる人力と同じ大
きさの補助動力によって正転され、図10(c)に示す
ように、車椅子1はその場で右旋回する。
【0152】又、後進状態にある車椅子1を右旋回させ
たい場合、表7に示すように、身障者が右手で前記ハン
ドスイッチ84を握ると、該ハンドスイッチ84がON
され、極性変更手段の極性が「−」に設定される。そし
て、身障者が健常な右手及び右腕で右側の車輪4R側に
設けられた前記ハンドリム16を手で逆転させると、ハ
ンドリム16から右の車輪4Rに加えられた人力が入力
検出手段79によって検出され、その大きさが演算手段
81によって演算されるとともに、電動モータ26には
人力と同じ大きさの補助動力が発生され、左側の車輪4
Lは右側の車輪4Rに加えられる人力と同じ大きさの補
助動力によって正転され、図10(f)に示すように、
車椅子1はその場で右旋回する。
【0153】以上のように、本実施例においても、左腕
が全く利かない身障者であっても、直進及び旋回を含む
操作を自由に行なって当該手動式電動車椅子1を使用す
ることが可能となる。
【0154】尚、本実施例は特に左腕が不自由な身障者
用の車椅子について述べたが、逆に右腕が不自由な身障
者用の車椅子も同様に構成することができる。
【0155】
【発明の効果】以上の説明で明らかな如く、本発明によ
れば、片腕が不自由な身障者であっても、直進及び旋回
を含めた操作を自由に行なって手動式電動車椅子を使用
することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の第1実施例に係る手動式電動車椅子
の側面図である。
【図2】第1発明の第1実施例に係る手動式電動車椅子
の平面図である。
【図3】第1発明の第1実施例に係る手動式電動車椅子
の後面図である。
【図4】第1発明の第1実施例に係る手動式電動車椅子
の補助動力装置部(電動モータ及び動力伝達機構部)の
構成を示す側面図である。
【図5】第1発明の第1実施例に係る手動式電動車椅子
の補助動力装置部(電動モータ及び動力伝達機構部)の
構成を示す破断平面図である。
【図6】第1発明の第1実施例に係る手動式電動車椅子
のブレーキ装置部の側面図である。
【図7】第1発明の第1実施例に係る手動式電動車椅子
のブレーキ装置部の破断正面図である。
【図8】バッテリの設置構造の別実施例を示す斜視図で
ある。
【図9】第1発明の第1実施例に係る手動式電動車椅子
の制御装置の構成示す図である。
【図10】第1発明の第1実施例に係る手動式電動車椅
子の動作を説明するための模式図である。
【図11】第1発明の第2実施例に係る手動式電動車椅
子の制御装置の構成図である。
【図12】第1発明の第2実施例に係る手動式電動車椅
子の動作を説明するための模式図である。
【図13】第1発明の第3実施例に係る手動式電動車椅
子の制御装置の構成図である。
【図14】第1発明の第3実施例に係る手動式電動車椅
子の動作を説明するための模式図である。
【図15】第1発明の第4実施例に係る手動式電動車椅
子の制御装置の構成図である。
【図16】第1発明の第5実施例に係る手動式電動車椅
子の模式図である。
【図17】第1発明の第6実施例に係る手動式電動車椅
子の模式図である。
【図18】第2発明の第1実施例に係る手動式電動車椅
子の模式図である。
【図19】第2発明の第1実施例に係る手動式電動車椅
子の制御装置の構成図である。
【図20】第2発明の第2実施例に係る手動式電動車椅
子の制御装置の構成図である。
【図21】第2発明の第3実施例に係る手動式電動車椅
子の模式図である。
【符号の説明】
1 手動式電動車椅子 4L,4R 車輪 24L,24R エンコーダ(回転検出手段) 26 電動モータ(駆動手段) 70 制御装置 74 差分回路 75 モータコントロール手段 76 逆転回路 77L,77R デューティ制御器 78 調整器 79 入力検出手段 80 フートスイッチ(旋回意志検出手段) 81 演算手段 82 極性変更手段 83 分配比率変更手段 84 ハンドスイッチ(旋回意志検出手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オペレータの旋回の意志を検出する旋回
    意志検出手段と、車輪の回転方向及び回転速度又は回転
    角を検出する回転検出手段と、一方の車輪を回転駆動す
    る駆動手段と、他方の車輪の回転方向と旋回意志検出手
    段によって検出されたオペレータの旋回の意志との組み
    合わせによって前記駆動手段を制御する制御手段を含ん
    で構成されることを特徴とする手動式電動車椅子。
  2. 【請求項2】 オペレータの旋回の意志を検出する旋回
    意志検出手段と、オペレータによって一方の車輪に加え
    られる人力の方向と大きさを検出する入力検出手段と、
    少なくとも他方の車輪を回転駆動する駆動手段と、前記
    旋回意志検出手段によって検出されたオペレータの旋回
    の意志と前記入力検出手段によって検出された人力の方
    向と大きさとの組み合わせによって前記駆動手段を制御
    する制御手段を含んで構成されることを特徴とする手動
    式電動車椅子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016106869A (ja) * 2014-12-08 2016-06-20 株式会社Tess 電動アシスト機能付き足漕ぎ式車椅子

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016106869A (ja) * 2014-12-08 2016-06-20 株式会社Tess 電動アシスト機能付き足漕ぎ式車椅子

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