JPH0712655A - 測定システム - Google Patents

測定システム

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JPH0712655A
JPH0712655A JP5158223A JP15822393A JPH0712655A JP H0712655 A JPH0712655 A JP H0712655A JP 5158223 A JP5158223 A JP 5158223A JP 15822393 A JP15822393 A JP 15822393A JP H0712655 A JPH0712655 A JP H0712655A
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JP
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temperature
optical fiber
measurement
measured
signal
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JP5158223A
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Ichiro Wada
一郎 和田
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の測定システムは、光信号の入射によ
り光ファイバ13内に発生するラマン散乱の内入射端へ
向う後方散乱光が戻って来るまでの時間と戻って来た信
号の強さを信号処理装置14で解析して測定点位置およ
びそこの温度を測定するシステムにおいて、各測定箇所
にわたる光ファイバ13の伝送路を天井21から吊った
コンジット15(熱的隔壁)内に通して基準用温度印加
部とし、各測定箇所で光ファイバ13をコンジット15
の表へ一筆書き的にたるみ状に引き出して温度測定部1
7としたことを特徴とする。 【効果】 被測定領域で環境変化が生じた場合、外にあ
る温度測定部17では敏感に温度変化が現われ、コンジ
ット内の温度変化は緩慢であるため、温度測定部17の
光ファイバの長さが短かくても測定点位置及び温度を精
度良く計測できる。また、光ファイバは一筆書き的にた
るみ状に引出されているため接続の必要がなく、工事が
容易であり、光の損失が少ないので、測定箇所の数を多
くできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビル等の建築物内の被
測定領域に光ファイバを敷設し、この光ファイバ内の一
端である入射端から光信号を入射し、他端側に向かう光
ファイバのあらゆる部分から入射端へ戻ってくる後方散
乱光を解析して前記被測定領域内の任意の場所の温度,
湿度,あるいは温度分布等を測定する測定システムに関
する。
【0002】
【従来の技術】この種の光ファイバを用いた温度計に
は、OTDR(Optical Time Domai
n Reflectometry)形温度計と、OFD
R(Optical Frequency Domai
n Reflectometry)形温度計とがある。
これら両温度計は、ラマン(Raman)散乱方式とレ
イリー(Rayleigh)散乱方式とが用いられてい
るが、これら両方式の違いは、ラマン散乱は散乱波長が
発射光と異なること、一方、レイリー散乱は散乱波長が
発射光と同一波長であることである。
【0003】ここでは、温度計としてOTDR形温度計
を用い、且つ温度の測定感度が高いラマン散乱方式を用
いた例について説明する。このOTDR形温度計は、光
ファイバ中のラマン散乱を用いた温度測定と光パルス反
射法を用いた位置測定という2つの原理から成り立って
いる。
【0004】ところで、ラマン散乱は、物質に入射した
光子が分子振動の光学モードと相互作用し、非弾性衝突
を起こすことにより、入射光とは異なる波長の光が散乱
される物理現象である。ラマン散乱光には、入射光に対
して長波長側にずれるもの(ストークス光)と短波長側
にずれるもの(反ストークス光)との2種類があり、こ
れらの間には、入射光の波長をλ、ストークス光の波長
をλS 、反ストークス光の波長をλA とすると、
【数1】 のような関係が成り立つ。ここで、νは波数である。波
数は物質の性質で決まる量であり、ラマンシフトと呼ば
れている。
【0005】ラマン散乱光の強度は温度に依存する。温
度Tにおける反ストークス光とストークス光の比をR
(T)とすると、次の関係が成り立つ。
【0006】
【数2】 ここで、hはプランク定数、cは光速、hはボルツマン
定数である。ラマン散乱では、反ストークス光の散乱強
度が温度に対して大きく変化することが知られており、
これを温度測定に利用している。一方、OTDR法は、
光ファイバの一端からパルス光を入射し、光ファイバの
媒質中で逆散乱されて戻ってくる成分の時間を測定する
ことにより距離を測定する。したがって、以上述べた2
つの方法を組合わせることにより、温度分布測定が可能
となるものである。
【0007】このラマン散乱は、空気やガスの環境下に
おいてその環境内の微小物質や種々の分子等の影響を受
けるために、温度測定に利用するのが難しいと考えられ
ていた。しかし、その後光ファイバの製造技術上の発展
に伴い、光ファイバの種々の利用法が研究され、その一
環として温度計の利用についても研究開発が進められて
きた。特に、光ファイバは空気やガスの環境と異なって
固定されたファイバ成分のみが存在するだけであるの
で、除々にではあるが温度計測に適することがわかって
きた。OTDRは高速パルスを用いて温度計測を行なう
のに対し、OFDRでは周波数変調された光を用いて温
度計測を行なうものである。
【0008】しかしながら、現在、ラマン散乱方式を適
用した代表機種であるOTDR形温度計では、光ファイ
バの検温部(温度測定部)の位置分解能長さLt が20
m、最低測定温度Tb が5℃、最高測定温度Tc が15
0℃、最大測定長さLmax が1km(1GHzで0.1
mに相当するので、0.1m程度の分解能が限界)等を
有する測定範囲にあるが、学会その他の状況から将来的
にはLt が0.5m、Tb が−50℃、Tc が500〜
600℃、Lmax が10km程度まで改善されるものと
考えられている。なお、レイリー散乱方式を用いてもよ
く、これらの散乱方式を含め、OTDR形温度計と呼ぶ
こととする。
【0009】したがって、現状においてはLt は20m
よりも大であることから点の温度を測定することが難し
く、光ファイバに沿った温度分布を測定する程度の研究
しかなされていない。しかも、長い光ファイバ上の各点
からの後方散乱光は微弱であり、且つこれにノイズが混
入されているので、光信号を数千乃至数万回にわたって
繰り返し発射し、得られる後方散乱光を平均化してノイ
ズを除去し、所要とする信号を測定するように構成され
ているが、忠実度の良い測定は非常に難しい。
【0010】また、OTDRは、本来、位置を検出する
機能を持ったものであり、光源から光ファイバの入射端
へ光信号を入射し、この光信号によって光ファイバ内で
発生するラマン散乱のうち前記入射端へ向う後方散乱光
が戻ってくるまでの時間からその温度検知位置を計測す
るように構成されているが、光ファイバを構成する微細
な成分の違いや、構成等により、光ファイバを外側から
長さ計で温度検知位置までの長さを計測した場合と異な
ることが多い。それに加えて、OTDRの検温部である
光ファイバは、取付場所になじんで柔軟に形が変化する
ため、光ファイバの長さを光ファイバの外側から測定す
ることも非常に難しいという問題がある。
【0011】なお、Lt が20mよりも大きい長さを必
要とする理由の1つには、光の伝送速度変化に起因する
ことがあげられる。したがって、予め定めた測定場所の
一定温度の環境下で使用され且つ部分的に発生する異常
温度を測定する場合には、それらの既知条件を考慮しな
がら温度検知場所およびその場所の温度をかなり正確に
測定できるが、不特定場所の温度を測定する一般的な温
度測定の場合には前述したような種々の問題が生じる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、現状で
は光ファイバの検温部の位置分解能長さLt が20mよ
りも大きいことから点の温度を測定することが難しい、
また、長い光ファイバ上の各点からの後方散乱光は微弱
であり且つこれにノイズが混入されているので、光信号
を数万回も繰り返し発射し、得られる後方散乱光を平均
化してノイズを除去し、所要とする信号を得るように構
成されているが忠実度の良い測定は非常に難しい等の問
題がある。
【0013】そこで本発明は、広範な被測定領域の多数
の測定点の温度,湿度,あるいは被測定領域の温度分布
等を連続的且つ正確に測定可能とし、しかも測定精度お
よび位置分解能を高め得る測定システムを提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の測定システム
は、光源から光ファイバの入射端へ光信号を入射し、こ
の光信号の入射によって光ファイバ内で発生するラマン
散乱のうち前記入射端の方へ向かう後方散乱光が戻って
来るまでの時間と戻って来た信号の強さを信号処理装置
で解析して温度,湿度,あるいは温度分布を測定する測
定システムにおいて、被測定領域の各測定箇所にわたっ
て前記光ファイバの伝送路を連続的に敷設するととも
に、この伝送路の一部または全領域にわたって基準用信
号を印加する基準用信号印加部を有し、前記光ファイバ
の伝送路を熱的な隔壁の裏に敷設して基準用信号印加部
とし、前記各測定箇所でそれぞれ光ファイバを前記隔壁
の表へ一筆書き的にたるみ状に引き出し温度測定部と
し、表と裏の境を利用して測定点位置を明確化するよう
にしたことを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明の測定システムにおいては、被測定領域
の各測定箇所にわたって光ファイバの主の伝送路を熱的
な隔壁の裏に敷設して基準用信号印加部とし、各測定箇
所でそれぞれ光ファイバを前記隔壁の表へ一筆書き的に
たるみ状に引き出し温度測定部としたことにより、被測
定領域で環境変化が発生した場合、隔壁の表にある温度
測定部には敏感に温度変化が現われ、隔壁の裏の温度変
化は緩慢であるため、表と裏の境位置明確化を利用し、
温度測定部の光ファイバ束の長さが小であっても測定点
位置および温度を精度良く計測できる。
【0016】
【実施例】以下、図面に示した実施例に基いて本発明を
詳細に説明する。
【0017】先ず、本発明の測定システムを説明するた
めのベースとなるOTDRを用いた温度計の測定原理に
ついて図4乃至図6を参照して説明する。
【0018】いま、例えば図4に示すように、光パルス
を発生するレーザ発振装置や発光ダイオード等の光源1
1から光パルスSを発生し、ビームスプリッタ12(ビ
ームスプリッタと同様な機能を発揮するデバイス、例え
ば光分岐等も含めてビームスプリッタと呼ぶ)を通して
光ファイバ13の入射端に入射すると、この光ファイバ
13内で光パルスSの伝送伝達位置例えばt1 ,……t
n-1 ,tn から、
【数3】 なる周波数のラマン散乱が次々に発生し、それによって
各位置t1 ,…,tn-1,tn から後方散乱光が光ファ
イバ入射端側へ戻ってきて前記ビームスプリッタ12で
反射されあるいは分岐され、信号処理装置14に導入さ
れる。そこで、上述の光パルスS発生後、この信号処理
装置14においては、各位置t1 ,…,tn-1 ,tn
ら散乱されてくる後方散乱光の強度である温度T1 ,…
n-1 ,Tn を検出し、仮にT1 =T2 =……=Tn-1
=Tn なる関係にあるとき、遠い位置にある温度程伝送
による損失が大きいために信号レベルが小さくなる。す
なわち、信号処理装置14による測定結果は図5のよう
になる。なお、信号処理装置14から光源11へ光パル
ス発射命令を出しているので、本実施例ではこの発射命
令と光ファイバ13内から散乱して戻ってくる後方散乱
光とをそれぞれ処理可能な電気信号に変換し、発射命令
時刻を基準として後方散乱光の戻ってくる時間を計測
し、その計測時間軸上で後方散乱光の強度を計測し、か
つ、光ファイバ内の光速を既知として演算し、測定位置
およびその測定位置での後方散乱光の強度から温度を測
定する。
【0019】すなわち、この測定原理は、光パルスSの
発生後、光ファイバ13内から返ってくるまでの時間を
測定し、どこの位置で起こったラマン散乱であるかを知
る方法であって、比較的長い光ファイバに有効である。
【0020】一方、OFDRでは、AC連続波(変調
波)を用いる場合には同様にAC波形の光信号と光ファ
イバ内から戻ってくるAC波形の光信号との位相ずれか
らどの位置でラマン散乱が起きたかを知る方法であっ
て、この場合には比較的短い光ファイバであっても正確
に測定できる。何れの場合にも後方散乱光の大きさから
温度を測定する。この後方散乱光には光源11から発生
した光パルスSの波長λの他、λA ,λS 等が混在して
いるので、信号処理装置14内の特性フィルタ或いは分
波器によってλA ,λS を分離し、温度計測を行う。λ
A は温度に対して感度が高く、λS は温度に対して感度
が低いので、λA /λS のごとく割算を行ない、λS
光源や伝送路の変動を補償するのに用いる。このような
補償を行うことにより、光源の光量変化、伝送路の損失
変化等の影響を大きく受けることがなく、λA を用いた
高感度の温度測定を行うことができる。一方、位置を検
出する温度にもλA ,λS を活用することが望ましい。
なお、光信号を発生する光源と検出器とを兼ねる素子を
用いる場合にはビームスプリッタは不要である。
【0021】次に、図6は特に信号処理装置14の一具
体例を示す図である。すなわち、この信号処理装置14
は、シーケンスプログラムに基づいて種々の指令を出力
するCPU141を有し、このCPU141から動作指
令を受けて光源11から波長λの光パルスを例えば2個
のプリズムで構成されたビームスプリッタ12を介して
光ファイバ13へ入射すると、この光ファイバ13内部
で発生するラマン散乱のうち光入射端側に戻ってくる波
長λ,λA ,λS 等を含んだ後方散乱光が特性フィルタ
或いは分波器142に入射してくる。
【0022】なお、142が特性フィルタの場合にはそ
れぞれ一方の波長λA 或いはλS を通すフィルタが用い
られ、前述のごとくλA で温度計測を行い、λS で光源
や伝送路の変動を検出するごとくし例えばλA /λS
温度に対応した補償されたプロセス量にする。或いはλ
A ,λS の双方を通すフィルタを用い、λA ,λS を温
度信号として用いる。
【0023】一方、142が分波器の場合は、λA ,λ
S なる波長の光に分離した後、後続の光−電気変換器1
43,144でそれぞれ電気信号に変換される。そし
て、光−電気変換器144で変換された電気信号、つま
りラマン散乱に起因した信号は直接またはスイッチ回路
145を通って高速時系列処理手段146に送られ、こ
こでCPU141から光源11への動作指令出力に同期
して入力されるタイミング信号に基づいて時間(位置)
の計測およびその時間に対する温度に相当する信号強度
を計測し内蔵するメモリに順次保存していく。147は
高速時系列処理手段146に記憶されているデータおよ
び必要に応じて被測定領域の例えば温度発信源等をマッ
プ化したファイル148のデータを用いて所望とするデ
ータ処理を行う処理部である。
【0024】次に、本発明一実施例の測定システムを図
1を参照して説明する。
【0025】図1に示すように、被測定領域である室内
に熱的隔壁としてのコンジット(鋼,塩ビ等)15を天
井21から吊るして配置し、この中に光ファイバ13を
通し、複数の測温箇所にそれぞれ設けたコンジットの枝
管161 〜16n からたるみ状に光ファイバ13を引き
出し、無誘導電気抵抗と同様な巻き方をした温度測定部
171 〜17n を枝管から外部へ出し、各枝管の開口端
部内に熱遮断のための栓(例えばガラスウール,パテ,
ゴム粘度,セメント等)19を設け、枝管から外部に出
ている測定部171 〜17n を、小孔が多数分布して明
けられたカバー18で覆い、このカバー18を枝管に取
り付けるようにして、火災報知システムを構成したもの
である。各温度測定部同士の間の間隔Lの十分長い(測
温に必要な長さを有する)部分を基準用信号印加部とし
ている。
【0026】別置されたOTDR形温度計本体20内の
信号処理装置14(図6参照)のCPUからの動作指令
を受けて光源11から発せられた光パルスがビームスプ
リッタ12を介して光ファイバ13へ入射される。各温
度測定部171 〜17n から後方散乱光が戻って来てビ
ームスプリッタ12を介して信号処理装置14に導入さ
れ、温度測定部の位置およびその位置での後方散乱光の
強度から温度が測定される。
【0027】この実施例の火災報知システムとして構成
した測定システムにおいては、光ファイバ13の主の伝
送路をコンジット15内に敷設し、各測定箇所ではコン
ジット枝管161 〜16n により光ファイバ13を一筆
書き的にたるみ状として引き出し、無誘導電気抵抗と同
様に巻いた温度測定部171 〜17n を多孔を有するカ
バー18で覆い、コンジット15内部とは栓19によっ
て熱遮断した構成にしたので、測定箇所での火災発生の
際には、温度測定部171 〜17n の温度変化が敏感且
つ顕著に現われ、コンジット15内の基準信号印加部の
光ファイバ13の温度変化は緩慢であるため、温度測定
部171 〜17n の光ファイバ13束の長さが小であっ
ても測定点位置および温度を精度良く計測できる。この
結果、限定長さ1000mの光ファイバから多数の光フ
ァイバ束ができ、広範な領域に温度測定部を配置するこ
とができる。
【0028】なお、図1に示した実施例では、たるみ状
として引き出した光ファイバ13を無誘導電気抵抗と同
様に無誘導的に巻いて温度測定部を構成したが、たるみ
状として引き出した光ファイバ13をくしゃくしゃに束
ね、それをカバーで覆って温度測定部を構成するように
してもよい。
【0029】ここで、図3(a),(b)を参照して温
度測定部の光ファイバ13の長さと測定精度の関係につ
いての実験例を説明する。図3(a)に示すように、1
20℃に設定されている恒温槽31内に光ファイバ13
の温度測定部を設置し、その光ファイバ13の所要とす
る基準温度印加部を恒温槽外に取り出し、20℃の基準
温度を印加したとき、光パルスの幅,光ファイバの材
質,データ処理方法によって多少異なるが、図3(b)
のような関係となる。つまり、光ファイバ13の基準温
度印加部(い)を20℃に設定後、その光ファイバ13
を恒温槽31に導入して長さ1mの温度測定部(イ)と
したとき、本来恒温槽31内の設定温度120℃を測定
すべきところが、測定結果としては80℃相当しか得ら
れない。以下、同様に恒温槽31に外部に50m延ばし
て光ファイバ13の基準温度印加部(ろ)〜(へ)に基
準温度20℃を印加し、その後、恒温槽31内に導入し
て長さがそれぞれ2m,5m,10m,50mの温度測
定部(ロ)〜(ホ)を設置すると、各測度測定部
(ロ),(ハ),(ニ),(ホ)においてはそれぞれ1
06℃,119.5℃,120℃,120℃が得られ、
再現性は十分であることが分った。したがって、各温度
測定部(イ)〜(ホ)で得られた測定結果に対し、
(イ)では1.5,(ロ)では1.132,(ハ)では
1.004の補正係数を乗じてやれば、補正値としてい
ずれも120℃が得られ、温度測定部の光ファイバの長
さが分かれば補正により正しい温度を求めることが可能
である。つまり、温度測定部の光ファイバ束を1m程度
まで短かくしても問題無い。
【0030】次に、本発明の測定システムの他の実施例
を図2を参照して説明する。この実施例では、熱的隔壁
として天井21を用い、光ファイバ13を天井21の上
に引き回し、複数の測温箇所で天井に明けた穴23から
それぞれ光ファイバ13をたるみ状にして天井の下にた
らし、図1の場合と同様にたるみ状部にカバーなどの見
栄え処理を施して温度測定部171 〜17n を構成した
ものである。天井21上の各温度測定部間の光ファイバ
13の主の伝送路が基準用信号(温度)印加部になって
おり、温度測定部171 〜17n の光ファイバ束の長さ
を短かくしても測定点位置および温度を精度良く計測で
きる。
【0031】なお、本発明の測定システムの校正は、光
ファイバの一部あるいは全領域で測温している値を、他
の基準となる温度計で測温した温度と比較することによ
り行なう。また、十分長い光ファイバの束を既知温度の
恒温槽に入れOTDRで読んだ値をこの既知温度に合わ
せるように調整してもよい。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、被
測定領域の各測定箇所にわたって光ファイバの伝送路を
連続的に敷設するとともに、この伝送路の一部または全
領域にわたって基準用信号を印加する基準用信号印加部
を有し、前記光ファイバの伝送路を熱的な隔壁の裏に敷
設して基準用信号印加部とし、前記各測定箇所でそれぞ
れ光ファイバを前記隔壁の表へ一筆書き的にたるみ状に
引き出して温度測定部とし、表と裏の境を利用して測定
点位置を明確化するようにしたことを特徴とする測定シ
ステムを実現したことにより、被測定領域で環境変化が
発生した場合、隔壁の表にある温度測定部では敏感に温
度変化が現われ、隔壁の裏の温度変化は緩慢であるた
め、温度測定部の光ファイバ束の長さが小であっても測
定点位置および温度を精度良く計測できる。また、各温
度測定部で光ファイバは一筆書き的にたるみ状に引き出
されていることから接続の必要が無く、工事の容易化,
低工数化が図れるとともに、光の損失を最少限に抑える
ことができ、測定箇所の数を多くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明一実施例の測定システムの構成を
示す概略立面図である。
【図2】図2は本発明他の実施例の測定システムの構成
を示す概略斜視図である。
【図3】図3(a),(b)は温度測定部の光ファイバ
束の長さと測定値の関係を説明するための図で、図3
(a)は被測定領域の外部に基準温度装置を設けたとき
の等価構成図であり、図3(b)は図3(a)の等価構
成を用いたときの測定温度を示す図である。
【図4】図4は本発明の測定システムの測定原理を説明
するための構成図である。
【図5】図5は図4の構成において光源から光パルスを
発生した後、時間と後方散乱光の強度との関係を説明す
る図である。
【図6】図6は図4における信号処理装置の具体的構成
例を示すブロック図である。
【符号の説明】
11…光源 12…ビームスプリッタ 13…光ファイバ 14…信号処理装置 15…コンジット 16…コンジットの枝管 17…温度測定部 18…カバー 19…栓 20…OTDR形温度計本体 21…天井

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から光ファイバの入射端へ光記号を
    入射し、この光信号の入射によって光ファイバ内で発生
    するラマン散乱のうち前記入射端の方へ向かう後方散乱
    光が戻って来るまでの時間と戻って来た信号の強さを信
    号処理装置で解析して温度,湿度,あるいは温度分布を
    測定する測定システムにおいて、被測定領域の各測定箇
    所にわたって前記光ファイバの伝送路を連続的に敷設す
    るとともに、この伝送路の一部または全領域にわたって
    基準用信号を印加する基準用信号印加部を有し、前記光
    ファイバの伝送路を熱的な隔壁の裏に敷設して基準用信
    号印加部とし、前記各測定箇所でそれぞれ光ファイバを
    前記隔壁の表へ一筆書き的にたるみ状に引き出して温度
    測定部とし、表と裏の境を利用して測定点位置を明確化
    するようにしたことを特徴とする測定システム。
  2. 【請求項2】 熱的な隔壁が建築物の天井,壁,床,天
    井から吊り下げられて天井と一定間隔で設置されたコン
    ジットのいずれか1つであることを特徴とする請求項1
    記載の測定システム。
  3. 【請求項3】 温度測定部が、隔壁の穴からたるみ状に
    引き出した光ファイバを無誘導巻的に巻くかあるいはく
    しゃくしゃに束ね、前記穴を断熱性の栓でふさぎ、巻か
    れあるいは束ねられた光ファイバをカバーで覆った構造
    であることを特徴とする請求項1記載の測定システム。
JP5158223A 1993-06-29 1993-06-29 測定システム Pending JPH0712655A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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