JPH07133222A - グルコシルトランスフェラ−ゼ阻害剤 - Google Patents
グルコシルトランスフェラ−ゼ阻害剤Info
- Publication number
- JPH07133222A JPH07133222A JP30231393A JP30231393A JPH07133222A JP H07133222 A JPH07133222 A JP H07133222A JP 30231393 A JP30231393 A JP 30231393A JP 30231393 A JP30231393 A JP 30231393A JP H07133222 A JPH07133222 A JP H07133222A
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- Japan
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- glucosyltransferase
- chlorhexidine
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- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 グルカンの付着、プラークの形成を効果的に
抑制し、虫歯や歯周病を予防することができるグルコシ
ルトランスフェラーゼ阻害剤及びそれを用いた口腔用組
成物を提供する。 【構成】 クロルヘキシジン又はその塩類、塩化セチル
ピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウ
ム及び塩化ベンゼトニウムから選ばれた1種または2種
以上を有効成分とするグルコシルトランスフェラーゼ阻
害剤。前記クロルヘキシジンの塩は好ましくはグルコン
酸塩である。
抑制し、虫歯や歯周病を予防することができるグルコシ
ルトランスフェラーゼ阻害剤及びそれを用いた口腔用組
成物を提供する。 【構成】 クロルヘキシジン又はその塩類、塩化セチル
ピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウ
ム及び塩化ベンゼトニウムから選ばれた1種または2種
以上を有効成分とするグルコシルトランスフェラーゼ阻
害剤。前記クロルヘキシジンの塩は好ましくはグルコン
酸塩である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグルコシルトランスフェ
ラーゼ阻害剤及びそれを用いた口腔用組成物に関する。
さらに詳しくは、歯磨剤、洗口剤等の口腔用組成物や各
種食品に添加してプラーク形成阻害効果を付与すること
のできるグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤及びそれ
を用いた口腔用組成物に関する。
ラーゼ阻害剤及びそれを用いた口腔用組成物に関する。
さらに詳しくは、歯磨剤、洗口剤等の口腔用組成物や各
種食品に添加してプラーク形成阻害効果を付与すること
のできるグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤及びそれ
を用いた口腔用組成物に関する。
【0002】
【従来技術】う蝕原菌の代表であるストレプトコッカス
・ミュータンス(Streptococcus mutans)は、菌体外に出
すグルコシルトランスフェラーゼにより食物中のショ糖
から不溶性グルカンを産生し、歯面に付着してプラーク
(歯垢)を形成する。さらに、ストレプトコッカス・ミ
ュータンスはプラーク内で繁殖し、糖類を分解して有機
酸を産生し、その酸により歯質が脱灰して生ずるのがう
蝕である。
・ミュータンス(Streptococcus mutans)は、菌体外に出
すグルコシルトランスフェラーゼにより食物中のショ糖
から不溶性グルカンを産生し、歯面に付着してプラーク
(歯垢)を形成する。さらに、ストレプトコッカス・ミ
ュータンスはプラーク内で繁殖し、糖類を分解して有機
酸を産生し、その酸により歯質が脱灰して生ずるのがう
蝕である。
【0003】また、歯と歯肉の境界部でプラークが蓄積
すると、歯周ポケット内の嫌気性が高まり、嫌気性の歯
周病菌の繁殖が活発になり、やがて歯肉炎が発症して歯
周病に進行していく。すなわち、歯の表面に付着するプ
ラークは、歯科における二大疾患といわれるう蝕と歯周
病の主な原因になっていると考えられる。従って、プラ
ーク形成の元凶であるグルコシルトランスフェラーゼの
活性を阻害することにより、う蝕と歯周疾患を予防する
ことが可能となる。
すると、歯周ポケット内の嫌気性が高まり、嫌気性の歯
周病菌の繁殖が活発になり、やがて歯肉炎が発症して歯
周病に進行していく。すなわち、歯の表面に付着するプ
ラークは、歯科における二大疾患といわれるう蝕と歯周
病の主な原因になっていると考えられる。従って、プラ
ーク形成の元凶であるグルコシルトランスフェラーゼの
活性を阻害することにより、う蝕と歯周疾患を予防する
ことが可能となる。
【0004】グルコシルトランスフェラーゼ阻害剤につ
いては、これまでも、主に生薬や植物抽出物を中心に多
くの研究が成されてきており、また、多くの特許出願が
なされている。例えば、特開昭58−121218号公
報は、グルコシルトランスフェラーゼ阻害作用を有する
植物抽出エキスを必須成分とするう蝕予防剤として、タ
イソウ、ウイキョウ、芍薬、ゲンチアナ、センソ、龍
胆、黄連、センブリなどを挙げている。また、特開昭6
4−10985号公報では、グルコシルトランスフェラ
ーゼ阻害剤としてエラグ酸及びエラグ酸を含有するゲン
ノショウコ、ユーカリを開示している。さらに、特開平
4−95020号公報では、グルコシルトランスフェラ
ーゼ阻害剤としてシャクヤク、ビワヨウ、ジョウインチ
ン、チユを、さらにそれらを含有する口腔用組成物を開
示している。
いては、これまでも、主に生薬や植物抽出物を中心に多
くの研究が成されてきており、また、多くの特許出願が
なされている。例えば、特開昭58−121218号公
報は、グルコシルトランスフェラーゼ阻害作用を有する
植物抽出エキスを必須成分とするう蝕予防剤として、タ
イソウ、ウイキョウ、芍薬、ゲンチアナ、センソ、龍
胆、黄連、センブリなどを挙げている。また、特開昭6
4−10985号公報では、グルコシルトランスフェラ
ーゼ阻害剤としてエラグ酸及びエラグ酸を含有するゲン
ノショウコ、ユーカリを開示している。さらに、特開平
4−95020号公報では、グルコシルトランスフェラ
ーゼ阻害剤としてシャクヤク、ビワヨウ、ジョウインチ
ン、チユを、さらにそれらを含有する口腔用組成物を開
示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、未だう蝕や歯
周病が広く蔓延している現在、従来より用いられてきた
生薬や植物抽出物のグルコシルトランスフェラーゼ阻害
作用の研究や効果については、まだ十分であるとはいい
難い。
周病が広く蔓延している現在、従来より用いられてきた
生薬や植物抽出物のグルコシルトランスフェラーゼ阻害
作用の研究や効果については、まだ十分であるとはいい
難い。
【0006】そこで本発明は、グルカンの付着、プラー
クの形成を効果的に抑制し、虫歯や歯周病を予防するこ
とができる新規なグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤
及びそれを用いた口腔用組成物を提供することを目的と
する。
クの形成を効果的に抑制し、虫歯や歯周病を予防するこ
とができる新規なグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤
及びそれを用いた口腔用組成物を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記事情に鑑み、我々は
より効果的なグルコシルトランスフェラーゼ阻害作用を
持つ物質の探索に鋭意努力を重ねた結果、従来は抗菌剤
として使用されてきたクロルヘキシジン又はその塩類、
塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベン
ザルコニウム、および塩化ベンゼトニウムに顕著なグル
コシルトランスフェラーゼ阻害作用を見出だし、本発明
を完成するに至った。
より効果的なグルコシルトランスフェラーゼ阻害作用を
持つ物質の探索に鋭意努力を重ねた結果、従来は抗菌剤
として使用されてきたクロルヘキシジン又はその塩類、
塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベン
ザルコニウム、および塩化ベンゼトニウムに顕著なグル
コシルトランスフェラーゼ阻害作用を見出だし、本発明
を完成するに至った。
【0008】すなわち本出願のグルコシルトランスフェ
ラーゼ阻害剤は、クロルヘキシジンまたはその塩類、塩
化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンザ
ルコニウム、および塩化ベンゼトニウムから選ばれた1
種または2種以上を有効成分とすることを特徴とする。
ラーゼ阻害剤は、クロルヘキシジンまたはその塩類、塩
化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンザ
ルコニウム、および塩化ベンゼトニウムから選ばれた1
種または2種以上を有効成分とすることを特徴とする。
【0009】前記クロルヘキシジンの塩は好ましくはグ
ルコン酸塩である。
ルコン酸塩である。
【0010】以下に本発明の構成を詳細に説明する。
【0011】クロルヘキシジンは、ビスジグアニド化合
物の一種であり、その塩類であるグルコン酸クロルヘキ
シジンや塩酸クロルヘキシジンは、強い抗菌作用を持
ち、殺菌剤や消毒剤として広く使用されている。また、
塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベン
ザルコニウム、および塩化ベンゼトニウムは、いずれも
4級アンモニウム塩に属し、やはり強い抗菌作用を有
し、殺菌剤や消毒剤として広く使用されているものであ
る。またこれらの物質は、口腔内のう蝕原菌や歯周病菌
に対しても強い抗菌作用を有し、従来より歯磨剤やマウ
スウォッシュなどの口腔用組成物に使用されてきた。
物の一種であり、その塩類であるグルコン酸クロルヘキ
シジンや塩酸クロルヘキシジンは、強い抗菌作用を持
ち、殺菌剤や消毒剤として広く使用されている。また、
塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベン
ザルコニウム、および塩化ベンゼトニウムは、いずれも
4級アンモニウム塩に属し、やはり強い抗菌作用を有
し、殺菌剤や消毒剤として広く使用されているものであ
る。またこれらの物質は、口腔内のう蝕原菌や歯周病菌
に対しても強い抗菌作用を有し、従来より歯磨剤やマウ
スウォッシュなどの口腔用組成物に使用されてきた。
【0012】しかしながら、これらの物質のグルコシル
トランスフェラーゼ阻害作用について報告されたことは
なく、従ってグルコシルトランスフェラーゼ阻害を目的
に歯磨剤やマウスウォッシュなどの口腔用組成物に使用
されたこともなかった。本発明はこの点に着目したもの
である。
トランスフェラーゼ阻害作用について報告されたことは
なく、従ってグルコシルトランスフェラーゼ阻害を目的
に歯磨剤やマウスウォッシュなどの口腔用組成物に使用
されたこともなかった。本発明はこの点に着目したもの
である。
【0013】本発明のグルコシルトランスフェラーゼ阻
害剤は、クロルヘキシジンまたはその塩類(好ましくは
グルコン酸塩)、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリ
ニウム、塩化ベンザルコニウム、および塩化ベンゼトニ
ウムから選ばれた1種または2種以上を、0.001〜
5%、好ましくは0.005〜0.5%、より好ましく
は0.01〜0.1%含有するのが好ましい。0.00
1%以下ではグルコシルトランスフェラーゼ阻害作用が
認められず、5%以上ではグルコシルトランスフェラー
ゼ阻害作用が頭打ちとなって不経済である。
害剤は、クロルヘキシジンまたはその塩類(好ましくは
グルコン酸塩)、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリ
ニウム、塩化ベンザルコニウム、および塩化ベンゼトニ
ウムから選ばれた1種または2種以上を、0.001〜
5%、好ましくは0.005〜0.5%、より好ましく
は0.01〜0.1%含有するのが好ましい。0.00
1%以下ではグルコシルトランスフェラーゼ阻害作用が
認められず、5%以上ではグルコシルトランスフェラー
ゼ阻害作用が頭打ちとなって不経済である。
【0014】本発明のグルコシルトランスフェラーゼ阻
害剤は、練歯磨、粉歯磨、水歯磨、マウスウォッシュ、
トローチ、チューインガム、錠剤、粉粒剤、塗布剤、含
嗽剤、口中清涼剤、ドリンク剤、口腔用パスタなどの口
腔用組成物や、ペットフード及びその他の一般の食品中
に配合して用いることができる。
害剤は、練歯磨、粉歯磨、水歯磨、マウスウォッシュ、
トローチ、チューインガム、錠剤、粉粒剤、塗布剤、含
嗽剤、口中清涼剤、ドリンク剤、口腔用パスタなどの口
腔用組成物や、ペットフード及びその他の一般の食品中
に配合して用いることができる。
【0015】これらの口腔用組成物や食品の基剤に使用
される成分は、剤型に応じて通常使用されるものを適宜
選択することができる。例えば、第二リン酸カルシウ
ム、シリカなどの研磨剤、グリセリン、ソルビトール、
プロピレングリコールなどの湿潤剤、カルボキシメチル
セルロース、カラギーナン、ポリアクリル酸ナトリウム
などの増粘剤、ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸
エステル、ラウロイルサルコシネートなどの界面活性
剤、高級アルコール、ワックスなどの油分、低級アルコ
ール、澱粉、コーンスターチ、ゼラチン、ペプトン、香
料、色素、防腐剤、甘味剤、抗酸化剤、水など、通常口
腔用組成物や食品に用いられる成分を配合することがで
きる。
される成分は、剤型に応じて通常使用されるものを適宜
選択することができる。例えば、第二リン酸カルシウ
ム、シリカなどの研磨剤、グリセリン、ソルビトール、
プロピレングリコールなどの湿潤剤、カルボキシメチル
セルロース、カラギーナン、ポリアクリル酸ナトリウム
などの増粘剤、ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸
エステル、ラウロイルサルコシネートなどの界面活性
剤、高級アルコール、ワックスなどの油分、低級アルコ
ール、澱粉、コーンスターチ、ゼラチン、ペプトン、香
料、色素、防腐剤、甘味剤、抗酸化剤、水など、通常口
腔用組成物や食品に用いられる成分を配合することがで
きる。
【0016】
【実施例】次に実施例を上げて本発明を詳細に説明する
が、本発明の技術範囲がこれらの実施例に限定されるも
のではないことはいうまでもない。
が、本発明の技術範囲がこれらの実施例に限定されるも
のではないことはいうまでもない。
【0017】ストレプトコッカス・ソブリヌス6715
株より粗精製したグルコシルトランスフェラーゼを用
い、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニ
ウム、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム及び塩
化ベンゼトニウムの阻害効果を測定した。
株より粗精製したグルコシルトランスフェラーゼを用
い、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニ
ウム、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム及び塩
化ベンゼトニウムの阻害効果を測定した。
【0018】(酵素液の調製)ストレプトコッカス・ソ
ブリヌス6715株をブレイン・ハート・インフュージ
ョン培地にて18時間培養し、培養濾液を70%飽和硫
安にて塩析した。その遠心沈殿を0.1Mリン酸ナトリ
ウム緩衝液(pH6.0)に溶解し、同緩衝液に対して
透析したものを、粗酵素液として、グルコシルトランス
フェラーゼ阻害作用の測定に供した。
ブリヌス6715株をブレイン・ハート・インフュージ
ョン培地にて18時間培養し、培養濾液を70%飽和硫
安にて塩析した。その遠心沈殿を0.1Mリン酸ナトリ
ウム緩衝液(pH6.0)に溶解し、同緩衝液に対して
透析したものを、粗酵素液として、グルコシルトランス
フェラーゼ阻害作用の測定に供した。
【0019】(吸光度測定用溶液の調製)被験物質であ
るグルコン酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウ
ム、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム及び塩化
ベンゼトニウムをそれぞれ0.1Mリン酸ナトリウム緩
衝液(pH6.0)に溶解した被験物質溶液(各種テス
ト濃度の2倍濃度)1.5ml、酵素液0.1ml、及
び0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)0.
4mlを合わせ、最後に0.1Mリン酸ナトリウム緩衝
液(pH6.0)に溶解した基質溶液(3%シュークロ
ース、0.3%デキストラン、0.3%アジ化ナトリウ
ム)1.0mlを加え、37℃で3時間インキュベーシ
ョンした。
るグルコン酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウ
ム、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム及び塩化
ベンゼトニウムをそれぞれ0.1Mリン酸ナトリウム緩
衝液(pH6.0)に溶解した被験物質溶液(各種テス
ト濃度の2倍濃度)1.5ml、酵素液0.1ml、及
び0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)0.
4mlを合わせ、最後に0.1Mリン酸ナトリウム緩衝
液(pH6.0)に溶解した基質溶液(3%シュークロ
ース、0.3%デキストラン、0.3%アジ化ナトリウ
ム)1.0mlを加え、37℃で3時間インキュベーシ
ョンした。
【0020】(吸光度の測定)上記のようにして調製し
た溶液について、生成した不溶液グルカンの量を550
nmにおける吸光度として測定した。なお、酵素液の酵
素活性量は、まず予備試験を行い、この条件にてインキ
ュベーションしたとき、コントロール(被験物質を含ま
ない溶媒のみの反応系)の550nmにおける吸光度が
1.0となる活性量を調整して用いた。
た溶液について、生成した不溶液グルカンの量を550
nmにおける吸光度として測定した。なお、酵素液の酵
素活性量は、まず予備試験を行い、この条件にてインキ
ュベーションしたとき、コントロール(被験物質を含ま
ない溶媒のみの反応系)の550nmにおける吸光度が
1.0となる活性量を調整して用いた。
【0021】(阻害率の算出)被験物質が各試験濃度の
場合における酵素活性の阻害率を下式によって計算し
た。
場合における酵素活性の阻害率を下式によって計算し
た。
【0022】(IC50の算出)酵素活性の阻害率が5
0%となる被験物質の濃度(IC50)を算出し、被験
物質の阻害作用を評価した。すなわち、IC50の値が
小さいほど、被験物質のグルコシルトランスフェラーゼ
阻害作用は強いことになる。
0%となる被験物質の濃度(IC50)を算出し、被験
物質の阻害作用を評価した。すなわち、IC50の値が
小さいほど、被験物質のグルコシルトランスフェラーゼ
阻害作用は強いことになる。
【0023】(グルコシルトランスフェラーゼ阻害作用
の測定結果)各被験物質のIC50の値を表1に示す。 [表1] サンプル IC50(ppm) グルコン酸クロルヘキシジン 136 塩化セチルピリジニウム 21.3 塩化デカリニウム 58.2 塩化ベンザルコニウム 25.1 塩化ベンゼトニウム 30.8
の測定結果)各被験物質のIC50の値を表1に示す。 [表1] サンプル IC50(ppm) グルコン酸クロルヘキシジン 136 塩化セチルピリジニウム 21.3 塩化デカリニウム 58.2 塩化ベンザルコニウム 25.1 塩化ベンゼトニウム 30.8
【0024】グルコン酸クロルヘキシジン、塩化セチル
ピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウムのIC50の値は小さく、これ
らの物質に顕著なグルコシルトランスフェラーゼ阻害作
用があることが判明した。中でも、塩化セチルピリジニ
ウムのグルコシルトランスフェラーゼ阻害作用が最も強
いものであった。
ピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウムのIC50の値は小さく、これ
らの物質に顕著なグルコシルトランスフェラーゼ阻害作
用があることが判明した。中でも、塩化セチルピリジニ
ウムのグルコシルトランスフェラーゼ阻害作用が最も強
いものであった。
【0025】実施例1、2及び比較例1(歯磨) 表2に示した組成に基づき、通常の方法にて実施例1、
2および比較例1の歯磨を製造した。
2および比較例1の歯磨を製造した。
【0026】 [表2] 実施例1 実施例2 比較例1 グルコン酸クロルヘキシジン 0.05 − − 塩化セチルピリジニウム − 0.05 − グリセリン 10.0 10.0 10.0 第二リン酸カルシウム2水和物 40.0 40.0 40.0 ソルビット 10.0 10.0 10.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.5 1.5 1.5 ラウリル硫酸ナトリウム 0.5 0.5 0.5 サッカリンナトリウム 0.1 0.1 0.1 香料 適量 適量 適量 精製水 残余 残余 残余 ─────────────────────────────────── 100 100 100
【0027】試験管の中に、実施例1、2および比較例
1の歯磨をそれぞれ0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液
(pH6.0)で重量比にて1/25に希釈した溶液を
5ml、前記のグルコシルトランスフェラーゼ酵素液
0.5ml、及び0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(p
H6.0)2.5mlを合わせ、最後に0.1Mリン酸
ナトリウム緩衝液(pH6.0)に溶解した基質溶液
(5%シュークロース、0.5%デキストラン、0.5
%アジ化ナトリウム)2.0mlを加え、ガラス棒を底
に届くまで挿入し、37℃で24時間静にインキュベー
ションした。その後ガラス棒を取り出し、付着していな
いグルカンを洗い流した後、0.5%トリトン溶液6m
lの入った細い試験管に移し、超音波処理にてガラス棒
に付着したグルカンを完全に剥離し、トリトン溶液に懸
濁したグルカンの量を550nmにおける吸光度として
測定し、比較例1の吸光度を100としたときの実施例
の吸光度を算出した。
1の歯磨をそれぞれ0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液
(pH6.0)で重量比にて1/25に希釈した溶液を
5ml、前記のグルコシルトランスフェラーゼ酵素液
0.5ml、及び0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(p
H6.0)2.5mlを合わせ、最後に0.1Mリン酸
ナトリウム緩衝液(pH6.0)に溶解した基質溶液
(5%シュークロース、0.5%デキストラン、0.5
%アジ化ナトリウム)2.0mlを加え、ガラス棒を底
に届くまで挿入し、37℃で24時間静にインキュベー
ションした。その後ガラス棒を取り出し、付着していな
いグルカンを洗い流した後、0.5%トリトン溶液6m
lの入った細い試験管に移し、超音波処理にてガラス棒
に付着したグルカンを完全に剥離し、トリトン溶液に懸
濁したグルカンの量を550nmにおける吸光度として
測定し、比較例1の吸光度を100としたときの実施例
の吸光度を算出した。
【0028】(ガラス棒へのグルカン付着試験結果)実
施例1、2及び比較例1について、ガラス棒に付着した
グルカンの量は以下の通りであった。
施例1、2及び比較例1について、ガラス棒に付着した
グルカンの量は以下の通りであった。
【0029】[表3] サンプル グルカン付着量 実施例1 67 実施例2 35 比較例1 100
【0030】実施例1及び2は、比較例1に比べてグル
コシルトランスフェラーゼ阻害作用によるガラス棒への
グルカン付着抑制の抑制の良好な効果を示した。
コシルトランスフェラーゼ阻害作用によるガラス棒への
グルカン付着抑制の抑制の良好な効果を示した。
【0031】次に、上記阻害剤を用いた練歯磨、口腔用
パスタ、マウスウォッシュ、口中清涼剤及びチューイン
ガムの配合例を実施例3〜8として以下に示す。
パスタ、マウスウォッシュ、口中清涼剤及びチューイン
ガムの配合例を実施例3〜8として以下に示す。
【0032】 実施例3(練歯磨) 重量% 無水ケイ酸 50.0 ソルビット 20.0 カラギーナン 0.5 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.8 サッカリンナトリウム 0.08 塩化セチルピリジニウム 0.01 パラオキシ安息香酸ナトリウム 0.2 フッ化ナトリウム 0.3 香料 0.9 精製水 残部
【0033】 実施例4(練歯磨) 重量% 第二リン酸カルシウム 45.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0 グリセリン 20.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 サッカリンナトリウム 0.2 グルコン酸クロルヘキシジン 0.05 香料 1.0 パラオキシ安息香酸ブチル 0.005 精製水 残部
【0034】 実施例5(口腔用パスタ) 重量% ワセリン 10.0 プロピレングリコール 7.0 スレアリルアルコール 10.0 ポリエチレングリコール1500 30 グルコン酸クロルヘキシジン 0.02 ヒノキチオール 0.1 塩酸ピリドキシン 1.0 ポリエチレングリコール400 残部
【0035】 実施例6(マウスウォッシュ) 重量% エチルアルコール 10.0 サッカリンナトリウム 0.05 香料 0.8 ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンラウリン酸エステル 1.0 塩化ベンザルコニウム 0.03 精製水 残部
【0036】 実施例7(口中清涼剤(スプレータイプ)) 重量% エチルアルコール 40.0 サッカリンナトリウム 0.1 ソルビット 10.0 香料 1.0 ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油 0.7 塩化デカリニウム 0.1 精製水 残部
【0037】 実施例8(チューイガム) 重量% ガムベース 25.0 炭酸カルシウム 2.0 香料 1.0 銅クロロフィル 0.05 塩化ベンゼトニウム 0.04 ソルビット末 残部
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るクロ
ルヘキシジン又はその塩類、塩化セチルピリジニウム、
塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム及び塩化ベン
ゼトニウムから選ばれた1種又は2種以上を有効成分と
するグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤は、ストレプ
トコッカス、ミュータンス由来のグルコシルトランスフ
ェラーゼを阻害することにより、効果的にグルカンの付
着、プラークの形成を抑制し、従って虫歯や歯周病を良
好に予防するものである。
ルヘキシジン又はその塩類、塩化セチルピリジニウム、
塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム及び塩化ベン
ゼトニウムから選ばれた1種又は2種以上を有効成分と
するグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤は、ストレプ
トコッカス、ミュータンス由来のグルコシルトランスフ
ェラーゼを阻害することにより、効果的にグルカンの付
着、プラークの形成を抑制し、従って虫歯や歯周病を良
好に予防するものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 クロルヘキシジン又はその塩類、塩化セ
チルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコ
ニウム及び塩化ベンゼトニウムから選ばれた1種または
2種以上を有効成分とするグルコシルトランスフェラー
ゼ阻害剤。 - 【請求項2】 前記クロルヘキシジンの塩はグルコン酸
塩である請求項1記載のグルコシルトランスフェラーゼ
阻害剤。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のグルコシ
ルトランスフェラーゼ阻害剤を含有する口腔用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30231393A JPH07133222A (ja) | 1993-11-08 | 1993-11-08 | グルコシルトランスフェラ−ゼ阻害剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30231393A JPH07133222A (ja) | 1993-11-08 | 1993-11-08 | グルコシルトランスフェラ−ゼ阻害剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07133222A true JPH07133222A (ja) | 1995-05-23 |
Family
ID=17907454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30231393A Withdrawn JPH07133222A (ja) | 1993-11-08 | 1993-11-08 | グルコシルトランスフェラ−ゼ阻害剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07133222A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000212094A (ja) * | 1998-11-18 | 2000-08-02 | Takeda Chem Ind Ltd | 口腔用製剤 |
JP2001278758A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-10 | Nippon Zettoc Co Ltd | 口腔用組成物 |
JP2001278759A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-10 | Nippon Zettoc Co Ltd | 口腔用組成物 |
JP2004035416A (ja) * | 2002-06-28 | 2004-02-05 | Sangi Co Ltd | 改良3dsホームケア剤及び虫歯除菌システム |
JP2011073996A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Nippon Zettoc Co Ltd | 口腔用組成物 |
-
1993
- 1993-11-08 JP JP30231393A patent/JPH07133222A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000212094A (ja) * | 1998-11-18 | 2000-08-02 | Takeda Chem Ind Ltd | 口腔用製剤 |
JP2001278758A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-10 | Nippon Zettoc Co Ltd | 口腔用組成物 |
JP2001278759A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-10 | Nippon Zettoc Co Ltd | 口腔用組成物 |
JP2004035416A (ja) * | 2002-06-28 | 2004-02-05 | Sangi Co Ltd | 改良3dsホームケア剤及び虫歯除菌システム |
JP2011073996A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Nippon Zettoc Co Ltd | 口腔用組成物 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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